JP2002228871A - 偏波保持光ファイバカプラ - Google Patents

偏波保持光ファイバカプラ

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JP2002228871A
JP2002228871A JP2001024951A JP2001024951A JP2002228871A JP 2002228871 A JP2002228871 A JP 2002228871A JP 2001024951 A JP2001024951 A JP 2001024951A JP 2001024951 A JP2001024951 A JP 2001024951A JP 2002228871 A JP2002228871 A JP 2002228871A
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polarization
maintaining optical
fiber coupler
polarization maintaining
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JP2001024951A
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Ryokichi Matsumoto
亮吉 松本
Hideki Sasaki
佐々木  秀樹
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実に偏波ビームスプリッタ動作を行う偏波
保持光ファイバカプラが得られる技術を提案する。 【解決手段】 2本の偏波保持光ファイバ(PANDA
型光ファイバ10、10)を並列させ、その長さ方向の
一部を加熱し、この長さ方向に延伸して融着延伸部3を
形成した偏波保持光ファイバカプラにおいて、融着延伸
部3の長さ方向の中央において、その断面の最小外径a
に対する最大外径bの割合であるアスペクト比を1.7
以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ通信分
野、光ファイバを利用したセンサ分野などにおいて有用
な偏波保持光ファイバカプラに関し、特に異なる偏波の
結合、分離に用いられる偏波ビームコンバイナ(以下、
PBCと略記する)と偏波ビームスプリッタ(以下、P
BSと略記する)として有用な偏波保持光ファイバに関
する。
【0002】
【従来の技術】偏波保持光ファイバは、種々のものが提
案されているが、代表的なものとしてPANDA型光フ
ァイバ(Polarization maintaining AND Absorption re
ducingfiber)が知られている。図1はPANDA型光
ファイバの一例を示したもので、このPANDA型光フ
ァイバ10は、中心に設けられたコア11と、このコア
11の周囲に、このコア11と同心円状に設けられ、か
つこのコア11よりも低屈折率のクラッド12と、この
クラッド12内に、前記コア11を中心に対称配置さ
れ、かつこのクラッド12よりも低屈折率の断面円形の
ふたつの応力付与部13,13とから構成されている。
この例において、コア11はゲルマニウム添加石英ガラ
ス、クラッド12は純石英ガラス、応力付与部13はホ
ウ素が比較的大量に添加された石英ガラスからそれぞれ
構成されている。コア11の外径、応力付与部13の外
径、コア11とクラッド12との比屈折率差、クラッド
12と応力付与部13との比屈折率差は所望の特性など
によって適宜設定される。クラッド12の外径は通常約
125μmとされる。
【0003】前記応力付与部13は、クラッド12より
も大きな熱膨張係数を有している。そのため、光ファイ
バの製造時に線引きした光ファイバが冷却される過程
で、ファイバ断面において、応力付与部13に起因する
歪みを生じる。そして、この歪みはコア11に対して異
方性歪みを発生させる。その結果、偏波の縮退が解け、
ここで、便宜上、光を構成するふたつの直交する偏波を
X偏波、Y偏波とすると、X偏波の伝搬定数とY偏波の
伝搬定数が異なる値となり、当然、これらの偏波の電磁
界の分布も異なるものとなる。その結果、X偏波とY偏
波が保存された状態で伝搬する特性が得られる。
【0004】図2は偏波保持光ファイバカプラの一例を
示したもので、この偏波保持光ファイバカプラ14は、
2本のPANDA型光ファイバ10、10を、必要に応
じてその表面に設けられたプラスチックなどからなる被
