JP2002223753A - 薬物応答解析用オリゴヌクレオチドアレイ - Google Patents

薬物応答解析用オリゴヌクレオチドアレイ

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JP2002223753A
JP2002223753A JP2001021019A JP2001021019A JP2002223753A JP 2002223753 A JP2002223753 A JP 2002223753A JP 2001021019 A JP2001021019 A JP 2001021019A JP 2001021019 A JP2001021019 A JP 2001021019A JP 2002223753 A JP2002223753 A JP 2002223753A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬物応答を簡便、低コストでかつ信頼性高く
調べることができるオリゴヌクレオチドアレイを提供す
る。 【解決手段】 アレイを使用して代謝プロセスを調べる
上で、P-450をはじめとする薬物代謝第一相反応酵素と
薬物代謝第二相反応酵素関連の遺伝子を数多く、少なく
とも20種類以上、DNA断片(プローブDNA)として、同
一アレイ上に載せる 【発明の効果】 生体に入った薬物がどのような経路を
経て代謝されるか、その代謝物がどうように生体の生命
活動に影響を与えるかを遺伝子レベルで簡便に調べるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体が薬物投与に
よってどのような応答を示すかを調べるためのDNAア
レイに関する。
【0002】
【従来の技術】生体に薬物が投与されることによってど
のような影響が現れるかを調べることは、製薬の分野で
は薬効、副作用を調べる上で、あるいは一般的には毒性
試験において頻繁に行われている。そのような生体の薬
物応答を調べるもっとも一般的な方法として、動物実
験、つまりマウス、ラット、サル等の動物に薬物を投与
してその反応を見る方法や、培養細胞に対して薬物を投
与してその形態や増殖速度の変化を見る方法が用いられ
ている。実験動物を用いる場合、その飼育に費用や時間
がかかる上、薬物の作用機序(薬物の作用メカニズム)
を調べるためには特定の遺伝子を破壊した動物を用いる
必要があるなど問題点が多く残されていた。また、動物
保護の機運が高まっており動物を使わない試験方法の開
発が望まれていた。一方、培養細胞の形態や増殖変化を
みる方法では薬物の作用機序に関わる情報を得ることは
かなわない。以上のように、実験動物を使わずかつ薬物
の作用機序を簡便に調べられる方法の開発が求められて
いた。
【0003】最近、ゲノムに記述された遺伝情報を解
読、解析する技術が数多く開発されてきている。特に、
DNAアレイあるいはDNAチップとよばれる、配列の異なる
多数のDNA断片を基板のそれぞれ異なる個所に固定した
ものに、遺伝子の発現状態を調べたい細胞から取り出し
たメッセンジャーRNAの逆転写物(蛍光標識あるいはラ
ジオアイソトープ標識をしたもの)をふりかけ、ハイブ
リダイゼーションを行った後、それぞれの配列のDNA断
片固定箇所にどの程度逆転写物がハイブリダイゼーショ
ンしたかを調べ、試料細胞中の遺伝子発現を調べる方法
が注目されている。
【0004】このDNAアレイの技術を用いれば、薬物を
投与した培養細胞と投与していない培養細胞から各々メ
ッセンジャーRNAを抽出し、これらを別々の標識をつけ
て逆転写物を作り、それらを同じDNAアレイにかけて両
者の発現状態を比較することで、薬物投与による遺伝子
の発現状態の変化、つまり薬物投与による影響を遺伝子
レベルで調べることができることになる。薬剤投与後の
経過時間ごとに細胞からメッセンジャーRNAを取り出
し、DNAアレイで測定することで、遺伝子ごとのメッ
センジャーRNA量の時間変化を見ることができる。メ
ッセンジャーRNA量が増加することは、DNA分子か
らの遺伝情報が活発に転写されることを意味し、遺伝子
の働きが増加することに対応する。この遺伝子の働きの
時間変化を解析することで、遺伝子パスウェイの情報が
得られる。例えば、DNAアレイを用いて遺伝子パスウ
ェイ情報を求める取り組みとして、近年、酵母の遺伝子
