JP2002227687A - エンジンの内部egr率推定装置 - Google Patents
エンジンの内部egr率推定装置Info
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Abstract
精度よく推定する。 【解決手段】吸・排気弁のバルブタイミングから通常運
転時における基本内部EGR率INEGR0を算出し(S
101)、燃料カット中は、最新の状態での内部EGR率I
NEGR1を0とし(S103)、燃料噴射中は内部EGR率
INEGR1を前記基本内部EGR率INEGR0とし
た上で(S104)、時系列の加重平均演算を行って内部EG
R率INEGRを算出し(S105)、燃料カット以外でのエ
ンジン停止後から始動判定前までは、内部EGR率IN
EGRを0とし(S106〜S107)、該内部EGR率INEG
Rに基づいてシリンダ内新気割合ηを算出する(S108)。
Description
量を高精度に算出するなどのため、吸・排気弁の開閉時
期に基づいて内部EGR率を推定する装置に関する。
気量を制御する通常のエンジンでは、スロットル弁開度
のステップ的な変化に対応するため、エアフローメータ
により計測された吸入空気量に対し、加重平均処理によ
り、1次遅れの関係で、シリンダ吸入空気量を算出して
いる(特開昭61−258942号公報参照)。
御可能な可変動弁エンジンにおいては、該開閉時期、特
に吸気弁の閉時期の制御により、シリンダ吸入空気量が
ステップ的に変化するため、上記方式ではシリンダ吸入
空気量を高精度に算出することができない。そこで、本
願出願人は先に、以下のような算出方式を提案した。す
なわち、エアフローメータの出力から算出されるマニホ
ールド部へ流入する質量空気量及びシリンダ部へ流出す
る質量空気量の収支計算を行ってマニホールド部内の質
量空気量を算出する。一方、吸気弁及び排気弁の開閉時
期に基づいてシリンダに吸入される体積空気量を算出す
る。そして、前記マニホールド部内の質量空気量と予め
判っているマニホールド部容積から算出される空気密度
と、前記シリンダに吸入される体積空気量とからシリン
ダに吸入される質量空気量を算出するものである(特願
平11−223682号)。
ダ吸入空気量を算出できる。
式では、シリンダに吸入される体積空気量の算出を、吸
気弁の閉時期に基づいて算出されたシリンダ容積とシリ
ンダ内新気割合とに基づいて算出される。ここで、前記
シリンダ内新気割合は、吸気弁の開時期と排気弁の閉時
期とにより定まるオーバーラップ量が大きくなるほど残
ガス率(内部EGR率)が大となるので、該内部EGR
率に基づいて新気割合を算出している。また、EGR装
置(外部EGR)を設けたものでは、そのEGR率によ
り補正して、最終的なシリンダ内新気割合を算出する。
に、吸気弁の開時期と排気弁の閉時期とに基づいて内部
EGR率が算出される。しかしながら、一般的な車両用
エンジンでは、減速運転時などに少なくとも一部の気筒
への燃料供給を停止する燃料カット制御が行われるが、
該燃料カット制御時にも通常運転時と同様に内部EGR
率を推定してしまうため、実際の推定値と大きくずれて
しまうことがあった。すなわち、燃料カット中は残ガス
が発生しないため、燃料供給再開時の内部EGR率は大
きく減少しているにもかかわらず、通常運転時と同様に
算出してしまうため、新気量を実際値より少なく算出し
てしまう。このため、該少なめに誤算出されたが新気量
に応じて燃料噴射量が少なく設定され、空燃比がリーン
化して出力不足となる。
てなされたもので、燃料カット制御による影響を考慮し
て、常時高精度に内部EGR率を推定できるようにする
ことを目的とする。
