JP2002229564A - 演奏データ処理装置及び方法並びに記憶媒体 - Google Patents

演奏データ処理装置及び方法並びに記憶媒体

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JP2002229564A
JP2002229564A JP2001025905A JP2001025905A JP2002229564A JP 2002229564 A JP2002229564 A JP 2002229564A JP 2001025905 A JP2001025905 A JP 2001025905A JP 2001025905 A JP2001025905 A JP 2001025905A JP 2002229564 A JP2002229564 A JP 2002229564A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 演奏データへの表情付けを簡単かつ効率的に
実行する。 【解決手段】 取得した調性情報と音程情報とに応じ
て、供給された演奏データに少なくとも含まれる一連の
音符列の各音高をそれぞれ表す複数の音高情報毎に楽音
特性の変更有無の判定を行い、該判定結果に基づき、供
給された演奏データに対して所定の演奏関連情報を付加
する。すなわち、特性変更手段は取得した調性情報と音
程情報とに基づいて、演奏データに含まれる複数の音高
情報を順次に評価し判定する。情報付加手段は、特性変
更手段による判定結果に従う音高情報の全てに対して、
所定の演奏関連情報を付加する。こうすることによっ
て、ユーザは演奏データ全体にわたって表情付けを適宜
の箇所で1つ1つ行うことなく、簡単かつ効率的に演奏
データ全体にわたって表情付けを行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、演奏データに対
し音楽的な表現を新たに付加することのできる演奏デー
タ処理装置および方法並びに記憶媒体に関し、特に弦楽
器に特有の奏法に関する表情付けを簡単かつ効率的に行
うようにした演奏データ処理装置及び方法並びに記憶媒
体に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、演奏データを基にして楽音を
自動演奏する自動演奏装置(つまり、シーケンサー)が
知られている。こうした自動演奏装置で用いられる演奏
データを一連の音符列の各音高をそれぞれ表す複数の音
高情報のみで構成すると、該演奏データを再生すること
により行われる楽音の自動演奏は機械的な無表情な演奏
が行われることとなり、非常に音楽的に不自然である。
そこで、こうした自動演奏をより音楽的に自然な演奏、
美しい演奏、生々しい演奏とするためには、楽音に対し
て様々な音楽的な表現や楽器らしさといった表情付けを
行うとよい。そのためには、演奏データに対して様々な
音楽的な表現や楽器らしさを表す演奏情報を制御データ
として新たに加える必要がある。従来から知られている
ように、こうした演奏データに対する演奏情報の付加は
演奏データ処理装置を用いて行われる。例えば、ギター
やベースなどの弦楽器において頻繁に用いられる奏法の
1つであるチョーキング奏法による表情付けを楽音に対
し新たに行う場合には、自動演奏中にチョーキング奏法
を行いたい曲(すなわち、演奏データ)の所望の箇所で
ユーザ自らが随時にピッチベンドホイールなどの操作子
を操作することによってピッチベンド値を変更する、あ
るいはシーケンスソフト等を利用してチョーキング奏法
を行いたい曲(すなわち、演奏データ)の所望の箇所に
おけるピッチベンド値を予め変更した演奏データを作成
するなどによる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
にユーザ自らが曲(すなわち、演奏データ)のどの部分
にどのような音楽的な表現の表情付けを行うかを決定
し、該決定に従って曲(すなわち、演奏データ)に対し
音楽的に不都合のない表情付けを行うためには、ユーザ
が音楽の知識や楽器の特性などを熟知している必要があ
る。また、例え音楽の知識や楽器の特性などを熟知して
いるユーザであったとしても、該ユーザが表情付けを行
うためのピッチベンドホイールなどの操作子を操作した
ことのないユーザであったり、あるいは予めピッチベン
ド値を変更するために用いられるシーケンスソフト等を
利用したことのないユーザであるような場合には、これ
らを適切に操作して音楽的に不都合のない表情付けを曲
(すなわち、演奏データ)の適宜の箇所で行うことは非
常に困難であり、また曲全体にわたる表情付けを適宜の
箇所で1つ1つ行わなければならなかったので非常に処
理効率が悪い、という問題点があった。
【0004】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、弦楽器に特有の奏法に関する表情付けを演奏データ
に対して簡単かつ効率的に付加することのできる演奏デ
ータ処理装置及び方法並びに記憶媒体を提供しようとす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る演奏データ
処理装置は、一連の音符列の各音高をそれぞれ表す複数
の音高情報を少なくとも含む演奏データを供給する演奏
データ供給手段と、調性情報を取得する調性取得手段
と、音程情報を取得する音程取得手段と、前記取得した
調性情報と音程情報とに応じて、前記供給された演奏デ
ータに含まれる複数の音高情報毎に楽音特性の変更有無
を判定する特性変更判定手段と、前記特性変更判定手段
の判定結果に基づき、前記供給された演奏データに所定
の演奏関連情報を付加する情報付加手段とを具える。
【0006】本発明によると、情報付加手段は、取得し
た調性情報と音程情報とに応じて、供給された演奏デー
タに少なくとも含まれる一連の音符列の各音高をそれぞ
れ表す複数の音高情報毎に楽音特性の変更有無を判定
し、該判定結果に従って前記供給された演奏データに所
定の演奏関連情報を付加する。すなわち、演奏データに
対して所定の演奏関連情報を付加するために、演奏デー
タに含まれる複数の音高情報毎に楽音特性の変更有無を
判定する。特性変更判定手段は該判定を行うものであ
り、判定の際には調性取得手段から取得した調性情報と
音程取得手段から取得した音程情報とに基づいて判定を
行う。情報付加手段は、この特性変更判定手段の判定結