のほぼ全てを1枚のアレイに固定化して、薬剤投与など
の刺激を加えた場合のメッセンジャーRNAの量的変化
を測定する試みが行われている(DeRisi, J. L.ら, Exp
loring the metabolic and genetic control of geneex
pression on a genomic scale, Science, vol.278, p.6
80-686, 1997, Roberts, C. J. ら、Signaling and cir
cuitry of multiple MAPK pathways revealedby a matr
ix of global gene expression profiles, Science, vo
l.287, p.873-880, 2000)。また酵母の遺伝子の一部を
破壊して、薬物投与後のメッセンジャーRNAの量的変
化を観察することで、薬物投与と遺伝子パスウェイの関
連も調べられている(Marton, M. J.ら、Drug target v
alidation and identificationof secondary drug targ
et effects using DNA microarrays, Nature Medici
ne, vol.4, p.1293-1301、ないしはStoughton et al. M
ethods for identifying pathways of drug action, US
patent 5965352)。しかし酵母における薬物の作用機
序は、ヒトを含む動物における薬物の作用機序と同一と
は言えない。それは酵母とヒトを含む動物とで、遺伝子
の機能や数が異なるからである。特に酵母の遺伝子を破
壊することによって、メッセンジャーRNA量の変化が
起こるだけでなく、染色体数の変化までが併発されるこ
とが分かっている(Hughes, T. R.ら、Widespread aneup
olidy revealed by DNA microarray expression pro
filing, Nature genetics, vol.25, p.333-337, 200
0)。この染色体数の変化はヒトでは、例えばダウン症の
ような重篤な疾病を引き起こす原因であり、がん細胞を
除いた正常細胞では、ほとんど皆無に近い現象である。
この点からも酵母、特に特定の遺伝子を破壊した酵母か
ら得られた知見を、ヒトなどの動物に外挿する際には注
意が必要である。酵母から得られた情報のみに頼るので
はなく、ヒトなどの動物細胞での知見も積み重ねていく
ことが望まれている。複数のヒトがん培養細胞を対象
に、種々の抗悪性腫瘍薬を投与した場合と、投与しない
場合とで、個々の遺伝子(約9700個)から転写され
るメッセンジャーRNA量にどの程度の違いが現れるか
を研究した例がある(Scherf, U.ら, A gene expressio
n database fot the molecular pharmacology of cance
RNAturegenetics, vol.24, p.236-244, 2000)。こ
の研究では、ある薬剤に対し、種々のヒトがん培養細胞
のそれぞれでどの遺伝子のメッセンジャーRNA量が変
化したのかのクラスター分析が行われた。また、あるヒ
トがん培養細胞に対し、種々の薬剤のそれぞれの投与時
でどの遺伝子のメッセンジャーRNA量が変化したのか
のクラスター分析も同時に行われた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本来、種々の薬剤への
応答メカニズムが、各細胞で共通しているのであれば、
両者のクラスター分析の結果は共通しなくてはならな
い。しかし、前述のScherfらの論文によると、細胞の種
類とメッセンジャーRNA間のクラスター分析と、薬剤
の種類とメッセンジャーRNA間のクラスター分析の結
果は大変に異なっていた。結局、前述のScherfらの論文
では遺伝子パスウェイに関する新たな情報は得られてい
ない。注意すべきは、Scherfらの用いたDNAアレイに
おいて、約9700個の遺伝子に対応するメッセンジャ
ーRNA量の変化が、遺伝子ごとに高精度に分離されて
測定されているか、検討されていない点である。測定精
度を確保するためのプローブ設計技術が適用されてはじ
