JP2002230743A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2002230743A
JP2002230743A JP2001028247A JP2001028247A JP2002230743A JP 2002230743 A JP2002230743 A JP 2002230743A JP 2001028247 A JP2001028247 A JP 2001028247A JP 2001028247 A JP2001028247 A JP 2001028247A JP 2002230743 A JP2002230743 A JP 2002230743A
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Japan
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powder
layer
less
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Application number
JP2001028247A
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English (en)
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Yoshihiko Mori
仁彦 森
Kiyomi Ejiri
清美 江尻
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録容量が大きく、特にMR素子を利用した
再生ヘッドと組み合わせて使用した時の電磁変換特性が
良好で、また生産性にも優れる磁気記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 非磁性可撓性支持体上に、非磁性粉末と
結合剤とを主体とする非磁性層を介して、少なくとも強
磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を設けてなる磁気記録
媒体において、前記非磁性粉末が長径部の平均長さが1
00nm以下の板状ベーマイト粉末であり、かつ前記磁
性層の厚み変動率が35%以下であることを特徴とする
磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオテープやオ
ーディオテープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体に関
し、特に高密度記録用MR素子を利用した再生ヘッドと
組み合わせて使用した時の電磁変換特性が良好な磁気記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録技術は、媒体の繰り返し使用が
可能であること、信号の電子化が容易であり周辺機器と
の組み合わせによるシステムの構築が可能であること、
信号の修正も簡単にできること等の他の記録方式にはな
い優れた特長を有することから、ビデオ、オーディオ、
コンピューター用途等を始めとして様々な分野で幅広く
利用されている。
【0003】従来、ビデオテープやオーディオテープ、
磁気ディスク等の磁気記録媒体としては、強磁性粉末を
結合剤中に分散した磁性層を非磁性可撓性支持体上に塗
設したものが広く用いられている。また、近年では、記
録密度を高める要求が強く、それに伴って記録波長が短
くなる傾向にあるが、磁性層が厚いと、出力が低下する
記録時の自己減磁損失や再生時の厚み損失の問題が大き
くなってくる。そのため、磁性層を薄くすることが行わ
れているが、磁性層の厚みが約2μm以下に薄くなる
と、非磁性可撓性支持体の表面性状が磁性層の表面性状
に影響を与えるようになり、電磁変換特性やドロップア
ウトが悪化してしまう。
【0004】このような問題の解決策の一つとして、特
開昭63−191315号公報、特開昭63−1874
18号公報に記載されているように、同時重層塗布方式
を用い、非磁性粉末と結合剤とを含む非磁性層の上に、
濃度の高い磁性塗料を薄く塗布して磁性層を形成する方
法が知られている。これらの方法により、磁性層を薄く
しても電磁変換特性やドロップアウトの悪化が抑えら
れ、また歩留まりも改善され、生産性においても改善が
図られている。
【0005】しかし、磁気記録媒体に関しては、記録密
度、信頼性、耐久性等をより一層向上させることが常に
望まれている。例えば、コンピュタ−ネットワークの規
模増大、データ管理の重要性等から、データのバックア
ップ用媒体である磁気テープに対して大容量化の要求が
高まっている。しかし、更なる磁性層の薄層化には、従
来の非磁性層及び磁性層ではもはや限界に達しつつあ
る。
【0006】一方、磁気ヘッドに着目すると、高密度記
録に対応して、再生ヘッドに磁気抵抗効果を利用したヘ
ッド(「MRヘッド」と略す)を使用することにより高い
S/Nを得るシステムが開発されており、ハードディス
クを主体とした高密度デジタル記録の分野で広く普及し
ている。また、磁気テープシステムでもマルチトラック
のMRヘッドを使用したシステム、例えば、3480、
3490、3590、LTOが開発されている。
【0007】このようなMRヘッドを使用したシステム
ではシステムノイズを大幅に低減できるので、媒体ノイ
ズがシステム全体のS/Nを支配することが知られてい
る。つまり、MRヘッドを使用したシステム用の磁気記
録媒体は媒体ノイズを低減することが必須であり、高密
度記録のために、媒体ノイズの更なる低減が強く望まれ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みてなされたものであり、記録容量が高く、特に
MR素子を利用した再生ヘッドと組み合わせて使用した
時の電磁変換特性が良好で、また生産性にも優れる磁気
記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は、非磁性層に用
いる非磁性粉末に着目し、特にその形状が電磁変換特性
に及ぼす影響について検討したところ、平板状粒子を用
いることで磁性層の厚み変動が抑えられ、優れた電磁変
換特性が得られることを知見した。
【0010】即ち、本発明は、非磁性可撓性支持体上
に、非磁性粉末と結合剤とを主体とする非磁性層を介し
て、少なくとも強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を設
けてなる磁気記録媒体において、前記非磁性粉末が板径
100nm以下の板状ベーマイト粉末であり、かつ前記
磁性層の厚み変動率が35%以下であることを特徴とす
る磁気記録媒体である。
【0011】本発明の好ましい態様は次の通りである。 1.非磁性可撓性支持体上に、非磁性粉末と結合剤とを
主体とする非磁性層を介して、少なくとも強磁性粉末と
結合剤とを含む磁性層を設けてなる磁気記録媒体におい
て、前記非磁性粉末が板径100nm以下の板状ベーマ
イト粉末であり、かつ前記磁性層の厚み変動率が35%
以下であることを特徴とする磁気記録媒体。 2.前記強磁性粉末が、長軸長0.1μm以下の針状金
属磁性粉末または板径40nm以下の板状六方晶フェラ
イト系磁性粉末であることを特徴とする上記1に記載の
磁気記録媒体。 3.前記磁性層の厚さが、0.01〜0.1μmである
ことを特徴とする上記1または2に記載の磁気記録媒
体。 4.少なくとも再生のために、MRヘッドが使用される
ことを特徴とする上記1〜3の何れかに記載の磁気記録
媒体。
【0012】
【作用】MRヘッドでは、インダクティブヘッドに比べ
て高い再生出力が得られる。従来のインダクティブヘッ
ドでは、磁性層の残留磁化を大きくするための検討が行
われてきたが、MRヘッドでは逆にノイズが大きくな
り、大きな残留磁化は必ずしも性能向上につながらない
ことが知られている。ハードディスク用の金属薄膜媒体
では、磁化量低減のために磁性層の厚みを数十オングス
トロームに薄くする検討も行われているが、磁性塗料を
塗布して磁性層を形成した磁気記録媒体では、磁性層の
薄層化は磁性粉末のサイズで制限される。即ち、磁性粉
末の磁化が熱的に安定なサイズが薄層化の限界であり、
一般的な強磁性粉末を用いた場合,磁性層の厚みは0.