る発明は、吸気弁及び排気弁の開閉時期に基づいて内部
EGR率を推定するエンジンの内部EGR率推定装置に
おいて、燃料カット開始から燃料供給を再開して通常運
転に到るまでの燃料カット制御時と、通常運転時とで、
内部EGR率の推定値を切り換えることを特徴とする。
は、吸気弁及び排気弁の開閉時期から内部EGRを推定
するが、燃料カット制御が行われたときは、燃料カット
中に燃焼が停止されて残ガスが減少することに伴い通常
運転時より減少する内部EGR率を推定しつつ、燃料供
給再開時の内部EGR率を推定する。これにより、通常
運転時と異なる実際の状態に則した内部EGR率を推定
でき、該内部EGR率の推定値を用いてシリンダ吸入空
気量を正確に算出でき、燃料供給再開時の空燃比を適切
に制御できる。
制御時に、燃料カットされる気筒数に応じて、内部EG
R率の推定値を切り換えることを特徴とする。請求項2
に係る発明によると、例えば、トルクショック軽減など
のため、全気筒燃料カットから半数気筒燃料カット(半
数気筒燃料供給再開)を経て全気筒燃料供給再開とする
ような燃料カット制御を行うような場合でも、燃料カッ
トされる気筒数に応じて、全気筒平均の内部EGR率を
高精度に推定することができ、部分的な燃料供給再開直
後から吸入空気量に見合った燃料量を供給することが可
能になる。
制御時に、気筒毎に内部EGR率を推定することを特徴
とする。請求項3に係る発明によると、上記のように燃
料カット気筒数(燃料供給再開気筒数)を段階的に減少
(増加)するような燃料カット制御を行った場合に、気
筒毎に異なる内部EGR率を、気筒別に推定することに
より、燃料供給再開時の空燃比を気筒毎に調整できる。
止若しくはアイドル時のエンジン停止指令を判定してか
ら再始動されるまでの間、内部EGR率の推定値を0に
維持することを特徴とする。請求項4に係る発明による
と、燃料カット制御後以外のエンジン始動時点における
内部EGR率の推定値が0に維持されているので、残ガ
スの無い状態(内部EGR率=0)で算出されたシリン
ダに対して燃料噴射量が設定されるようにすることがで
き、以って、燃料不足を防止でき、良好な始動性を確保
することができる。
制御時は、時系列の加重平均処理を行ってEGR率の推
定値を求めることを特徴とする。請求項5に係る発明に
よると、燃料カット開始後、残ガスの掃気の遅れに応じ
て内部EGR率が徐々に減少していき、燃料供給再開時
も再開直前の内部EGR率が減少した状態から徐々に増
大する。そこで、前記時系列の加重平均処理を行うこと
により、かかる内部EGR率の変化に見合った推定値を
得ることができる。
排気弁の開閉時期の少なくとも1つを可変制御する可変
動弁装置を備え、吸気弁及び排気弁の開閉時期に基づい
てシリンダ吸入空気量を算出するエンジンにおいて、前
記シリンダ吸入空気量の算出のため内部EGR率を推定
することを特徴とする。
排気弁の開閉時期が可変制御されるものでは、該制御に
応じて内部EGR率が変化し、該内部EGR率の変化に
応じてシリンダ吸入空気量が変化するので、該内部EG
R率を燃料カット制御時も含めて高精度に推定すること
で、シリンダ吸入空気量を高精度に算出することができ
る。
期におけるシリンダ容積とシリンダ内新気割合とに基づ
いてシリンダに吸入される体積空気量を算出し、マニホ
ールド部上流に設けたエアフローメータの出力に基づい
て検出される吸気マニホールド部へ流入する質量空気量
と、マニホールド部からシリンダへ流出する質量空気量
との収支計算を行ってマニホールド部内の質量空気量を
算出し、前記シリンダに吸入される体積空気量、マニホ
ールド部内の質量空気量およびマニホールド部容積に基
