JP2002241729A - リグノセルロース系熱圧成形体用接着剤組成物、及びそれを用いた熱圧成形体の製造方法 - Google Patents
リグノセルロース系熱圧成形体用接着剤組成物、及びそれを用いた熱圧成形体の製造方法Info
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Abstract
造において、離型性の優れた接着剤組成物、並びにそれ
を用いた耐熱水性等の優れた物性を有する熱圧成形体及
び熱圧成形体の製造方法を提供する。 【解決手段】 有機ポリイソシアネート(A)、及び脂
肪鎖の炭素数が9以上のモノカルボン酸と脂肪鎖の炭素
数が9以上の脂肪族モノアルコールとからなるエステル
化合物であって、融点が40〜160℃であるワックス
(B1)を、脂肪鎖の炭素数が9以上の脂肪族モノアル
コールであって数平均分子量が250〜5,000であ
るエチレンオキサイド重付加体である乳化剤(B2)に
て乳化させた、酸価が10mgKOH/g以下であるワ
ックスエマルジョン(B)、からなるリグノセルロース
系熱圧成形体用接着剤組成物及びそれを用いた熱圧成形
体の製造方法により解決する。
Description
ネートとワックスエマルジョンからなるリグノセルロー
ス系熱圧成形体用接着剤組成物、及びそれを用いた熱圧
成形体の製造方法に関する。更に詳細には、リグノセル
ロース系材料を用いた熱圧成形体の製造において、離型
性及び耐熱水性等の性能が優れた接着剤組成物及びその
熱圧成形体の製造方法に関する。
ース系材料の熱圧成形体(パーティクルボード、中密度
繊維板等のボード)用の接着剤として、従来、尿素樹
脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂、フェノール樹
脂、フェノールメラミン樹脂等のホルマリン系接着剤が
使用されてきたが、最近の例えばシックハウス症候群の
問題に見られるように接着剤から放出されるホルマリン
を低減化させる必要が出てきた。住宅環境を改善するた
めの前記問題に対応できる接着剤として、非ホルマリン
系接着剤として有機ポリイソシアネート樹脂が、元来そ
の構造にホルマリンを含有しないという特徴に加えて、
耐熱水性等その卓越した接着特性により、使用されてき
ている。しかし、有機ポリイソシアネート樹脂を前記熱
圧成形体用の接着剤として用いる場合、その優れた接着
性のため、連続又はバッチ式プレスにて熱圧成形する
際、接触する金属表面(以下、熱盤と称する。)に強固
に接着するという現象が生じ、前記熱圧成形体を安定的
に連続製造できないという問題点が生じる。
題を解決するため、離型剤(以下、外部離型剤と称す
る。)を熱圧前に、直接熱盤に塗布しておく方法が特開
昭52−154875号公報等に提案されている。一
方、このような外部離型剤の塗布方式ではなく、有機ポ
リイソシアネートに添加剤(以下、内部離型剤と称す
る。)を混合する方法が、特開昭59−205175号
公報、特開昭57−113053号公報、特開平1−1
98572号公報等において提案されている。また、特
開平4−232004号公報では、エマルジョンワック
スと有機ポリイソシアネートの相溶化剤として、オルト
リン酸中性エステルを添加して、リグノセルロース系材
料を熱圧成形する方法が提案されているが、この方法で
は、常温で操作しやすい液状の、ワックスとオルトリン
酸中性エステルの混合液を得ることができず、エマルジ
ョンワックスの取扱いに問題があった。
性を確保するためには、適宜熱盤に外部離型剤を塗布す
る必要があり、その塗布作業性の困難さ、煩雑さを有す
るという問題点がある。一方、内部離型剤による方法で
は、充分な離型効果を発揮させるために、多量の内部離
型剤を使用する必要があり、その使用量の多さ故の物性
低下という悪影響が生じることと実際の製造工程では長
時間の持続性の面、及び経済性の面からも困難な点があ
り、現状の生産工程にそのまま適用するに至っていな
い。
結果、有機ポリイソシアネート化合物と特定の組成のワ
ックスエマルジョンからなる接着剤組成物が、リグノセ
ルロース系材料の熱圧成形体用の接着剤組成物として前
記の諸問題を解決できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
に示されるものである。 (1)有機ポリイソシアネート(A)、及び脂肪鎖の炭
素数が9以上のモノカルボン酸と脂肪鎖の炭素数が9以
上の脂肪族モノアルコールとからなるエステル化合物で
