JP2002224850A - ウェルドナットのセット不良検出装置およびその方法 - Google Patents
ウェルドナットのセット不良検出装置およびその方法Info
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Abstract
セット不良を確実に検出し得るウェルドナットのセット
不良検出装置およびその方法を提供する。 【解決手段】 ウェルドナットのセット不良検出装置2
0によると、電圧検出器24および制御装置30によ
り、電極21、22間に予備通電したときの電極間電圧
から電極間抵抗を検出し、制御装置30により、電極間
抵抗が所定範囲内にあるか否かを判定する。これによ
り、電極間抵抗が所定範囲内にある場合には、ウェルド
ナットW2は適正にセットされたものと制御装置30に
より判定することができ、当該所定範囲内にない場合に
は、ウェルドナットW2は適正にセットされたものでは
ないと制御装置30により判定することができる。した
がって、別工程を設けることなく、ウェルドナットW2
のセット不良を確実に検出できる。
Description
にセットされたウェルドナットとを相対向する電極で挟
み、加圧した状態で両電極間に溶接電流を流すことによ
り、ワークにプロジェクション溶接されるウェルドナッ
トのセット不良検出装置およびその方法に関するもので
ある。なお、ウェルドナットとは、ワークにプロジェク
ション溶接されるナットのことである。
W1は、一端側の四隅にプロジェクションと呼ばれる突
起部Pjが形成されていることから、この突起部Pjを
利用して溶接電流および加圧力の集中を図る抵抗溶接、
つまりプロジェクション溶接を可能にしている。したが
って、図5(B) に示すように、溶接後のウェルドナット
W1には、主に突起部Pjが溶融して出来たナゲットN
aがワークW2との間に形成されている。なお、図5
(A) には、ワークW2に形成されたナット溶接用の下孔
hを下方から上方に向けて貫通し、ウェルドナットW1
を位置決めする位置決めピンPnが示されている。
溶接工程では、このようなウェルドナットW1をワーク
W2にセットする際に、図略のナットフィーダから供給
ヘッドへ送り出されるウェルドナットW1を、下孔hか
ら突出した位置決めピンPnに引っ掛けるようにしてウ
ェルドナットW1の位置決め、つまりウェルドナットW
1のセットを行っている。即ち、位置決めピンPnに対
し輪投げをする要領でウェルドナットW1のセットを行
っている。
ドと位置決めピンPnとが近接した位置関係にあれば、
ウェルドナットW1をほぼ確実に位置決めピンPnに引
っ掛けることも可能であるものと考えられる。しかし現
実には、セットされたウェルドナットW1の上下方向お
よびその周囲の空間は、溶接電流を供給する電極の可動
範囲であるため、位置決めピンPnに近接した位置に供
給ヘッドを配置することができない。したがって、供給
ヘッドから供給されるウェルドナットW1が、位置決め
ピンPnに適正に引っ掛かった状態、即ちワークW2上
にウェルドナットW1が正しくセットされているか否か
を検出する検出装置が必要になる。
ルドナットのセット不良検出装置が用いられている。即
ち、図6(A) に示すように、上側電極91とともに上下
動し得る可動部93の外周壁に凸部93aを設け、可動
部93のストローク位置がウェルドナットW1の厚みに
相当するところに達したときに、この凸部93aにより
リミットスイッチ94の先端部94aを押圧して、リミ
ットスイッチ94をオン状態にするように構成されてい
る。
2上にウェルドナットW1が正しくセットされていれ
ば、可動部93の凸部93aにより先端部94aが押さ
れ、リミットスイッチ94がオフ状態からオン状態に移
行するため、ウェルドナットW1の「有」を検出するこ
とができる。一方、図6(B) に示すように、ワークW2
上にウェルドナットW1がセットされていなければ、可
