JP2002240274A - プリンタヘッド - Google Patents

プリンタヘッド

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JP2002240274A
JP2002240274A JP2001039520A JP2001039520A JP2002240274A JP 2002240274 A JP2002240274 A JP 2002240274A JP 2001039520 A JP2001039520 A JP 2001039520A JP 2001039520 A JP2001039520 A JP 2001039520A JP 2002240274 A JP2002240274 A JP 2002240274A
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movable piece
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diaphragm
ink
liquid chamber
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JP2001039520A
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English (en)
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Eiki Hirano
栄樹 平野
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Sony Corp
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Sony Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2002/043Electrostatic transducer

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プリンタヘッドに関し、特にイン
クジェット方式によるプリンタに適用して、静電方式に
よる場合でも、ノズルを高密度に配置できるようにす
る。 【解決手段】 本発明は、いわゆる片持ち梁構造により
静電アクチュエータ16の可動片24を作成し、この可
動片24により振動板19を変化させてインク液滴を飛
び出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタヘッドに
関し、特に静電方式によるインクジェット方式によるプ
リンタに適用することができる。本発明は、いわゆる片
持ち梁構造により静電アクチュエータの可動片を作成
し、この可動片により振動板を変化させてインク液滴を
飛び出させることにより、ノズルを高密度に配置するこ
とができるようにする。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット方式によるプリン
タにおいては、発熱素子、ピエゾ素子の駆動により、イ
ンク液滴を飛び出させて用紙に付着させることにより、
画像等を印刷するようになされている。これに対して例
えば特開平10−315466号公報等においては、こ
のような駆動を静電アクチュエータにより実行する方法
が提案されるようになされている。
【0003】すなわち図17は、この静電アクチュエー
タによるプリンタヘッドを示す断面図である。このプリ
ンタヘッド1は、所定の基板2の表面に、所定ピッチに
よる凹部が形成され、この凹部の底面に電極3が配置さ
れる。プリンタヘッド1は、この基板2上に、インク液
室4の底板6、隔壁を構成する部材5が配置される。こ
こでこの部材5は、導電性の材料により形成され、基板
2に配置した電極3とインク液室の底板6とが基板2の
凹部による空隙を間に挟んで対向するように、また各電
極3と絶縁されるように配置される。また部材5は、底
板6が振動板として機能するように、所定の厚さにより
形成され、部材5の上に、ノズル7が形成されてなる部
材8が配置される。
【0004】この構成によりこのプリンタヘッド1で
は、部材5と各電極3との間に電圧を印加すると、底板
6が電極3側に引き寄せられてたわみ、またこの電圧の
印加を中止すると、このたわみが元に戻る。これにより
プリンタヘッド1は、電極3に電圧を印加して発生する
