JP2002241285A - ピロロピリダジン化合物を含有する抗潰瘍剤 - Google Patents

ピロロピリダジン化合物を含有する抗潰瘍剤

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JP2002241285A
JP2002241285A JP2001380784A JP2001380784A JP2002241285A JP 2002241285 A JP2002241285 A JP 2002241285A JP 2001380784 A JP2001380784 A JP 2001380784A JP 2001380784 A JP2001380784 A JP 2001380784A JP 2002241285 A JP2002241285 A JP 2002241285A
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Hiroshi Fujiwara
寛 藤原
Keiichi Ito
圭一 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた胃酸分泌抑制作用、胃粘膜保護作用等
を有し、温血動物(特に、ヒト)の医薬、特に、潰瘍性
疾患の予防若しくは治療剤として有用な薬剤の提供。 【解決手段】 一般式 【化1】 (式中、R1:C1−C6アルキル基、R2,R3:C1−C
6アルキル基、R4;C 1−C6アルキル、ハロゲノC1
6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC 1−C6
アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択される置換
基で置換されてもよいC6−C10アリール基、A;イミ
ノ基、酸素原子又は硫黄原子)を有する光学活性なピロ
ロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた胃酸分泌抑制
作用及び胃粘膜保護作用並びにヘリコバクターピロリー
Helicobacter pylori)に対する優れた抗菌作用を有
し、医薬(特に、潰瘍疾患の予防剤又は治療剤)として
有用な光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理
上許容される塩或はそれらを有効成分として含有する医
薬(特に、潰瘍性疾患の予防剤又は治療剤)に関する。
【0002】
【従来の技術】消化性潰瘍は、胃粘膜に対する攻撃因子
と防御因子とのバランスが崩れることにより発生すると
言われており、攻撃因子である胃酸の分泌を抑制するこ
とは、潰瘍の予防、治療に有用である。これまで、胃酸
の分泌を抑制するのに有効な薬剤として、抗コリン剤、
シメチジン等のヒスタミンH2受容体拮抗剤、オメプラ
ゾール等のプロトンポンプ阻害剤が広く臨床に用いられ
ている。しかしながら、上記薬剤は、優れた潰瘍治療効
果を有するものの、使用中断後の潰瘍再発が大きな問題
となっている。最近、潰瘍再発とヘリコバクター ピロ
リー(Helicobacter pylori)との関連が指摘されてお
り、実際に、胃酸分泌抑制剤と抗生剤との併用による治
療が試みられている。
【0003】従って、攻撃因子である胃酸分泌を強力に
抑制するとともに胃粘膜保護作用を有し、且つ、ヘリコ
バクター ピロリー(Helicobacter pylori)に対する
抗菌作用を有する化合物は優れた潰瘍性疾患の予防剤又
は治療剤として期待される。
【0004】胃酸分泌抑制作用及び胃粘膜保護作用を有
する化合物としていくつかのピロロピリダジン誘導体が
知られ(例えば、WO 91/17164、WO 92/06979、WO 93/08
190等)、又、ヘリコバクター ピロリー(Helicobacte
r pylori)に対する抗菌作用を併有するピロロピリダ
ジン誘導体も知られている(例えば、特開平7−247
285号等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、攻撃因
子である胃酸分泌を強力に抑制し、胃粘膜を保護し、更
にヘリコバクター ピロリー(Helicobacter pylori
に対する優れた抗菌作用を有する抗潰瘍剤の開発を目指
して、ピロロピリダジン誘導体の合成とその薬理活性に
ついて長年にわたり鋭意研究を行った結果、ある種の光
学活性のトランス−アルキルシクロプロピルメチル基を
有するピロロピリダジン誘導体が、強力な胃酸分泌抑制
作用及び胃粘膜保護作用と共に、ヘリコバクター ピロ
リー(Helicobacter pylori)に対する優れた抗菌作用
を有し、更に、対応するラセミ体と比較して、医薬品と
しての優れた性質を有することを見出し、本発明を完成
した。
【0006】本発明は、光学活性なピロロピリダジン化
合物又はその薬理上許容される塩或はそれらを有効成分
として含有する医薬(特に、潰瘍性疾患の予防剤又は治
療剤)を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光学活性なピロ
ロピリダジン化合物は、一般式
【0008】
【化2】
【0009】を有する。
【0010】上記式中、R1は、C1−C6アルキル基を
示し、R2及びR3は、同一又は異なって、C1−C6アル
キル基を示し、R4は、C1−C6アルキル、ハロゲノC1
−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C
6アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択される置
換基で置換されてもよいC6−C10アリール基を示し、
Aは、イミノ基、酸素原子又は硫黄原子を示す。
【0011】上記一般式(I)において、R1、R2及び
3のC1−C6アルキル基、R4に含まれるC1−C6アル
キル又はR4に含まれるハロゲノC1−C6アルキル、C1
−C 6アルコキシ若しくはハロゲノC1−C6アルコキシ
のC1−C6アルキル部分は、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブ
チル、t−ブチル、ペンチル又はヘキシル基であり得、
好適には、C1−C4アルキル基であり、更に好適には、
メチル又はエチル基であり、最も好適には、メチル基で
ある。
【0012】R4に含まれるハロゲン原子は、例えば、
弗素、塩素、臭素又は沃素原子であり得、好適には、弗
素、塩素又は臭素原子であり、更に好適には、弗素又は
塩素原子である。
【0013】R4のC6−C10アリール基は、例えば、フ
ェニル又はナフチル基であり得、好適には、フェニル基
である。
【0014】置換されたアリール基の置換基の数は、例
えば、1乃至5個であり、好適には、1乃至3個であ
り、更に好適には、1乃至2個であり、特に好適には、
1個である。
【0015】C1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アル
キル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキ
シ及びハロゲンからなる群から選択される置換基で置換
されてもよいC6−C10アリール基は、好適には、フェ
ニル、メチルフェニル、トリフルオロメチルフェニル、
メトキシフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、ジ
フルオロメトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロ
フェニル、ブロモフェニル、ジフルオロフェニル、クロ
ロフルオロフェニル、ジクロロフェニル、トリフルオロ
フェニル、トリクロロフェニル、ナフチル、メチルナフ
チル、メトキシナフチル、フルオロナフチル、クロロナ
フチル又はブロモナフチル基であり、更に好適には、フ
ェニル、4−メチルフェニル、4−トリフルオロメチル
フェニル、4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメ
トキシフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニル、2
−、3−若しくは4−フルオロフェニル、2−、3−若
しくは4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、2,
4−若しくは2,6−ジフルオロフェニル、4−クロロ
−2−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフ
ェニル、2,4−若しくは2,6−ジクロロフェニル、
2,4,6−トリフルオロフェニル又は2,4,6−ト
リクロロフェニル基であり、更により好適には、4−フ
ルオロフェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジフル
オロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、2
−クロロ−4−フルオロフェニル又は2,4−ジクロロ
フェニル基であり、最も好適には、4−フルオロフェニ
ル又は4−クロロフェニル基である。
【0016】Aは、好適には、酸素又は硫黄原子であ
り、更に好適には、酸素原子である。
【0017】本発明の化合物(I)の薬理上許容し得る