動部93の凸部93aはリミットスイッチ94の先端部
94a位置を通過する。そのため、凸部93aに一旦押
されたリミットスイッチ94も再度解除されるので、リ
ミットスイッチ94はオン状態からオフ状態に戻ってし
まい、これによりウェルドナットW1の「無」を検出す
る。
示すような従来のウェルドナットのセット不良検出装置
によると、溶接装置ごとに、このような可動部93の凸
部93a、リミットスイッチ94、リミットスイッチ9
4の取付ブラケット等を設ける必要がある。そのため、
装置、保守、管理等の設備コストが増大するという問題
がある。
は、溶接を繰り返す間にその先端が徐々に摩耗する。そ
のため、上側電極91自体の長さがこのような摩耗によ
り短くなると、可動部93に設けられた凸部93aの設
定位置も徐々に変動するため、ワークW2上にウェルド
ナットW1が正しくセットされていても、可動部93の
凸部93aによりリミットスイッチ94の先端部94a
を押すことができなくなる。つまり、ウェルドナットW
1の有無を正確に検出することができないという問題が
生じ得る。このような問題は、上側電極91の摩耗状況
に合わせて凸部93aやリミットスイッチ94の設定位
置を変更すれば解決できるが、溶接数量の多い製造現場
ではそのような変更を頻繁に行うことは現実的ではな
い。
ナットのセット不良検出装置では、ウェルドナットW1
の有無を検出することはできても、それ以外の検出、例
えば図7(A) 〜図7(C) に示すようなものは検出するこ
とができないという問題がある。即ち、図7(A) に示す
ような位置決めピンPnに掛かることなく、位置決めピ
ンPnの横にずれてセットされているもの、図7(B) に
示すような縦向きにセットされているもの、図7(C) に
示すような裏向きにセットされているもの、等にあって
は、従来のセット不良検出装置ではセット不良を検出す
ることができない。したがって、目視検査を余儀なくさ
れるほか、このようなセット不良のウェルドナットW1
をワークW2に溶接した場合には、後工程でそれを修正
する必要があった。
セット不良検出装置によることなく、磁気や電磁波等を
利用したいわゆる近接スイッチにより、ウェルドナット
W1の有無を判定する方法もある。ところが、このよう
な方法では、近接スイッチによりウェルドナットW1の
有無を判定する後工程を別に設ける必要があるほか、近
接スイッチであっても、図7(A) 〜図7(C) に示すよう
なウェルドナットW1のセット不良を確実には検出する
ことができない。
なされたものであり、その目的とするところは、別工程
を設けることなく、ウェルドナットのセット不良を確実
に検出し得るウェルドナットのセット不良検出装置およ
びその方法を提供することにある。
め、請求項1のウェルドナットのセット不良検出装置で
は、ワークと、該ワークにセットされたウェルドナット
とを相対向する電極で挟み、加圧した状態で両電極間に
溶接電流を流すことにより、前記ワークにプロジェクシ
ョン溶接されるウェルドナットのセット不良検出装置で
あって、前記電極間に予備通電し、そのときの電極間電
圧から電極間の抵抗を検出する電極間抵抗検出手段と、
前記電極間抵抗検出手段により検出された電極間抵抗が
所定範囲内にあるか否かを判定する判定手段と、を備え
ることを技術的特徴とする。
のウェルドナットのセット不良検出方法では、ワーク
と、該ワークにセットされたウェルドナットとを相対向
する電極で挟み、加圧した状態で両電極間に溶接電流を
流すことにより、前記ワークにプロジェクション溶接さ
れるウェルドナットのセット不良検出方法であって、前
記電極間に予備通電する第1ステップと、前記第1ステ
ップの予備通電時における電極間電圧から電極間の抵抗
を検出する第2ステップと、前記第2ステップにより検
出された電極間抵抗が所定範囲内にあるか否かを判定す
る第3ステップと、を含むことを技術的特徴とする。
し、電極間抵抗検出手段によりそのときの電極間電圧か
ら電極間の抵抗を検出し、判定手段により、電極間抵抗