めて、遺伝子ごとの高精度に分離した実験を行える。遺
伝子数が数千から数万という既存のアレイは、固定化す
る遺伝子数が多くプローブ間の類似配列を完全になくす
ことができないため、各遺伝子ごとを高精度で分離する
ことが難しくなる。このため遺伝子数が数千から数万と
いうアレイは、探索用途(Gene Discovery)には適してい
るが、遺伝子パスウェイを観察するような解析用途(Ana
lytical Use)には必ずしも好適とは言えない。ある現象
をDNAアレイを用いた発現解析から調べるためには、そ
の現象に関わる遺伝子群のみをプローブとしてアレイ化
することで同一基板上に載せるプローブの数をしぼるこ
とが、得られるデータの再現性・信頼性を高める上で大
切である。そのような観点から生体の薬物応答を調べる
ことに的を絞ったプローブを選定しアレイ化した、再現
性・信頼性の高いDNAアレイの開発が求められていた。
本発明の目的は、薬物応答を簡便、低コストでかつ信頼
性高く調べることができるオリゴヌクレオチドアレイを
提供することにある。特に、薬物応答を調べる上で不可
欠な遺伝子群を特定することでアレイ上に載せるDNA断
片の数を必要最小限とし、再現性・信頼性の高い薬物応
答解析用アレイを提供することを目的になされたもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、アレイを使用
して代謝プロセスを調べる上で、P-450をはじめとする
薬物代謝第一相反応酵素と薬物代謝第二相反応酵素関連
の遺伝子を数多く、少なくとも20種類以上、DNA断片
(プローブDNA)として、同一アレイ上に載せることが
必要であることを見いだした。さらに、特定のタンパク
質群をコードする遺伝子群が薬物応答を調べる格好のマ
ーカーになることを見いだした。薬物代謝酵素関連遺伝
子とそれ以外の機能を持つ遺伝子を同一アレイ上に載せ
る場合には、アレイ上のDNA断片数がおよそ1000―
1500以上になるとDNA断片間の配列の相同性が高く
なり信頼性が低下することから総DNA断片数の2%以上
を薬物代謝酵素関連遺伝子にする必要があることも見い
だした。同一の信号伝達経路(パスウエイ)上の信号伝
達関連遺伝子をアレイ上に載せることで、薬物の代謝経
路、さらには影響を受ける遺伝子のパスウエイを容易に
しらべることができることを見いだし、本発明の完成に
至った。以下、具体的な課題の解決手段を説明する。本
発明は、塩基配列の異なる複数のオリゴヌクレオチド
を、支持体上の既知の異なる位置に固定化したアレイで
あって、固定化した前記オリゴヌクレオチドの中で、そ
の総数の2%以上が、薬物代謝第一相反応酵素あるいは
薬物代謝第二相反応酵素のタンパク質ファミリーに属す
るタンパク質をコードする遺伝子の、あるいは前記遺伝
子の相補配列鎖の、少なくとも20塩基以上の塩基配列
を有するオリゴヌクレオチドであることを特徴とするオ
リゴヌクレオチドアレイである。また、本発明は、塩基
配列の異なる複数のオリゴヌクレオチドを、支持体上の
既知の異なる位置に固定化したアレイであって、薬物応
答に関わる(1)薬物代謝第一相反応酵素、(2)薬物
代謝第二相反応酵素、(3)サイトカイン、(4)核内
受容体、(5)信号伝達系、(6)ATP結合カセット、
(7)細胞周期制御の、タンパク質ファミリーに属する
タンパク質をコードする遺伝子の、あるいは前記遺伝子
の相補配列鎖の、少なくとも20塩基以上の塩基配列を
有するオリゴヌクレオチドを、同一の支持体上に固定化
したことを特徴とするオリゴヌクレオチドアレイであ
る。また、本発明は、塩基配列の異なる複数のオリゴヌ
クレオチドを、支持体上の既知の異なる位置に固定化し
たアレイであって、薬物応答に関わる(1)薬物代謝第
一相反応酵素、(2)薬物代謝第二相反応酵素、(3)
サイトカイン、(4)核内受容体、(5)信号伝達系、
(6)ATP結合カセット、(7)細胞周期制御の、タン
パク質ファミリーに属するタンパク質をコードする遺伝
子の、あるいは前記遺伝子の相補配列鎖の、少なくとも
20塩基以上の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド
を、同一の支持体上に固定化したことを特徴とするオリ
ゴヌクレオチドアレイであって、薬物代謝第一相反応酵
素及び薬物代謝第二相反応酵素のタンパク質ファミリー