塩は、酸付加塩であり、例えば、フッ化水素酸塩、塩酸
塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化
水素酸塩;硝酸塩;過塩素酸塩;硫酸塩;燐酸塩;炭酸
塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン
酸塩、エタンスルホン酸塩、ペンタフルオロエタンスル
ホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ブタンスルホン酸
塩、ペンタンスルホン酸塩、ヘキサンスルホン酸塩のよ
うなフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1乃至6
個のアルキルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p
−トルエンスルホン酸塩のような炭素数6乃至10個の
アリールスルホン酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸
塩、安息香酸塩、フマール酸塩、マレイン酸塩、コハク
酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マロン酸塩のよ
うなカルボン酸塩;又は、グルタミン酸塩、アスパラギ
ン酸塩のようなアミノ酸塩であり得、好適には、塩酸
塩、硫酸塩又はカルボン酸塩であり、更に好適には、塩
酸塩である。又、本発明の化合物(I)又はその塩は、
水和物として存在することができ、本発明は、それらの
水和物をも包含する。
【0018】一般式(I)を有する化合物において、好
適には、(1)R1が、C1−C4アルキル基である化合
物、(2)R1が、メチル基である化合物、(3)R2
びR3が、同一又は異なって、C1−C4アルキル基であ
る化合物、(4)R2及びR3が、同一で、メチル基であ
る化合物、(5)R4が、C1−C4アルキル、ハロゲノ
1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲノC1
−C4アルコキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群から
選択される1乃至3個の置換基で置換されたフェニル基
である化合物、(6)R4が、メチル、トリフルオロメ
チル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメ
トキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群から選択される
1乃至3個の置換基で置換されたフェニル基である化合
物、(7)R4が、弗素及び塩素からなる群から選択さ
れる1乃至2個の置換基で、2位、4位及び6位からな
る群から選択される1乃至2の置換位が置換されたフェ
ニル基である化合物、(8)R4が、弗素及び塩素から
なる群から選択される1乃至2個の置換基で、4位又は
2,4−位の置換位が置換されたフェニル基である化合
物、(9)Aが、酸素原子又は硫黄原子である化合物、
(10)Aが、酸素原子である化合物をあげることがで
きる。
【0019】又、上記(1)−(2)、(3)−
(4)、(5)−(8)又は(9)−(10)の群にお
いては、番号が多くなるに従って、より好適な化合物を
示し[以下の群(11)−(14)においても同
じ。]、R1を群(1)−(2)から、R2及びR3を群
(3)−(4)から、R4を群(5)−(8)から、そ
して、Aを群(9)−(10)からそれぞれ選択し、こ
れらのを任意の組合せて得られる化合物も好適であり、
例えば、以下のものをあげることができる。
【0020】(11)R1が、C1−C4アルキル基であ
り、R2及びR3が、同一又は異なって、C1−C4アルキ
ル基であり、R4が、C1−C4アルキル、ハロゲノC1
4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲノC1−C4
アルコキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群から選択さ
れる1乃至3個の置換基で置換されたフェニル基であ
り、Aが、酸素原子又は硫黄原子である化合物、(1
2)R1が、メチル基であり、R2及びR3が、同一で、
メチル基であり、R4が、メチル、トリフルオロメチ
ル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメト
キシ、弗素、塩素及び臭素からなる群から選択される1
乃至3個の置換基で置換されたフェニル基であり、A
が、酸素原子又は硫黄原子である化合物、(13)R1
が、メチル基であり、R2及びR3が、同一で、メチル基
であり、R4が、弗素及び塩素からなる群から選択され
る1乃至2個の置換基で、2位、4位及び6位からなる
群から選択される1乃至2の置換位が置換されたフェニ
ル基であり、Aが、酸素原子である化合物、(14)R
1が、メチル基であり、R2及びR3が、同一で、メチル
基であり、R4が、弗素及び塩素からなる群から選択さ
れる1乃至2個の置換基で、4位又は2,4−位の置換
位が置換位が置換されたフェニル基であり、Aが、酸素
原子である化合物。
【0021】一般式(I)における好適な化合物とし
て、次の表1に示す化合物を具体的に例示することがで
きる。
【0022】
【化3】
【0023】
【表1】 表1 例示化合物 例示化合物番号No. A R4 1 O Ph 2 O 2-FPh 3 O 3-FPh 4 O 4-FPh 5 O 2,4-diFPh 6 O 2,6-diFPh 7 O 2,4,6-triFPh 8 O 2-ClPh 9 O 4-ClPh 10 O 2,4-diClPh 11 O 2,4,6-triClPh 12 O 4-MePh 13 O 4-CF3Ph 14 O 4-OMePh 15 O 4-OCHF2Ph 16 O 2-Cl-6-FPh 17 O 2-Cl-4-FPh 18 O 4-Cl-2-FPh 19 S Ph 20 S 2-FPh 21 S 4-FPh 22 S 2,4-diFPh 23 S 2,4,6-triFPh 24 S 4-ClPh 25 S 2,4-diClPh 26 S 2,4,6-triClPh 27 S 4-CF3Ph 28 S 2-Cl-4-FPh 29 S 4-Cl-2-FPh 30 NH Ph 31 NH 4-FPh 32 NH 2,4-diFPh 33 NH 2,4,6-triFPh 34 NH 4-ClPh 35 NH 2,4-diClPh 36 NH 4-CF3Ph 37 NH 2-Cl-4-FPh 38 NH 4-Cl-2-FPh 39 O 4-OCF3Ph 40 O 3-ClPh 41 O 4-BrPh 42 O 2,6-diClPh 43 S 4-OCF3Ph 44 S 4-OCHF2Ph 45 S 3-FPh 46 S 2-ClPh 47 S 4-BrPh 48 S 2,6-diFPh 49 S 2,6-diClPh 50 NH 4-OCF3Ph 51 NH 2-FPh 52 NH 2-ClPh 53 NH 2,6-diFPh 54 NH 2,6-diClPh 55 NH 2,4,6-triClPh 上記表において、略号は以下の基を示す。 Me ・・・ メチル Ph ・・・ フェニル。
【0024】上記表1において、好適には、例示化合物
番号1、2、4、5、7、9、10、11、13、1
7、18、19、21、22、23、24、25、2
8、29、30、31、32、34、37又は38の化
合物であり、更に好適には、例示化合物番号1、4、
5、7、9、10、17、18、21、22、24、2
5、31、32又は34の化合物であり、更により好適
には、例示化合物番号4、5、9、10、21、22又
は24の化合物であり、特に好適には、化合物番号4:
7−(4−フルオロベンジルオキシ)−2,3−ジメチ
ル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル
メチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン、化合物番号
5:7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,
3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシク
ロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン又
は化合物番号9:7−(4−クロロベンジルオキシ)−
2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチル
シクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジ
ンの化合物である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明のピロロピリダジン誘導体
は、以下に記載する方法によって、容易に製造すること
ができる。
【0026】
【化4】
【0027】上記式中、R1、R2、R3、R4及びAは、
前述したものと同意義を示し、R5は、C1−C 6アルキ
ル基を示し、R6は、水素原子又はホルミル基を示し、
