JP2002236275A - 光制御装置 - Google Patents

光制御装置

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JP2002236275A
JP2002236275A JP2001034513A JP2001034513A JP2002236275A JP 2002236275 A JP2002236275 A JP 2002236275A JP 2001034513 A JP2001034513 A JP 2001034513A JP 2001034513 A JP2001034513 A JP 2001034513A JP 2002236275 A JP2002236275 A JP 2002236275A
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electrode
light
electro
optical
substrate
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JP2001034513A
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English (en)
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Toru Oikawa
亨 及川
Osamu Shinoura
治 篠浦
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡易な構造で製造が容易であり小型化も可能な
構造でかつ、低い半波長電圧により動作が可能な光シャ
ッタを提供する。 【解決手段】透明電気光学効果素子の光が入射する面お
よびその対向する面に形成された平面電極を有する光制
御装置において電場の方向が光路に対して傾斜している
ように電場を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気光学効果を利
用した光制御装置、特に光シャッタおよびそれを複数個
配置した光シャッタアレイに関するものであり、カメラ
のシャッタおよび光プリンタ、複写機などの光応用機器
で用いられる。
【0002】
【従来の技術】電気光学効果を有する物質に電場を印加
すると電場に比例(ポッケルス効果)、または電場の2
乗に比例(カー効果)した複屈折が生じる。光がこの物
質に入射すると偏光面の回転が生じる。このような電気
光学効果を用いた光制御装置は電気光学素子と電極とい
う単純な構成で機能できること、可動部分が無いために
信頼性が高いという特徴があった。さらに、従来の液晶
を用いた光制御装置ではスイッチング速度が遅いためデ
ータ転送速度が遅くならざるを得ない欠点を有してお
り、それに対して電気光学素子を用いた光制御装置では
応答速度が速いことなどの優れた特徴を有する。これら
の特徴を持つことから電気光学素子を用いた光制御装置
が提案されており、特に互いに偏光面が直交する直交ニ
コルの関係に組み合わせた偏光子と検光子の間に電気光
学素子を配置し、電場によって光透過量を制御するよう
にした光シャッタ、さらにこのような光シャッタを複数
個配置し、それぞれ独立に制御できるようにした光シャ
ッタアレイが実用化されている。
【0003】特にカー定数が大きく、他の電気光学効果
を有する物質に比べて低い電圧で使用可能な透明セラミ
クスPLZTを用いた光シャッタについては多く応用が
期待されており、これまでに戦闘機のパイロット用ある
いは溶接用の閃光ゴーグルや立体映像表示用の偏光ゴー
グルなどとして実用化されている。さらには液晶光シャ
ッタや可動式ミラーに比べて1000倍に達するPLZ
T光シャッタの高速応答の特徴を利用した、高速印刷可
能な光プリンタヘッドが実用化されている。
【0004】電気光学効果を用いた光シャッタにおいて
は、電気光学素子に共通電極および駆動電極を設け、電
極間に電圧を印加しない状態で光透過量が最小になるよ
うにし、電圧を印加していくと偏光面の回転により光透
過量が大きくなるように制御される。また、通常、この
ような光シャッタは偏光面の回転角が90度となりもっ
とも高い光透過量が得られる電圧で駆動させる。この電
圧は複屈折による偏光間の位相差が180度、すなわち
光学長差が波長の1/2であることから半波長電圧と呼
ばれる。また、半波長電圧には透過光の波長と電気光学
効果を有する材料固有の屈折率とカー定数、光路長、さ
らには電極の構造が寄与する。これらの光シャッタにお
いて、電気光学素子に電圧を印加するための電極構造と
して平面電極、溝型電極、積層電極が知られている。