あって、融点が40〜160℃であるワックス(B1)
を、脂肪鎖の炭素数が9以上の脂肪族モノアルコールで
あって数平均分子量が250〜5,000であるエチレ
ンオキサイド重付加体である乳化剤(B2)にて乳化さ
せた、酸価が10mgKOH/g以下であるワックスエ
マルジョン(B)、からなるリグノセルロース系熱圧成
形体用接着剤組成物。
ボン酸が、ステアリン酸であることを特徴とする、前記
(1)に記載の接着剤組成物。
ノアルコールが、ステアリルアルコールであることを特
徴とする、前記(1)又は(2)に記載の接着剤組成
物。
含有する、前記(1)から(3)のずれかに記載の接着
剤組成物。
記載の接着剤を用いることを特徴とする、リグノセルロ
ース系熱圧成形体の製造方法。
成成分について説明する。本発明に用いられる有機ポリ
イソシアネート(A)は、後述するワックスエマルジョ
ン(B)への相溶性の良いタイプが好ましく、各接着剤
成分の混合性やリグノセルロース系材料への塗布におけ
る作業性等を考慮すると、25℃の粘度が500mPa
・s以下のものが好ましく、特に10〜400mPa・
sのものが好ましい。また、(A)のイソシアネート含
量は20〜35質量%が好ましく、特に28〜32質量
%が好ましい。
は、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDI
という)、MDIとMDI系多核縮合体との混合物(以
下、ポリメリックMDIという)、液状MDI(カルボ
ジイミド変性MDI)、トリレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネー
ト、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素
添加キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。ま
た、イソシアネート基の一部をビウレット、アロファネ
ート、カルボジイミド、ウレトンイミン、オキサゾリド
ン、アミド、イミド、イソシアヌレート、ウレトジオン
等に変性したものであってもよい。これらは単独又は2
種以上の混合物であってもよい。
て、前記ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物と
反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー
も好適に使用できる。ポリイソシアネートと活性水素基
含有化合物を反応させる際の、イソシアネート基と活性
水素基との当量比(イソシアネート基/活性水素基)は
1.5〜500が好ましく、更には2〜400の範囲が
好ましい。
は32〜10,000が好ましく、特に100〜5,0
00が好ましい。平均官能基数は1以上が好ましく、特
に1〜4が好ましい。具体的には、分子量500未満の
低分子モノオール、低分子ポリオール、低分子モノアミ
ン、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコール、数平
均分子量500以上の高分子モノオール、高分子ポリオ
ールが挙げられる。これらは、単独又は二種以上の混合
物を使用することができる。
エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノー
ル、ラウリルアルコール、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
等が挙げられる。
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,
4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、水素添加ビスフェノールA、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル、蔗糖、ジグリセリン等が挙げられる。
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、
ジブチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン等が挙
げられる。
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−