Xは、ハロゲン原子(好適には、クロロ、ブロモ又はヨ
ード原子)又はメタンスルホニルオキシ、エタンスルホ
ニルオキシ、ブタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホ
ニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、ナフタレンス
ルホニルオキシ基のようなC1−C6アルカン若しくはC
6−C10アリールスルホニルオキシ基(好適には、メタ
ンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼ
ンスルホニルオキシ又はp−トルエンスルホニルオキシ
基)を示し、Yは、ハロゲン原子(好適には、クロロ、
ブロモ又はヨード原子)を示す。
【0028】第1工程は、一般式(IV)を有する化合
物を製造する工程であり、不活性溶媒中、塩基の存在
下、一般式(II)を有する化合物と一般式(III)を
有する化合物を反応させ、R6が水素原子の場合には、
得られた化合物を更にホルミル化することにより達成さ
れる。
【0029】化合物(II)と化合物(III)の反応に使
用される塩基は、例えば、水素化リチウム、水素化ナト
リウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化
物;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミ
ドのようなアルカリ金属アミド;炭酸リチウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;
リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウ
ムエトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカ
リ金属アルコキシド;又はトリエチルアミン、トリブチ
ルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−エチルモ
ルホリン、ピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチ
ルアミノ)ピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニ
リン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシ
クロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザ
ビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジ
アザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)の
ような有機アミンであり得、好適には、アルカリ金属水
素化物(特に、水素化ナトリウム)又はアルカリ金属ア
ルコキシド(特に、カリウムt−ブトキシド)である。
【0030】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はなく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石
油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トル
エン、キシレンような芳香族炭化水素類;メチレンクロ
リド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭
化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタ
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ
ーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンのような
ケトン類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキ
サメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;ジメチ
ルスルホキシドのようなスルホキシド類;スルホラン;
又はこれらの混合溶媒であり得、好適には、エーテル類
(特に、テトラヒドロフラン又はジオキサン)である。
【0031】反応温度は、通常、0℃乃至250℃(好
適には、室温乃至150℃)であり、反応に要する時間
は、反応温度等によって異なるが、1分間乃至50時間
(好適には、10分間乃至30時間)である。
【0032】又、本反応を効果的に行わせるために、ベ
ンジルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラブチル
アンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロ
ミドのような第4級アンモニウム塩類;又は18−クラウ
ン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6のようなクラウン類
を添加することもできる。
【0033】R6が水素原子の場合に、化合物(II)と
化合物(III)の反応で得られた化合物をホルミル化す
る反応は、不活性溶媒の存在下又は不存在下、相当する
化合物をビールスマイヤー(Vilsmeier)試薬と反応さ
せることによって行なわれる。
【0034】使用されるビールスマイヤー(Vilsmeie
r)試薬は、公知であり、例えば、オキシ塩化リン−ジ
メチルホルムアミド、オキシ臭化リン−ジメチルホルム
アミド、オギザリルクロリド−ジメチルホルムアミドの
ようなハロゲン化剤−ジメチルホルムアミド類であり、
好適には、オキシ塩化リン−ジメチルホルムアミドであ
る。
【0035】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンような
芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、
四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテルのようなエーテル類;又はジメチ
ルホルムアミドのようなアミド類であり得、好適には、
ハロゲン化炭化水素類(特に、メチレンクロリド、クロ
ロホルム又はジクロロエタン)である。
【0036】反応温度は、通常、-20℃乃至150℃
(好適には、0℃乃至100℃)であり、反応に要する
時間は、反応温度等によって異なるが、15分間乃至1
2時間(好適には、30分間乃至5時間)である。
【0037】第2工程は、一般式(V)を有する化合物
を製造する工程であり、不活性溶媒中、化合物(IV)
とヒドラジン又はその水和物を反応させることにより達
成される。
【0038】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はなく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシ
エタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのよう
なエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノールのようなアルコール類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレンような芳香族炭化水素類;酢
酸、プロピオン酸のようなカルボン酸類;ホルムアミ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホロトリ
アミドのようなアミド類;トリエチルアミン、ピリジン
のようなアミン類;水;又はこれらの混合溶媒であり
得、好適には、アルコール類(特に、エタノール)又は
カルボン酸類(特に、酢酸)である。
【0039】反応温度は、通常、−50℃乃至150℃
(好適には、−10℃乃至120℃)であり、反応に要
する時間は、反応温度等によって異なるが、10分間乃
至12時間(好適には、30分間乃至5時間)である。
【0040】第3工程は、一般式(VI)を有する化合
物を製造する工程であり、不活性溶媒の存在下又は非存
在下、化合物(V)とハロゲン化剤を反応させることに
より達成される。
【0041】使用されるハロゲン化剤は、例えば、オキ
シ塩化リン、オキシ臭化リン、塩化チオニル、臭化チオ
ニル、オギザリルクロリド、五塩化リン又は五臭化リン
であり得、好適には、オキシ塩化リン又は塩化チオニル
であり、溶剤を兼ねて、大過剰に使用することもでき
る。
【0042】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンような
芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、
四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテルのようなエーテル類;ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−
ピロリドンのようなアミド類;又はジメチルスロホキシ