づいて、シリンダに吸入される質量空気量を算出するエ
ンジンにおいて、前記シリンダ内新気割合の算出のた
め、内部EGR率を推定することを特徴とする。
期におけるシリンダ容積とシリンダ内新気割合とに基づ
いてシリンダに吸入される体積空気量が算出される。一
方、マニホールド部内の圧力、温度と、吸気行程終了時
のシリンダ内の圧力、温度が等しいと仮定すれば、マニ
ホールド部内の質量空気量をマニホールド部容積で除算
したマニホールド部内の空気密度とシリンダ内の空気密
度が等しいので、この関係を用いてシリンダに吸入され
る質量空気量を算出することができる。このように、マ
ニホールド部の空気の流入量と流出量との収支計算を行
いつつシリンダ吸入空気量を算出することで、バルブタ
イミング(特に吸気弁閉時期)変化に応じてステップ的
に変化するシリンダ吸入空気量を応答性よく高精度に算
出できる。
入空気量の算出に、本発明に係る内部EGR率の推定値
を用いることで、燃料カット制御時も含めてシリンダ吸
入空気量を高精度に算出することができる。
する。図1は本発明の一実施形態を示す可変動弁エンジ
ンを搭載したハイブリッド車両のパワートレインシステ
ム図である。起動用モータ21で起動されるエンジン1
の出力軸は、パウダクラッチ等のクラッチ22を介して
走行用モータ23に動力伝達・切り離し自由に接続さ
れ、走行用モータ23の出力軸は、変速機24、ディフ
ァレンシャルギア25を介して駆動輪26に接続されて
いる。
機シフト位置などの信号、車速信号、バッテリ充電状態
の信号などが車両制御回路27に入力され、該車両制御
回路27は、起動用モータ制御回路28、エンジン制御
回路29、クラッチ制御回路30、走行用モータ制御回
路31、変速機制御回路32を介して各部を制御する。
燃費および排気浄化性能改善のため、エンジン1を停止
するいわゆるアイドルストップを行うようにしている。
図2は同上の可変動弁エンジンのシステム図である。エ
ンジン1の各気筒のピストン2により画成される燃焼室
3には、点火栓4を囲むように、電磁駆動式の吸気弁5
及び排気弁6を備えている。7は吸気通路、8は排気通
路である。
変動弁装置)の基本構造を図3に示す。弁体20の弁軸
21にプレート状の可動子22が取付けられており、こ
の可動子22はスプリング23,24により中立位置に
付勢されている。そして、この可動子22の下側に開弁
用電磁コイル25が配置され、上側に閉弁用電磁コイル
26が配置されている。
磁コイル26への通電を停止した後、下側の開弁用電磁
コイル25に通電して、可動子22を下側へ吸着するこ
とにより、弁体20をリフトさせて開弁させる。逆に、
閉弁させる際は、下側の開弁用電磁コイル25への通電
を停止した後、上側の閉弁用電磁コイル26に通電し
て、可動子22を上側へ吸着することにより、弁体20
をシート部に着座させて閉弁させる。
て、電磁駆動式のものを用いたが、油圧駆動式のもの等
を用いることもできる。図2に戻って、吸気通路7に
は、マニホールド部の上流に、電制スロットル弁9が設
けられている。吸気通路7にはまた、気筒毎の吸気ポー
ト部分に、電磁式の燃料噴射弁10が設けられている。
スロットル弁9、燃料噴射弁10及び点火栓4の作動
は、コントロールユニット11により制御され、このコ
ントロールユニット11には、エンジン回転に同期して
クランク角信号を出力しこれによりクランク角位置と共
にエンジン回転速度Neを検出可能なクランク角センサ
(回転速度センサ)12、アクセル開度(アクセルペダ
ル踏込み量)APOを検出するアクセルペダルセンサ1
3、吸気通路7のスロットル弁9上流にて吸入空気量
(質量流量)Qaを計測する熱線式のエアフローメータ
14等から、信号が入力される。
