JP2002227552A - 開口部装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 郵便物等を簡単に投入でき、断熱性に優れた
断熱戸を提供する。 【解決手段】 上下左右の芯材２〜５と室内外の面材
６，７とで形成される空間に断熱材８を充填した断熱戸
１であって、この断熱戸に面材及び断熱材を貫通するよ
うに開口部１０を備え、この開口部内に少なくとも一つ
の面材との間に低熱伝導性材料よりなる断熱部材を介す
るように取り付けられた郵便物等差入れ口１５及び取出
し口１７を有する金属製の内枠体１３を備え、この内枠
体１３の下枠に取出し口１７に向けて下がり勾配を有す
る傾斜部２３を備え、内枠体１３の取出し口側には上枠
側から下方に垂れ下がる気密部材２１を備え、この気密
部材２１の下縁部を傾斜部２３の取出し口付近に当接さ
せたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、郵便物等挿入用の
金属製の内枠体を有する開口部装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、上下左右の芯材と室内外の面材
とで形成される空間に断熱材を充填した断熱戸が知られ
ている。

【０００３】この種のものでは、面材及び断熱材を貫通
してあけられた開口部に、郵便物等差入れ口及び郵便物
等取出し口を有する金属製の内枠体を備えて構成されて
いる。上記郵便物等差入れ口には開閉自在な蓋部材が設
けられ、郵便物等取出し口には気密性を保持するモヘア
が設けられている。この種のモヘアは、一般的に内枠体
の上縁部及び下縁部に一対設けられ、各モヘアの先端は
開口部の中央で接近するように取り付けられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この種の断熱戸では、
防火対策として郵便物等差入れ口及び郵便物等取出し口
を有する内枠体を金属製としなければならない。

【０００５】しかし、従来の構成では、これを金属製と
した場合、この内枠体と上記面材との間で熱移動があ
り、断熱性を損なう恐れがある。

【０００６】また、従来の構成では、郵便物等差入れ口
の蓋部材をあけて郵便物等を投入した場合に、この郵便
物等の先端が、取出し口の上縁部に設けられたモヘア、
或いは下縁部に設けられたモヘアのいずれかに当接し、
それ以上、郵便物等を投入できなくなるという問題があ
る。

【０００７】本発明の目的は、上述した従来の技術が有
する課題を解消し、郵便物等を簡単に投入でき、断熱性
に優れた開口部装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
上下左右の枠材からなる枠体内に、上下左右の芯材及び
室内外の面材で形成される空間に断熱材を充填した断熱
戸を開閉自在に設けてなる開口部装置であって、この断
熱戸に面材及び断熱材を貫通するように開口部を備え、
この開口部内に少なくとも一つの面材との間に低熱伝導
性材料よりなる断熱部材を介するように取り付けられた
郵便物等差入れ口及び取出し口を有する金属製の内枠体
を備え、この内枠体の下枠に取出し口に向けて下がり勾
配を有する傾斜部を備え、上記内枠体の取出し口側又は
取出し口自体には上方から下方に垂れ下がる気密部材を
備え、この気密部材の下縁部を上記傾斜部の取出し口付
近に当接させたことを特徴とする。

【０００９】請求項１記載の発明では、郵便物等差入れ
口から郵便物等を投入した場合、この郵便物等は、金属
製の内枠体の取出し口に向けて下がり勾配を有する下枠
の傾斜部に案内されて室内側に導入される。

【００１０】この傾斜部の取出し口付近には気密部材の
先端が当接する構造となるため、この気密部材の先端に
郵便物等の先端が当たっても、それが郵便物等への抵抗
となることはなく、室内側に確実に導かれる。

【００１１】また、金属製の内枠体は、少なくとも一つ
の面材との間で熱的に遮断される構造を有するため、断
熱性が向上する。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に従って説明する。

【００１３】図５は開口部装置の横断面図、図６は同じ
く縦断面図である。１００は枠体を示し、この枠体１０
０は例えば玄関開口に取り付けられる。この枠体１００
は、上下の枠材１０１，１０２及び左右の枠材１０３，
１０４を四方枠組みして形成され、この枠体１００内に
は以下に説明する断熱戸１がヒンジ１０５を介して開閉
自在に取り付けられる。上の枠材１０１、及び左右の枠
材１０３，１０４は、それぞれ外枠材１０１Ａ、１０３
Ａ，１０４Ａと内枠材１０１Ｂ、１０３Ｂ，１０４Ｂと
を断熱ブリッジ材１０１Ｃ、１０３Ｃ，１０４Ｃで結合
して構成され、いわゆる断熱構造を呈する。１０６は気
密パッキンである。

【００１４】図１は断熱戸の姿図、図２は断熱戸の縦断
面図、図３は断熱戸の横断面図である。それぞれの図に
おいて、１は断熱戸を示し、この断熱戸１は、上下左右
の枠部材２〜５と室内外の面材６，７とで形成される空
間に、発泡ウレタン等の断熱材８を充填して構成されて
いる。上下左右の枠部材２〜５は、金属製の芯材２Ａ〜
５Ａと、これを覆う樹脂カバー２Ｂ〜５Ｂとで構成され
ている。９は室外側の面材６に取り付けられた額縁であ
る。

【００１５】この断熱戸１には、室内外の面材６，７及
び断熱材８を貫通して開口部１０が形成され、この開口
部１０内には、郵便物等投入用の内枠体１３が取り付け
られている。この郵便物等投入用の内枠体１３は、防火
対策のため金属製となっており、室内側の面材７との間
に、加熱発泡テープ等の低熱伝導性材料よりなる断熱部
材（断熱シート）１１を挟んで、熱的に遮断可能に取り
付けられる。

