JP2002240277A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

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JP2002240277A
JP2002240277A JP2001041118A JP2001041118A JP2002240277A JP 2002240277 A JP2002240277 A JP 2002240277A JP 2001041118 A JP2001041118 A JP 2001041118A JP 2001041118 A JP2001041118 A JP 2001041118A JP 2002240277 A JP2002240277 A JP 2002240277A
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ink
fluid resistance
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Takeshi Nanjo
健 南條
Shinichi Tsunoda
慎一 角田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ノズル形成部材と、ノズル形成部
材とは異種材料の部材(例えばアクチュエータ部材)と
の接合時に、線膨張係数差に起因する残留応力の発生を
緩和できるインクジェットヘッド及びインクジェット記
録装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のインクジェットヘッドにおい
て、ノズル形成部材にはインクを吐出する複数のノズル
孔が形成され、またアクチュエータ部材にはインクが供
給される供給路と、各々のノズルに対応してインクが加
圧される圧力室と、圧力室のインクを加圧するための駆
動素子とを有し、ノズル形成部材と異なる材料部材によ
り形成されている。そして、ノズル形成部材が、ノズル
形成部材の総膜厚より薄い膜厚を有すると共にノズル孔
以外の機能を持つ複数の機能部位を有し、機能部位の少
なくとも一つの機能部位が当該機能部位の機能を達成す
る領域より広く形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ド及びインクジェット記録装置に関し、特に近年の高速
化及び高密度・高解像度の記録を行い得るドロップオン
ディマンド(DOD)型のインクジェット記録装置に搭
載されるインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写機等に用
いられるドロップオンディマンド(DOD)型のインク
ジェット記録装置は、例えばインク滴を吐出する複数の
ノズル孔と、ノズル孔が接続され、かつインクが加圧さ
れる圧力室と、圧力室内のインクを加圧するための駆動
素子とを備えたインクジェットヘッドを用いて、記録信
号が入力された時にのみノズル孔からインク滴を吐出飛
翔させて、高速度・高解像度の記録を行うものである。
【0003】このようなインクジェットヘッドにおい
て、ノズル孔を有するノズル形成部材と、圧力室、駆動
素子、インクを共通液室から圧力室に流入させる流体抵
抗部及び共通液室を構成する部材(以下アクチュエータ
部材と称す)とは、異種材料で構成されることが多い。
また、従来のインクジェットヘッドにおいては、特開平
5−4346号公報に開示されているように、ノズル形
成部材と同一部材にて、圧力室等の機能部位を構成され
る場合もある。すなわち、ノズル形成部材に別機能部位
を設けている場合もある。このようなノズル形成部材と
アクチュエータ部材は、同一の材料にて構成されること
が好ましい。その理由は、両部材間の接合時の線膨張係
数が同一で、接合時の残留応力を発生させないからであ
る。しかし、実際にはヘッド構成材料の選択の妨げとな
るため、上述のように、異種材料、例えばステンレス合
金‐シリコンやニッケル‐シリコンなどの異種金属同士
やポリイミド樹脂‐シリコン等の樹脂‐金属の構成とな
る場合が多い。
【0004】このような材料間の接合工法には、一般的
には、工程でのタクトタイムを配慮し、加熱接合が一般
的である。具体的には、接着剤接合、熱溶着、シリコン
等の直接接合や陽極接合などがある。ここで問題となる
のは、接合部材が異種材料の場合、その線膨張係数の差
違により、冷却時に残留応力が発生し、接合面の反りや
剥離などが発生する点である。
【0005】このため、前述のように、接合に際して
は、その両部材の線膨張係数をそろえることが好まし
