JP2002227077A - 耐光性に優れた芳香族ポリアミド繊維の製造方法 - Google Patents
耐光性に優れた芳香族ポリアミド繊維の製造方法Info
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Abstract
良好なメタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 メタ型芳香族ポリアミド繊維に、アクリ
ル酸とビスベンゾトリアゾール系化合物とが共重合され
た反応型紫外線吸収剤を、繊維重量に対して0.4〜
5.0重量%固着させる。
Description
耐久性が格段に向上されたメタ型芳香族ポリアミド繊維
の製造方法に関するものである。
の高分子化合物は、製造時、加工時、或いは使用時に紫
外線を受け、物性低下や変色などの外観変化が生じるの
で、その対策として、高分子化合物の製造時または成型
時に各種紫外線吸収剤或いはそれ自身は紫外線を吸収し
ないが、紫外線エネルギーによって生じる有害なフリー
ラジカルを効率よく捕捉することにより高分子化合物を
安定化させるヒンダードアミン系光安定剤などを添加す
る方法が知られている。
格が殆ど芳香族環から構成されているため、優れた耐熱
性と寸法安定性とを有しており、この特性を活かした該
メタ型芳香族ポリアミド繊維は、耐熱性が要求される産
業資材用途や、防炎性、耐炎性が重視されるカーテン、
寝具類などのインテリア用、耐熱服、防炎衣服等への使
用が急速に広がりつつあるが、紫外線による退色、変色
が起こりやすいので耐光性の改良が強く望まれている。
合にも、前述の紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安
定剤などを添加することが考えられるが、メタ型芳香族
ポリアミドの製造に際しては300℃以上の高温熱処理
を行うため、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定
剤などの分解が起こり易く、繊維の製造時には添加でき
ないという問題点があった。
などに、後加工法により紫外線吸収剤やヒンダードアミ
ン系光安定剤を固着させると、ポリマー分子鎖が剛直な
ために繊維の内部まで剤を浸透させることが出来ず、初
期性能は改良できても、洗濯等により容易に剤が脱落
し、耐久性に劣るという問題がある。
紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤などを付着
させた場合は、バインダー中に紫外線吸収剤、光安定剤
が埋没するため耐光性の向上効果が大幅に低下するとい
う問題があり、耐久性に優れたメタ型芳香族ポリアミド
の耐光性向上技術は未だ実現できていない。
のメタ型芳香族ポリアミド繊維が有する問題点を解消
し、特にその耐久性に優れた、メタ型芳香族ポリアミド
の耐光性向上方法を提供することにある。
を達成するために鋭意検討した結果、特定の組成を有す
る反応型紫外線吸収剤をメタ型芳香族ポリアミド繊維固
着させるとき、紫外線吸収効果を低下させることなく耐
久性を付与できることを見いだし本発明に到達した。
リアミド繊維に、アクリル酸とビスベンゾトリアゾール
系化合物とが共重合された反応型紫外線吸収剤を、繊維
重量に対して0.4〜5.0重量%固着させることを特
徴とする耐光性に優れた芳香族ポリアミド繊維の製造方
法が提供される。
繊維とは、その繰返し単位の85モル%以上がm−フェ
ニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる。かか
るメタ型芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内
で第3成分を含んだ共重合体であっても差し支えない。
来から公知の界面重合法により製造することができ、そ
のポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの
濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有
粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲のも
のが好ましく用いられる。
ルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていて
も構わない。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩と
しては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォ
スフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルフォン酸トリブ
チルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンス
ルフォン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフ
ォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチル
フォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリ
ブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例
示される。中でもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブ
チルフォスフォニウム塩、又はドデシルベンゼンスルフ
ォン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しや
すく、熱的安定性も良好なうえ、N−メチル−2−ピロ
リドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示され
る。
ム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るため
に、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドに対して
2.5モル%以上、好ましくは3.0〜7.0モル%の
範囲にあるものが好ましい。
ミドとアルキルベンゼンスルフォン酸オニウム塩を混合
する方法としては、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソ
フタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼン
スルフォン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用
いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得ら
れたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成さ
れる。
と、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドのN−メチ
ル−2−ピロリドン溶液にアルキルベンゼンスルフォン
酸オニウム塩を加えたドープを調製する。このドープを
ノズルより塩化カルシウムを主成分とする無機水溶液中
に押し出し、凝固させ、水洗後、沸水中で延伸を施して
繊維を得る方法がある。
アミド繊維に後述の組成を有する反応型紫外線吸収剤を
0.4〜5.0重量%固着させることが肝要である。
アクリル酸とビスベンゾトリアゾール系化合物とが共重