ジメチル−4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、ジエチルトリアミン、ジブチルトリアミン、ジプロ
ピレントリアミン等が挙げられる。
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエ
タノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n
−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノー
ルアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミ
ン、N−(β−アミノエチル)イソプロパノールアミン
等が挙げられる。
モノオール、低分子モノアミンのうち第2アミン、モノ
チオール、フェノール等の活性水素を1個有する化合物
を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、スチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の
環状エーテルを重付加させたポリエーテルモノオール、
1個有する化合物を開始剤として、ε−カプロラクタ
ム、γ−バレロラクトン等の環状エステルモノマーを重
付加させたポリエステルモノオール等が挙げられる。
ポリオール、水酸基含有アミン系ポリエーテル、ポリオ
キシエチレンモノアルキルエーテル、アジピン酸、無水
フタル酸等の二塩基酸とエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリメチロールプロパン等のグリコール
やトリオールとの脱水縮合反応により得られる各種ポリ
エステルポリオール、ε−カプロラクタム等の環状エス
テルモノマーの開環重合により得られるラクトン系ポリ
オール、ポリカーボネートポリオール、アクリル系ポリ
オール、ポリブタジエン系ポリオール、ノボラック樹脂
やレゾール樹脂等のフェノール系ポリオール、更にはポ
リオール中でアクリロニトリル、スチレン等のビニル系
モノマーをラジカル重合させたいわゆるポリマーポリオ
ール等が挙げられる。
リックMDIと数平均分子量が100〜5,000の水
酸基含有ポリエーテルとの反応によって得られるイソシ
アネート基末端ウレタンプレポリマーが好ましい。この
ポリメリックMDIは、例えばアニリンとホルマリンと
の縮合反応によって得られる縮合混合物(ポリアミン)
をホスゲン化等によりアミノ基をイソシアネート基に転
化することによって得られる、縮合度の異なる有機イソ
シアネート化合物の混合物を意味する。ポリメリックM
DIの組成は、アニリンとホルマリンとの縮合時の原料
組成比や反応条件、各種ポリメリックMDIの混合比等
を変えることによって様々なものが得られる。また、ポ
リメリックMDIは、イソシアネート基への転化後の反
応液、又は反応液から溶媒の除去、又は一部MDIを留
出分離した缶出液、反応条件や分離条件等の異なった数
種の混合物、更にMDIを添加したものであってもよ
い。
は、1分子中にイソシアネート基及びベンゼン環を各2
個有する、いわゆる二核体(MDI)を20〜70質量
%、1分子中にイソシアネート基及びベンゼン環を各3
個以上有する、いわゆる多核体混合物を80〜30質量
%含む混合物であり、好ましくは二核体を30〜60質
量%及び多核体混合物を70〜40質量%含む混合物で
ある。
(B)のその目的とするところは、熱盤との接着性を回
避させるための離型剤としての効果である。ワックスエ
マルジョン(B)は、ワックス(B1)と乳化剤(B
2)を含有するものである。ワックスエマルジョン
(B)の固形分は10〜60質量%のものが好ましい。
また、ワックス(B1)と乳化剤(B2)の質量比は、
(B1)/(B2)=100/1〜100/40が好ま
しく、特に(B1)/(B2)=100/5〜100/
35が好ましい。
は、エマルジョンとしての状態で10mgKOH/g以
下であり、好ましくは5mgKOH/g以下である。酸
価が10mgKOH/gより大きいと、(A)成分に用
いられる有機ポリイソシアネートと、水ないしはリグノ
セルロース系材料に含まれる活性水素基との反応が阻害
され、高い物性値を有する成形体が得られない。
60℃である。ワックス(B1)の融点が40℃未満の
場合では、通常の熱圧成形温度である100〜200℃
の条件下で蒸発、気化しやすくなり、離型性を発揮しづ
らくなる。一方、融点が160℃以上の場合では、熱圧
