JP2002226471A - プロピレンオキサイドの製造方法 - Google Patents

プロピレンオキサイドの製造方法

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JP2002226471A
JP2002226471A JP2001023740A JP2001023740A JP2002226471A JP 2002226471 A JP2002226471 A JP 2002226471A JP 2001023740 A JP2001023740 A JP 2001023740A JP 2001023740 A JP2001023740 A JP 2001023740A JP 2002226471 A JP2002226471 A JP 2002226471A
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propylene oxide
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JP2001023740A
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English (en)
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Masayuki Moriwaki
正之 森脇
Manabu Kamamoto
学 鎌本
Yoji Mizushima
洋二 水嶋
Shuichi Nakada
修一 中田
Hiroki Tanaka
宏樹 田中
Kojiro Miyazaki
幸二郎 宮崎
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プロピレンクロルヒドリン水溶液とアルカリに
よるケン化反応において、プロピレンオキサイドを製造
する際に、使用するケン化塔内でのスケール付着を低減
し、ケン化塔の長期安定運転を可能にすると共に、廃水
中のプロピレングリコールの低減も可能にする製造方法
を提供する。 【解決手段】ケン化塔の全段に漏れ棚段を採用してプロ
ピレンオキサイドを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレンオキサ
イドを製造する方法に関する。詳しくは、クロルヒドリ
ン法における中間体であるプロピレンクロルヒドリン水
溶液にアルカリを作用させて、ケン化反応を行わせ、プ
ロピレンオキサイドを生成させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレンオキサイドの製造方法とし
て、プロピレンと塩素水溶液とを反応させ、プロピレン
クロルヒドリン水溶液を得、これにアルカリを加えてケ
ン化し、プロピレンオキサイドとする所謂クロルヒドリ
ン法は、公知である。クロルヒドリン法におけるプロピ
レンクロルヒドリン水溶液のケン化反応には、ケン化塔
と呼ばれる多段反応蒸留塔が用いられ、塔上部からプロ
ピレンクロルヒドリン水溶液とアルカリを供給し、塔下
部から水蒸気を夫々供給して、塔内で向流接触させ、プ
ロピレンオキサイドを生成させる。プロピレンクロルヒ
ドリンは、前工程であるプロピレンクロルヒドリンを得
る工程で、副反応生成物であるジクロルプロパン等の生
成を抑制するため、数%、一般的には0.4〜7重量%
程度の比較的低濃度水溶液とするため、大量の工水が用
いられる。また、ケン化反応に用いられるアルカリは、
特に限定されないが、コスト面などから、石灰乳が一般
に用いられる。アルカリの使用割合は、プロピレンクロ
ルヒドリン1モルにつき1モル生成する塩酸を中和する
量のみならず、反応を生起させるために溶液をアルカリ
性に保つのに必要な量として、通常中和に必要な量の
1.05〜3倍程度用いられる。
【0003】更にプロピレンクロルヒドリンのケン化に
より生じたプロピレンオキサイドは、アルカリ性水溶液
中では、更に加水分解されて、プロピレングリコールが
副生する。このため、プロピレンオキサイドの生成と同
時に該プロピレンオキサイドを蒸留し、系外に取り出す
必要があり、一般に棚段式の蒸留塔で反応させながらプ
ロピレンオキサイドを蒸留する方法が用いられる。とこ
ろが、プロピレンクロルヒドリンは数%濃度の稀薄な水
溶液であり、大量の工水を必要とするため、該工水中に
溶存する炭酸ガス等の酸性物質が比較的大量に持ち込ま
れ、これらが、石灰乳などのアルカリと反応して不溶性
塩を形成する。この不溶性塩は、反応蒸留塔の棚段、特
にシーブトレイ等の孔部に付着し序々に成長して、孔の
周囲を覆い、余々に塔底排水中のCOD値が高くなるな
ど、正常な運転が困難となり、ついには運転不能に至ら
しめる。このため、工業的プロピレンオキサイドの製造
プラントにおいては、ケン化塔を2系列保有し、切換え
運転を行う。しかし、切換え頻度が高ければ、非定常で
ある切換え作業中におけるトラブル発生や掃除に伴う時
間、労力の損失は大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、プロピレンオ
キサイドの製造設備において、ケン化塔の連続運転可能