【００１６】この内枠体１３は、図４に示すように、上
枠１３Ａ、下枠１３Ｂ、左右枠１３Ｃ，１３Ｄを備えて
構成されている。

【００１７】この内枠体１３の室外側には、郵便物等差
入れ口１５が取り付けられ、この差入れ口１５には、上
縁がヒンジ連結１６Ａされた蓋体１６が内側に開閉自在
に取り付けられている。また、この内枠体１３の室内側
には、郵便物等取出し口１７が取り付けられている。こ
の取出し口１７には、図２に示すように、下方に垂れ下
がるモヘア（気密部材）２１が取り付けられている。こ
のモヘア２１の上縁部２１Ａは、取出し口１７の内端に
嵌合し、内側から押え材１７Ａを接着して固定されてい
る。上記内枠体１３の下枠１３Ｂは、郵便物等取出し口
１７に向けて下がり勾配を有する傾斜部２３を備え、こ
の傾斜部２３の下縁部には機密性保持のため、上記モヘ
ア２１の下縁部２１Ｂが当接している。なお、モヘア２
１の上縁部２１Ａは、内枠体１３に直接取り付けてもよ
い。

【００１８】図２を参照して、内枠体１３の取り付け手
順を説明する。

【００１９】上記断熱戸１を製造する場合、上下左右の
枠部材２〜５と、室内外の面材６，７と、さらに上記内
枠体１３とで形成される空間に、発砲ウレタン等の断熱
材８を充填する。この内枠体１３には、図４に示すよう
に、フランジ１３Ｅ，１３Ｆが形成され、一方のフラン
ジ１３Ｅは室外側の面材６に予め接着され、他方のフラ
ンジ１３Ｆは、上述した断熱シート１１を挟んで室内側
の面材７にそれとの間で熱的に遮断されるように予め接
着される。

【００２０】なお、この断熱シート１１はフランジ１３
Ｅと室外側の面材６間に挟んでもよく、夫々の面材６，
７間に挟んでもよい、ついで、内枠体１３に対し、その
室外側に郵便物等差入れ口１５を宛い、室内側から郵便
物等取出し口１７を嵌合し、この差入れ口１５と取出し
口１７とを連結ボルト２６で連結する。この状態では、
図２に示すように、郵便物等取出し口１７の内側上縁部
にモヘア２１が固定されており、このモヘア２１の下縁
部２１Ｂが、傾斜部２３の下縁部に当接する。

【００２１】本実施形態では、郵便物等差入れ口１５か
ら郵便物等を投入した場合、蓋体１６が内側に開き、こ
の郵便物等は、金属製の内枠体１３の取出し口１７に向
けて下がり勾配を有する下枠の傾斜部２３に案内されて
室内側に導入される。従って、郵便物等は途中に引っ掛
かることなく、確実に室内側に落下する。図２の例で
は、室内側に郵便箱を備えていないが、ここに郵便箱を
備え、郵便物等をこの郵便箱内に落下させることは可能
である。

【００２２】この傾斜部２３の取出し口１７付近にはモ
ヘア２１の先端２１Ｂが当接する構造となるため、この
モヘア２１の先端２１Ｂに郵便物等が当たっても、それ
が郵便物等への抵抗となることはなく、郵便物等は室内
側に確実に導かれる。金属製の内枠体１３は、少なくと
も一つの面材６，７との間で熱的に遮断される構造を有
するため、断熱性を向上させることができる。

【００２３】モヘア２１を取出し口１７よりも内側に配
置したため、断熱戸１の室内側に突出するものがなく、
コンパクト化が図られる。

【００２４】以上、一実施形態に基づいて本発明を説明
したが、本発明は、これに限定されるものでないことは
明らかである。

【００２５】

【発明の効果】この発明では、郵便物等差入れ口から郵
便物等を投入した場合、この郵便物等は、金属製の内枠
体の取出し口に向けて下がり勾配を有する下枠の傾斜部
に案内されて室内側に導入される。この傾斜部の取出し
口付近には気密部材の先端が当接する構造となるため、
この気密部材の先端に郵便物等の先端が当たっても、そ
れが郵便物等への抵抗となることはなく、室内側に確実
に導かれる。また、金属製の内枠体は、少なくとも一つ
の面材との間で熱的に遮断される構造を有するため、断
熱性が向上する等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による断熱戸の一実施形態を示す姿図で
ある。

【図２】同じく縦断面図である。

【図３】同じく横断面図である。

【図４】本実施形態の要部を示す分解斜視図である。

【図５】断熱戸の収まる枠体を示す横断面図である。

【図６】同じく縦断面図である。

【符号の説明】

１ 断熱戸 ２〜５ 枠部材 ６，７ 面材 ８ 断熱材 ９ 額縁 １０ 開口部 １１ 断熱シート １３ 内枠体 １５ 郵便物等差入れ口 １６ 蓋体 １７ 郵便物等取出し口 ２１ モヘア（気密部材）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下左右の枠材からなる枠体内に、上下
   左右の芯材及び室内外の面材で形成される空間に断熱材
   を充填した断熱戸を開閉自在に設けてなる開口部装置で
   あって、 この断熱戸に面材及び断熱材を貫通するように開口部を
   備え、 この開口部内に少なくとも一つの面材との間に低熱伝導
   性材料よりなる断熱部材を介するように取り付けられた
   郵便物等差入れ口及び取出し口を有する金属製の内枠体
   を備え、 この内枠体の下枠に取出し口に向けて下がり勾配を有す
   る傾斜部を備え、 上記内枠体の取出し口側又は取出し口自体には上方から
   下方に垂れ下がる気密部材を備え、 この気密部材の下縁部を上記傾斜部の取出し口付近に当
   接させたことを特徴とする開口部装置。