【0005】平面電極は、電気光学素子基板の片面ある
いは両面に電極を構成したものである。例えば、特開平
3−288819号公報、セラミックス 26巻139
ページ、1991年発行ではPLZT基板表面に、電極
パターンを形成したものが開示されている。これらの文
献においては半波長電圧を小さくするために基板両面に
平面電極を形成したものも開示され、さらには櫛形電極
構造として電極間距離を有効的に小さくすることで印加
電圧に対して効果的な電場を得る構造も開示されてい
る。これらに開示された光シャッタでは基板の片面内に
電位の異なる電極が交互に配置されるため電場の方向は
基板面内方向となる。また、基板両面に平面電極を備え
た場合でも、各平面内に電位の異なる電極を有するため
電場は片面の場合と同様に基板面内に印加される。
【0006】このように同一平面内に電位の異なる平面
電極を配置した場合、電場は基板面内に印加されるが、
電場は基板表面付近に集中し基板深さ方向で急激に小さ
くなる。従って、基板表面付近部分のみが複屈折に寄与
し、有効な厚さは実際の基板厚さより小さくなる。その
結果、半波長電圧は高くなり、電気光学効果物質のなか
でもPLZTを用いた場合であっても数100Vと高い
電圧を必要としていた。
【0007】このような平面電極では、電極幅をw、電
極ギャップをg、その和g+wで表される電極ピッチを
pとした場合、光透過率は幾何学的に決まるg/pで表
され、高い光透過率を得るためにはピッチに対して電極
幅の割合を小さくする必要がある。一方、電極幅wを小
さくすると電場の厚さ方向への侵入が小さくなり、急激
に半波長電圧が大きくなる。そのため、例えば特開平3
−288819号公報に開示されているようにwを50
μm以下とすることは実用上困難であった。従って、光
透過率を高くするには電極ギャップgを大きくせざるを
得ず、その結果、半波長電圧が大きくならざるを得なか
った。さらに、実用的な光透過率0.5以上とするため
にはピッチは100μm以上となり、素子を小型化がで
きないという問題があった。
【0008】特開平6−250134号公報にはPLZ
T透明セラミックスの表裏両面に櫛形の透明電極を、表
面と裏面で互いに櫛形部分の電極部と電極間部が重なる
ように配置する様に設けることで、電極部分による遮光
をなくしシャッタの光透過率を低下させない事を特徴と
するPLZT光シャッタが開示されている。この光シャ
ッタでは電極を透明電極とし、表面と裏面で互いに電極
部と電極間部が重なるように配置することで電極による
遮光をなくし光透過率を低下させない事を特徴とする。
しかし、この光シャッタにおいても従来の金属平面電極
を用いた光シャッタと同様に同一平面内に電位を正およ
び負とする櫛形電極を交互になるように配置される。従
って、電場は基板面内に印加され、電場は基板表面付近
に集中する。このため、金属平面電極を用いた従来の光
シャッタと同様に半波長電圧が大きくなるという問題が
あった。また、透明電極は金属電極に比べて膜形成に要
する時間が長くかかり、生産性に劣るという欠点があ
る。
【0009】溝型電極は例えば特公平7−31315号
公報に開示されるように基板にダイシングソーなどで溝
を作製し、溝に導電体を埋め込む、あるいは溝に金属膜
を蒸着して電極としたもので、電場は基板面内方向に印
加される。溝型電極は基板の側面方向(=面内方向)か
ら電場が印加されるため、溝の深さ以内では基板の厚さ
方向に対してほぼ均一に電場が加わるため、有効な光路
長は溝を深くするほど大きくでき、半波長電圧を低い電
圧にすることができる。しかし、ダイシングソーなどで
溝を入れ溝内に電極を形成するため、溝加工時の基板の
欠けや歪みによる歩留まり低下の問題や、溝加工精度に
より素子の小型化が制限されるため、小型アレイ化でき
ないという問題がある。
【0010】積層電極は例えばJpn.J.Appl.Phys. Vol.3
6,pp.2709 (1997)に開示されているようにPLZT基板
と電極を交互に積層した構造であり、電極間距離を小さ
くすることで大きな電場を得るものである。しかし、積
層電極は電気光学効果素子層と金属電極層を交互に積層
後焼結する必要があり、工程が複雑になることのみなら
ず、電気光学効果素子層を100μm以下とすることは
困難である。
【0011】電気光学効果は光路に対して直交する方向
の電場により複屈折を生じる横電気光学効果と光路に対
して平行な方向の電場により複屈折を生じる縦電気光学
効果が知られている。しかし、最適化された組成の立方
晶系PLZTにおける横電気光学効果(カー効果)が電
気光学効果として最大の複屈折変化を示すことから、こ
の組成のPLZTの電気光学素子を用いることが一般的
である。上述した従来の光シャッタはいずれもPLZT
