JP2002229072A - エレクトロクロミック調光素子の制御方法および制御装置 - Google Patents

エレクトロクロミック調光素子の制御方法および制御装置

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JP2002229072A
JP2002229072A JP2001025911A JP2001025911A JP2002229072A JP 2002229072 A JP2002229072 A JP 2002229072A JP 2001025911 A JP2001025911 A JP 2001025911A JP 2001025911 A JP2001025911 A JP 2001025911A JP 2002229072 A JP2002229072 A JP 2002229072A
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Yoshiro Mori
善郎 森
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エレクトロクロミック調光素子(EC調光素
子)1の着色濃度をセンサ12によって制御し、ほぼ一
定の範囲に保持する。 【解決手段】電源2からEC調光素子1に給電電流を供
給し、電流検出抵抗3の電圧降下を検出し、増幅器4で
増幅し換算電圧Vxとし、可変抵抗9による設定電圧値
と比較器5で比較し、基準電流値に到達したかを判定
し、その判定結果によりリレー10、11を動作させ
て、給電電流の供給を停止し、その後着色濃度が徐々に
減少する際に、EC調光素子1の開放端子電圧を増幅器
6で増幅し、可変抵抗8で設定した基準電圧値と比較器
7で比較し、給電を再開するかどうかを判定し、給電の
停止と再開を繰り返し、自動的に着色濃度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレクトロクロミッ
ク調光素子(以下、EC調光素子という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】EC調光素子は透過型の素子であり、サ
ンガラス、自動車の調光窓やヘッドライトカバー、家屋
の調光窓ガラス、室内の間仕切り等での利用が期待され
ている。着色変化が鮮やかであること、視角依存性がな
く、比較的低電圧で駆動できること、電位を与えずに着
色状態を保持できるメモリー効果を有すること等の利点
を有している。
【0003】EC調光素子の着色濃度を一定に保持する
方法として以下の方法がある。所定の電位をEC調光素
子に連続して印加する定電位駆動法、一定電流を設定し
た時間の間だけ供給する定電流駆動法、あらかじめ設定
した着色濃度を呈する場合の電荷量と比較するために、
EC調光素子に供給する給電電流を計測しながら印加す
る、定電荷法などである。
【0004】定電位駆動法では参照電極をEC調光素子
の中に設置しなければならず、構造が複雑になり、装置
全体が大型になる。定電流駆動法および定電荷駆動法に
おいては、初期透明状態から着色濃度を徐々に上昇させ
る場合は着色濃度が単調に上昇するので制御しやすい。
しかし、給電電流の供給を停止し、所定の着色濃度から
着色濃度が減少する場合には、その着色濃度の変化を検
出できず、所定の着色濃度に対する不足電荷を正確に補
充できない。そのために着色濃度の制御を的確に行うこ
とができない。
【0005】また、EC調光素子の透過率を測定すれ
ば、着色濃度を高精度に検出できるが、別に使用する測
定用光源の寿命に問題がある。測定対象とするEC調光
素子自身の動作時間に比べて、測定用光源として使用さ
れるハロゲンランプやLEDの寿命がはるかに短いから
である。また、測定用光源以外に受光部および光電変換
回路などが必要になり、小型化・実装の点で問題とな
る。また、受光部が露出するので、外観上好ましくな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】EC調光素子に給電を
行い所定の着色濃度に達した後、給電電流の供給を停止
し、両透明電極を電気的に開放すると、その着色濃度が
保持される。これが、EC調光素子のメモリー効果であ
る。しかし、このメモリー効果は半永久的ではなく、時
間が経過するとともに着色濃度は徐々に減少していく。
その減少速度はEC調光素子の構造に大きく依存する。
【0007】着色濃度が減少したときには、EC調光素
子に再給電をすることが必要になる。その際、減少した
電荷量を補償するように精度よく給電することが難し
い。また、再給電をする場合には、徐々に着色濃度が上
昇し、所定の着色濃度に再度到達した場合に、給電を即
座に停止しなければならない。したがって、着色濃度の
リアルタイムの検出と、それに応じた給電の停止を高速
で行うことが必要になる。さらに、このシーケンスを再