覆層の一部を除去した後、各々の偏波軸が平行になるよ
うに整合させて並列させ、これらPANDA型光ファイ
バ10、10の途中のクラッド12,12を接触させ、
加熱、溶融するとともに、その長さ方向に延伸すること
によって融着延伸部(光結合部)3を形成したものであ
る。なお、偏波軸とは、各々のPANDA型光ファイバ
10において、応力付与部13、13の中心を通る線を
いう。
【0005】この偏波保持光ファイバカプラにおいて
は、X偏波はPANDA型光ファイバ10,10の偏波
軸方向に電界ベクトルを保持して伝搬し、Y偏波はこれ
と直行する電界ベクトルを保持してPANDA型光ファ
イバ10,10内を伝搬する。なお、本明細書では、便
宜上、偏波軸をslow軸(X偏波軸)、これに直交す
る軸をfast軸(Y偏波軸)という場合がある。そし
て、途中の融着延伸部3のX偏波の結合度とY偏波の結
合度との差が大きいと、この融着延伸部3において、X
偏波とY偏波の合流、分岐が行われ、PBCおよびPB
Sとしての特性が得られる。図2にはひとつのポートA
からX偏波とY偏波の合波光が入射し、融着延伸部3に
おいてこれらが分岐し、ふたつのポートB、CからX偏
波とY偏波がそれぞれ出射するPBS動作が矢印で示さ
れている。PCB動作の場合は反対にふたつのポート
B、CからX偏波とY偏波がそれぞれ入射し、融着延伸
部3にて合波し、ひとつのポートAからこれらの合波光
が出射する。なお、結合度とは一方のPANDA型光フ
ァイバ10から他方のPANDA型光ファイバ10に結
合する光の割合をいい、具体的には図2に示したポート
B、Cからそれぞれ出射する光の和に対する、ポートB
またはポートCから出射する光のパワーの比率を示した
ものである。
【0006】本発明者らは特願2000−89814号
において、2本の偏波保持光ファイバ(PANDA型光
ファイバ10,10)のコア11,11をできるだけ近
づけないようにして融着延伸部3を形成することによ
り、光の結合が生じ始める時点からふたつの偏波の結合
度の差を大きくすることができる偏波保持光ファイバカ
プラの製造方法を提案した。この製造方法においては、
以下のような効果が得られる。 (1)延伸長が短いため、機械的強度の大きい偏波保持
光ファイバカプラが得られる。 (2)X偏波あるいはY偏波が、一方の偏波保持光ファ
イバから他方の偏波保持光ファイバに結合する回数(移
行回数)を少なくすることができるため、低損失であ
る。 (3)広い波長帯域で結合度の偏波依存性の大きい偏波
保持光ファイバカプラが得られる。 そして、具体的に、融着延伸部3におけるコア11の半
径に対するコア11,11間の最小間隔の比率が12、
X偏波の正規化周波数が1.6、Y偏波の正規化周波数
が1.4の場合に、広い波長範囲でのPBS動作(PB
C動作と同義)が可能な一実施例を開示した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特願20
00−89814号においては、この様な一実施例は示
すことができたものの、具体的にどの程度コア10,1
0を近づけない様に融着延伸を行うのか、という種々の
ケースに適用可能な手段を提示するに至っていなかっ
た。すなわち、融着延伸部3におけるコア11の半径と
コア11,11間の最小間隔を測定することは容易では
ない。また、融着延伸を行うと、PANDA型光ファイ
バ10,10の細径化、応力付与部13に添加されたホ
ウ素などのドーパントの拡散が生じ、これらはX偏波と
Y偏波の正規化周波数、ひいてはこれらの偏波の結合係
数に影響する。そのため、コア11の半径とコア11,
11間の最小間隔を規定しても、必ずしも所望の特性が
得られるとは限らなかった。
【0008】よって、本発明においては、延伸長が短い
ため機械的な強度が大きいなどの好ましい特性を備えた
特願2000−89814号にて提案した偏波保持光フ
ァイバカプラであって、確実にPBS動作を行う偏波保
持光ファイバカプラが得られる技術を提案することを課
題とする。さらには、融着延伸部における偏波保持光フ
ァイバの細径化の状態やホウ素などのドーパントの拡散
状態などに関わらず、この課題を解決できる技術を提案
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の偏波保持光ファイバカプラは、2本の偏波
保持光ファイバを並列させ、その長さ方向の一部を加熱
し、この長さ方向に延伸して融着延伸部を形成した偏波
保持光ファイバカプラにおいて、融着延伸部の長さ方向