01μm(100オングストローム)程度が限界であ
る。
【0013】一方、磁性粉末のサイズを小さくすること
により、ノイズが低下してCNRが向上することが知ら
れている。しかし、従来の非磁性粉末を用いた非磁性層
の上に、磁性塗料を用いて上記のような薄層の磁性層を
形成しようとすると、磁性層の厚みの標準偏差(σ[μ
m])と平均厚み(δavg[μm])とから求められる
厚み変動率(σ/δavg)*100[%]が大きくなる
ことが判明した。これは、薄層化により、平均厚みが当
然小さくなるのに対し、磁性層内での磁性粉末の凝集物
や研磨剤粒子等の添加物、非磁性層の表面の凹凸によ
り、磁性層の厚み方向における磁性粉末の個数の差が顕
著になって磁性層の厚みの標準偏差が大きくなり、結果
として厚み変動率を大きくしているものと推察される。
【0014】磁性層の厚みの標準偏差を小さくするに
は、特許第2566096号公報にも記載されているよ
うに、非磁性塗料にチクソトロピック性を付与し、磁性
塗料に針状磁性粉末を用いればよいことが知られてい
る。また、この公報によれば、磁性層の厚みが0.01
から0.3μmの範囲で磁性層と非磁性層との界面を均
一にできる。しかし、磁性層の厚さが0.01μm未満
になると、上記したように非磁性層表面の凹凸が無視で
きなくなる。
【0015】これに対し、本発明のように、非磁性層に
含まれる非磁性粉末として板状ベーマイトを用いると、
非磁性層中で、板状ベーマイトがその板面(平面部分)
を非磁性可撓性支持体の表面とほぼ平行にして面状に広
がり、それが多層に積層した状態で存在し、非磁性層の
表面においてもほぼ面状に広がって存在して良好な平坦
面を形成する。そのため、その上に形成される磁性層も
その厚み変動が抑えられ、薄層であっても平坦な表面を
もって形成される。
【0016】厚み変動率に磁性層の残留磁束密度Brを
乗じたBr*{(σ/δavg)*100}[G]は、記
録に寄与する磁化の変動の程度を表し、この磁化の変動
はノイズの増加をもたらす。従って、本発明の磁気記録
媒体は、磁性層の厚み変動率が小さいことから、媒体ノ
イズが低く、特にMRヘッドとの組み合わせに適したも
のとなり、高密度記録が可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。
【0018】本発明の磁気記録媒体は、非磁性可撓性支
持体上に、非磁性粉末と結合剤とを主体とする非磁性層
を介して、少なくとも強磁性粉末と結合剤とを含む磁性
層を設けて構成される。以下に、非磁性可撓性支持体、
非磁性層及び磁性層の構成に関して詳細に説明する。
【0019】[非磁性可撓性支持体]本発明に用いられ
る非磁性可撓性支持体はポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリオ
レフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネ
ート、アラミドなどの芳香族ポリアミドを含むポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、
ポリベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用で
きる。また、ガラス転移温度が100℃以上、特に12
0〜400℃の非磁性可撓性支持体が好ましく、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ポリアミドなどの高強
度のものを用いることが特に好ましい。更に必要に応
じ、磁性面と支持体面の表面粗さを変えるため特開平3
−224127に示されるような積層タイプの支持体を
用いることもできる。これらの非磁性可撓性支持体に
は、予めコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、
熱処理、除塵処理等を行ってもよい。
【0020】また、表面性状としては、光干渉式表面粗
さ計による中心面平均表面粗さ(SRa;カットオフ値
0.25mm)が0.03μm以下、好ましくは0.0
2μm以下、さらに好ましくは0.01μm以下のもの
を使用する必要がある。更に、単に中心面平均表面粗さ
が小さいだけではなく、1μm以上の粗大突起がないこ
とが好ましい。このような表面の粗さ形状は、必要に応
じて非磁性可撓性支持体に添加されるフィラーの大きさ
と量により自由にコントロールできる。これらのフィラ
ーとしては、Ca、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の
他、アクリル系などの有機微粉末があげられる。非磁性
可撓性支持体の最大高さSRmaxは 1μm以下、十点平
均粗さSRzは0.5μm以下、中心面山高さSRpは
0.5μm以下、中心面谷深さSRvは0.5μm以下、
中心面面積率SSrは10%以上、90%以下、平均波
長Sλaは5μm以上、300μm以下であることが好ま
しい。所望の電磁変換特性と耐久性を得るため、非磁性
可撓性支持体の表面突起分布をフィラーによりコントロ
ールし、0.01μm〜1μmの大きさのもの各々を0.
1mm2あたり0個〜2000個の範囲でコントロールす
る。
【0021】非磁性可撓性支持体のテープ走行方向のF
−5値は好ましくは5〜50Kg/mm2、テープ幅方向のF
−5値は好ましくは3〜30Kg/mm2であり、テープ長手
方向のF−5値が幅方向のF−5値よりも高いのが一般
的であるが、特に幅方向の強度を高める必要がある場合
はその限りではない。また、テープの長手方向及び幅方
向における、100℃30分での熱収縮率は好ましくは
3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃30
分での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましく
は0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜10
0Kg/mm2(49〜980MPa)、弾性率は100〜2
000Kg/mm2(980〜19600MPa)が好まし
い。温度膨張係数は10-4〜10-8/℃であり、好まし
くは10-5〜10-6/℃である。湿度膨張係数は10-4
/RH%以下であり、好ましくは10-5/RH%以下である。
これらの熱特性、寸法特性、機械強度特性は非磁性可撓
性支持体の面内各方向に対し10%以内の差でほぼで等
しいことが好ましい。
【0022】また、非磁性可撓性支持体の厚さは、1〜
100μm、特に4〜80μmが好ましい。
【0023】[非磁性層]非磁性層は非磁性粉末と結合
剤とを主成分とする。非磁性粉末は、板状のベーマイト
であり、その板径が100nm以下のものである。ベー
マイトとは、酸化アルミニウム−水和物(Al23・H
2O)及びそれを主成分とする鉱物を言う。後者の場
合、Al23・H2Oの他、SiO2、TiO2、Fe2
3、MgO、CaO等を含む。板径の長さの下限は制限
されるものではないが、5nm程度である。即ち、板状
ベーマイトのサイズは、その板径が100nm以下、好
ましくは5〜100nm、更に好ましくは10〜90n
mのものを用いることが望ましい。また、板状比(=板
径/板厚)は2〜15、特に3〜8であることが好まし
い。
【0024】本明細書において、上記板状ベーマイト、
後述されるカーボンブラックや強磁性粉末、あるいは他
の粉体成分について、そのサイズ(以下、「粉体サイ
ズ」と言う)を規定する場合は、それぞれの粉体につい
て高分解能透過型電子顕微鏡写真を撮り、写真中の約5
00個の一次粒子について各部の寸法を測定して求めた
算術平均値で示す。尚、一次粒子とは、凝集のない独立
した粉体をいう。また、粉体サイズはその形状により、
針状、紡錘状、柱状(但し、高さが底面の最大長径よ
り大きい)の場合は、粉体を構成する長軸の長さ、即ち
長軸長で表され、板状ないし柱状(但し、厚さないし
高さが板面ないし底面の最大長径より小さい)の場合
は、その板面ないし底面の最大長径で表され、球状、
多面体状、不定形等であって、かつ形状から粉体の長軸
を特定できない場合には、円相当径で表される。更に、
針状比については、上記測定において粉体の短軸の長
さ、即ち短軸長を測定し、各粉体の(長軸長/短軸長)
の値の算術平均を指す。ここで、短軸長とは、上記粉体
サイズの定義での場合は、粉体を構成する短軸の長さ
を、同じくの場合は、厚さ乃至高さを各々指し、の
場合は、長軸と短軸の区別がないから、(長軸長/短軸
長)は、便宜上1とみなす。
【0025】非磁性層における板状ベーマイトの含有量
は、結合剤100質量部に対して0.1〜99質量部、
好ましくは1〜95質量部の範囲である。
【0026】また、非磁性層には、板状ベーマイトの他
に、カーボンブラックを含有させてもよい。カーボンブ
ラックの作用により表面電気抵抗(Rs)を低下させる
ことができる。好適なカーボンブラックは、平均粒子径
が5μm〜80nm、好ましくは10〜50μm、更に
好ましくは10〜40μmの範囲にあり、比表面積が1
00〜500m2/g、好ましくは150〜400m2
gの範囲にあり、DBP吸油量が20〜400ml/1
00g、好ましくは30〜200ml/100gの範囲
にあり、pHが2〜10の範囲にあり、含水率が0.1
〜10%の範囲にあり、タップ密度が0.1〜1g/m
lの範囲にあるものが好ましい。また、種類や製造履歴
に特に制約されることはなく、ゴム用ファーネス、ゴム
用ファーネス、カラー用ブラック、アセチレンブラック
等の各種の微粒子カーボンブラックを用いることができ
る。カーボンブラックは、種々のものを混合して使用す
ることもできる。
【0027】このようなカーボンブラックは市場からも
入手でき、例えば以下のものを挙げることができる。キ
ャボット社製のBLACK PEARLS2000、B
LACK PEARLS1300、BLACK PEA
RLS1000、BLACKPEARLS900、BL
ACK PEARLS880、BLACK PEARL
S800、BLACK PEARLS700、VULC
ANXC−72、三菱化学工業(株)製の#3050
B、#3150B、#3250B、#3750B、#3
950B、#950B、#650B、#970B、#8
50B、MA−600、コロンビアカーボン社製のCO
NDUCTEX SC、RAVEN8800、RAVE
N8000、RAVEN7000、RAVEN575
0、RAVEN5250、RAVEN3500、RAV
EN2100、RAVEN2000、RAVEN180
0、RAVEN1500、RAVEN1255、RAV
EN1250、アクゾー社製のケッチェンブラックEC
等である。
【0028】また、カーボンブラックは、分散剤等で表
面処理したり、樹脂でグラフト化して使用してもよく、