合された反応型紫外線吸収剤を言い、具体的には、大塚
化学(株)製RUVA−93、RUVA−30M、RU
VA−30S、RUVA−100、大和化学(株)製U
VS−2T等が例示される。
用する。乳化方法としては、通常の乳化方法例えば、ナ
フタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等の分散剤、要す
ればポリオキシエチレンノニルフェニルなどの界面活性
剤、カルボキシメチルセルロースなどの保護コロイドと
水とを加えてスラリー状とし、ボールミル、ホモミキサ
ー、コロイドミル等で十分に徹粒化することにより容易
に得られる。
アミド繊維へ固着させる方法としては、反応型紫外線吸
収剤を所定濃度含む処理液に繊維を浸漬した後、マング
ルで絞るか、スプレーで該処理液を塗布した後、100
℃以上好ましくは150〜180℃で乾燥熱処理を行
う、或いは染色同時含浸処理を行うなど、従来公知の方
法を任意に採用することができる。
に対して0.4〜5.0重量%である。該固着量が少な
すぎると耐光性の向上効果が少なく、一方、固着量が多
すぎると風合いが硬くなったり、色相変化が生じる。
の繊維の形態には特に制限はなく、原綿、トウ、フィラ
メント糸、紡績糸、織編物、不織布等全てのメタ型芳香
族ポリアミド繊維構造体が対象となる。
する。なお、実施例、および比較例における各特性値の
測定方法は下記の通りである。
0.5g/100mlの濃度で溶解し、オストワルド粘
度計を用い、30℃の温度で測定した。
ードメータを使用し、ブラックパネル温度63℃で40
時間紫外線を照射した後、ブルースケールを用いて判定
した。
光性(L50)を測定した。
/gのポリ−m−フェニレンイソフタルアミド30gを
N−メチル−2−ピロリドン110gに溶解したドープ
を減圧脱泡し紡糸ドープとした。
07ミリ、孔数200の紡糸口金から凝固浴に湿式紡糸
した。凝固浴の組成は、塩化カルシウムが40重量%、
NMPが5重量%、残りは水55重量%であり、該凝固
浴の温度は85℃であった。
せ、6.2m/分の速度で引き出した。得られた糸条を
水洗し、95℃の温水で2.3倍に延伸して200℃の
温度の加熱ロールで乾燥した後、285℃の熱板上で
1.5倍に延伸し全延伸倍率が3.5倍である延伸糸を
得た。
付与した後、カーターでカットして2de×51mmの
短繊維を作成し、該繊維を使用して綿番手30/−の紡
績糸を得、該紡績糸を経糸及び緯糸に使用して目付け2
00g/m2の平織物を作成した。
セットした後、大和化学工業(株)製UVS−2T(ビ
スベンゾトリアゾールとアクリル酸の共重合型紫外線吸
収剤の40%乳化体)を表1の濃度でパッディング後
(絞り率60%)、100℃で10分間乾燥後、180
℃で1分間熱処理した。
着量と、該織物の耐光性及び洗濯耐久性を表1に示す。
が1.35dl/gのポリ−m−フェニレンイソフタル
アミド30gをN−メチル−2−ピロリドン110gに
溶解したドープに、さらに3.6gのドデシルベンゼン
スルフォン酸フォスフォニウム塩2g混合溶解し、減圧
脱泡して紡糸ドープとした以外は実施例1と同様にして
目付け200g/m2の平織物を作成した。
セットした後、エステロールネイビーブルーN−2RL
(住友化学(株)製カチオン染料)8%owf、酢酸
0.3g/1、硝酸ナトリウム25g/1及び大和化学
工業(株)製UVS−2Tを表1の濃度含む染色液を用
い、繊維と染液との浴比を1:20とし、ミニカラー染
色機で130℃で60分間染色処理した。
アミラジンD1g/l、水酸化ナトリウム1g/lから
なる液を用い、浴比1:20で、80℃で30分間還元
洗浄し、水洗後乾燥した。
着量と、該織物の耐光性及び洗濯耐久性を表1に示す。
型紫外線吸収剤の濃度を表1の如く変更した以外は実施
例1と同様に実施した。
着量と、該織物の耐光性及び洗濯耐久性を表1に示す。
外線吸収剤に代えてチバテックスLFN(チバガイギー
社製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の20%乳化
体)を16%用いた以外は実施例1同様に実施した。
と、該織物の耐光性及び洗濯耐久性を表1に示す。
久性に優れた耐光性の良好なメタ型芳香族ポリアミド繊
維が得られ、カーテン・寝具類のインテリア用途、防炎
・防災衣服などの耐熱衣服等の用途に好適に使用でき
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 メタ型芳香族ポリアミド繊維に、アクリ
ル酸とビスベンゾトリアゾール系化合物とが共重合され
た反応型紫外線吸収剤を、繊維重量に対して0.4〜
5.0重量%固着させることを特徴とする耐光性に優れ
た芳香族ポリアミド繊維の製造方法。 - 【請求項2】 メタ型芳香族ポリアミド繊維が、その繰
返し単位の85モル%以上がm−フェニレンイソフタル
アミドであるポリマーからなり、且つアルキルベンゼン
スルフォン酸オニウム塩を含むメタ型芳香族ポリアミド
繊維である請求項1記載の耐光性に優れた芳香族ポリア
ミド繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001019681A JP2002227077A (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | 耐光性に優れた芳香族ポリアミド繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001019681A JP2002227077A (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | 耐光性に優れた芳香族ポリアミド繊維の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002227077A true JP2002227077A (ja) | 2002-08-14 |
Family
ID=18885519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001019681A Pending JP2002227077A (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | 耐光性に優れた芳香族ポリアミド繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002227077A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104911896A (zh) * | 2015-06-05 | 2015-09-16 | 四川大学 | 一种耐紫外的芳纶iii纤维及其制备方法 |
CN108609946A (zh) * | 2018-03-30 | 2018-10-02 | 广东怡兴食品有限公司 | 一种建筑再生料制备的高强度渗水砖及其制备方法 |
-
2001
- 2001-01-29 JP JP2001019681A patent/JP2002227077A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104911896A (zh) * | 2015-06-05 | 2015-09-16 | 四川大学 | 一种耐紫外的芳纶iii纤维及其制备方法 |
CN108609946A (zh) * | 2018-03-30 | 2018-10-02 | 广东怡兴食品有限公司 | 一种建筑再生料制备的高强度渗水砖及其制备方法 |
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