成形温度が200℃の条件下であっても成形時間内に成
形体の内部の温度が必ずしもその温度まで上昇するとは
限らないため、ワックス成分が成形体表面に熱移動しづ
らくなり、熱盤との離型性を発揮できない。また、安定
なワックスエマルジョンを得ることが難しい。
炭素数が9以上のモノカルボン酸と脂肪鎖の炭素数が9
以上の脂肪族モノアルコールとからなるエステル化合物
である。
としては、カプリン酸(デカン酸)、ラウリン酸(ドデ
カン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、パルミチ
ン酸(ヘキサデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン
酸)、ノナデカン酸、アラキジン酸(エイコサン酸)等
及びその異性体が挙げられる。これらは、単独又は二種
以上の混合物を使用することができる。これらの中でス
テアリン酸が好ましい。
コールとしては、ノニルアルコール(ノナノール)、デ
シルアルコール(デカノール)、ウンデシルアルコール
(ウンデカノール)、ラウリルアルコール(ドデカノー
ル)、トリデシルアルコール(トリデカノール)、ミリ
スチルアルコール(テトラデカノール)、ペンタデカノ
ール、セチルアルコール(ヘキサデカノール)、ヘプタ
デカノール、ステアリルアルコール(オクタデカノー
ル)、ノナデカノール、エイコサノール(アラキジルア
ルコール)等及びその異性体が挙げられる。これらは、
単独又は二種以上の混合物を使用することができる。こ
れらの中でステアリルアルコールが好ましい。
ションクロマトグラフィー(GPC)による分子量にお
いて、ポリオキシプロピレングリコール(以下、PPG
と称する)を用いた換算値の分子量の幅が300〜2,
000であることが好ましい。ワックス(B1)中の、
分子量が300未満の成分が多い場合は、通常の熱圧成
形温度である100〜200℃の条件下で蒸発、気化し
やすくなり、離型性を発揮しづらくなる。また、分子量
が2,000を越える成分が多い場合はワックスエマル
ジョン(B)の安定性が悪くなるとともに有機ポリイソ
シアネート(A)との相溶性が低下することと、融点が
相対的に高くなるため、ワックス成分が成形体表面に熱
移動しづらくなり、熱盤との離型性を発揮できなくな
る。
るPPG換算の分子量において、重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比がMw/Mn=0.
9〜1.1のものが、分子量分布が比較的狭いために、
熱圧成形時に成形体表面に熱移動しやすくなり、熱盤と
の離型性を発揮しやすくなるため好ましい。このような
分子量分布をもたらすためには、前記のように脂肪鎖の
炭素数が9以上のモノカルボン酸と脂肪鎖の炭素数が9
以上の脂肪族モノアルコールとの組み合わせから得られ
るエステル化合物が好ましい。
ョン化には乳化剤(B2)として、数平均分子量が25
0〜5,000で、脂肪鎖の炭素数が9以上の脂肪族モ
ノアルコールのエチレンオキサイド重付加体を用いるこ
とができる。数平均分子量が5,000より大きいと前
記ワックスとの相溶性が低下するためにワックスエマル
ジョン(B)の液安定性が低下するだけでなく、ワック
スエマルジョンの融点が高くなるため熱圧成形時に離型
剤が成形体表面に熱移動しづらくなり、熱盤との離型性
が悪くなる。
数平均分子量が5,000以下で脂肪鎖の炭素数が9以
上の脂肪族モノアルコールのエチレンオキサイド重付加
体を用いるのは、ワックスのエマルジョン化における界
面活性剤的効果が大きく、更に離型性にも効果を発揮す
ることを見いだしたためである。すなわち、脂肪鎖の炭
素数が9以上の脂肪族炭化水素構造がワックス(B1)
との相溶性だけでなく熱盤との離型性の向上にも効果的
であり、一方、ポリオキシエチレン構造が親水性向上に
効果的のため液安定性の良いワックスエマルジョン
(B)を形成することができる。
コールとしては、前記ワックス(B1)を構成する脂肪
鎖の炭素数が9以上の脂肪族モノアルコールをそのまま
使用することができ、単独又は二種以上の混合物を使用
することができる。
が9以上の脂肪族モノアルコールの単独又は混合物にエ
チレンオキサイドを公知の方法で付加重合することで得
られる。本発明においては、特にステアリルアルコール
のエチレンオキサイド重付加体で数平均分子量が320
〜4,000のものがより好ましい。
リオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアル
キレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシアルキレン
アルキルエステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミ
ン、ポリオキシアルキレンフェニールエーテル、ポリオ
キシアルキレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ポリオ
キシアルキレンフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキ
レンジスルホン酸塩、ジアルキルサクシネートスルホン
酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルアリ
ールスルホン酸塩等の化合物等を用いることが可能であ
る。
素樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン共縮合樹脂、フェ
ノール樹脂、フェノールメラミン共縮合樹脂等が混合使
用できる。本発明においては環境面を考慮して、(C)
には低ホルマリンタイプの樹脂(縮合時のモル比が、ホ
ルマリン/他の原料化合物=1.0〜1.1であるも
の)又は尿素やアンモニア等のようなホルマリンキャッ
チャー剤を併用することが好ましい。(A)成分に対す
る(C)成分の配合比は、固形分換算の質量比で、
(A)成分/(C)成分=5/95〜95/5が好まし
く、特に10/90〜90/10が好ましい。
物性制御等を目的として、活性水素基含有化合物を併用
することができる。活性水素基含有化合物としては、前
述のイソシアネート基末端プレポリマーを得るのに用い
られるものが挙げられる。
にオキシアルキレン構造を有するポリオキシアルキレン
ポリアミン類を挙げることができ、例えば、ポリオキシ
プロピレンジアミンとして、ジェファーミンD−200
0(ハンツマン・スペシャリティー・ケミカルズ社製、
アミン当量約1000)やポリオキシプロピレントリア
ミンとして、テックスリムTR−5050(ハンツマン
・スペシャリティー・ケミカルズ社製、アミン当量約1
930)、ジェファーミンT−403(ハンツマン・ス
ペシャリティー・ケミカルズ社製、アミン当量約16
0)等が挙げられる。
ることができる。この触媒は、前記(A)成分と(B)
成分及びリグノセルロース系材料との反応硬化を促進す
るための触媒としても作用するものである。
チルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホ
リン、N−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾー
ル、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾー
ル、1−シアノイミダゾール、1−シアノメチルイミダ
ゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメ
チルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾー
ル、1−メチル−4−エチルイミダゾール、1−エチル
−2−メチルイミダゾール、1−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、ピリジン、α−ピコリン等の触媒が挙げら
れる。
る活性水素を有するアミン系触媒として、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、N,N,N′−トリメチルアミノエチルエタノール
アミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヒドロキシ
プロピレンジアミン等も使用することができる。
ンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ナフテ
ン酸カルシウム、オクチル酸カリ、オクチル酸スズ、オ
クチル酸亜鉛等を挙げることができる。
は、0.1〜20質量%が好ましい。その添加量が前記
下限値未満である場合には、硬化反応が不充分で、目的
とした物性を有する熱圧成形体が得られにくくなる傾向
があり、また前記上限値を越える場合には、硬化反応が
速すぎて熱盤での熱圧までにリグノセルロース系材料が