の横電気光学効果を利用したものである。
【0012】特開平5−224165号公報にはPLZ
Tの光の入射面に透明電極、他方の面に電極および反射
膜を備え、光路と平行な基板の厚さ方向に電場を印加す
る縦電気光学効果を利用した光変調器が開示されてい
る。この構造では電圧が基板の表裏に加わるため、基板
深さ方向での電場の減衰は生じない。また、同公報では
基板裏面に反射膜を設け、光を基板内で往復させること
で有効光路長を大きくし、半波長電圧が低下できること
が開示されている。しかし、縦電気光学効果を利用して
いるため上述したように大きな複屈折変化を得ることは
できず半波長電圧は高くならざるを得ない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように種々従
来の光シャッタが提案されているが、製造が容易であり
小型化も可能な構造でかつ、低い半波長電圧により動作
が可能な光シャッタは実現されていなかった。
【0014】すなわち、同一面内に電位の異なる電極を
交互に配置した平面電極を用いた場合において電場が基
板表面付近に集中し、その結果、半波長電圧が高くなる
という問題があった。また、平面電極を用いた場合にお
いては電極幅を小さくすることに制限があり、このた
め、半波長電圧の増加、また素子の小型化ができないと
いう問題があった。また、平面電極を透明電極とした場
合、生産性に劣るという問題があった。溝型電極構造を
用いた場合、溝加工工程に歩留まり低下の問題、溝加工
精度による素子小型化が制限され、小型アレー化できな
いという問題、積層電極を用いた場合、工程が複雑にな
るという問題と電気光学効果素子層を100μm以下と
することは困難であるという問題があった。このように
従来公知の電極構造のPLZT光シャッタを用いた空間
光変調器では、1素子当たりのサイズが大きく、そのサ
イズを微細化することは困難であった。
【0015】また、縦電気光学効果を用いた場合、複屈
折変化が小さく半波長電圧が高くならざるを得ないとい
う問題があった。
【0016】
【問題を解決するための手段】上記のような課題は以下
の(1)乃至(8)のいずれかの本発明により解決され
る。 (1)透明横電気光学効果素子と前記透明横電気光学効
果素子の光が入射する面およびその対向する面に形成さ
れた平面電極を有する光制御装置であって、電場は前記
透明横電気光学効果素子の厚さ方向に印加されることを
特徴とする光制御装置。 (2)透明電気光学効果素子と前記透明電気光学効果素
子の光が入射する面およびその対向する面に形成された
平面電極を有する光制御装置であって、電場は前記透明
電気光学効果素子の厚さ方向に印加され、かつ、光路に
対して傾斜していることを特徴とする光制御装置。 (3)前記光が入射する面およびその対向する面の少な
くとも一方に形成された平面電極が全面にわたり等電位
であることを特徴とする(1)または(2)に記載の光
制御装置。 (4)前記透明電気光学効果素子がPLZTであること
を特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の光制
御装置。 (5)前記光が入射する面およびその対向する面に形成
された平面電極の少なくとも一方の電極が金属膜である
ことを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の
光制御装置。 (6)電極幅wは電極ピッチpに対してw<0.1pで
あることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記
載の光制御装置。 (7)前記光が入射する面に対向する面に反射膜を有す
ることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載
の光制御装置。 (8)前記光が入射する面およびその対向する面の少な
くとも一方に形成された平面電極が全面にわたり等電位
であり、かつ、他方の平面電極は独立に電位を制御でき
ることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載
の光制御装置。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の光シャッタは、電気光学
効果を有するPLZT等の基板の表裏両面に平面電極を
備え、一方の面に形成される電極を等電位とする共通電
極、他方の面に形成される電極を等電位とする駆動電
極、あるいは個別に制御される駆動電極として基板の厚
さ方向に電圧を印加する。
【0018】本発明では横電気光学効果を利用する。こ
のため、有効な電場の成分は光路に対して垂直な基板面
