JP2002224861A - 接合容器の製造方法 - Google Patents

接合容器の製造方法

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JP2002224861A JP2001024635A JP2001024635A JP2002224861A JP 2002224861 A JP2002224861 A JP 2002224861A JP 2001024635 A JP2001024635 A JP 2001024635A JP 2001024635 A JP2001024635 A JP 2001024635A JP 2002224861 A JP2002224861 A JP 2002224861A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 継手の表面性状によらず接合時の入熱量が小
さいと共に接合強度が高く、高い気体及び液体等の密閉
性を得ることができる接合容器の製造方法を提供する。 【解決手段】 ピン部11に左ネジのネジ部12が形成
されたツールを、例えば右回転(逆回転)で自転させな
がら重ねられたフランジ部1a及び2aの板厚方向上方
からフランジ部1aに突き立てる。そして、回転するピ
ン部11とフランジ部1aとの接触部分を、ピン部11
とフランジ部1aとの摩擦熱により軟化可塑化させ、ピ
ン部11により撹拌させつつ圧入し、フランジ部1a及
び2aを塑性流動させる。更に、ピン部11が回転して
いる状態で、上部容器部材1及び下部容器部材2の全周
縁に沿って、一定の圧力を加えながらフランジ部1a及
び2aに対してツール20を左回転で相対移動(公転)
させて摩擦撹拌接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム又はア
ルミニウム合金製の接合容器の製造方法に関し、特に、
乗用車、トラック及びバス等の自動車若しくは二輪車等
に使用される燃料タンク、又は半導体製造装置用の真空
チャンバ等に好適な接合容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2輪自動車、乗用車、トラック、
バス及び特殊車等の自動車に使用される燃料タンクは、
鋼製、合成樹脂、アルミニウム及び各種クラッド板によ
り形成されている。このような燃料タンクとして、特開
平8−323487号公報には鋼製のものが開示されて
いる。この公報に記載された従来の鋼製燃料タンク(従
来例1)においては、鋼板で形成され開口部を有する2
つの箱状の部材を有し、この2つの箱状の部材の開口部
周縁に外向きにフランジ部が形成されており、2つの箱
状の部材の開口部のフランジ部が重ね合わせられ、この
フランジ部がシーム溶接により溶接されている。
【0003】また、実開平5−273号公報には、トラ
ック及び産業機械等に取り付けられ、ガソリン又は軽油
等の液体燃料を貯蔵するためのアルミニウム又はアルミ
ニウム合金製の燃料タンクが開示されている。この公報
に記載された燃料タンク(従来例2)においては、アル
ミニウム又はアルミニウム製の円筒状のタンク本体及び
タンク本体の両開口部を閉鎖する2つの鏡板を有し、こ
の鏡板の周縁には内側に略直角に折り曲げられた内向き
フランジが形成されている。更に、このフランジ部には
タンク内側に向かって傾斜角が15゜程度で傾斜する溶
接継手が設けられており、この溶接継手にタンク本体開
口端が付き当てられて、イナートガスアーク溶接により
溶接固定されている。このように構成された従来例2の
燃料タンクは、タンク本体と鏡板との寸法誤差を吸収す
ることができ、サイズ合わせが簡単で、きれいな溶接部
を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1の技術においては、鋼製の箱状の部材のフランジ部を
重ねて抵抗シーム溶接すると入熱量が多いという問題点
がある。特に、鋼製ではなく、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金製のフランジ部を有する部材をシーム溶接す
ると、入熱量が多いためにアルミニウム又はアルミニウ
ム合金板が歪み、寸法精度が低下してしまう。例えば、
燃料タンクとして、アルミニウム又はアルミニウム合金
製の箱状の部材を使用し、シーム溶接により溶接した場
合に、寸法精度が下すると、気体及び液体等の密閉性が
劣化するという問題点がある。燃料タンクはガソリン等
の液体燃料を貯蔵するため、液体燃料と共に液体燃料か
ら揮発するガス成分も密閉する必要があり、気密性が劣
化すると極めて危険である。また、シーム溶接では、フ
ランジ部同士の接触面が平坦でなかったり、酸化膜等が
形成されていると、抵抗が高くなったり、抵抗が不均一