の中央において、その断面の最小外径に対する最大外径
の割合であるアスペクト比が1.7以上であることを特
徴とする。この偏波保持光ファイバは、使用波長におい
て、延伸長に伴う2つの偏波の結合度の変化の周期が、
いずれも2周期以内の時点で延伸を終了して製造した、
一方の偏波の結合度が10%以下で、他方の偏波の結合
度が90%以上のものであると好ましい。また、一方の
偏波の結合度が10%以下で、他方の偏波の結合度が9
0%以上の波長帯域が30nm以上の偏波保持光ファイ
バカプラであると好ましい。さらに、コアを囲むクラッ
ド内にコアに対して対称的に配された応力付与部を有
し、コアの同心円であって、応力付与部にかからず、か
つその内部に応力付与部を含まない円のうち、最大の円
の直径が20μm以上である偏波保持光ファイバを用い
たものであると好ましい。また、前記直径は、さらに好
ましくは25〜30μmとされる。また、この前記直径
が20μm以上の偏波保持光ファイバの複屈折率は、好
ましくは5×10-5〜5×10-4である。また、この偏
波保持光ファイバを用いて偏波保持光ファイバカプラを
製造するにおいては、リードファイバの長さを10m以
下とすると好ましい。また、本発明においては、偏波保
持光ファイバとして、PANDA型光ファイバを用いる
と好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らが鋭意検討した結果、
上述の様にアスペクト比を規定することにより、PBS
およびPBCとしての好ましい特性を実現できることが
わかった。本発明において、アスペクト比とは、図2に
示した様に融着延伸部3の長さ方向の中央において、そ
の断面の最大外径bの最小外径aに対する比(b/a)
である。通常、最小外径aは偏波軸に略平行方向の長さ
であり、最大外径bはこれに直交する方向の長さであ
る。アスペクト比に着目したのは、偏波保持光ファイバ
カプラの融着延伸部3において、光はクラッド12全体
を導波路とするクラッドモードで伝搬していると考えら
るためである。そして、アスペクト比により、クラッド
モードの結合(X偏波の結合とY偏波の結合)を制御す
ることができるためである。
【0011】本発明の偏波保持光ファイバカプラを製造
するにあたっては、できるだけ2本の偏波保持光ファイ
バのコアが近づきすぎないように、加熱、溶融させて、
アスペクト比1.7以上の条件を満足する融着延伸部を
形成することにより、融着延伸部において、X偏波とY
偏波の結合度が増加し始める時点からX偏波−Y偏波間
に大きな結合度の差を生じさせることができる。アスペ
クト比は1.7以上、好ましくは1.95以上、実質的
には2以下とされる。アスペクト比が1.7未満である
と、結合度の差が小さくなり、所望の特性が得られない
場合がある。また、偏波保持光ファイバカプラが2本の
円形ファイバからなることから、2を大きく超えること
はない。
【0012】また、偏波保持光ファイバ(クラッド12
の外径)の外径に対して、最小外径aの比率は1/4以
上、好ましくは1/3以上、実質的には2/3以下とさ
れる。1/4未満の場合は機械的強度の低下や過剰損失
の増加などの問題が生じる。2/3をこえると2本の光
ファイバの間に光結合が生じせしめることができない場
合がある。具体的には、例えば偏波保持光ファイバの外
径が125μmの場合、最小外径aは約30μm以上、
好ましくは約40μm以上、実質的には約80μm以下
とされる。また、偏波保持光ファイバカプラの過剰損失
は小さい程好ましく、好ましくは1.5dB以下、さら
に好ましくは1dB以下とされる。1.5dBをこえる
と伝送特性を劣化させるおそれがある。過剰損失は延伸
長や融着延伸部の最小外径などの製造条件を最適化する
ことによって調整することができる。
【0013】具体的な融着延伸部の製造操作において
は、2本の偏波保持光ファイバのコアの中心間の距離が
近づきすぎないように、光ファイバの外形が保たれ易い
加熱条件を設定すると好ましい。例えばバーナーなどの
加熱源の温度を従来より低く設定したり、加熱源からの
距離を大きくするなどの方法が例示できる。また、延伸
を高速に行い、単位時間あたりの熱量を少なくする方法
などが例示できる。実際は、例えば入射側のポートAか
ら使用波長の光を入力し、出射側のふたつのポートB、
Cのいずれか一方、または両方から出射する光をモニタ
しながら加熱、延伸を行い、所望の結合度が得られた時
点で作業を終了する。
【0014】この様にアスペクト比を1.7以上とする