検出手段により検出された電極間抵抗が所定範囲内にあ
るか否かを判定する。これにより、電極間抵抗検出手段
により検出された電極間抵抗が所定範囲内、即ちウェル
ドナットが適正にセットされたときの電極間抵抗の範囲
内にある場合には、ウェルドナットは適正にセットされ
たものと判定手段により判定することができ、当該所定
範囲内にない場合には、ウェルドナットは適正にセット
されたものではないと判定手段により判定することがで
きる。
間に予備通電し、第2ステップで第1ステップの予備通
電時における電極間電圧から電極間の抵抗を検出し、第
3ステップでは、第2ステップで検出された電極間抵抗
が所定範囲内にあるか否かを判定する。これにより、第
2ステップで検出された電極間抵抗が所定範囲内、即ち
ウェルドナットが適正にセットされたときの電極間抵抗
の範囲内にある場合には、ウェルドナットは適正にセッ
トされたものと第3ステップで判定することができ、当
該所定範囲内にない場合には、ウェルドナットは適正に
セットされたものではないと第3ステップで判定でき
る。
セット不良検出装置およびその方法の実施形態について
図を参照して説明する。本発明の一実施形態に係るウェ
ルドナットのセット不良検出装置20は、ウェルドナッ
ト溶接装置をベースに構成されるものであるため、まず
ウェルドナット溶接装置の構成を図1に基づいて説明す
る。
置は、主に、上側電極21、下側電極22、電圧検出器
24、溶接トランスT、サイリスタSCR1、SCR
2、制御装置30等から構成されている。なお、電圧検
出器24、サイリスタSCR1、SCR2および制御装
置30からなる装置をタイマコンタクタと称する場合も
ある。
2は、銅等の導電抵抗の低い金属からなる先端平面状の
円柱状に形成されている。そして、これら両電極21、
22は、図略の加圧装置により、両電極間に挟まれたワ
ークを加圧し得るように構成されている。これにより、
ワークW2と、ワークW2にセットされたウェルドナッ
トW1とを両電極21、22で挟み、加圧した状態で両
電極21、22間に溶接電流を流すことを可能にしてい
る。なお、上側電極21の側方には、既に説明したナッ
トフィーダから送り出されるウェルドナットW1を供給
する供給ヘッドFが設けられている。
間の電圧を検出するものである。即ち、両電極21、2
2間の電位差を測定するもので、溶接電流の供給時等に
測定した電圧値を電圧データとして制御装置30に送出
し得るように構成されている。
間に、溶接電流を流すためものである。そのため、溶接
トランスTの一次側には溶接電源PSが、また溶接トラ
ンスTの二次側には上側電極21および下側電極22
が、それぞれ溶接ケーブル等を介して電気的に接続され
ている。
ランスTの一次側に供給する溶接電流の通電・遮断およ
び位相制御を行うものである。そのため、溶接トランス
Tと溶接電源PSとの間に介在し、ゲート端子に制御装
置30からのトリガ信号を受け得るように構成されてい
る。
に、表示部32、操作部34、本体部36等を備えてお
り、前述の電圧検出器24から送られてくる電圧データ
に基づいて所定のトリガ信号をSCR1、SCR2に与
えて溶接電流を制御し得るように構成されている。
リ36b、外部記憶装置36c、インタフェース36
d、36e等から構成されている。メモリ36bには、
溶接電流制御の処理を行うプログラムや後述するウェル
ドナットW1のセット状態を判定する判定処理プログラ
ム等が記憶されている。またインタフェース36dに
は、表示部32、操作部34や外部記憶装置36cが接
続されており、CPU36aとそれぞれの間とのデータ
のやり取りを制御している。一方、インタフェース36
eには電圧検出器24が接続されており、電圧検出器2
4から送出された電圧データをCPU36aに順次転送
している。
装置をベースに、本実施形態に係るウェルドナットのセ
ット不良検出装置20は次のように構成されている。即