になるため、熱流量が更に大きくなり、溶接部の熱影響
部が大きくなるという問題点もある。
【0005】また、従来例2の技術においては、燃料タ
ンクの本体と鏡板とを突き合わせてイナートガスアーク
溶接により溶接固定しているが、このように、アルミニ
ウム製の部材を重ね合わせて溶接するには、アーク又は
レーザ等の熱源を直接受ける表面部だけでなく、部材同
士が接する面の表面性状にも留意が必要で、これを怠っ
た場合は溶接部に欠陥が発生したり、更に溶込みが安定
せず、気体及び液体等の密閉性が不十分になったりする
という問題点がある。溶融部において気泡が発生する
と、これが浮上するより早く溶接部が固まり、この気泡
がブローホール欠陥として残ってしまうため、ブローホ
ール欠陥が多く生じた場合は欠陥部分が連なったり、ま
た、その欠陥部に機械的な応力が加わると亀裂が生じた
りして気体及び液体等の密閉性を劣化させてしまう。ま
た、アーク溶接は溶接による熱影響部が比較的大きいた
め、母材の熱影響部が広い範囲に生じる。このため、継
手近傍の母材の軟化が激しく、母材が変形して必要な密
閉性を得ることが難しいという問題点がある。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、継手の表面性状によらず接合時の入熱量が
小さいと共に接合強度が高く、高い気体及び液体等の密
閉性を得ることができる接合容器の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る接合容器の
製造方法は、下方が開口しその開口部の全周縁に亘って
外部に突出するフランジ部が形成されたアルミニウム又
はアルミニウム合金製上部容器部材と、上方が開口しそ
の開口部の全周縁に亘って外部に突出するフランジ部が
形成されたアルミニウム又はアルミニウム合金製下部容
器部材とをそのフランジ部同士で重ね合わせ、前記フラ
ンジ部を仮止めする工程と、表面にネジが形成されたツ
ールにより前記フランジ部を全周縁に沿って摩擦撹拌接
合を行う工程とを有する接合容器の製造方法において、
前記摩擦撹拌接合を行う工程は、前記ネジが前記フラン
ジ部中に進入する方向の回転方向を順回転方向としたと
き、前記ツールを前記上部容器部材の本体部分の周囲を
順回転方向で公転させながら前記摩擦撹拌接合を行う工
程を有することを特徴とする。
【0008】本発明においては、ツールを順回転方向
で、即ち、ネジが左ネジの場合には、ネジは左回転でフ
ランジ部に進入するので、本体部分が常に左側にあるよ
うな方向(左回転方向)で、ネジが右ネジの場合には、
ネジは右回転でフランジ部に進入するので、本体部分が
常に右側にあるような方向(右回転方向)で、公転させ
ながらフランジ部同士を摩擦撹拌接合しているので、摩
擦撹拌接合による利点だけでなく、熱拡散等の影響によ
り接合部及びその近傍において、高い強度を確保するこ
とができる。
【0009】なお、前記フランジ部を仮止めする工程
は、自己穿孔型リベット若しくはメカニカルクリンチン
グを使用して機械的に接合するか、抵抗スポット溶接に
より溶接するか、又は前記フランジ部を重ねたまま折り
曲げ加工する工程とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係る接合
容器の製造方法について、添付の図面を参照して具体的
に説明する。図1は本発明の実施例に係る接合容器の製
造方法における各部材を示す斜視図である。
【0011】本実施例においては、図1に示すように、
下方が開口された上部容器部材1と上方が開口された下
部容器部材2とを接合して接合容器を製造する。上部容
器部材1及び下部容器部材2は、いずれもアルミニウム
又はアルミニウム合金製である。下部容器部材2には、
その開口部2cの全周縁に亘って下部容器本体2bから
外側に略90゜折れ曲がって突出したフランジ部2aが
一体成形されている。同様に、上部容器部材1にもその
開口部の全周縁に亘って上部容器本体1bから外側に略
90゜折れ曲がって突出したフランジ部1aが一体成形
されている。
【0012】本実施例においては、先ず、上部容器部材
1及び下部容器部材2の両フランジ部を重ね合わせる。
次いで、摩擦撹拌接合をより確実に行うため、重ね合わ
せた両フランジ部を仮止めする。両フランジ部を重ね合
わせて摩擦撹拌接合する前に行う仮止め方法としては、
自己穿孔型リベット若しくはメカニカルクリンチング等
を使用して機械的に接合する方法又は抵抗スポット溶接
等の溶接により行う方法等がある。本実施例において
は、自己穿孔型リベットを使用し、このリベットを重ね
られたフランジ部において、開口部の周囲に複数個打ち
込むことにより仮止めを行う。
【0013】その後、仮止めされたフランジ部をその全
周縁に沿って摩擦撹拌接合により接合する。図2は本発