よる燃費向上を目的として、電磁駆動式の吸気弁5及び
排気弁6の開閉時期を制御、特に吸気弁5の開時期IV
Oを上死点近傍のタイミングに設定して、吸気弁5の閉
時期IVCを可変制御することにより、アクセル開度A
POとエンジン回転速度Neとに基づく要求トルク相当
の目標空気量が得られるように、吸入空気量を制御し
て、実質的にノンスロットル運転を行う。この場合、電
制スロットル弁9は、所定の運転条件(高負荷運転時以
外)にてマニホールド部に微少な負圧(−50mmHg程度)
を得る程度の開度に設定制御する。
は、最も熱効率の良いタイミングとなるように制御す
る。尚、吸気弁5の閉時期IVCによる吸入空気量の制
御によって燃焼状態が悪化する特定運転条件(例えばア
イドル運転時や冷機状態での低負荷運転時など)では、
吸気弁5の閉時期IVCを下死点近傍に固定し、電制ス
ロットル弁9の開度TVOを可変制御することにより吸
入空気量を制御することも可能である。
射量は、エンジン運転条件に基づいて制御するが、燃料
噴射量は、基本的には、エアフローメータ14により計
測される吸入空気量(質量流量)Qaに基づいて後述の
ごとく算出されるシリンダ吸入空気量(シリンダ部質量
空気量)Ccに対し、所望の空燃比となるように制御す
る。
条件に基づいて、MBT(トルク上の最適点火時期)又
はノック限界に制御する。次に、燃料噴射量等の制御の
ためのシリンダ吸入空気量(シリンダに吸入される質量
空気量)Ccの算出について、図4以下のフローチャー
ト等により、詳細に説明する。
メータ14により計測される吸入空気量(質量流量)を
Qa(kg/h)とするが、1/3600を乗じて、
(g/msec)として扱う。また、マニホールド部の
圧力をPm(Pa)、容積をVm(m3 ;一定)、質量
空気量をCm(g)、温度をTm(K)とする。
容積をVc(m3)、質量空気量をCc(g)、温度を
Tc(K)とする。更に、シリンダ内新気割合をη
(%)とする。また、マニホールド部とシリンダ部と
で、Pm=Pc、Tm=Tc(圧力及び温度は変化しな
い)と仮定する。
ルーチンのフローチャートであり、所定時間Δt毎に実
行される。ステップ1では、エアフローメータ14の出
力より算出された吸入空気量Qa(質量流量;g/ms
ec)を読み込む。ステップ2では、吸入空気量Qaの
積分計算により、所定時間Δt毎にマニホールド部へ流
入する空気量Ca(質量空気量;g)=Qa・Δtを算
出する。
ンのフローチャートであり、所定時間Δt毎に実行され
る。ステップ11では、吸気弁5の閉時期IVC、吸気
弁5の開時期IVO、排気弁6の閉時期EVCを検出す
る。尚、これらは吸気弁5及び排気弁6に対しリフトセ
ンサを設けて直接的に検出してもよいが、コントロール
ユニット12での制御上の指令値(目標値)を用いるこ
とで簡素化できる。
Cから、該閉時期IVCにおけるシリンダ容積Vc
1(m3)を算出する。ステップ13では、シリンダ内新
気割合η(%)を算出する。ここで、該シリンダ内新気
割合ηを、本発明に係る燃料カット制御を考慮した内部
EGR率の推定値を用いて算出する。具体的な算出につ
いては、後述する。
1にシリンダ内新気割合ηを乗じて、シリンダ内の体積
空気量Vc2(m3)=Vc1・ηを算出する。ステップ
15では、次式のごとく、シリンダ内の体積空気量Vc
2(m3)にエンジン回転速度Ne(rpm)を乗じて、
Vc変化速度(体積流量;m3/msec)を算出す
る。
2・エンジン回転速度Ne・K ここで、Kは単位を揃えるための定数で、K=(1/3
0)×(1/1000)である。1/30は、Ne(r
pm)をNe(180deg/sec)に変換するため