く、それに言及した従来例として特開平5‐22911
4号公報、特開平9‐57964号公報や特開平10‐
44420号公報がある。
【0006】しかし、この解決策は材料への制約が大き
く、それらの解決のため、特開平7‐299911号公
報(以下従来例1と称す)に開示されている降温速度の
コントロールや実公平7‐11982号公報(以下従来
例2と称す)に開示されている接着の非貼付け部の設
置、特開平8‐1951号公報に開示されている未硬化
領域の設置などにより、応力緩和を図る例もある。
【0007】また、応力の集中を避けるための構成とし
て、特開平6‐316081号公報(以下従来例3と称
す)に開示されている液室隔壁の長さを変えてガイドと
する例や特開平7‐266565号公報(以下従来例4
と称す)に開示されている別途支持部材を設けて押さえ
る例などもある。
【0008】
【0009】応力集中が問題になる線膨張係数の差違に
ついては、いろいろな従来例として、特開平6‐234
215号公報、特開平10‐264374号公報、特表
平9‐502668号公報等に記載がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、インクジ
ェットヘッドにおいて、異種材料部材間の接合時の線膨
張係数差に起因する残留応力の問題は、インクジェット
ヘッドのノズル数が増え、ヘッド長が長くなると、より
顕著となる。これらの解決手段としては、熱をかけない
接合(常温接合)が一番であるが、例えば接着剤の場合
だと、常温で硬化するものは、それを塗布する際の使用
可能時間が短く、工程管理が困難である。また、一般的
に、硬化時間も24時間程度と、生産性が極めて悪い。
このため、前述の従来技術のように、両部材の線膨張係
数をそろえることが有効であるが、この解決策は、材料
への選択の制約が極めて大きいという問題がある。特
に、近年ヘッドの微細化・高集積化の進行とともに、シ
リコン材料が注目されているが、シリコンは一般的な金
属材料(ニッケル、ステンレス合金など)とは線膨張係
数が2〜4倍も異なり、特殊で高価な合金(コバールな
ど)を選定しなければ接合できない問題を生じている。
【0011】また、上記従来例1のように、これらの応
力集中を、接合時の降温速度のコントロール等で緩和す
る方法もあるが、接合時の温度で決まる要素が大きいた
め、大きな効果は期待できない。
【0012】更に、上記従来例2のように、これらの応
力集中を、接着の非貼付部を設けたり、未硬化領域を設
けることで、緩和する方法もあるが、塗布の位置精度
(パターニング、はみ出し)や信頼性などの問題があ
る。
【0013】また、上記従来例3及び従来例4のよう
に、これらの応力集中を、液室障壁の長さを変えてガイ
ドとしたり、別途支持部材を設けて押さえたりする方法
もあるが、ノズル数の増加によりヘッド長が長くなる
と、十分な応力緩和はできなくなる問題がある。
【0014】本発明はこれらの問題点を解決するための
ものであり、ノズル形成部材と、該ノズル形成部材とは
異種材料の部材(例えばアクチュエータ部材)との接合
時に、線膨張係数差に起因する残留応力の発生を緩和で
きるインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、ノズル形成部材及びアクチュエータ部材を接合し
て構成される本発明のインクジェットヘッドによれば、
ノズル形成部材はインクを吐出する複数のノズル孔が形
成され、またアクチュエータ部材はインクが供給される
供給路と、各々のノズルに対応してインクが加圧される
圧力室と、圧力室のインクを加圧するための駆動素子と
を有し、ノズル形成部材と異なる材料部材により形成さ
れている。そして、ノズル形成部材が、ノズル形成部材
の総膜厚より薄い膜厚を有すると共にノズル孔以外の機
能を持つ複数の機能部位を有し、機能部位の少なくとも
一つの機能部位が当該機能部位の機能を達成する領域よ
り広く形成されている。よって、接合強度を維持しなが
ら加熱接合時又はヘッド使用環境の温度変化時の残留応
力を緩和し、ノズル形成部材の反りや剥離を抑制でき
る。
【0016】また、ノズル形成部材が2層以上の電鋳法
により形成されることにより、ノズル形成部材の総膜厚
に対する機能部位の少なくとも一つの機能部位の膜厚の
比を容易に設定できるので、応力の緩和量を最適に設計
することができる。
【0017】更に、ノズル形成部材の総膜厚に対する機
能部位の少なくとも一つの機能部位の膜厚の比は0.3
〜0.6とすることが好ましい。
【0018】また、機能部位の少なくとも一つの機能部
位は、圧力室におけるインクに対する圧力がノズルのイ