明の実施例において使用する摩擦撹拌接合(FSW)用
ツールを示す正面図である。図3は本発明の実施例にお
けるFSW用ツールと上部容器本体1b及び下部容器本
体2bとの位置関係を示す図であって、(a)は上面
図、(b)は(a)におけるA−A線に沿った断面図で
ある。
【0014】本実施例において使用するFSW用ツール
20には、基部10及びこの基部10の先端に形成され
たピン部11が設けられている。ピン部11の直径は基
部10のそれよりも小さく、その表面にはネジ部12が
形成されている。ネジ部12は、例えば左ネジである。
左ネジは左回転により素材中に進入するものであるか
ら、この場合、順回転とは左回転、逆回転とは右回転で
ある。
【0015】本実施例においては、図3に示すように、
FSW用ツール20を、常にその左側に上部容器本体1
bが存在するような方向を進行方向として移動させなが
ら、仮止めされたフランジ部をその全周縁に沿って摩擦
撹拌接合を行う。なお、上部容器部材1及び下部容器部
材2の開口部の形状に沿って開口部の周囲全てに摩擦撹
拌接合を行ってもよい。図4は接合容器の上部容器部材
1からみた上面図であって、フランジ部を示す拡大図で
ある。摩擦撹拌接合は、図4に示すように、例えば上部
容器部材1のフランジ部1aと下部容器部材2のフラン
ジ部2aとを重ね合わせて仮止めしたリベット5aの上
を通過するようにして行う。
【0016】次に、摩擦撹拌接合について更に詳しく説
明する。図3(b)に示すように、先ず、フランジ部1
a及びフランジ部2aを重ね合わせた後、重ね合わせた
両フランジ部のうち、下部容器部材2のフランジ部2a
側を裏当て材(定盤)(図示せず)上に載置する。次い
で、ピン部11に左ネジのネジ部12が形成されたツー
ル20を、例えば右回転(逆回転)で自転させながら重
ねられたフランジ部1a及び2aの板厚方向上方からフ
ランジ部1aに突き立てる。そして、回転するピン部1
1とフランジ部1aとの接触部分を、ピン部11とフラ
ンジ部1aとの摩擦熱により軟化可塑化させ、ピン部1
1により撹拌させつつ圧入し、フランジ部1a及び2a
を塑性流動させる。更に、ピン部11が回転している状
態で、上部容器部材1及び下部容器部材2の全周縁に沿
って、一定の圧力を加えながらフランジ部1a及び2a
に対してツール20を「左回転(順回転)」で相対移動
(公転)させて摩擦撹拌接合する。これにより、フラン
ジ部1aとフランジ部2aとが接合されて接合部5が形
成され、図4に示すように、フランジ部1a及び2aの
接合位置に接合線4が形成される。本実施例において摩
擦撹拌接合に使用するツール20における基部10の直
径T1は、例えば10mm、ピン部11の直径T2は、
例えば4mm、ピン部11の長さhは、例えば1.8m
mであり、ツール20の回転速度は、例えば3000r
pm、送り速度は、例えば400mm/分である。
【0017】このような第1の実施例によれば、ピン部
が圧入されるフランジ部1a及び2aの表面及びフラン
ジ部同士が接触する面の性状について、接合のための特
別な配慮をすることは特に必要なことではなくなる。従
って、これらの面の性状に関係なく安定した継手性能を
発揮することができる。また、摩擦撹拌接合するため、
アーク溶接等の溶融溶接と比べて入熱量が小さく、接合
部材の熱による歪等の影響が小さい。従って、本実施例
のようなタンク等の箱状の製品等、気体及び液体等の密
閉性が要求される接合容器の接合に適しており、極めて
優れた気体及び液体等の密閉性を得ることができる。
【0018】また、フランジ部1a及び2aを有する開
先を重ね合わせて溶接するため、上下容器部材1及び2
は互いに平面で接触する。従って、適切に固定しなけれ
ば溶接中に口開きの変形及びフランジ部の面上での滑り
等が発生しやすくなる場合も考えられるが、本実施例に
おいては、摩擦撹拌接合前に仮止めを行っているため、
上下の容器部材1及び2が横滑りすることはない。ま
た、口開きの等の変形を抑制して安定した継手及び所望
の寸法精度を確保することができる。更に、摩擦撹拌接
合は溶加材を使用しないため、仮止めをした部分にその
まま摩擦撹拌接合しても、上下容器部材1及び2の素材
であるアルミニウム又はアルミニウム合金の成分等を変
化させることなく安定した継手を作成することができ
る。
【0019】更に、仮止めしたリベット5a上に行うた
め、接合線4により仮止めの後が残らない。更に、リベ
ットの素材として適当な素材を選択すれば、例えば打ち
込んだリベットをフランジ部と共にピン部11で撹拌す
ることにより、摩擦撹拌接合部の強度を向上させること
ができる。このように、強度を向上させる仮止め用のリ
ベット又はクリンチングの素材としては、フランジ部の
素材よりも高強度のものであれば特に限定されるもので