一部をグラファイト化して使用してもよい。更に、非磁
性層用塗布液の調製に際して、予めカーボンブラックを
結合剤で分散させておき、これを他の成分(板状ベーマ
イトや結合剤)を含む溶液に添加してもよい。
【0029】非磁性層におけるカーボンブラックの含有
量は、板状ベーマイトの50質量%を超えない量、非磁
性層全量の40質量%を超えない量とする。これらの量
を超えると、本発明の主たる効果である非磁性層の平坦
性が損なわれる。
【0030】その他、本発明においては、使用するカー
ボンブラックについて、例えば「カーボンブラック便
覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることがで
きる。
【0031】また、結合剤としては、従来公知の熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物を
使用することができる。熱可塑性樹脂としては、ガラス
転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が通常、
1,000〜200,000、好ましくは10,000〜
100,000、重合度が約50〜1000程度のもの
である。このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アク
リル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、
メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタ
ジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセター
ル、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体ま
たは共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂があ
る。
【0032】熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル
系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシ
アネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオー
ルとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリ
イソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹脂
については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブッ
ク」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化
型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例
とその製造方法については特開昭62−256219に
詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組合せ
て使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル
ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水
マレイン酸共重合体、から選ばれる少なくとも1種とポ
リウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシア
ネートを組み合わせたものが挙げられる。
【0033】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用で
きる。中でも、ジオール成分として環状構造を有する分
子量500未満の短鎖ジオールと分子量500〜5000の長鎖ポ
リエーテルジオールを含むポリウレタン樹脂が好まし
い。
【0034】環状構造を有する分子量500未満の短鎖ジ
オール(以下、単に「短鎖ジオール」ともいう)として
は、芳香族、脂環族を有するジオール、及びこれらのエ
チレンオキシドまたは、プロピレンオキシド付加物など
から選ぶことができるものが好ましい。
【0035】短鎖ジオールとしては、ビスフェノール
A、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素
化ビスフェノールS、ビスフェノールP、水素化ビスフ
ェノールP、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキ
サンジオール、ハイドロキノン等が例示される。これら
の中でも好ましいものとして、ビスフェノールA、水素
化ビスフェノールA及びこれらのエチレンオキシド付加
物、プロピレンオキシド付加物を挙げることができる。
更に好ましくは水素化ビスフェノールAである。短鎖ジ
オールのポリウレタン樹脂中の含有量は、好ましくは1
5〜40質量%である。
【0036】また、分子量500〜5000の長鎖ポリエーテ
ルジオール(以下、単に「長鎖ジオール」ともいう)と
しては、好ましくは、ビスフェノールAのプロピレンオ
キシド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキシド付
加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド付加
物、水素化ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加
物が挙げられる。
【0037】また、炭素数が18の不飽和脂肪族カルボ
ン酸の2量体であるダイマー酸とした後に、不飽和結合
およびカルボン酸を水添還元し、さらに蒸留精製して得
られるダイマージオールとポリイソシアネートとからな
るポリウレタンも好ましい。ここに示したすべての結合
剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには
必要に応じ、−COOM、−SO3M、−OSO3M、−
P=O(OM)2、−O−P=O(OM)2、(以上につ
きMは水素原子、またはアルカリ金属)、OH、NR2
+3(Rは炭化水素基)、エポキシ基、SH、CN、
などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重
合または付加反応で導入したものを用いることが好まし
い。このような極性基の量は10-1〜10-8モル/gで
あり、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。
【0038】これらの結合剤は市場からも入手でき、例
えばユニオンカーバイト製VAGH、VYHH、VMC
H、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYN
C、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKH
J、PKHC、PKFE、日信化学工業製、MPR−T
A、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TS
N、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、M
PR−TAO、電気化学製1000W、DX80、DX
81、DX82、DX83、100FD、日本ゼオン製
MR−104、MR−105、MR110、MR10
0、MR555、400X−110A、日本ポリウレタ
ン製ニッポランN2301、N2302、N2304、
大日本インキ製パンデックスT−5105、T−R30
80、T−5201、バーノックD−400、D−21
0−80、クリスボン6109、7209、東洋紡製バ
イロンUR8200、UR8300、UR−8700、
RV530、RV280、大日精化製、ダイフェラミン
4020、5020、5100、5300、9020、
9022、7020、三菱化学製、MX5004、三洋
化成製サンプレンSP−150、旭化成製サランF31
0、F210などがあげられる。
【0039】また、本発明においては、非磁性層の露出
面積比率を10%以下にすることが好ましく、そのため
には非磁性層を形成するための非磁性塗料の降伏応力を
10dyne/cm2以上、好ましくは14dyne/
cm2以上とする。そのための手段としては、特許第2
566098号公報に記載されているように、平均一次
粒径30μm以下のカーボンブラックを板状ベーマイト
100質量部に対して10〜30質量部添加してチクソ
トロピック性を付与する、あるいは結合剤の分子鎖が拡
がりやすい(溶解性の高い)溶剤(例えば、シクロヘキ
サノンやTHFFT)を用いればよい。また、磁性層を
形成するための磁性塗料の固形分濃度を、非磁性塗料の
固形分濃度よりも高くしても、同様の効果が得られる。
【0040】[磁性層]磁性層は、強磁性粉末と結合剤
とを主成分とする。強磁性粉末としては、特に制限され
るべきものではないが、下記に詳述する強磁性金属粉末
または六方晶系フェライト粉末が好ましい。また、結合
剤は、上記した非磁性層に使用されるものを使用でき
る。
【0041】(強磁性金属粉末)針状合金磁性粉末とし
ては、α−Feを主成分とするものが好ましい。また、
所定の原子以外にAl、Si、Sc、Ti、V、Cr、
Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、T
e、Be、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、
La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、N
i、Sr、Bなどの原子を含んでいてもかまわない。特
に、Co、Sm、Nd等をFeに対して5〜40質量%
含有することにより、抗磁力が増加するため特に好まし
い。
【0042】これらの強磁性金属粉末には、後で述べる
分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前
に予め処理を行っていてもかまわない。具体的には、特
公昭44−14090号、特公昭45−18372号、
特公昭47−22062号、特公昭47−22513
号、特公昭46−28466号、特公昭46−3875
5号、特公昭47−4286号、特公昭47−1242
2号、特公昭47−17284号、特公昭47−185
09号、特公昭47−18573号、特公昭39−10
307号、特公昭46−39639号、米国特許第30
