JP2002237740A - デジタル・フィルタリング方法および装置 - Google Patents

デジタル・フィルタリング方法および装置

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JP2002237740A JP2001333192A JP2001333192A JP2002237740A JP 2002237740 A JP2002237740 A JP 2002237740A JP 2001333192 A JP2001333192 A JP 2001333192A JP 2001333192 A JP2001333192 A JP 2001333192A JP 2002237740 A JP2002237740 A JP 2002237740A
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタル・フィルタリング方法および装置を
提供する。 【解決手段】 入力デジタル信号(xn)を、偶数指標
付きサンプル(y2n)および奇数指標付きサンプル(y
2i+n)を含む1つまたは複数の出力デジタル信号
(yn)に変換するために、このフィルタリング方法
は、重み付き奇数指標付きサンプル(α0,j・y2n+mj
の関数(R)によって偶数指標付きサンプル(y2n)を
変更する演算と、重み付き偶数指標付きサンプル(β
0,j・y2n−y2n+2)の関数(R)によって奇数指標付
きサンプル(y2n+1)を変更する演算とを含む、少なく
とも1つの反復(506)を含む。重み付けサンプル
は、少なくとも1つの重み付け演算によって得られる。
重み付け演算のうちの少なくとも1つは、2つの連続す
る偶数指標付きサンプルの間の差に適用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル・フィル
タリング方法および装置に関する。
【0002】本発明は、特に、現在立案されている「J
PEG 2000」に従ってイメージを圧縮するため
に、デジタル・イメージをフィルタリングすることに有
利に適用されるものである。
【0003】
【従来の技術】ウェーブレット・フィルタを用いてデジ
タル信号のフィルタリングを実施するために、2つの技
法が特に周知である。このウェーブレット・フィルタ
は、 − たたみこみによるフィルタリングと、 − 「リフティング」によるフィルタリングを含む。
【0004】以下において、ウェーブレット・フィルタ
に関するいくつかの基本的な概念を説明し、次いでリフ
ティングに関するいくつかの基本的な概念を説明する。
【0005】一次元信号Xiのウェーブレット・フィル
タリングが以下のように定義することができることは周
知である。すなわち、 − 低域通過フィルタH0(k)を信号Xiと共にたたみ
こみ、そのたたみこみから得られる信号Ynは、
【数9】 のように2の係数によってダウンサンプリングされ、か
つ、 − 高域通過フィルタH1(k)を信号Xiと共にたたみ
こみ、そのたたみこみから得られる信号Ynは、
【数10】 のように2の係数によってダウンサンプリングされる。
【0006】このフィルタリングの結果は、ウェーブレ
ット・フィルタリング演算(H0、H1)と呼ばれ、信号
iを生成する。この信号Yiでは、各偶数指標付きサン
プルY2nが低域係数であり、各奇数指標付きサンプルY
2n+1が高域係数である。
【0007】低域通過フィルタおよび高域通過フィルタ
は、信号Yiからの信号Xiの完全再構築が可能となるよ
うに、完全再構築条件とよばれるある条件を満たさなけ
ればならない。
【0008】有限インパルス応答フィルタに対してz変
換の表記、すなわち、
【数11】 を用いる場合、フィルタが満たさなければならない完全
再構築条件は、
【数12】 となる。
【0009】一部のウェーブレット・フィルタが対称な
特性を有することは周知である。
【0010】奇数長対称ウェーブレット・フィルタH
(k)またはWSS(全サンプル対称:Whole-Sample S
ymmetric)フィルタは、フィルタのすべての係数間で、
WSS対称性と呼ばれる以下の式、
【数13】 によって定義される。
【0011】偶数長対称ウェーブレット・フィルタまた
はHSS(半サンプル対称:Half-Sample Symmetric)
フィルタは、フィルタのすべての係数間で、HSS対称
性と呼ばれる以下の式、
【数14】 によって定義される。
【0012】偶数長非対称ウェーブレット・フィルタ、
すなわちHSA(半サンプル非対称:Half-SampleAntis
ymmetric)フィルタは、フィルタのすべての係数間で、
HSA非対称性と呼ばれる以下の式、
【数15】 によって定義される。
【0013】前述のリフティングの技法は、フィルタリ
ングステップをリフティング・ステップと呼ばれる等価
な基本フィルタリング演算に分解することによってフィ
ルタリングステップを実施することからなる。この分解
は、リフティング因数分解と呼ばれる。リフティング因
数分解に関するこれ以上の詳細については、Ingrid DAU
BECHIESおよびWin SWELDENSによる「Factoring wavelet
transformsinto lifting steps」と題する論文、J. Fo
urier Anal. Appl., vol.4, No.3, 247〜269ページ,
1998年を参照されたい。
【0014】詳細には、信号Xiを信号Yiに変換するた
めにフィルタリング演算がリフティング・ステップの形
態で実行されるとき、フィルタリング演算は、一般に信
号X iのすべてのサンプルを信号Yiにコピーする(すな
わちYi=Xi)ことによって開始され、次いで信号Yi
の偶数指標付きサンプルおよび奇数指標付きサンプルが
交互に変更されることを述べておく。
【0015】2つのタイプのリフティング・ステップ、
すなわち、 − 高域通過リフティング・ステップと、 − 低域通過リフティング・ステップがある。
【0016】高域通過リフティング・ステップは、重み
付けまたはフィルタされる偶数指標付きサンプルのサン
プル関数を奇数指標付きサンプルに加えることによっ
て、奇数指標付きサンプルを変更することからなる。こ
の変更は、
【数16】 により行われる。
【0017】一般項中の関数Rは、変数xの何らかの近
似である。関数Rは、実数値xを整数(最も近い整数な
ど)に丸める丸め演算子とすることができ、または単に
識別関数:R(x)=xとすることができる。
【0018】低域通過リフティング・ステップは、重み
付けまたはフィルタされる奇数指標付きサンプルの関数
を偶数指標付きサンプルに加えることによって、偶数指
標付きサンプル(低域)を変更することからなる。この
変更は、以下の式
【数17】 によりなされる。
【0019】R(x)=xの場合、各リフティング・ス
テップで、各低域サンプルY2nは、信号Xiの低域通過
フィルタリングに対応する、信号Xiのサンプルの線型
結合の形で表すことができる。したがって、各低域通過
リフティング・ステップを低域通過フィルタに関連づけ
ることができる。
【0020】各低域通過リフティング・ステップは、低
域通過フィルタ(前の低域通過リフティング・ステップ
に関連する低域通過フィルタ)を別の低域通過フィルタ
(現在の低域通過リフティング・ステップに関連する低
域通過フィルタ)にリフティングすると言われる。リフ
ティングという用語は、得られる低域通過フィルタのサ
ポート(すなわちフィルタの係数の数)が前のステップ
の対応する低域通過フィルタのサポートよりも大きいと
いうことを反映する。リフティングによって最後に得ら
れる、より大きいサポートを有する低域通過フィルタ
は、「等価な低域通過フィルタ」と呼ばれる。
【0021】同じことが高域通過フィルタおよび高域通
過リフティング・ステップに当てはまる。すなわち、各
高域通過リフティング・ステップは、高域通過フィルタ
を、「等価な高域通過フィルタ」と呼ばれるより大きい
サポートを有する高域通過フィルタにリフティングする
こととして見ることができる。
【0022】近似関数Rが識別ではない場合でも同じ用
語が使用される。
【0023】したがって、ウェーブレット・フィルタリ
ング演算(H0、H1)のリフティング・ベースの実施
は、演算のシーケンスとして見ることができる。その演
算のシーケンスの間、低域通過フィルタがH0に等しく
なり、かつ高域通過フィルタがH1に等しくなるまで、
交互にかつ反復的に、低域通過フィルタがより大きいサ
ポートを有する等価な低域通過フィルタにリフティング
され、高域通過フィルタがより大きいサポートを有する
等価な高域通過フィルタにリフティングされる。
【0024】いくつかのタイプの対称性もリフティング
・ステップで遭遇する。すなわち、 − 2つのタイプの対称リフティング・ステップ、すな
わち、 ・WSS対称性を有するリフティング・ステップと、 ・HSS対称性を有するリフティング・ステップがあ
り、かつ、 − 2つのタイプの非対称リフティング・ステップ、す
なわち、 ・WSA非対称性を有するリフティング・ステップと、 ・HSA非対称性を有するリフティング・ステップがあ
る。
【0025】奇数長対称リフティングまたはWSSリフ
ティング(「全サンプル対称リフティング:Whole-Samp
le Symmetric lifting」)ステップは、リフティング・
ステップのフィルタリング係数間のWSS対称関係によ
って定義される。すなわち、 a-k=ak (10) のように定義される。
【0026】偶数長対称リフティングまたはHSSリフ
ティング(「半サンプル対称リフティング:Half-Sampl
eSymmetric lifting」)ステップは、リフティング・ス
テップのフィルタリング係数間のHSS対称関係によっ
て定義される。すなわち、 a-k=ak-1 (11) のように定義される。
【0027】奇数長非反対称リフティングまたはWSA
リフティング(「全サンプル非対称リフティング:Whol
e-SampleAntisymmetric lifting」)ステップは、リフ
ティング・ステップのフィルタリング係数間のWSA対
称関係によって定義される。すなわち、 a0=0およびa-k=−ak (12) のように定義される。
【0028】偶数長反対称リフティングまたはHSAリ
フティング(「半サンプル反対称リフティング:Half-S
ample Antisymmetric lifting」)ステップは、リフテ
ィング・ステップのフィルタリング係数間のHSA対称
関係によって定義される。すなわち、 a-k=−ak-1 (13) のように定義される。
【0029】単一係数リフティング、すなわちSCリフ
ティング(「Single-Coefficient lifting」)ステップ
は、リフティング・ステップの1つのフィルタリング係
数(ak'と示す)以外のすべてのフィルタリング係数が
ゼロであるということによって定義される。
【0030】低域通過リフティング・ステップに対し
て、 − k'=0である場合、リフティング・ステップ
は、右側単一係数低域通過リフティング、すなわちRS
C低域通過リフティング・ステップ(Right-side Singl
e Coefficient low-pass lifting step)と呼ばれ、 − k'=−1である場合、リフティング・ステップ
は、左側単一係数低域通過リフティング、すなわちLS
C低域通過リフティング・ステップ(Left-sideSingle
Coefficient low-pass lifting step)と呼ばれる。
【0031】同様に、高域通過リフティング・ステップ
に対して、 − k'=1である場合、リフティング・ステップ
は、右側単一係数高域通過リフティング、すなわちRS
C高域通過リフティング・ステップ(Right-side Singl
e Coefficient high-pass lifting step)と呼ばれ、 − k'=0である場合、リフティング・ステップ
は、左側単一係数高域通過リフティング、すなわちLS
C高域通過リフティング・ステップ(Left-side Single
Coefficient high-pass lifting step)と呼ばれる。
【0032】現時点で、ますます多くの信号圧縮アルゴ
リズムにより、信号の非相関性のためにウェーブレット
・フィルタリング演算が使用されると仮定すると、これ
らのフィルタリング演算の、利用可能な効果的な実施態
様を有することは非常に興味あることである。様々なイ
メージの圧縮アルゴリズムでは、2次元ウェーブレット
変換が使用され、その2次元ウェーブレット変換は、冒
頭に説明したタイプの一次元変換を次々に適用すること
からなる。
【0033】ウェーブレット・ベースの一次元フィルタ
リングの効果的な実施態様は、リフティング・ベースの
フィルタリングである。
【0034】実際、リフティング・ベースのフィルタリ
ングにより、フィルタリング演算(かけ算およびたし
算)の数が減少し、そのサンプル値が整数である信号の
場合に、ウェーブレット・ベースのフィルタリングの可
逆の実施態様、すなわち情報の損失のない、完全な再構
築を有する実施態様も提供される。
【0035】加えて、リフティング・ステップの逆であ
るステップが、前述の式(8)および(9)で与えられ
る近似関数Rの前の符号を変更することによって自明の
方式で得られる。これにより特に、順方向ウェーブレッ
ト変換および逆方向ウェーブレット変換の両方に対応す