現性よく繰り返し行うことが必要になる。
【0008】また、EC調光素子において、着色濃度を
一定に保持するための回路・装置を小型化し、全体とし
てより小型でかつ安定であり、長期間連続して運転でき
る装置が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、対
向した一対の透明電極付き基板間に、エレクトロクロミ
ック物質層および電解質層が配置され、電源から一対の
透明電極に給電電流が供給され、エレクトロクロミック
物質層に着色が生じせしめられるエレクトロクロミック
調光素子の制御方法において、給電電流があらかじめ設
定した基準電流値になったことを検出すると、給電電流
の供給を停止し、その後、一対の透明電極間の開放端子
電圧があらかじめ設定した基準電圧値になったことを検
出すると、給電電流を供給することを特徴とするエレク
トロクロミック調光素子の制御方法を提供する。
【0010】また、少なくとも一方の透明電極と電源と
の間に直列に抵抗を配置し、この抵抗による電圧降下を
測定することで、基準電流値を検出する上記のエレクト
ロクロミック調光素子の制御方法を提供する。
【0011】また、エレクトロクロミック調光素子の実
効面積が500cm2以上である上記のエレクトロクロ
ミック調光素子の制御方法を提供する。
【0012】また、給電電流を停止した後の安定状態に
おける開放端子電圧の最大値をVMとすると、基準電圧
値をVMの70〜90%に設定する上記のエレクトロク
ロミック調光素子の制御方法を提供する。
【0013】また、対向した一対の透明電極付き基板間
にエレクトロクロミック物質層および電解質層が配置さ
れ、電源から一対の透明電極に給電電流が供給され、エ
レクトロクロミック層に着色が生じせしめられるエレク
トロクロミック調光素子の制御装置において、給電電流
を検出する電流検出手段と、あらかじめ設定された基準
電流値と給電電流とを比較する電流比較手段と、透明電
極間の開放端子電圧を検出する電圧検出手段と、あらか
じめ設定された基準電圧値と開放端子電圧とを比較する
電圧比較手段と、給電電流の供給または停止を制御する
制御手段および給電電流を開閉する開閉手段とを備えた
エレクトロクロミック調光素子の制御装置を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】EC調光素子の基本構成例1を図
5に、基本構成例2を図6に示す。基本構成例1では、
一対の透明電極と1層のエレクトロクロミック物質層
(以下、EC層という。)を備え、基本構成例2では、
一対の透明電極と1層のEC層以外に、エレクトロクロ
ミック作用に直接寄与する対向電極をさらに備えてい
る。
【0015】各部の構成は以下のとおりである。表側基
板1Aとしてガラス基板、表側透明電極1BとしてIT
O、表側EC層1CとしてWO3、MoO3、TiO2
の無機材料系のエレクトロクロミック物質を用いる。裏
側透明電極2BとしてITO、および裏側基板2Aとし
てガラス基板を用いる。
【0016】さらに、EC調光素子の周辺にシール材1
Dを配置し、レドックス反応を呈する電解質層1Eを封
じ込める。外部の電源から表側透明電極1Bと裏側透明
電極2B間に電圧を印加し、EC調光素子に給電電流を
供給する。そして、表側EC層1Cに還元反応が起こ
り、表側透明電極1Bでの電子の移動と、電解質1Eか
らイオンの移動が起こり表側EC層1Cに着色が生じ
る。たとえば、WO3は酸化状態では無色であるが、還
元されると青く発色する。
【0017】図6の基本構成例2の対向電極2Cとして
NiOやIrO2を用いることができる。この場合、E
C調光素子の着色時に、対向電極2Bにもわずかな酸化
反応が生ずる。この基本構成例2は、電解質層1Eにレ
ドックス反応を起こす物質を必須とせず、表側透明電極
1Bと裏側透明電極2Bとの間に印加される電圧および
給電電流によって着色を起こすことができる。
【0018】基本構成例1および基本構成例2のいずれ
の場合も、EC層が作用するためには、電子の供給を受
ける必要があり、EC層の少なくとも一部が電極(上記
の表側透明電極)に接するように配置する。
【0019】次に、本発明におけるEC調光素子の制御
方法について説明を行う。本発明では、EC調光素子の
着色濃度を上昇させる場合に、EC調光素子への給電電
流を測定することで、透過率の経時変化を間接的に検出
する。そして、あらかじめ設定した第1の基準透過率に
相当する基準電流値に到達したかどうかを判定する。
【0020】ここで、透過率とは、EC調光素子の一方
の面から入射した光が他方の面に出射する際の出射量と
入射量の比で表す。また、透過率は視感透過率とし、観
察者がEC調光素子を見た場合にほぼ等しい条件で光学
測定をし、制御方法の設定を行うようにする。
【0021】また、給電電流の供給を停止した後、EC
調光素子の透過率があらかじめ設定した第2の基準透過