果に基づき、供給された演奏データに対して所定の演奏
関連情報を付加する。このように、取得した調性情報と
音程情報とに基づいて演奏データに含まれる複数の音高
情報を順次に評価する処理を行うことによって、演奏デ
ータ全体にわたって、取得した調性情報と音程情報とに
応じた同一の判定条件に従う音高情報の全てに対して、
所定の演奏関連情報を付加する。つまり、ユーザは演奏
データ全体にわたる表情付けを適宜の箇所で1つ1つ行
うことなく、簡単かつ効率的に演奏データ全体にわたっ
て演奏関連情報を自動的に付加することができるように
なる。
【0007】本発明の好ましい実施例として、前記所定
の演奏関連情報は、所定の楽器に特有な奏法を指示する
情報であることを特徴とする。このように、演奏データ
に付加する演奏関連情報が所定の楽器に特有な奏法を指
示する情報であるとすると、ユーザは簡単に所定の楽器
特有の音楽的な表現を表情付けすることができるように
なり便利である。
【0008】本発明は、装置の発明として構成し、実施
することができるのみならず、方法の発明として構成し
実施することができる。また、本発明は、コンピュータ
またはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施
することができるし、そのようなプログラムを記憶した
記憶媒体の形態で実施することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に従って詳細に説明する。
【0010】図1は、この発明に係る演奏データ処理装
置を適用した電子楽器の実施の形態を示すハード構成ブ
ロック図である。この実施の形態においては、マイクロ
プロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ
(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3か
らなるマイクロコンピュータの制御の下に各種の処理が
実行されるようになっている。この実施の形態では、1
個のCPU1によって各種処理を行う電子楽器を例に説
明する。CPU1は、この電子楽器全体の動作を制御す
るものである。このCPU1に対して、通信バス1D
(例えば、データ及びアドレスバスなど)を介してリー
ドオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ
(RAM)3、検出回路4、スイッチ検出回路5、表示
回路6、音源回路7、DSP(Digital Signal Proce
ssorの略)8、外部記憶装置9、MIDIインタフェー
ス(I/F)10および通信インタフェース11がそれ
ぞれ接続されている。更に、CPU1には、タイマ割込
み処理(インタラプト処理)における割込み時間や各種
時間を計時するタイマ1Aが接続されている。すなわ
ち、タイマ1Aは時間間隔を計数したり、演奏データに
従う曲を自動演奏する際の演奏テンポを設定したりする
ためのテンポクロックパルスを発生する。このテンポク
ロックパルスの周波数は、パネル操作子5Aの中の例え
ばテンポ設定スイッチ等によって調整される。このよう
なタイマ1AからのテンポクロックパルスはCPU1に
対して処理タイミング命令として与えられたり、あるい
はCPU1に対してインタラプト命令として与えられ
る。CPU1は、これらの命令に従って各種処理を実行
する。各種処理には、例えば曲に対してより自然な演奏
や生々しい演奏を行うための様々な楽器毎に特有の音楽
的な表現(例えば、弦楽器で用いられるチョーキング奏
法など)に関する演奏情報を生成し、該演奏情報を演奏
データに対して付加する処理等がある。
【0011】なお、演奏データ処理装置は専用の装置に
限られず、例えばパソコンなどの汎用装置あるいはマル
チメディア機器等であってもよく、本発明に従う所定の
ソフトウエア又はハードウエアを用いることによって、
演奏データを自動的に分析し、該分析結果に基づいて楽
音への表情付けを行うことができるように構成した装置
であればどのようなものであってもよい。
【0012】ROM2は、CPU1により実行あるいは
参照される各種プログラムや各種データ等を格納するも
のである。RAM3は、演奏データに基づいて曲を自動
演奏する際に用いる演奏条件等の自動演奏情報やCPU
1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種デー
タなどを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あ
るいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータ
を記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定
のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジ
スタやフラグ、テーブル、メモリなどとして利用され
る。演奏指示操作子4Aは楽音の音高を選択するための
複数の鍵を備えた、例えば鍵盤等のようなものであり、
各鍵に対応してキースイッチを有しており、この演奏指
示操作子4Aは楽音演奏のために使用できるのは勿論の
こと、自動演奏を行う際に用いるピッチやリズムなどを
入力するための入力手段として使用することもできる。
勿論、演奏指示操作子4Aは鍵盤等の形態に限らず、楽
音の音高を選択するための弦を備えたネック等のような
形態のものであってもよいことは言うまでもない。検出
回路4は、演奏指示操作子4Aの各鍵の押圧及び離鍵を
検出することによって、あるいは弦の振動を検出するこ
とによって、検出出力を生じる。
【0013】パネル操作子(設定スイッチ等)5Aは表
情付けする際に用いる演奏データの指定や各種パラメー
タを設定する、あるいは自動演奏時における各種演奏条
件等を入力するための各種の操作子を含んで構成され
る。勿論、音高、音色、効果等を選択・設定・制御する
ために用いる数値データ入力用のテンキーや文字データ
入力用のキーボード、あるいは操作量に応じたピッチベ
ンド値を設定することのできるピッチベンドホイールな
どの各種操作子を含んでいてよい。スイッチ検出回路5
は、パネル操作子5Aの各操作子の操作状態を検出し、
その操作状態に応じたスイッチ情報を通信バス1Dを介
してCPU1に出力する。表示回路6は演奏データに含
まれる一連の音符列の各音高をそれぞれ表す複数の音高