ドのようなスルホキシド類であり得、好適には、ハロゲ
ン化炭化水素類(特に、メチレンクロリド又はジクロロ
エタン)である。
【0043】反応温度は、通常、0℃乃至150℃(好
適には、室温乃至120℃)であり、反応に要する時間
は、反応温度等によって異なるが、30分間乃至12時
間(好適には、1時間乃至6時間)である。
【0044】又、本反応を効果的に行わせるために、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエ
チルアミン、N−エチルモルホリン、ピリジン、ピコリ
ン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンのような
有機アミン類を添加することもできる。
【0045】第4工程は、目的化合物(I)を製造する
工程であり、不活性溶媒中、塩基の存在下、化合物(V
I)と一般式(VII)を有する化合物を反応させることによ
り達成され、本工程は、前記第1工程と同様に行われ
る。
【0046】上記記載の各工程において、各反応の目的
化合物は、常法に従って、反応混合物から採取される。
例えば、不溶物が存在する場合には、適宜濾去して、溶
媒を留去することによって、又は溶媒を留去した後、残
留物に水を加え、適当な水不混和性溶媒で抽出し、無水
硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去すること
によって目的化合物を分離することができる。また、必
要ならば、常法に従って、例えば、再結晶、カラムクロ
マトグラフィー等により精製することができる。
【0047】又、上記第1工程において、光学活性の原
料化合物(III)(1S,2S−体)の代わりに、対応
するラセミ体(IIIa、1S,2S−体と1R,2R−体
の混合物)
【0048】
【化5】
【0049】を用いて同様に反応を行って得られる相当
するラセミ体化合物(化合物(I)、(IV)、(V)
又は(VI)に対応するラセミ体のいずれか)を光学分
割することによっても、所望の光学活性体(1S,2S
−体)を製造することができる。光学分割の方法として
は、通常の方法、例えば、光学分割カラムを用いるカラ
ムクロマトグラフィー法、優先晶析法、ジアステレオマ
ー塩で分割する方法等を適宜選択して行こなうことがで
きる。
【0050】更に又、化合物(I)は、常法に従って、
酸で処理することによって薬理上許容される塩に変換す
ることができる。例えば、不活性溶媒(好適には、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのよう
なエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール
のようなアルコール類;又はメチレンクロリド、クロロ
ホルムのようなハロゲン化炭化水素類)中、相当する酸
と室温で5分間乃至1時間反応させ、溶媒を留去すること
によって目的の塩を得ることができる。
【0051】原料化合物(II)、(III)及び(IIIa)は、
公知であるか公知の方法(例えば、特開平7−2472
85号、Monatschefte fur Chemi
e(1973),104,925、J. Chem. S
oc., Perkin.Trans. II (197
9) 287等)に従って、製造される。
【0052】本発明の前記一般式(I)を有する化合物
又はその薬理上許容される塩は、優れた胃酸分泌抑制作
用及び胃粘膜保護作用並びにヘリコバクター ピロリー
Helicobacter pylori)に対する優れた抗菌作用を有
し、更に、医薬品としての優れた性質を有することか
ら、温血動物(特に、ヒト)の医薬、特に、消化性潰
瘍、急性又は慢性胃潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃食道
反射疾患、消化不良、胃酸過多症、ゾーリンガー・エリ
ソン症候群等の潰瘍性疾患の予防若しくは治療剤(特
に、治療剤)又はヘリコバクター ピロリー(Helicoba
cter pylori)の感染症の予防若しくは治療剤(特に、
治療剤)として有用である。
【0053】本発明の化合物(I)およびその薬理上許
容される塩類を、医薬、特に、上記疾患の予防若しくは
治療剤として使用する場合には、それ自体あるいは適宜
の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合し、
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等
による経口的又は注射剤等による非経口的(好適には、
経口的)に投与することができる。 これらの製剤は、
賦形剤(例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、
ソルビットのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、
馬鈴薯デンプン、α−デンプン、デキストリン、カルボ
キシメチルデンプンのようなデンプン誘導体;結晶セル
ロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内
部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのような
セルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プル
ラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸
アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;リン酸
カルシウムのようなリン酸塩誘導体;炭酸カルシウムの
ような炭酸塩誘導体;硫酸カルシウムのような硫酸塩誘
導体等)、結合剤(例えば、前記の賦形剤;ゼラチン;
ポリビニルピロリドン;ポリエチレングリコール等)、
崩壊剤(例えば、前記の賦形剤;クロスカルメロースナ
トリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムのよう
な化学修飾された、デンプン、セルロース誘導体;架橋
ポリビニルピロリドン等)、滑沢剤(例えば、タルク;
ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;コロイドシ
リカ;ビーガム、ゲイロウのようなラックス類;硼酸;
グリコール;フマル酸、アジピン酸のようなカルボン酸
類;安息香酸ナトリウムのようなカルボン酸ナトリウム
塩;硫酸ナトリウムのような硫酸類塩;ロイシン;ラウ
リル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのよう
なラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸
類;前記の賦形剤におけるデンプン誘導体等)、安定剤
(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンのような
パラヒドロキシ安息香酸エステル類;クロロブタノー
ル、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールの
ようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノー
ル、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;
無水酢酸;ソルビン酸等)、矯味矯臭剤(例えば、通常
使用される、甘味料、酸味料、香料等)、希釈剤、注射
剤用溶剤(例えば、水、エタノール、グリセリン等)等
の添加剤を用いて周知の方法で製造される。その使用量
は症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、
1回当り1日下限1mg(好適には、5mg)、上限1
000mg(好適には、500mg)を、静脈内投与の
場合には、1回当り1日下限0.1mg(好適には、1
mg)、上限500mg(好適には、300mg)を成
人に対して、1日当り1乃至6回症状に応じて投与する
ことが望ましい。
【0054】次に実施例、試験例及び製剤例を示し、本
発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これに限定さ
れるものではない。
【0055】
【実施例】実施例1 7-(4-フルオロベンジルオキシ)-2,3-ジメチル-1
-[(1S,2S)−2-メチルシクロプロピルメチル]ピ
ロロ[2,3-d]ピリダジン (a)3-ホルミル-4,5-ジメチル-1-[(1S,2S)-
2-メチルシクロプロピルメチル]ピロール-2-カルボン
酸メチル 3-ホルミル-4,5-ジメチルピロール-2-カルボン酸メ
チル5.79g(31.9ミリモル)及び18-クラウン-6 0.41g
(1.55ミリモル)のテトラヒドロフラン(130ml)溶液にカ
リウムt-ブトキシド3.94g(35.1ミリモル)を添加し、室
温で1時間撹拌した。次いで、50℃で、(1S,2
S)-2-メチルシクロプロピルメチルブロミド5.71g(3
8.3ミリモル)を30分間かけて滴下した後、還流下で3
時間加熱した。その後、カリウムt-ブトキシド0.36g(3.