内方向成分であり、電場は光路に対して斜めに印加され
る。この構成によって基板の厚さ方向での電場の減衰を
なくし複屈折に有効な厚さを基板厚さとし、半波長電圧
を低下させることができる。
【0019】また、本発明の他の光シャッタは、光入射
基板面と対向する面に反射膜を設け、光を基板内で反射
往復させ、有効的な光路長を基板の厚さの2倍とするこ
とにより半波長電圧をさらに低下させることを可能とす
る。さらに、これらの本発明の光シャッタを複数個組み
合わせ、それぞれを独立に制御することによって、小型
で半波長電圧の低い光シャッタアレイを提供することが
できる。
【0020】このような本発明の光制御装置は、高速か
つ微細化に適していることから、特にホログラムを用い
た情報の記録再生や光コンピューティングの際の、空間
光変調器として用いることが可能である。
【0021】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照して説明する。
【0022】[第1の実施の形態]図1は本発明による
光シャッタ(透過型)を示す。平行平面を有する透明電
気光学素子基板11の両面に平面電極12,13が形成
され、その間に電圧を印加する。偏光子14、検光子1
5は偏光面がそれぞれ電極と45度の角度を持ち、か
つ、偏光子、検光子間で偏光面は互いに直交するように
配置される。平面電極12,13はそれぞれ櫛形電極構
造であり同一面内の電極は等電位となっており、2つの
電極間の電圧の印加の有無により検光子を透過する光を
制御するものである。透明電気光学素子の材料は特に制
限はないが、大きなカー効果を持つPLZTが好まし
い。PLZTは圧電性セラミックスであるPZTのPb
をLaで置換し透明化したものであり、一般に組成式
[Pb1-xLax(ZryTi1-y1-x/43]で記述され
る。好ましいPLZT組成はPbに対するLaの置換組
成量が9%(x=0.09)、Zrに対するTiの対モ
ル組成比は65:35(y=0.65)である。また、
PLZTにおいては一般にLa、Zr、Tiの組成をL
a/Zr/Tiと表記し、例えば9/65/35は上記
の組成であることを意味する。PLZTは9/65/3
5の組成において横電気光学効果(横カー効果)が最大
となる。
【0023】また、PLZT基板の厚さは好ましくは
0.01乃至2mmであり、より好ましくは0.1乃至
0.5mmである。0.1mmよりも薄い厚さとするこ
とは加工が困難であり、製造コストを高める要因とな
る。0.5mmよりも厚くすることは製造コストを高め
る要因となる。但し、0.01乃至2mmであっても実
用上許容できる。PLZTはホットプレスにより製造し
た後、所望の厚さに研磨加工しても良いし、スパッタ法
など薄膜形成プロセスにより形成しても良い。
【0024】電極は電気伝導率の高い物質であればよ
く、金属電極または透明電極として金属酸化物電極を用
いることができるが、生産性の見地から金属電極が好ま
しい。具体的にはCu,Al,Au,Agなどの金属蒸
着膜を用いることができる。また、電極構造は短冊状で
もよいが図1に示すように櫛形電極とすることもでき
る。このように電極を櫛形構造とすることで光が透過す
るシャッタの面積が大きい場合であっても有効に電圧を
印加でき半波長電圧を小さくすることができる。
【0025】本発明は基板の両面に平面電極があるた
め、電極幅をw、電極ギャップをg、その和g+wで表
される電極ピッチをpとした場合、光透過率は幾何学的
に決まる(p−2w)/pで表される。このため、高い
光透過率を得るためにはピッチに対して電極幅の割合を
小さくする必要がある。電極幅wは電極ピッチpに対し
てw<0.1pであることが好ましい。この範囲である
と80%以上の高い光透過率が得られる。
【0026】本発明では電極幅によらず基板厚さを有効
光路長にできるので、電極幅を小さくすることが可能で
あり、厚さ方向での電場の減衰がなく、電極幅を小さく
した場合であっても半波長電圧が上昇することはない。
このため、高い光透過率を得ることができる。
【0027】電極幅は好ましくは0.1乃至100μ
m、より好ましくは1乃至60μmである。1μm未満
では電極抵抗が大きくなり電極先端までに電圧降下が生
じ、60μmよりも大きい場合は電極幅とピッチの関係
により光透過率が低下する。但し、0.1乃至100μ
mであっても実用上許容できる。
【0028】また、電極ピッチは、好ましくは1乃至1
000μm、より好ましくは10乃至600μmであ
る。10μm未満では基板面内の有効電場成分が減少す
るため半波長電圧が増加する。600μmよりも大きい
場合、電極ギャップが大きくなるため半波長電圧が増加
する。但し、1乃至1000μmであっても実用上許容