反応固化してしまい正常な熱圧成形体が得られない。
じて、セメント、高炉スラグ、石こう、炭酸カルシウ
ム、粘土、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、生
石灰、消石灰、ベントナイト等の無機充填剤や、レベリ
ング剤、難燃剤、老化防止剤、耐熱性付与剤、抗酸化剤
等を適宜配合量を調整して配合することができる。
造方法について説明する。リグノセルロース系熱圧成形
体は、リグノセルロース系材料に上記接着剤組成物を塗
布し、加熱圧縮することによって得られる。
系熱圧成形体としては、パーティクルボード、オリエン
テッドストランドボード(OSB)、ウェイファーボー
ド、ラミネーテッドベニアランバー(LVL)、ラミネ
ーテッドストランドランバー(LSL)、パラレルスト
ランドランバー(PSL)等に使用される木質削片であ
るストランドチップ、ダストチップ、フレークチップ
や、ハードボード、中密度繊維板(MDF)、インシュ
レーションボード等が挙げられる。
料としては、ファイバー、コーリャン茎、バガス、籾
殻、麻、わら、い草、あし、椰子の実や樹、ゴムの樹、
とうもろこし、おがくず等が挙げられる。これらは単独
で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用し
てもよい。
成物の配合量(固形分換算の質量比)は、リグノセルロ
ース系材料:有機ポリイソシアネート:ワックスエマル
ジョン=100:5〜20:0.5〜10である。
接着剤組成物を塗布する。この塗布方法としては、有機
ポリイソシアネート(A)、ワックスエマルジョン
(B)、ホルマリン縮合系樹脂(C)、及び必要に応じ
て触媒等は、前記各種リグノセルロース系材料に塗布す
る直前に混合して使用するか、又は各成分を別々に塗布
して使用する。このとき、水を加えた混合系であっても
よい。
ソシアネート(A)以外の成分をあらかじめ混合してお
いた予備混合物を、スタティックミキサーで有機ポリイ
ソシアネート(A)と連続的に混合してから、リグノセ
ルロース系材料に塗布する。その後、接着剤組成物を塗
布したら、熱盤上にフォーミングして、熱圧する。この
熱圧条件は公知の成形条件であれば全て適用できる。好
ましい熱圧条件は、温度:100〜250℃、圧力:1
〜10MPa、時間(厚さ1mm当たり):6〜30秒
であり、更には温度:150〜230℃、圧力:2〜5
MPa、時間(厚さ1mm当たり):6〜25秒が特に
好ましい。
いはそれを用いた熱圧成形体の製造方法を用いることに
より、木質チップ、木質繊維等のリグノセルロース系材
料の熱圧成形時に、熱盤表面との接着を防ぐことができ
るだけでなく、物性面でも優れたリグノセルロース系材
料の熱圧成形体を得ることができる。
体用接着剤組成物及びそれを用いた製造方法を、実施例
に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施
例のみに限定されるものではない。
入管のついた、容量が2,000mlの反応器を用い
て、表1に示す原料の種類・量を仕込んだ後、80℃ま
で昇温して3時間反応させて、有機ポリイソシアネート
A1〜A5を合成した。合成結果も表1に示す。
得られた有機ポリイソシアネートA1〜A5と下記に示
すワックスエマルジョン等を組み合わせてリグノセルロ
ース系材料用接着剤組成物を調整した。その各接着剤組
成物の仕込み量、評価結果を表2に示す。なお、比較例
1は、離型性を付与するための外部離型剤を用いなかっ
たため成形体が熱盤に非常に強固に接着したため、物性
評価はできなかった。
とのエステル化合物 数平均分子量=480 重量平均分子量/数平均分子量=1.02 融点=46℃ 乳化剤(B2):セチルアルコールのエチレンオキサイ
ド重付加体 数平均分子量=2,000 (B1):(B2)=100:20
ルとのエステル化合物 数平均分子量=560 重量平均分子量/数平均分子量=1.01 融点=52℃ 乳化剤(B2):ステアリルアルコールのエチレンオキ
サイド重付加体 数平均分子量=1,200 (B1):(B2)=100:25
ワックスエマルジョン 酸価=12mgKOH/g 固形分=30% ワックス(B1) 数平均分子量=3,000 重量平均分子量/数平均分子量=1.36 融点=58℃ 乳化剤(B2) ジエチルサクシネートスルホン酸塩 (B1):(B2)=100:20
おける各種分子量データは、PPG換算のGPCによ