はないが、リサイクルの観点からいえば、例えば200
0系又は7000系等の高強度のアルミニウム合金とす
ることが好ましい。
【0020】更にまた、ピン部11に形成されるネジ部
12を左ネジとし、摩擦撹拌接合の進行方向(公転の回
転方向)を常に上部容器本体1bの外壁が左側にある方
向としているので、摩擦撹拌接合時の熱伝達等の影響に
より接合部5の周囲において高い強度を確保することが
できる。なお、第1の実施例では、FSW用ツール20
の自転の回転方向を右回転(逆回転)としているが、こ
れを左回転(順回転)とした場合には、塑性流動した部
分のFSW用ツール20の回転に伴う上向き対流を抑制
して、フランジ部1a及び2aの界面の上方への持ち上
がりを防止することができる。このため、接合部5近傍
におけるフランジ部1aの強度をより高く維持すること
ができ、より好ましい。
【0021】なお、ネジ部12を右ネジとする場合に
は、摩擦撹拌接合の進行方向(公転の回転方向)を常に
上部容器本体1bの外壁が右側にある方向とすればよ
い。この場合にも、FSW用ツール20の自転の回転方
向は、右回転及び左回転のいずれでもよいが、上述の界
面の持ち上がりを防止する観点から順回転、即ちこの場
合には右回転とすることがより好ましい。
【0022】また、接合線4を形成する予定の位置より
もフランジ部1aの端部側においてリベット5bで仮止
めを行うか、又は上部容器本体1b側においてリベット
5cで仮止めを行っておいて、摩擦撹拌接合による接合
線4が仮止めしたリベット5b又は5c上を通過しない
ようにしてもよい。なお、メカニカルクリンチング又は
抵抗スポット溶接の場合も、同様にいずれの位置におい
ても仮止めを行うことができる。更に、リベット5b等
による仮止め位置を摩擦撹拌接合した接合線4の外側に
なるようにすると、摩擦撹拌接合により、重ねられたフ
ランジ部1a及びフランジ部2aの端部がめくれて重ね
合わせの精度が低下することを防止することができる。
なお、仮止めとして、本実施例のように機械的に接合す
るのではなく、スポット溶接する場合には、例えば、基
体の直径が16mm、先端半径が75mmの電極を使用
し、加圧力を2.7kN、溶接電流を25kAとして溶
接することができる。また、このような仮止めを行わ
ず、上下容器部材を重ね合わせた後、直接、摩擦撹拌接
合してもよい。更に、仮止めの方法は、摩擦撹拌接合す
る際に上下の容器部材の位置がずれない程度に固定でき
る方法であれば上述の方法に限られるものではない。
【0023】更に、本実施例においては、フランジ部1
a及び2aを水平に設置した状態でフランジ部1a及び
2aに回転するFSW用ツール20を突き立てて摩擦撹
拌接合を行っているが、例えば、図1に示す2個の容器
部材をそのフランジ部が垂直になるような状態に設置し
て、フランジ部同士を摩擦撹拌接合してもよい。
【0024】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第2の実施例においては、上部容器部材及び下部
容器部材を重ね合わせた後、その重ね合わせたフランジ
部の端部を折り曲げることにより仮止めを行う。図5は
本発明の第2の実施例に係る接合容器の製造方法を示す
断面図である。
【0025】第2の実施例では、第1の実施例と同様に
して、上部容器部材1及び下部容器部材2の両フランジ
部1a及び2aを重ね合わせた後、フランジ部1a及び
2aの各端部を、例えば上部容器部材1側に折り返して
フランジ部1aの折り返されていない部位と接するよう
に重ね合わせる曲げ加工を施す。その後、第1の実施例
と同様に、折り返しによる重なりがないフランジ部の部
位において、上部容器本体1bの開口部の形状に沿って
ピン部を相対移動させて摩擦撹拌接合を行う。この際、
ネジ部が左ネジであれば、公転の回転方向を左回転、即
ち上部容器本体1bが常に左側にある方向とする。一
方、ネジ部が右ネジであれば、公転の回転方向を右回
転、即ち上部容器本体1bが常に右側にある方向とす
る。
【0026】このような第2の実施例によっても、第1
の実施例と同様に、上下容器部材1及び2の横滑り及び
口開きの変形等を抑制して安定した継手及び所望の寸法
精度を得ることができる等の効果を得ることができる。
また、本実施例では、フランジ部1a及び2aの折り返
された端部は4層構造になるため、より高い強度を得る
ことができる。
【0027】このようにして第1及び第2の実施例によ
って製造された接合容器は、例えばアルミニウム又はア
ルミニウム合金製の自動車用燃料タンクに好適である。
【0028】なお、2つの容器部材のフランジ部の厚さ
が異なる場合、摩擦撹拌接合を行うに当たって上側のフ
ランジ部が厚くなるようにして配置することが好まし