るハードウェア内に同じ組み込み回路を使用することが
可能となる。
【0036】ウェーブレット・フィルタ(H0,H1)の
所与の対に対して、問題は、ウェーブレット変換を実施
することになるリフティング・ステップのシーケンスを
発見することからなる。これはリフティング因数分解の
問題である。
【0037】良好な信号非相関特性を有するウェーブレ
ット・フィルタの2つのファミリが周知である。すなわ
ち、WSSと略されるファミリWSS/WSSと、ファ
ミリHSS/HSAである。表記A/Bは、低域通過フ
ィルタH0が対称性Aを有し、高域通過フィルタH1が対
称性Bを有するという意味である。
【0038】HSSリフティング・ステップを用いてW
SSウェーブレット・フィルタを実施することよりなる
問題は、解決されており、上記で引用したIngrid DAUBE
CHIESおよびWim SWELDENSによる論文に記載されてい
る。
【0039】HSS/HSAウェーブレット・フィルタ
を実施することより生ずる問題は、WSAリフティング
・ステップを用いることにより部分的に解決されてい
る。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術のこ
の実施態様は、限定されたHSS/HSAウェーブレッ
ト・フィルタの組だけにしか適用されず、これらのフィ
ルタのすべてに適用されるわけではないので、この解法
は部分的なものに過ぎない。
【0041】さらにE.MAJANIによる刊行物「Low-comple
xity waveletfilter design for image compressio
n」,TDA Progress Report 42〜119,NASA JetPropulsi
on Laboratory, Pasadena, CA, 1994年11月15日には、
一対のフィルタ(H0,H1)がより大きいサポート
(H'0,H'1)を有する1対のフィルタへの同一のサポ
ートを有する場合、この2つのフィルタのリフティング
のためにWSAリフティング・ステップを使用すること
が可能であることが示されている。しかし、この刊行物
には、フィルタ(H0,H1)の対が同一のサポートを有
し、このサポートが2よりも大きい場合に、この2つの
フィルタをリフティング・ステップによって実施する方
式については示されていない。本発明の目的は、この欠
点を改善することである。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明は、WSAリフテ
ィング・ステップだけを用いることによっては実施する
ことができないすべてのHSS/HSAウェーブレット
・フィルタのリフティングによる実施を提案する。
【0043】したがって本発明は、フィルタ(H0
1)の対が同一のサポートを有し、このサポートが2
よりも大きい場合に、この2つのフィルタをリフティン
グによって実施する問題への解法を形成する。
【0044】この目的で、本発明は、入力デジタル信号
(xn)を、偶数指標付きサンプル(y2n)および奇数
指標付きサンプル(y2n+1)を有する1つまたは複数の
出力デジタル信号(yn)に変換するように適応された
フィルタリング方法を提案する。この方法は、 − 重み付け奇数指標付きサンプル(α0,j・y2n+mj
の関数(R)により偶数指標付きサンプル(y2n)を変
更する演算と、 − 重み付け偶数指標付きサンプル(β0,j・(y2n−y
2n+2))の関数(R)により奇数指標付きサンプル(y
2n+1)を変更する演算とを含む少なくとも1つの反復を
備える。また、この目的で、本発明では、入力デジタル
信号を、偶数指標付きサンプルおよび奇数指標付きサン
プルを有する1つまたは複数の出力デジタルに変換する
ように適合されたフィルタリング方法を提案する。この
方法は、 − 重み付け奇数指標付きサンプルの関数によって偶数
指標付きサンプルを変更する演算と、 − 重み付け偶数指標付きサンプルの関数によって奇数
指標付きサンプルを変更する演算とを含む少なくとも1
つの反復を含み、重み付けサンプルは、少なくとも1つ
の前記重み付け演算によって得られるものであり、前記
重み付け演算のうちの少なくとも1つが2つの連続する
偶数指標付きサンプルの間の差に適用されるという点で
注目に値するものである。
【0045】したがって本発明により、特にHSS/H
SAウェーブレット・フィルタの任意の対のリフティン
グによる実施、直交フィルタの任意の対のリフティング
による実施、および等しいサポートを有する任意のウェ
ーブレット・フィルタの任意の対のリフティングによる
実施が可能となる。
【0046】本発明により、リフティングによるフィル
タリングの技法によって、従来のたたみこみフィルタリ
ングと比較してフィルタリング演算(かけ算およびたし
算)の数を減少させることも可能となり、そのサンプル
値が整数である信号の場合にウェーブレット変換の可逆
性、言い換えれば信号の完全な再構築も保証される。
【0047】また、特定の特徴によれば、奇数指標付き
サンプルを変更する演算は、偶数指標付きサンプルを変
更する演算に続いて実行される。
【0048】また、特定の実施形態では、前述の反復
は、特に、 − 第1の重み付け係数により、現在変更されている偶
数指標付きサンプルに隣接する少なくとも1つの奇数指
標付きサンプルを重み付けし、それによって重み付け奇
数指標付きサンプルを得ること、 − 少なくとも1つの前記重み付け奇数指標付きサンプ
ルを用いて少なくとも1つの偶数指標付きサンプルを変
更すること、 − 第2の重み付け係数により、現在変更されている奇
数指標付きサンプルに隣接する偶数指標付きサンプルを
重み付けし、それによって重み付け偶数指標付きサンプ
ルを得ること、 − 少なくとも1つの前記重み付け偶数指標付きサンプ
ルを用いて少なくとも1つの奇数指標付きサンプルを変
更することからなる。
【0049】ここで、「隣接する」サンプルとは、その
ランクが問題のサンプルに連続するという意味である。
【0050】また、特定の特徴によれば、第2の重み付
け係数は、第1の重み付け係数の関数である。
【0051】また、第2の重み付け係数は、例えば以下
の式、
【数18】 ように第1の重み付け係数に依存することができる。こ
こで、上式において、α 0,iは第1の重み付け係数を表
し、β0,jは第2の重み付け係数を表し、iおよびjは
整数であり、mjは、L0を所定の整数として、m0=(−
1)L0およびmj=−mj-1の反復によって定義される値
である。
【0052】また、特定の特徴によれば、各反復で、現
在変更されている偶数サンプルに隣接する奇数指標付き
サンプルは、交互に、すぐ下またはすぐ上のランクのサ
ンプルである。
【0053】また、特定の特徴によれば、このフィルタ
リング方法は、前述の反復の終わりに、第3の重み付け
係数によって重み付けする演算を含む追加のフィルタリ
ングステップを含む。
【0054】また、特定の特徴によれば、この第3の重
み付け係数は、以下の式、
【数19】 のように、前のステップで使用された重み付け係数の関
数である。なお、上式において、γは第3の重み付け係
数を表し、L0は所定のパラメータであり、β0,L 0-1
前のステップで使用された重み付け係数を表す。
【0055】また、デジタル・イメージのフィルタリン
グへの本発明の適用例では、入力デジタル信号はイメー
ジを表す。
【0056】また、本発明の第2の態様によれば、1つ
または複数の入力デジタル信号(y n)を、出力デジタ
ル信号(xn)に変換するように適応されたフィルタリ
ング方法が提案される。ここで、前記入力信号は、偶数
指標付きサンプル(y2n)および奇数指標付きサンプル
(y2n+1)を含むものであり、この方法は、 − 重み付け偶数指標付きサンプル(β0,j・(x2n−x
2n+2))の関数(R) により奇数指標付きサンプル(x2n+1)を変更する演算
と、 − 重み付け奇数指標付きサンプル(α0,j
(x2n+mj))の関数(R)により偶数指標付きサンプル
(x2n)を変更する演算とを含む少なくとも1つの反復
を備える。或は、本発明の第2の態様において、1つま
たは複数の入力デジタル信号を、出力デジタル信号に変
換するように適合されたフィルタリング方法が提案され
る。その入力信号は、偶数指標付きサンプルおよび奇数
指標付きサンプルを含むものであり、この方法は、 − 重み付け偶数指標付きサンプルの関数により奇数指
標付きサンプルを変更する演算と、 − 重み付け奇数指標付きサンプルの関数により偶数指
標付きサンプルを変更する演算とを含む少なくとも1つ
の反復を含み、重み付けサンプルは、少なくとも1つの
前記重み付け演算によって得られるものであり、前記重
み付け演算のうちの少なくとも1つが2つの連続する偶
数指標付きサンプルの間の差に適用されるという点で注
目に値するものである。
【0057】また、特定の特徴によれば、偶数指標付き
サンプルを変更する演算は、奇数指標付きサンプルを変
更する演算に続いて実行される。
【0058】また、特定の実施形態では、前述の反復
は、特に、 − 第4の重み付け係数により、現在変更されている奇
数サンプルに隣接する偶数指標付きサンプルを重み付け
し、それによって重み付け偶数指標付きサンプルを得る
こと、 − 少なくとも1つの重み付け偶数指標付きサンプルを
用いて少なくとも1つの奇数指標付きサンプルを変更す
ること、 − 第5の重み付け係数により、現在変更されている偶
数サンプルに隣接する少なくとも1つの奇数指標付きサ
ンプルを重み付けし、それによって重み付け奇数指標付
きサンプルを得ること、 − 少なくとも1つの重み付け奇数指標付きサンプルを
用いて少なくとも1つの偶数指標付きサンプルを変更す
ることからなる。
【0059】また、特定の特徴によれば、第4の重み付
け係数は第5の重み付け係数の関数である。
【0060】また、第4の重み付け係数は、例えば以下
の式、
【数20】 ように第5の重み付け係数に依存することができる。こ
こで、α0,iは第5の重み付け係数を表し、β0,jは第4
の重み付け係数を表し、iおよびjは整数であり、mj
は、L0は所定の定数として、m0=(−1)L0およびmj
=−mj-1の反復によって定義される値である。
【0061】本第2の態様における特定の特徴によれ
ば、各反復で、現在変更されている偶数サンプルに隣接
する奇数指標付きサンプルは、交互に、すぐ下またはす
ぐ上のランクのサンプルである。
【0062】本発明の第2の態様によれば、特定の特徴
により、フィルタリング方法は、前述の反復の終わり
で、第6の重み付け係数によって重み付けする演算を含
む追加のフィルタリングステップを含む。
【0063】更に、特定の特徴によれば、第6の重み付
け係数は、以下の式
【数21】 ように、前のステップで使用された重み付け係数の関数
である。ここで、γは第6の重み付け係数を表し、L0
は所定のパラメータであり、β0,L0-1は前のステップで
使用された重み付け係数を表す。
【0064】デジタル・イメージのフィルタリングへの
本発明の適用例では、出力デジタル信号はイメージを表
す。
【0065】また、本発明の第1の態様および第2の態
様の特定の特徴によれば、変更演算は、近似関数を適用
することからなる。
【0066】この関数は、 − 識別関数、または − 変数に最も近い整数を供給する実変数の関数、また
は − 変数未満の最初の整数を供給する実変数の関数、ま
たは − 変数より大きい最初の整数を供給する実変数の関
数、または − その和が変数に等しいサブ変数に分解される変数の
関数であって、サブ変数の近似値の和を供給し、サブ変
数の近似値のそれぞれが、変数に最も近い整数を供給す
る実変数の関数、変数未満の最初の整数を供給する実変
数の関数、または変数より大きい最初の整数を供給する
実変数の関数のいずれかである関数である。
【0067】また、本発明は、上記のようなフィルタリ
ング方法を実施するように適応された手段を有する信号
処理装置に関する。
【0068】上記に示したのと同じ目的で、本発明の第
3の態様によれば、入力デジタル信号(xn)を、偶数
指標付きサンプル(y2n)および奇数指標付きサンプル
(y2 n+1)を含む1つまたは複数の出力デジタル信号
(yn)に変換するように適合されたデジタル・フィル
タリング装置が提案され、この装置は、 − 少なくとも1つの重み付けモジュールと、 − 重み付け奇数指標付きサンプル(α0,j
(y2n+mj))の関数(R)により偶数指標付きサンプル
(y2n)を変更するための手段と、 − 重み付け偶数指標付きサンプル(β0,j・(y2n−y
2n+2))の関数(R)により奇数指標付きサンプル(y
2n+1)を変更するための手段とを有し、前記重み付けサ
ンプルが、前記重み付け手段によって供給され、前記変
更手段が反復的に機能し、それによって偶数指標付きサ
ンプル(y2n)を少なくとも1度変更し、次いで奇数指
標付きサンプル(y2n+1)を少なくとも1度変更する。
更に、本発明の第3の態様において、入力デジタル信号
を、偶数指標付きサンプルおよび奇数指標付きサンプル
を含む1つまたは複数の出力デジタル信号に変換するよ
うに適合されたデジタル・フィルタリング装置を提案す
る。このフィルタは、 − 少なくとも1つの重み付けモジュールと、 − 重み付け奇数指標付きサンプルの関数により偶数指
標付きサンプルを変更するための手段と、 − 重み付け偶数指標付きサンプルの関数により奇数指