ンクに加わることを抑止する流体抵抗部位である。更
に、この流体抵抗部位が、ノズル形成部材の接合領域を
減少させない範囲で、流体抵抗の機能を達成するより広
く形成され、流体抵抗部位が列方向で接続されている。
よって、加熱接合時又はヘッド使用環境の温度変化時の
残留応力を緩和し、ノズル形成部材の反りや剥離を抑制
できる。
【0019】更に、ノズル形成部材が有する2列以上の
各ノズル孔列に対応する流体抵抗部位が、ノズル形成部
材の接合領域を減少させない範囲で、流体抵抗の機能を
達成するより広く形成され、流体抵抗部位が列間で接続
されている。よって、圧力緩和の効果がノズル形成部材
の列方向に渡り、ノズル形成部材の反りや剥離をより一
層抑制できる。
【0020】また、ノズル形成部材が有する2列以上の
各ノズル孔列に対応する流体抵抗部位が、ノズル形成部
材の接合領域を減少させない範囲で、流体抵抗の機能を
達成するより広く形成され、流体抵抗部位がノズル形成
部材内で全て相互に接続されている。よって、応力緩和
の効果がノズル形成部材全域に渡り、応力緩和の効果が
増大し、ノズル形成部材の反りや剥離の抑制をより一層
高めることができる。
【0021】更に、列間の前記流体抵抗部位の接続箇所
は鋭角的に接続されていることにより、インク流路での
気泡溜りを抑制できる。
【0022】また、別の発明として、インクジェット記
録装置は上記記載のインクジェットヘッドを有すること
に特徴がある。
【0023】
【発明の実施の形態】ノズル形成部材及びアクチュエー
タ部材を接合して構成される本発明のインクジェットヘ
ッドによれば、ノズル形成部材はインクを吐出する複数
のノズル孔が形成され、またアクチュエータ部材はイン
クが供給される供給路と、各々のノズルに対応してイン
クが加圧される圧力室と、圧力室のインクを加圧するた
めの駆動素子とを有し、ノズル形成部材と異なる材料部
材により形成されている。そして、ノズル形成部材が、
ノズル形成部材の総膜厚より薄い膜厚を有すると共にノ
ズル孔以外の機能を持つ複数の機能部位を有し、機能部
位の少なくとも一つの機能部位が当該機能部位の機能を
達成する領域より広く形成されている。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について従来例と比較
しながら説明することにする。図2は従来のインクジェ
ットヘッドの構成を示す図である。図2の(a)は複数
のノズル孔列が形成されているノズル形成部材の吐出面
側からの斜視図であり、図2の(b)はノズル形成部材
の液室面側からの斜視図である。また、図2の(c)は
静電型アクチュエータ部材と接合された状態の、図2の
(a),(b)のA−A’線断面図であり、図2の
(d)はアクチュエータ部材とノズル形成部材の接合部
位の部分平面図である。なお、静電型アクチュエータ部
材とは、静電引力または斥力により振動板211を振動
させ、圧力室206中のインクを加圧・吐出させる駆動
素子(図示せず)を有するアクチュエータ部材を称する
ものとする。図2において、撥インク層201は、ニッ
ケルとPTFEの共析メッキ膜であるが、塗布性の樹脂
撥インク膜でもかまわない。ノズル形成部材には、ノズ
ル形成部材の主材である金属膜205が形成され、更に
インクの吐出口202とそれにつながる貫通孔203が
設けられている。この撥インク層201と金属膜205
の総膜厚が図2の(c)に示すようにノズル形成部材の
総膜厚t1となる。なお、金属膜205は2層電鋳膜に
より構成されている金属膜であり、例えばニッケル膜で
ある。流体抵抗部位204は、ノズル形成部材にノズル
孔以外の別機能部位として形成されている。共通液室2
07より圧力室206に流入したインクが、振動板21
1の振動により、吐出口202から吐出されるが、その
時に共通液室207側への逆流を抑制するために、図2
の(d)に示すように流体抵抗部位204の寸法である
幅d及び高さt2が決定される。流体抵抗部位204の
流体としての抵抗は、幅d及び高さt2、及び流体抵抗
部位204と接合されるアクチュエータ部材側の領域2
12、つまり実際には周辺が接合されて流体抵抗の機能
を果たす箇所は空間となる領域の長さLにより決定され
る。
【0025】このように、従来例における流体抵抗部位
204は、目的としての流体抵抗を示す最小限の広さ
(素子方向で見れば長さ)で形成されており、圧力室側
及び共通液室側に広く形成されていない。ここで、圧力
室形成部材208は圧力室を構成する部材であり、シリ
コンが用いているが、特にシリコンに言及される訳では
ない。また、ノズル形成部材のニッケル膜とアクチュエ