できる。
【0029】基板厚さは前述の工程上の制限を考慮して
選択される。さらに、基板厚dに対してピッチpは、p
≧0.5×dとするのが好ましい。それよりも小さいピ
ッチでは基板面内の有効電場成分が減少し、半波長電圧
が増加する。
【0030】図2は本発明の光シャッタの断面図であ
る。偏光子24を透過した光は透明電気光学素子21に
垂直に入射する。カー効果に有効な電場の成分は光に垂
直な方向成分であり、電場は基板の厚さ方向、かつ、光
路に対して傾斜している方向に印加される。従って、電
気光学素子の両面に配置される電極22、23の相対位
置は基板に対して対称の位置からずらした斜め方向とす
ることが好ましい。
【0031】電極間に電圧が印加されていない場合(図
2a)、光は偏光子と検光子25により遮光される。電
極間に電圧が印加されると(図2b)電気光学素子の複
屈折により光はその偏光面が回転され検光子を透過す
る。
【0032】図5に従来の平面電極を有する光シャッタ
を示す。この構成では直交ニコルの関係にある偏光子5
4と検光子55の間に電気光学素子基板51が配置さ
れ、表裏両面に電位を正とする電極52、負とする電極
53が交互に構成される。すなわち、同一の面内に電位
を正および負とする電極が併存する。
【0033】ここに示した従来の光シャッタでは基板の
面方向に電圧が印加される。そのため電場は基板表面付
近に集中し、基板表面付近部分のみが複屈折に寄与し、
有効な厚さは実際の基板厚さより小さくなる。従って、
半波長電圧は高い電圧となる。また、両面に電極を構成
した場合であっても基板全体に複屈折を生じておらず、
片面のみに電極を形成した光シャッタに比べて半波長電
圧は低下させることは可能であるがその効果は十分では
ない。
【0034】それに対して、本発明では電圧は基板の厚
さ方向に印加される。従って、電場は基板の厚さ方向
に、かつ、光路に対して傾斜している方向に印加される
ため基板の厚さ方向全体で複屈折を生じ、有効な厚さを
実際の基板厚さとさせることができる。その結果、半波
長電圧を低下させることができる。
【0035】[第2の実施の形態]図3に本発明による
他の光シャッタ(反射型)の例を示す。この光シャッタ
では電気光学素子基板31の入射面に電極32とそれと
対向する面に電極33と反射膜36を有する。また、こ
の光シャッタでは入射と反射の光路が空間的に重なるた
め、PBS(偏光ビームスプリッタ)37を用いる。
【0036】電気光学素子、電極は前述した図1に示し
た光シャッタと同様の材質、形成方法を用いればよい。
反射膜は、光反射率の高い材質ならば制限はなく、C
u,Al,Au,Agなどの金属膜、もしくは誘電体多
層膜を用いることができ、形成方法は電極膜と同様に蒸
着などの方法にによればよい。また、反射膜は直接電気
光学基板に蒸着してもよいが、貼り合わせ、もしくは接
して配置させてもよい。また、反射膜は電極とは独立し
て電極の間に配置しても良いが電極を反射膜として電極
自体を反射膜としても良い。
【0037】この光シャッタでは入射光はPBSをp偏
光として透過してPLZT基板に入射する。PLZT基
板を往復した光は再度PBSに入射し、出力光はs偏光
として取り出される。すなわちPBSにより入射光と出
力光の関係は直交ニコルの関係となる。電圧が印加され
ないときは偏光面の回転角がないので出力光は最小であ
り、電圧が印加されると偏光面の回転により出力光が増
加する。偏光面の回転が90度となる半波長電圧におい
て出力光は最大となる。
【0038】この光シャッタでは入射光は反射膜で反射
し、基板を往復するため有効光路長が基板の厚さの2倍
となるため半波長電圧は図1に示した透過型の光シャッ
タに比べ1/√2(70.7%)とすることができる。
【0039】[第3の実施の形態]図4に、第1の実施
の形態で示した光シャッタを複数個組み合わせ、個々の
素子を個別に制御できるようにした本発明による光シャ
ッタアレイを示す。透明電気光学素子基板41の両面に
平面電極42,43が形成され、その間に電圧を印加す
る。偏光子44、検光子45は偏光面がそれぞれ電極と
45度の角度を持ち、かつ、偏光子、検光子間で偏光面
は互いに直交するように配置される。個々の素子の電極
を櫛形電極とすることも可能である。電極を櫛形電極と
することにより半波長電圧を小さくすることができる。
図4では光プリンタなどで用いられる1次元的に素子を
配列させたアレイを示すが、2次元的に配列させること
も可能である。図4では出射側に構成した電極を等電位
となる共通電極、入射側に構成した電極を駆動電極とし
て独立に制御できる場合を示すが、逆であってもかまわ
ない。また、同様に第2の実施の形態で示した反射膜を