い。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明す
る。
【0030】先ず、2つの容器部材を仮止めし、左ネジ
のネジ部が形成されているピン部を備えたツールを使用
してこれらの容器部材を下記表1に示す条件の下で摩擦
撹拌接合した。実施例1及び2では、容器部材の容器本
体が常に左側にある方向(順回転)でツールを公転させ
ながら溶接線を形成し、比較例3及び4では、容器本体
が常に右側にある方向(逆回転)でツールを公転させな
がら溶接線を形成した。なお、各容器部材はJIS A
5182−O材のアルミニウム合金製であり、ツールの
自転方向は、逆回転方向とした。
【0031】次いで、摩擦撹拌接合により形成された継
手部の引張試験を行った。図6は引張試験における荷重
部分及び荷重方向を示す模式図である。引張試験では、
接合部23を挟んで上板21と下板22とを引っ張り破
断位置及び破断荷重を測定した。この結果を、下記表2
に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】上記表2に示すように、本発明範囲に含ま
れる実施例1及び2によれば、高い破断強度を得ること
ができた。特に、上板21の方が厚い実施例2におい
て、より高い破断強度が得られた。
【0035】一方、本発明範囲からはずれる比較例3及
び4では、高い破断強度は得られず、接合時に破断が生
じる場合もあった。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
摩擦撹拌接合によりフランジ部を接合するため、入熱量
が小さいと共にフランジ部の表面及びフランジ部同士の
接触面の性状に関係なく安定した継手性能を得ることが
できる。また、摩擦撹拌接合の進行方向を適切に規定し
ているので、高い接合強度を得ることができる。特に、
乗用車、トラック及びバス等の自動車若しくは二輪車等
に使用される燃料タンク、又は半導体製造装置用の真空
チャンバ等の箱状の製品等に本発明を適用すると、極め
て優れた気密性及び液密性等の密閉性を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る接合容器の製造方法にお
ける各部材を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例において使用する摩擦撹拌接合
(FSW)用ツールを示す正面図である。
【図3】本発明の実施例におけるFSW用ツールと上部
容器本体1b及び下部容器本体2bとの位置関係を示す
図であって、(a)は上面図、(b)は(a)における
A−A線に沿った断面図である。
【図4】接合容器の上部容器部材1からみた上面図であ
って、フランジ部を示す拡大図である。
【図5】本発明の第2の実施例に係る接合容器の製造方
法を示す断面図である。
【図6】引張試験における荷重部分及び荷重方向を示す
模式図である。
【符号の説明】
1、2;容器部材 1a、2a;フランジ部 1b、2b;容器本体 2c;開口部 4;溶接線 5;接合部 5a、5b、5c;リベット 10;基部 11;ピン部 12;ネジ部 20;ツール 21;上板 22;下板 23;接合部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下方が開口しその開口部の全周縁に亘っ
    て外部に突出するフランジ部が形成されたアルミニウム
    又はアルミニウム合金製上部容器部材と、上方が開口し
    その開口部の全周縁に亘って外部に突出するフランジ部
    が形成されたアルミニウム又はアルミニウム合金製下部
    容器部材とをそのフランジ部同士で重ね合わせ、前記フ
    ランジ部を仮止めする工程と、表面にネジが形成された
    ツールにより前記フランジ部を全周縁に沿って摩擦撹拌
    接合を行う工程とを有する接合容器の製造方法におい
    て、前記摩擦撹拌接合を行う工程は、前記ネジが前記フ
    ランジ部中に進入する方向の回転方向を順回転方向とし
    たとき、前記ツールを前記上部容器部材の本体部分の周
    囲を順回転方向で公転させながら前記摩擦撹拌接合を行
    う工程を有することを特徴とする接合容器の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フランジ部を仮止めする工程は、自
    己穿孔型リベット若しくはメカニカルクリンチングを使
    用して機械的に接合するか、抵抗スポット溶接により溶
    接するか、又は前記フランジ部を重ねたまま折り曲げ加
    工する工程であることを特徴とする請求項1に記載の接
    合容器の製造方法。
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