標付きサンプルを変更するための手段とを有し、これら
の重み付けサンプルは、重み付けモジュールによって供
給され、変更モジュールは反復的に機能し、それによっ
て偶数指標付きサンプルを少なくとも1度変更し、次い
で奇数指標付きサンプルを少なくとも1度変更するもの
であり、このフィルタリング装置は、前述の重み付けモ
ジュールのうちの少なくとも1つが2つの連続した偶数
指標付きサンプルの間の差を入力として受け取るという
点で注目に値する。
【0069】上記に示したのと同じ目的で、本発明は、
第4の態様により、1つまたは複数の入力デジタル信号
(yn)を、出力信号(xn)に変換するように適合され
たデジタル・フィルタリング装置が提案される。ここ
で、この入力信号は、偶数指標付きサンプル(x2n)お
よび奇数指標付きサンプル(x2n+1)を含み、上記装置
は、 − 少なくとも1つの重み付け手段と、 − 重み付け偶数指標付きサンプル(β0,j・(x2n−x
2n+2))の関数により奇数指標付きサンプル(x2n+1
を変更するための手段と、 − 重み付け奇数指標付きサンプル(α0,j
(x2n+mj))の関数(R)により偶数指標付きサンプル
(x2n)を変更するための手段とを有し、前記重み付け
サンプルが、前記重み付け手段によって供給され、前記
変更手段が反復的に機能し、それによって奇数指標付き
サンプル(x2n+1)を少なくとも1度変更し、次いで偶
数指標付きサンプル(x2n)を少なくとも1度変更す
る。更に、本発明の第4の態様においては、偶数指標付
きサンプルおよび奇数指標付きサンプルを含む1つまた
は複数の入力デジタル信号を、出力デジタル信号に変換
するように適合されたデジタル・フィルタリング装置が
提案される。このフィルタリング装置は、 − 少なくとも1つの重み付けモジュールと、 − 重み付け偶数指標付きサンプルの関数により奇数指
標付きサンプルを変更するための手段と、 − 重み付け奇数指標付きサンプルの関数により偶数指
標付きサンプルを変更するための手段とを有し、これら
の重み付けサンプルは、重み付けモジュールによって供
給され、変更モジュールは反復的に機能し、それによっ
て奇数指標付きサンプルを少なくとも1度変更し、次い
で偶数指標付きサンプルを少なくとも1度変更するもの
であり、このフィルタリング装置は、前述の重み付けモ
ジュールのうちの少なくとも1つが2つの連続した偶数
指標付きサンプルの間の差を入力として受け取るという
点で注目に値する。
【0070】このフィルタリング装置の特定の特徴およ
び利点は、本発明によるフィルタリング方法に類似する
ので、それらについてここでは述べない。
【0071】また、同じ目的で、本発明は、前で定義し
たようなフィルタリング装置、または対応する方法を実
施するための手段を含む信号処理装置も提案する。
【0072】また、本発明は、フィルタリング装置のう
ちの1つの出力信号が他のフィルタリング装置の入力信
号である、前で定義したような少なくとも2つのフィル
タリング装置を含む信号処理装置にも関する。本発明
は、この信号処理装置を含むデジタル機器にも関する。
本発明は、この信号処理装置を含むデジタル写真機器に
も関する。
【0073】また、同じ目的で、本発明は、上記のよう
なフィルタリング方法を実施するように適合されたステ
ップを含む符号化方法も提案する。また、同じ目的で、
本発明は、上記のような少なくとも1つのフィルタリン
グ装置を含む符号化装置、または対応する方法を実施す
る手段も提案する。また、同じ目的で、本発明は、上記
のようなフィルタリング方法を実施するように適合され
たステップを含むデジタル信号圧縮方法も提案する。ま
た、同じ目的で、本発明は、上記のような少なくとも1
つのフィルタリング装置を含むデジタル信号圧縮装置、
または対応する方法を実施する手段も提案する。
【0074】コンピュータまたはマイクロプロセッサに
よって読み込むことができ、装置中に組み込まれるか、
または組み込まれず、場合によっては取外し可能な情報
記憶手段は、上記のようなフィルタリング方法を実施す
るプログラムを記憶する。
【0075】本発明は、上記のようなフィルタリング方
法を実施するための命令のシーケンスを含むコンピュー
タ・プログラム製品にも関する。
【0076】信号処理装置、デジタル機器、デジタル写
真機器、符号化および圧縮装置および方法、記憶手段、
およびコンピュータ・プログラム製品の特定の特徴およ
び利点は、本発明によるフィルタリング方法に類似する
ので、それらについてここでは述べない。
【0077】本発明の他の態様および利点は、非限定的
な例によって与えられる特定の実施形態の以下の詳細な
説明を読むことによって明らかとなろう。この説明で
は、添付の図面を参照する。
【0078】
【発明の実施の形態】図1に示す選ばれた実施形態によ
れば、本発明によるデータ処理装置は、符号化されてい
ないデータの信号源1がそれに接続される入力部24を
有するデータ符号化装置2である。このデータ処理装置
は、例えばコンピュータ、デジタル写真機器、またはフ
ァクシミリ・マシンなどのデジタル機器に一体化するこ
とができる。
【0079】信号源1は、例えばランダム・アクセス・
メモリ、ハード・ディスク、ディスケット、またはコン
パクト・ディスクなどの、符号化されていないデータを
記憶するためのメモリ手段を有し、このメモリ手段は、
そこからデータを読み込むための適切な読込み手段と協
働する。また、メモリ手段の中にデータを記録するため
の手段を提供することができる。更に、信号源1は、デ
ジタル機器に一体化することもできる。
【0080】符号化すべきデータはイメージIMを表す
一連のデジタル・サンプルであることをより詳細に以下
で考慮する。
【0081】信号源1は、符号化回路2の入力でデジタ
ル・イメージ信号SIを供給する。イメージ信号SI
は、一連の、例えばバイトなどのデジタル・ワードであ
る。各バイト値は、ここでは256レベルのグレー・イ
メージ、または白黒イメージを有するイメージIMのピ
クセルを表す。このイメージは、例えば赤−緑−青の3
つの周波数帯の構成要素を有するカラー・イメージ、ま
たは輝度およびクロミナンス・タイプなどの多重スペク
トル・イメージとすることができる。次いで各バンド
は、単一スペクトル・イメージと同様に処理される。
【0082】符号化データを用いる手段3は、符号化装
置2の出力部25と接続される。
【0083】ユーザ手段3は、例えば、符号化データを
記憶する手段、および/または符号化データを送信する
手段を含む。
【0084】符号化装置2は、一般に、入力部24につ
づく、変換回路21を有する。本発明は、より詳細には
この変換回路21に関するものであり、この変換回路2
1の例示的実施形態を以下で詳述する。ここで想定する
変換は、データ信号の周波数サブバンドへの分解であ
り、それによって信号の解析を実施する。
【0085】変換回路21は、量子化回路22に接続さ
れる。この量子化回路は、変換回路21から供給される
周波数サブバンドの係数または係数のグループの、本質
的に周知の量子化、例えばスカラ量子化またはベクトル
量子化を実施する。
【0086】量子化回路22は、エントロピー符号化回
路23に接続される。エントロピー符号化回路23は、
量子化回路22で量子化されたデータのエントロピー符
号化、例えばハフマン符号化または算術符号化を実施す
る。
【0087】図2に、装置2で符号化されたデータを復
号化するための装置5の形態としての、本発明による別
のデータ処理装置を示す。
【0088】符号化データを用いる手段4は、復号化装
置5の入力部54に接続される。手段4は、例えば、符
号化データを記憶するための手段、および/または伝送
手段3によって送られた符号化データを受け取るように
適応された、符号化データ受け取りのための手段を含
む。
【0089】復号化データを用いる手段6は、復号化装
置5の出力部55に接続される。ユーザ手段6は、処理
されたデータの性質に従って、例えばイメージディスプ
レイ手段であったり、または音再生手段であったりす
る。
【0090】復号化装置5は、全体として、符号化装置
2の演算の逆の演算を実行する。装置5はエントロピー
復号化回路51を有し、エントロピー復号化回路51
は、回路23の符号化に対応するエントロピー復号化を
実行する。回路51は、量子化回路22に対応する逆量
子化回路52に接続される。
【0091】回路52は、変換回路21に対応する逆変
換回路53に接続される。本発明は、より詳細には逆変
換回路53に関するものであり、その例示的実施形態は
以下で詳述する。ここで想定する変換は、周波数サブバ
ンドからのデジタル信号の合成の実施である。
【0092】符号化装置および復号化装置は、同じデジ
タル機器、例えばデジタル・カメラに一体化することが
できる。この場合、データ処理装置はデータの符号化お
よび復号化を実施する。
【0093】図3を参照しながら、本発明を実施する装
置10の例を説明する。この装置は、デジタル信号を変
換するように適応され、以下で詳述する例により、デジ
タル信号を解析するように、または解析してそれを合成
するように適応される。したがって図3は符号化装置ま
たは復号化装置を示す。
【0094】装置10は、ここでは通信バス101を有
するマイクロコンピュータであり、この通信バス101
に、 − 中央演算処理装置100、 − 読取り専用メモリ102、 − ランダム・アクセス・メモリ103、 − 画面104、 − キーボード114、 − ハード・ディスク108、 − ディスケット110を受け入れ可能なディスク・ド
ライブ109、 − 通信ネットワーク113と通信するためのインター
フェース112、および − マイクロフォン111に接続される入出力カード1
06が接続される。
【0095】ランダム・アクセス・メモリ103は、メ
モリ・レジスタ・ベアリング中にデータ、変数、および
中間処理結果を記憶する。本説明では、それらが記憶し
ているデータとしてそれらの名前を用いる。ランダム・
アクセス・メモリ103は、特に、 − 以下で定義する変数kの現在値を含むレジスタ
「k」、 − 以下で定義する変数jの現在値を含むレジスタ
「j」、 − 変換されたイメージのサンプルyiの値が計算され
るときに、それが記憶されるレジスタ「yi」、 − 以下で定義する重み付け係数βk,jの値が記憶され
るレジスタ「βk,j」、 − 以下で定義するパラメータmjの値が記憶されるレ
ジスタ「mj」、および − 以下で定義する係数γの値が記憶されるレジスタ
「γ」を含む。
【0096】図3が符号化装置である場合には、読取り
専用メモリ102は、特に、 − レジスタ「Program」に、中央演算処理装置100
のオペレーティング・プログラムを、 − レジスタ「kmax」に、変数kの最大値kmaxを、 − レジスタ「Lk」に、0とkmaxの間の変数kのすべ
ての値に対する、以下で定義するパラメータLkの値
と、 − レジスタ「αk,j」に、重み付け係数αk,jの値を記
憶するように適合される。
【0097】一方、図3が復号化装置である場合もじ
ゃ、レジスタ・プログラムはやはり読取り専用メモリ中
にあるが、レジスタ「kmax」、「Lk」、および「α
k,j」はランダム・アクセス・メモリ中にあることに留
意されたい。
【0098】中央演算処理装置100は、図5および図
7のフローチャートを実行するように適応される。
【0099】ハード・ディスク108は、本発明を実施
するプログラム、ならびに符号化すべきデータおよび本
発明による符号化データを記憶する。これらのプログラ
ムは、ディスケット110から読取ることもでき、また
は通信ネットワーク113を介して受信することもで
き、または読取り専用メモリ102中に記憶することも
できる。
【0100】より一般的に述べれば、本発明によるプロ
グラムは、記憶手段中に記憶される。この記憶手段の内
容は、コンピュータまたはマイクロプロセッサによって
読取ることができる。また、この記憶手段は、装置内に
一体化されるか、または一体化されず、取外し可能とす
ることができる。例えばこの記憶手段は、磁気テープ、
ディスケット、またはCD−ROM(固定メモリ・コン
パクト・ディスク)を含むことができる。
【0101】また、装置10は、デジタル写真機器、ま
たはスキャナ、またはデータを獲得或は記憶する他の何
らかの手段などの周辺装置107から来る符号化すべき
データを受け取ることができる。
【0102】また、装置10は、通信ネットワーク11
3を介して遠隔装置から来る符号化すべきデータを受信
することもでき、同様に、通信ネットワーク113を介
して遠隔装置に符号化データを送信することもできる。
【0103】また、装置10は、マイクロフォン111
から来る符号化すべきデータを受け取ることもできる。
この場合、これらのデータは音響信号である。
【0104】画面104により、ユーザは、特に符号化
すべきデータを表示することが可能となり、画面104
は、キーボード114と共にユーザ・インターフェース
として機能する。
【0105】次に、図4を参照すると、変換回路21ま
たは解析回路は、2つのレベルを有するダイアディック
分解回路である。この実施形態では回路21は、それぞ
れ垂直および水平な2つの方向のイメージ信号を、高空
間周波数および低空間周波数のサブバンド信号中にフィ
ルタする2倍のデシメータにそれぞれ関連する従来のフ
ィルタの組である。高域通過フィルタと低域通過フィル
タの関係は、信号の完全再構築の条件によって決定され