ことにより、X偏波の結合度とY偏波の結合度の変化の
周期が、それぞれ2周期以内の時点で延伸を終了するこ
ととなる。なお、ここで1周期とは、延伸するに伴って
結合度が0%から増加して一度100%に至り、ついで
減少して0%に至った時点とする。そして、X偏波−Y
偏波間において、この結合度が増加し始める時点の差が
大きい程、これらの結合度が増加し始める時点からX偏
波−Y偏波間に大きな結合度の差を生じさせることがで
きる。そして、使用波長において、Y偏波の結合度が9
0%以上で、かつX偏波の結合度が10%以下であり、
PBS動作を行うことができる偏波保持光ファイバカプ
ラが得られる。PBSおよびPCBにおいては、この様
な結合度が維持される範囲が広い程好ましい。そして、
本発明においては、好ましくは30nm以上の波長帯域
でこの特性が維持される。
【0015】ついで、本発明に好適な偏波保持光ファイ
バについて説明する。図3は本発明に好適な偏波保持光
ファイバの一例を示した断面図であって、この例の偏波
保持光ファイバはPANDA型光ファイバである。この
PANDA型光ファイバ10の特徴は応力付与部13、
13の間の距離が大きい点である。この距離は、コア1
1またはクラッド12の同心円で、応力付与部13、1
3にかからず、かつその内部に応力付与部13、13を
含まない最大の円15の直径Aを基準に定められてい
る。直径Aは20μm以上、好ましくは、25〜30μ
mとされる。このPANDA型光ファイバ10を用い
て、図2に示したような偏波保持光ファイバカプラを構
成した場合、融着延伸部3において、コア11から光が
染み出しても、通常の使用波長での使用であれば、この
光の多くは応力付与部13、13間に位置し、応力付与
部13にかかることがない。そのため、光信号(コア1
1を伝搬するモード:伝搬光)が高次モードに結合しに
くくなり、過剰損失の増加を抑制することができる。直
径Aが20μm未満の場合は過剰損失が大きくなる傾向
がある。30μmをこえるとX偏波の伝搬定数とY偏波
の伝搬定数の差が小さくなり、X偏波−Y偏波間のクロ
ストーク(偏波クロストーク)が劣化し、X偏波とY偏
波の保存状態が低下する場合がある。
【0016】なお、通常の通信用などの偏波保持光ファ
イバの直径Aは12〜17μm程度である。これに対し
て上述のように応力付与部13が離れていると、応力付
与部13がコア11に与える応力が低下し、通常の偏波
保持光ファイバと比較して複屈折率が低くなり、また、
fast軸(Y偏波軸)とslow軸(X偏波軸)との
間のクロストーク(X偏波−Y偏波間のクロストーク)
が劣化する傾向がある。さらに損失も若干大きくなる場
合がある。しかし、偏波保持光ファイバカプラのファイ
バの使用長さは短いため、偏波保持光ファイバ自体の複
屈折率、クロストークおよび損失の条件を通信用などの
通常のものよりも緩和しても、使用上は特に問題はな
い。
【0017】具体的には、本発明に好適な偏波保持光フ
ァイバの複屈折率は5×10-5〜5×10-4の範囲とさ
れる。なお、通常の通信用などの偏波保持光ファイバの
複屈折率は5×10-4 程度である。また、単位長さ当
たりのクロストークは−20dB/km以上、実質的に
は−20〜−10dB/kmの範囲となる。なお、通常
の偏波保持光ファイバのクロストークは−25dB/k
m程度である。また、単位長さ当たりの損失は1dB/
km以上とされる。実質的には1〜10dB/kmとさ
れる。なお、通常の偏波保持光ファイバの損失は0.2
〜0.3dB/km程度である。
【0018】また、この偏波保持光ファイバを用いた偏
波保持光ファイバカプラのリードファイバは10m以下
とすると好ましい。実質的には0.5〜10mとされ
る。なお、リードファイバとは、例えば図2に示したよ
うに、融着延伸部3の両端から2本ずつ伸び、入出力ポ
ートを構成する偏波保持光ファイバ(PANDA型光フ
ァイバ)10のことである。リードファイバが長すぎる
と偏波保持光ファイバカプラを透過するときに光信号の
クロストークや損失が大きくなるためである。
【0019】なお、コア11、クラッド12、応力付与
部13は、例えば従来と同様の材料から形成される。ま
た、応力付与部13の外径、コア11とクラッド12と
の比屈折率差、クラッド12と応力付与部13の比屈折
率差は、それぞれ所望の特性などによって適宜設定され
る。通常コア11のモードフィールド径は、コア11の
直径、使用波長などによって異なるが、4〜10μm程
度とされる。また、クラッド12の外径は125μm程
度とされる。