情報等の各種情報を、例えば液晶表示パネル(LCD)
やCRT等から構成される表示機6Aに表示するのは勿
論のこと、自動演奏に関する演奏情報あるいはCPU1
の制御状態などを表示機6Aに表示する。
【0014】音源回路7は、複数のチャンネルで楽音信
号の同時発生が可能であり、通信バス1Dを経由して与
えられた演奏データを入力し、この演奏データに基づい
て楽音信号を発生する。音源回路7から発生された楽音
信号は、DSP8により所定のディジタル信号処理が施
され、該信号処理された楽音信号はサウンドシステム8
Aに与えられて発音される。演奏データの形式はSMF
(Standard MIDI Fileの略)形式のようなディジタル符
号化されたものであってもよいし、PCM、DPCM、
ADPCMのような波形サンプルデータ方式からなるも
のであってもよい。また、効果回路(図示せず)を音源
回路7とサウンドシステム8Aとの間に配置して前記音
源回路7から発生された楽音信号に対して各種効果を与
えるようにしてもよい。前記音源回路7における楽音信
号発生方式はいかなるものを用いてもよい。例えば、発
生すべき楽音の音高に対応して変化するアドレスデータ
に応じて波形メモリに記憶した楽音波形サンプル値デー
タを順次読み出す波形メモリ読み出し方式、又は上記ア
ドレスデータを位相角パラメータデータとして所定の周
波数変調演算を実行して楽音波形サンプル値データを求
めるFM方式、あるいは上記アドレスデータを位相角パ
ラメータデータとして所定の振幅変調演算を実行して楽
音波形サンプル値データを求めるAM方式等の公知の方
式を適宜採用してもよい。すなわち、音源回路7の方式
は、波形メモリ方式、FM方式、物理モデル方式、高調
波合成方式、フォルマント合成方式、VCO+VCF+
VCAのアナログシンセサイザ方式、アナログシミュレ
ーション方式等、どのような方式であってもよい。ま
た、専用のハードウェアを用いて音源回路7を構成する
ものに限らず、DSPとマイクロプログラム、あるいは
CPUとソフトウェアを用いて音源回路7を構成するよ
うにしてもよい。さらに、1つの回路を時分割で使用す
ることによって複数の発音チャンネルを形成するような
ものでもよいし、1つの発音チャンネルが1つの回路で
形成されるようなものであってもよい。
【0015】外部記憶装置9は、自動演奏時に用いる演
奏条件等の各種パラメータ、表情付けの際に演奏情報を
付与する対象となる演奏データ、CPU1が実行する各
種の制御プログラム等を記憶するものである。前記RO
M2に制御プログラムが記憶されていない場合、この外
部記憶装置9(例えばハードディスク)に制御プログラ
ムを記憶させておき、それを前記RAM3に読み込むこ
とにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場
合と同様の動作をCPU1にさせることができる。この
ようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアッ
プ等が容易に行える。なお、外部記憶装置9はハードデ
ィスク(HD)に限られず、フロッピィーディスク(F
D)、コンパクトディスク(CD−ROM・CD−RA
M)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digi
tal Versatile Diskの略)等の着脱自在な様々な形態の
外部記録媒体を利用する記憶装置であってもよい。ある
いは、半導体メモリなどであってもよい。
【0016】MIDIインタフェース(I/F)10
は、外部の演奏機器10A等からMIDI規格の楽音情
報(例えば、演奏データ)を当該電子楽器へ入力した
り、あるいは当該電子楽器からMIDI規格の楽音情報
(例えば、演奏データ)を外部の演奏機器10A等へ出
力するためのインタフェースである。外部の演奏機器1
0Aはユーザによる操作に応じてMIDIデータを発生
する機器であればよく、鍵盤型、弦楽器型、管楽器型、
打楽器型、ミブリ型等どのようなタイプの操作子を具え
た(若しくは、操作形態からなる)機器であってもよ
い。通信インタフェース11は、例えばLANやインタ
ーネット、電話回線等の有線あるいは無線の通信ネット
ワーク11Bに接続されており、該通信ネットワーク1
1Bを介して、サーバコンピュータ11Aと接続され、
当該サーバコンピュータ11Aから制御プログラムや演
奏データ等の各種データを電子楽器側に取り込むための
インタフェースである。すなわち、ROM2や外部記憶
装置9(例えば、ハードディスク)等に制御プログラム
や各種データが記憶されていない場合、または記憶され
ている制御プログラムや各種データをバージョンアップ
する場合などに、サーバコンピュータ11Aから制御プ
ログラムや演奏データ等の各種データをダウンロードす
るために用いられる。クライアントとなる電子楽器は、
通信インターフェース11及び通信ネットワーク11B
を介してサーバコンピュータ11Aへと制御プログラム
や演奏データ等の各種データのダウンロードを要求する
コマンドを送信する。サーバコンピュータ11Aは、こ
のコマンドを受け、要求された制御プログラムや演奏デ
ータ等の各種データを、通信ネットワーク11Bを介し
て本電子楽器へと配信し、本電子楽器が通信インタフェ
ース11を介して、これら制御プログラムや演奏データ
等の各種データを受信して外部記憶装置9(例えば、ハ
ードディスク)等に蓄積することにより、ダウンロード
が完了する。
【0017】なお、MIDIインタフェース10は専用
のMIDIインタフェースを用いるものに限らず、RS
−232C、USB(ユニバーサル・シリアル・バ
ス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)
等の汎用のインタフェースを用いてMIDIインタフェ
ース10を構成するようにしてもよい。この場合、MI
DI規格の楽音情報以外のデータをも同時に送受信する
ようにしてもよい。MIDIインタフェース10として
上記したような汎用のインタフェースを用いる場合に
は、外部の演奏機器10AはMIDI規格の楽音情報以
外のデータも送受信できるようにしてよい。勿論、音楽
情報に関するデータフォーマットはSMF形式などのM
IDI規格のデータに限らず、他の規格のデータであっ
てもよく、その場合はMIDIインタフェース10と外
部の演奏機器10Aはそれにあった構成とする。
【0018】演奏データを一連の音符列の各音高情報の
