JP2002234893A - 3−(2−置換−ビニル)−セファロスポリンのz異性体の選択的な製造方法 - Google Patents

3−(2−置換−ビニル)−セファロスポリンのz異性体の選択的な製造方法

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JP2002234893A
JP2002234893A JP2001034673A JP2001034673A JP2002234893A JP 2002234893 A JP2002234893 A JP 2002234893A JP 2001034673 A JP2001034673 A JP 2001034673A JP 2001034673 A JP2001034673 A JP 2001034673A JP 2002234893 A JP2002234893 A JP 2002234893A
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Tadashi Ishiyama
忠司 石山
Sachiko Miyamoto
幸子 宮本
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】3位にZ配置でビニル置換基を有するセファロ
スポリン抗生物質中間体の製造において、Z異性体を選
択的に且つ安価に製造する方法を提供する。 【解決手段】 一般式 (IV)で表される化合物の製造に
おいて、塩素化炭化水素溶剤中で5℃以下の温度で反応
を行うことにより、Z異性体を選択的に且つ安価に製造
できる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2-(4-置換または
非置換-チアゾール-5-イル)ビニル基を3位置換基とし
て有するセファロスポリン抗生物質のZ異性体(シス異
性体)、または該セファロスポリン抗生物質の合成用に
中間体として利用できる7-アミノ-3-[2-(4-置換または
非置換-チアゾール-5-イル)ビニル]-3-セフェム-4-カル
ボン酸あるいはこれの保護誘導体のZ異性体(シス異性
体)を選択的に且つ安価に製造する新規な方法に関す
る。また、本発明は、7-[2-(2-アミノチアゾール-4-イ
ル)-2-アルコキシイミノアセトアミド]-3-[2-(4-置換ま
たは非置換-チアゾール-5-イル)ビニル]-3-セフェム-4-
カルボン酸あるいはこれの保護誘導体のZ異性体(シス
異性体)を効率よく且つ簡便に製造する新規な方法にも
関する。
【0002】
【従来の技術】特公平3-64503号(日本特許第1698887
号)、米国特許第4839350号または欧州特許第0175610号
の明細書には、次式 (A)
【化11】 で表される7-[2-メトキシイミノ-2-(2-アミノチアゾー
ル-4-イル)アセトアミド]-3-[2-(4-メチルチアゾール-5
-イル)ビニル]-3-セフェム-4-カルボン酸(シン異性
体、シス異性体)が記載され、この化合物はセフジトレ
ン(Cefditoren)と言われる優れたセファロスポリン抗
生物質である。グラム陰性菌に対するセフジトレンの優
れた抗菌活性は、セフジトレン分子の3位ビニル基の炭
素−炭素2重結合に対してセフェム環と4-メチルチアゾ
ール-5-イル基がシス配位で結合しているZ配置をセフ
ジトレンが有することに関係している。
【0003】上記のセフジトレンの4位カルボキシル基
をピバロイルオキシメチル基でエステル化して導かれる
7-[2-メトキシイミノ-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)
アセトアミド]-3-[2-(4-メチルチアゾール-5-イル)ビニ
ル]-3-セフェム-4-カルボン酸ピバロイルオキシメチル
エステル(シン異性体、シス異性体)は次式 (B)
【化12】 で表され、セフジトレンピボキシル(Cefditoren pivox
yl)の一般名で知られるプロドラッグである(メルク・
インデックス、12版、317頁参照)。一般に、3-(2-置換
-ビニル)-セファロスポリン抗生物質においては、それ
のZ異性体(シス異性体)がE異性体(トランス異性
体)よりも抗生物質の諸特性について優れていることが
知られる。
【0004】セフジトレンを含めて、上記の3-(2-置換-
ビニル)-セファロスポリン抗生物質またはこれの合成用
中間体は、種々の方法で製造できる。これらの製造方法
の一つに、Wittig反応を用いる方法がある。先願特許で
あるWO98/58932の明細書では、次式 (I)
【化13】 [式中、R1、R2、R3およびR4は前記と同じ意味をも
つ]の化合物と4-置換または非置換-チアゾール-5-カル
ボアルデヒドとを、塩素化炭化水素溶剤と低級アルコー