率(第1の基準透過率<第2の基準透過率)まで上昇し
たことを判定する。この際、EC調光素子の開放端子電
圧の変化を測定する。
【0022】開放端子電圧とは、実質的にEC調光素子
の一対の透明電極が電気的に開放状態となり、EC調光
素子の内部に蓄積された電荷によって、一対の透明電極
の端子間に生ずる電圧のことである。この場合、給電電
流の供給が停止された後、過渡的な状態を経た安定状態
における開放端子電圧を測定する。すなわち、あらかじ
め設定した基準電圧値に相当する開放端子電圧に到達し
たかどうかを判定する。
【0023】これによって、EC調光素子の透過率の変
化を実質的に検出し、給電を再開する時期を決定でき
る。そして、EC調光素子の着色濃度を一定に保持する
ように連続して制御を行う。なお、本発明において、電
圧・電流の測定を行う場合、その実効的な値を実質的に
測定し、比較判定できればよい。
【0024】本発明において、自動的に給電を停止し、
その後給電を再開する制御装置の構成は以下のとおりで
ある。まず、EC調光素子への給電電流を常時測定し、
あらかじめ設定した基準電流値と、現在の給電電流の電
流値とを電子回路で比較し、給電電流が基準電流値以上
である場合には給電を継続する。給電電流が基準電流値
より小さくなったときに、電子回路によってそれを検出
する。または、給電電流の変化を測定し、その変化率を
算定してもよい。
【0025】図2はEC調光素子に給電を行う際の、給
電電流(実線)と透過率(破線)の経時変化を示すグラ
フである。透過率は時間の経過とともに徐々に減少して
いる。これは、EC調光素子の着色濃度が上昇していく
ことを意味する。これに応じて、給電電流も徐々に減少
している。すなわち、EC調光素子の透過率が減少する
(着色濃度の上昇)につれて、EC調光素子の実効的な
内部抵抗が大きくなり、給電電流が徐々に減少する状態
をあらわしている。また、単調な経時変化を示してい
る。
【0026】このように、EC調光素子の着色濃度を上
昇させる場合の給電電流を着色電流と呼ぶ。着色濃度と
着色電流との関係は、給電電源の内部抵抗、実際に着色
が観察され得るEC調光素子の実効面積、基板間隙、透
明電極の抵抗値、電解質の材料等によってほぼ決定され
る。
【0027】本発明においては、EC調光素子の実効面
積が500cm2以上であることが好ましい。特に、実
効面積が1000cm2以上であることが好ましい。着
色濃度の変化と給電電流との相対的変動および着色濃度
の変化と開放端子電圧との相対的変動をより高精度で検
出し、着色濃度の制御をより安定に達成できるからであ
る。
【0028】したがって、所定の構造を有するEC調光
素子において、着色電流の大きさを制御することで、E
C調光素子の着色濃度を実質的に制御できる。このと
き、給電の停止・再開を行う際の基準は、制御装置のな
かに設けた可変抵抗や半固定抵抗等で設定できる。ま
た、量産時においては、それぞれのEC調光素子に応じ
た調整を容易にできる。
【0029】次に、給電の再開を行う場合について説明
する。図3は着色したEC調光素子への給電を停止して
そのまま放置した場合の、開放端子電圧(実線)と透過
率(破線)の経過変化を示すグラフである。EC調光素
子の透過率が上昇(着色濃度が減少)すると、EC調光
素子の開放端子電圧が減少する傾向を示している。ま
た、透過率の曲線と開放端子電圧の曲線はそれぞれ単調
な経時変化を示している。
【0030】このとき、開放端子電圧の大きさや経時変
化の特性は、それぞれのEC調光素子固有のものであ
る。実効面積、基板間隙、透明電極の抵抗値、電解質の
材料等によって決定される。
【0031】したがって、あらかじめ設定された基準電
圧値と現在の開放端子電圧とを電子回路で比較し、着色
電流の供給を再開するかどうかを判定できる。なお、開
放端子電圧とは実質的に外部回路との電気的接続が遮断
された開放端子の状態であればよい。通常は、EC調光
素子の一対の透明電極に接続された正負の電源端子にお
ける開放端子電圧の測定を行う。
【0032】本発明において、給電電流を停止した後の
安定状態における開放端子電圧の最大値をVMとする
と、基準電圧値をVMの70〜90%に設定する。EC
調光素子の着色濃度の変動幅を少なくでき、より安定し
た表示品位を提供できるからである。
【0033】本発明においては、EC調光素子の着色濃
度をほぼ一定に保持しようとする際に、制御装置のなか
にあらかじめ設定した基準電流値および基準電圧値を比
較対象とし、給電電流の大きさと、開放端子電圧の大き
さをそれぞれ検出し、EC調光素子への給電を自動的に
制御する。なお、基準電圧値および基準電流値との比較
を行う場合、測定方法を変更したり、測定結果を自由に
換算したりできるので、EC調光素子の状態制御を行う
に際して、基準となる値との比較・判定を実質的に行う
ことができればよい。
【0034】このようにして、給電電流の供給の停止、