る。以下でフィルタの異なる例を想定する。実際に垂直
分解フィルタおよび水平分解フィルタは、一般には同一
であるが、必ずしも同一である必要はないことに留意さ
れたい。ここでは回路21は、2つの解像度レベルによ
りイメージIMをサブバンド信号に分解するための、2
つの連続する解析ユニットB1およびB2を有する。
【0106】一般的にいって、信号の解像度は、この信
号を表すために使用されるユニット長あたりのサンプル
数である。イメージ信号の場合、サブバンド信号の解像
度は、このサブバンド信号を水平および垂直に表すため
に使用されるユニット長あたりのサンプル数に関連す
る。この解像度は、実施されるデシメーションの数、デ
シメーション因子、および初期イメージの解像度に依存
する。
【0107】第1の解析ユニットB1は、デジタル・イ
メージ信号を受け取り、それを高域デジタル・フィルタ
210および低域デジタル・フィルタ220に印加す
る。これらのフィルタは、信号を第1の方向に、例えば
イメージ信号の場合水平方向にフィルタする。2倍のデ
シメータD210およびD220を通過した後、得られ
るフィルタ済み信号は、2つの低域通過フィルタ230
および250と、2つの高域通過フィルタ240および
260にそれぞれ印加される。これらのフィルタは、信
号を第2の方向、例えばイメージ信号の場合垂直方向に
フィルタする。得られる各フィルタ済み信号は、2倍の
デシメータD230、D240、D250、D260を
それぞれ通過する。ユニットB1は、分解の最高解像度
RES1を有する4つのサブバンド信号LL1、LH1
HL1、HH1を出力する。
【0108】サブバンド信号LL1は、イメージ信号の
両方の方向の低周波数の構成要素または係数を含む。サ
ブバンド信号LH1は、イメージ信号の第1の方向の低
周波数の構成要素と、第2の方向の高周波数の構成要素
とを含む。サブバンド信号HL1は、第1の方向の高周
波数の構成要素と、第2の方向の低周波数の構成要素と
を含む。更に、サブバンド信号HH1は、両方の方向の
高周波数の構成要素を含む。
【0109】各サブバンド信号は、元のイメージから構
築される1組の実係数であり、所与の周波数帯での、イ
メージの輪郭のそれぞれ垂直、水平、および対角線の方
向に対応する情報を含む。各サブバンド信号は、イメー
ジに同化させることができる。
【0110】サブバンド信号LL1は、解像度レベルR
ES2の4つのサブバンド信号LL2、LH2、HL2、H
2を供給するために、前の解析ユニットと類似の解析
ユニットB2によって解析される。
【0111】解像度RES2のサブバンド信号のそれぞ
れも、イメージの方向に対応する。
【0112】その構造が解析回路の構造から導出される
合成回路は、従来の方式で所与の解析回路21に対応す
る。
【0113】図5は、本発明による順方向ウェーブレッ
ト変換を実施するリフティング・ステップの遷移を示
す。逆変換については、図6を参照してその後に説明す
る。
【0114】そのランクが2つの整数i0とi1の間(i
1は除く)であるサンプルを有する入力信号xnを、その
ランクがi0とi1の間(i1は除く)であるサンプルを
有する出力信号ynに変換する場合について考える。
【0115】初期設定ステップ500は、まず出力信号
nのサンプルの値を入力信号xnのサンプルの値にすべ
て設定することからなる。
【0116】ステップ500の間、その現在値をそれぞ
れkおよびjと示す2つのカウンタも値0に初期設定さ
れる。
【0117】また、ステップ500の間、図3と関連し
て上記で述べたパラメータmjも値m0=(−1)L0に初期
設定される。ただしL0は以下で定義する別のパラメー
タである。
【0118】そのランクがi0とi1の間(i1は除く)
であるサンプルを有する信号ynを考慮する場合、その
ランクがi0とi1の間(i1は除く)である出力信号の
すべてのサンプルを計算することができるのに十分とな
るように、信号ynをこの範囲を超えて拡張しなければ
ならない。このことは、以下で示す例の説明で理解され
よう。
【0119】したがって信号拡張手順(図5には示さ
ず)は、所定の間隔i0≦i<i1から出て行く値iに対
して出力信号yiの値を、
【数22】 によって計算することからなる。ここで、 PSE(I,i0,i1)=i0+min[mod(i-i0,2(i1-i0)),2(i1-i0)-mod(i-i0,2(i1-i0))] (15) であり、min(a,b)はaとbとの小さい方を供給
する関数を表し、mod(a,b)は、0とb−1(b
−1を含む)の間にあり、aからbの倍数内の整数を表
す。
【0120】上記に示した拡張手順の非限定的な例は、
行i0およびi1が偶数であるような信号に当てはまる。
行i0およびi1のうちの少なくとも一方が奇数である場
合には、他の拡張手順を使用することができる。それで
もこの説明の残りは、すべてのパリティの場合に当ては
まる。さらに、例えば直交フィルタの分野の技術者に周
知のいわゆる環状拡張など他のタイプのフィルタのため
の他の拡張手順もある。
【0121】フィルタリング方法の後続のステップ50
2は、第1のリフティング・ステップである。これは高
域通過リフティング・ステップである。
【0122】好ましい実施形態では、このリフティング
・ステップは、パラメータm0=(−1)L0の値に従っ
て、LSCまたはRSCタイプのいずれかであり、以下
の式、
【数23】 により定義される。
【0123】このリフティング・ステップは、m0の値
により、HSA高域通過フィルタH1(z)=z−1ま
たは1−zに対応する。これは、同等の高域通過フィル
タのサポートの1ユニットの増加に対応する。
【0124】リフティング・ステップ502の終わり
に、カウンタjがL0に等しいかどうかを判定するため
にテスト504が実施される。
【0125】テスト504の結果が否定である間、ステ
ップ506が繰り返される。ステップ506は、本質的
に、信号ynの偶数指標付きサンプルまたは奇数指標付
きサンプルを変更し、重み付けする演算のシーケンスか
らなる。
【0126】これは、ステップ506の間に、0とL0
−1の間にあるカウンタjの値に対応する、リフティン
グ・ステップのL0個の対の遷移が実施されるからであ
る。ただし、第1のリフティング・ステップは、単一係
数低域通過リフティング・ステップ、
【数24】 であり、第2のリフティング・ステップは、HSA高域
通過リフティング・ステップ、
【数25】 である。
【0127】式(17)で用いられる非ゼロのパラメー
タα0,jは、ウェーブレット・フィルタ(H0、H1)の
対の係数の関数であり、その計算を以下で詳述する。
【0128】後で説明するようにmjの値が−1または
+1のいずれかであることを考えると、サンプルy
2n+mjのランクは2n−1または2n+1のいずれかで
あり、すなわち現在変更されているサンプルy2nのラン
クから続く。奇数指標付きサンプルy2n+mjはサンプル
2nに隣接すると言われる。
【0129】単一係数低域通過リフティング・ステップ
は、mj=−mj-1によって反復的に定義されるパラメー
タmjの値により、LSCまたはRSCタイプのいずれ
かとなる。
【0130】後続の単一係数低域通過リフティング・ス
テップ(すなわち後続のjの値に対応する)の系統的な
反復がある。例えば、最初がRSCタイプである場合、
2番目はLSCタイプであり、逆も同様である。最後の
単一係数低域通過リフティング・ステップは常にLSC
タイプである。
【0131】式(17)の低域通過リフティング・ステ
ップにより、同等の低域通過フィルタのサポートが、前
の高域通過リフティング・ステップの同等の高域通過フ
ィルタのサポートの値、すなわち最も近くのより大きい
偶数値に達するまで、増加することが保証される。
【0132】本発明の好ましい実施形態によれば、式
(18)の高域通過リフティング・ステップは、HSA
タイプであり、HSS/HSAウェーブレット・フィル
タのリフティングによる実施に対して単一リフティング
・ステップおよびWSAリフティング・ステップだけを
使用する従来技術とは異なる。
【0133】式(18)の高域通過リフティング・ステ
ップにより、同等の高域通過フィルタのサポートが、前
の高域通過リフティング・ステップの同等の高域通過フ
ィルタのサポートに対して2だけ(すなわち最も近くの
より大きい偶数値に達するまで)増加することが保証さ
れる。
【0134】式(18)の高域通過リフティング・ステ
ップの同等の高域通過フィルタは、前の高域通過リフテ
ィング・ステップの同等の高域通過フィルタがHSAで
あり、式(18)で使用される非ゼロのパラメータβ
0,jがパラメータmjの関数であり、かつ前の単一係数低
域通過リフティング・ステップから生ずるパラメータα
0,jの関数である場合にのみ、HSAタイプである。こ
の関数は例えば、
【数26】 以下のように定義される。
【0135】高域係数から低域係数を交互に左および右
にリフティングする式(17)の低域通過リフティング
・ステップとは異なり、等式(18)の高域通過リフテ
ィング・ステップは、左側低域係数および右側低域係数
の両方から高域係数をリフティングする。
【0136】テスト504の結果が肯定であるとき、す
なわちj=L0であるとき、SC低域通過リフティング
・ステップおよびHSA高域通過リフティング・ステッ
プの反復は終了し、その後に以下の式、
【数27】 のように定義されるRSC低域通過リフティング・ステ
ップ508が続く。
【0137】好ましい実施形態では、対応する低域通過
フィルタがHSSであることを保証するために、係数γ
は、前の高域通過リフティング・ステップで使用された
重みづけ係数により、以下の式、
【数28】 で計算される。
【0138】低域通過リフティング・ステップ508に
より、同等な低域通過フィルタのサポートが、前の高域
通過リフティング・ステップの同等な高域通過フィルタ
のサポートの値、すなわちここで説明する好ましい実施
形態では最も近くのより大きい偶数整数値に達するま
で、増加することが保証される。
【0139】この好ましい実施形態では、ステップ50
8の終わりで、等しい偶数サポートを有し、それぞれH
SSおよびHSAである、低域通過フィルタと高域通過
フィルタの対応する対が得られる。
【0140】次にWSA低域通過リフティング(ステッ
プ512)およびWSA高域通過リフティング(ステッ
プ518)のステップの反復が実施される。すなわち、
合計kmax−1のWSAリフティング・ステップであ
り、カウンタkの値は1からkm ax−1まで増加する。
【0141】この目的で、ステップ508に続いて、カ
ウンタkの値が1ユニットだけステップ510で増分さ
れる。kの値は、ステップ512の通過後(図5のステ
ップ514を参照)およびステップ518の通過後(図
5のステップ520を参照)にそれぞれやはり増分され
る。
【0142】ステップ512、514、518、および
520は、kの値がkmaxに等しくなるまで反復される
(増分ステップ514および520の後にそれぞれ実施
される、kに関するテスト516および522を参
照)。
【0143】WSA低域通過リフティング・ステップ5
12は以下の式、
【数29】 によって定義される。そして、WSA高域通過リフティ
ング・ステップ518は以下の式、
【数30】 によって定義される。
【0144】これらのステップは本質的に周知である。
これらの効果は対応するフィルタ(ステップ512に対
する低域通過フィルタとステップ518に対する高域通
過フィルタ)のサイズが4倍に増加することである。
【0145】単一直接電流利得および2のナイキスト利
得、すなわちいわゆる(1,2)正規化を有するウェー
ブレット・フィルタを生成するために、Gを実数値とし
て、タイプyi=G・yiの特定の正規化ステップは必要
ではない。他方、DC利得G 1およびナイキスト利得2
2を有する(G1,2G2)正規化などの異なる正規化
が必要である場合、最終正規化ステップ、すなわちy2n
=G1・y2nおよびy2n+ 1=G2・y2n+1が必要である。
【0146】近似関数Rがそれに対して使用されるすべ
てのリフティング・ステップについて同一である必要は
ない。
【0147】HSS/HSAフィルタのリフティング実
施のために選ぶべきパラメータは、各リフティング・ス
テップでのLk、αk,j、kmax、および関数Rである。
したがって完全再構築HSS/HSAウェーブレット・
フィルタの任意の対の、これらのパラメータと係数と長
さの間の1対1マッピングを確立することが可能であ
る。
【0148】図6に、本発明による逆ウェーブレット変
換を実施するリフティング・ステップの流れを示す。
【0149】そのランクが2つの整数i0とi1の間(i
1は含まず)であるサンプルを有する変換すべき入力信
号ynと、そのランクがi0とi1の間(i1は含まず)で
あるサンプルを有する出力信号xnとを考慮する。
【0150】初期設定ステップ600は、まず出力信号
nのサンプルの値を入力信号ynのサンプルの値にすべ
て設定することからなる。
【0151】逆リフティング実施におけるすべてのステ
ップは、順方向変換で実行されるリフティング・ステッ
プの逆の演算である。さらに逆リフティング実施のステ
ップは、順方向リフティング実施のステップと反対の順
序で実行される。
【0152】解析処理と、その後に続く同じ信号の合成
処理について、逆変換のすべてのパラメータは、順方向
変換に対して選ばれるパラメータと同一である。