部材5との間の静電力によりインク液室4の体積を増減
し、この体積が減じる際の圧力によりノズル7からイン
クを飛び出させるようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで発熱素子を使
用したインクジェット方式のプリンタにおいては、発熱
素子の駆動に多くの電力を要し、その分、全体として消
費電力が大きい欠点がある。これに対してピエゾ素子を
使用したインクジェット方式のプリンタにおいては、ピ
エゾ素子の集積化が困難で、これにより製造工程が複雑
な欠点がある。またノズルを多数設けると、高速化が困
難な欠点がある。このためこれら発熱素子、ピエゾ素子
を使用したインクジェット方式のプリンタにおいては、
これらの欠点を解消するために、また各種の性能向上の
ため等に、種々の手法が多数提案されている。
【0006】これに対して静電アクチュエータによるプ
リンタヘッドにおいては、発熱素子、ピエゾ素子を使用
する場合に比して改良の余地が残っていると考えられ、
このような発熱素子、ピエゾ素子を使用する場合の欠点
についても、充分に対応することができると考えられ
る。
【0007】しかしながら静電アクチュエータによるプ
リンタヘッドにおいては、大面積により振動板を形成し
なければ、インク液滴を飛び出させるのに充分な駆動力
を得ることが困難で、このためノズルを高密度に配置で
きない問題があった。なおノズルを高密度に配置できな
い場合には、その分、高い解像度により印刷できないこ
とになる。また1つのプリンタヘッドを構成する基板の
大きさが大きくなり、駆動回路を一体化することも困難
になる。
【0008】因みに、図17について上述した構成によ
れば、振動板が0.2〔μm〕程度しか変位しないこと
により、結局、数mm×100〔μm〕により振動板を
作成しなければ充分な駆動力を確保することが困難であ
った。なおこの大きさは、発熱素子を使用したプリンタ
ヘッドに比して、インク液室の密度を1/数10倍程度
にしか高密度化できないことを意味する。また仮に、発
熱素子を使用したプリンタヘッドと同程度の高密度化を
達成しようとすると、振動板は、数〜数10〔μm〕程
度、変位させることが必要となる。なおこの場合、典型
的なインク液滴のインク量である数〜数10〔pl〕の
吐出量を確保するとした場合である。
【0009】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、ノズルを高密度に配置することができる静電アクチ
ュエータによるプリンタヘッドを提案しようとするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め請求項1の発明においては、所定の部材に保持された
固定電極と、長手方向の一端が所定の部材に固定され、
長手方向の他端が可動自在に保持され、固定電極との間
で発生する静電力により変形して他端を可動する可動片
と、可動片の他端の可動により変化し、該変化によりイ
ンク液室の圧力を可変して所定のノズルよりインク液滴
を飛び出させる振動板とを備えるようにする。
【0011】請求項1の構成によれば、いわゆる片持ち
梁構造により可動片が可動することにより、従来に比し
て格段的に大きな変位量を得ることができる。これによ
り振動板を介してこの可動片の可動によりインク液滴を
飛び出させるようにして、従来に比して格段的に小さな
静電力によりインク液滴と飛び出させることができ、そ
の分静電アクチュエータの構成を小型化してノズルを高
密度に配置することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本
発明の実施の形態を詳述する。
【0013】(1)第1の実施の形態 (1−1)第1の実施の形態の構成 図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプリンタヘッ
ドを示す分解斜視図であり、図2は、A−A線により断
面を取って示すこのプリンタヘッド11の断面図であ
る。このプリンタヘッド11は、ラインプリンタに使用
されるラインヘッドであり、印刷対象の用紙幅でノズル
12が連続するように細長い形状により全体が形成され
る。プリンタヘッド11は、アクチュエータ部14の上
に、ノズル部15を配置して作成される。
【0014】ここでアクチュエータ部14は、ノズル1
2の配置ピッチにより静電アクチュエータ16を配置し
たものである。またノズル部15は、ノズル12、各ノ
ズル12に対応するインク液室17、インク液室17に