のものであり、1/1000は、Vc変化速度(m3/
sec)をVc変化速度(m3/msec)に変換する
ためのものである。
行う場合は、次式による。 Vc変化速度=Vc2・Ne・K・n/N n/Nは一部気筒の稼働を停止させる場合の稼働率であ
り、Nは気筒数、nはそのうちの稼働気筒数である。従
って、例えば4気筒エンジンで、1気筒の稼働を停止さ
せている場合は、n/N=3/4となる。尚、特定気筒
の稼働を停止させる場合は、当該気筒の吸気弁及び排気
弁を全閉状態に保持した上で、燃料カットを行う。
量;m3/msec)の積分計算により、所定時間Δt
あたりにシリンダに吸入される体積空気量Vc(m3)
=Vc変化速度・Δtを算出する。図6は連続計算(マ
ニホールド部吸気収支計算及びシリンダ吸入空気量算
出)ルーチンのフローチャートであり、所定時間Δt毎
に繰り返し実行される。また、図7には連続計算部をブ
ロック図で示している。
支計算(マニホールド部質量空気量Cmの収支計算)の
ため、次式のごとく、マニホールド部内の質量空気量の
前回値Cm(n-1)に、図4のルーチンで求めたマニホー
ルド部へ流入する質量空気量Ca(=Qa・Δt)を加
算し、また、マニホールド部からシリンダ部へ流出する
シリンダ吸入空気量(質量空気量)Cc(n) を減算し
て、マニホールド部内の質量空気量Cm(n)(g)を算
出する。
32により算出されたCcである。ステップ22では、
シリンダ吸入空気量(シリンダ部質量空気量Cc)の算
出のため、次式のごとく、図5のルーチンで求めた所定
時間Δtあたりのシリンダ吸入空気量(シリンダ部体積
空気量)Vcに、マニホールド部質量空気量Cmを掛算
し、また、マニホールド部容積Vm(一定値)で除算し
て、所定時間Δtあたりのシリンダ吸入空気量(シリン
ダ部質量空気量)Cc(g)を求める。
程式P・V=C・R・Tより、C=P・V/(R・T)
であるので、シリンダ部について、 Cc=Pc・Vc/(R・Tc) ・・・(2) となる。
るので、 Cc=Pm・Vc/(R・Tm) ・・・(3) となる。一方、気体の状態方程式P・V=C・R・Tよ
り、P/(R・T)=C/Vであるので、マニホールド
部について、 Pm/(R・Tm)=Cm/Vm ・・・(4) となる。
Vm〕 となり、上記(1)式が得られる。以上のように、ステ
ップ21,22を繰り返し実行することにより、すなわ
ち図7に示すように連続計算することにより、シリンダ
吸入空気量であるシリンダ部質量空気量Cc(g)を求
めて、出力することができる。尚、ステップ21,22
の処理順序は逆でもよい。
ある。ステップ31では、次式のごとく、シリンダ部質
量空気量Cc(g)を加重平均処理して、Cck(g)
を算出する。 Cck=Cck×(1−M)+Cc×M Mは加重平均定数であり、0<M<1である。
ンダ部質量空気量Cck(g)を、燃料噴射が行われる
サイクル周期に対応させるため、エンジン回転速度Ne
(rpm)を用いて、 Cck(g/cycle)=Cck/(120/Ne) により、1サイクル(2回転=720deg)毎のシリンダ部
質量空気量(g/cycle)に変換する。
く開いている(全開)時等の吸気の脈動が大きいときに
限定して行うと、制御精度と制御応答性を両立させるこ
とができる。図9はこの場合の後処理ルーチンのフロー
チャートである。ステップ35でシリンダ部質量空気量
Cc(g)の変化量ΔCcを算出する。続いてステップ
36でこの変化量ΔCcが所定範囲内(所定値Aより大
きく所定値Bより小さい)か否かを判定する。所定範囲
内の場合は、加重平均処理をする必要ないので、ステッ
プ37でCck(g)=Cc(g)とした後、ステップ
