JP2002226411A - 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの精製方法 - Google Patents

1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの精製方法

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JP2002226411A
JP2002226411A JP2001022291A JP2001022291A JP2002226411A JP 2002226411 A JP2002226411 A JP 2002226411A JP 2001022291 A JP2001022291 A JP 2001022291A JP 2001022291 A JP2001022291 A JP 2001022291A JP 2002226411 A JP2002226411 A JP 2002226411A
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halopropenes
activated carbon
pentafluoropropane
hfc245fa
solid adsorbent
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JP2001022291A
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Yasuhiro Suzuki
泰弘 鈴木
Nobukazu Yanase
亙一 簗瀬
Takaaki Yokoyama
孝彰 横山
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フルオロプロペン、クロロフルオロプロペンな
どのハロプロペン類を含有する1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロプロパンからハロプロペン類を除去する。 【解決手段】塩素原子またはフッ素原子が結合している
ハロプロペン類5ppm〜2%を含有する1,1,1,
3,3−ペンタフルオロプロパンを固体吸着剤(特に活
性炭)に接触させて、ハロプロペン類を吸着除去するこ
とを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプ
ロパンの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウレタン発泡剤、
冷媒等として有用な1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロプロパンの精製方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】一般に1,1,1,3,3−ペンタフル
オロプロパン(以下、HFC245faという。)は、
プロパン骨格またはプロペン骨格を有する化合物にフッ
素原子を導入することにより得られる。例えば、特開平
9−508138、特開平9−2983によると、1,
1,1,3,3−ペンタクロロプロパンまたはこれに至
る中間生成物をルイス酸触媒の存在下、液相でフッ化水
素と反応させることにより、目的物であるHFC245
faを得ている。
【0003】しかし、フッ素原子の導入工程または精製
工程において、HFC245faまたはこれに至る中間
生成物からの脱ハロゲン化水素反応やハロゲン付加反応
により、不純物として1,3,3,3−テトラフルオロ
−1−プロペン(以下、R1234zeという。)、1
−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン
(以下、R1233zdという。)、2−クロロ−1,
3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(以下、R
1224xeという。)などの、塩素原子またはフッ素
原子が結合しているハロプロペン類(以下、単にハロプ
ロペン類という。)が生成する。したがって、不純物で
あるハロプロペン類の含有量を簡便に、効率よく低減さ
せる必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ハロプロペン
類はHFC245faの沸点(約15.3℃)と近い沸
点を示すため、蒸留による分離が困難であり、含有量を
下げるには非常に多くの段数を有する蒸留装置が必要と
なる。また、蒸留装置に抽出剤を添加する抽出蒸留法
や、ハロプロペン類に塩素を付加させてHFC245f
aよりも高い沸点の化合物を得てから蒸留により分離す
る方法もあるが、装置が複雑となり経済的でないうえに
HFC245faの収率低下につながる可能性もあり好
ましくない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、HFC2
45faの精製方法を探索した結果、固体吸着剤との接
触により当該不純物の含有量が減少し、特にヤシ殻活性
炭がハロプロペン類を選択的に吸着することを見出し
た。本発明はこれを要旨とする下記発明である。
【0006】塩素原子またはフッ素原子が結合している
ハロプロペン類の少なくとも1種を合計5質量ppm〜
2質量%含有する1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
プロパンを固体吸着剤に接触させて、前記ハロプロペン
類を吸着除去することを特徴とする1,1,1,3,3
−ペンタフルオロプロパンの精製方法。
【0007】本発明における固体吸着剤としては活性炭
が好ましく、そのうちでもヤシ殻活性炭が特に有効であ
る。また、ハロプロペン類を含有するHFC245fa
を固体吸着剤と接触させる際、そのHFC245faは
気体状態で固体吸着剤と接触させてもよいが、好ましく
は液体状体で固体吸着剤と接触させるのがよい。
【0008】
【発明の実施の形態】ハロプロペン類としては、前記R
1234ze、R1233zd、R1224xeがその
代表的化合物である。これらはシス体、トランス体の両
者を含んでいる。その他、HFC245faの製造の際
副生しうるハロプロペン類としては、1,2−ジクロロ
−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,2−
ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロ
ペンなどがある。特に蒸留で除去困難なものがR123
4ze、R1233zd、R1224xeである。
【0009】前記1,1,1,3,3−ペンタクロロプ
ロパンまたはこれに至る中間生成物を液相でフッ化水素
と反応させる方法によるHFC245faの製造におい
ては、特にフッ素原子の数が3〜4であるハロプロペン
類(R1234ze、R1233zd、R1224xe
など)が副生しやすい。本発明は、この方法で製造され
たHFC245faの精製に適した精製方法である。
【0010】本発明において、HFC245fa中のハ
ロプロペン類の合計の量は5質量ppm〜2質量%であ
る。蒸留等で精製したHFC245fa中にハロプロペ
ン類は、通常0.02〜0.5質量%含まれるのが好ま
しい。HFC245faの純度は、通常95〜99.9
質量%であるのが好ましい。このようなHFC245f
a中の少量のハロプロペン類を除去することは特に困難
なことが多い。本発明によるハロプロペン類の減少率
(すなわち、[精製によって減少したハロプロペン類の
量]/[精製前のハロプロペン類の量])は、30質量
%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。
【0011】本発明で用いられる固体吸着剤としては、
活性炭、ゼオライト、シリカ、アルミナなど工業的によ
く知られているものを使用できる。ハロプロペン類の吸
着特性から、特に活性炭が好ましい。活性炭にはヤシ殻
活性炭、分子篩能を持たせた活性炭などがあり、また形
状も破砕状、成形したものなど種類は多岐にわたるがこ
れらに限定されない。特に高い吸着特性を有する活性炭
はヤシ殻活性炭であり、さらに経済面を考慮すると破砕
状のヤシ殻活性炭が特に好ましい。これらの活性炭とし
ては、酸処理、熱処理、水蒸気処理などの前処理を施し
たものも使用できる。
【0012】固体吸着剤に接触させる際のHFC245
faの温度や圧力などの条件は、特に限定されない。通
常は、大気圧〜0.5MPa(ゲージ圧)の圧力、0℃
〜50℃の温度が採用される。
【0013】本発明の精製方法としては、回分式装置に
よる精製方法を採用できる。より好ましくは流通式接触
装置による精製方法である。流通式の接触装置として
は、固定床接触装置や流動床接触装置など従来から用い
られている接触装置を使用できる。装置が単純で充分の
効果が発揮される固定床接触装置が好ましい。また、固
体吸着剤と接触させる際のHFC245faの形態は、
気体状態でも液体状態でもよい。精製効率や操作の容易
性などからHFC245faを液体状態で固体吸着剤と
接触させることが好ましい。
【0014】
【実施例】以下に、例を挙げて本発明を説明する。な
お、分析はいずれもガスクロマトグラフィで行った。精
製される吸着処理前のHFC245fa(以下、粗HF
C245faという。)の組成を表1に示す。この粗H
FC245faは、1,1,1,3,3−ペンタクロロ
プロパンをフッ化水素により液相でフッ素化し、脱酸お
よび脱水処理した粗液を段数約20段の蒸留装置を用い
て蒸留したものである。蒸留前の表1に示した3種のハ
ロプロペン類の合計含有量は約1.5質量%であった。
粗HFC245faは表1に示した3種以外のハロプロ
ペン類を実質的に含有せず、またハロプロペン類以外の
不純物を少量含有していた。
【0015】[例1]液状の粗HFC245fa100g
を150ccステンレス鋼製耐圧容器に仕込み、10℃
とした後、破砕状のヤシ殻活性炭(商品名:フジ活性
炭、富士炭素(株)製)10gを添加し、密栓して10
℃に保ちながら振とうした。30分後、容器内の液体の
分析を行った。吸着処理後のHFC245faの組成を
表1に示す。
【0016】[例2]吸着剤として粒状の成形活性炭
(商品名:白鷺活性炭G2X、武田薬品工業(株)製)
10gを使用する以外は例1と同様の操作を行った結果
を表1に示す。
【0017】[例3]吸着剤として粒状の成形活性炭
(商品名:クラレコール4GC、クラレケミカル(株)
製)10gを使用する以外は例1と同様の操作を行った
結果を表1に示す。
【0018】[例4]吸着剤として粒状のモレキュラー
シーブ(商品名:モレキュラーシービングカーボン5
A、武田薬品工業(株)製)10gを使用する以外は例
1と同様の操作を行った結果を表1に示す。
【0019】[例5]吸着剤としてペレット状合成ゼオ
ライト(商品名:ゼオラム5A、東ソー(株)製)10
gを使用する以外は例1と同様の操作を行った結果を表
1に示す。
【0020】[例6]内径25mm、長さ250mmの
ジャケット付きステンレス鋼製カラムに破砕状のヤシ殻
活性炭(商品名:フジ活性炭、富士炭素(株)製)60
gを充填し、10℃に保ちながら液状の粗HFC245
faを150g/hの速度で導入した。2時間後、カラ
ムを出た液体の分析を行った。その結果を表1に示す。
【0021】[例7]内径25mm、長さ250mmの
ジャケット付きステンレス鋼製カラムに破砕状のヤシ殻
活性炭(商品名:フジ活性炭、富士炭素(株)製)60
gを充填し、40℃に保ちながら気体状の粗HFC24
5faを7NL/hの速度で導入した。2時間後、カラ
ムを出た液体の分析を行った。その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明の方法により、蒸留により除去す
ることの困難なハロプロペン類を含有するHFC245
faから、固体吸着剤を用いた簡便な装置と容易な操作
でハロプロペン類を除去し得る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素原子またはフッ素原子が結合している
    ハロプロペン類の少なくとも1種を合計5質量ppm〜
    2質量%含有する1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
    プロパンを固体吸着剤に接触させて、前記ハロプロペン
    類を吸着除去することを特徴とする1,1,1,3,3
    −ペンタフルオロプロパンの精製方法。
  2. 【請求項2】固体吸着剤が活性炭である、請求項1に記
    載の精製方法。
  3. 【請求項3】前記ハロプロペン類を含有する1,1,
    1,3,3−ペンタフルオロプロパンを液体状態で固体
    吸着剤と接触させる、請求項1または2に記載の精製方
    法。
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