ルとよりなる混合溶剤中で5℃以下の低温で反応させる
ことから成る方法によって、次の一般式 (IV)
【化14】 [式中、R1、R2およびR3ならびにR8は前記と同じ意
味をもつ]で表される7-N-非置換または置換-アミノ-3-
[2-(4-置換または非置換-チアゾール-5-イル)ビニル]-3
-セフェム-4-カルボン酸またはそのエステルのZ異性体
を選択的に且つ高収率に製造する方法が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】Wittig反応を塩素化炭
化水素溶剤と低級アルコールとよりなる混合溶剤中で5
℃以下の低温で反応させることから成る方法は、Z異性
体を選択的に且つ高収率で得る製造方法であるが、混合
溶剤であることから、使用後の溶剤回収効率が悪いなど
の問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、3-(2-置
換-ビニル)-セファロスポリンの安価な新しい製造法を
提供する目的で、Wittig反応に用いる反応溶媒、温度な
どの条件を鋭意検討した。その結果、塩素化炭化水素溶
剤(例えば、安定化剤としてアミレンを添加したクロロ
ホルムなど)を用い、反応温度を5℃以下、好ましくは
−5℃以下としたとき、混合溶剤にすることなく、Z異
性体を選択的に且つ安価に得ることができることを見い
だした。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに
至った。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、次の一般式
(I)
【化15】 [式中、R1は水素原子または1価のアミノ保護基を表す
か、あるいは次式 (II)
【化16】 (式中、R5は水素原子または1価のアミノ保護基であ
り且つR6は水素原子であり、もしくはR5とR6とは共
同して1個の2価のアミノ保護基を示し、R7は炭素数1
〜4のアルキル基である)で示される2-(2-N-保護-アミ
ノチアゾール-4-イル)-2-アルコキシイミノアセチル基
を表し、またR2は水素原子を表し、もしくはR1とR2
とは共同して1個の2価のアミノ保護基を表し、さらに
3は水素原子、ピバロイルオキシメチル基またはカル
ボキシル保護基としてのエステル形成基を表し、そして
4は炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を示す]
で表される7-N-非置換または置換-アミノ-3-[(トリ置
換ホスホラニリデン)メチル]-3-セフェム-4-カルボン
酸またはそのエステル、もしくは次の一般式 (I')
【化17】 [式中、R1、R2、R3およびR4は前記と同じ意味をも
つ]で表される化合物と、次式 (III)
【化18】 (式中、R8は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ト
リフルオロメチル基またはクロロ基を示す)で表される
4-置換または非置換-チアゾール-5-カルボアルデヒドと
を、塩素化炭化水素溶剤中で5℃〜−50℃の温度で反応
させることから成ることを特徴とする、次の一般式 (I
V)
【化19】 [式中、R1、R2およびR3ならびにR8は前記と同じ意
味をもつ]で表される7-N-非置換または置換-アミノ-3-
[2-(4-置換または非置換-チアゾール-5-イル)ビニル]-3
-セフェム-4-カルボン酸またはそのエステルのZ異性体
の選択的で且つ安価な製造方法が提供される。
【0008】この方法は、Wittig反応を塩素化炭化水素
溶剤と低級アルコールとよりなる混合溶剤中で、5℃以
下の低温で反応させることから成る方法と比較して、塩
素化炭化水素溶剤(例えば、安定化剤としてアミレンを
添加したクロロホルムなど)のみを用いる点で相違する
が、その他の反応の実施操作および条件では大きな変更
がない。それにも拘わらずに、本発明では式 (IV)のセ
フェム化合物の所望のZ異性体を選択的に且つ安価に生
産できることを発見した。
【0009】本発明方法で出発化合物として用いられる
上記の一般式(I)の化合物は、次の一般式(V)
【化20】 [式中、R1、R2およびR3は前記と同じ意味をもち、Wは
塩素原子または臭素原子である]の3-ハロメチル-3-セ
フェム化合物を、例えばアセトン、あるいは塩化メチレ
ンまたはクロロホルムと水からなる反応媒質中、室温で
ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムで処理して次の
一般式 (VI)
【化21】 [式中、R1、R2およびR3は前記と同じ意味をもつ]の3-
ヨードメチル-3-セフェム化合物を生成する工程(i)と式
(VI)の化合物を前記の工程(i)で用いたと同じ反応媒質
中、室温で次式 (VII)