32で図8のステップ32と同じに1サイクル(2回転
=720deg)毎のシリンダ部質量空気量Cck(g/cycl
e)に変換する。変化量ΔCcが所定範囲外である場合
は、ステップ31で図8のステップ31と同じにシリン
ダ部質量空気量Cc(g)を加重平均処理してCck
(g)を算出し、ステップ32へ進む。
ダ内新気割合ηの具体的な算出方法を、説明する。該シ
リンダ内新気割合ηの算出に、本発明に係る燃料カット
制御を考慮した内部EGR率の推定値が用いられる。通
常運転時には、吸気弁5の開時期IVO、排気弁6の閉
時期EVC、また必要により外部EGR率により、シリ
ンダ内新気割合η(%)を算出する。
期IVOと排気弁6の閉時期EVCとにより、オーバー
ラップ量が定まり、オーバーラップ量が多くなる程、残
ガス率(内部EGR率)が大となるので、該内部EGR
率に基づいてシリンダ内新気割合ηを求める。また、可
変動弁エンジンでは、オーバーラップ量の制御により内
部EGR率を自在に制御できるので、一般にはEGR装
置(外部EGR)は設けないが、設ける場合は、更にそ
のEGR率により補正して、最終的なシリンダ内新気割
合ηを求める。
燃料カットされた気筒では、燃焼が行われないので、前
記内部EGR率は減少していく。したがって、燃料カッ
トを開始してから燃料供給再開直後までの燃料カット制
御時と、通常の燃料供給制御時とで前記シリンダ内新気
割合ηひいてはシリンダ吸入空気量の算出に用いる内部
EGR率の推定値を切り換える必要がある。
EGR率を推定しつつシリンダ内新気割合ηを演算する
ルーチンについて説明する。図10は、燃料供給が再開
されるまで全気筒を燃料カットする燃料カット制御を行
う第1の実施形態におけるシリンダ内新気割合η演算ル
ーチンのフローチャートを示す。
VO、排気弁6の閉時期EVCに基づいて、基本内部E
GR率INEGR0を演算する。ステップ102では、
燃料カット中であるか否かを判定し、燃料カット中と判
定されたときは、残ガスが発生しないのでステップ10
3へ進んで最新の状態における内部EGR率INEGR
1を0とし、燃料カット中でないと判定されたときは、
燃焼が行われるのでステップ104へ進んで、同じく内
部EGR率INEGR1を前記基本内部EGR率INE
GR0に設定する。
否か)のみに応じて内部EGR率を切り換えても、燃料
供給再開時に通常運転時と同様に内部EGR率を設定し
まうことになって、燃料カット中の影響が考慮されたこ
とにならず、また、燃料カット中の内部EGR率も燃料
カット開始と同時に0となるわけではない。そこで、ス
テップ105では、次式のように、時系列の加重平均処
理を行って、内部EGR率INNEGRを設定する。
A)INEGRold すなわち、実際には燃料カットを開始して残ガスが完全
に掃気されるのに遅れを生じ、燃料供給再開時も再開直
前の内部EGR率が減少した状態から徐々に増大するた
め、かかる内部EGR率の変化に見合った推定値が得ら
れるように、上記の処理を行う。
燃料カット開始からの経過時間に応じて内部EGR率を
減少していき、燃料供給再開後は再開時の内部EGR率
を初期値とし、その後の経過時間に応じて増大してい
き、所定時間後に通常運転時の内部EGR率(INEG
R0)となるようにしてもよい。次に、ステップ106
では、エンジン停止中(通常の停止の他、ドライバの意
図しないいわゆるエンストを含む)、または、アイドル
時にエンジンを停止するアイドルストップ指令が発生中
あるいは、その後エンジンが始動される前の状態である
か否かを判定する。なお、前記エンジンの始動の判定
は、燃料噴射後の完爆判定を、例えば起動用モータ21
によるクランキング後、エンジントルクによって起動用
