JP2002226074A

JP2002226074A - 用紙搬送装置における除電装置および画像形成装置ならびに原稿読取装置

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Publication number: JP2002226074A
Application number: JP2001023936A
Authority: JP
Inventors: Yasunobu Yoda; 泰信養田
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 2001-01-31
Filing date: 2001-01-31
Publication date: 2002-08-14
Anticipated expiration: 2021-01-31
Also published as: JP3950635B2

Abstract

(57)【要約】【課題】簡単な構成によって用紙搬送部において、異
音の発生を伴わずに静電気を接地可能にする。【解決手段】プラスチック製の支持フレーム３１に設
けた軸受３２によって金属製の回転軸３３の両端部を回
転自在に支持し、この回転軸３３における通紙領域にゴ
ム製の搬送ローラ２８を複数個固定する。回転軸３３の
周面に、ばね性かつ導電性を有する金属製のアース用導
電板３４の一端を除電布３５を介して弾接し、このアー
ス用導電板３４の他端を、導電性を有する装置内の部材
に接地する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリ装
置，複写機，プリンタなどにおいて記録紙，原稿などの
用紙を所定位置まで搬送する用紙搬送装置に適用され、
用紙搬送に伴なって用紙搬送部に発生する静電気をアー
スする除電装置、およびその除電装置を搭載する画像形
成装置ならびに原稿読取装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】複写機あるいはファクシミリ装置などに
搭載される用紙搬送装置において、用紙の搬送は用紙搬
送路に設置されている搬送ローラの回転力を用紙に加え
ることによって行われる。その際、用紙と搬送ガイド
間、あるいは用紙とローラ間における摩擦により摩擦帯
電が生じて静電気が発生する。この静電気は、用紙搬送
装置が搭載される機器本体、例えば電子写真式画像形成
装置において形成画像を劣化させる原因になったり、電
波障害の原因になる等、各部に悪影響を及ぼす。

【０００３】そこで、通常、用紙搬送装置の通紙経路に
おける搬送面近傍のすべての金属に対してアースを取る
ようにしており、例えばステンレスなどの金属により形
成され、搬送ローラを保持するローラ保持軸においても
アースが取られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、用紙搬送装置
において、搬送時には搬送ローラを常に回転させるよう
にしているため、従来ではローラ保持軸を受ける軸受に
含油金属を用いて回転を安定化しているが、装置によっ
てはコストダウンのためプラスチック製の筐体自体を軸
受としているものがある。通常、プラスチック製の筐体
として導電性を有しないものが使用されているため、プ
ラスチック製の筐体自体を軸受とした構成であると、そ
こからはアースを取ることができない。したがって、こ
の構成では、アース用金属部材をローラ保持軸に直接接
触させる等によってアースを確実に取るようにしてい
る。そして、アース用金属部材とローラ保持軸とは、金
属同士の接触であるため接触抵抗値が１Ω以下と非常に
低く、除電効果は絶大である。

【０００５】しかしながら、アース用金属部材とローラ
保持軸とが金属同士の接触であることによって、ローラ
保持軸が回転するとき、両者間において例えばキーキー
というような異音を発しやすいという問題がある。この
ため、アース用金属とローラ保持軸との接触部に導電性
グリースなどの導電性を有する潤滑剤を塗布することで
対処している。

【０００６】前記導電性を有する潤滑剤として、通常、
導電性グリースが用いられるが、この導電性グリース
は、一般的にグリースにカーボン紛を含有させたもので
あるため、導電性グリース自体の抵抗値が大きく、導電
性グリースを介して接触しているならば抵抗値は金属接
触状態に比べて不安定な状態となる。また、導電性グリ
ースにおける塗布状態のばらつき、あるいは環境の変化
による機能低下により、導電性グリースの性能を長期に
わたって発揮することができず、例えば導電性グリース
が金属接触部分において除去され、実質的にアース用金
属とローラ保持軸とが金属同士の接触となって異音を発
生させることになることもあり得る。つまり、導電性グ
リースを塗ったからといって、安定した除電効果を得ら
れたり、異音が発生しないという保証はなく、信頼性に
問題がある。