ち、ウェルドナットのセット不良検出装置20は、上側
電極21と下側電極22間に予備通電し、そのときの電
極間電圧から両電極21、22間の抵抗を検出する電極
間抵抗検出手段と、この電極間抵抗検出手段により検出
された電極間抵抗が所定範囲内にあるか否かを判定する
判定手段とから構成されている。前述したウェルドナッ
ト溶接装置を構成する電圧検出器24および制御装置3
0が電極間抵抗検出手段に相当し、また制御装置30が
判定手段に相当する。そして、次に説明するウェルドナ
ットセット不良判定処理が制御装置30により実行され
ることによって、ウェルドナットW1のセット不良が検
出される。
トのセット不良検出装置20は、既存のウェルドナット
溶接装置に用いられる設備を利用して実現することがで
きるので、別段の機器設備等を設ける必要がない。ま
た、以下説明するように、一連の溶接処理の中でウェル
ドナットのセット不良の検出も行うため、溶接工程の前
または後に別工程を設ける必要もない。
不良判定処理は、例えば一連の溶接処理の中で実行され
る。本実施形態では、ステップS10、S12、S14
による第1の判定処理、および、ステップS22、S2
4、S26、S28による第2の判定処理が、ウェルド
ナットセット不良判定処理に相当する。
ナットの溶接処理を交えながら第1、第2のウェルドナ
ットセット不良判定処理を説明する。なお、図4は、制
御装置30による電極間抵抗の特性例および電極間電流
の波形例を示す説明図で、実線(○印)による電極間抵
抗の特性例は適正にセットされたウェルドナットによる
もの、破線(▲印)による電極間抵抗の特性例は裏向き
にセットされたウェルドナットによるものである。
理)図3に示すように、まずステップS10により、溶
接時供給する溶接電流よりも低い電流を予備通電し、そ
のときの電極間電圧を電圧検出器24により測定する。
本実施形態では、図4に示すように予備通電を2サイク
ルに亘って行い、0.5サイクル毎に3回測定を行う
(図4に示すA点、B点、C点)。ここで予備通電時に
供給する電流を、溶接時供給する溶接電流よりも低い値
に設定しているのは、溶接時と同じまたはそれ以上の電
流を電極間に供給すると、セット不良のウェルドナット
W1をワークW2に抵抗溶接することとなり、そのよう
な事態を回避するためである。本実施形態では、図4に
示すように例えば溶接電流(10kA)の半分に相当す
る電流(5kA)により予備通電を行っている。
により測定した電極間電圧データに基づいて電極間抵抗
を算出する。つまり、制御装置30では、SCR1、S
CR2に加えるトリガ信号を決定するうえで、電極間に
供給している電流値を把握しているので、電極間電圧を
電圧検出器24から送られてくる電圧データとして得る
ことができればオームの法則から電極間抵抗を算出する
ことができる。本実施形態では、図4に示すA点、B
点、C点のそれぞれにおける電極間抵抗を算出する。
り算出した電極間抵抗が所定範囲内にあるか否かを判断
する。つまり、予め設定されているウェルドナットW1
が適正にセットされたときの電極間抵抗の範囲内に算出
した抵抗が入っているか否かを判断する。本実施形態で
は、図4に示すA点、B点、C点のそれぞれにおいて設
定されている範囲内(A点では上限a1、下限a2、B点で
は上限b1、下限b2、C点では上限c1、下限c2)に電極間
抵抗が全て入っているか否かを判断する。
範囲内にあると判断できなければ、ウェルドナットW1
は適正にセットされたものではないため、ステップS1
6に処理を移行する。そして、ステップS16により、
異常を表示して溶接を中止する(S18)。
抗値が前記所定範囲よりも低いか高いか、また高いとす
ればどの程度高いか等をより詳細に解析することによっ
て、ワークW2上にウェルドナットW1がセットされて
いないか、セットされていてもウェルドナットW1が位
置決めピンPnの横にずれてセットされているか、また
縦向きにセットされているか、等を判定することができ
る。