22ミリモル)と(1S,2S)-2-メチルシクロプロピルメチ
ルブロミド0.48g(3.21ミリモル)を追加し、更に、1時
間加熱した。反応液を氷水中に注加し、酢酸エチルで抽
出し、抽出液を水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し
て、標題化合物8.26g (100%)を淡茶色油状物として得
た。
【0056】マススペクトル(CI,m/z):250
(M++1)。
【0057】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.25(d
t;J=8Hz,5Hz,1H),0.48(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.71-0.80(m,
1H),0.82-0.89(m,1H),1.00(d;J=6Hz,3H),2.20(s,3H),
2.26(s,3H),3.89(s,3H),4.25(d;J=7Hz,2H),10.43(s,1
H)。
【0058】旋光度:[α]D 20=+17.6°(C=1.02,EtO
H)。
【0059】(b)2,3-ジメチル-1-[(1S,2S)
−2-メチルシクロプロピルメチル]-6,7-ジヒドロピ
ロロ[2,3-d]ピリダジン-7-オン 3-ホルミル-4,5-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-
メチルシクロプロピルメチル]ピロール-2-カルボン酸
メチル7.96g(31.9ミリモル)の酢酸(38ml)溶液に、室温
で、ヒドラジン一水和物1.92g(38.4ミリモル)を加え、
90℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温ま
で冷却し、氷水に注加した。生成した粗結晶をろ取し、
水洗した後、クロロホルム/メタノール(=9/1)溶
液に溶解した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。濃縮液に
トルエン/ヘキサンを加え、析出した結晶をろ取して、
標題化合物7.02g(95.0%)を淡黄白色粉末晶として得
た。
【0060】マススペクトル(CI,m/z):232
(M++1)。
【0061】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.22(d
t;J=8Hz,5Hz,1H), 0.64(dt,J=8Hz,5Hz,1H),0.86-0.95
(m,2H),0.98(d;J=5Hz,3H),2.21(s,3H),2.35(s,3H),4.44
(d;J=7Hz,2H),8.05(s,1H),9.97(s,1H)。
【0062】旋光度:[α]D 20=+11.2°(C=0.50,EtO
H)。
【0063】(c)7-クロロ-2,3-ジメチル-1-
[(1S,2S)−2-メチルシクロプロピルメチル]ピ
ロロ[2,3-d]ピリダジン 2,3-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-メチルシクロ
プロピルメチル]-6,7-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリ
ダジン-7-オン6.95g(30.1ミリモル)にオキシ塩化リン
55ml(590ミリモル)を添加し、90℃で3.5時
間加熱撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却
し、氷水に滴下した。この水溶液を5規定水酸化ナトリ
ウム水溶液で中和し、塩化メチレンで抽出した。抽出液
を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に減圧濃
縮した。濃縮液にヘキサンを加え、析出した結晶をろ取
して、標題化合物6.90g(92.0%)を淡黄色粉末晶として得
た。
【0064】マススペクトル(CI,m/z):250
(M++1)。
【0065】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.29(d
t;J=8Hz,5Hz,1H),0.54(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.73-1.02(m,
5H),2.30(s,3H),2.43(s,3H),4.44(d;J=6Hz,2H),9.15(s,
1H)。
【0066】旋光度:[α]D 20=+12.3°(C=1.01,EtO
H)。
【0067】(d)7-(4-フルオロベンジルオキシ)
-2,3-ジメチル-1-[(1S,2S)−2-メチルシク
ロプロピルメチル]ピロロ[2,3-d]ピリダジン 水素化ナトリウム0.26g(10.8ミリモル)のテトラヒドロ
フラン(6ml)溶液にp-フルオロベンジルアルコール1.45g
(11.5ミリモル)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を滴
下し、室温で30分間撹拌した。次いで、7-クロロ-2,
3-ジメチル-1-[(1S,2S)−2-メチルシクロプ
ロピルメチル]ピロロ[2,3-d]ピリダジン2.50g(10.0ミ
リモル)のテトラヒドロフラン(13ml)溶液を室温で滴下
し、還流下で3時間加熱した。反応終了後、反応液を氷
水に注加し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃
縮後、得られた濃縮液にヘキサンを注加し、析出した結
晶をろ取し粗結晶を得た。この粗結晶を酢酸エチル/ヘ
キサンから再結晶して、標題化合物2.25g(66.4%)を淡褐
色結晶として得た。
【0068】融点:114−115℃。
【0069】マススペクトル(CI,m/z):340
(M++1)。
【0070】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.14(d
t;J=8Hz,5Hz,1H),0.39(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.59-0.65(m,
1H),0.76-0.85(m,1H),0.89(d;J=6Hz,3H),2.26(s,3H),2.