26215号、同3031341号、同3100194
号、同3242005号、同3389014号などに記
載されている。
【0043】強磁性金属粉末には少量の水酸化物、また
は酸化物が含まれてもよい。また、強磁性金属粉末は公
知の製造方法により得られたものを用いることができ、
下記の方法を挙げることができる。焼結防止処理を行っ
た含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元し
てFeあるいはFe−Co粒子などを得る方法、複合有
機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体
で還元する方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方
法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次
亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して
還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて
微粉末を得る方法などである。このようにして得られた
針状合金磁性粉末は公知の徐酸化処理が施される。含水
酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元し、酸素
含有ガスと不活性ガスの分圧、温度、時間を制御して表
面に酸化皮膜を形成する方法が、減磁量が少なく好まし
い。
【0044】強磁性金属粉末のBET法による比表面積
(以下、「SBET」と記す。)で表せば40〜80m2
gであり、好ましくは45〜70m2/gである。SBET
が40m2/g未満ではノイズが高くなる場合があり、
80m2/gを超えると平滑な表面が得にくい場合があ
る。強磁性金属粉末の結晶子サイズは、好ましくは8〜
18nmであり、更に好ましくは10〜17nm、特に
好ましくは11〜116.5nmである。
【0045】強磁性金属粉末の中でも針状の合金磁性粉
末が好ましく、特に平均長軸長が0.1μm以下、好ま
しくは0.08μm以下で、針状比が3〜15、好まし
くは5〜10で、平均粒子体積が1500〜15000
nm3、好ましくは2000〜12000nm3、更に好
ましくは3000〜10000nm3の針状合金磁性粉
末が好適である。また、磁気的特性からは、2000O
e(159.2kA/m)以上、特に2200Oe(1
75.1kA/m)以上であることが好ましい。記録原
理からはこの値が大きい方が好ましいが、記録ヘッドの
能力を考えると2200〜3500Oe(175.1〜
278.5kA/m)が適している。更に、飽和磁化
(σs)は90emu/g(90A・m2/kg)〜1
60emu/g(160A・m2/kg)、好ましくは
95emu/g(95A・m2/kg)〜150emu
/g(150A・m2/kg)、更に好ましくは100
emu/g(100A・m2/kg)〜140emu/
g(140A・m2/kg)であるものが好適である。
【0046】強磁性金属粉末の含水率は0.1〜2%と
するのが好ましい。結合剤の種類によってこの含水率を
最適化することが好ましい。強磁性金属粉末のpHは、
用いる結合剤との組み合せにより最適化することが好ま
しく、その範囲は6〜12であるが、好ましくは7〜1
1である。強磁性金属粉末のSA(ステアリン酸)吸着
量(表面の塩基性点の尺度)は1〜15μmol/m2、好ま
しくは2〜10μmol/m2、さらに好ましくは3〜8μm
ol/m2である。ステアリン酸吸着量が多い強磁性金属粉
末を使用する時、表面に強く吸着する有機物で表面修飾
して磁気記録媒体を作成することが好ましい。
【0047】強磁性金属粉末には可溶性のNa、Ca、
Fe、Ni、Sr、NH4、SO4、Cl、NO2、NO3
などの無機イオンを含む場合があるが、これらは本質的
に無い方が好ましい。但し、各イオンの総和が300pp
m以下程度であれば、特性には影響しない。また、強磁
性金属粉末は空孔が少ないほうが好ましく、その値は1
5容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。
強磁性金属粉末自体のSFD(Switching Field Distri
bution)は小さい方が好ましく、Hc分布を小さくする
ことが好ましい。テープのSFDが小さいと、磁化反転
がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デジタ
ル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするために
は、ゲータイトの粒度分布を良くする、単分散αFe2O3
を使用する、粒子間の焼結を防止するなどの方法があ
る。
【0048】(六方晶フェライト粉末)一方、六方晶フ
ェライトとしては、バリウムフェライト、ストロンチウ
ムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトお
よびこれらの各種の各置換体、Co置換体等がある。具
体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト
及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を
被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部
スピネル相を含有した複合マグネトプランバイト型のバ
リウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙
げられる。また、所定の原子以外にAl、Si、Sc、
Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、
Sn、Sb、Te、Be、Ta、W、Re、Au、H
g、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、
Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかま
わない。特に、Co、Sm、Nd等をFeに対して5〜
40質量%含有することにより、抗磁力が増加し、かつ
減磁が改良されるので特に好ましい。また、原料・製法
によっては特有の不純物を含有するものもある。これら
の中でマグネトプランバイト型六方晶フェライトが、短
波長出力が高く好ましい。平均粉体サイズは円盤径もし
くは六角板径で通常、10〜50nm、更に好ましくは1
0〜45nmであり、特に好ましくは10〜40nmであ
る。
【0049】特にトラック密度を上げるためMRヘッド
で再生する場合、低ノイズとするため、板径は40nm以
下が好ましいが、10nm未満では熱揺らぎのため安定な
磁化が望めない。40nmを超えるとノイズが高く、いず
れも高密度磁気記録には向かない。板状比(板径/板
厚)は1〜15が望ましい。好ましくは1〜7である。
板状比が小さいと磁性層中の充填性は高くなり好ましい
が、十分な配向性が得られない。15より大きいと粒子
間のスタッキングによりノイズが大きくなる。この平均
粉体サイズ範囲のSBETは通常、30〜200m2/gを示
す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と
符号する。粒子板径・板厚の分布は狭いほど好ましい。
分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均粉
体サイズに対する標準偏差(Σ)で表すと(Σ/平均粉
体サイズ)=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布を
シャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一に
すると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも
行われている。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的
に溶解する方法等も知られている。ガラス化結晶法で
は、熱処理を複数回行い、核生成と成長を分離すること
でより均一な粒子を得ている。磁性粉で測定された抗磁
力Hcは40〜400kA/m程度まで作成できる。高Hc
の方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で
制限される。Hcは粒子サイズ(板径・板厚)、含有元
素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等
により制御できる。飽和磁化σsは30〜70A・m2/kg
である。σsは、微粒子になるほど小さくなる傾向があ
る。製法では結晶化温度、または熱処理温度時間を小さ
くする方法、添加する化合物を増量する、表面処理量を
多くする方法等がある。またW型六方晶フェライトを用
いることも可能である。磁性体を分散する際に磁性体粒
子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理すること
も行われている。表面処理剤は無機化合物、有機化合物
が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P、Z
r等の酸化物または水酸化物、各種シランカップリング
剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。量は磁
性体に対して0.1〜10質量%である。磁性体のpH
も分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリ
マーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存
性から6〜11程度が選択される。磁性体に含まれる水
分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値が
あるが通常0.1〜2.0質量%が選ばれる。
【0050】六方晶フェライトの製法としては、炭酸
バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形
成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成にな
るように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次
いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェラ
イト結晶粉体を得るガラス化結晶法、バリウムフェラ