時間を長くし得る技術の開発は、当該技術分野における
重要な課題の一つである。
【0005】本発明者らは、上記課題の解決を意図し、
まずスケール付着のメカニズムの解明を試みた結果、ス
ケールは、まず反応蒸留塔の目皿の孔部下面に付着し初
め、序々に成長して孔を塞ぐに至ることが分かった。更
に検討の結果、かかる現象は、通常の多孔板トレイにお
ける流下液はダウンカマーより流下するが、一部の液が
多孔板の孔から漏れる所謂ウィーピングによって、引き
起こされるのである。すなわち、孔部に漏れた液は多孔
板下面の孔部近辺で濃縮され又は乾燥し、アルカリ又
は、その炭酸塩が析出付着する。この析出したスケール
が核となって新たな塩や液中に浮遊する微細な塩や石灰
乳中の金属水酸化物などが、付着成長するのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
棚段の下面が乾燥せず、常に液によって洗われる方式の
反応蒸留装置を模索した結果、上昇する蒸気と流下する
水溶液とを孔部で向流接触させることにより、孔部で液
が極度の濃縮や乾燥を受けない方式として、ダウンカマ
ーを持たない棚段、すなわち漏れ棚トレイの採用に縫着
した。しかし、漏れ棚トレイ方式の蒸留塔は、流下液と
上昇する水蒸気が同じ孔を通過するため、一般的に良好
な効率で操作し得る気液の流量範囲が狭く、安定した操
作条件の設定が難しい。
【0007】本発明にあっては、試行錯誤の繰り返しの
末、漏れ棚トレイの開孔率、単位孔径及び供給されるプ
ロピレンクロルヒドリン水溶液とアルカリの全量に対す
る水蒸気の供給割合などの最適範囲を見出し本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、多段式反応蒸留塔に
おいて、プロピレンクロルヒドリン水溶液とアルカリを
反応させてプロピレンオキサイドを得るにあたり、該多
段式反応蒸留塔として断面積に対する全孔面積が0.1
〜0.35であり、且つ各単位孔径が20〜120mm
の孔を有する漏れ棚トレイ式多段塔を用い、該塔の上部
からプロピレンクロルヒドリン水溶液及びアルカリを、
下部から水蒸気を、10〜100対1の重量割合で夫々
供給することを特徴とするプロピレンオキサイドの製造
方法である。
【0009】本発明の第一の特徴は、多段式反応蒸留塔
において、その全段を漏れ棚トレイとする点にある。更
に該漏れ棚トレイの塔断面積に対する全孔面積、すなわ
ち開孔率を0.1〜0.35の範囲とし、しかも各単位
孔径は20〜120mmの範囲から選択決定することが
重要であり、更にプロピレンクロルヒドリン水溶液とア
ルカリの全重量対水蒸気重量の割合を10〜100対1
の範囲で用いるよう操作することによって、ケン化塔を
安定して、長期間連続安定運転することが可能となるの
である。通常のダウンカマー付の多孔板トレイに比較す
ると、安定運転の期間は2倍程度延長できる。
【0010】従来、オレフィンオキサイド類の製造方法
として、ケン化塔内での発泡などによるフラッディング
等のトラブルを抑え使用する水蒸気量を減少させる方法
として、塔内での反応域を広げるため、ケン化塔反応部
を漏れ棚トレイとする提案がなされている(特開昭52
−210号)。該特許公報に記載の方法は、あくまでも
水蒸気量の削減であり、塔内発泡等のフラッディングに
よる閉塞に起因するトラブル防止策として、主反応部に
おける棚段に漏れ棚トレイを用いることを提唱するもの
であり、本発明はスケール付着防止を目的として、主反
応部位のみならず、回収部位を含む塔内全トレイを漏れ
棚トレイで構成するものであるから、両者の発明の目的
及びその構成は全く相違する。
【0011】更に本発明においては、単にスケールの付
着を可及的に低減するに止まらず、副生成物であるプロ
ピレングリコールの副生をも低減し得る手段として、反
応蒸留塔における反応域の各漏れ棚トレイ上の反応液の
平均滞在時間を0.5〜8秒とし、回収域の各漏れ棚ト
レイ上の反応液の平均滞在時間を1〜10秒となるよう
制御しつつ反応蒸留を行うことを特徴とするプロピレン
オキサイドの製造方法を提供する。
【0012】すなわち、ケン化塔内の上部にあって、プ
ロピレンクロルヒドリンの99%以上が反応する領域
(これを反応域と称する)では、各段上に止まる反応液
の滞在時間は0.5〜8秒の範囲、好ましくは0.8〜
3秒とし、該反応域の下に続く回収域にあっては、各段
上に止まる反応液は1〜10秒、好ましくは1.2〜8
秒の範囲であり、反応域における各段上に滞在する時間
は、回収域における各段上の滞在時間に比べて、同じか
又は、より短くするのが好ましい。かくすることによ
り、プロピレングリコールの副生を低減させ延いてはケ
ン化塔から排出する廃液中のCODを低減することが可
能となるのである。
【0013】
【発明の実施形態】本発明のケン化塔に用いる、プロピ
レンクロルヒドリン水溶液は、生成したプロピレンオキ
サイドを取出すために必要なプロピレンオキサイド単位
重量当りの蒸気量を少なくするために、濃度は高い方が
経済的である。しかし、高濃度かつ高選択率のクロルヒ
ドリン水溶液を得ることは困難であり、0.4〜7重量
%濃度を用いることが好ましい。さらに好適には、0.