に属するタンパク質をコードする遺伝子の、あるいは前
記遺伝子の相補配列鎖のオリゴヌクレオチドを、少なく
とも20種類以上、同一の支持体上に固定化したことを
特徴とする、オリゴヌクレオチドアレイである。また、
本発明は、塩基配列の異なる複数のオリゴヌクレオチド
を、支持体上の既知の異なる位置に固定化したアレイで
あって、同一の信号伝達経路上にある、細胞膜上受容体
あるいは核内受容体と転写因子との間に介在する細胞内
信号伝達関連タンパク質をコードする遺伝子の、あるい
は前記遺伝子の相補配列鎖の、少なくとも20塩基以上
の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを、少なくとも
2種類以上、同一の支持体上に固定化したことを特徴と
するオリゴヌクレオチドアレイである。また、本発明
は、同一の支持体上に固定化したオリゴヌクレオチド
が、少なくとも20塩基以上の塩基配列を有し、かつ、
2つ以上の異なる信号伝達経路に関連する遺伝子群ある
いは前記遺伝子群の相補鎖群からなり、前記遺伝子群が
同一の信号伝達経路上にある、細胞膜上受容体あるいは
核内受容体と転写因子との間に介在する細胞内信号伝達
関連タンパク質群をコードする少なくとも2種類以上の
遺伝子からなることを特徴とするオリゴヌクレオチドア
レイである。また、本発明は、塩基配列の異なる複数の
オリゴヌクレオチドを支持体上に固定化した第一のオリ
ゴヌクレオチドアレイを用いて、網羅的に遺伝子発現解
析を行うことで発現量に変化が見られる遺伝子群及び前
記遺伝子群と関連する遺伝子群を選定し、前記遺伝子群
及び前記関連遺伝子群の、あるいは前記遺伝子群及び前
記関連遺伝子群の相補配列鎖の、少なくとも20塩基以
上の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを支持体上に
固定化した第二のオリゴヌクレオチドアレイを作製し、
前記第二のオリゴヌクレオチドアレイを用いて遺伝子発
現解析を行う遺伝子発現解析方法である。生体の薬物に
対する応答の作用機序を高精度に解析するためには、1
種類の遺伝子とのみ相補的結合するはずのDNA断片
が、他遺伝子とも結合すること(クロスハイブリダイゼ
ーション)は避けなくてはならないことは自明である。
これは1枚のアレイ上に固定化する遺伝子数が多くなる
ほど困難になる。従って、遺伝子数が5千から数万とい
う探索用途のDNAアレイで各遺伝子間のクロスハイブ
リダイゼーションを皆無にすることも非常に困難であ
る。ブラストアルゴリズムに基づく配列相同性の検討の
結果、プローブとして用いるDNA断片の塩基長が100
0塩基以下である場合、1000−1500種類以下の
DNA断片を同一アレイ上に載せることが好ましいことが
判明した。そのため、DNAアレイを使用する目的が薬
物応答の作用機序の解明であれば、薬物の作用機序に関
連する遺伝子のみを可能なかぎり必要最小限集め、アレ
イ化することが望ましい。また、アレイのプローブとし
て用いるオリゴヌクレオチドの種類の数を少なく抑える
ことができることから、1つの種類のオリゴヌクレオチ
ドを複数箇所にプローブとして固定することができ、複
数箇所の信号強度を平均化することで信頼性を高めるこ
とができる。薬物応答の作用機序に関連する遺伝子のみ
を必要最小限集めるために、薬物が体内に取り込まれた
後の過程を考察する。体内に取り込まれた後、薬物はほ
とんどの例外なく薬物代謝酵素により代謝される。また
薬物は代謝されて効力を失うもの、代謝されて初めて薬
効を発揮するもの、代謝されることで好ましくない毒性
を発揮するものがある。そこで、薬物応答の作用機序を
遺伝子レベルで解析するためには、少なくとも薬物代謝
関連の遺伝子発現を解析する必要がある。代謝には多様
な代謝酵素が関与している。そして生体内代謝経路の関
与している薬物代謝反応は、通常無秩序にはおこらな
い。またある特別の薬物代謝経路が、通常単独で機能す
ることもない。1つの経路の活性は他の経路の活性に影
響を与え、相互に代謝を制御しあっていることが分かっ
ている。一説には、寄与の小さい(マイナー)なものを
含めると約千個の遺伝子が薬物代謝に関与していると言
われている。薬物代謝反応は一般に、第一相反応(官能
基導入反応)および第二相反応(抱合反応)に分類され
る。第一相反応では酸化、還元、加水分解、水和、脱チ