イト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除
去した後100℃以上で液相加熱後、洗浄・乾燥・粉砕
してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、
バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和
し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理
し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法
等があるが、本発明においては製法を選ばない。
【0051】また、磁性層にカーボンブラックを含有さ
せることにより、帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付
与、膜強度向上等を図ることができる。カーボンブラッ
クは公知のものでかまわず、ゴム用ファーネス、ゴム用
ファーネス、カラー用ブラック、アセチレンブラック等
の各種の微粒子カーボンブラックを用いることができ
る。好適には、平均粒子径が5nm〜300nm、比表
面積が5〜500m2/g、DBP吸油量が10〜40
0ml/100g、pHが2〜10、含水率が0.1〜
10質量%、タップ密度が0.1〜1g/mlの範囲に
あるカーボンブラックが好ましい。
【0052】このようなカーボンブラックは市場からも
入手でき、例えば以下のものを挙げることができる。キ
ャボット社製のBLACK PEARLS2000、B
LACK PEARLS1300、BLACK PEA
RLS1000、BLACKPEARLS900、BL
ACK PEARLS880、BLACK PEARL
S800、BLACK PEARLS700、VULC
ANXC−72、旭カーボン((株))製の#80、#6
0、#55、#50、#35、三菱化学工業(株)製の
#2400B、#2300、#900、#1000、#
30、#40、#10B、コロンビアカーボン社製のC
ONDUCTEX SC、RAVEN150、RAVE
N50、RAVEN40、RAVEN15、RAVE―
MT―P、アクゾー社製のケッチェンブラックEC等で
ある。
【0053】また、カーボンブラックは、分散剤等で表
面処理したり、樹脂でグラフト化して使用してもよく、
一部をグラファイト化して使用してもよい。更に、磁性
層用塗布液の調製に際して、予めカーボンブラックを結
合剤で分散させておき、これを他の成分(強磁性粉末や
結合剤)を含む溶液に添加してもよい。
【0054】磁性層におけるカーボンブラックの含有量
は、強磁性粉末に対して0.1〜30質量%とすること
が好ましい。その他、使用するカーボンブラックについ
て、例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラッ
ク協会編)を参考にすることができる。
【0055】磁性層には、更に、研磨剤を含有させるこ
とができる。使用できる研磨剤としては、例えば、α化
率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、微粒子ダ
イヤモンド、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、
α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、炭化珪素、チタン
カーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、な
ど主としてモース硬度6以上の公知の材料が単独または
組合せで使用される。また、これらの研磨剤同士の複合
体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用し
てもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物また
は元素が含まれる場合もあるが主成分が90質量%以上
であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の平均粉体
サイズは10〜1000nmが好ましく、特に電磁変換
特性を高めるためには、その粒度分布が狭い方が好まし
い。また耐久性を向上させるには必要に応じて粒子サイ
ズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも
粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能で
ある。タップ密度は0.3〜1.5g/mL、含水率は0.
1〜5質量%、pHは2〜11、比表面積は1〜40m
2/gが好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は針
状、球状、サイコロ状、のいずれでも良いが、形状の一
部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。具体的に
は住友化学社製AKP−10、AKP−15、AKP−
20、AKP−30、AKP−50、HIT−20、H
IT−30、HIT−50、HIT50G、HIT−6
0A、HIT−60G、HIT−70、HIT−80、
HIT−82、HIT−100、レイノルズ社製ERC
−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨
剤社製WA10000、上村工業社製UB20、日本化
学工業社製G−5、クロメックスU2、クロメックスU
1、戸田工業社製TF100、TF140、イビデン社
製ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業社製B−
3などが挙げられる。
【0056】その他、磁性層には、潤滑効果、帯電防止
効果、分散効果、可塑効果などを有する各種の添加剤を
含有させることができる。二硫化モリブデン、二硫化タ
ングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、
シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変
性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アル
コール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグ
リコール、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金
属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属
塩、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、αナ
フチル燐酸、フェニル燐酸、ジフェニル燐酸、p−エチ
ルベンゼンホスホン酸、フェニルホスフィン酸、アミノ
キノン類、各種シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのア
ルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不
飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわな
い)、およびこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuな
ど)または、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四
価、五価、六価アルコール(不飽和結合を含んでも、ま
た分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のア
ルコキシアルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐
していてもかまわない)、炭素数10〜24の一塩基性
脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもか
まわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四
価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合
を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからな
るモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはト
リ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノア
ルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂
肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使
用できる。
【0057】これらの具体例としては脂肪酸では、カプ
リン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン
酸、などが挙げられる。エステル類ではブチルステアレ
ート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イ
ソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチ
ルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキ
シジエチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレ
ート、2−オクチルドデシルパルミテート、2−ヘキシ
ルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレー
ト、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリ
デシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチル
グリコールジデカノエート、エチレングリコールジオレ
イル、アルコール類ではオレイルアルコール、ステアリ
ルアルコール、ラウリルアルコール、などがあげられ
る。また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グ
リシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド
付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステ
ルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導
体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等
のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、
燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの酸性基
を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホ
ン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル
類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用
できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤
便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されてい
る。これらの潤滑剤、帯電防止剤、界面活性剤等は必ず
しも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反
応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれて
もかまわない。これらの不純分は30質量%以下が好ま
しく、さらに好ましくは10質量%以下である。
【0058】尚、これらの添加剤は、上記の非磁性層に
も添加してもよい。また、これら添加剤は個々に異なる
物理的作用を有するものであり、その種類、量、および
相乗的効果を生み出す併用比率は目的に応じ最適に定め
られるべきものである。更に、加剤の全てまたはその一
部は、磁性層、非磁性層塗料製造のどの工程で添加して
もかまわない、例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合
する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤とによる混練工程
で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添
加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。ま
た、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐次
塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより
目的が達成される場合がある。また、目的によってはカ
レンダーした後、またはスリット終了後、磁性層表面に
潤滑剤を塗布することもできる。
【0059】[層構成]本発明の磁気記録媒体の層構成
は、非磁性可撓性支持体の上に、非磁性層を介して磁性
層を積層して構成される。非磁性可撓性支持体と非磁性
層との間に、密着性向上のための下塗り層を設けてもか
まわない。この下塗層は公知のものでかまわず、その厚
みは0.01〜2μm、好ましくは0.02〜0.5 μ
mである。
【0060】磁性層及び非磁性層は、両者の合計厚さ
で、非磁性可撓性支持体の厚さの1/100〜2倍の厚
さで形成される。但し、磁性層の厚さは用いる磁気ヘッ
ドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域に
より最適化されるものであるが、磁気ヘッドとしてMR
ヘッドの使用を前提にすると、0.01μm〜0.1μm
であることが好ましい。また、磁性層を異なる磁気特性
を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁
性層に関する構成が適用できる。尚、磁性層を2層以上
設けた場合は、磁性層厚みとは、最上層の厚みを意味す
る。また、非磁性層の厚みは、上記の範囲で磁性層の厚
さを差し引いたものとなる。
【0061】本発明では、非磁性可撓性支持体の磁性層
とは反対側の面にバック層が設けられてもよい。このバ
ック層は本来、帯電防止やカール補正などの機能を有
し、カーボンブラックや分散剤、潤滑剤、結合剤等を含
む。何れも公知のものでかまわないが、カーボンブラッ
クとしては、平均粒径が5〜20nmの微粒子カーボン
ブラックが好ましく、またSBETが150〜800m2
gの範囲にあり、DBP吸油量が50〜120ml/1
00gの範囲にあり、pHが2〜11の範囲にあり、揮
発分が15質量%以下であることが好ましい。種類や製
造履歴に制約されることは無く、市販のオイルファーネ
スブラック、ガスファーネスブラック、チャンネルブラ
ック等を用いることができる。また、オゾン処理、プラ
ズマ処理、液相酸化処理されたものも使用できる。
【0062】また、上記の微粒子カーボンブラックと、
平均粒径が40〜350nm、好ましくは200〜35
0nmの粗粒子カーボンブラックとを併用してもよい。
より好ましい粗粒子カーボンブラックは、SBETが5〜
20m2/gの範囲にあり、DBP吸油量が20〜60
ml/100gの範囲にあり、pHが5〜11の範囲の
mのである。併用する場合には、その質量比(微粒子/
粗粒子)で99/1〜70/30、特に99/1〜80
/20とすることが好ましい。
【0063】更には、モース硬度5〜9の無機質粒子、
例えばヘマタイトやアルミナ等を併用してもよい。併用
する場合には、その質量比(微粒子カーボンブラック/
無機質粉末)で99.5/0.5〜70/30、特に9
9/1〜80/20とすることが好ましい。また、微粒
子カーボンブラック、粗粒子カーボン及び無機質粉末の
3者を併用することもでき、その場合、微粒子カーボン
ブラックと粗粒子カーボンとを上記の質量比で混和し、
その合計量と無機質粉末との質量比(カーボンブラック
総量/無機質粉末)で99/1〜70/30の範囲とす
ることが好ましい。
【0064】分散剤としては、例えば、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、
リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の炭素数1
2〜18個の脂肪酸(RCOOH、Rは炭素数11〜1
7個のアルキル基、又はアルケニル基)、前記脂肪酸の
アルカリ金属又はアルカリ土類金属からなる金属石け
ん、前記の脂肪酸エステルのフッ素を含有した化合物、
前記脂肪酸のアミド、ポリアルキレンオキサイドアルキ
ルリン酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオレフ
ィンオキシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1
〜5個、オレフィンは、エチレン、プロピレンなど)、
硫酸エステル、及び銅フタロシアニン誘導体等を使用す
ることができる。これらは、単独でも組み合わせて使用
しても良い。上記の中では、オレイン酸銅、銅フタロシ
アニン誘導体、及び硫酸バリウムが好ましい。分散剤
は、結合剤樹脂100質量部に対して0.5〜20質量
部の範囲で添加される。
【0065】潤滑剤としては、従来から磁気テープに通
常使用されている潤滑剤から適宜選択して使用できる
が、本発明では特に炭素数18以上の脂肪酸、あるいは
脂肪酸エステルが走行性の向上の点から好ましい。潤滑
剤は、結合剤樹脂100質量部に対して通常1〜5質量
部の範囲で添加される。
【0066】結合剤としては、例えば、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物を挙げるこ
とができる。熱可塑性樹脂の例としては、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
共重合体、塩化ビニル−アクリルニトリル共重合体、ア
クリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリ
ル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エ
ステル−スチレン共重合体、メタアクリル酸エステル−
アクリルニトリル共重合体、メタアクリル酸エステル−
塩化ビニリデン共重合体、メタアクリル酸エステル−ス
チレン共重合体、ポリ弗化ビニル、塩ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル
共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、繊
維素系樹脂(セルロースアセテートブチレート、セルロ
ースダイアセテート、セルロースプロピオネート、ニト
ロセルロースなど)、スチレン−ブタジエン共重合体、
ポリエステル樹脂、クロロビニルエーテル−アクリル酸
エステル共重合体、アミノ樹脂、各種ゴム系樹脂を挙げ
ることができる。また熱硬化性樹脂または反応型樹脂と
しては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキ
ド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、
シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリイソ
シアネートを挙げることができる。
【0067】更に、本発明の磁気記録媒体には、光サー
ボトラッキング用の加工パターン(サーボパターン)を
形成してもよい。このサーボパターンは、磁性層表面で
もバック層表面でもよいが、後者が好ましい。
【0068】サーボパターンとなり得る溝を形成する手
段としては、特に制限されないが、レーザービームによ
る加工により形成したものが好ましい。この理由は、エ
ンボス加工等の単なる機械的加工に比べてレーザー加工
では、溝が一様に形成できるため、サーボトラッキング
の精度が向上するためである。レーザービームによる加
工には各種のレーザー露光装置が用いられるが、レーザ
ー露光装置における出力、レーザービームの波長、ビー
ム径等はサーボパターン及びサーボトラッキング法によ
り適宜選定される。例えば、YAGレーザー露光装置に
おいては、通常、出力は、0.1〜10W、レーザービ
ームの波長は、1064nm、ビーム径は、0.1〜2
0μm、好ましくは0.5〜10μmの範囲である。
【0069】サーボパターンとなる溝の形状、分布は任
意であり、最適化され得る。サーボパターンとしては、