みで構成すると機械的な無表情な演奏が再生されること
となり、こうした演奏は音楽的に非常に不自然な演奏で
ある。そこで、より自然な演奏、美しい演奏、生々しい
演奏とするためには、様々な楽器毎に特有の音楽的な表
現(すなわち、楽器らしさ)を表す演奏情報を制御デー
タとして演奏データに付加する(すなわち、表情付けを
行う)のがよいことは上述した通りである。例えば、ギ
ターやベースなどの弦楽器においてはチョーキング奏法
が知られており、このチョーキング奏法を普通の奏法に
織り交ぜて用いることによって、ギターらしい表情を持
った自然な演奏を作り出すことができる。本発明に係る
演奏データ処理装置は楽音に弦楽器に特有の音楽的な表
現、特に弦楽器におけるチョーキング奏法に関する演奏
情報を演奏データに自動的に付加することのできる装置
である。そこで、演奏データに対して弦楽器に特有の音
楽的な表現を付加する表情付けの処理について、以下に
示す図2〜図6の各図に従って説明する。
【0019】まず、「メイン処理」について図2を用い
て説明する。図2は、該電子楽器におけるCPU1で実
行する「メイン処理」の一実施例を示したフローチャー
トである。該「メイン処理」は、電子楽器の電源オンと
同時に開始し、電源オフと同時に終了する処理である。
【0020】ステップS1では、初期化を行う。すなわ
ち、電子楽器への電源投入により所定のプログラムの実
行を開始し、RAM3の内容をクリアするとともに各種
の初期設定を行う。例えば、RAM3のレジスタやフラ
グ、テーブル、メモリ等の内容をクリアする、あるいは
表示機6Aに初期画面を表示するなどの各種設定を行
う。ステップS2では、「パネル処理」を行う。この
「パネル処理」では、外部記憶装置9から読み出した演
奏データ若しくは外部の演奏機器10Aから送信された
演奏データに対して弦楽器で用いられるチョーキング奏
法を含む各種の音楽的表現に関する演奏情報を付加する
表情付けのための処理、あるいは演奏データを再生する
ことによって楽音を発生する自動演奏のための処理、更
には該電子楽器で実行するその他の処理などの各種処理
を、パネル操作子5Aから入力された設定指示に応じて
実行する(詳しくは、後述する図3で説明する)。ステ
ップS3では、「演奏信号の生成処理」を行う。この
「演奏信号の生成処理」では、外部記憶装置9から読み
出した演奏データあるいは外部の演奏機器10Aから送
信された演奏データ(既にチョーキング奏法等の音楽的
表現に関する演奏情報が付加された演奏データを含む)
に基づいて自動演奏を行う際に、ユーザ設定に応じて各
種の音楽的表現に関する演奏情報を演奏順に従って付加
する「リアルタイム処理」を実行する(詳しくは、後述
する図4で説明する)。ステップS4では、発音処理を
行う。すなわち、自動演奏処理の開始がユーザにより設
定指示されている場合には、チョーキング奏法等の音楽
的表現に関する演奏情報が付加された(あるいは付加さ
れていない)演奏データを基に楽音信号を生成し、該楽
音信号をDSP8で増幅するなどの各種信号処理を行っ
てサウンドシステム8Aから表情付けが行われた状態で
(あるいは表情付けが行われていない状態のままで)楽
音を発音する。
【0021】次に、上述した「メイン処理」において実
行する「パネル処理」(図2のステップS2参照)につ
いて、図3を用いて説明する。図3は、「パネル処理」
の一実施例を示したフローチャートである。以下、図3
のフローチャートに従って、当該処理における処理動作
を説明する。
【0022】ステップS11では、パネル入力がなされ
たか否かを判定する。すなわち、ユーザがパネル操作子
5Aを操作して、表情付けのための処理や自動演奏のた
めの処理あるいはその他の処理等、なんらかの処理を実
行するための設定指示操作を行ったか否かを判定する。
パネル入力がなされていない場合には(ステップS11
のNO)、当該「パネル処理」を終了する。この場合に
は、以下に示す各種設定処理を行うことなく該「パネル
処理」を終了する。一方、パネル入力がなされている場
合には(ステップS11のYES)、以下に示すステッ
プS12〜ステップS32までの各処理を実行する。す
なわち、パネル操作子5Aからなんらかの処理を実行す
るための設定指示操作が行われた場合にのみ、該「パネ
ル処理」は実行される。
【0023】ステップS12では、表情付け処理の設定
指示であるか否かの判定を行う。すなわち、パネル操作
子5Aから設定指示操作が行われた場合に、該設定指示
操作により表情付けのための処理を行う設定指示が行わ
れたか否かを判定する。該設定指示操作が表情付け処理
の設定指示である場合には(ステップS12のYE
S)、ユーザ選択の受付を行う(ステップS13)。こ
のユーザ選択には、例えば「リアルタイム処理」や「自
動処理」の選択、あるいは表情付けの対象とする演奏デ
ータの選択などが含まれる。そして、該ユーザ選択が
「リアルタイム処理」の設定指示であるか否かの判定を
行う(ステップS14)。「リアルタイム処理」の設定
指示でない場合には(ステップS14のNO)、表情付
けを行う対象の演奏データを表示機6Aに表示する(ス
テップS15)。ステップS16では、ユーザ選択が
「自動処理」の設定指示であるか否かを判定する。「自
動処理」が選択されている場合には(ステップS16の
YES)、「演奏データの加工処理」(詳しくは、後述
する図5で説明する)を行う(ステップS19)。すな
わち、ユーザが設定指示した処理が「リアルタイム処
理」でない場合には、既に外部記憶媒体9に記憶された
演奏データあるいは外部の演奏機器10Aから送信され
た演奏データに対して新たに音楽的な表現に関する演奏
情報を付加する処理を行うが、「自動処理」が設定指示
されている場合には演奏データに含まれる一連の各音高
情報を自動的に分析し、該分析に基づいて特定の音高の
音に対してのみチョーキング奏法に関する演奏情報を一
括して演奏データに付加する処理を行う。
【0024】他方、「リアルタイム処理」及び「自動処
理」の両方ともが設定指示されていない場合には(ステ
ップS14及びステップS16が共にNOである場
合)、演奏データに対して音楽的な表現に関する演奏情
報をユーザ自身が直接指定することによって演奏データ
に付加する処理を行う(ステップS17)。すなわち、
この場合に行われる表情付けはチョーキング奏法に関す
る演奏情報の付加のみに限られず、ユーザの指定に従っ
てチョーキング奏法以外のその他の音楽的な表現に関す