ータ部材のシリコンとが接着剤などにより接合されるこ
ととなる。ニッケルとシリコンの線膨張係数の差はおよ
そ3〜4倍あり、加熱接着を行った場合、従来例では多
くの残留応力を発生させることとなる。なお、該アクチ
ュエータ部材は、シリコン基板などが用いられる基板2
09上に、静電引力または斥力を発生させるための個別
電極210が形成され、対向して振動板211を有して
いる。アクチュエータ部材は、前述の圧力室206及び
共通液室207並びに駆動素子が構成されている。
【0026】また、従来例において、図2の(d)に示
されるように、流体抵抗部位204は圧力室側及び共通
液室側まで広く形成されていないため、ノズル形成部材
の圧力室相当箇所及び共通液室相当箇所の膜厚は、ノズ
ル形成部材の総膜厚と同一である。すなわち、ノズル列
方向に厚い膜厚が続くため、接合時の応力及び使用環境
での温度変化により発生する応力の緩和ができず、ノズ
ル形成部材の反り又は剥離へつながる。
【0027】次に、本発明の実施例に係るインクジェッ
トヘッドの構成を図面に基づいて説明する。図1は本発
明の第1の実施例に係るインクジェットヘッドの構成を
示す図である。図1の(a)は複数のノズル孔列が形成
されているノズル形成部材の吐出面側からの斜視図であ
り、図1の(b)はノズル形成部材の液室面側からの斜
視図である。また、図1の(c)は静電型アクチュエー
タ部材と接合された状態の、図1の(a),(b)のA
−A’線断面図であり、図1の(d)はアクチュエータ
部材とノズル形成部材の接合部位の部分平面図である。
図1において、図2と同じ参照符号は同じ構成要素を示
す。なお、本実施例において、駆動素子として静電型素
子を用いているが、本実施例は特に静電型素子を用いた
場合に限定されるものではなく、圧電素子やヒーター素
子等を駆動素子として用いても良い。図1において、本
実施例における流体抵抗部位204が、ノズル形成部材
の接合領域を減少させない範囲で、圧力室側まで広く形
成されている。なお、アクチュエータ部材側の領域21
2の長さL及び幅d並びにt2により、流体抵抗は決定
されるので、流体抵抗値を設計でき、流体抵抗部位の広
さの制約とはならない。
【0028】次に、図1におけるノズル形成部材の製造
方法の各工程を図3に示す。図3において、ノズル形成
部材は2層電鋳法及び写真製版(パターニング)技術に
より形成されている。図3の(a)において、任意の導
電性基板または導電性薄膜を有する基板301上に感光
性樹脂302がパターニングされる。図3の(b)にお
いて、その上にニッケルなどの金属膜303が電鋳法に
より形成され、この時の膜厚t3がノズル孔以外の機能
部位の膜厚を決定する。実際には、この膜厚t3に図1
の撥インク層201の膜厚が加算される。次に、図3の
(c)において、ノズル孔に相当箇所やノズル孔以外の
機能箇所に、感光性樹脂304が厚くパターニングさ
れ、図3の(d)において、ニッケルなどの金属膜30
5が電鋳法により形成される。ノズル孔以外の機能部位
の一つとして、流体抵抗部位を形成する場合、この時の
膜厚t2が流体抵抗値を決定する因子の一つとなる。そ
して、図3の(e)において、感光性樹脂302,30
4及び基板301を除去し、再度ノズル孔部位を塞ぐ形
で、感光性樹脂306を形成する。次に、図3の(f)
において、電解共析メッキ法により、ニッケルとPTF
Eの共析メッキ膜を撥インク層201として形成する。
なお、撥インク層201は共析メッキ膜に限定される訳
ではなく、樹脂性撥インク膜をスプレーコート法などに
より形成しても良い。また、撥インク膜201は、通常
3μm以下の膜厚で形成され、ノズル形成部材の総膜厚
への寄与は少ないので、以後膜厚は無視して説明を行う
ものとする。すなわち、図1の(c)に示すノズル形成
部材の総膜厚t1は、t2とt3の加算にほぼ等しい。
そして、図3の(g)において、感光性樹脂306を除
去し、吐出口202、貫通孔203、及びノズル孔以外
の機能部位204、例えば流体抵抗部位が形成される。
なお、ノズル孔以外の機能部位についての他の例として
は、圧力室または共通液室等が挙げられる。
【0029】以下に、ノズル孔以外の機能部位として流
体抵抗部位を形成した場合の、実際のノズル形成部材の
膜厚例を図4に示す。例えば、ノズル形成部材の総膜厚
t1は、その生産時の取扱い性の面より、ある程度の強
度が必要であり、ニッケルなどの金属の場合は、40μ
m以上が望ましい。また、ノズル形成部材として樹脂を
用いる場合は、80μm以上が望ましい。図4におい
て、ノズル形成部材をニッケルで構成した例を挙げる
と、ノズル孔以外の機能部位の膜厚がノズル形成部材の