る。
固形分=50%) [触媒] 触媒S:トリエチレンジアミンのジプロピレングリコー
ル溶液(固形分=33%)
成形方法] (1)成形条件 ボードサイズ:40cm×40cm ボード厚み:15mm 設定密度:0.720g/cm3 木質チップ又は木質繊維の含水率及び樹種:3%、針葉
樹 製品含水率:9% マット含水率:16% 熱盤(プレス)温度:160℃ 熱盤(プレス)圧力:30kg/cm2(面圧) 熱盤(プレス)時間:150秒
用いて得られるパーティクルボード(実施例1、3及び
比較例1、2)については、下記の(イ)の方法にて作
成し、木質繊維を用いて得られる中密度繊維板(実施例
2、4及び比較例3、4)については、下記の(ロ)の
方法にて作成した。 (イ)実施例1、3及び比較例1、2の熱圧成形体の作
成方法 表2に記載の量の針葉樹の木質チップを撹拌羽根のつい
た容積約0.5m3 のブレンダーに投入し、そこに表2
に記載の量の有機ポリイソシアネート化合物とワックス
エマルジョンとアミン触媒及びマット含水率用の水の混
合物を、約10分間混合撹拌しながらスプレー塗布し
た。その後、その接着剤組成物が塗布された木質チップ
を取り出して、成形後の熱圧成形体の密度が設定密度に
なるように計量し、下記の鉄板上に前記ボードサイズに
なるようにフォーミングし、更に同形状の鉄板を上に載
せ、前記条件で熱圧成形した。
圧成形体の作成方法 表2に記載の量の針葉樹の木質チップを加圧リファイナ
ーを用いて、蒸解圧力=0.7MPa、蒸解温度=12
0℃の条件で解繊(繊維化)した。それを配管に通し、
そこに表2に記載の量の有機ポリイソシアネート化合物
とワックスエマルジョンとアミン触媒及びマット含水率
用の水の混合物をスプレーした後、引き続き配管を通す
ことにより、前記マット含水率になるまで乾燥させた。
その後、その接着剤組成物が塗布された木質繊維を取り
出して、成形後の熱圧成形体の密度が設定密度になるよ
うに計量し、下記の鉄板上に前記ボードサイズになるよ
うにフォーミング成形装置を用いてフォーミングし、更
に同形状の鉄板を上に載せ、前記条件で熱圧成形した。
パネル製の鉄板(SPCC−SB)を置き、前記成形時
に離型性の確認を行った。 [物性測定]表2の実施例1、3及び比較例1、2の熱
圧成形体の各種物性値については、JIS−A5908
に準じて測定し、実施例2、4及び比較例3、4の熱圧
成形体の各種物性値については、JIS−A5905に
準じて測定した。
組成物を用いたリグノセルロース系熱圧成形体は、良好
な物性、生産性を示した。しかし、比較例においては、
生産性が低く、また、得られたリグノセルロース系熱圧
成形体の物性も低いものであった。
Claims (5)
- 【請求項1】 有機ポリイソシアネート(A)、及び脂
肪鎖の炭素数が9以上のモノカルボン酸と脂肪鎖の炭素
数が9以上の脂肪族モノアルコールとからなるエステル
化合物であって、融点が40〜160℃であるワックス
(B1)を、脂肪鎖の炭素数が9以上の脂肪族モノアル
コールであって数平均分子量が250〜5,000であ
るエチレンオキサイド重付加体である乳化剤(B2)に
て乳化させた、酸価が10mgKOH/g以下であるワ
ックスエマルジョン(B)、からなるリグノセルロース
系熱圧成形体用接着剤組成物。 - 【請求項2】 脂肪鎖の炭素数が9以上のモノカルボン
酸が、ステアリン酸であることを特徴とする、請求項1
に記載の接着剤組成物。 - 【請求項3】 脂肪鎖の炭素数が9以上の脂肪族モノア
ルコールが、ステアリルアルコールであることを特徴と
する、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。 - 【請求項4】 更にホルマリン縮合系樹脂(C)を含有
する、請求項1から3のいずれか1項に記載の接着剤組
成物。 - 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
接着剤を用いることを特徴とする、リグノセルロース系
熱圧成形体の製造方法。
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-
2001
- 2001-02-14 JP JP2001036261A patent/JP4697645B2/ja not_active Expired - Fee Related
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