インクを導くインク流路18、アクチュエータ部14に
配置した各静電アクチュエータ16の駆動により各イン
ク液室17の体積を可変して各ノズル12からそれぞれ
インク液滴を飛び出させる振動板19を配置して構成さ
れる。
【0015】ここでアクチュエータ部14において、静
電アクチュエータ16は、いわゆる片持ち梁構造により
作成される。すなわち静電アクチュエータ16は、基板
21に各静電アクチュエータ16で個別の固定電極22
が配置され、この固定電極22に対して可動片24が配
置される。可動片24は、全体として細長い形状により
形成されて、電圧の印加により電極22との間で静電力
を発生するように導体により作成される。可動片24
は、その長手方向の一端が固定されて、電極22との間
で発生する静電力により他端が自由に可動できるように
構成される。これによりこの実施の形態では、従来に比
して駆動対象の部材を大きく可動できるように、静電ア
クチュエータ16が構成されるようになされている。
【0016】すなわち図17について上述したような従
来構成によるプリンタヘッド1においては、静電アクチ
ュエータの可動部である振動板がインク液室の一部を構
成し、この振動板が直接静電アクチュエータの可動部を
構成する。これによりこの従来構成によるプリンタヘッ
ド1において、可動部は、周囲がインク液室に固定され
た構造となる。
【0017】図3に示すように、この可動部の構造を、
両端を固定した梁構造により置き換えて変位量Δを計算
すると、この場合、変位量Δは、qL4 /384EIに
より表される。なおここでLは、梁の長さである。また
qは、圧力であり、面積Sの部位に静電力により力Fが
与えられるとして、F/Sで表される。またEは、ヤン
グ率である。またIは、断面二次モーメントであり、梁
の厚さ等により変化する。断面が長方形であり、厚さが
h、幅がbの場合、断面二次モーメントは、bh3 /1
2により表される。
【0018】これに対して図3との対比により図4の示
すように、片持ち梁の場合、変位量Δは、qL4 /8E
Iにより表され、これにより同じ力Fを同じ大きさの梁
に加えた場合、固定梁の場合に比して、片持ち梁の場
合、48倍の変位量を確保することができる。
【0019】これによりこの実施の形態に係る静電アク
チュエータ16においては、従来構成に係る静電アクチ
ュエータに比して、可動片24を格段的に大きく可動さ
せることができる。
【0020】この実施の形態において、可動片24は、
断面二次モーメントIが小さくなるように、途中の部位
が薄肉に形成される。また先端部分が厚肉となるように
形成され、肉厚の部位が、振動板19を押圧する部位に
割り当てられる。またこのプリンタヘッド11で一体に
作成される。
【0021】すなわち図5は、このプリンタヘッド11
の作成手順を示す工程図であり、この実施の形態では、
半導体製造プロセスを利用してプリンタヘッド11を作
成する。すなわちこの製造工程では、表面が(100)
面となるように切り出したシリコン単結晶基板31の裏
面側に、所定のマスクを用いて局所的にボロンをドープ
する(図5(A))。ここでボロンをドープする部位
は、可動片24が薄肉となる部分であり、このボロンの
ドーピングによりプリンタヘッド11は、片持ちにより
薄肉の部位が変形して可動片24が大きく変形した場合
でも、充分な強度を確保できるようにする。
【0022】さらにこの工程は、所定膜厚により絶縁膜
としても機能する熱酸化膜を全面に形成した後(図4
(B))、リソグラフィーにより、この熱酸化膜を局所
的に除去し、(図4(C))、これにより薄肉に形成す
る部位の表面側、可動片24の先端側の部位が、ノズル
の延長する方向に細長く開口してなり、また静電アクチ
ュエータ16毎に可動片24を分離するように開口して
なるマスクが形成される。
【0023】この工程は、続いてピロカテコール=エチ
レンジアミン溶液により基板31を異方性エッチング処
理する(図4(D))。ここでピロカテコール=エチレ
ンジアミン溶液によるシリコン単結晶のエッチング速度
は、それぞれ(100):(110):(111)面に
おいて50:50:3の比率となる。これにより基板3
1は、可動片24の薄肉の部位に向かって、下面側に酸
化膜による絶縁膜を保持したまま、根元側の部位より徐
々に肉厚が薄くなるように、またボロンをドープした部
位は取り残して先端側で徐々に厚肉となるように、また
最も先端側では徐々に薄肉となるように、可動片24の
断面形状を形成する。またこの工程により、各ノズル1