6〜5重量%濃度を用いることが好ましい。
【0014】また、プロピレンクロルヒドリンとケン化
反応を行い、プロピレンオキサイドを生成せしめるアル
カリについては、特に限定されるものではないが、本発
明のケン化塔内でのスケール付着抑制の立場から、スケ
ール成分となるスラリーを含むアルカリを使用する場合
に特に有効である。したがって、水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金
属水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のア
ルカリ土類金属炭酸塩に対して特に有効であるが、これ
らに水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩を
含む場合にも有効である。最も一般的には、石灰乳を用
いることである。
【0015】更に、アルカリは、通常水溶液又は水性懸
濁液として、ケン化塔に供給する前にプロピレンクロル
ヒドリン水溶液と混合し、ケン化塔に供給する。また供
給位置は一般にケン化塔の最上段であるが、反応域を構
成する棚段の複数段に分割供給することも可能であり、
反応が一個所に集中することを避ける意味から、分割供
給が好ましい場合もある。
【0016】プロピレンクロルヒドリンとアルカリの混
合割合は、従来公知の範囲、例えばプロピレンクロルヒ
ドリンに対してアルカリを当量以上、好ましくは、1.
05〜3倍当量程度用いる。
【0017】本発明にあっては、特定の漏れ棚トレイを
設置したケン化塔を用いることにより、プロピレンクロ
ルヒドリン水溶液とアルカリの合計量(重量)10〜1
00に対して1、好ましくは20〜80に対して1の割
合で水蒸気を供給する。水蒸気量が上記以下であれば、
ケン化が十分に行われず、または、生成するプロピレン
オキサイドが素早くストリップされないため、塔底から
排出される廃水中のプロピレンクロルヒドリン含有量が
増加して好ましくないし、また、上記範囲以上の水蒸気
を供給することは、不経済であるばかりでなく、フラッ
ディングを起こすなどのトラブルが生ずるおそれがあ
り、好ましくない。
【0018】本発明に用いるケン化塔は棚段塔であり、
通常5〜40段、好適には8〜30段程度である。各段
は全て漏れ棚トレイで構成されており、開孔率は0.1
〜0.35、好ましくは、0.12〜0.3である。開
孔率を大きくすれば、一般的に空塔速度を大きくするこ
とが可能になり、延いては処理能力が大きくなる利点は
あるが、反応域の増大を招き、段数の増加を必要とした
り、或いは、廃水中のCOD濃度が高くなる傾向となる
ので、0.35より大きくすべきではない。また、開孔
率が小さいと塔内の圧力差が増大し、処理量の減少等の
問題があるので、0.1より小さくすべきではない。ま
た、各孔の径は20〜120mmの範囲とすべきであ
る。あまりに大きな孔はトレイ液深を均一に保つことを
困難にし、極端な場合には蒸気の吹き抜けなどにより、
蒸留効率を低下させる。
【0019】また、孔径が小さ過ぎる場合には、流下水
溶液量と水蒸気量のバランスが取れ難くなり、フラッデ
ィングを生じるなどトラブルの原因となりやすい。よっ
て、水溶液と水蒸気量とが変化しても比較的安定した操
作が行える範囲として、各孔の径は20〜120mm、
好ましくは25〜100mm程度とすべきである。
【0020】また、孔の形状は一般に円形であるが、多
角形状又はスリット状であってもよい。円形以外の場合
には前記孔径に基づく円形の場合に得られる孔の面積を
基準として定めることができる。更に孔の位置は、一般
に均一に分布させるべきである。
【0021】本発明にあっては、一般に1段当りのトレ
イ差圧は反応域では、0.05〜1.8kPaとし、回
収域では、0.1〜2kPaの範囲内で安定した運転が
可能となる。この場合、差圧は主として、棚上の反応液
の深さによって形成され、トレイの開孔率、供給液量及