間抵抗が前記所定範囲よりも低い場合には、ワークW2
上にセットされるべきウェルドナットW1が存在しない
ため、その抵抗分が減少し当該抵抗が低下しているもの
と判断することができる。つまり、ワークW2上にウェ
ルドナットW1がセットされていないために、上側電極
21とワークW2とが直接接触しているものと判定する
ことができる(図6(B) 参照)。
値が前記所定範囲よりも高い場合には、上側電極21と
ウェルドナットW1との接触面積が小さい状態や、通電
距離が長い状態が想定される。つまり、前者は、ウェル
ドナットW1が位置決めピンPnの横にずれてセットさ
れている場合であり(図7(A) 参照)、後者は、ウェル
ドナットW1が縦向きにセットされている場合である
(図7(B) 参照)。
トされている場合の方が、位置決めピンPnの横にずれ
てセットされている場合に比較して、電極間抵抗が高く
なる傾向にあることから、両者を判別することもでき
る。
のように、算出した抵抗値が、最初のA点で下限a2を下
回り、続くB点、C点では所定の範囲内に入るようなS
字カーブを描く場合には、ウェルドナットW1が、裏向
きにセットされている可能性が高い(図7(C) 参照)。
そのため、このような場合もステップS14により異常
を判定するが、A点による電圧データに誤りがあると他
のB点、C点では異常を判定することができない。そこ
で、ステップS22、S24、S26、S28による第
2のウェルドナットセット不良判定処理によってウェル
ドナットが裏向きにセットされていないかを正確に判定
する。
が所定範囲内にあると判断できれば、ウェルドナットW
1は適正にセットされているものとして、ステップS2
0に処理を移行する。そして、ステップS20により、
所定の冷却時間を待つ。予備通電後にこのような冷却時
間を設けてあるのは、次のステップS22による本通電
時の熱量計算に、予備通電時の熱量を含めないためであ
る。
理)ステップS22ではプロジェクション溶接を行うた
めの本通電を行う。このステップS22による本通電で
は、図4に示すように、10kAの溶接電流が電極間に
流れるように制御装置30により溶接電流が制御され
る。そして、このときも前述したステップS10による
予備通電時と同様、電極間電圧を電圧検出器24により
測定する。
の2サイクル目以降から0.5サイクル毎に6回の電圧
測定を行う(図4に示すD点、E点、F点、G点、H
点、I点)。ここで、電圧検出器24による電極間電圧
の測定を本通電の2サイクル目以降から始めるのは、図
4に示すように、通電開始直後は、ウェルドナットW1
が適正にセットされた場合の抵抗値(図4に示す実線に
よるカーブ)と裏向きにセットされた場合の抵抗値(図
4に示す破線によるカーブ)とに顕著な差がなく、両者
の区別がつき難いためである。
プS12と同様、電圧検出器24により測定した電極間
電圧データに基づいて電極間の抵抗値を算出する。本実
施形態では、図4に示すD点、E点、F点、G点、H
点、I点の6点における電極間抵抗を算出する。
4により算出した6点における電極間抵抗の平均値を算
出する。このようにD点、E点、F点、G点、H点、I
点の6点における抵抗の平均値を求めるのは、ウェルド
ナットW1が裏向きにセットされていないかを正確に判
別するためである。
適正にウェルドナットW1がセットされている場合の電
極間抵抗の特性(○印)はΛ字状のカーブを示し、裏向
きにウェルドナットW1がセットされている場合の同抵
抗の特性(▲印)はV字状のカーブを示すことが、本出
願の発明者らによる実験により確認されている。そのた
め、例えば図4に示すD点およびH点における当該抵抗
の傾きを判定する方法や、屈曲点前後における当該抵抗
の増減を判定する方法等により、それぞれの特有のカー
ブを的確に捉えることができれば、ウェルドナットW1
が適正にあるいは裏向きにセットされていることを判定
できる。
ばらつき、溶接電流の条件等によりこのようなそれぞれ