【０００７】他のアース手段として前記のような金属接
触ではなく、導電プラスチック部材などを用いる方法も
あるが、導電プラスチック部材自体の抵抗値が高いため
安定したアース効果が得られず、また導電プラスチック
部材はコスト的にも高いという難点がある。

【０００８】本発明の目的は、前記従来の課題に鑑み、
簡単な構成によって用紙搬送部における静電気のアース
が異音の発生を伴わずに行われる用紙搬送装置における
除電装置、およびその除電装置を搭載した画像形成装置
ならびに原稿読取装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、用紙搬送用のローラを保持
する回転軸の端部を支持部材により回転自在に支持して
なり、前記ローラと用紙間の摩擦帯電により生じる静電
気をアースする用紙搬送装置における除電装置におい
て、前記回転軸を導電性金属にて形成し、この金属製の
回転軸の一部に、除電布を介してアース用導電部材を接
触させたことを特徴とし、この構成によって、用紙搬送
用のローラを保持する金属製の回転軸にアース用導電部
材が直接接触せずに除電布を介して接触するため、回転
軸の回転時における摩擦による異音の発生を抑制するこ
とができ、その接触も除電布を介在することによって安
定するため確実にアースを取ることができる。

【００１０】請求項２記載の発明は、請求項１記載の用
紙搬送装置における除電装置において、複数の用紙搬送
用のローラを保持する回転軸にそれぞれ除電布を接触さ
せ、各除電布を共通のアース用導電部材によって金属製
の回転軸側に押圧させたことを特徴とし、この構成によ
って、複数の回転軸に接触する除電布を、単一のアース
用導電部材に接触させ各回転軸に押圧させることによ
り、複数の回転軸に対するアースが簡素化された構成に
よって行われる。

【００１１】請求項３記載の発明は、請求項１記載の用
紙搬送装置における除電装置において、複数の用紙搬送
用のローラを保持する回転軸に共通の除電布をそれぞれ
接触させ、この除電布を共通のアース用導電部材によっ
て金属製の回転軸側に押圧させたことを特徴とし、この
構成によって、単一の除電布と単一のアース用導電部材
によって、複数の回転軸に対してそれぞれ除電布がアー
ス用導電部材により押圧されるため、複数の回転軸に対
するアースがより簡素化された構成によって行われる。

【００１２】請求項４記載の発明は、請求項１〜３のい
ずれか１項に記載の用紙搬送装置における除電装置にお
いて、除電布における金属製の回転軸側の面に、導電性
を有する潤滑剤を塗布したことを特徴とし、この構成に
よって、除電布を設置しても潤滑剤の潤滑作用により、
回転軸の動作に支障を与えずに円滑に回転させることが
できる。

【００１３】請求項５記載の発明は、請求項１〜４のい
ずれか１項に記載の用紙搬送装置における除電装置にお
いて、金属製の回転軸における周面に除電布を接触させ
たことを特徴とする。

【００１４】請求項６記載の発明は、請求項５記載の用
紙搬送装置における除電装置において、アース用導電部
材における除電布が設けられた面に、アース用導電部材
が金属製の回転軸側の周面に接触しない露出対向面を設
けたことを特徴とし、この構成によって、回転軸とアー
ス用導電部材間に除電布の厚さ分の放電隙間が形成さ
れ、アース用導電部材の露出対向面に対する静電気の放
電が可能になるため、静電気の除去が効果的に行われ
る。

【００１５】請求項７記載の発明は、請求項１〜４のい
ずれか１項に記載の用紙搬送装置における除電装置にお
いて、金属製の回転軸における端面に除電布を接触させ
たことを特徴とする。