び蒸気量によってコントロールされる。また、該液深は
棚上の液の滞在時間と関係し、深い程滞在時間が長くな
る。すなわち滞在時間は、液量と塔の断面積で決まるの
で、各段の差圧をコントロールすることによって、各段
上に滞在する反応液量をコントロールすることができ
る。該差圧と液深との関係は、装置の構造によって異な
るので、あらかじめ予備実験によって求めておく必要が
ある。一般には、トレイの開孔率を小さくする程液深は
大きくなるので、予備実験に基づき、各段の開孔率を選
定することによってあらかじめ液深を設定することがで
きる。
【0022】本発明にあっては、反応域における各棚上
の反応液の滞在時間を0.5〜8秒とすることが望まし
い。更に、副反応を抑制するためには、反応域中の全段
を通過する時間は、1〜30秒程度とするのが好まし
い。
【0023】また、回収域は残余のプロピレンクロルヒ
ドリンの反応を完結させること及び水溶液中に溶解して
いるプロピレンオキサイドをストリップするための領域
であり、該領域にあっては、極めて低濃度のプロピレン
クロルヒドリンやアルカリの存在下での反応であるた
め、反応液は比較的長時間棚上に滞在してもスケールの
生成は少ないため、反応の完結や蒸留効率を考慮して、
反応域よりも長い時間の滞在が可能となる。勿論段数を
増やすことによって、各段の滞在時間を短縮することは
可能であるが、装置の大型化をまねくので、好ましくな
い。このため、一般に回収域での各段の滞在時間は1〜
10秒とするのが好ましく、特に反応域における各段と
の関係から、反応域における各段の滞在時間の0.8〜
2倍程度とするのが一般的である。好ましくは、1.1
〜1.8倍程度とする。
【0024】ケン化塔内での反応液の滞在時間は、該塔
の能力に影響するだけでなく、長時間滞在させること
は、一般に高沸点副生物の生成をもたらすので、20〜
300秒程度に納めるのが好ましく、これらの事情を勘
案することによって、各段における反応液滞在時間と段
数はおのずと決めることができる。
【0025】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下の実施例を掲げて説明するが、本発明は、これらの実
施例にかぎられるものではない。なお、本実施例に用い
たプロピレンクロルヒドリンのケン化反応のフローは図
1に示すとおりである。プロピレンクロルヒドリン水溶
液1は、石灰乳2と混合され、反応器5に入る。反応器
5内には、全段漏れ棚段が設置されており、反応液は供
給口より塔底廃水排出口7に向かって流れるように構成
されている。ケン化反応によって生じたプロピレンオキ
サイドは、反応器5の下方に設置された水蒸気供給口6
より供給される水蒸気により、塔頂コンデンサー4を通
して塔頂生成物取出し口3より取出される。
【0026】実施例1 図1において、供給口1より1.65wt%の塩化水素
を含む、4.27wt%のプロピレンクロルヒドリン水
溶液を10000kg/hで供給し、供給口2より石灰
乳(17重量%濃度)を2200kg/hでケン化塔へ
供給する。供給口6からは水蒸気を460kg/hで供
給し、生成したプロピレンキサイドを塔頂の取出し口3
より取出し、本反応のプロピレンキサイド選択率を算出
した。
【0027】本反応に用いたケン化塔の塔径は500m
m、全段数は15段、全トレイは孔径30mmの孔を6
0個設置した開孔率0.22の漏れ棚トレイを用いた。
【0028】各段からのサンプリングにより、上部5段
で、プロピレンクロルヒドリンの99.2%が反応して
いることを確認した。
【0029】トレイ差圧より計算したトレイ上での滞在
時間は、上部5段については1段当り2.0秒、下部1
0段分については1段当り1.7秒であった。
【0030】上記条件で、連続運転を行ない、廃水中の
プロピレングリコール濃度が350ppmを超えた時点
で運転を中止する。(以下各例とも同様に350ppm
を運転可能限界とする。) この時の本反応のプロピレンキサイド選択率は、99.