通常、所定幅を有する連続線状や不連続なスポット状が
例示される。また、連続線状としてその平面形状(層平
面に平行な方向の切断面の形状)としては、矩形であっ
ても平行曲線状であってもよく、スポット状としてその
同平面形状としては、任意であり、線状、円状、楕円
状、三角形状、四角形状などの多角形状等であってもよ
い。
【0070】また、サーボパターンの存在数は、サーボ
トラッキングの方法や所望の記録密度に応じて適宜選定
されるが、通常、50〜1000本/インチの範囲であ
る。尚、サーボパターンがスポット状の場合は、この存
在数はサーボトラッキングに対応する長手方向の一群の
集団を指す。また、サーボパターンの溝の深さもサーボ
トラッキングの方法により適宜最適化されることが好ま
しいが、通常、バック層では0.5〜1.0t、磁性層
では0.1〜1t(ここで、tは、バック層或いは磁性
層の厚みである。)の範囲で選定される。また、サーボ
トラッキングが可能な範囲で、その深さは変動していて
も良い。また、溝の底部形状(層平面に垂直方向の切断
面の底部形状)は、直線状でも凸凹状でもよい。
【0071】以上のようなサーボパターンを少なくとも
媒体表面に施すことにより、光サ−ボトラッキングを可
能とすると共に、摩擦係数の低減や、磁気テープにおい
てはガイドポール汚れや巻き姿が改善される。
【0072】[製造方法]本発明の磁気記録媒体は、非
磁性可撓性支持体上に、非磁性層と磁性層とを塗布し、
乾燥させて得られる。従って、非磁性層及び磁性層は、
上記した層構成成分を適当な有機溶剤に溶解、分散させ
た塗布液とされる。以下の説明において、磁性層を形成
するための塗布液を「磁性塗料」、非磁性層を形成する
ための塗布液を「非磁性塗料」と言う。
【0073】尚、有機溶剤は公知のものが使用でき、例
えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソ
ホロン、テトラヒドロフラン等のケトン類、メタノー
ル,エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、
乳酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエ
ーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等
のグリコールエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クレゾール、クロルベンゼン等の方向族炭化水素
類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化
炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロ
ルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ヘキサン等を使用できる。これら有機溶剤
は必ずしも100%純粋である必要はなく、異性体や未
反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純物を
30質量%以下、好ましくは10質量%以下含有してい
てもよい。
【0074】これらの有機溶剤は、複数種を混合した混
合溶剤であってもよい。分散性を向上させるためには、
ある程度極性が強い方が好ましく、誘電率が15以上の
有機溶剤を50質量%以上含むことが好ましい。また、
磁性塗料と非磁性塗料とで同一種類の有機溶剤を用いる
ことが好ましい。但し、有機溶剤の含有量は異なってい
てもよい。また、例えばシクロヘキサノンやジオキサン
等の表面張力の高い溶剤を用いることにより塗布の安定
性を高めることができ、具体的には磁性塗料の組成の算
術平均値が非磁性塗料の算術平均値を下回らないことが
肝要である。また、溶解パラメータは8〜11であるこ
とが好ましい。
【0075】磁性塗料や非磁性塗料を製造する工程は、
少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の
前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工
程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。
また、各塗料に含まれる強磁性粉末、非磁性粉末、結合
剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、
溶剤等全ての原料はどの工程の最初または途中で添加し
てもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で
分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタン
を混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合
工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成す
るためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として
用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連
続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力
をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる
場合は、強磁性粉末または非磁性粉末と結合剤の全てま
たはその一部(ただし全結合剤の30質量%以上が好ま
しい)および強磁性粉末100質量部に対し15〜50
0質量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の
詳細については特開平1−106338号公報、特開平
1−79274号公報に記載されている。磁性塗料およ
び非磁性層塗料を分散させるにはガラスビーズを用いる
ことができるが、高比重の分散メディアであるジルコニ
アビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適であ
る。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用
いられる。分散機は公知のものを使用することができ
る。分散速度がことなる磁性体、研磨剤、カーボンブラ
ックをあらかじめ別々に分散し、混合し必要によりさら
に微分散して塗布液とすることができる。
【0076】そして、先ず、磁性塗料の塗布で一般的に
用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、
エクストルージョン塗布装置等により、非磁性塗料を塗
布し、塗膜(非磁性層)がウェット状態のうちに特公平
1−46186号公報や特開昭60−238179号公
報、特開平2−265672号公報に開示されている支
持体加圧型エクストルージョン塗布装置により磁性塗料
を塗布する。あるいは、特開昭63−88080号公
報、特開平2−17971号公報、特開平2−2656
72号公報に開示されているような塗布液通液スリット
を二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより非磁性塗料と磁
性塗料とをほぼ同時に塗布してもよい。また、特開平2
−174965号公報に開示されているバックアップロ
ール付きエクストルージョン塗布装置により非磁性塗料
と磁性塗料とをほぼ同時に塗布することもできる。
【0077】尚、強磁性粉末の凝集による磁気記録媒体
の電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62−
95174号公報や特開平1−236968号公報に開
示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布液
にせん断を付与することが望ましい。さらに、各塗料の
粘度については、特開平3−8471号公報に開示され
ている数値範囲を満足することが好ましい。
【0078】また、非磁性塗料を塗布し、乾燥させたの
ち、その上に磁性塗料を設ける逐次重層塗布を用いても
かまわず、本発明の効果が失われるものではない。但
し、塗布欠陥を少なくし、ドロップアウトなどの品質を
向上させるためには、前述の同時重層塗布を用いること
が好ましい。
【0079】更に、強力な配向を行うことが好ましい。
その場合、1000G(0.1T)以上のソレノイド
と、2000G(0.2T)以上のコバルト磁石とを同
極対向で併用することが好ましく、更には乾燥後の配向
性が最も高くなるように配向前に予め適度の乾燥工程を
設けることが好ましい。また、磁性層と非磁性層の配向
方向を変更するために配向する方向は、必ずしも長手方
向で面内方向である必要はなく、垂直方向、幅方向に配
向してもよい。尚、ディスク媒体として本発明を適用す
る場合は、むしろ配向をランダムにする方が好ましい。
【0080】カレンダ処理ロールとしてエポキシ、ポリ
イミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあ
るプラスチックロールまたは金属ロールで処理すること
が好ましい。処理温度は、好ましくは70℃以上、さら
に好ましくは80℃以上である。線圧力は好ましくは2
00Kg/cm(196kN/m)以上、さらに好ましくは
300kg/cm(294kN/m)以上である。
【0081】また、バック層を設ける場合は、上記の非
磁性層と磁性層とを形成した後、各成分を含むバック層
用塗料を塗布、乾燥して設ける。更に、サーボトラッキ
ング用パターンを,引き続き形成する。
【0082】上記の如く得られる本発明の磁気記録媒体
のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10℃〜40℃、
湿度0%〜95%の範囲において0.5以下、好ましく
は0.3以下、表面固有抵抗は好ましくは磁性面104
〜1012オーム/sq、帯電位は−500Vから+500V
以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は面
内各方向で好ましくは100〜2000Kg/mm2(980
〜1960MPa)、破断強度は好ましくは1〜30Kg
/mm2(9.8〜29.4MPa)、磁気記録媒体の弾性
率は面内各方向で好ましくは100〜1500Kg/mm
2(980〜1470MPa)、残留のびは好ましくは
0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮
率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以
下、最も好ましくは0.1%以下である。磁性層のガラ
ス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失
弾性率の極大点)は50℃以上120℃以下が好まし
く、非磁性層のそれは0℃〜100℃が好ましい。損失
弾性率は1×107〜8×108N/m2の範囲にあるこ
とが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ま
しい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやす
い。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向で1
0%以内でほぼ等しいことが好ましい。
【0083】磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは
100mg/m2以下、さらに好ましくは10mg/m2
以下であり、2層構成の磁性層の場合、第2層(上層)
に含まれる残留溶媒が第1層に含まれる残留溶媒よりも
少ないことが好ましい。塗布層が有する空隙率は非磁性
層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ま
しくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たす
ためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値
を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し使用
が重視されるデータ記録用磁気記録媒体では、空隙率が
大きい方が走行耐久性の点で好ましいことが多い。
【0084】磁気記録媒体の磁気特性は、磁場5KOe
で測定した場合、テープ走行方向の角形比は0.70以
上、好ましくは0.80以上、更に好ましくは0.90
以上である。また、テープ走行方向に垂直な2つの方向
の角形比は、走行方向の角形比の80%以下となること
が好ましい。磁性層のSFDは、0.6以下であること
が好ましい。
【0085】非磁性層が良好な平坦性をもって形成され
るため、磁性層も厚み変動が少なく、平坦に形成され
る。磁性層の表面粗さは、光干渉式表面粗さ計による中
心面平均表面粗さRa(カットオフ値;0.25mm)
で1.0〜10.0nmが好ましいが、その値は目的によ
り適宜設定されるべきである。例えば、電磁変換特性を
良好にするためには、Raは小さいほど好ましいが、走
行耐久性を良好にするためには逆に大きい方が好まし
い。また、AFM(Atomic Force Micro Scope)による
評価で求めたRRMS(2乗平均表面粗さ)は、2nm〜
15nmの範囲にあることが好ましい。
【0086】磁気記録媒体の非磁性層と磁性層とを、目
的に応じてそれぞれの物理特性を変えることができるこ
とは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾
性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に、非磁性
層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッド
への当りを良くするなどである。また、多層構成の磁性
層の場合、それぞれにどのような物理特性を付与するか
は、公知の磁性層重層に関する技術を参考にすることが
できる。例えば、上層磁性層のHcを下層磁性層のHc
より高くするには、特公昭37−2218号公報、特開
昭58−56228号公報等をはじめとして多くの発明
がなされているが、本発明のように磁性層を薄層にする
ことにより、より高いHcの磁性層でも記録が可能にな
る。
【0087】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明するが、
本発明はこれに限定されるべきものではない。尚、特に
言及がない場合は、「部」は、「質量部」を意味する。
【0088】 [実施例1] (磁性塗料) 強磁性金属粉末(Fe/Co=90/10) 100部 Hc:191kA/m、SBET:58m2/g、σs:140A・m2/kg 結晶子サイズ:0.012μm、平均長軸長:0.06μm、針状比:5 表面処理剤:Al23 塩化ビニル系共重合体 5部 (日本ゼオン(株)製MR−110) ポリエステルポリウレタン樹脂 2部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1、−SO3Na基 1×10-4eq/g含有、 Tg:65℃ α―アルミナ(平均粒子径:0.3μm) 2部 カーボンブラック(平均粒子径:0.10μm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 3部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 30部 トルエン 20部
【0089】 (非磁性塗料) 非磁性粉末(板状ベーマイト) 80部 平均板径:0.1μm、SBET:48m2/g、pH:8、 Fe23含有量:90質量%以上、DBP吸油量:27〜38 ml/100g、表面処理剤:Al23 カーボンブラック 20部 平均一次粒子径:16μm、DBP吸油量:80ml/100g、 pH:8.0、SBET:250m2/g、揮発分:1.5質量% 塩化ビニル系共重合体(日本セオン(株)製MR−110) 9部 ポリエステルポリウレタン樹脂 8部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1、−SO3Na基 1×10-4eq/g含有、 Tg:65℃ ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 180部 シクロヘキサノン 80部
【0090】(試料の調製)上記の磁性塗料及び非磁性
塗料のそれぞれについて、各成分を連続ニーダで混練し
た後、サンドミルを用いてジルコニアビーズで分散させ
た。得られた分散液にポリイソシアネートを非磁性塗料
には3部、磁性塗料には1部を加え、さらに非磁性塗料
にはシクロヘキサノン40部、磁性塗料にはメチルエチ
ルケトン40部を加え、1μm の平均孔径を有するフィ
ルターを用いて濾過し、非磁性塗料及び磁性塗料をそれ
ぞれ調製した。
【0091】得られた非磁性塗料を、乾燥後の非磁性層
の厚さが1.2μm になるように、更にその直後にその
上に磁性塗料を磁性層厚さが0.05μmとなるよう
に、厚さ7.0μm で中心面平均表面粗さ(カットオフ
値:0.25mm)が0.01μmのポリエチレンレテ
フタレート支持体上に同時重層塗布を行い、両層がまだ
湿潤状態にあるうちに3000G(0.3T)の磁束密
度を持つコバルト磁石と、1500G(0.15T)の
磁束密度を持つソレノイドとにより配向させた。乾燥
後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで
温度95℃にて分速200m/minで処理を行い、試
験用8mmテープを製造した。
【0092】(評価方法) (1)磁性層厚み変動率 試験磁気テープを長手方向に約0.1μmの厚みにダイ
ヤモンドカッターで切り出し、透過型電子顕微鏡で倍率
100000倍で観測・撮影し、磁性層表面、磁性層と
非磁性層との界面に線を引き、Zeiss社製画像処理
装置BAS2にて磁性層厚みの標準偏差(σ[μ
m])、磁性層の平均厚み(δavg[μm])を測定し
た。尚、測定長が21cmの場合、85〜300回計測
した。また、厚み変動率(σ/δavg*100[%])
を算出した。 (2)出力、CNR また、試験磁気テープの出力及びCNRは、ドラムテス
ターを用いて測定した。相対速度は10.5m/sec
とした。使用したヘッドは、記録ヘッドがBs1.2
T、ギャップ長0.22μmのMGヘッドで、記録波長
0.5μmの単一周波数(21MHz)の信号を最適記
録電流で記録した。また、再生ヘッドとして、シールド
間隔0.2μmのMRヘッドを用いた。そして、シバソ
ク製スペクトルアナライザーで測定したノイズスペクト
ルにて、21MHzの再生出力と変調周波数2MHzの
ノイズレベルとの比を求めてCNRとした。
【0093】上記の測定結果を表1に示す。
【0094】[実施例2〜6、比較例1〜3]表1に示
すように、磁性粉末及び非磁性粉末の種類、磁性層厚み
を変更した以外は、実施例1と同様にして試験用8mm
テープを作成した。そして、実施例1と同様にして、磁
性層厚み変動率、出力及びCNRを求めた。結果を表1
に併記する。
【0095】
【表1】
【0096】上記の実施例及び比較例から、非磁性層に
板径100nm以下の板状ベーマイトを含有させること
により、磁性層の厚み変動を抑えることができ、高い出
力と高いCNRが得られることがわかる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、板径1
00nm以下の板状ベーマイトを非磁性層に含ませるこ
とにより、非磁性層表面の平坦性が高まり、その上に形
成される磁性層の表面の平坦性も良好にする。そのた
め、本発明の磁気記録媒体では、磁性層を薄くしても、
電磁変換特性が低下することが無く、特にMRヘッドと
のくみわせ高密度記録が可能になる。また、重層塗布方
式で形成できることから、生産性にも優れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性可撓性支持体上に、非磁性粉末と
    結合剤とを主体とする非磁性層を介して、少なくとも強
    磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を設けてなる磁気記録
    媒体において、前記非磁性粉末が板径100nm以下の
    板状ベーマイト粉末であり、かつ前記磁性層の厚み変動
    率が35%以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007273040A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Fujifilm Corp 磁気記録媒体
JP2012507597A (ja) * 2008-10-31 2012-03-29 ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド 水性ゾル−ゲル法を用いた透明な無機−有機ハイブリッド材料

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