有する光シャッタをアレイ化させることもできる。その
場合は上述した透過型光シャッタに比べ半波長電圧を1/
√2に低下させることができる。
【0040】
【実施例】実施例により本発明を詳細に説明する。
【0041】(実施例1)ホットプレス法で作製した厚
さ200μmの9/65/35の組成を有する立方晶系
PLZT基板の入射面とその裏面の両面に櫛形電極を形
成した。
【0042】櫛歯数を電極あたり10とし、種々の電極
ギャップと電極幅の電極を形成した。ここで電極ギャッ
プとは同一平面内に隣接した2つの電極(櫛歯)の間隔
を指す。電極ピッチは電極幅と電極ギャップの和で表さ
れる。電極は厚さ2μmのAl膜をDCスパッタ法で形
成した後、フォトリソグラフイ―によりパターニングを
行った。また、入射面とその裏側電極は電極ギャップと
電極幅を同一として電極の幅方向の中心と裏面の電極ギ
ャップの中心とを一致させるように配置した。PLZT
基板に電極を形成した後、市販の偏光子、検光子を電極
と45度の角度を持ち、かつ、それぞれが直交ニコルの
関係となるように配置し、PLZT基板の両面の電極間
に電位差を与えて実施例1の光シャッタとした。
【0043】比較のため実施例1と同じ組成、厚さのP
LZT基板の両面に電位を正および負とする櫛形電極を
形成した。その際、正と負の電極ギャップと電極幅を実
施例1の電極ギャップ、電極幅と同様として表裏の電極
ギャップが入射光に対して重なるように形成した。さら
に市販の偏光子、検光子を電極と45度の角度を持ち、
かつ、それぞれが直交ニコルの関係となるように配置し
比較例の光シャッタとした。
【0044】実施例1と比較例ともに偏光子から波長6
33nmのHe−Neレーザー入射させ、立ち上がり1
00nsecのパルス電圧を印加し、フォトダイオード
により光透過率を測定した。半波長電圧は最も高い光透
過率が得られるときのパルス電圧で定義した。図6、表
1に電極幅に対する半波長電圧の評価結果を示す。
【0045】
【表1】
【0046】比較例においては電極幅が小さくなるにと
もなって急激に半波長電圧が増大するが本発明によれば
半波長電圧を増加させることなく電極幅を小さくするこ
とが可能である。有効厚さを基板厚さとすることによ
り、半波長電圧の値も小さくなっている。従って本発明
によれば、ピッチが小さく小型であり、低い半波長電圧
で動作可能なの光シャッタを透過率を下げることなく提
供することができる。また、本発明の光シャッタの立ち
上がり時間は5〜20μsecであり、PLZTの特徴で
ある高速応答が確認された。
【0047】(実施例2)ホットプレス法で作製した厚
さ200μmの9/65/35の組成を有する立方晶系
PLZT基板の両面に櫛形電極および片面に反射膜を形
成した。
【0048】櫛歯数を電極あたり10とし、種々の電極
ギャップと電極幅の素子を作製した。裏側電極の中心は
表側電極ギャップの中心と一致させるように電極を配置
した。電極および反射膜は厚さ2μmのAl膜をDCス
パッタ法で形成した後、フォトリソグラフイ―によりパ
ターニングを行い作製した。反射膜と電極間には5μm
の間隔を設け、反射膜に電圧は印加されないようにし
た。電極、反射膜を形成したPZT基板と市販のPBS
を組み合わせ実施例2の光シャッタとした。実施例1と
同様の方法により半波長電圧を評価した。表2に電極幅
に対する半波長電圧の評価結果を示す。
【0049】
【表2】
【0050】本実施例によれば、実施例1の透過型光シ
ャッタに比べて半波長電圧をおよそ70%に低下するこ
とができる。また、光透過率の立ち上がり時間は透過型
と同様であった。
【0051】(実施例3)ホットプレス法で作製した厚
さ200μmの9/65/35の組成を有する立方晶系
PLZT基板の片面に共通電極として櫛形電極とその裏
面に駆動電極として独立した電極を形成した。
【0052】電極ピッチを170μm、電極幅を10μ
mとして電極幅の素子を作製した。裏側電極の中心は表
側電極ギャップの中心と一致させるように電極を配置し
た。電極は厚さ2μmのAl膜をDCスパッタ法で形成
した後、フォトリソグラフイ―によりパターニングを行
い作製した。市販の偏光子、検光子を電極と45度の角
度を持ち、かつ、それぞれが直交ニコルの関係となるよ
うに配置し実施例3の光シャッタアレイとした。
【0053】基板表側の電極は10個の駆動電極とし、
個々の電極にそれぞれ独立した制御電源を接続した。本
実施例による光シャッタアレイの半波長電圧は90Vで
あり実施例1と同様に低い半波長電圧により動作するこ
とができた。また、実施例2に示した反射膜を有する光
シャッタを積層し光シャッタアレイとすることも可能で
あり、実施例2と同様にさらに低い半波長電圧により動
作することは自明である。