の特有のカーブが時間軸方向に変動するため、それらを
的確に捉えるためにはアルゴリズムが複雑になるという
問題がある。そこで、本実施形態では、ステップS26
により、D点、E点、F点、G点、H点、I点の6点に
おける抵抗の平均値を求め、その平均値が所定範囲内に
あるか否かをステップS28により判断している。
されている場合、電極間抵抗の特性(○印)がΛ字状の
カーブを示すのは、ウェルドナットW1の突起部Pjが
溶融するまでは発熱により徐々に抵抗が増加し、その
後、突起部Pjが溶融するとウェルドナットW1とワー
クW2とが密着するので両者間の抵抗が減少するためで
あると考えられる。また、ウェルドナットW1が裏向き
にセットされている場合、電極間抵抗の特性(▲印)が
V字状のカーブを示すのは、裏向きにセットされること
によりワークW2にほぼ面接触するウェルドナットW1
の平坦側表面の微細な凹凸が、本通電の初期段階に溶融
してワークW2に馴染むため、一旦は抵抗が減少するも
のの、その後のウェルドナットW1全体の発熱により徐
々に抵抗が増加するためであると考えられる。
り算出した電極間抵抗の平均値が所定範囲内にあるか否
かを判断する。本実施形態では、例えば図4に示すよう
に、ウェルドナットW1が適正にセットされた場合の平
均値Mを中心に上限m1、下限m2が設定されている。その
ため、図4に示す破線によるカーブの平均値Nのよう
に、適正にセットされたときの上限m1、下限m2の範囲内
にあると判断できない場合には、ウェルドナットW1は
裏向きにセットされたものであるため、ステップS30
に処理を移行する。そして、ステップS30により、異
常を表示して溶接を中止する(S32)。
の平均が所定範囲内にあると判断できれば、ウェルドナ
ットW1は適正にセットされたものであるから、ステッ
プS34により本通電を続行し、所定の通電サイクル後
にウェルドナットの溶接処理を終了する。
ルドナットのセット不良検出装置20によると、ウェル
ドナット溶接装置に用いられる電圧検出器24および制
御装置30により、電極21、22間に予備通電したと
きの電極間電圧から電極間抵抗を検出し、制御装置30
により、電極間抵抗が所定範囲内にあるか否かを判定す
る。これにより、電極間抵抗が所定範囲内、即ちウェル
ドナットW2が適正にセットされたときの電極間抵抗の
範囲内にある場合には、ウェルドナットW2は適正にセ
ットされたものと制御装置30により判定することがで
き、当該所定範囲内にない場合には、ウェルドナットW
2は適正にセットされたものではないと制御装置30に
より判定することができる。したがって、別工程を設け
ることなく、ウェルドナットW2のセット不良を確実に
検出し得る効果がある。
セット不良検出方法によると、ウェルドナットの溶接工
程中で、ステップS10で電極21、22間に予備通電
し、ステップ12で予備通電時における電極間電圧から
電極間抵抗を検出し、ステップ14で、電極間抵抗が所
定範囲内にあるか否かを判定する。これにより、ステッ
プ12で検出された電極間抵抗が所定範囲内、即ちウェ
ルドナットW2が適正にセットされたときの電極間抵抗
の範囲内にある場合には、ウェルドナットW2は適正に
セットされたものとステップ14で判定することがで
き、当該所定範囲内にない場合には、ウェルドナットW
2は適正にセットされたものではないとステップ14で
判定することができる。したがって、別工程を設けるこ
となく、ウェルドナットW2のセット不良を確実に検出
し得る効果がある。
し、電極間抵抗検出手段によりそのときの電極間電圧か
ら電極間の抵抗を検出し、判定手段により、電極間抵抗
検出手段により検出された電極間抵抗が所定範囲内にあ
るか否かを判定する。これにより、電極間抵抗検出手段
により検出された電極間抵抗が所定範囲内、即ちウェル
ドナットが適正にセットされたときの電極間抵抗の範囲
内にある場合には、ウェルドナットは適正にセットされ
たものと判定手段により判定することができ、当該所定