【0153】図6に示すように、初期設定ステップ60
0の間に、その現在値がkで示されるカウンタも値k
max−1に初期設定される。
【0154】そのランクがi0とi1の間(i1は含ま
ず)であるサンプルを有する信号xnを考慮する場合、
信号xnは、そのランクがi0とi1の間(i1は含まず)
のすべてのサンプルを計算することができるのに十分と
なるように、信号xnをこの範囲を超えて拡張しなけれ
ばならない。このことは、以下で示す例の説明で理解さ
れよう。
【0155】したがって信号拡張手順(図6には示さ
ず)は、所定の間隔i0≦i<i1から出て行く値iに対
して出力信号xiの値を計算することからなり、− m
od(i-i0,2(i1-i0))<i1-i0となるようなiの値に対して
は、xiは以下の式(24)
【数31】 によって定義される。ここで、mod(a,b)は、0とb−1
(b−1を含む)の間にあり、aからbの倍数内の整数
を表し、そして、− mod(i-i0,2(i1-i0))≧i1-i0
なるようなiの偶数値に対しては、xiは以下の式(2
5)
【数32】 によって定義され、− そして、mod(i-i0,2(i1-i0))≧
i1-i0となるようなiの奇数値に対しては、xiは以下の
式(26)
【数33】 によって定義される。
【0156】例えば直交フィルタの分野の技術者に周知
のいわゆる環状拡張などの他のタイプのフィルタのため
の他の拡張手順もある。
【0157】単一DC利得および2のナイキスト利得、
すなわちいわゆる(1,2)正規化を有するウェーブレ
ット・フィルタを生成するために、タイプxi=G・xi
の特定の正規化ステップは必要ではない。ここで、Gは
実数値である。他方、DC利得G1およびナイキスト利
得2G2を有する(G1,2G2)正規化などの異なる正
規化が必要である場合、逆正規化ステップが必要であ
る。すなわちx2n=(1/G1)・x2nおよびx2n+1
(1/G2)・x2n+1 図6に示すように、WSA低域通過リフティング(ステ
ップ602)および高域通過リフティング(ステップ6
08)のステップの反復が実施される。すなわち、合計
max−1のWSAリフティング・ステップであり、カ
ウンタkの値はkmax−1から1まで減少する。
【0158】この目的で、カウンタkの値は、ステップ
602の通過後(図6のステップ604を参照)および
ステップ608の通過後(図6のステップ610を参
照)にそれぞれ増分される。
【0159】ステップ602、604、608、および
610は、kの値が1に等しくなるまで反復される(減
分ステップ604および610の後にそれぞれ実施され
る、kに関するテスト606および612を参照)。
【0160】WSA低域通過リフティング・ステップ6
02は以下の式、
【数34】 によって定義される。そして、WSA高域通過リフティ
ング・ステップ608は以下の式、
【数35】 によって定義される。
【0161】これらのステップは本質的に周知である。
【0162】テスト606および612の結果が正であ
るとき、すなわちk=1であるとき、WSA低域通過リ
フティングおよびHSA高域通過リフティングの反復は
終了し、その後に以下の式、
【数36】 によって定義されるRSC低域通過リフティング・ステ
ップ614が続く。
【0163】好ましい実施形態では、係数γは、後続の
高域通過リフティング・ステップで使用される重みづけ
係数の関数として、以下の式、
【数37】 によって計算される。
【0164】ステップ614の間に、パラメータmj
値1に初期設定され、カウンタjも値L0−1に初期設
定される。
【0165】低域通過リフティング・ステップ614の
終わりに、カウンタjが0に等しいかどうかを判定する
ためにテスト616が実行される。
【0166】テスト616の結果が否定である限り、ス
テップ618は繰り返される。ステップ618は、本質
的に、信号xnの偶数指標付きサンプルまたは奇数指標
付きサンプルを変更し、重み付けする演算のシーケンス
からなる。
【0167】これは、ステップ618の間に、L0−1
と0の間にあるカウンタjの値に対応する、リフティン
グ・ステップのL0の対の遷移が実行されるからであ
る。ただし、第1のリフティング・ステップは、HSA
高域通過リフティング・ステップ、
【数38】 であり、かつ第2のリフティング・ステップは、単一係
数低域通過リフティング・ステップ、
【数39】 である。
【0168】テスト616の結果が肯定であるとき、す
なわちj=0であるとき、最後のリフティング・ステッ
プ620が実行される。このリフティング・ステップ6
20は、順方向変換で実行された最初の高域通過リフテ
ィング・ステップの逆である。好ましい実施形態では、
このリフティング・ステップは、パラメータm0=(−
1)L0の値に従って、LSCまたはRSCタイプのいず
れかであり、
【数40】 ように定義される。
【0169】図7に、冒頭で出てきた式(4)、
(6)、および(7)によって定義されるHSS/HS
Aウェーブレット・フィルタの何らかの所与の対に対し
てリフティング・パラメータを決定するための手順を示
す。この手順は、直交フィルタ、および特定の対称性の
ない、等しいサポートを有するどんなフィルタにも当て
はまる。以下で現れる「UNLIFT」手順は、その後で詳述
する。
【0170】図7に示すように、第1のステップ700
は、整数変数kを0に、変数n0を−1に初期設定し、
長さ、すなわち中間低域通過フィルタH0および中間高
域通過フィルタH1の係数の数(すなわち、いわゆる等
価フィルタの係数の数)を変数li,i∈{0,1}に
記憶する。
【0171】次に、ステップ702では、l0<l1であ
るかどうかをテストする。
【0172】テスト702の結果が肯定である場合、図
5のWSA高域通過リフティング・ステップ518の係
数を決定するステップ704が、手順UNLIFT_H1(図8
Bを参照)を適用することによって実行され、ステップ
704の終わりには、リフティング係数Lkの数、0≦
i<Lkに対するLk係数αk,i、および新しい中間高域
通過フィルタH1が得られる。
【0173】ステップ704では、kの値が1ユニット
だけ増分され、中間フィルタの長さliが更新され、値
1が変数n0に記憶される。
【0174】テスト702の結果が否定である場合は、
ステップ706でl0>l1かどうかをテストする。
【0175】テスト706の結果が肯定である場合、図
5のWSA低域通過リフティング・ステップ512の係
数を決定するステップ708が、手順UNLIFT_H0(図8
Aを参照)を適用することによって実行される。ステッ
プ708の終わりには、リフティング係数Lkの数、0
≦i<Lkに対するLk係数αk,i、および新しい中間低
域通過フィルタH0が得られる。
【0176】ステップ708では、kの値がやはり1ユ
ニットだけ増分され、中間フィルタの長さliが更新さ
れ、値0が変数n0に記憶される。
【0177】テスト706の結果が否定である場合、ス
テップ710が実行され、n0がゼロかどうかがテスト
される。
【0178】テスト710の結果が肯定である場合、ス
テップ712が実行され、値0を変数Lkに記憶し、k
の値を1ユニットだけ増分する。
【0179】ステップ712の終わり、またはテスト7
10の結果が否定である場合、図5のステップ506に
含まれる単一係数低域通過リフティング・ステップの係
数を決定するステップ714が、手順UNLIFT_EQ(図8
Cを参照)を適用することによって実行される。そし
て、ステップ714の終了時には、リフティング係数L
0および0≦i<L0に対するL0係数α0,iが得られる。
【0180】ステップ714では、kの値がやはり1ユ
ニットだけ増分される。
【0181】ステップ714が終わると、 (L0,L1,...,Lk-1)=(Lk-1
k-2,...,L0) (α0,i,α1,i,...,αk-1,i)=(αk-1,i,α
k-2,i,...,α0,i) のようにリフティング係数を再順序付けすることによっ
て得られるリフティング係数の更新からなる再配置ステ
ップ716が実行される。
【0182】ステップ716の間、値kmaxも変数kに
記憶される。
【0183】まとめると、 − l0>l1のとき、リフティング係数は、手順UNLI
FT_H0(H0,H1)によって得られ、 − l0<l1のとき、リフティング係数は、手順UNLI
FT_H1(H0,H1)によって得られ、 − l0=l1のとき、リフティング係数は、手順UNLI
FT_EQ(H0,H1)によって得られる。
【0184】次いでこれらの3つの手順をより詳細に説
明する。
【0185】手順UNLIFT_H0を示す図8Aに示すよう
に、初期設定ステップ800Aは、H0の長さの半分を
変数l0に記憶し、H1の長さの半分を変数l1に記憶す
る。また、ステップ800Aの間、変数iおよび変数L
kが値0に初期設定される。
【0186】次いでステップ802Aにおいて、l0
1かどうかをテストする。テスト802Aの結果が否
定である場合、手順UNLIFT_H0は終了する。
【0187】テスト802Aの結果が肯定である場合、
ステップ804Aにおいて、αk,iおよびH0(z)を、
【数41】 のように計算する。
【0188】ステップ804Aの終わりにおいて、l0
の値は2ユニットだけ減分され、iの値およびLkの値
は1ユニットだけ増分される。次いでこのステップ80
4Aはl0>l1である限り反復される。
【0189】次に、手順UNLIFT_H1について説明する。
図8Bに示すように、図8Aのステップ800Aと同一
の初期設定ステップ800Bがまず実行される。
【0190】次いで、ステップ802Bにおいて、l0
>l1であるかどうかをテストする。テスト802Bの
結果が否定である場合、手順UNLIFT_H1は終了する。
【0191】テスト802Bの結果が否定である場合、
ステップ804Bにおいて、αk,iおよびH1(z)を、
【数42】 のように計算する。
【0192】ステップ804Bの終わりにおいて、l1
の値は2ユニットだけ減分され、iの値およびLkの値
は1ユニットだけ増分される。次いでこのステップ80
4Bはl1>l0である限り反復される。
【0193】次に、手順UNLIFT_EQについて説明する。
図8Cに示すように、初期設定ステップ800Cは、H
0の長さの半分を変数l0に記憶し、l0の値を変数l1
記憶する。また、ステップ800Cの間、変数L0が値
0−1に初期設定され、変数iが値L0−1に初期設定
される。
【0194】後続のステップ802Cにおいては、H0
(z)およびパラメータγを、
【数43】 のように計算する。
【0195】ステップ802Cの終わりにおいて、l0
の値は1ユニットだけ減分され、変数qは値0に初期設
定される。
【0196】次いでステップ804において、l0>0
かどうかがテストされる。テスト804Cの結果が否定
である場合、手順UNLIFT_EQは終了する。
【0197】テスト804Cの結果が肯定である場合、
ステップ806Cにおいて、q>0かどうかがテストさ
れる。
【0198】テスト806Cの結果が肯定である場合、
後続のステップ808Cにおいて、β0,i、H1(z)、
α0,i、およびH0(z)が
【数44】 のように計算される。
【0199】ステップ808Cの間、H1(z)を計算
した後に、l1の値は1ユニットだけ減分され、H
0(z)を計算した後に、l0の値およびiの値は1ユニ
ットだけ減分され、値1が変数qに記憶される。このス
テップ808Cは、l0>0である限り反復される。
【0200】一方、テスト806Cの結果が否定である
場合、後続のステップ810Cにおいて、β0,i、H
1(z)、α0,i、およびH0(z)が、
【数45】 のように計算される。
【0201】ステップ810Cの間、H1(z)を計算
した後に、l1の値は1ユニットだけ減分され、H
0(z)を計算した後に、l0の値およびiの値は1ユニ
ットだけ減分され、値0が変数qに記憶される。次いで
このステップ810Cは、l0>0である限り反復され
る。
【0202】図9および図10に、2つの特定の実施形
態での、本発明によるフィルタリング装置に含まれる基
本変換ユニットを略図で示す。図9に順方向リフティン
グ変換ユニットをより詳細に示し、図10に逆方向リフ
ティング変換ユニットをより詳細に示す。
【0203】図9に略図で示すフィルタリング装置90
0は、図4に示すユニットBEのフィルタリング装置と
同等である。
【0204】フィルタリング装置900は、変換すべき
信号がそこに印加される入力部E20を含む。変換すべき
信号は、一連のサンプル{xi}を含む。ただし、iは
サンプル・ランク指標である。
【0205】入力部E20は、まず2倍のデシメータD20
に接続される。2倍のデシメータD 20は、偶数指標付き
サンプル{x2i}を送達する。
【0206】入力部E20は、アドバンス部AV21と、そ
れに続く第2のデシメータD21にも接続される。デシメ
ータD21は、奇数指標付きサンプル{x2i+1}を送達す
る。
【0207】第1のデシメータD20は、第1のフィルタ
0に接続される。第1のフィルタA0は、重み付け係数
β0,jと、式(18)で記述されるような近似関数とを
偶数指標付きサンプルに適用することによって偶数指標
付きサンプルをフィルタし、それを加算器AD20に供給
する。
【0208】フィルタA0および加算器AD20によって
形成されるアセンブリは、図面でFHPと示す高域通過