【0054】さらに本発明では半波長電圧を増加させる
ことなく電極幅を小さくすることで光透過率の高い小型
の光シャッタアレイが提供できることは明らかである。
また、本実施例では1次元的にアレイ化した例を示した
が、同様に2次元に配置したアレイとすることも可能で
あり、この場合、小型で半波長電圧の小さい、かつ光透
過率の高い2次元光シャッタアレイが提供できる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば簡易
な構造で製造が容易であり小型化も可能な構造で高い光
透過率を有し、かつ低い半波長電圧により動作が可能な
光シャッタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光シャッタの構成を示す図である。
【図2】本発明の光シャッタの構成を示す図である。
【図3】本発明の光シャッタの構成を示す図である。
【図4】本発明の光シャッタアレイの構成を示す図であ
る。
【図5】従来の光シャッタの構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例および比較例の電極幅に対する
半波長電圧を示す図である。
【符号の説明】
11 電気光学素子基板 12 電極 13 電極 14 偏光子 15 検光子 21 電気光学素子基板 22 電極 23 電極 24 偏光子 25 検光子 31 電気光学素子基板 32 電極 33 電極 34 偏光子 35 検光子 36 反射膜 37 PBS 41 電気光学素子基板 42 電極 43 電極 44 偏光子 55 検光子 51 電気光学素子基板 52 電極 53 電極 54 偏光子 55 検光子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明横電気光学効果素子と前記透明横電
    気光学効果素子の光が入射する面およびその対向する面
    に形成された平面電極を有する光制御装置であって、電
    場は前記透明横電気光学効果素子の厚さ方向に印加され
    ることを特徴とする光制御装置。
  2. 【請求項2】 透明電気光学効果素子と前記透明電気光
    学効果素子の光が入射する面およびその対向する面に形
    成された平面電極を有する光制御装置であって、電場は
    前記透明電気光学効果素子の厚さ方向に印加され、か
    つ、光路に対して傾斜していることを特徴とする光制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記光が入射する面およびその対向する
    面に形成された平面電極の少なくとも 一方が全面に
    わたり等電位であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の光制御装置。
  4. 【請求項4】 前記透明電気光学効果素子がPLZTで
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の光制御装置。
  5. 【請求項5】 前記光が入射する面およびその対向する
    面に形成された平面電極の少なくとも一方の電極が金属
    膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
    記載の光制御装置。
  6. 【請求項6】 電極幅をw、電極ギャップをg、電極ピ
    ッチをp(=w+g)とするとき、w<0.1pである
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光
    制御装置。
  7. 【請求項7】前記光が入射する面に対向する面に反射膜
    を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに
    記載の光制御装置。
  8. 【請求項8】前記光が入射する面およびその対向する面
    の少なくとも一方に形成された平面電極が全面にわたり
    等電位であり、かつ、他方の平面電極は独立に電位を制
    御できることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに
    記載の光制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004111717A1 (ja) * 2003-06-13 2004-12-23 Nippon Telegraph And Telephone Corporation 波長可変光フィルタ

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