2に対応するように、可動片24を個々の静電アクチュ
エータ用に切り離す。これにより可動片24は、全体と
して基板31の根元側より櫛の葉状に飛び出すように、
このプリンタヘッド11で一体に作成される。
【0024】続いて可動片24は、プリンタヘッド11
単位に分離された後、所定の基板41に保持され(図4
(D))、これによりプリンタヘッド11では、アクチ
ュエータ部14が組み立てられる。ここで基板41は、
基板31の根元側部分ではほぼ平坦な面となるように、
また可動片24の先端側では、変形した可動片24に対
応する曲面形状となるように、断面により見たとき、可
動片24側で曲面を描いて徐々に薄肉となるように、ほ
ぼプリンタヘッド11の用紙幅により形成される。
【0025】なお基板31は、事前の工程でTFTトラ
ンジスタによる駆動回路が配置される。また基板31
は、可動片24に対応して徐々に薄肉となる部位に、そ
れぞれ各静電アクチュエータ16の電極22が配置さ
れ、所定の配線パターンにより各電極22が駆動回路に
接続されるようになされている。
【0026】プリンタヘッド11では、電極22にそれ
ぞれ可動片24の背面が対向するように、例えばエポキ
シ樹脂による接着により、基板31に上述した可動片2
4の一体構造体が配置される。
【0027】これに対してノズル部15は、インク液室
17及びインク流路18を形成してなる樹脂製の構造体
43に振動板19を貼り付けて作成される。ここでこの
構造体43は、各インク液室17に対応してノズル12
が形成され、また各インク液室17の下面側が開口する
ように形成される。ノズル部15は、この構造体43に
よる各インク液室の開口を1枚の弾性膜により塞ぐよう
に所定のシート材が配置されて振動板19が作成され
る。
【0028】プリンタヘッド11は、この振動板19側
がアクチュエータ部14側となるように、例えばエポキ
シ樹脂による接着によりアクチュエータ部14にノズル
部15が配置されて組み立てられる。
【0029】このようにして組み立てた際に、図2
(A)に示すように、構造体43は、何ら静電力が発生
していない状態では、可動片24の先端の厚肉の部位
が、振動板19をインク液室17側に押圧し、この振動
板19の変形によりインク液室17の体積が少なくなる
ように、また可動片24が静電力により変形した場合に
は、必要上充分に可動片24による振動板19の押圧力
が減少するように、可動片24側の面形状が可動片24
の根元側の部位に対応する形状により形成される。
【0030】これによりこのプリンタヘッド11では、
可動片24と電極22との間に電圧を印加して可動片2
4を電極22側に引き寄せると(図2(B))、振動板
19の変形が元に戻るようにしてインク液室17の体積
を増大させるようになされ、この体積の増大により矢印
により示すようにインク流路18からインク液室17に
インクを流入させるようになされている。
【0031】またこの可動片24及び電極22間への電
圧の印加を中止すると、可動片24を引き寄せる力が消
滅することにより、矢印により示すように可動片24が
元の状態に戻り、振動板19の押圧によりインク液室1
7の圧力を増大させ、この圧力の増大によりノズル12
からインク液滴を飛び出させるようになされている(図
2(C))。
【0032】振動板19は、これにより可動片24の先
端における大きな変位に対応して大きく変形することに
なる。このためこの実施の形態では、高分子材料膜であ
るポリエチレンによるシート材が振動板19に適用され
るようになされている。なおこのようにインク液室より
インクを飛び出させる程度の圧力の増大においては、振
動板19の1〔%〕以下の変形により実行できることに
より、1〔%〕以上の変形しても破壊しない材料を種々
に適用することができる。しかしながら充分な信頼性を
確保する観点に立てば、10〔%〕以上の変形しても破
壊しない材料であることが望ましい。なおこのような充
分な信頼性を確保できる材料としては、例えばアクリル
樹脂、ポリプロピレン等の高分子材料膜、さらにはニッ
ケル、チタンの非晶質合金による薄膜、アモルファスシ
リコン薄膜等を適用することができる。またこのような
振動板19の選定にあっては、限界弾性率/ヤング率が
10〔%〕以上であるか否かによっても判断することが
できる。なおこのような振動板19の材料としては、イ
ンクに対して充分な耐久性を有すること、またインクを
漏らさないこと等の条件が求められることは、言うまで
もない。
【0033】(1−2)第1の実施の形態の動作 以上の構成において、プリンタヘッド11では(図1及