再開のシーケンスを繰り返し実行することで、EC調光
素子の着色濃度を自動的に制御できる。
【0035】図1を参照し、本発明の制御装置の基本的
な回路構成についての説明を行う。電源2はEC調光素
子1への給電を行い着色させるための電源である。本発
明において使用する電源は定電圧性の電源である。理想
的な定電圧電源の場合には、EC調光素子の着色濃度の
制御を行う動作マージンが相対的に低下するので、わず
かな出力抵抗を有するものの方が好ましい。
【0036】一般的に、EC調光素子の初期状態におけ
る等価抵抗の約3倍以内に設定することが好ましい。し
たがって、0.5〜1.5Ωの出力抵抗をもつ電源を用
いるようにする。センサ12には、電流検出抵抗3、増
幅器4、6、比較器5、7および可変抵抗8、9を配置
し、微小信号を安定かつ高精度に測定できるように構成
する。
【0037】また、増幅器、比較器にICなどの半導体
素子等を用いて構成すればセンサ12を小型化でき、E
C調光素子1の近傍に設置できる。可変抵抗を半固定抵
抗や基準電圧電源に置き換えることもできる。また、周
囲温度によるEC調光素子の動作変化を補償するように
回路部品を選択し、制御装置を構成することもできる。
【0038】比較器5の出力はリレー10のオフ入力
に、比較器7の出力はリレー10のオン入力に接続す
る。リレー10の出力はオン信号またはオフ信号であ
り、リレー11の入力に接続する。リレー11は電源2
からEC調光素子1への給電線に直列に配置し、リレー
10からのオン・オフ信号により、給電の停止・再開を
制御するように構成する。
【0039】図1の制御装置のなかで、電流検出抵抗3
および増幅器4が電流検出手段、可変抵抗9および比較
器5が電流比較手段、増幅器6が電圧検出手段、可変抵
抗8および比較器7が電圧比較手段、リレー10が制御
手段、リレー11が開閉手段の機能を担っている。ま
た、他の回路要素を用いて、測定方法を変更したり、測
定精度を高めたり、測定レンジを変更することもでき
る。
【0040】このように、センサ12を構成する電子回
路およびリレー10、11はEC調光素子の動作状態に
応じて判定を行い、自動的に対応して動作するように構
成する。なお、いったん着色したEC調光素子を消色さ
せるために、着色する場合とは逆のバイアスの電圧電源
を用いて、急速に消色を行うこともできる。図1では、
そのような消色用の電源および制御回路の図示を省略し
ている。
【0041】EC調光素子1の制御を行うための回路動
作は以下のとおりである。まず、EC調光素子1に対し
て着色電流を供給しているときには、EC調光素子1と
電源2との間に配置した電流検出抵抗3の電圧降下の測
定を行う。
【0042】この場合、電流検出抵抗の電圧降下は給電
電流に比例した電圧を示し、その電圧を増幅器4で増幅
して給電電流の換算電圧Vxとする。また、基準電流値
に相当する電圧値を可変抵抗9であらかじめ設定し、換
算電圧Vxと比較し、EC調光素子1の着色濃度が所定
の第1の基準透過率に達したことを判定する。
【0043】EC調光素子が第1の基準透過率に達した
とき、その判定結果をリレー10のオフ入力に伝達し、
リレー10の出力がオフ信号となり、電源2とEC調光
素子1の電源端子とを接続していたリレー11を開き、
給電電流の供給を停止せしめる。その結果、EC調光素
子1の電源端子は電気的に開放状態となる。
【0044】次に、EC調光素子1の着色後であって、
リレー11が開き給電電流を停止し、EC調光素子1の
電源端子が開放状態にあるときには、EC調光素子の着
色濃度が徐々に減少する。この際、増幅器6を用いて増
幅した開放端子電圧と、可変抵抗8であらかじめ設定し
た基準電圧値とを比較器7で比較を行う。
【0045】そして、給電電流の供給を再開する時期、
すなわち、EC調光素子1の透過率が第2の基準透過率
まで減少したとき、その判定結果をリレー10のオン入
力に伝達し、リレー10の出力はリレー11を閉じて、
電源2からEC調光素子1への給電電流の供給を再開す
るように回路を構成する。
【0046】給電開始後、比較器7の出力をリセットす
るようにし、給電電流の値が基準電流値に上昇するまで
給電を継続する。以後、同様のシーケンスを繰り返すこ
とで自動的にEC調光素子の制御を実行できる。以下に
実施例の説明を行うが、本発明はこの実施例のみに限定
されるものではない。
【0047】
【実施例】本例ではEC層にWO3を用い、レドックス
反応を有する電解質層を備えた基本構成例1のタイプの
EC調光素子を使用した。その素子寸法は30.0×6
0.0cm、セルギャップは約0.5mm、実際に着色
が観察される実効面積は約1500cm2であった。
【0048】制御装置の構成は上述した図1と同様のも
のであり、各部を以下のように構成した。電源2には、
定電圧電源(出力抵抗はほぼ0Ω)を用い、出力抵抗と
して1Ωを外部にとりつけた。電源の出力電圧は約1.