36(s,3H),4.13(dd;J=15Hz,7Hz,1H),4.27(dd;J=15Hz,6H
z,1H),5.63(d;J=12Hz,1H),5.68(d;J=12Hz,1H),7.05-7.1
2(m,2H),7.47-7.52(m,2H),8.96(s,1H)。
【0071】旋光度:[α]D 20=+17.9(C=0.50,EtO
H)。 実施例2 3-ホルミル-4,5-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-
メチルシクロプロピルメチル]ピロール-2-カルボン酸
メチル (a)4,5-ジメチル-1-〔(E)−2-メチルシクロ
プロピルメチル〕ピロール-2-カルボン酸メチル 4,5-ジメチルピロール-2-カルボン酸メチル25.02g
(163ミリモル)及び18-クラウン-6 3.19g(12.1ミリ
モル)のテトラヒドロフラン(150ml)溶液にカリウムt-ブ
トキシド18.33g(164ミリモル)を添加し、室温で1時間
撹拌した。次いで、(E)−2-メチルシクロプロピル
メチルブロミド(ラセミ体)12.70g(85.2ミリモル)を加
え、還流下で7時間加熱した。反応終了後、反応液を氷
水に注加し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を減圧留去後、残さをカラムクロマトグラフィー
(溶媒:トルエン)に付し、標題化合物(ラセミ体)1
3.50g(71.6%)を茶色油状物として得た。
【0072】マススペクトル(CI,m/z):222(M
++1)。
【0073】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.20(d
t;J=8Hz,5Hz,1H),0.48(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.67-0.93(m,
2H),0.98(d;J=6Hz,3H),2.01(s,3H),2.18(s,3H),3.76(s,
3H),4.21(d;J=7Hz,2H),6.76(s,1H)。
【0074】(b)4,5-ジメチル-1-[(1S,2
S)-2-メチルシクロプロピルメチル]ピロール-2-カ
ルボン酸メチル (E)−4,5-ジメチル-1-(2-メチルシクロプロピ
ルメチル)ピロール-2-カルボン酸メチル10.00gを下記
条件にて高速液体クロマトグラフィーに付し、標題化合
物[(S,S)体]3.33g及びその対掌体[(R,R)体]3.97gを
それぞれ得た。
【0075】分離条件 カラム:CHIRALCEL OJ(50Φ*500mm、ダイセル化学
製) 溶媒:ヘキサン/2−プロパノール(1000/1) 流速:25ml/min 標題化合物[(S,S)体] マススペクトル(CI,m/z):222(M++1)。
【0076】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.20(d
t;J=8Hz,5Hz,1H),0.48(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.66-0.80(m,
1H),0.82-0.91(m,1H),0.98(d;J=6Hz,3H),2.01(s,3H),2.
18(s,3H),3.76(s,3H),4.21(d;J=7Hz,2H),6.76(s,1H)。
【0077】旋光度:[α]D 20=+17.6°(C=1.00,EtO
H)。 対掌体[(R,R)体] マススペクトル(CI,m/z):222(M++1)。
【0078】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.20(d
t;J=8Hz,5Hz,1H),0.48(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.66-0.80(m,
1H),0.82-0.91(m,1H),0.98(d;J=6Hz,3H), 2.01(s,3H),
2.18(s,3H),3.77(s,3H),4.21(d;J=7Hz,2H),6.76(s,1
H)。
【0079】旋光度:[α]D 20=-17.0°(C=1.01,EtO
H)。
【0080】(c)3-ホルミル-4,5-ジメチル-1-
[(1S,2S)-2-メチルシクロプロピルメチル]ピロ
ール-2-カルボン酸メチル ジメチルホルムアミド1.10g(15.0ミリモル)のトルエン
(2ml)溶液にオキシ塩化リン2.15g(14.0ミリモ
ル)を添加し、室温で30分間攪拌した。次いで、4,5
-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-メチルシクロプロピ
ルメチル]ピロール−2−カルボン酸メチル2.21g(10.0
ミリモル)のトルエン(6ml)溶液を添加し、80℃で
10時間加熱した。反応終了後、反応液を水に注加し、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後、分液し、
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶媒を減圧留去し、残さをカラムクロマトグ
ラフィー(溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=10/1)に
付し、標題化合物1.95g(78.2%)を淡黄色油状物として得
た。 実施例3 7-(4-フルオロベンジルオキシ)-2,3-ジメチル-1
-[(1S,2S)−2-メチルシクロプロピルメチル]ピ
ロロ [2,3-d]ピリダジン (a)7-(4-フルオロベンジルオキシ)-1-〔(E)
-2-メチルシクロプロピルメチル〕-2,3-ジメチルピ
ロロ[2,3-d]ピリダジン(ラセミ体)(1S,2S)-
2-メチルシクロプロピルメチルブロミドの代わりに
(E)-2-メチルシクロプロピルメチルブロミド(ラセ
ミ体)を用いた他は実施例1と同様に反応を行い、標題
化合物を収率56%で得た。
【0081】融点:120−122℃。
【0082】マススペクトル(CI,m/z): 340
(M++1)。
【0083】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.14(d
t;J=8Hz,5Hz,1H),0.39(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.59-0.65(m,
1H),0.76-0.85(m,1H),0.89(d;J=6Hz,3H),2.26(s,3H),2.
36(s,3H),4.13(dd;J=15Hz,7Hz,1H),4.27(dd;J=15Hz,6H
z,1H),5.63(d;J=12Hz,1H),5.68(d;J=12Hz,1H),7.05-7.1
2(m,2H),7.47-7.52(m,2H),8.96(s,1H)。
【0084】(b)7-(4-フルオロベンジルオキシ)
-2,3-ジメチル-1-[(1S,2S)−2-メチルシク
ロプロピルメチル]ピロロ[2,3-d]ピリダジン 7-(4-フルオロベンジルオキシ)-1-〔(E)-2-メ
チルシクロプロピルメチル〕-2,3-ジメチルピロロ
[2,3-d]ピリダジン(ラセミ体)25.00gを下記条件に
て高速液体クロマトグラフィーに付し、酢酸エチルより
再結晶して、標題化合物[(S,S)体]8.54g 及びその対
掌体[(R,R)体]7.60gを得た。
【0085】分離条件 カラム:CHIRALCEL OJ(50Φ*500mm、ダイセル製) 溶媒:ヘキサン/エタノール(90/10) 流速:25ml/min 標題化合物[(S,S)体] 融点:114−115℃。
【0086】マススペクトル(CI,m/z):340
(M++1)。
【0087】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.14(d
t;J=8Hz,5Hz,1H),0.39(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.59-0.65(m,
1H),0.76-0.85(m,1H),0.89(d;J=6Hz,3H),2.26(s,3H),2.