び図2)、インク液滴を飛び出させるノズル12に対応
する固定電極22と、可動片24との間に電圧を印加す
ると(図2(B))、固定電極22と可動片24との間
で静電力が発生し、この静電力により可動片24が固定
電極22に引き寄せられる。このとき可動片24におい
ては、いわゆる片持ちの梁構造により長手方向の一端だ
けが固定されて、他端が可動するように構成されている
ことにより、従来の両端を固定した構成の振動板に比し
て、さらにはインク液室の底板を構成する振動板に比し
て、格段的に小さな静電力により大きく変形させること
ができる。これによりプリンタヘッド11では、静電ア
クチュエータ16を小型化しても、充分な駆動力を得る
ことができ、その分、ノズル12を密に配置することが
可能となる。
【0034】かくするにつき、このようにして静電力に
より可動片24が固定電極22側に引き寄せられると、
可動片24の先端によるインク液室17の振動板19の
押圧力が弱くなり、ついには振動板19を押圧しなくな
る。これにより振動板19は、インク液室17側に凹む
ように変形した状態から、ほぼ平坦な形状に変化し、イ
ンク液室17の体積を増大させる。またこのインク液室
17の体積の増大により、インク流路18からインク液
室17にインクを流入させる。
【0035】このようにしてインクが流入すると、プリ
ンタヘッド11では、電極22及び可動片24間におけ
る電圧の印加が中止され、これにより電極22及び可動
片24間の静電力が消失する。プリンタヘッド11で
は、これにより可動片24が固定電極22より遠ざかっ
て元の振動板19を押圧する形状に戻る。このときプリ
ンタヘッド11では、可動片24により急激に振動板1
9が押圧され、この押圧によるインク液室17内の圧力
の増大により、ノズル12からインク液滴が飛び出す。
【0036】このようにして大きく変位する可動片24
により振動板19を押圧してインク液滴を飛び出させる
につき、この実施の形態のように、静電アクチュエータ
16を構成する可動片24と、振動板19とを別体に構
成すれば、上述したように可動片24においては、小さ
な静電力により大きく変化するように作成できるのに対
し、振動板19においては、弾性膜により構成して、こ
の可動片24の変位により効率良くインク液室17の圧
力を可変することができ、これによってもプリンタヘッ
ド11においては、ノズルを密に配置することができ
る。
【0037】このようにして可動片24を変形させた
後、元の形状に復帰させてインク液滴を飛び出させるに
つき、このプリンタヘッド11では、可動片24の変形
した形状に対応するように、固定電極22が曲面形状に
より形成されていることにより、可動片24を無理な
く、かつ効率良く固定電極22側に引き寄せることがで
きる。
【0038】すなわち固定電極22側がこのように曲面
形状により作成されていることにより、固定電極22と
可動片24との間では、可動片24の根元側で最も電界
が強くなり、その結果として根元側より固定電極22を
配置した基板21に巻きつくように、可動片24が固定
電極22に引き寄せられる。これによってもプリンタヘ
ッド11では、可動片24を大きく変形させて効率良く
可動片24を引き寄せることができることにより、可動
片24を大きく変形させることができ、その分、ノズル
12を密に配置することができる。
【0039】(1−3)第1の実施の形態の効果 以上の構成によれば、いわゆる片持ち梁構造により静電
アクチュエータの可動片を作成し、この可動片により振
動板を変化させてインク液滴を飛び出させることによ
り、小さな静電力により大きくアクチュエータを可動す
ることができ、これによりノズルを高密度に配置するこ
とができる。
【0040】またこの振動板が、1〔%〕以上の変形に
よっても破壊しない材料により形成されていることによ
り、このように大きく可動する静電アクチュエータによ
り振動板を介してインクを飛び出せるようにしても、充
分な信頼性を確保することができる。
【0041】また静電力により変形した可動片が、静電
力が消滅して元の形状に復帰する際の押圧力により振動
板を押圧してインク液室の圧力を増大させ、この圧力の
増大によりインク液滴を飛び出させることにより、単に
可動片が振動板を押圧するように配置するだけの簡易な
構成によりプリンタヘッドを構成することができる。
【0042】また固定電極を、可動片の変形に対応する
形状により形成することにより、効率良く可動片を可動
することができる。