る演奏情報をも演奏データに適宜に付加することができ
る。このように、設定指示操作が表情付け処理の設定指
示である場合には(ステップS12のYES)、該設定
指示操作に応じて「リアルタイム処理」(ステップS1
4)、「自動処理」(ステップS16)、「ユーザ指定
による表情付け」(ステップS17)のいずれかの処理
を実行する。
【0025】ステップS14において、「リアルタイム
処理」が選択されている場合には(ステップS14のY
ES)、「リアルタイム処理」で行う表情付けに関する
種々の設定を行う(ステップS18)。すなわち、この
場合には、ユーザの選択が「リアルタイム処理」(この
実施例では、演奏データを外部記憶媒体9から読み込ん
で自動演奏する際に表情付けをあわせて行う処理、ある
いは外部の演奏機器10Aから送信されてきた演奏デー
タを自動演奏する際に表情付けをあわせて行う処理)で
あれば、ユーザ所望の音楽的な表現を付した自動演奏を
行うように、演奏データを自動演奏するのにあわせて付
加する音楽的な表現に関する各種の設定条件などを設定
する。この「リアルタイム処理」で行う表情付けはチョ
ーキング奏法に関する演奏情報の付加のみに限られず、
ユーザの指定に従ってチョーキング奏法以外のその他の
音楽的な表現に関する演奏情報をも演奏データに適宜に
付加することができる。
【0026】ステップS12の処理に戻って、ユーザに
よる設定指示操作が表情付け処理の設定指示でない場合
には(ステップS12のNO)、該設定指示操作が自動
演奏処理の設定指示であるか否かを判定する(ステップ
S20)。自動演奏処理の設定指示でない場合には(ス
テップS20のNO)、表情付け処理あるいは自動演奏
処理以外の処理を設定指示に従って実行する(ステップ
S32)。自動演奏処理の設定指示である場合には(ス
テップS20のYES)、外部入力の設定があるか否か
を判定する(ステップS21)。外部入力の設定がある
場合には(ステップS21のYES)、ユーザ選択の受
付を行い(ステップS26)、外部の演奏機器10Aの
設定情報を該電子楽器の設定情報として設定する(ステ
ップS27)。すなわち、外部の演奏機器10Aから送
信された演奏データに基づいて自動演奏を行う設定であ
るか否かを判定し、そうであれば外部の演奏機器10A
の設定情報の入力を受け付けて電子楽器側の設定情報と
して用いるように設定する。外部入力の設定がない場合
には(ステップS21のNO)、演奏曲の設定があるか
否かを判定する(ステップS22)。演奏曲の設定があ
る場合には(ステップS22のYES)、ユーザの選択
を受け付け(ステップS28)、演奏データを読み出し
設定する(ステップS29)。すなわち、外部記憶装置
9に記憶されている演奏データをユーザ選択に従って読
み出す。演奏曲の設定がない場合には(ステップS22
のNO)、再生指示があるか否かを判定する(ステップ
S23)。
【0027】再生指示がある場合には(ステップS23
のYES)、演奏データの再生を開始する(ステップS
30)。すなわち、ユーザが再生指示を行った場合に
は、ユーザが選択した演奏データを再生して楽音の演奏
を開始する。再生指示がない場合には(ステップS23
のNO)、停止指示があるか否かを判定する(ステップ
S24)。停止指示がある場合には(ステップS24の
YES)、演奏データの再生を停止する(ステップS3
1)。すなわち、自動演奏中にユーザによって停止指示
があった場合には、現在自動演奏中である楽音の演奏を
停止する。停止指示がない場合には(ステップS24の
NO)、その他の指示に従う処理を実行する(ステップ
S25)。この「その他の指示に従う処理」には、例え
ば楽音に対する効果の付与指示に従う効果付与処理など
の処理がある。以上のように、設定指示操作が自動演奏
処理の設定指示である場合には(ステップS20のYE
S)、該設定指示操作に応じた処理(ステップS21〜
ステップS25)のいずれかの処理を実行する。
【0028】次に、上述の「メイン処理」において実行
する「演奏信号の生成処理」(図2のステップS3参
照)について、図4を用いて説明する。図4は、「演奏
信号の生成処理」の一実施例を示したフローチャートで
ある。以下、図4のフローチャートに従って、当該処理
における処理動作を説明する。
【0029】ステップS41では、自動演奏が再生中で
あるか否かを判定する。自動演奏が再生中である場合に
は(ステップS41のYES)、自動演奏処理対象の演
奏データを先読みする(ステップS42)。すなわち、
自動演奏処理対象の演奏データを外部記憶媒体9から先
読み処理して読み出しておく。そして、リアルタイムの
表情付け処理(つまり、「リアルタイム処理」)が設定
指示されているか否かを判定する(ステップS43)。
「リアルタイム処理」が設定指示されている場合には
(ステップS43のYES)、先読みした演奏データが
表情付けを行う対象部分に相当するか否かを判定する
(ステップS44)。つまり、先読みした演奏データの
範囲内に、表情付けする対象があるか否かを判定する。
対象がある場合には(ステップS44のYES)、演奏
データの特性を設定条件に従って変更する(ステップS
45)。すなわち、表情付けする。これにより、「リア
ルタイム処理」の設定指示がなされていない場合には読
み出した演奏データに基づいてそのまま自動演奏を行う
が、「リアルタイム処理」の設定指示がなされている場
合には先読みした演奏データの範囲内で表情付けを行う
対象があるか否かを判定し、対象があれば表情付けが行
われ、この表情付けを行った後の演奏データに基づいて
自動演奏が行われる。このように、自動演奏の再生中に
「リアルタイム処理」を行う場合には、演奏データの先
読みによってある程度の長さの演奏データを自動演奏を
行う前に分析し、表情付けを行う対象を含む演奏データ
であると分析したら、その演奏データに対してユーザの
設定に応じた表情付けを行うよう演奏データに対して演
奏情報を付加あるいは変更する。
【0030】ステップS46では、外部の演奏機器10
Aから送信された演奏データに基づく自動演奏を行う設
定指示であるか否かを判定する。外部からの演奏データ
に基づく自動演奏の設定指示である場合(ステップS4
6のYES)、送信されてきた演奏データを短時間維持
する(ステップS47)。すなわち、外部の演奏機器1
0Aから送られてくる演奏データを自動演奏する際に、
送信されてきた演奏データを一時的に保持する。ステッ