【００１６】請求項８記載の発明は、用紙搬送用のロー
ラを保持する回転軸の端部を支持部材により回転自在に
支持してなり、前記ローラと用紙間の摩擦帯電により生
じる静電気をアースする用紙搬送装置における除電装置
において、前記ローラにおける用紙搬送面外の一部に、
除電布を介してアース用導電部材を接触させたことを特
徴とし、この構成によって、アース用導電部材が、回転
軸に接触せずに用紙搬送用のローラに対して除電布を介
して接触してローラの静電気を除去するため確実にアー
スを取ることができ、従来のような回転軸の回転時にお
ける摩擦による異音の発生を抑制することができ、しか
も、除電布によって用紙の汚れなどが付着しやすいロー
ラのクリーニングを行うことができる。

【００１７】請求項９記載の発明は、請求項８記載の用
紙搬送装置における除電装置において、複数の用紙搬送
用のローラにそれぞれ除電布を接触させ、各除電布を共
通のアース用導電部材によってローラ側に押圧させたこ
とを特徴とし、この構成によって、複数の用紙搬送用の
ローラに接触する除電布を、単一のアース用導電部材に
接触させ各ローラに押圧させることにより、複数のロー
ラに対するアースが簡素化された構成によって行われ
る。

【００１８】請求項１０記載の発明は、請求項８記載の
用紙搬送装置における除電装置において、複数の用紙搬
送用のローラに共通の除電布をそれぞれ接触させ、この
除電布を共通のアース用導電部材によってローラに押圧
させたことを特徴とし、この構成によって、単一の除電
布と単一のアース用導電部材によって、複数の用紙搬送
用のローラに対してそれぞれ除電布がアース用導電部材
により押圧されるため、複数のローラに対するアースが
より簡素化された構成によって行われる。

【００１９】請求項１１記載の発明は、請求項８〜１０
のいずれか１項に記載の用紙搬送装置における除電装置
において、用紙搬送用のローラにおける周面に除電布を
接触させたことを特徴とする。

【００２０】請求項１２記載の発明は、請求項１１記載
の用紙搬送装置における除電装置において、アース用導
電部材における除電布が設けられた面に、アース用導電
部材がローラ側の周面に接触しない露出対向面を設けた
ことを特徴とし、この構成によって、ローラとアース用
導電部材間に除電布の厚さ分の放電隙間が形成され、ア
ース用導電部材の露出対向面に対する静電気の放電が可
能になるため、静電気の除去が効果的に行われる。

【００２１】請求項１３記載の発明は、請求項８〜１０
のいずれか１項に記載の用紙搬送装置における除電装置
において、用紙搬送用のローラにおける端面に前記除電
布を接触させたことを特徴とする。

【００２２】請求項１４記載の発明は、請求項１〜１３
のいずれか１項に記載の用紙搬送装置における除電装置
において、除電布をアース用導電部材に付着させたこと
を特徴とし、この構成によって、除電布とアース用導電
部材との位置決め，保管管理などが容易になる。

【００２３】請求項１５記載の発明は、請求項１〜１４
記載のいずれか１項に記載の用紙搬送装置における除電
装置において、除電布として、ポリエチレンテレフタレ
ート繊維とニッケル，銅とを織り込んだ布状材を用いた
ことを特徴とし、この構成によって、耐摩耗性に優れて
耐久性，信頼性のある除電装置を提供することができ
る。

【００２４】請求項１６記載の発明は、用紙が積載され
た給紙カセットから用紙を給紙する給紙ローラと、給紙
ローラから給紙された用紙を搬送する搬送ローラと、画
像形成部に対して用紙をタイミングを取って送るレジス
トローラと、用紙を装置外へ排出する排紙ローラが用紙
搬送路に設置された画像形成装置において、前記給紙ロ
ーラと前記搬送ローラと前記レジストローラと前記排紙
ローラとの少なくともいずれか１つの設置箇所に請求項
１〜１５記載の用紙搬送装置における除電装置を設置し
たことを特徴とし、この構成によって、記録紙を搬送す
る前記各種用紙搬送用のローラと記録紙との摩擦帯電に
よって発生する静電気が装置構成部材に与える悪影響を
未然に防止することができる。