【化22】 [式中、R4は前記と同じ意味をもつ]のトリアルキルホ
スフィンまたはトリアリールホスフィンと反応させて次
の一般式 (VIII)
【化23】 [式中、R1、R2、R3およびR4は前記と同じ意味をもつ]
で表されるトリアルキル(またはトリアリール)ホスホ
ニウム-メチル化合物を生成する工程(ii)と、式(VIII)
のホスホニウム-メチル化合物を例えば塩化メチレン
(またはクロロホルム)-水からなる反応媒質中で炭酸
水素ナトリウムまたは水酸化ナトリウムなどの塩基の水
溶液で室温または氷冷下に反応させて前記の一般式(I)
のトリアルキル(またはトリアリール)ホスホラニリデ
ン化合物を生成する工程(iii)とからなる方法によって
調製できる。
【0010】出発化合物として一般式(I)の化合物に代
えて、一般式(I')の化合物を使用できる。上記の工程(i
ii)で得られた反応液から一般式(I)の化合物を分離せず
に、一般式(I)の化合物を含む該工程(iii)の反応液をそ
のまま用いて、ワンポット法で本発明方法を行うのが簡
便である。
【0011】出発化合物として用いられる一般式(I)ま
たは(I')の化合物において、R1および(または)R5が表
し得る1価のアミノ保護基は、ペニシリンおよびセファ
ロスポリン化合物の合成で慣用されるアミノ保護基であ
れば特に制限がない。このような1価のアミノ保護基の
例には、置換もしくは非置換のモノ(またはジ、トリ)
フェニルアルキル基、例えばベンジル基、ベンズヒドリ
ル基、トリチル基;アルカノイル基、例えばホルミル
基、アセチル基;低級アルコキシカルボニル基、例えば
メトキシカルボニル基;芳香族アシル基、例えばベンゾ
イル基、トリル基;複素環カルボニル基、例えばチアゾ
リルカルボニル基、テトラゾリルカルボニル基;アリー
ルまたはアリールオキシ基で置換されたアルカノイル
基、例えばフェニルアセチル基、フェノキシアセチル
基;アラルキルオキシカルボニル基、例えばベンジルオ
キシカルボニル基;あるいは複素環で置換されたアルカ
ノイル基、例えばイミダゾリルアセチル基、チアゾリル
アセチル基などがあげられる。特にフェニルアセチル基
がアミノ保護基として好ましい。また、R1とR2とが、あ
るいはR5とR6とが共同して1個の2価のアミノ保護基を
表す場合、そのアミノ保護基の例には、置換または非置
換のアリールアリキリデン基、例えばベンジリデン基、
サリチリデン基およびテトラヒドロピラニリデン基があ
る。
【0012】さらに一般式(I)または(I')の化合物にお
いて、R3がカルボキシル保護基としてのエステル形成基
を表す場合、このエステル形成基はペニシリンおよびセ
ファロスポリン化合物の合成にあたって、それの3位ま
たは4位に使用されるカルボキシル保護基であれば特に
制限がない。このエステル形成基の例は低級アルキル
基、例えばメチル基、エチル基、t-ブチル基;低級アル
ケニル基、例えばビニル基、アリル基;低級アルコキシ
アルキル基、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル
基;低級アルキルチオアルキル基、例えばメチルチオメ
チル基、エチルチオメチル基;低級アルカノイルオキシ
アルキル基、例えばアセトキシメチル基、ブチリルオキ
シメチル基;あるいは置換もしくは非置換モノ(または
ジ、トリ)フェニルアルキル基、例えばベンジル基、4-
メトキシベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基な
どである。特に4-メトキシベンジル基がカルボキシル保
護基として好ましい。
【0013】また、R4は炭素数1〜6のアルキル基または
アリール基を表す。炭素数1〜6のアルキル基としては、
例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n-またはt-ブ
チル基などがある。そのなかでも特にn-ブチル基が好ま
しい。また、アリール基としては、例えばフェニル基ま
たは炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基
などがある。そのなかでも特にフェニル基が好ましい。
【0014】本発明の方法において反応媒質として用い
られる塩素化炭化水素溶剤の例としては、モノクロロ
-、ジクロロ-またはトリクロロ-(C1〜C2)アルカン
があるが、好ましくはクロロホルムである。このとき、
反応媒質として用いる塩素化炭化水素溶剤は、低級アル
コールを含む混合溶剤を用いるとE異性体の生成量が増
加し、逆にZ異性体の生成量が低下する。また、反応温
度もZ異性体の生成量に大きく影響する。本発明におい
ては、5℃〜−50℃、好ましくは−5℃〜−20℃の範囲で
反応を行うと、E異性体の生成量が格別に減少し、E異
性体に比べてZ異性体の生成割合が飛躍的に向上し、n-