【0043】(2)第2の実施の形態 図6は、図2との対比により本発明の第2の実施の形態
に係るプリンタヘッドを示す断面図である。このプリン
タヘッド51は、何ら可動片24及び電極22間に電圧
を印加していない状態では、可動片24の先端が単に振
動板53に接するように、全体を構成する(図6
(A))。またこの構成に対応するように、この可動片
24が振動板53に接する部位を、例えばエポキシ樹脂
により接着する。
【0044】これによりこのプリンタヘッド11では、
静電力により可動片24が変位すると(図6(B))、
インク液室17の体積が増大する方向に振動板53を固
定電極22側に引き寄せ、これによりインク液室17に
インクを流入させる。またその後、静電力が消滅する
と、可動片24、振動板53が元の形状に復帰する力に
よりインク液室17の圧力を増大させ、この圧力の増大
によりインク液滴を飛び出させる。
【0045】図6に示す構成のように、静電力により変
形する可動片により振動板を引き寄せるようにしても、
第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】(3)第3の実施の形態 図7は、図2との対比により本発明の第3の実施の形態
に係るプリンタヘッドを示す断面図である。このプリン
タヘッド61は、振動板62を押圧するように可動片2
4を湾曲させた断面形状により作成する。
【0047】図7に示すように、可動片を湾曲させた形
状により作成しても、第1の実施の形態と同様の効果を
得ることができる。
【0048】(4)第4の実施の形態 図8は、図2との対比により本発明の第4の実施の形態
に係るプリンタヘッドを示す断面図である。このプリン
タヘッド61は、振動板62と可動片63とを強固に密
着させ、可動片63の変位により振動板62を引っ張っ
てインク液室17の体積を増大させる。このためこのプ
リンタヘッド61は、半導体製造プロセスにより振動板
62及び可動片63が作成される。
【0049】すなわち図9に示すように、このプリンタ
ヘッド61では、表面が(100)面となるように切り
出したシリコン単結晶基板64の表面側に、所定のマス
クを用いて局所的にボロンをドープする(図9
(A))。ここでボロンをドープする部位は、可動片6
3が薄肉となる部分である。さらに続いて所定の材料
(例えば窒化シリコン等である)が成膜され、これによ
りこの材料膜により振動板62が作成される。これによ
りこのプリンタヘッド61は、基板64により可動片6
3を作成して、可動片63と振動板62の間で充分な密
着強度を確保するようになされている。
【0050】続いてこのプリンタヘッド61は、厚膜レ
ジストを塗布してパターンニングすることにより、イン
ク流路、インク液室の形状による犠牲層65が作成され
る(図9(B))。ここで犠牲層65は、インク液室の
壁面等を作成するために使用されるインク流路、インク
液室等の空間形状による型であり、インク液室の壁面等
が作成されると除去される。
【0051】続いてこのプリンタヘッド61は、感光性
のエポキシ樹脂が塗布された後、露光、現像、硬化の処
理によりノズル12、インク液室の壁面等が作成される
(図9(C))。さらに所定の溶液による洗浄工程によ
り、犠牲層65が除去され、これによりインク液室、イ
ンク流路が作成される(図9(D))。
【0052】プリンタヘッド61は、続いて裏面側から
の異方性エッチング処理により、基板64がエッチング
され、可動片63が作成される。なおここでは、根元部
分より徐々に厚みが薄くなった後、一定の厚みにより延
長するように可動片63が作成される(図9(E))。
プリンタヘッド61は、別工程によりガラス基板69に
固定電極70が作成され、さらにこの固定電極70の表
面に酸化膜による絶縁膜が作成される。プリンタヘッド
61は、陽極接合により、このガラス基板69に先の可
動片63が保持されて組み立てられる(図10
(F))。
【0053】これによりこのプリンタヘッド61では、
何ら固定電極70及び可動片63間に電圧を印加してい
ない状態では、一定体積にインク液室が保持される(図
8(A))。これ対して固定電極70及び可動片63間
に電圧を印加すると、可動片63が固定電極70に引き
寄せられ、インク液室の体積が増大し、インク流路より
インクが流れ込む(図8(B))。その後、電圧の印加
を中止すると、振動板62、可動片63の復元力により
元の体積にインク液室の体積が変化し、このときの圧力
の増大によりノズル12からインク液滴を飛び出させる