モータ21のトルクが負となる回生状態を検出すること
で行うことができる。また、エンジン始動の判定を、簡
易的に燃料噴射開始で判定してもよい。
ないと判定されたときは、ステップ108へ進み、前記
ステップ105で推定算出された内部EGR率INEG
Rを用いて、次式によりシリンダ内新気割合η(%)を
算出する。 η=100−INEGR このようにすれば、燃料カット開始から燃料供給を再開
して通常運転に到るまでの燃料カット制御時における内
部EGR率INEGRが高精度に推定され、該内部EG
R率INEGRを用いてシリンダ内新気割合ηひいては
シリンダ吸入空気量Ccを高精度に算出することができ
る。
トやアイドルストップを含むエンジン停止状態からエン
ジンの始動が判定されるまでの期間中と判定された場合
は、ステップ107へ進んで、内部EGR率INEGR
を0とする。これにより、始動時の内部EGR率INE
GRが0となり、ステップ105での始動後の内部EG
R率INEGRの算出が、初期値を0として算出され
る。すなわち、燃料カット制御後以外の始動時は、残ガ
スの無い状態(内部EGR率=0)でのシリンダ吸入空
気量に対して燃料噴射量が設定されるようにして、燃料
不足を防止することにより、良好な始動性を確保するこ
とができる。
ト制御を行う第2の実施形態におけるシリンダ内新気割
合ηの算出を、図11のフローチャートにしたがって説
明する。例えば、全気筒燃料カット後、半数気筒の燃料
カットに切り換えてから全気筒の燃料供給を再開するよ
うな燃料カット制御を行う。ステップ201で、前記同
様に基本内部EGR率INEGR0を算出した後、ステ
ップ202で、現在燃料噴射されている気筒数(燃料カ
ットされている気筒数)を判別する。
内部EGR率INEGR1を次式のように設定する。 INEGR1=INEGR0×(噴射気筒数)/(全気
筒数) これは、全気筒平均の内部EGR率INEGR1を表し
ている。ステップ204以降は、第1の実施形態におけ
る図10のステップ105以降と同一であるので説明を
省略する。
含む燃料カット制御を行うものについても、全気筒平均
の内部EGR率INEGRを高精度に推定することがで
き、部分的な燃料供給再開直後から吸入空気量に見合っ
た燃料量を供給することが可能になる。次に、同様な部
分的な燃料カットを含む燃料カット制御を行うものにつ
いて、気筒別に内部EGR率INEGRを推定しつつシ
リンダ内新気割合を算出する第3の実施形態を、図12
に示したフローチャートにしたがって説明する。
EGR率INEGR0を算出する。ステップ302で
は、全気筒燃料噴射中でかつ全気筒燃料噴射開始後所定
時間経過後かを判定する。上記判定がNOの場合は、ス
テップ303へ進み、気筒判別を行う。この気筒判別
は、次回燃料噴射行程にある気筒(燃料カット時は、燃
料カット時でなければ燃料噴射行程にある気筒)の判別
である。
別されたときは、ステップ304〜ステップ310へ進
んで、該第1気筒(♯1)における内部EGR率INE
GR(♯1)を推定し、シリンダ新気割合η(♯1)を
算出する。該ステップ304〜ステップ310での算出
方法は、前記第1の実施形態におけるステップ102〜
ステップ108と全く同様であるが、各内部EGR率I
NEGR1(♯1)、INEGRold(♯1)は、第1
気筒(♯1)が判別されたときに算出されたものを用い
る。
4気筒(♯4)が判別されたとき(4気筒エンジンの場
合)も、それぞれ、ステップ311、ステップ312、
ステップ313へ進んで、第1気筒(♯1)の場合(ス
テップ304〜ステップ310)と同様にして内部EG
R率INEGR(♯n)を推定しつつ、シリンダ新気割
合η(♯n)を算出する。