【0020】また、偏波保持光ファイバはPANDA型
光ファイバに限定するものではなく、ボータイファイ
バ、楕円ジャケットファイバなどをの偏波保持光ファイ
バを用いることもできる。ただし、図2に示した断面図
のように、コア11,11間に、できるだけ応力付与部
13などのクラッド12以外の部分が位置しないように
すると、応力付与部13の吸収による損失が小さく好ま
しい。最も望ましくは、この断面図のように、2本の偏
波軸が平行になるようにする。また、本発明において、
使用波長は通信用に用いられている波長帯であれば特に
限定せず、例えば900〜1650nm程度の範囲から
適宜選択して適用することができる。
【0021】
【実施例】(実施例1)実施例1において用いた偏波保
持光ファイバは、以下のようなPANDA型光ファイバ
であって、その外周上に紫外線硬化型樹脂からなる被覆
層が設けられたものであった。 コアの外径(コア半径) 6.5μm(3.25μm) クラッドの外径 125μm コア−クラッド間の比屈折率差 0.35% 応力付部−クラッド間の比屈折率差 0.6% 直径A 20μm 使用波長 980nm 使用波長におけるモード複屈折率 4×10-4
【0022】そして、図2に示したものと同様に、融着
延伸部3を形成する部分の被覆を除去した2本のPAN
DA型光ファイバ10,10を、それらの偏波軸を平行
に整合させた状態で平行に接触整列させ、加熱、融着延
伸することにより、偏波保持光ファイバカプラを作製し
た。このとき、ポートAからfast軸方向、すなわち
Y偏波を入射し、ポートB、Cから出射する光のパワー
をモニタしながら延伸を行い、結合度が99%を越えた
時点で延伸を終了した。このときモニタする光の波長
(使用波長)は980nmとした。また、延伸終了時の
融着延伸部3の最小外径aは55〜65μmとなるよう
にした。また、延伸終了時の過剰損失は1dBを越えな
いようにした。そして、加熱、延伸条件を変更すること
によって、アスペクト比を変更した偏波保持光ファイバ
カプラを複数作製した。アスペクト比は、レーザを用い
た非接触形状測定により測定した。そして、ポートAか
らslow軸方向、すなわちX偏波を入射した場合の結
合度を測定した。この結合度とアスペクト比との相関を
図4にグラフで示した。
【0023】本実施例においては、Y偏波の結合度が9
9%をこえた時点で延伸を終了している。したがって、
このグラフにおいて、X偏波の結合度が10%以下であ
れば、PBSおよびPCBとして好ましい特性が得られ
てていることになる。そして、このグラフより、アスペ
クト比が1.7以上であればこの特性が得られることが
明らかである。また、アスペクト比が1.7以上の場
合、X偏波の結合度が10%以下で、Y偏波の結合度が
90%以上の波長帯域は30nm以上であった。なお、
図5、図6にアスペクト比が1.8と1.65の場合の
延伸長と結合度のとの関係のグラフを示した。1.8の
場合は2つの偏波間の結合度の差が大きく、PBSとし
ての好ましい特性が得られているのに対し、1.6の場
合は2つの偏波間の結合度の差が小さく、PBSとして
用いるには不十分であることが明かである。
【0024】(実施例2)偏波保持光ファイバとして、
以下のようなPANDA型光ファイバであって、その外
周上に紫外線硬化型樹脂からなる被覆層が設けられたも
のを用いて同様の実験を行ったところ、実施例1と同様
に、アスペクト比を1.7以上とすることにより、PB
Sとして好ましい特性が得られることが明かとなった。
なお、実施例2で用いたPANDA型光ファイバは、応
力付与部に添加されたホウ素の量が実施例1で用いたも
のよりも多く、かつ同時にゲルマニウムを添加して屈折
率を補償したものであった。したがって、偏波保持光フ
ァイバのドーパントの拡散などの条件に関わらず、アス
ペクト比を1.7以上とすることにより、所望の特性が
得られることが明かとなった。 (PANDA型光ファイバの特性) コアの外径(コア半径) 6.5μm(3.25μm) クラッドの外径 125μm コア−クラッド間の比屈折率差 0.35% 応力付部−クラッド間の比屈折率差 0.2% 直径A 24μm 使用波長 980nm 使用波長におけるモード複屈折率 4×10-4
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明においてはア
スペクト比を1.7以上とすることにより、確実にPB
S動作を行う偏波保持光ファイバカプラが得られる。そ
して、融着延伸部における偏波保持光ファイバの細径化