2%であり、ケン化塔ボトムの塔底廃水排出口7より排
出されるケン化廃水中のプロピレングリコールの平均濃
度は200ppmであった。
【0031】連続運転可能期間は80日であった。
【0032】比較例1 ケン化塔への供給量は、実施例1と同条件で行った。本
反応に用いたケン化塔の塔径は500mm、全段数は1
5段、上部5段のトレイは孔径30mmの孔を60個設
置した開孔率0.22の漏れ棚トレイ、下部10段のト
レイは孔径30mmの孔を25個設置した開孔率0.0
9のダウカマー付シーブトレイを用いた。
【0033】トレイ差圧より計算したトレイ上での滞在
時間は、上部5段については1段当り2.0秒、下部1
0段分については1段当り12.0秒であった。
【0034】この時の本反応のプロピレンキサイド選択
率は、98.9%であり、ケン化塔ボトムの塔底廃水排
出口7より排出されるケン化廃水中のプロピレングリコ
ールの平均濃度は270ppmであった。
【0035】連続運転可能期間は40日であった。
【0036】比較例2 ケン化塔への供給量は、実施例1と同条件で行った。本
反応に用いたケン化塔の塔径は500mm、全段数は1
0段、全トレイは孔径30mmの孔を30個設置した開
孔率0.11のダウンカマー付シーブトレイを用いた。
【0037】トレイ差圧より計算したトレイ上での滞在
時間は、1段当り12.0秒であった。
【0038】この時の本反応のプロピレンキサイド選択
率は、98.9%であり、ケン化塔ボトムの塔底廃水排
出口7より排出されるケン化廃水中のプロピレングリコ
ールの平均濃度は280ppmであった。
【0039】連続運転可能期間は35日であった。
【0040】実施例2 ケン化塔への供給量は、実施例1と同条件で行った。
【0041】本反応に用いたケン化塔の塔径は500m
m、全段数は15段、上部5段のトレイは孔径30mm
の孔を60個設置した開孔率0.22の漏れ棚トレイ、
下部10段のトレイは孔径30mmの孔を50個設置し
た開孔率0.18の漏れ棚トレイを用いた。
【0042】トレイ差圧より計算したトレイ上での滞在
時間は、上部5段については1段当り2.0秒、下部1
0段分については1段当り2.6秒であった。
【0043】この時の本反応のプロピレンキサイド選択
率は、99.2%であり、ケン化塔ボトムの塔底廃水排
出口7より排出されるケン化廃水中のプロピレングリコ
ールの平均濃度は180ppmであった。
【0044】連続運転可能期間は80日であった。
【0045】実施例3 ケン化塔への供給量は、実施例1と同条件で行った。本
反応に用いたケン化塔の塔径は500mm、全段数は1
5段、上部5段のトレイは孔径30mmの孔を80個設
置した開孔率0.29の漏れ棚トレイ、下部10段のト
レイは孔径30mmの孔を50個設置した開孔率0.1
8の漏れ棚トレイを用いた。
【0046】トレイ差圧より計算したトレイ上での滞在
時間は、上部5段については1段当り1.4秒、下部1
0段分については1段当り2.6秒であった。
【0047】この時の本反応のプロピレンキサイド選択
率は、99.4%であり、ケン化塔ボトムの塔底廃水排
出口7より排出されるケン化廃水中のプロピレングリコ
ールの平均濃度は130ppmであった。
【0048】連続運転可能期間は90日であった。
【0049】比較例3 ケン化塔への供給量は、実施例1と同条件で行った。
【0050】本反応に用いたケン化塔の塔径は500m
m、全段数は15段、全トレイは孔径30mmの孔を1
20個設置した開孔率0.43の漏れ棚トレイを用い
た。
【0051】この場合、反応域は8段目まで広大され
た。
【0052】トレイ差圧より計算したトレイ上での滞在
時間は、上部5段については1段当り0.3秒、下部1
0段分については1段当り0.3秒であった。
【0053】この時の本反応のプロピレンキサイド選択
率は、97.9%であり、ケン化塔ボトムの塔底廃水排
出口7より排出されるケン化廃水中のプロピレングリコ
ールの平均濃度は500ppmであった。
【0054】連続運転可能期間については、ケン化廃水
中のプロピレングリコールが高いので、検討を行わなか
った。
【0055】比較例4 ケン化塔への供給量は、実施例1と同条件で行った。
【0056】本反応に用いたケン化塔の塔径は500m
m、全段数は15段、全トレイは孔径30mmの孔を2
0個設置した開孔率0.07の漏れ棚トレイを用いた。
【0057】トレイ差圧より計算したトレイ上での滞在
時間は、上部5段については1段当り10.4秒、下部
10段分については1段当り10.4秒であった。
【0058】この時の本反応のプロピレンキサイド選択