5Vに設定した。
【0049】センサ12の回路中の電流検出抵抗3とし
て0.1Ω、増幅器4、6として、LM2904(ナシ
ョナルセミコンダクタ社製)、比較器5、7として、L
M2903(ナショナルセミコンダクタ社製)を用い、
増幅器4のゲインを40倍、増幅器6のゲインを3倍に
設定した。リレー10、11として、G5Cミニチュア
リレー(オムロン社製)を用いた。なお、機械式のリレ
ーではなく、半導体素子であるG3VM−V(オムロン
社製)や汎用のパワーMOSFETで置き換えてもよ
い。本例のセンサ12は、数cm角以内の基板に搭載で
きるので小型化を達成できた。さらに防水シールを施し
て屋外での連続使用にたえるようにした。
【0050】EC調光素子が所望の第1の基準透過率お
よび第2の基準透過率の間で着色状態を保持するよう
に、EC調光素子の特性をあらかじめ測定した。そし
て、センサ12のなかの、可変抵抗8で約1.5〜2.
4Vの範囲の比較電圧を、可変抵抗9で0.8〜2Vの
範囲の比較電圧を発生するようにした。増幅器4に入力
される電圧の範囲(約20〜50mV)および増幅器6
に入力される電圧の範囲(約500〜800mV)、増
幅器4、6のそれぞれのゲインに応じた出力電圧を比較
できるように広く設定をした。
【0051】そして、センサ12によって給電電流の測
定と、開放端子電圧の測定・判定を行い、リレー10に
判定結果を伝達し、リレー11で給電電流の開閉を行
い、EC調光素子1を連続動作させた。
【0052】図4に、本例におけるEC調光素子の経時
変化の状態を示す。時間の経過にともないEC調光素子
の透過率が三角状の波形を示している。グラフ中の透過
率曲線の上側の極値が第2の基準透過率、下側の極値が
第1の基準透過率である。センサ12によってEC調光
素子の制御を行い、第2の基準透過率と第1の基準透過
率の間で透過率が上下し、ほぼ一定の範囲の透過率を保
持することができた。
【0053】第1の基準透過率(約20%)にほぼ到達
したときの給電電流は250mA、そのときの電流検出
抵抗の電圧降下は25mVであった。
【0054】EC調光素子1の等価抵抗は初期時に約
0.5Ωで、第1の基準透過率に到達したときが約2Ω
であった。この時点で、センサ12は給電を停止させ、
EC調光素子1の電源端子を開放状態にした。給電停止
後、安定状態になったときの開放端子電圧は約800m
Vであった。
【0055】その後、EC調光素子1の透過率は徐々に
上昇した。センサ12の可変抵抗8および比較器7で、
第2の基準透過率(約25%)に相当する基準電圧値と
して550mVを設定し、この電圧値で比較器7の出力
が反転するようにした。
【0056】そのため、EC調光素子1が第2の基準透
過率(約25%)にほぼ到達したときに、その開放端子
電圧が約550mVになり、センサ12がその状態を判
定してEC調光素子1に対する給電を再開した。
【0057】その結果、EC調光素子1の透過率の変動
を約5%以下に抑制しつつ、安定に連続して運転するこ
とができた。また、使用者または観察者が途中で調整を
することなく、自動的に運転が可能であった。
【0058】このようにして、給電の停止・再開のシー
ケンスを自動的に繰り返して行うようにしたので、EC
調光素子1はほぼ一定の範囲の着色濃度を保持できた。
外観上も、調光ガラスとして使用できる高品位のもので
あった。
【0059】
【発明の効果】本発明においては、EC調光素子に供給
する給電電流および、EC調光素子の電源端子の開放端
子電圧を測定することで、調光状態の制御を自動的に行
うことができる。使用する制御装置は汎用の電子部品の
組み合わせで構成でき、制御装置全体の小型化に適して
いる。また、電子回路で基準電流値や基準電圧値を任意
に調整できるので、生産されるEC調光素子のユニット
毎の差を容易に補償できる。
【0060】また、制御装置の電子回路の調整範囲を広
く設定できるので、各種のEC調光素子の特性に対応で
きる。また、半固定抵抗で基準電圧値や基準電流値を設