リフティング・モジュールである。また、第2のデシメ
ータD21の出力も加算器AD20に接続される。したがっ
て加算器AD20は、式(18)に従って計算される中間
サンプルy2i +1を送達する。
【0209】次に、加算器AD20の出力は、第2のフィ
ルタA1に接続される。第2のフィルタは、重み付け係
数α0,jと、式(17)で記述されるような近似関数と
を奇数指標付きサンプルに適用することによって奇数指
標付きサンプルをフィルタし、それを加算器AD21に供
給する。
【0210】フィルタA1および加算器AD21によって
形成されるアセンブリは、図面でFLPと示す低域通過
リフティング・モジュールである。ここで、 第1のデ
シメータD20の出力も加算器AD21に接続される。
【0211】加算器AD21の出力は、低周波数サンプル
2iを含むデジタル信号を送達する変換ユニットの第1
の出力S20である。加算器AD20は、基本ユニットの第
2の出力S21に接続され、基本ユニットは高周波数サン
プルy2i+1を含むデジタル信号を送達する。
【0212】図10に略図で示すフィルタリング装置1
000は、図9に略図で示すフィルタリング装置900
によって実施される変換と逆の変換を実施する。
【0213】この変換ユニットは、変換すべき第1の信
号が印加される第1の入力E30と、変換すべき第2の信
号が印加される第2の入力E31とを有する。
【0214】ここでは、変換すべき信号は、図9の解析
ユニットによるデジタル信号の解析フィルタリングの後
に得られるサンプルを含む。これらのサンプルは、場合
によっては、解析と合成の間に別の処理によって変更さ
れている。
【0215】より正確には、変換すべき第1の信号は、
低周波数サンプル{y2i}を含み、変換すべき第2の信
号は、高周波数サンプル{y2i+1}を含む。
【0216】合成ユニットは、解析ユニットの構造と類
似の構造を有し、解析ユニットから単純に導出すること
ができる。詳細には、合成ユニットは解析ユニットと同
じフィルタA0およびA1を使用する。
【0217】入力E30は減算器SO30に接続される。入
力E31はフィルタA1に接続され、フィルタA1が減算器
SO30に接続される。
【0218】フィルタA1および減算器SO30によって
形成されるアセンブリは、図面でILPと示す低域通過
リフティング・モジュールである。
【0219】減算器SO30の出力は、式(32)に従っ
て計算される中間サンプルy2iを含むデジタル信号を送
達する。減算器SO30の出力は、フィルタA0に接続さ
れ、フィルタA0が減算器SO31に接続される。減算器
SO31には入力E31も接続される。
【0220】フィルタA0および減算器SO31によって
形成されるアセンブリは、図面でIHPと示す高域通過
リフティング・モジュールである。
【0221】減算器SO31の出力は、再構築された奇数
指標付きサンプルx2i+1を含むデジタル信号を送達す
る。また、減算器SO30の出力は、再構築された偶数指
標付きサンプルx2iを含むデジタル信号を送達する。
【0222】減算器SO30の出力は2つのIN30によっ
て補間回路に接続され、減算器SO 31の出力はそれ自体
が遅延R31に接続される2つのIN31によって補間回路
に接続される。補間回路IN30および遅延R31は、加算
器AD32に接続され、加算器AD32に再構築されたサン
プルxiを含む信号を出力S30として送達する。
【0223】次いで、本発明によるウェーブレット・フ
ィルタの実施のためのリフティングによる順方向および
逆方向変換の非限定的な例を示す。
【0224】この例でのフィルタの対は、
【数46】
【数47】 と表される。
【0225】このフィルタの対に対応するリフティング
・パラメータは、 k=1、L0=1、およびα0,0=α (37) である。
【0226】また、Eが整数部分を表すとして、R
(x)=E(x+1/2)によって定義される、すべて
のリフティング・ステップに対して同一の近似関数Rが
選ばれる。信号の長さは6と等しくなるように選ばれ
る。すなわちi0=0およびi1=6である。
【0227】順方向リフティング式に関して、出力信号
Yのすべての値が入力信号Xの値に初期設定される。次
いで信号Yは、各制限で1サンプルだけ拡張される。す
なわちy-1=y0およびy6=y5となる。
【0228】以下の4つのリフティング・オペレーティ
ングが実行される。まず初めに、サンプル(y-1
1,y3,y5)の値が、 n=-1,0,1,2に対し、y2n+1=y2n+1−E(y2n+2+1/2) …(3 8) から計算される。
【0229】次に、サンプル(y0,y2,y4,y6)の
値が、 n=0,1,2,3に対し、y2n=y2n−E(α0,0.y2n-1+1/2) … (39) から計算される。ただし、ここで、 α0,0=α (40) である。
【0230】次いでサンプル(y1,y3,y5)の値
が、 n=0,1,2に対して、y2n+1=y2n+1+E[(β0,0・(y2n−y2n+2)+1 /2)] (41) から計算される。ただし、上式において、 β0,0=−1/(1−2α) (42) である。
【0231】最後に、(y0,y2,y4)の値が、 n=0,1,2に対し、y2n=y2n+E[(γ.y2n+1+1/2)] (43 ) から計算される。上式において、 γ=−1/(2β0,0) (44) である。
【0232】逆方向リフティング式に関して、出力信号
Xのすべての値が入力信号Yの値に初期設定される。次
いで信号Xは、各制限で2サンプルだけ拡張される。す
なわち、x-2=x0,x-1=−x1,x6=x4,およびx
7=−x5である。
【0233】以下の4つの逆リフティング・演算が実行
される。まず初めに、サンプル(x -2,x0,x2
4,x6)の値が、 n=-1,0,1,2,3に対し、x2n=x2n−E(γ・x2n+1+1/2) (4 5) から計算される。
【0234】次に、サンプル(x-1,x1,x3,x5
の値が、 n=-1,0,1,2に対し、x2n+1=x2n+1−E[β0,0・(x2n−x2n+2)+1 /2]] (46) から計算される。
【0235】次いでサンプル(x0,x2,x4,x6)の
値が、 n=0,1,2,3に対し、x2n=x2n−E(α0,0.x2n-1+1/2) (47 ) から計算される。
【0236】そして、最後に、(x1,x3,x5)の値
が、 n=0,1,2に対して、x2n+1=x2n+1+E(x2n+2+1/2)] (48 ) から計算される。
【0237】本発明の適用分野は、等しいサポートを有
するHSS/HSAウェーブレット・フィルタに限定さ
れず、一方では直交ウェーブレット・フィルタに、他方
では等しいサポートを有するあらゆるウェーブレット・
フィルタにと、より広範に拡張し得る。
【0238】直交ウェーブレット・フィルタのリフティ
ングによる実施への本発明の適用に関して、前で説明し
たものと比較した場合の差は、HSS/HSAフィルタ
または直交フィルタを十分に等しく実施することを保証
するための、リフティング・パラメータα0,i、β0,i
γの値と、これらのパラメータの間の関係とにある。図
7および図8とに関連して上記で説明したリフティング
・パラメータを計算する方法は、HSS/HSAフィル
タや直交フィルタについてのすべてのリフティング・パ
ラメータα0,i、β0,i、γを生成するために使用するこ
とができることに留意されたい。
【0239】すべての直交フィルタは、等しいサポート
および偶数長を有するが、1つの自明な場合、すなわち
0(z)=(1+z)/2およびおよびH1(z)=−
1+zによって定義されるHaarフィルタの場合を除
いて、対称ではない。
【0240】長さ4の直交フィルタは、自由度1を表す
パラメータθによって特徴付けられ、
【数48】
【数49】 と表される。
【0241】より一般的にいえば、直交フィルタは以下
の式を満足する。 H1(z)=2zH0(−z-1) (51) ここに示す非限定的例では、前と同様に、すべてのリフ
ティング・ステップに対して同一の近似関数が選ばれ、
それはR(x)=x+1/2によって定義される。ま
た、信号の長さは6に等しくなるように選ばれ、i0
0およびii=6となる。
【0242】そのようなフィルタのリフティングによる
実施は、ここではパラメータが以下のように選ばれるこ
とを除いて、前の例と同じステップを用いて実施される
(以下で説明する拡張手順に関するものは除く)。すな
わち、パラメータの選択は、
【数50】 で表される。
【0243】上記で与えたリフティング因数分解手順
は、直交フィルタについての手順と同様であり、その差
異は、係数α0,i、β0,i、γの間の関係だけにある。
【0244】HSS/HSAフィルタに対して見てきた
のと同様に、パラメータα0,iは、実施すべきウェーブ
レット変換のフィルタの係数の関数である。同じことが
直交フィルタにも当てはまる。前述のリフティング・パ
ラメータを計算する方法は不変である。
【0245】また、HSS/HSAフィルタに関して見
てきたのと同様に、パラメータβ0, iは、α0,iの関数で
あり、各高域通過リフティング・ステップの同等の高域
通過フィルタH1(z)がHSAであることを保証する
ようなものとなる。この状況は直交フィルタに対するも
のと同様である。すなわち、パラメータβ0,iがパラメ
ータα0,iの関数であり、各高域通過リフティング・ス
テップの同等の高域通過フィルタH1(z)がH0(z)
=−z・H1(−z-1)/2のようになり、H1(z)が
直交ウェーブレット変換を定義することを保証するよう
なものとなる。前述のリフティング・パラメータを計算
する方法は、パラメータβ0,iを計算するために使用す
ることもできる。
【0246】最後に、HSS/HSAフィルタに関して
見てきたのと同様に、パラメータγはパラメータβ
0,L0-1 の関数であり、この低域通過リフティング・ス
テップの同等の低域通過フィルタH0(z)がHSSで
あることを保証するようなものとなる。この状況は直交
フィルタに対するものと同様である。すなわち、パラメ
ータγがパラメータα0,iおよびβ0,iの関数であり、こ
の低域通過リフティング・ステップの同等の低域通過フ
ィルタH0(z)がH0(z)=−z・H1(−z-1)/
2のようになることを保証するようなものとなる。前述
のリフティング・パラメータを計算する方法は、パラメ
ータγを計算するために使用することもできる。
【0247】順方向リフティングによる変換に関して、
出力信号Yのすべての値が入力信号Xの値に初期設定さ
れる。次いで信号Yは、各制限で1サンプルだけ拡張さ
れる。すなわちここで供給した例では、環状拡張の分野
の技術者に周知の拡張手順が用いられ、y-1=y5およ
びy6=y0となる。すべての後続のステップは、式(5
2)で与えられる値を用いる、前の例のステップと同様
である。
【0248】また、逆リフティングによる変換に関し
て、出力信号Xのすべての値が入力信号Yの値に初期設
定される。次いで信号Xは、各制限で2サンプルだけ拡
張され、x-2=x4,x-1=x5,x6=x0,およびx7
=x1となる。すべての後続のステップは、式(52)
で与えられる値を用いる、前の例のステップと同様であ
る。
【0249】等しいサポートを有する任意のフィルタの
リフティングによる実施への本発明の適用に関して、H
SS/HSAフィルタおよび直交フィルタについて前述
したものと比較した場合の差異は以下の点のみとなる。
すなわち、− パラメータα0,i、β0,i、γの間に依存
関係がない。したがってこれらの値をRAMで計算する
必要がない。− リフティングによる順方向実施態様で
の第1の高域通過リフティング・ステップはどんなもの
でもよい。すなわち、
【数51】 であり、ここでδiは重み付け係数である。
【0250】なお、例えば、式(16)ではなく、以下
の式の順方向変換、
【数52】 を使用する場合、逆変換では、最後のリフティング・ス
テップ620は、まさにその逆となる。すなわち、上記
の場合は、
【数53】 となる。
【0251】等しいサポートを有する任意の一対のウェ
ーブレット・フィルタのリフティングによる実施に必要
なすべてのリフティング係数α0,i、β0,i、γは、図7
および図8との関連で上記で説明したリフティング・パ
ラメータを計算する方法によって得ることができる。次
いでリフティング係数δiは、図7に示すステップ71
4の式、(Lk,αk,j,H1,H0)=UNLIFT_EQ(H0
1)から得られるフィルタH1(z)の偶数指標付き係
数である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるデータ処理装置の略図である。
【図2】本発明による別のデータ処理装置の略図であ
る。
【図3】本発明によるデータ処理装置の実施形態を示す
図である。
【図4】図1のデータ処理装置に含まれる変換回路の実
施形態を示す図である。
【図5】第1の実施形態での、本発明によるフィルタリ
ング方法の主要ステップを示す流れ図である。
【図6】第2の実施形態での、本発明によるフィルタリ
ング方法の主要ステップを示す流れ図である。
【図7】ウェーブレット・フィルタの係数からのリフテ
ィング・パラメータの決定を実施する方法を示す流れ図
である。
【図8A】図7の流れ図において、UNLIFT_H0と示され
る計算手順を示す流れ図である。
【図8B】図7の流れ図において、UNLIFT_H1と示され