率は、97.7%であり、ケン化塔ボトムの塔底廃水排
出口7より排出されるケン化廃水中のプロピレングリコ
ールの平均濃度は530ppmであった。
【0059】連続運転可能期間については、ケン化廃水
中のプロピレングリコールが高いので、検討を行わなか
った。
【0060】比較例5 ケン化塔への水蒸気供給量を1700kg/hに変更す
る以外は、実施例1と同条件で行った。
【0061】トレイ差圧より計算したトレイ上での滞在
時間は、上部5段については1段当り10.4秒、下部
10段分については1段当り10.4秒であった。
【0062】この時の本反応のプロピレンキサイド選択
率は、97.6%であり、ケン化塔ボトムの塔底廃水排
出口7より排出されるケン化廃水中のプロピレングリコ
ールの平均濃度は550ppmであった。
【0063】連続運転可能期間については、ケン化廃水
中のプロピレングリコールが高いので、検討を行わなか
った。
【0064】比較例6 ケン化塔への水蒸気供給量を100kg/hに変更する
以外は、実施例1と同条件で行った。
【0065】この場合、反応域は8段目まで拡大され
た。
【0066】トレイ差圧より計算したトレイ上での滞在
時間は、上部5段については1段当り0.2秒、下部1
0段分については1段当り0.2秒であった。この時の
本反応のプロピレンキサイド選択率は、97.6%であ
り、ケン化塔ボトムの塔底廃水排出口7より排出される
ケン化廃水中のプロピレングリコールの平均濃度は60
0ppmであった。
【0067】連続運転可能期間については、ケン化廃水
中のプロピレングリコールが高いので、検討を行わなか
った。
【0068】
【発明の効果】本発明により、オレフィンクロルヒドリ
ン水溶液とアルカリによるケン化反応において、オレフ
ィンオキサイドを製造する際に使用するケン化塔の全段
を漏れ棚段にすることにより、塔内でのスケール付着を
低減し、塔底排水中のCOD(プロピレングリコール濃
度)を350ppm以下に保って、2ヶ月以上の連続運
転を可能とする程度にケン化塔の長期安定運転を可能に
すると共に排水中のプロピレングリコール量を低減する
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実験に使用した代表的な反応装置の概
略図である。
【符号の説明】
1:オレフィンクロルヒドリン水溶液供給口 2:アルカリ供給口 3:塔頂生成物取出し口 4:塔頂コンデンサー 5:ケン化塔 6:水蒸気供給口 7:塔底廃水排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 修一 山口県徳山市御影町1−1 株式会社トク ヤマ内 (72)発明者 田中 宏樹 山口県徳山市御影町1−1 株式会社トク ヤマ内 (72)発明者 宮崎 幸二郎 山口県徳山市御影町1−1 株式会社トク ヤマ内 Fターム(参考) 4C048 AA01 BB02 CC01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多段式反応蒸留塔を用いて、プロピレンク
    ロルヒドリン水溶液とアルカリを反応させてプロピレン
    オキサイドを得るにあたり、該多段式反応蒸留塔として
    断面積に対する全孔面積が0.1〜0.35であり、且
    つ各単位孔径が20〜120mmの孔を有する漏れ棚ト
    レイ式多段塔を用い、該塔の上部からプロピレンクロル
    ヒドリン水溶液及びアルカリを、下部から水蒸気を、1
    0〜100対1の重量割合で夫々供給することを特徴と
    するプロピレンオキサイドの製造方法。
  2. 【請求項2】反応蒸留塔における反応域の各漏れ棚トレ
    イ上の反応液の平均滞在時間を0.5〜8秒とし、回収
    域の各漏れ棚トレイ上の反応液の平均滞在時間を1〜1
    0秒となるよう制御しつつ反応蒸留を行うことを特徴と
    する請求項1記載のプロピレンオキサイドの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010014892A3 (en) * 2008-08-01 2010-03-25 Dow Global Technologies, Inc. Process for producing epoxides
WO2010014898A3 (en) * 2008-08-01 2010-03-25 Dow Global Technologies, Inc. Process for producing epoxides

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