総膜厚に対する膜厚比は、実際には約0.3〜0.6が
得られ、この薄膜化が上述した応力の緩和に寄与する。
【0030】図5は本発明の第2の実施例に係るインク
ジェットヘッドの構成を示す図である。図5の(a)は
複数のノズル孔列が形成されているノズル形成部材の吐
出面側からの斜視図であり、図5の(b)はノズル形成
部材の液室面側からの斜視図である。また、図5の
(c)は静電型アクチュエータ部材と接合された状態
の、図5の(a),(b)のA−A’線断面図であり、
図5の(d)はアクチュエータ部材とノズル形成部材の
接合部位の部分平面図である。図5において、図1と同
じ参照符号は同じ構成要素を示す。本実施例における流
体抵抗部位204が、ノズル形成部材の接合領域を減少
させない範囲で、圧力室側及び共通液室側まで広く形成
されており、かつ列方向及び列間で接続されている。す
なわち、ノズル形成部材全域に渡って、流体抵抗部位2
04が相互に接続されている。ここで、図6の(a)に
本実施例における圧力室上でのアクチュエータ部材とノ
ズル形成部材の接合時に残留する応力を示し、同図の
(b)に図2の従来例における圧力室上でのアクチュエ
ータ部材とノズル形成部材の接合時に残留する応力を示
す。同図の(b)において、任意の圧力室間の接合部で
発生した残留応力は、厚いノズル形成部材を経由して、
そのまま隣の素子列へ伝搬される。ノズル数が増え、ヘ
ッド長が長くなった場合、残留応力は加算され、ノズル
形成部材の反りや剥離につながる。一方、図6の(a)
において、任意の圧力室間の接合部で発生した残留応力
は、ノズル孔以外の機能部位である流体抵抗部位の延長
領域の薄膜部で緩和され、より小さな残留応力が伝搬す
るだけである。図6の(a)は、圧力室上部に関して示
したが、共通液室上部においても、それは同様で、ノズ
ル形成部材の薄膜部を経由することで、応力が緩和され
る。それにより、第6図の(a)に示した応力緩和の効
果がノズル形成部材全域に渡るので、ノズル形成部材の
反り及び剥離を抑制できる。
【0031】図7は本発明の第3の実施例に係るインク
ジェットヘッドの構成を示す図である。図7の(a)は
複数のノズル孔列が形成されているノズル形成部材の吐
出面側からの斜視図であり、図7の(b)はノズル形成
部材の液室面側からの斜視図である。また、図7の
(c)は静電型アクチュエータ部材と接合された状態
の、図7の(a),(b)のA−A’線断面図であり、
図7の(d)はアクチュエータ部材とノズル形成部材の
接合部位の部分平面図である。図7において、図1と同
じ参照符号は同じ構成要素を示す。本実施例における流
体抵抗部位204が、ノズル形成部材の接合領域を減少
させない範囲で、圧力室側及び共通液室側まで広く形成
されており、かつ列方向及び列間で接続されている。ま
た、本実施例において、列間の流体抵抗部位204の接
続箇所が鋭角的に接続されているので、当該部位でのイ
ンク流路での気泡溜りを抑制できる。本実施例も第2の
実施例同様に、図6の(a)に示した応力緩和の効果
が、ノズル形成部材の列方向に渡るので、ノズル形成部
材の反り及び剥離を抑制できる。
【0032】図8は本発明の第4の実施例に係るインク
ジェットヘッドの構成を示す図である。図8の(a)は
複数のノズル孔列が形成されているノズル形成部材の吐
出面側からの斜視図であり、図8の(b)はノズル形成
部材の液室面側からの斜視図である。また、図8の
(c)は静電型アクチュエータ部材と接合された状態
の、図8の(a),(b)のA−A’線断面図であり、
図8の(d)はアクチュエータ部材とノズル形成部材の
接合部位の部分平面図である。図8において、図1と同
じ参照符号は同じ構成要素を示す。本実施例における流
体抵抗部位204が、ノズル形成部材の接合領域を減少
させない範囲で、圧力室側及び共通液室側まで広く形成
されており、かつ列間で接続されている。それにより、
図6の(a)に示した応力緩和の効果が、ノズル形成部
材の列方向に渡るので、ノズル形成部材の反り及び剥離
を抑制できる。
【0033】図9は上記インクジェットヘッドを搭載し
たインクジェット記録装置の構成を示す概略断面図であ
る。同図に示すように、インクジェット記録装置101
は、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックBK
の各色のインクをそれぞれ収納した4個のインクカート
リッジ102と、複数のノズルを有し各インクカートリ
ッジ2からインクが供給される4個のインクジェットヘ
ッド103と、インクカートリッジ102とインクジェ
ットヘッド103を搭載したキャリッジ104と、記録