定し、特定のEC調光素子への調整合わせを短時間で行
うことができる。
【0061】さらに、制御装置の比較器、電流検出抵
抗、増幅器などをまとめてセンサ回路とし、EC調光素
子の上部または近傍に設置することができる。この場
合、微少信号が流れる信号線が短くなるので、制御装置
としての動作が安定する。また、小型の制御装置を実現
できるので省スペースが求められる用途に適している。
【0062】自動車のサイドミラーなどの用途に、本発
明を用いれば、自動的にEC調光素子の運転を継続し、
着色濃度をほぼ一定に保持できるので、人間による調整
が不要となる。また、EC調光素子を低電圧・低電力で
制御できるので、車載用の制御装置として有利である。
【0063】また、本発明は、調光素子の着色濃度の変
化を好ましくは、数%〜10%以内に抑制し、自動的に
連続運転可能なので、一定の調光特性を必要とする各種
用途に適合できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の回路ブロック図。
【図2】本発明における着色時の経時変化を示すグラ
フ。
【図3】本発明における給電電流の供給停止後の経時変
化を示すグラフ。
【図4】本発明における透過率の変動を示すグラフ。
【図5】EC調光素子の基本構成例1の模式的断面図。
【図6】EC調光素子の基本構成例2の模式的断面図。
【符号の説明】
1:エレクトクロミック調光素子(EC調光素子) 2:電源 3:電流検出抵抗 4、6:増幅器 8、9:可変抵抗 5、7:比較器 10、11:リレー 12:センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向した一対の透明電極付き基板間に、エ
    レクトロクロミック物質層および電解質層が配置され、
    電源から一対の透明電極に給電電流が供給され、エレク
    トロクロミック物質層に着色が生じせしめられるエレク
    トロクロミック調光素子の制御方法において、給電電流
    があらかじめ設定した基準電流値になったことを検出す
    ると、給電電流の供給を停止し、その後、一対の透明電
    極間の開放端子電圧があらかじめ設定した基準電圧値に
    なったことを検出すると、給電電流を供給することを特
    徴とするエレクトロクロミック調光素子の制御方法。
  2. 【請求項2】少なくとも一方の透明電極と電源との間に
    直列に抵抗を配置し、この抵抗による電圧降下を測定す
    ることで、基準電流値を検出する請求項1に記載のエレ
    クトロクロミック調光素子の制御方法。
  3. 【請求項3】エレクトロクロミック調光素子の実効面積
    が500cm2以上である請求項1または2に記載のエ
    レクトロクロミック調光素子の制御方法。
  4. 【請求項4】給電電流を停止した後の安定状態における
    開放端子電圧の最大値をVMとすると、基準電圧値をVM
    の70〜90%に設定する請求項1、2または3に記載
    のエレクトロクロミック調光素子の制御方法。
  5. 【請求項5】対向した一対の透明電極付き基板間にエレ
    クトロクロミック物質層および電解質層が配置され、電
    源から一対の透明電極に給電電流が供給され、エレクト
    ロクロミック層に着色が生じせしめられるエレクトロク
    ロミック調光素子の制御装置において、給電電流を検出
    する電流検出手段と、あらかじめ設定された基準電流値
    と給電電流とを比較する電流比較手段と、透明電極間の
    開放端子電圧を検出する電圧検出手段と、あらかじめ設
    定された基準電圧値と開放端子電圧とを比較する電圧比
    較手段と、給電電流の供給または停止を制御する制御手
    段および給電電流を開閉する開閉手段とを備えたエレク
    トロクロミック調光素子の制御装置。
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