36(s,3H),4.13(dd;J=15Hz,7Hz,1H),4.27(dd;J=15Hz,6H
z,1H),5.63(d;J=12Hz,1H),5.68(d;J=12.2Hz,1H),7.05-
7.12(m,2H),7.47-7.52(m,2H),8.96(s,1H)。
【0088】旋光度:[α]D 20=+19.0°(C=0.99,MeO
H)。 対掌体[(R,R)体] 融点:114−115℃。
【0089】マススペクトル(CI,m/z):340
(M++1)。
【0090】NMRスペクトル(CDCl3,δppm):0.15(d
t;J=8Hz,5Hz,1H),0.39(dt;J=8Hz,5Hz,1H),0.58-0.66(m,
1H),0.78-0.85(m,1H),0.89(d;J=6Hz,3H),2.26(s,3H),2.
37(s,3H),4.13(dd;J=15Hz,7Hz,1H),4.27(dd;J=15Hz,6H
z,1H),5.63(d;J=12Hz,1H),5.68(d;J=12Hz,1H),7.06-7.1
1(m,2H),7.49-7.52(m,2H),8.97(s,1H)。
【0091】旋光度:[α]D 20=-18.8°(C=0.98,MeO
H)。 試験例1 プロトン・カリウムーアデノシントリホスファターゼ
(H+・K+−ATPase)活性試験 ザックス(Sachs)らの方法[J.Bio.,Che
m.,251,7690(1976)]に従い、新鮮な
ブタの胃粘膜層をホモジナイズおよび密度勾配超高速遠
心法により調製したミクロソーム画分をプロトン・カリ
ウムーアデノシントリホスファターゼ標品として用い
た。タンパク濃度に換算して、30−80μg/mlの
酵素標品を含む70mMトリス塩酸緩衝液(塩化マグネ
シウム5mM、塩化カリウム20mM、pH=6.85)
0.75mlに、ジメチルスルホキシドに溶解した被検
化合物溶液10μlを加えて、37℃、振盪回数200
回/分で、45分間インキュベートした。8mMのアデ
ノシントリホスフェート 2ナトリウム塩溶液0.25
mlを加えることにより酵素反応を開始した。20分間
酵素反応を行い、10%トリクロロ酢酸ー活性炭(10
0mg)溶液1mlを加え、反応を停止させた。反応液
を遠心分離(4℃、3000rpm、15分間)した
後、上清中のアデノシントリホスフェートの加水分解に
より生成した無機リン酸をヨダ(Yoda)らの方法
[Biochem.Biophys.Res.Comm
un.,40,880(1970)]で比色定量した。
また、塩化カリウムの存在しない反応溶液中の無機リン
酸量も同様に測定し、塩化カリウム存在下での無機リン
酸量から差し引くことによって、プロトン・カリウムー
アデノシントリホスファターゼ活性を測定した。コント
ロール活性値と被検化合物各濃度における活性値から阻
害率(%)を求め、プロトン・カリウムーアデノシント
リホスファターゼに対する50%阻害濃度(IC50 μg
/ml)を求めた。その結果、実施例1の化合物は、I
50〈0.1 μg/mlの優れた活性を示した。 試験例2 ヘリコバクター ピロリに対する抗菌作用 抗菌力評価は、ヘリコバクター ピロリ(Helicobacter
pylori)9470,9472及び9474株を用い、
本発明化合物のヘリコバクター ピロリに対するMIC
(Minimum Inhibitory Concentration:最小発育阻止
濃度)値を求めることによった。
【0092】ヘリコバクター ピロリを平板培地上で4
日間培養した。培地にはブレインハートインヒュージョ
ン寒天(Difco社製)を規定量の蒸留水に溶解し、
オートクレーブで滅菌した後、ウマ血液(日本生物材料
社製)を7%となるように分注して固化したものを用い
た。
【0093】微好気条件下、37℃で4日間培養したヘ
リコバクター ピロリを生理食塩水中で菌量が約108
CFU/mlとなるように懸濁した。懸濁液を100倍
希釈し、その約10μlをMIC測定用培地上に接種し
た。MIC測定用培地には、前培養用培地と組成が同じ
ものを用いた。本発明化合物をジメチルスルホキシド
(DMSO)に溶解し滅菌蒸留水で2倍希釈系列にした
溶液と培地とを1:99の割合で混合し、シャーレ上で
固化したものをMIC測定用培地とした。前培養と同様
にしてヘリコバクター ピロリを微好気条件下、37℃
において3日間培養した。培養終了後、接種部分の菌の
生育を肉眼で観察し、菌の生育のみられなかった本発明
化合物の最小濃度をMIC(μg/ml)とした。その
結果、実施例1の化合物は、MIC〈12.5 μg/
ml)の優れた抗菌活性を示した。 試験例3 胃酸分泌抑制作用 一群3乃至5匹のラットを一晩絶食した後、エーテル麻
酔下、腹部正中切開し幽門を結紮した。胃及び十二指腸
を体内の元の位置に復し、腹部切開部を閉腹した。カル
ボキシメチルセルローズナトリウム塩0.5%及びトゥ
イン80(ポリソルベート80)0.4%水溶液に一定
量の試験化合物を懸濁させ、その懸濁液を経口でラット
に投与した。又、対照として、カルボキシメチルセルロ
ーズナトリウム塩0.5%及びトゥイン80(ポリソル
ベート80)0.4%水溶液(懸濁溶媒)を経口でラッ
トに投与した。試験化合物又は懸濁溶媒の投与から4時
間後に、ラットに二酸化炭素ガスを吸引させ、安楽死さ
せて、腹部を切開して胃を摘出した。ガラス製目盛り付
き遠心管に胃の内容物を採取した後、遠心分離し、上清
の容量(ml)と沈渣の容量(ml)を測定した。沈渣
の容量が0.5ml以上のものは食糞としてデータから
除外した。上清100μlを試験管に採り、蒸留水4m
lを加え、0.01規定水酸化ナトリウムで、pH7.