プS48では、「リアルタイム処理」が設定指示されて
いるか否かを判定する。「リアルタイム処理」が設定指
示されている場合には(ステップS48のYES)、送
信されてきた演奏データが表情付けを行う対象部分に相
当するか否かを判定する(ステップS49)。つまり、
短時間維持した演奏データの範囲内に、表情付けする対
象があるか否かを判定する。対象がある場合には(ステ
ップS49のYES)、演奏データの特性を設定条件に
従って変更する(ステップS50)。すなわち、表情付
けする。これにより、「リアルタイム処理」の設定指示
がなされていない場合には外部の演奏機器10Aから送
られた演奏データに基づいてそのまま自動演奏を行う
が、「リアルタイム処理」の設定指示がなされている場
合には短時間維持した演奏データの範囲内で表情付けを
行う対象があるか否かを判定し、対象があれば表情付け
が行われ、この表情付けを行った後の演奏データに基づ
いて自動演奏が行われる。このように、外部の演奏機器
10Aから送られた演奏データに基づく自動演奏の再生
中に「リアルタイム処理」を行う場合には、自動演奏を
行う前に外部の演奏機器10Aから送信された演奏デー
タを一時的に保持して分析し、表情付けを行う対象を含
む演奏データであると分析したら、その演奏データに対
してユーザの設定に応じた表情付けを行うよう演奏デー
タに対して演奏情報を付加あるいは変更する。
【0031】次に、上述した「パネル処理」において実
行する「演奏データの加工処理」(図3のステップS1
9参照)について、図5を用いて説明する。図5は、
「演奏データの加工処理」の一実施例を示したフローチ
ャートである。以下、図5のフローチャートに従って、
当該処理における処理動作を説明する。ただし、この実
施例においては、クォーターチョーキング奏法に関する
演奏情報を自動的に演奏データに付加する例を用いて説
明する。なお、クォーターチョーキング奏法は、元の音
高よりも1音の1/4程度ピッチを上昇(つまり、チョ
ーク・アップ)させる奏法のことである。
【0032】ステップS51では、調性情報の設定を受
け付ける。すなわち、ユーザが直接調性(例えば、Dマ
イナーやFメジャーなど)を入力することによって調性
を決定するユーザ設定、あるいは演奏データを分析する
ことによって自動的に調性を決定する自動設定のいずれ
の設定を行うかの選択を受け付ける。ステップS52で
は、上記調性情報の設定の受け付けにおいてユーザ設定
が選択されたか否かを判定する。ユーザ設定が選択され
ていない場合には(ステップS52のNO)、指定され
た演奏データを分析して調性を決定する(ステップS5
8)。一方、ユーザ設定が選択された場合には(ステッ
プS52のYES)、ユーザが直接入力した調性に調性
を決定する(ステップS53)。ステップS54では、
該決定した調性に従ってデータの加工対象を決定する。
一般的にクォーターチョーキング奏法を行う場合にクォ
ーターチョーキングをかける対象は、主音に対して短3
度の音高の音と短7度の音高の音である。そこで、決定
した調性の主音に対して短3度の音高又は短7度の音高
である音を決定する。例えば、Dマイナー(ニ短調)の
曲の場合においてクォーターチョーキングをかける対象
は、主音の「D」に対して短3度の音高の「F」音と短
7度の音高の「C」音とに決定される。
【0033】上記したユーザの入力による調性の決定
(ステップS53参照)には、長調か短調かをユーザが
選択する処理を含む。例えば、外部記憶媒体9に記憶さ
れた一般のユーザが作成した演奏データを利用するよう
な場合、該演奏データは必ずしも調性情報が正確に記憶
されているデータとは限らない。特に、長調か短調かが
正確に入力されて記憶されているデータであるか否かは
定かではない。例えば、後述する図7に示す譜例はDマ
イナー(ニ短調)の曲であるが、「♭」1つという調号
が調性情報として入力されていたとしても、長調か短調
かを調性情報として入力していないような場合にはFメ
ジャー(ヘ長調)という情報が調性情報としてデータに
保持されている可能性が高い。そうした場合、主音は
「D」ではなく「F」となる。その状態でクォーターチ
ョーキング奏法に関する演奏情報を付加するために、演
奏データへの「加工処理」(後述するステップS56及
び図6参照)を実行すると、本来主音「D」に対して短
3度の音高の「F」音と短7度の音高の「C」音に対し
てクォーターチョーキング奏法に関する演奏情報を付加
するところ、減5度と短2度の音高情報にクォーターチ
ョーキング奏法に関する演奏情報が付加され、不自然な
結果となる。そこで、演奏データには正確な調号が保持
されているものとした場合、長調か短調かのみをユーザ
に選択的に入力させるようにするとよい。この場合に
は、ステップS52とステップS53の処理の間に「長
調か短調か」をユーザに選択させる処理を追加する。そ
して、調性の決定(ステップS53参照)において、演
奏データに保持されている調号及びユーザが入力した長
調か短調かの情報に応じて、主音を決定する。例えば、
演奏データに調性情報としてFメジャー(ヘ長調)、調
号に「♭」1つが保持されている場合に、ユーザ入力で
長調と指定されていれば、「♭」1つの長調は「ヘ長
調」であるから主音を「F」と決定する。一方、ユーザ
入力で短調と指定されていれば、「♭」1つの短調は
「ニ単調」であるから、調性情報としてFメジャー(ヘ
長調)が保持されているにもかかわらず、主音を「D」
と決定する。
【0034】なお、ユーザに長調か短調かを指定させる
ことによって主音を決定することに限らず、演奏データ
全体を通じて最も出現頻度の高い音高を主音と決定する
などしてもよい。また、上述の実施例においては、主音
に対して短3度の音高の音と短7度の音高の音にデータ
の加工対象を限定したが、データの加工対象はこれらに
限られるものではない(上述のステップS54参照)。
例えば、音階における所望の音程を示す音程情報を指示
入力によって取得するようにし、該取得した音程情報に
従ってデータの加工対象を決定するようにしてもよい。
例えば、音程情報として「2度」「短2度」あるいは
「増5度」などのように指示入力された場合には、主音
に対してそれぞれ「2度」「短2度」あるいは「増5
度」の音高の音がデータの加工対象として決定されるこ
とになる。
【0035】図5に戻り、ステップS55では、音符の
順次評価を行う。すなわち、演奏データに含まれる一連
の音符列の各音高情報が、ステップS54で決定された