プロパノール混合溶剤における結果と比較して、同等も
しくはそれ以上の選択性で目的とするZ異性体を得るこ
とができる。しかも、反応溶媒が単一であることから、
混合溶剤で反応を行う場合と比較して、使用後の溶媒回
収効率が向上する。前記のことからわかるように、本発
明は、3-(2-置換-ビニル)-セファロスポリン抗生物質の
製造に、また該セファロスポリン抗生物質の合成用中間
体の製造に特に有用である。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1 4-メトキシベンジル 7-フェニルアセトアミド-3-クロ
ロメチル-3-セフェム-4-カルボキシレート(30g)、ト
リフェニルホスフィン(16.98g)およびヨウ化ナトリウ
ム(9.69g)を、クロロホルム(180ml)と水(180ml)
よりなる不均質な反応媒質に溶解した。得られた混合物
を32℃で1.5時間撹拌した。生成した4-メトキシベンジ
ル 7-フェニルアセトアミド-3-トリフェニルホスホニ
ウムメチル-3-セフェム-4-カルボキシレート・ヨーダイ
ドを含有するクロロホルム層を分離した。分離された該
クロロホルム層を3℃に冷却後、冷NaOH水溶液(NaOH
3.21gを水180mlに溶解)を加え、約3℃で30分間撹拌し
た。生成した4-メトキシベンジル7-フェニルアセトアミ
ド-3-[(トリフェニルホスホラニリデン)メチル]-3-セフ
ェム-4-カルボキシレートを含有するクロロホルム層を
分離した。分離された該クロロホルム層を−2℃に冷却
後、58.76gの4-メチルチアゾール-5-カルボアルデヒド
を加え、得られた反応混合物を−2℃で20時間撹拌し
た。得られた反応液を氷冷下にてピロ亜硫酸カリウム水
溶液と塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、メタノール
に置換濃縮して結晶化を行い、4-メトキシベンジル7-フ
ェニルアセトアミド-3-[2-(4-メチルチアゾール-5-イ
ル)ビニル]-3-セフェム-4-カルボキシレートの結晶 2
9.9g(収率86.4%)を得た。この結晶をHPLCで分析した
ところ、Z異性体の吸収ピーク面積/E異性体の吸収ピ
ーク面積は30/1であった。
【0016】実施例2〜7 4-メトキシベンジル 7-フェニルアセトアミド-3-クロ
ロメチル-3-セフェム-4-カルボキシレート(1g)、トリ
フェニルホスフィン(0.57g)およびヨウ化ナトリウム
(0.32g)を、クロロホルム(6ml)と水(6ml)よりな
る不均質な反応媒質に溶解し、32℃で1.5時間撹拌し
た。クロロホルム層を分離し、3℃に冷却した。冷却
後、冷NaOH水溶液(NaOH 0.51gを水30mlに溶解)を加
え、3℃で30分間撹拌した。生成した4-メトキシベンジ
ル 7-フェニルアセトアミド-3-[(トリフェニルホスホ
ラニリデン)メチル]-3-セフェム-4-カルボキシレートを
含有するクロロホルム層を分離し、表1に示した各々の
温度に冷却した。冷却後、1.96gの4-メチルチアゾール-
5-カルボアルデヒドを加えて撹拌した。生成した4-メト
キシベンジル 7-フェニルアセトアミド-3-[2-(4-メチ
ルチアゾール-5-イル)ビニル]-3-セフェム-4-カルボキ
シレートのZ異性体とE異性体の比率をHPLCで評価し
た。その結果を表1に示す。
【0017】比較例 4-メトキシベンジル 7-フェニルアセトアミド-3-[(ト
リフェニルホスホラニリデン)メチル]-3-セフェム-4-カ
ルボキシレートの生成までを上記実施例と同様に行い、
4-メチルチアゾール-5-カルボアルデヒドとの反応媒質
をクロロホルムとn-プロパノールの混液(=2.5/1(V/
V))に代え、−20℃で反応を行った。反応終了後、同様
に反応液中のZ異性体とE異性体の比率をHPLCにより測
定した。その結果を表1に示す。
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、3-(2-置換-ビニル)-セ
ファロスポリン抗生物質、あるいは該セファロスポリン
抗生物質の合成用中間体のZ異性体を選択的に且つ安価
に得ることができ、工業的に有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I) 【化1】 [式中、R1は水素原子または1価のアミノ保護基を表す
    か、あるいは次式(II) 【化2】 (式中、R5は水素原子または1価のアミノ保護基であ
    り且つR6は水素原子であり、もしくはR5とR6とは共
    同して1個の2価のアミノ保護基を示し、R7は炭素数1
    〜4のアルキル基である)で示される2-(2-N-保護-アミ
    ノチアゾール-4-イル)-2-アルコキシイミノアセチル基