の状態やホウ素などのドーパントの拡散状態などに関わ
らず、確実にPBS動作を行う偏波保持光ファイバカプ
ラが得られる。また、使用波長において、延伸長に伴う
2つの偏波の結合度の変化の周期が、いずれも2周期以
内の時点で延伸を終了して製造することができ、延伸長
が短いものであるため、機械的強度の大きい偏波保持光
ファイバカプラが得られる。また、偏波が、一方の偏波
保持光ファイバから他方の偏波保持光ファイバに結合す
る回数(移行回数)を少なくすることができるため、低
損失である。さらに、広い波長帯域で結合度の偏波依存
性の大きいものである。また、直径Aが大きい偏波保持
光ファイバを用いることにより、過剰損失の小さい偏波
保持光ファイバカプラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 PANDA型光ファイバの一例を示した断面
図である。
【図2】 偏波保持光ファイバカプラの一例を示した説
明図である。
【図3】 本発明に好適な偏波保持光ファイバの一例を
示した断面図である。
【図4】 実施例1の結果を示したグラフである。
【図5】 実施例1の結果を示したグラフである。
【図6】 実施例1の結果を示したグラフである。
【符号の説明】
3…融着延伸部、10…PANDA型光ファイバ(偏波
保持光ファイバ)。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の偏波保持光ファイバを並列させ、
    その長さ方向の一部を加熱し、この長さ方向に延伸して
    融着延伸部を形成した偏波保持光ファイバカプラにおい
    て、 融着延伸部の長さ方向の中央において、その断面の最小
    外径に対する最大外径の割合であるアスペクト比が1.
    7以上であることを特徴とする偏波保持光ファイバカプ
    ラ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の偏波保持光ファイバに
    おいて、使用波長において、延伸長に伴う2つの偏波の
    結合度の変化の周期が、いずれも2周期以内の時点で延
    伸を終了して製造した、一方の偏波の結合度が10%以
    下で、他方の偏波の結合度が90%以上であることを特
    徴とする偏波保持光ファイバカプラ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の偏波保持光ファイバカ
    プラにおいて、一方の偏波の結合度が10%以下で、他
    方の偏波の結合度が90%以上の波長帯域が30nm以
    上であることを特徴とする偏波保持光ファイバカプラ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏
    波保持光ファイバカプラにおいて、 偏波保持光ファイバが、コアを囲むクラッド内にコアに
    対して対称的に配された応力付与部を有し、コアの同心
    円であって、応力付与部にかからず、かつその内部に応
    力付与部を含まない円のうち、最大の円の直径が20μ
    m以上であることを特徴とする偏波保持光ファイバカプ
    ラ。
  5. 【請求項5】 前記直径が25〜30μmであることを
    特徴とする請求項4に記載の偏波保持光ファイバカプ
    ラ。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の偏波保持光フ
    ァイバカプラにおいて、偏波保持光ファイバの複屈折率
    が5×10-5〜5×10-4であることを特徴とする偏波
    保持光ファイバカプラ。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか一項に記載の偏
    波保持光ファイバカプラにおいて、偏波保持光ファイバ
    カプラのリードファイバの長さが10m以下であること
    を特徴とする偏波保持光ファイバカプラ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載の偏
    波保持光ファイバカプラにおいて、偏波保持光ファイバ
    がPANDA型光ファイバであることを特徴とする偏波
    保持光ファイバカプラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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