紙を収納した給紙トレイ105a,105bや手差しテ
ーブル106から記録紙を印字部107に搬送する搬送
ローラ108と、印字した記録紙を排紙トレイ109に
排出する排出ローラ110を有する。そして、ホスト装
置から送られてくる画像データを記録紙に印字するとき
は、キャリッジ104をキャリッジローラ111に倣っ
て走査しながら、搬送ローラ108により印字部107
に送られた記録紙にインクジェットヘッド103のノズ
ルから画像データに応じてインクを噴射して文字や画像
を記録する。このようなインクジェット記録装置に上記
インクジェットヘッドを搭載することにより、加熱接合
時又はヘッド使用環境の温度変化時の残留応力を緩和
し、ノズル形成部材の反りや剥離を抑制でき、よって高
画質の画像記録を実現できるインクジェット記録装置を
提供できる。
【0034】また、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変
形や置換可能であることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、ノズル形成部材及
びアクチュエータ部材を接合して構成される本発明のイ
ンクジェットヘッドによれば、ノズル形成部材はインク
を吐出する複数のノズル孔が形成され、またアクチュエ
ータ部材はインクが供給される供給路と、各々のノズル
に対応してインクが加圧される圧力室と、圧力室のイン
クを加圧するための駆動素子とを有し、ノズル形成部材
と異なる材料部材により形成されている。そして、ノズ
ル形成部材が、ノズル形成部材の総膜厚より薄い膜厚を
有すると共にノズル孔以外の機能を持つ複数の機能部位
を有し、機能部位の少なくとも一つの機能部位が当該機
能部位の機能を達成する領域より広く形成されている。
よって、接合強度を維持しながら加熱接合時又はヘッド
使用環境の温度変化時の残留応力を緩和し、ノズル形成
部材の反りや剥離を抑制できる。
【0036】また、ノズル形成部材が2層以上の電鋳法
により形成されることにより、ノズル形成部材の総膜厚
に対する機能部位の少なくとも一つの機能部位の膜厚の
比を容易に設定できるので、応力の緩和量を最適に設計
することができる。
【0037】更に、ノズル形成部材の総膜厚に対する機
能部位の少なくとも一つの機能部位の膜厚の比は0.3
〜0.6とすることが好ましい。
【0038】また、機能部位の少なくとも一つの機能部
位は、圧力室におけるインクに対する圧力がノズルのイ
ンクに加わることを抑止する流体抵抗部位である。更
に、この流体抵抗部位が、ノズル形成部材の接合領域を
減少させない範囲で、流体抵抗の機能を達成するより広
く形成され、流体抵抗部位が列方向で接続されている。
よって、加熱接合時又はヘッド使用環境の温度変化時の
残留応力を緩和し、ノズル形成部材の反りや剥離を抑制
できる。
【0039】更に、ノズル形成部材が有する2列以上の
各ノズル孔列に対応する流体抵抗部位が、ノズル形成部
材の接合領域を減少させない範囲で、流体抵抗の機能を
達成するより広く形成され、流体抵抗部位が列間で接続
されている。よって、圧力緩和の効果がノズル形成部材
の列方向に渡り、ノズル形成部材の反りや剥離をより一
層抑制できる。
【0040】また、ノズル形成部材が有する2列以上の
各ノズル孔列に対応する流体抵抗部位が、ノズル形成部
材の接合領域を減少させない範囲で、流体抵抗の機能を
達成するより広く形成され、流体抵抗部位がノズル形成
部材内で全て相互に接続されている。よって、応力緩和
の効果がノズル形成部材全域に渡り、応力緩和の効果が
増大し、ノズル形成部材の反りや剥離の抑制をより一層
高めることができる。
【0041】更に、列間の前記流体抵抗部位の接続箇所
は鋭角的に接続されていることにより、インク流路での
気泡溜りを抑制できる。
【0042】また、別の発明として、インクジェット記
録装置は上記記載のインクジェットヘッドを有すること
に特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るインクジェットヘ
ッドの構成を示す図である。
【図2】従来のインクジェットヘッドの構成を示す図で
ある。
【図3】本実施例のおけるノズル形成部材の製造方法の
各工程を示す図である。
【図4】ノズル孔以外の機能部位として流体抵抗部位を
形成した場合の実際のノズル形成部材の膜厚例を示す図
である。
【図5】本発明の第2の実施例に係るインクジェットヘ
ッドの構成を示す図である。
【図6】第2の実施例と従来例における残留圧力の伝搬
の様子を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施例に係るインクジェットヘ