データの加工対象であるか否かを判定し、対象の音を加
工対象として抽出する。ステップS56では、抽出した
加工対象を加工処理する。すなわち、クォーターチョー
キング奏法に関する演奏情報を、抽出した音に対して順
次に付加する。つまり、抽出した音のピッチベンド値を
変更する。この変更するピッチベンド値については、後
述する。ステップS57では、加工したデータを新たに
記憶する。例えば、クォーターチョーキングをかける前
の演奏データとは別に、あるいはクォーターチョーキン
グをかける前の演奏データに上書きするようにして、該
演奏データを元の演奏データを読み出した先の外部記憶
媒体9等に記憶する。
【0036】ここで、上述した「演奏データの加工処
理」で行う「加工処理」(図5のステップS56参照)
について、図6を用いて説明する。図6は、「加工処
理」の一実施例を示したフローチャートである。以下、
図6のフローチャートに従って、当該処理における処理
動作を説明する。ステップS61では、ピッチベンド値
の変化設定を行う。例えば、ピッチベンド値の変化設定
としては、次に示す式1−1により算出される変化量が
設定される。 (30+40×RND)セント・・・式1−1 上記式1−1に示したRNDは変数であって、0〜1ま
での値をランダムに発生する。一般的に、クォーターチ
ョーキング奏法は元の音の音高よりも1/4半音(つま
り、50セント)ピッチを上昇させる奏法であるが、正
確にピッチを50セント上昇させるということでもな
く、ピッチの上昇が40セントに満たない場合もあれば
70セントを超える場合もある。そこで、この実施例に
おいては、ピッチの変化範囲として、50±20セント
程度の範囲でランダムにピッチの変化量を算出する。ス
テップS62では、加工処理の対象データに対して算出
されたピッチベンド値を演奏情報として付加する。ステ
ップS63では加工対象が終了したか否かを判定し、加
工対象全てが終了した場合には(ステップS63のYE
S)当該処理を終了し、加工対象全てが終了していない
場合には(ステップS63のNO)ステップS61に戻
って上記各処理を繰り返し実行する。このように、算出
されたピッチベンド値を加工処理の対象データに対応す
るように、演奏データに対して演奏情報として順次に付
加することによって表情付けが行われる。
【0037】ここで、「演奏データの加工処理」(図5
参照)における表情付けについて具体例を用いて説明す
る。図7は、演奏データにクォーターチョーキング奏法
に関する演奏情報を自動的に付加する場合について、具
体的に説明するための概念図である。この実施例では、
Dマイナー(ニ短調)の曲に対してクォーターチョーキ
ング奏法の表情付けを行う際の動作例を示した。図7
(A)は、演奏データの一部区間の音符列を楽譜上に示
した図である。この図7(A)の楽譜上部に示した1〜
6までの数字は説明のために各音符に便宜的に付した数
字であり、楽譜下部に示したアルファベットは各音符の
音名である。図7(B)は、各音符毎のノートを概念的
に示す概念図である。この図7(B)では、垂直方向で
各音符間の相対的な音の高さの違いを示し、水平方向で
各音符毎の音の長さを示した。図7(C)は、各音符毎
のピッチベンド変化を概念的に示す概念図である。
【0038】まず、該演奏データの調性を決定する。こ
の実施例ではユーザ設定として「Dマイナー」を入力す
ることによって(ステップS53参照)、あるいは演奏
データを分析することによって(ステップS58参
照)、該演奏データの調性を「Dマイナー」と決定す
る。決定された調性に従う主音は「D」であることか
ら、データの加工対象、すなわちクォーターチョーキン
グをかける対象は「F」音又は「C」音の音高を持つ音
符に決定する(ステップS54参照)。そこで、この演
奏データの各音符を順次評価すると(ステップS55参
照)、図7(A)から理解できるように、音高が「F」
音又は「C」音であるのは音符3と音符4の2つの音符
である。そこで、この音符3と音符4がクォーターチョ
ーキングをかける対象として抽出されて、音符3と音符
4のピッチベンド値が加工処理されて記録される(ステ
ップS56及びステップS57参照)。こうすると、図
7(B)に示すようにノートは変化することがなく、図
7(C)に示すように音符3と音符4に対応するピッチ
ベンドのみが所定量(つまり、図6に示した「加工処
理」で算出される変化量(ステップS61参照))分だ
け上昇変化した状態が得られる(その他の音符1、音符
2、音符5、音符6に対応するピッチベンドは一定値の
状態を保ったままである)。このようにすることによっ
て、クォーターチョーキング奏法を付した状態での演奏
データを得ることができるようになっている。
【0039】楽音に対して単にランダムに半音からピッ
チをずらした音を混ぜると、単に音程がおかしな楽器の
ようにしか聞こえないことになるが、上述したように、
主音に対して短3度や短7度の音に限って半音単位では
ないピッチの音を自動的に混ぜることによって(ただ
し、クォーターチョーキング奏法の場合)、自然楽器の
ギターのような弦楽器における生々しい演奏を再現する
ことができるようになる。また、一括して主音に対して
短3度や短7度の音に限って半音単位ではないピッチの
音を自動的に混ぜることから、ユーザはそうして得られ
た演奏データに対して任意に新たな演奏情報を付加する
ことで、より自然な演奏を行う演奏データを効率的に得
ることができるようになる。なお、演奏データに対する
音楽的な表現に関する演奏情報の付加は上述したような
チョーキング奏法に関する演奏情報に限られず、チョー
キング奏法以外の他の奏法(例えば、チョップなど)に
関する演奏情報など、どのような音楽的表現に関する演
奏情報をも付加することができるようにしてよいことは
言うまでもない。
【0040】なお、この演奏データ処理装置を電子楽器
に適用する場合、電子楽器は鍵盤楽器の形態に限らず、
弦楽器や管楽器、あるいは打楽器等どのようなタイプの
形態でもよい。また、音源装置、演奏データ処理装置等
を1つの電子楽器本体に内蔵したものに限らず、それぞ
れが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネ
ットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するよう
に構成されたものにも同様に適用できることはいうまで
もない。また、パソコンとアプリケーションソフトウェ