る計算手順を示す流れ図である。
【図8C】図7の流れ図において、UNLIFT_H2と示され
る計算手順を示す流れ図である。
【図9】本発明による基本変換ユニットの第1の実施形
態を示す図である。
【図10】本発明による基本変換ユニットの第2の実施
形態を示す図である。
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Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力デジタル信号(xn)を、偶数指標
    付きサンプル(y2n)および奇数指標付きサンプル(y
    2n+1)を有する1つまたは複数の出力デジタル信号(y
    n)に変換するように適応されたフィルタリング方法で
    あって、 − 重み付け奇数指標付きサンプル(α0,j・y2n+mj
    の関数(R)により偶数指標付きサンプル(y2n)を変
    更する演算と、 − 重み付け偶数指標付きサンプル(β0,j・(y2n−y
    2n+2))の関数(R)により奇数指標付きサンプル(y
    2n+1)を変更する演算とを含む少なくとも1つの反復を
    備えることを特徴とするフィルタリング方法。
  2. 【請求項2】 奇数指標付きサンプル(y2n+1)を変更
    する前記演算が、偶数指標付きサンプル(y2n)を変更
    する前記演算に続いて実行されることを特徴とする請求
    項1に記載のフィルタリング方法。
  3. 【請求項3】 前記反復が、特に、 − 第1の重み付け係数(α0,j)により、現在変更さ
    れている偶数指標付きサンプルに隣接する少なくとも1
    つの奇数指標付きサンプル(y2n+mj)を重み付けし、
    それによって重み付け奇数指標付きサンプル(α0,j
    2n+mj)を得ること、 − 少なくとも1つの重み付け奇数指標付きサンプル
    (α0,j・y2n+mj)を用いて少なくとも1つの偶数指標
    付きサンプル(y2n)を変更すること、 − 第2の重み付け係数(β0,j)により、現在変更さ
    れている奇数指標付きサンプルに隣接する偶数指標付き
    サンプル(y2n−y2n+2)を重み付けし、それによって
    重み付け偶数指標付きサンプル(β0,j・(y2n
    2n+2))を得ること、 − 少なくとも1つの重み付け偶数指標付きサンプル
    (β0,j・(y2n−y2n+2))を用いて少なくとも1つの
    奇数指標付きサンプル(y2n+1)を変更することからな
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタ
    リング方法。
  4. 【請求項4】 第2の重み付け係数(β0,j)が第1の
    重み付け係数(α0,j)の関数であることを特徴とする
    請求項3に記載のフィルタリング方法。
  5. 【請求項5】 第2の重み付け係数(β0,j)が、第1
    の重み付け係数(α0 ,j)に対して 【数1】 のように依存し、上式で、α0,iが第1の重み付け係数
    を表し、β0,jが第2の重み付け係数を表し、iおよび
    jが整数であり、mjが、L0を所定の整数としたときに
    0=(−1)L0およびmj=−mj-1の反復によって定義
    される値であることを特徴とする請求項4に記載のフィ
    ルタリング方法。
  6. 【請求項6】 各反復で、現在変更されている偶数サン
    プルに隣接する奇数指標付きサンプル(y2n+mj)が、
    交互に、すぐ下(y2n-1)またはすぐ上(y2 n+1)のラ
    ンクのサンプルとなることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれか一項に記載のフィルタリング方法。
  7. 【請求項7】 前記反復の終わりに、第3の重み付け係
    数(γ)によって重み付けする演算を含む追加のフィル
    タリングステップを含むことを特徴とする請求項1乃至
    6のいずれか一項に記載のフィルタリング方法。
  8. 【請求項8】 第3の重み付け係数(γ)が、 【数2】 のように、先行するステップで使用された重み付け係数
    の関数であり、上式で、γが第3の重み付け係数を表
    し、L0が所定のパラメータであり、β0,L0-1が先行す
    るステップで使用された重み付け係数を表すことを特徴
    とする請求項7に記載のフィルタリング方法。
  9. 【請求項9】 前記デジタル入力信号(xn)がイメー
    ジを表すことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一
    項に記載のフィルタリング方法。
  10. 【請求項10】 1つまたは複数の入力デジタル信号
    (yn)を、出力デジタル信号(xn)に変換するように
    適応されたフィルタリング方法であって、前記入力信号
    が、偶数指標付きサンプル(y2n)および奇数指標付き
    サンプル(y 2n+1)を含み、 − 重み付け偶数指標付きサンプル(β0,j・(x2n−x
    2n+2))の関数(R)により奇数指標付きサンプル(x
    2n+1)を変更する演算と、 − 重み付け奇数指標付きサンプル(α0,j
    (x2n+mj))の関数(R)により偶数指標付きサンプル
    (x2n)を変更する演算とを含む少なくとも1つの反復
    を備えることを特徴とするフィルタリング方法。
  11. 【請求項11】 偶数指標付きサンプル(x2n)を変更
    する前記演算が、奇数指標付きサンプル(x2n+1)を変
    更する前記演算に続いて実行されることを特徴とする請
    求項10に記載のフィルタリング方法。
  12. 【請求項12】 前記反復が、特に、 − 第4の重み付け係数(β0,j)により、現在変更さ
    れている奇数サンプルに隣接する偶数指標付きサンプル
    (x2n−x2n+2)を重み付けし、それによって重み付け
    偶数指標付きサンプル(β0,j・(x2n−x2n+2))を得
    ること、 − 少なくとも1つの重み付け偶数指標付きサンプル
    (β0,j・(x2n−x2n+2))を用いて少なくとも1つの
    奇数指標付きサンプル(x2n+1)を変更すること、 − 第5の重み付け係数(α0,j)により、現在変更さ
    れている偶数サンプルに隣接する少なくとも1つの奇数
    指標付きサンプル(x2n+mj)を重み付けし、それによ
    って重み付け奇数指標付きサンプル(α0,j
    (x2n+mj))を得ること、 − 少なくとも1つの重み付け奇数指標付きサンプル
    (α0,j・(x2n+mj))を用いて少なくとも1つの偶数指
    標付きサンプル(x2n)を変更することからなることを
    特徴とする請求項10または11に記載のフィルタリン
    グ方法。
  13. 【請求項13】 前記第4の重み付け係数(β0,j)が
    前記第5の重み付け係数(α0,j)の関数であることを
    特徴とする請求項12に記載のフィルタリング方法。
  14. 【請求項14】 前記第4の重み付け係数(β0,j
    が、前記第5の重み付け係数(α0,j)に、 【数3】 のように依存し、上式で、α0,iが第5の重み付け係数
    を表し、β0,jが第4の重み付け係数を表し、iおよび
    jが整数であり、L0を所定の定数としたときにmjがm
    0=(−1)L0 およびmj=−mj-1の反復によって定義
    される値であることを特徴とする請求項13に記載のフ
    ィルタリング方法。
  15. 【請求項15】 各反復で、現在変更されている偶数サ
    ンプルに隣接する奇数指標付きサンプル(x2n+mj
    が、交互に、すぐ下(x2n-1)またはすぐ上(x2n+1
    のランクのサンプルであることを特徴とする請求項10
    乃至14のいずれか一項に記載のフィルタリング方法。
  16. 【請求項16】 前記反復の前に、第6の重み付け係数
    (γ)によって重み付けする演算を含む追加のフィルタ
    リングステップを含むことを特徴とする請求項10乃至
    15のいずれか一項に記載のフィルタリング方法。
  17. 【請求項17】 前記第6の重み付け係数(γ)が、 【数4】 のように、後続のステップで使用される重み付け係数の
    関数であり、上式で、γは前記第6の重み付け係数を表
    し、L0は所定のパラメータであり、β0,L0-1が後続の
    ステップで使用される重み付け係数を表すことを特徴と
    する請求項16に記載のフィルタリング方法。
  18. 【請求項18】 前記デジタル出力信号(xn)がイメ
    ージを表すことを特徴とする請求項10乃至17のいず
    れか一項に記載のフィルタリング方法。
  19. 【請求項19】 前記変更演算が、近似関数(R)を適
    用することからなることを特徴とする請求項1乃至18
    のいずれか一項に記載のフィルタリング方法。
  20. 【請求項20】 前記近似関数(R)が識別関数である
    ことを特徴とする請求項19に記載のフィルタリング方
    法。
  21. 【請求項21】 前記近似関数(R)が、変数に最も近
    い整数を供給する実変数の関数であることを特徴とする
    請求項19に記載のフィルタリング方法。
  22. 【請求項22】 前記近似関数(R)が、変数未満の最
    初の整数を供給する実変数の関数であることを特徴とす
    る請求項19に記載のフィルタリング方法。
  23. 【請求項23】 前記近似関数(R)が、変数より大き
    い最初の整数を供給する実変数の関数であることを特徴
    とする請求項19に記載のフィルタリング方法。
  24. 【請求項24】 前記近似関数(R)が、その和が変数
    に等しいサブ変数に分解される変数の関数であり、サブ
    変数の近似値の和を供給し、サブ変数の近似値のそれぞ
    れが、変数に最も近い整数を供給する実変数の関数、変
    数未満の最初の整数を供給する実変数の関数、または変
    数より大きい最初の整数を供給する実変数の関数のいず
    れかであることを特徴とする請求項19に記載のフィル
    タリング方法。
  25. 【請求項25】 請求項1乃至24のいずれか一項に記
    載のフィルタリング方法を実施するように適応された手
    段を有することを特徴とする信号処理装置(10)。
  26. 【請求項26】 入力デジタル信号(xn)を、偶数指
    標付きサンプル(y2 n)および奇数指標付きサンプル
    (y2n+1)を含む1つまたは複数の出力デジタル信号
    (yn)に変換するように適合されたデジタル・フィル
    タリング装置であって、 − 少なくとも1つの重み付けモジュールと、 − 重み付け奇数指標付きサンプル(α0,j
    (y2n+mj))の関数(R)により偶数指標付きサンプル
    (y2n)を変更するための手段と、 − 重み付け偶数指標付きサンプル(β0,j・(y2n−y
    2n+2))の関数(R)により奇数指標付きサンプル(y
    2n+1)を変更するための手段とを有し、 前記重み付けサンプルが、前記重み付け手段によって供
    給され、前記変更手段が反復的に機能し、それによって
    偶数指標付きサンプル(y2n)を少なくとも1度変更
    し、次いで奇数指標付きサンプル(y2n+1)を少なくと
    も1度変更することを特徴とするフィルタリング装置。
  27. 【請求項27】 奇数指標付きサンプル(y2n+1)を変
    更するための前記手段が、偶数指標付きサンプル
    (y2n)を変更するための前記手段の下流側に配置され
    ることを特徴とする請求項26に記載のフィルタリング
    装置。
  28. 【請求項28】 − 第1の重み付け係数(α0,j)に
    より、現在変更されている偶数サンプルに隣接する少な
    くとも1つの奇数指標付きサンプル(y2n+m j)を重み
    付けし、それによって重み付け奇数指標付きサンプル
    (α0,j・(y2n+ mj))を得るための手段と、 − 少なくとも1つの重み付け奇数指標付きサンプル
    (α0,j・(y2n+mj))から少なくとも1つの偶数指標付
    きサンプル(y2n)を変更するための手段と、第2の重
    み付け係数(β0,j)により、現在変更されている奇数
    サンプルに隣接する偶数指標付きサンプル(y2n−y
    2n+2)を重み付けし、それによって重み付け偶数指標付
    きサンプル(β0,j・(y2n−y2n+2))を得るための手
    段と、 少なくとも1つの重み付け偶数指標付きサンプルを用い
    て少なくとも1つの奇数指標付きサンプル(y2n+1)を
    変更するための手段とを有することを特徴とする請求項
    26または27に記載のフィルタリング装置。
  29. 【請求項29】 前記第2の重み付け係数(β0,j)が
    前記第1の重み付け係数(α0,j)の関数であることを
    特徴とする請求項28に記載のフィルタリング装置。
  30. 【請求項30】 前記第2の重み付け係数(β0,j
    が、前記第1の重み付け係数(α0,j)に、 【数5】 のように依存し、上式で、α0,iが第1の重み付け係数