御時の内部EGR率INEGR(♯n)を推定しつつ、
シリンダ新気割合η(♯n)ひいてはシリンダ吸入空気
量Ccを高精度に算出することができ、燃料供給再開時
の空燃比を気筒毎に調整できる。また、ステップ302
で、全気筒燃料噴射中でかつ全気筒燃料噴射再開後所定
時間経過後と判定された場合は、燃料カットの影響が無
くなり通常運転に復帰したと判断して、ステップ314
へ進み、次式のように通常運転時の内部EGR率推定値
(=基本内部EGR率INEGR0)を用いてシリンダ
新気割合ηを算出する。
る。なお、上記実施形態では、各吸・排気弁の開閉時期
を独立して可変制御できる電磁駆動式の可変動弁装置に
ついて示したが、油圧式や電磁ブレーキ式などでカムシ
ャフトのクランクシャフトに対する回転位相を制御する
ことにより、吸・排気弁の開閉時期を制御する可変動弁
装置を備えたものにも適用できることは勿論である。
ンを搭載した車両のシステム構成を示す機能ブロック
図。
ローチャート。
チャート。
シリンダ吸入空気量算出)ルーチンのフローチャート。
ト。
算ルーチンを示すフローチャート。
算ルーチンを示すフローチャート。
算ルーチンを示すフローチャート。
Claims (7)
- 【請求項1】吸気弁及び排気弁の開閉時期に基づいて内
部EGR率を推定するエンジンの内部EGR率推定装置
において、 燃料カット開始から燃料供給を再開して通常運転に到る
までの燃料カット制御時と、通常運転時とで、内部EG
R率の推定値を切り換えることを特徴とするエンジンの
内部EGR率推定装置。 - 【請求項2】燃料カット制御時に、燃料カットされる気
筒数に応じて、内部EGR率の推定値を切り換えること
を特徴とする請求項1に記載のエンジンの内部EGR率
推定装置。 - 【請求項3】燃料カット制御時に、気筒毎に内部EGR
率を推定することを特徴とする請求項1に記載にエンジ
ンの内部EGR率推定装置。 - 【請求項4】エンジン停止若しくはアイドル時のエンジ
ン停止指令を判定してから再始動されるまでの間、内部
EGR率の推定値を0に維持することを特徴とする請求
項1〜請求項3のいずれか1つに記載のエンジンの内部
EGR率推定装置。 - 【請求項5】燃料カット制御時は、時系列の加重平均処
理を行ってEGR率の推定値を求めることを特徴とする
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のエンジンの
内部EGR率推定装置。 - 【請求項6】吸気弁及び排気弁の開閉時期の少なくとも
1つを可変制御する可変動弁装置を備え、吸気弁及び排
気弁の開閉時期に基づいてシリンダ吸入空気量を算出す
るエンジンにおいて、前記シリンダ吸入空気量の算出の
ため内部EGR率を推定することを特徴とする請求項1
〜請求項5のいずれか1つに記載のエンジンの内部EG
R率推定装置。 - 【請求項7】吸気弁閉時期におけるシリンダ容積とシリ
ンダ内新気割合とに基づいてシリンダに吸入される体積
空気量を算出し、マニホールド部上流に設けたエアフロ
ーメータの出力に基づいて検出される吸気マニホールド
部へ流入する質量空気量と、マニホールド部からシリン
ダへ流出する質量空気量との収支計算を行ってマニホー
ルド部内の質量空気量を算出し、前記シリンダに吸入さ
れる体積空気量、マニホールド部内の質量空気量および
マニホールド部容積に基づいて、シリンダに吸入される
質量空気量を算出するエンジンにおいて、前記シリンダ
内新気割合の算出のため、内部EGR率を推定すること
を特徴とする請求項6に記載のエンジンの内部EGR率
推定装置。
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