範囲内にない場合には、ウェルドナットは適正にセット
されたものではないと判定手段により判定することがで
きる。したがって、別工程を設けることなく、ウェルド
ナットのセット不良を確実に検出し得る効果がある。
間に予備通電し、第2ステップで第1ステップの予備通
電時における電極間電圧から電極間の抵抗を検出し、第
3ステップでは、第2ステップで検出された電極間抵抗
が所定範囲内にあるか否かを判定する。これにより、第
2ステップで検出された電極間抵抗が所定範囲内、即ち
ウェルドナットが適正にセットされたときの電極間抵抗
の範囲内にある場合には、ウェルドナットは適正にセッ
トされたものと第3ステップで判定することができ、当
該所定範囲内にない場合には、ウェルドナットは適正に
セットされたものではないと第3ステップで判定するこ
とができる。したがって、別工程を設けることなく、ウ
ェルドナットのセット不良を確実に検出し得る効果があ
る。
ット不良検出装置を示す構成図である。
る。
トの溶接処理およびセット不良判定処理の流れを示すフ
ローチャートである。
特性例および電極間電流の波形例を示す説明図である。
ナットを示す説明図で、図5(A) はセット前の状態、図
5(B) は適正にセットされて溶接された状態、をそれぞ
れ示すものである。
装置の構成、作動を示す説明図で、図6(A) は正常判定
時の状態、図6(B) は異常判定時の状態、をそれぞれ示
すものである。
示する説明図で、図7(A) は位置決めピンの横にずれて
セットされている場合、図7(B) は縦向きにセットされ
ている場合、図7(C) は裏向きにセットされている場
合、をそれぞれ示すものである。
手段) W1 ウェルドナット W2 ワーク S10 (第1ステップ) S12 (第2ステップ) S14 (第3ステップ)
Claims (2)
- 【請求項1】 ワークと、該ワークにセットされたウェ
ルドナットとを相対向する電極で挟み、加圧した状態で
両電極間に溶接電流を流すことにより、前記ワークにプ
ロジェクション溶接されるウェルドナットのセット不良
検出装置であって、 前記電極間に予備通電し、そのときの電極間電圧から電
極間の抵抗を検出する電極間抵抗検出手段と、 前記電極間抵抗検出手段により検出された電極間抵抗が
所定範囲内にあるか否かを判定する判定手段と、 を備えることを特徴とするウェルドナットのセット不良
検出装置。 - 【請求項2】 ワークと、該ワークにセットされたウェ
ルドナットとを相対向する電極で挟み、加圧した状態で
両電極間に溶接電流を流すことにより、前記ワークにプ
ロジェクション溶接されるウェルドナットのセット不良
検出方法であって、 前記電極間に予備通電する第1ステップと、 前記第1ステップの予備通電時における電極間電圧から
電極間の抵抗を検出する第2ステップと、 前記第2ステップにより検出された電極間抵抗が所定範
囲内にあるか否かを判定する第3ステップと、 を含むことを特徴とするウェルドナットのセット不良検
出方法。
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---|---|---|---|---|
JP2006095572A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-13 | Daihen Corp | 抵抗溶接制御方法 |
JP4602468B1 (ja) * | 2010-03-05 | 2010-12-22 | 好高 青山 | 部品検出装置及び部品検出方法 |
-
2001
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CN102781618A (zh) * | 2010-03-05 | 2012-11-14 | 青山好高 | 部件检测装置及部件检测方法 |
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