    を表し、またR2は水素原子を表し、もしくはR1とR2
    とは共同して1個の2価のアミノ保護基を表し、さらに
    3は水素原子、ピバロイルオキシメチル基またはカル
    ボキシル保護基としてのエステル形成基を表し、そして
    4は炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を示す]
    で表される7-N-非置換または置換-アミノ-3-[(トリ置
    換-ホスホラニリデン)メチル]-3-セフェム-4-カルボン
    酸またはそのエステル、もしくは次の一般式(I') 【化3】 [式中、R1、R2、R3およびR4は前記と同じ意味をも
    つ]で表される化合物と、次式(III) 【化4】 (式中、R8は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ト
    リフルオロメチル基またはクロロ基を示す)で表される
    4-置換または非置換-チアゾール-5-カルボアルデヒドと
    を、塩素化炭化水素溶剤中で5℃〜−50℃の温度で反応
    させることから成ることを特徴とする、次の一般式(IV) 【化5】 [式中、R1、R2およびR3ならびにR8は前記と同じ意
    味をもつ]で表される7-N-非置換または置換-アミノ-3-
    [2-(4-置換または非置換-チアゾール-5-イル)ビニル]-3
    -セフェム-4-カルボン酸またはそのエステルのZ異性体
    の選択的な製造方法。
  2. 【請求項2】塩素化炭化水素溶剤がモノクロロ-、ジク
    ロロ-またはトリクロロ-(C1〜C2)アルカンであり、
    反応の温度が−5℃〜−20℃であることを特徴とする請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】塩素化炭化水素溶剤がクロロホルムであ
    り、反応の温度が−5℃〜−20℃であることを特徴とす
    る請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】次の一般式(I) 【化6】 [式中、R1は水素原子または1価のアミノ保護基を表す
    か、あるいは次式(II) 【化7】 (式中、R5は水素原子または1価のアミノ保護基であ
    り且つR6は水素原子であり、もしくはR5とR6とは共
    同して1個の2価のアミノ保護基を示し、R7は炭素数1
    〜4のアルキル基である)で示される2-(2-N-保護-アミ
    ノチアゾール-4-イル)-2-アルコキシイミノアセチル基
    を表し、またR2は水素原子を表し、もしくはR1とR2
    とは共同して1個の2価のアミノ保護基を表し、さらに
    3は水素原子、ピバロイルオキシメチル基またはカル
    ボキシル保護基としてのエステル形成基を表し、そして
    4は炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を示す]
    で表される7-N-非置換または置換-アミノ-3-[(トリ置
    換-ホスホラニリデン)メチル]-3-セフェム-4-カルボン
    酸またはそのエステル、もしくは次の一般式(I') 【化8】 [式中、R1、R2、R3およびR4は前記と同じ意味をも
    つ]で表される化合物と、次式(III) 【化9】 (式中、R8は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ト
    リフルオロメチル基またはクロロ基を示す)で表される
    4-置換または非置換-チアゾール-5-カルボアルデヒドと
    を、塩素化炭化水素溶剤中で5℃〜−50℃の温度で反応
    させ、これにより次の一般式(IV) 【化10】 [式中、R1、R2およびR3ならびにR8は前記と同じ意
    味をもつ]で表される7-N-非置換または置換-アミノ-3-
    [2-(4-置換または非置換-チアゾール-5-イル)ビニル]-3
    -セフェム-4-カルボン酸またはそのエステルのZ異性体
    を含有する反応溶液を収得し、この反応溶液をピロ亜硫
    酸カリウム水溶液で洗い、その後に反応溶液を濃縮し、
    得られた濃縮液にメタノールまたは酢酸ブチル、あるい
    はこれらの2種の混合物を加えて、これにより式(IV)の
    化合物のZ異性体を結晶化することから成る、式(IV)の
    7-N-非置換または置換-アミノ-3-[2-(4-置換または非置
    換-チアゾール-5-イル)ビニル]-3-セフェム-4-カルボン
    酸またはそのエステルの高純度なZ異性体の製造方法。
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