ようになされている。
【0054】図8に示すように、半導体プロセスにより
振動板及び可動片を一体に作成するようにすれば、充分
な密着力により可動片に振動板を保持することができ
る。これにより上述の実施の形態の効果に加えて、充分
な信頼性を確保することができる。また半導体プロセス
によりインク液室等の部位を可動片と一体に作成できる
ことにより、その分作成工程を簡略化することができ、
また精度を向上することができる。
【0055】(5)他の実施の形態 なお上述の実施の形態においては、ガラス基板上に可動
片を配置してアクチュエータ部を構成する場合について
述べたが、本発明はこれに限らず、ガラス基板に代えて
シリコン基板等の種々の材料により基板を構成してアク
チュエータ部を構成してもよい。またこのとき、工程の
工夫により、可動片を基板上に一体に作成するようにし
てもよい。
【0056】また上述の実施の形態においては、可動片
が変形した際の曲面形状に対応するように固定電極を作
成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、
必要に応じて種々の形状により固定電極を作成すること
ができる。すなわち図8との対比により図11に示すよ
うに、何ら静電力が働いていない状態で平行平板となる
ように固定電極を作成してもよい。また図12に示すよ
うに、根元より遠ざかるに従って直線的に可動片との間
の間隔が大きくなるように、固定電極を作成してもよ
い。
【0057】また上述の実施の形態においては、可動片
全体を電極として使用する場合について述べたが、本発
明はこれに限らず、必要に応じて例えば先端の部分だけ
電極として使用するようにしてもよく、この場合に、先
端側を特異な形状として変位の量を増大させるようにし
てもよい。すなわち例えば図13に示すように、先端の
部位の基板側に、斜面を有する突起を形成し、何ら静電
力が働いていない場合にこの突起と平行平板となるよう
に固定電極を配置してもよい。このようにすれば電極間
の静電力に比して下方向への可動片の変位量を増大させ
ることができる。なおこの場合は、可動片の先端部に集
中荷重がかかることにより、同一の変位量を確保する場
合、可動片全体に分布するように荷重をかける場合に比
して、駆動力を少なくすることができる。またこのとき
図14に示すように、可動片先端の可動中心を円の中心
とした曲面によりこの斜面を形成し、この曲面に対応す
るように固定電極側を曲面により作成する。このように
すれば、可動片が変位した場合でも全体として見たとき
のギャップの変化量を一定に保持することができ、この
場合には可動片の電極が固定電極と接触しないで間隔が
変化しないために、これによっても変位量を大きくする
ことができる。
【0058】また上述の実施の形態では、可動片の可動
方向を横切るように固定電極を配置して固定電極に可動
片を引き寄せる場合について述べたが、本発明はこれに
限らず、1組の固定電極を対向させて配置し、この固定
電極間に可動片を引き寄せるようにしてもよい。すなわ
ち図15は、可動片の先端側より可動片及び固定電極を
見た図である。この場合、各固定電極と、各可動片の側
面との間に電界を与えると、対向する電極の面積を増大
させるように、可動片が下方向に変位する。この方式で
は、下方向に可動片を変位させる力が、変位に伴う面積
の増大に比例することにより、図16に示すように、可
動片に多数の足を形成し、この足の各部に対応するよう
に固定電極を配置する等の工夫をすることができること
により、静電力を増大して一段と可動片の変位量を増大
させることができる。
【0059】また上述の実施の形態においては、インク
液室の底面に振動板を配置する場合について述べたが、
本発明はこれに限らず、例えばインク液室の側面等に振
動板を配置する場合等にも広く適用することができる。
【0060】また上述の実施の形態においては、図面に
て上方に向けてノズルを形成する場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、側方に向けてノズルを形成
する構成のプリンタヘッド等にも広く適用することがで
きる。
【0061】また上述の実施の形態においては、駆動回
路を基板上に作成してプリンタヘッドと一体化する場合
について述べたが、本発明はこれに限らず、駆動回路と
を別体にプリンタヘッドを構成する場合にも広く適用す
ることができる。
【0062】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、いわゆる