ッドの構成を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施例に係るインクジェットヘ
ッドの構成を示す図である。
【図9】別の発明のインクジェット記録装置の構成を示
す図である。
【符号の説明】
201;撥インク層、202;吐出口、203;管通
孔、204;流体抵抗部位、205;金属膜、206;
圧力室、207;共通液室、208;圧力形成部材、2
09;基板、210;個別電極、211;振動板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF78 AF93 AG07 AG08 AG14 AG30 AP02 AP25 AP38 AP47 AP55 AP60 AQ02 AQ06 BA03 BA15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する複数のノズル孔が形成
    されたノズル形成部材と、 インクが供給される供給路と、各々のノズルに対応して
    インクが加圧される圧力室と、該圧力室のインクを加圧
    するための駆動素子とを有し、前記ノズル形成部材と異
    なる材料部材により形成されるアクチュエータ部材と、
    を接合して構成されるインクジェットヘッドにおいて、 前記ノズル形成部材が、該ノズル形成部材の総膜厚より
    薄い膜厚を有すると共にノズル孔以外の機能を持つ複数
    の機能部位を有し、該機能部位の少なくとも一つの機能
    部位が当該機能部位の機能を達成する領域より広く形成
    されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記ノズル形成部材が、2層以上の電鋳
    法により形成されている請求項1記載のインクジェット
    ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記ノズル形成部材の総膜厚に対する前
    記機能部位の少なくとも一つの機能部位の膜厚の比は、
    0.3〜0.6とする請求項1又は2に記載のインクジ
    ェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記機能部位の少なくとも一つの機能部
    位は、前記圧力室におけるインクに対する圧力がノズル
    のインクに加わることを抑止する流体抵抗部位である請
    求項1又は3に記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記流体抵抗部位が、前記ノズル形成部
    材の接合領域を減少させない範囲で、流体抵抗の機能を
    達成するより広く形成され、前記流体抵抗部位が列方向
    で接続されている請求項1〜4のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 前記ノズル形成部材が有する2列以上の
    各ノズル孔列に対応する前記流体抵抗部位が、前記ノズ
    ル形成部材の接合領域を減少させない範囲で、流体抵抗
    の機能を達成するより広く形成され、前記流体抵抗部位
    が列間で接続されている請求項1〜4のいずれかに記載
    のインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 前記ノズル形成部材が有する2列以上の
    各ノズル孔列に対応する前記流体抵抗部位が、前記ノズ
    ル形成部材の接合領域を減少させない範囲で、流体抵抗
    の機能を達成するより広く形成され、前記流体抵抗部位
    が前記ノズル形成部材内で全て相互に接続されている請
    求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 列間の前記流体抵抗部位の接続箇所は鋭
    角的に接続されている請求項6又は7に記載のインクジ
    ェットヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のインク
    ジェットヘッドを有することを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009041424A1 (ja) 2007-09-28 2009-04-02 Toshiba Carrier Corporation 空気調和機の室外機

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