【００２５】請求項１７記載の発明は、原稿セット台か
ら原稿を１枚ずつ分離給紙するフィードローラと、フィ
ードローラから給紙された原稿を読取センサに搬送する
原稿搬送ローラが原稿搬送路に設置された原稿読取装置
において、前記フィードローラと前記原稿搬送ローラと
の少なくともいずれか１つの設置箇所に請求項１〜１５
記載の用紙搬送装置における除電装置を設置したことを
特徴とし、この構成によって、原稿を搬送する前記各種
用紙搬送用のローラと原稿との摩擦帯電によって発生す
る静電気が装置構成部材に与える悪影響を未然に防止す
ることができる。

【００２６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照しながら説明する。

【００２７】図１は本発明の実施形態を説明するための
ファクシミリ装置の全体構成図であり、１は装置本体２
の上部に設置された原稿読取装置部、３は装置本体２の
中央部に設置された電子写真式の画像形成装置部、４，
５は用紙Ｐが積載収納された給紙カセットである。

【００２８】原稿読取装置部１において、６は原稿セッ
ト部、７は、フィードローラ７ａとフリクションパッド
７ｂからなり、原稿を１枚ずつ分離給紙する原稿分離給
紙部、８は原稿情報を光学的に読み取る読取センサ、９
は読取センサ８に対して原稿を押圧する白色ローラ、１
０，１１は、読取センサ８における原稿搬送方向の上流
側と下流側とにそれぞれ設置されて、原稿を読取センサ
８に対して所定速度で搬送する原稿搬送ローラ、１２は
下流側の原稿搬送ローラ１１により外部に排出される原
稿を受ける原稿排紙トレイであって、原稿セット部６か
ら読取センサ８を経て原稿排紙トレイ１２に至るガイド
板１３などからなる原稿搬送路に、原稿を搬送する用紙
搬送用のローラが設置されている。なお、用紙搬送用の
ローラとは用紙を搬送する機能を備えたローラを意味す
るものであって、ここでは、フィードローラ７ａと原稿
搬送ローラ１０，１１である。

【００２９】画像形成装置部３において、１５は、感光
体１６を主構成部材とし、トナーカートリッジなどを含
む感光体ユニット、１７は感光体１６に対向設置された
転写チャージャ、１８は感光体１６と転写チャージャ１
７のニップ部にタイミングを取って用紙Ｐを送るレジス
トローラ、１９は転写後の用紙Ｐに対してトナー像の定
着処理を行う定着部、２０は定着処理を受けた後の用紙
Ｐを排紙する排紙ローラ、２１は排紙ローラ２０により
外部に排出される用紙Ｐを受ける排紙トレイである。ま
た、２２は、感光体１６の表面に対して画像データに基
づいて潜像を形成するため、感光体１６の表面を露光さ
せるレーザ光Ｌを出射する光学系部である。

【００３０】給紙カセット４，５において、２５，２６
は給紙カセット４，５から用紙Ｐを給紙する給紙ロー
ラ、２７，２８は給紙ローラ２５，２６により給紙され
てきた用紙Ｐをレジストローラ１８方向へ搬送する搬送
ローラ、２９は用紙Ｐの搬送路に設置されて用紙Ｐを案
内するガイド板である。給紙カセット４，５から画像形
成装置部３を経て排紙トレイ２１に至る用紙搬送路に記
録紙を搬送するための用紙搬送用のローラが設置されて
いる。なお、用紙搬送用のローラとは用紙を搬送する機
能を備えたローラを意味するものであって、ここでは、
給紙ローラ２５，２６と搬送ローラ２７，２８とレジス
トローラ１８と排紙ローラ２０である。