片持ち梁構造により静電アクチュエータの可動片を作成
し、この可動片により振動板を変化させてインク液滴を
飛び出させることにより、ノズルを高密度に配置するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】部分的に断面を取って、本発明の第1の実施の
形態に係るプリンタヘッドを示す斜視図である。
【図2】図1のプリンタヘッドをA−A線により切り取
って示す断面図である。
【図3】従来のプリンタヘッドにおける振動板の説明に
供する断面図である。
【図4】図1のプリンタヘッドにおける振動板の説明に
供する断面図である。
【図5】図1のプリンタヘッドの組み立ての説明に供す
る工程図である。
【図6】第2の実施の形態に係るプリンタヘッドを示す
断面図である。
【図7】第3の実施の形態に係るプリンタヘッドを示す
断面図である。
【図8】第4の実施の形態に係るプリンタヘッドを示す
断面図である。
【図9】図8のプリンタヘッドの作成工程の説明に供す
る断面図である。
【図10】図9の続きの説明に供する断面図である。
【図11】固定電極を平行平板構造とした場合を示す断
面図である。
【図12】固定電極の平坦な面として可動片との間の間
隔を変化させた場合を示す断面図である。
【図13】可動片の先端を電極とした場合を示す断面図
である。
【図14】可動片の先端を曲面による電極とした場合を
示す断面図である。
【図15】固定電極を対向させて配置し、固定電極間の
隙間に可動片を引き寄せるようにした構成を示す断面図
である。
【図16】図15の構成を利用して静電力を増大させる
構成を示す断面図である。
【図17】従来のプリンタヘッドを示す断面図である。
【符号の説明】
1、11、51、61……プリンタヘッド、2、21、
31、41……基板、3、22……電極、4、17……
インク液室、7、12……ノズル、18……インク流
路、19、53、63……振動板、24……可動片

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の部材に保持された固定電極と、 長手方向の一端が所定の部材に固定され、前記長手方向
    の他端が可動自在に保持され、前記固定電極との間で発
    生する静電力により変形して前記他端を可動する可動片
    と、 前記可動片の他端の可動により変化し、該変化によりイ
    ンク液室の圧力を可変して所定のノズルよりインク液滴
    を飛び出させる振動板とを備えることを特徴とするプリ
    ンタヘッド。
  2. 【請求項2】前記振動板が、 1〔%〕以上の変形によっても破壊しない材料により形
    成されたことを特徴とする請求項1に記載のプリンタヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】前記振動板は、 前記静電力により変形した前記可動片が、前記静電力が
    消滅して元の形状に復帰する際の押圧力により、前記イ
    ンク液室の圧力を増大させて、前記インク液滴を飛び出
    させることを特徴とする請求項1に記載のプリンタヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】前記固定電極は、 前記可動片の変形に対応する形状により形成されたこと
    を特徴とする請求項1に記載のプリンタヘッド。
  5. 【請求項5】前記振動板は、 高分子材料膜であることを特徴とする請求項1に記載の
    プリンタヘッド。
  6. 【請求項6】前記振動板は、 非晶質合金膜であることを特徴とする請求項1に記載の
    プリンタヘッド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7185972B2 (en) * 2001-02-16 2007-03-06 Sony Corporation Method of manufacturing printer head, and method of manufacturing electrostatic actuator
US7797757B2 (en) * 2006-08-15 2010-09-14 Georgia Tech Research Corporation Cantilevers with integrated actuators for probe microscopy

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