0まで滴定した。標準酸濃度液として、0.1規定塩酸
100μlに蒸留水4mlを加えたものを同時に滴定し
た。胃液酸濃度(mEq/l)、胃酸排出量(AO,μ
Eq/hr)及び抑制率(%)は、以下の式に従い計算
した。
【0094】胃液酸濃度(mEq/l)=A/B X
100 A:上清100μlの滴定に要した水酸化ナトリウム量
(ml) B:0.1規定塩酸100μlの滴定に要した水酸化ナ
トリウム量(ml) 胃酸排出量(AO,μEq/hr)=胃液上清量(m
l) X 胃液酸濃度(mEq/l)/4 抑制率(%)=(C−D)/C X 100 C:懸濁溶媒投与群のAO(μEq/hr) D:試験化合物投与群のAO(μEq/hr) 各投与量(0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/
kg及び10mg/kg)における抑制率を対数用量に
対する最小二乗法によって引いた用量−抑制率直線か
ら、50%抑制用量(ID50 mg/kg)を求め、以
下の表2に示した。
【0095】
【表2】 表2 胃酸分泌抑制効果 試験化合物 胃酸分泌50%抑制用量(ID50 mg/kg) 実施例1の化合物 0.52化合物A 1.64 化合物A:実施例1の化合物及びその対掌体の1:1混
合物(ラセミ体:特開平7−247285号の実施例5
7の化合物) 表2の結果から、胃酸分泌抑制作用に関し、実施例1の
化合物は、そのラセミ体より、約3倍強い効果を示すこ
とが分かった。
【0096】 製剤例1 錠剤 実施例1の化合物 30.0mg 乳糖 144.0 トウモロコシデンプン 25.0 ステアリン酸マグネシウム 1.0 200.0mg 上記処方の粉末を混合し、打錠機により打錠して、1錠
200mgの錠剤とする。この錠剤は必要に応じて糖衣
又はコーティグを施すことができる。
【0097】
【発明の効果】本発明の前記一般式(I)を有する化合
物又はその薬理上許容される塩は、優れた胃酸分泌抑制
作用及び胃粘膜保護作用並びにヘリコバクター ピロリ
ー(Helicobacter pylori)に対する優れた抗菌作用を
有し、更に、医薬品としての優れた性質を有することか
ら、温血動物(特に、ヒト)の医薬、特に、消化性潰
瘍、急性又は慢性胃潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃食道
反射疾患、消化不良、胃酸過多症、ゾーリンガー・エリ
ソン症候群等の潰瘍性疾患の予防若しくは治療剤(特
に、治療剤)又はヘリコバクター ピロリ(Helicobact
er pylori)の感染症の予防若しくは治療剤(特に、治
療剤)として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴川 信彦 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 松延 圭二 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 藤原 寛 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 伊藤 圭一 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 Fターム(参考) 4C050 AA01 BB04 CC08 EE03 FF02 GG03 GG04 GG05 HH01 4C086 AA01 AA02 CB05 GA16 MA01 MA04 NA14 ZA68 ZB35

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、R1は、C1−C6アルキル基を示し、R2及びR
    3は、同一又は異なって、C1−C6アルキル基を示し、
    4は、C1−C6アルキル、ハロゲノC1−C6アルキ
    ル、C1−C6アルコキシ、ハロゲノC1−C6アルコキシ
    及びハロゲンからなる群から選択される置換基で置換さ
    れてもよいC6−C10アリール基を示し、Aは、イミノ
    基、酸素原子又は硫黄原子を示す。]を有する光学活性
    なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩
    を有効成分として含有する抗潰瘍剤。
  2. 【請求項2】R1が、C1−C4アルキル基である請求項
    1に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその
    薬理上許容される塩を有効成分として含有する抗潰瘍
    剤。
  3. 【請求項3】R1が、メチル基である請求項1に記載の
    光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容
    される塩を有効成分として含有する抗潰瘍剤。
  4. 【請求項4】R2及びR3が、同一又は異なって、C1
    4アルキル基である請求項1乃至3に記載の光学活性
    なピロロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩
    を有効成分として含有する抗潰瘍剤。
  5. 【請求項5】R2及びR3が、同一で、メチル基である請
    求項1乃至3に記載の光学活性なピロロピリダジン化合
    物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有す
    る抗潰瘍剤。
  6. 【請求項6】R4が、C1−C4アルキル、ハロゲノC1
    4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲノC1−C4
    アルコキシ、弗素、塩素及び臭素からなる群から選択さ
    れる1乃至3個の置換基で置換されたフェニル基である
    請求項1乃至5に記載の光学活性なピロロピリダジン化
    合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有
    する抗潰瘍剤。
  7. 【請求項7】R4が、メチル、トリフルオロメチル、メ
    トキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、
    弗素、塩素及び臭素からなる群から選択される1乃至3
    個の置換基で置換されたフェニル基である請求項1乃至
    5に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその
    薬理上許容される塩を有効成分として含有する抗潰瘍
    剤。
  8. 【請求項8】R4が、弗素及び塩素からなる群から選択
    される1乃至2個の置換基で、2位、4位及び6位から
    なる群から選択される1乃至2の置換位が置換されたフ
    ェニル基である請求項1乃至5に記載の光学活性なピロ
    ロピリダジン化合物又はその薬理上許容される塩を有効
    成分として含有する抗潰瘍剤。
  9. 【請求項9】R4が、弗素及び塩素からなる群から選択
    される1乃至2個の置換基で、4位又は2,4−位の置
    換位が置換されたフェニル基である請求項1乃至5に記
    載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理上
    許容される塩を有効成分として含有する抗潰瘍剤。
  10. 【請求項10】Aが、酸素原子又は硫黄原子である請求
    項1乃至9に記載の光学活性なピロロピリダジン化合物
    又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する
    抗潰瘍剤。
  11. 【請求項11】Aが、酸素原子である請求項1乃至9に
    記載の光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬理
    上許容される塩を有効成分として含有する抗潰瘍剤。
  12. 【請求項12】7−(4−フルオロベンジルオキシ)−
    2,3−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチル
    シクロプロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジ
    ン、 7−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)−2,3−
    ジメチル−1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプ
    ロピルメチル]ピロロ[2,3−d]ピリダジン及び7
    −(4−クロロベンジルオキシ)−2,3−ジメチル−
    1−[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピルメチ
    ル]ピロロ[2,3−d]ピリダジンからなる群から選
    択される光学活性なピロロピリダジン化合物又はその薬
    理上許容される塩を有効成分として含有する抗潰瘍剤。
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WO2004029058A1 (ja) * 2002-09-25 2004-04-08 Sankyo Company, Limited 血中ガストリン濃度上昇の抑制のための医薬組成物

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WO2004029057A1 (ja) * 2002-09-25 2004-04-08 Sankyo Company, Limited 内臓痛の治療または予防のための医薬組成物
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