【００３１】図２は前記用紙搬送用のローラの１つであ
る搬送ローラ２８部分の要部を示す斜視図であり、３１
は、図では一方側のみを示しているが、対向設置された
一対のプラスチック製の支持フレームであり、両支持フ
レーム３１に設けた軸受３２によってステンレスなどの
金属製の回転軸３３の両端部を回転自在に支持してい
る。回転軸３３における通紙領域に、ゴム，プラスチッ
クなどからなる用紙搬送用のローラ、例えば搬送ローラ
２８が複数個固定され、図示しない駆動源の回転駆動力
を受けて回転する回転軸３３と共に搬送ローラ２８が回
転することによって、用紙Ｐを所定方向へ搬送する。

【００３２】図３にも示すように、回転軸３３の周面に
は、ばね性かつ導電性を有するステンレス板などからな
る金属製のアース用導電板３４の一端が除電布３５を介
して弾接している。アース用導電板３４の他端は、導電
性を有する装置内の部材にねじ止め等の適当な固定方法
によって保持され接地されている。

【００３３】このように、本実施形態では、従来におい
て回転軸３３とアース用導電板３４とが金属同士で接触
する部位に、除電布３５が介在することになるため、接
触部分において従来のような異音が発生するようなこと
がなくなる。また、回転軸３３とアース用導電板３４と
の接触部分が除電布３５の介在によって安定した状態と
なり、確実に回転軸３３からアース回路が形成されるこ
とになるため、用紙Ｐの搬送時に搬送ローラ２８との摩
擦帯電によって発生する静電気を回転軸３３，アース用
導電板３４を経て効果的にアースすることができる。

【００３４】除電布３５の材質として化学繊維（ＰＥ
Ｔ：ポリエチレンテレフタレート）とＮｉ，Ｃｕを織り
込んだものを例示することができ、このＰＥＴ繊維から
なる除電布は、抵抗値が従来の金属間接触より１桁高く
１０Ω程度であるが、除電効果としては安定しており機
能として十分のものであって、非常に耐摩耗性に優れた
ものであるため、回転部分に当接させても耐久的には問
題なく、さらに、環境条件の変化にも強い特性を有する
ものである。また、ＰＥＴ繊維からなる除電布を含めて
除電布は、全般的に価格も安価でかつ構成としても非常
にシンプルであるため、従来の金属間接触部分に塗布さ
れていた導電性潤滑材に代わるものとして実際的な効果
は大である。

【００３５】なお、図４に示すように、構造的に可能で
あり、かつ設置スペースがあれば、アース用導電板３４
を回転軸３３の端面に対して除電布３５が弾接するよう
に設置することも考えられる。

【００３６】さらに、図５に示すように、アース用導電
板３４を、例えば搬送ローラ２８などの前記用紙搬送用
のローラの一部（用紙Ｐの搬送面とは反対側）に対して
除電布３５が弾接するように設置することも考えられ
る。この場合、除電布３５は、ローラに帯電した静電気
を確実にアースする機能、および異音発生の防止機能の
外に、ローラに付着した塵埃などを除去するクリーニン
グ機能を有することになる。なお、構造的に可能であ
り、かつ設置スペースがあれば、図４に示す構成と同様
に、ローラの端面に対して除電布３５が弾接する位置に
アース用導電板３４を設置することも考えられる。

【００３７】また、図６に示すように、アース用導電板
３４における除電布３５が設けられた面に、アース用導
電板３４が回転軸３３側の周面に接触しない露出対向面
３４ａを設けることによって、露出対向面３４ａにおけ
る回転軸３３とアース用導電板３４間に、除電布３５の
厚さ（通常、約５０〜１００ｍμ）の放電隙間ｈが形成
され、回転軸３３に帯電した静電気がアース用導電板３
４の露出対向面３４ａに対して放電することが可能にな
るため、静電気の除去がより効果的に行われるようにな
る。この構成は、用紙搬送用のローラの周面に除電布３
５を接触させる構成においても、同様に採用することが
できる。