アという構成であってもよく、この場合処理プログラム
を磁気ディスク、光ディスクあるいは半導体メモリ等の
記憶メディアから供給したり、ネットワークを介して供
給するものであってもよい。さらに、カラオケ装置や自
動演奏ピアノのような自動演奏装置、ゲーム装置、携帯
電話等の携帯型通信端末などに適用してもよい。携帯型
通信端末に適用した場合、端末のみで所定の機能が完結
している場合に限らず、機能の一部をサーバ側に持た
せ、端末とサーバとからなるシステム全体として所定の
機能を実現するようにしてもよい。
【0041】なお、チョーキング奏法に関する演奏情報
等の付与対象とする演奏データのフォーマットは、イベ
ントの発生時刻を曲や小節内における絶対時間で表した
『イベント+絶対時間』形式のもの、イベントの発生時
刻を1つ前のイベントからの時間で表した『イベント+
相対時間』形式のもの、音符の音高と符長あるいは休符
と休符長で演奏データを表した『音高(休符)+符長』
形式のもの、演奏の最小分解能毎にメモリの領域を確保
し、演奏イベントの発生する時刻に対応するメモリ領域
にイベントを記憶した『ベタ方式』形式のものなど、ど
のような形式のものでもよい。また生成した演奏データ
の自動演奏時における処理方法は、設定されたテンポに
応じて処理周期を変更する方法、処理周期は一定で1回
の処理において演奏データ中のタイミングデータの計数
の仕方をテンポに応じて変更する方法等、どのようなも
のであってもよい。また、複数チャンネル分の演奏デー
タが存在する場合は、複数のチャンネルのデータが混在
した形式であってもよいし、各チャンネルのデータがト
ラック毎に別れているような形式であってもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、演奏データに含まれる
一連の音符列のうち、調性情報に従う所定の音高情報を
持つ音符に対してのみ新たに所定の楽器に特有の音楽的
な表現(例えば、チョーキング奏法)に関する演奏情報
を自動的に付加するようにしたことから、初心者であっ
ても楽器毎に特有な音楽的な表現を楽音に施す演奏情報
を演奏データに付与すること、すなわち表情付けを簡単
かつ効率的に実施できるようになる、という効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る演奏データ処理装置を適用し
た電子楽器の実施の形態を示すハード構成ブロック図で
ある。
【図2】 該演奏データ処理装置におけるCPU1で実
行する「メイン処理」の一実施例を示したフローチャー
トである。
【図3】 「パネル処理」の一実施例を示したフローチ
ャートである。
【図4】 「演奏信号の生成処理」の一実施例を示した
フローチャートである。
【図5】 「演奏データの加工処理」の一実施例を示し
たフローチャートである。
【図6】 「加工処理」の一実施例を示したフローチャ
ートである。
【図7】 演奏データにクォーターチョーキング奏法に
関する演奏情報を自動的に付加する場合について、具体
的に説明するための概念図である。図7(A)は演奏デ
ータの一部区間の音符列を楽譜上に示した図であり、図
7(B)は各音符毎のノートを概念的に示す概念図であ
り、図7(C)は各音符毎のピッチベンド変化を概念的
に示す概念図である。
【符号の説明】
1…CPU、1A…タイマ、2…ROM、3…RAM、
4…検出回路、4A…演奏操作子(鍵盤等)、5…スイ
ッチ検出回路、5A…パネル操作子(スイッチ等)、6
…表示回路、6A…ディスプレイ、7…音源回路、8…
効果回路、8A…サウンドシステム、9…外部記憶装
置、10…MIDIインタフェース、10A…他のMI
DI機器、11…通信インタフェース、11A…サーバ
コンピュータ、11B…通信ネットワーク、1D…通信
バス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一連の音符列の各音高をそれぞれ表す複
    数の音高情報を少なくとも含む演奏データを供給する演
    奏データ供給手段と、 調性情報を取得する調性取得手段と、 音程情報を取得する音程取得手段と、 前記取得した調性情報と音程情報とに応じて、前記供給
    された演奏データに含まれる複数の音高情報毎に楽音特
    性の変更有無を判定する特性変更判定手段と、 前記特性変更判定手段の判定結果に基づき、前記供給さ
    れた演奏データに所定の演奏関連情報を付加する情報付
    加手段とを具備する演奏データ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記所定の演奏関連情報は、所定の楽器
    に特有な奏法を指示する情報であることを特徴とする請
    求項1に記載の演奏データ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記調性取得手段は、前記供給された演
    奏データに含まれる複数の音高情報を分析して調性情報
    を取得することを特徴とする請求項1に記載の演奏デー
    タ処理装置。
  4. 【請求項4】 一連の音符列の各音高をそれぞれ表す複
    数の音高情報を少なくとも含む演奏データを供給するス
    テップと、 調性情報を取得するステップと、 音程情報を取得するステップと、 前記取得した調性情報と音程情報とに応じて、前記供給
    された演奏データに含まれる複数の音高情報毎に楽音特
    性の変更有無を判定するステップと、 前記判定結果に基づき、供給された演奏データに所定の
    演奏関連情報を付加するステップとを具えた演奏データ
    処理方法。
  5. 【請求項5】 機械読取り可能な記憶媒体であって、演
    奏データ処理方法をプロセッサに実行させるためのプロ
    グラムを記憶してなり、前記演奏データ処理方法は、 一連の音符列の各音高をそれぞれ表す複数の音高情報を
    少なくとも含む演奏データを供給するステップと、 調性情報を取得するステップと、 音程情報を取得するステップと、前記取得した調性情報
    と音程情報とに応じて、前記供給された演奏データに含 まれる複数の音高情報毎に楽音特性の変更有無を判定す
    るステップと、 前記判定結果に基づき、供給された演奏データに所定の
    演奏関連情報を付加するステップとを具備する。
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