    を表し、β0,jが第2の重み付け係数を表し、iおよび
    jが整数であり、L0を所定の整数としたときにmjがm
    0=(−1)L0およびmj=−mj-1の反復によって定義さ
    れる値であることを特徴とする請求項29に記載のフィ
    ルタリング装置。
  31. 【請求項31】 各反復で、現在変更されている偶数サ
    ンプルに隣接する奇数指標付きサンプル(y2n+mj
    が、交互に、すぐ下(y2n-1)またはすぐ上(y2n+1
    のランクのサンプルであることを特徴とする請求項26
    乃至30のいずれか一項に記載のフィルタリング装置。
  32. 【請求項32】 第3の重み付け係数(γ)によって重
    み付けする手段を含む追加のフィルタリング手段を有す
    ることを特徴とする請求項26乃至31のいずれか一項
    に記載のフィルタリング装置。
  33. 【請求項33】 前記第3の重み付け係数(γ)が、 【数6】 で表される前記追加のフィルタリング手段の上流側で使
    用される重み付け係数の関数であり、上式で、γが前記
    第3の重み付け係数を表し、L0が所定のパラメータで
    あり、β0,L0-1が前記追加のフィルタリング手段の上流
    側で使用される重み付け係数を表すことを特徴とする請
    求項32に記載のフィルタリング装置。
  34. 【請求項34】 入力デジタル信号(xn)がイメージ
    を表すことを特徴とする請求項26乃至33のいずれか
    一項に記載のフィルタリング装置。
  35. 【請求項35】 1つまたは複数の入力デジタル信号
    (yn)を、出力信号(xn)に変換するように適合され
    たデジタル・フィルタリング装置であって、前記入力信
    号が、偶数指標付きサンプル(x2n)および奇数指標付
    きサンプル(x2n+1)を含み、 − 少なくとも1つの重み付け手段と、 − 重み付け偶数指標付きサンプル(β0,j・(x2n−x
    2n+2))の関数により奇数指標付きサンプル(x2n+1
    を変更するための手段と、 − 重み付け奇数指標付きサンプル(α0,j
    (x2n+mj))の関数(R)により偶数指標付きサンプル
    (x2n)を変更するための手段とを有し、 前記重み付けサンプルが、前記重み付け手段によって供
    給され、前記変更手段が反復的に機能し、それによって
    奇数指標付きサンプル(x2n+1)を少なくとも1度変更
    し、次いで偶数指標付きサンプル(x2n)を少なくとも
    1度変更することを特徴とするフィルタリング装置。
  36. 【請求項36】 偶数指標付きサンプル(x2n)を変更
    するための前記手段が、奇数指標付きサンプル
    (x2n+1)を変更するための前記手段の下流側に配置さ
    れることを特徴とする請求項35に記載のフィルタリン
    グ装置。
  37. 【請求項37】 − 第4の重み付け係数(β0,j)に
    より、現在変更されている奇数サンプルに隣接する偶数
    指標付きサンプル(x2n−x2n+2)を重み付けし、それ
    によって重み付け偶数指標付きサンプル(β0,j・(x2n
    −x2n+2))を得るための手段と、 − 少なくとも1つの重み付け偶数指標付きサンプル
    (β0,j・(x2n−x2n+2))を用いて少なくとも1つの
    奇数指標付きサンプル(x2n+1)を変更するための手段
    と、 − 第5の重み付け係数(α0,j)により、現在変更さ
    れている偶数サンプルに隣接する奇数指標付きサンプル
    (x2n+mj)を重み付けし、それによって重み付け奇数
    指標付きサンプル(α0,j・(x2n+mj))を得るための手
    段と、 − 少なくとも1つの重み付け奇数指標付きサンプル
    (α0,j・(x2n+mj))を用いて少なくとも1つの偶数指
    標付きサンプル(y2n)を変更するための手段とを有す
    ることを特徴とする請求項35または36に記載のフィ
    ルタリング装置。
  38. 【請求項38】 前記第4の重み付け係数(β0,j)が
    前記第5の重み付け係数(α0,j)の関数であることを
    特徴とする請求項37に記載のフィルタリング装置。
  39. 【請求項39】 前記第4の重み付け係数(β0,j
    が、前記第5の重み付け係数(α0,j)に、 【数7】 のように依存し、上式で、α0,iが前記第5の重み付け
    係数を表し、β0,jが前記第4の重み付け係数を表し、
    iおよびjが整数であり、L0を所定の整数として、mj
    がm0=(−1)L0およびmj=−mj-1の反復によって定
    義される値であることを特徴とする請求項38に記載の
    フィルタリング装置。
  40. 【請求項40】 各反復で、現在変更されている偶数サ
    ンプルに隣接する奇数指標付きサンプル(x2n+mj
    が、交互に、すぐ下(x2n-1)またはすぐ上(x2n+1
    のランクのサンプルであることを特徴とする請求項35
    乃至39のいずれか一項に記載のフィルタリング装置。
  41. 【請求項41】 第6の重み付け係数(γ)によって重
    み付けする手段を含む追加のフィルタリング手段を更に
    有することを特徴とする請求項35乃至40のいずれか
    一項に記載のフィルタリング装置。
  42. 【請求項42】 前記第6の重み付け係数(γ)が、 【数8】 のように、前記追加のフィルタリング手段の下流側で使
    用される重み付け係数の関数であり、上式で、γが第6
    の重み付け係数を表し、L0が所定のパラメータであ
    り、β0,L0-1が前記追加のフィルタリング手段の下流側
    で使用される重み付け係数を表すことを特徴とする請求
    項41に記載のフィルタリング装置。
  43. 【請求項43】 前記デジタル出力信号(xn)がイメ
    ージを表すことを特徴とする請求項35乃至42のいず
    れか一項に記載のフィルタリング装置。
  44. 【請求項44】 前記変更手段が、近似関数(R)を適
    用するための手段を有することを特徴とする請求項26
    乃至43のいずれか一項に記載のフィルタリング装置。
  45. 【請求項45】 前記近似関数(R)が識別関数である
    ことを特徴とする請求項44に記載のフィルタリング装
    置。
  46. 【請求項46】 前記近似関数(R)が、変数に最も近
    い整数を供給する実変数の関数であることを特徴とする
    請求項44に記載のフィルタリング装置。
  47. 【請求項47】 前記近似関数(R)が、変数未満の最
    初の整数を供給する実変数の関数であることを特徴とす
    る請求項44に記載のフィルタリング装置。
  48. 【請求項48】 前記近似関数(R)が、変数より大き
    い最初の整数を供給する実変数の関数であることを特徴
    とする請求項44に記載のフィルタリング装置。
  49. 【請求項49】 前記近似関数(R)が、その和が変数
    に等しいサブ変数に分解される変数の関数であり、サブ
    変数の近似値の和を供給し、サブ変数の近似値のそれぞ
    れが、変数に最も近い整数を供給する実変数の関数、変
    数未満の最初の整数を供給する実変数の関数、または変
    数より大きい最初の整数を供給する実変数の関数のいず
    れかであることを特徴とする請求項44に記載のフィル
    タリング装置。
  50. 【請求項50】 請求項26乃至49のいずれか一項に
    記載のフィルタリング装置を含むことを特徴とする信号
    処理装置。
  51. 【請求項51】 請求項26乃至49のいずれか一項に
    記載のフィルタリング装置を少なくとも2つ含む信号処
    理装置であって、フィルタリング装置のうちの1つの出
    力信号が、他方のフィルタリング装置の入力信号である
    信号処理装置。
  52. 【請求項52】 請求項25、50、および51のいず
    れか一項に記載の信号処理装置を含むことを特徴とする
    デジタル機器。
  53. 【請求項53】 請求項25、50、および51のいず
    れか一項に記載の信号処理装置を含むことを特徴とする
    デジタル写真機器。
  54. 【請求項54】 請求項1乃至24のいずれか一項に記
    載のフィルタリング方法を実施するように適応されたス
    テップを含むことを特徴とする符号化方法。
  55. 【請求項55】 少なくとも1つの請求項26乃至49
    のいずれか一項に記載のフィルタリング装置を含むこと
    を特徴とする符号化装置。
  56. 【請求項56】 請求項1乃至24のいずれか一項に記
    載のフィルタリング方法を実施するように適応されたス
    テップを含むことを特徴とするデジタル信号圧縮方法。
  57. 【請求項57】 請求項26乃至49のいずれか一項に
    記載のフィルタリング装置を少なくとも1つ含むことを
    特徴とするデジタル信号圧縮装置。
  58. 【請求項58】 コンピュータまたはマイクロプロセッ
    サによって読み込むことができ、プログラムを記憶し、
    場合によっては取外し可能な情報記憶手段であって、請
    求項1乃至24のいずれか一項に記載のフィルタリング
    方法を実施するように適応された手段を備えることを特
    徴とする情報記憶手段。
  59. 【請求項59】 請求項1乃至24のいずれか一項に記
    載のフィルタリング方法を実施するための命令のシーケ
    ンスを含むことを特徴とするコンピュータ・プログラム
    製品。
  60. 【請求項60】 入力デジタル信号を、偶数指標付きサ
    ンプルおよび奇数指標付きサンプルを有する1つまたは
    複数の出力デジタル信号に変換するように適応されたフ
    ィルタリング方法であって、 − 重み付け奇数指標付きサンプルの関数により偶数指
    標付きサンプルを変更する演算と、 − 重み付け偶数指標付きサンプルの関数により奇数指
    標付きサンプルを変更する演算とを含む少なくとも1つ
    の反復を含み、 前記重み付けサンプルが、少なくとも1つの重み付け演
    算によって得られ、 前記重み付け演算のうちの少なくとも1つが、2つの連
    続した偶数指標付きサンプルの間の差に適用されること
    を特徴とするフィルタリング方法。
  61. 【請求項61】 1つまたは複数の入力デジタル信号
    を、出力デジタル信号に変換するように適応されたフィ
    ルタリング方法であって、前記入力信号が、偶数指標付
    きサンプルおよび奇数指標付きサンプルを含み、 − 重み付け偶数指標付きサンプルの関数により奇数指
    標付きサンプルを変更する演算と、 − 重み付け奇数指標付きサンプルの関数により偶数指
    標付きサンプルを変更する演算とを含む少なくとも1つ
    の反復を含み、 前記重み付けサンプルが、少なくとも1つの重み付け演
    算によって得られ、 前記重み付け演算のうちの少なくとも1つが、2つの連
    続する偶数指標付きサンプルの間の差に適用されること
    を特徴とするフィルタリング方法。
  62. 【請求項62】 入力デジタル信号を、偶数指標付きサ
    ンプルおよび奇数指標付きサンプルを含む1つまたは複
    数の出力デジタル信号に変換するように適合されたデジ
    タル・フィルタリング装置であって、 − 少なくとも1つの重み付けモジュールと、 − 重み付け奇数指標付きサンプルの関数により偶数指
    標付きサンプルを変更するための手段と、 − 重み付け偶数指標付きサンプルの関数により奇数指
    標付きサンプルを変更するための手段とを有し、 前記重み付けサンプルが、前記重み付け手段によって供
    給され、前記変更手段が反復的に機能し、それによって
    偶数指標付きサンプルを少なくとも1度変更し、次いで
    奇数指標付きサンプルを少なくとも1度変更し、 前記重み付け手段のうちの少なくとも1つが、2つの連
    続した偶数指標付きサンプルの間の差を入力として受け
    取ることを特徴とするフィルタリング装置。
  63. 【請求項63】 1つまたは複数の入力デジタル信号
    を、出力信号に変換するように適合されたデジタル・フ
    ィルタリング装置であって、前記入力信号が、偶数指標
    付きサンプルおよび奇数指標付きサンプルを含み、 − 少なくとも1つの重み付け手段と、 − 重み付け偶数指標付きサンプルの関数により奇数指
    標付きサンプルを変更するための手段と、 − 重み付け奇数指標付きサンプルの関数により偶数指
    標付きサンプルを変更するための手段とを有し、 前記重み付けサンプルが、前記重み付け手段によって供
    給され、前記変更手段が反復的に機能し、それによって
    奇数指標付きサンプルを少なくとも1度変更し、次いで
    偶数指標付きサンプルを少なくとも1度変更し、 前記重み付け手段のうちの少なくとも1つが、2つの連
    続した偶数指標付きサンプルの間の差を入力として受け
    取ることを特徴とするフィルタリング装置。
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