【００３８】なお、アース用導電板３４と除電布３５と
からなる除電部材の構成として、図７に示すように、複
数の回転軸３３に対して除電布３５をそれぞれ独立して
接触させた状態にして、１枚の板ばねからなるアース用
導電板３４により各除電布３５を回転軸３３方向に押圧
するような構成にしたり、図８に示すように、複数の回
転軸３３に対して１枚の除電布３５をそれぞれ接触させ
た状態にして、１枚の板ばねからなるアース用導電板３
４により各接触部分において除電布３５を回転軸３３方
向に押圧するような構成にすることが考えられる。これ
らの構成は、回転軸３３の端面に除電布３５を弾接させ
る構成、あるいは用紙搬送用のローラの周面に除電布３
５を接触させる構成においても、同様に採用することが
でき、いずれの構成においても、構成の簡素化、部品点
数の削減を図ることができる。

【００３９】また、アース用導電板３４に対して除電布
３５を付着，固着させておくことにより、除電布３５と
アース用導電板３４との位置決め，保管管理などが容易
になる。

【００４０】なお、前記実施形態の各構成は、図１に示
す画像読取装置部１における画像分離給紙部７のフィー
ドローラ７ａ、あるいは原稿搬送ローラ１０，１１の設
置部においても適用することができ、静電気による搬送
性の低下，読取不良などを防止することができる。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
用紙搬送用のローラを保持する金属製の回転軸とアース
用導電部材とが直接接触せずに、除電布を介して接触す
ることになるので、回転軸の回転時における摩擦による
異音の発生を抑制することができ、その接触も除電布を
介在することによって安定するため確実にアースを取る
ことができ、この除電装置を備えた用紙搬送装置を搭載
した機器本体に対する静電気の悪影響を未然に防止する
ことができる。

【００４２】さらに、用紙搬送用のローラに対して除電
布を介して接触してローラの静電気を除去することによ
り、前記効果に加えて、用紙の汚れなどが付着しやすい
ローラのクリーニング機能を除電布に持たせることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を説明するためのファクシミ
リ装置の全体構成図

【図２】本発明の実施形態における用紙搬送用のローラ
である搬送ローラ部分の要部を示す斜視図

【図３】図２に示すアース用導電板の除電布と回転軸と
の接触部分の断面図

【図４】本発明の実施形態におけるアース用導電板の除
電布と回転軸との接触構成の他の例を示す断面図

【図５】本発明の実施形態における変形例であるアース
用導電板の除電布とローラとの接触部分の断面図

【図６】本発明の実施形態におけるアース用導電板と除
電布とローラとの接触部分を示す説明図

【図７】本発明の実施形態の回転軸に対するアース用導
電板と除電布との設置構成の他の例を示す平面図

【図８】本発明の実施形態の回転軸に対するアース用導
電板と除電布との設置構成の他の例を示す平面図

【符号の説明】

１画像読取装置部３画像形成装置部４，５給紙カセット７原稿分離給紙部７ａフィードローラ１０，１１原稿搬送ローラ１８レジストローラ２０排紙ローラ２５，２６給紙ローラ２７，２８搬送ローラ３１支持フレーム３３回転軸３４アース用導電板３４ａアース用導電板の露出対向面３５除電布ｈ放電隙間

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】用紙搬送用のローラを保持する回転軸の
端部を支持部材により回転自在に支持してなり、前記ロ
ーラと用紙間の摩擦帯電により生じる静電気をアースす
る用紙搬送装置における除電装置において、前記回転軸
を導電性金属にて形成し、この金属製の回転軸の一部
に、除電布を介してアース用導電部材を接触させたこと
を特徴とする用紙搬送装置における除電装置。
【請求項２】複数の前記用紙搬送用のローラを保持す
る回転軸にそれぞれ前記除電布を接触させ、各除電布を
共通の前記アース用導電部材によって前記金属製の回転
軸側に押圧させたことを特徴とする請求項１記載の用紙
搬送装置における除電装置。
【請求項３】複数の前記用紙搬送用のローラを保持す
る回転軸に共通の前記除電布をそれぞれ接触させ、この
除電布を共通の前記アース用導電部材によって前記金属
製の回転軸側に押圧させたことを特徴とする請求項１記
載の用紙搬送装置における除電装置。
【請求項４】前記除電布における前記金属製の回転軸
側の面に、導電性を有する潤滑剤を塗布したことを特徴
とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の用紙搬送装
置における除電装置。
【請求項５】前記金属製の回転軸における周面に前記
除電布を接触させたことを特徴とする請求項１〜４のい
ずれか１項に記載の用紙搬送装置における除電装置。
【請求項６】前記アース用導電部材における前記除電
布が設けられた面に、前記アース用導電部材が前記金属
製の回転軸側の周面に接触しない露出対向面を設けたこ
とを特徴とする請求項５記載の用紙搬送装置における除
電装置。
【請求項７】前記金属製の回転軸における端面に前記
除電布を接触させたことを特徴とする請求項１〜４のい
ずれか１項に記載の用紙搬送装置における除電装置。
【請求項８】用紙搬送用のローラを保持する回転軸の
端部を支持部材により回転自在に支持してなり、前記ロ
ーラと用紙間の摩擦帯電により生じる静電気をアースす
る用紙搬送装置における除電装置において、前記ローラ
における用紙搬送面外の一部に、除電布を介してアース
用導電部材を接触させたことを特徴とする用紙搬送装置
における除電装置。
【請求項９】複数の前記用紙搬送用のローラにそれぞ
れ前記除電布を接触させ、各除電布を共通の前記アース
用導電部材によって前記ローラ側に押圧させたことを特
徴とする請求項８記載の用紙搬送装置における除電装
置。
【請求項１０】複数の前記用紙搬送用のローラに共通
の前記除電布をそれぞれ接触させ、この除電布を共通の
前記アース用導電部材によって前記ローラに押圧させた
ことを特徴とする請求項８記載の用紙搬送装置における
除電装置。
【請求項１１】前記用紙搬送用のローラにおける周面
に前記除電布を接触させたことを特徴とする請求項８〜
１０のいずれか１項に記載の用紙搬送装置における除電
装置。
【請求項１２】前記アース用導電部材における前記除
電布が設けられた面に、前記アース用導電部材が前記ロ
ーラ側の周面に接触しない露出対向面を設けたことを特
徴とする請求項１１記載の用紙搬送装置における除電装
置。
【請求項１３】前記用紙搬送用のローラにおける端面
に前記除電布を接触させたことを特徴とする請求項８〜
１０のいずれか１項に記載の用紙搬送装置における除電
装置。
【請求項１４】前記除電布を前記アース用導電部材に
付着させたことを特徴とする請求項１〜１３のいずれか
１項に記載の用紙搬送装置における除電装置。
【請求項１５】前記除電布として、ポリエチレンテレ
フタレート繊維とニッケル，銅を織り込んだ布状材を用
いたことを特徴とする請求項１〜１４記載のいずれか１
項に記載の用紙搬送装置における除電装置。
【請求項１６】用紙が積載された給紙カセットから用
紙を給紙する給紙ローラと、給紙ローラから給紙された
用紙を搬送する搬送ローラと、画像形成部に対して用紙
をタイミングを取って送るレジストローラと、用紙を装
置外へ排出する排紙ローラが用紙搬送路に設置された画
像形成装置において、前記給紙ローラと前記搬送ローラ
と前記レジストローラと前記排紙ローラとの少なくとも
いずれか１つの設置箇所に請求項１〜１５記載の用紙搬
送装置における除電装置を設置したことを特徴とする画
像形成装置。
【請求項１７】原稿セット台から原稿を１枚ずつ分離
給紙するフィードローラと、フィードローラから給紙さ
れた原稿を読取センサに搬送する原稿搬送ローラが原稿
搬送路に設置された画像読取装置において、前記フィー
ドローラと前記原稿搬送ローラとの少なくともいずれか
１つの設置箇所に請求項１〜１５記載の用紙搬送装置に
おける除電装置を設置したことを特徴とする原稿読取装
置。