オアセチル化、異性化などの化学反応が生じ、第二相反
応では、グルクロン酸またはグルコース抱合反応、硫酸
抱合、メチル抱合、アセチル抱合、アミノ酸抱合、グル
タチオン抱合、脂肪酸抱合、縮合などの各化学反応が生
じている(G.G.ギブソン、P.スケット著、村田敏郎監
訳、薬物代謝学、講談社サイエンティフィク社出版、1
995年)。上記の多彩な薬物代謝関連酵素を全て網羅
することは、DNA断片数の増加に帰着し、前述のよう
にクロスハイブリダイゼーションを無くして高精度の解
析を実現することと背反する。そこで、第一相反応と第
二相反応のうちで、寄与の大きい(メジャー)なものを
選択する。ヒトでは、第一相反応に関連する遺伝子とし
て、チトクローム450遺伝子(CYP)1A1、CYP1A2、
CYP1B1、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、
CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4、CYP3A
5、CYP3A7および、アルコールデヒドロゲナーゼ、ア
ルデヒドデハイドロゲナーゼ、ジヒドロキシピリミジン
デヒドロゲナーゼ、NADPH-チトクロムP450レダクター
ゼ、DT−ジアホラーゼ、エステラーゼ、エポキシドヒド
ラーゼが代表的で、全体の薬剤代謝の9割以上が前記の
遺伝子の働きによると言われている(Evans, W.E.とRel
ling, M.、Pharmacogenomics: Translating functiona
l genomics into rational therapeutics, Science, vo
l.266, p.487-491, 1999)。また第二相反応に関連する
遺伝子として、カテコールO-メチルトランスフェラー
ゼ、グルタチオーネS−トランスフェラーゼ、ヒスタミ
ンメチルトランスフェラーゼ、N-アセチルトランスフェ
ラーゼ、スルフォトランスフェラーゼ、チオプリンメチ
ルトランスフェラーゼ、ウリジン5‘-トリホスフェー
トグルクロンシルトランスフェラーゼが、全体の8割以
上の薬物代謝に関与しているとも言われている(Evans,
W.E.とRelling, M.、同上)。そこで、少なくとも8
割以上の薬物代謝に関して、上記の遺伝子群の遺伝子発
現を見ることで、おおよその薬物代謝機構を解析するこ
とができる。代表的な第一相反応に関連する遺伝子だけ
で約40種類存在するため、どのように第一相反応(官
能基導入反応)が起きたかを調べるためには、少なくと
も40種類以上の代謝関連遺伝子をアレイ上にプローブ
として載せる必要がある。一方、薬物代謝物がどのよう
に生体に影響を及ぼすかについては、薬理作用の場合に
は薬剤の種類、目的からおおよそどのような遺伝子が制
御を受けるかはある程度予測できるが、副作用について
は、所望の薬理作用以外の作用全般であるため、一般に
は副作用関連遺伝子として知られている特定のものはほ
とんどない。そこで、数多くの遺伝子/ESTをプローブと
するアレイを作り、薬剤投与による遺伝子発現プロファ
イルの変化を多種類の薬剤について調べ、投与量の増加
とともに発現量が大きく変化する遺伝子をリストアップ
することとした。アレイのプローブとして15000種
類の遺伝子/ESTをImage Clone Consortium より購入し
スクリーニング用DNAプローブアレイを作製した。種類
の異なる代表的な薬剤として、免疫抑制剤であるサイク
ロスポリンA、抗血栓治療薬であるアスピリン、抗悪性
腫瘍薬であるアドリアマイシン、糖尿病治療薬であるト
ログリタゾンを選び、各薬剤をヒト由来株細胞であるCa
co-2、正常ヒト肝細胞、正常ヒト大動脈内皮細胞に投与
し、一定の経過時間の後に各細胞からメッセンジャーRN
Aを抽出して所定の方法により逆転写反応を行いcDNAを
合成した。投与後48時間経過した細胞からメッセンジ
ャーRNAを抽出し、蛍光色素Cy-5で標識されたdCTPを用
いて逆転写反応を行い蛍光標識したcDNAを合成した。一
方、同じ経過時間の間所定の条件下で培養していた薬剤
投与を行っていない各培養細胞からメッセンジャーRNA
を抽出し、これらをCy-3で標識されたdCTPを用いて逆転
写反応を行いcDNAを合成した。これらの薬物投与を行わ
なかった培養細胞、及び所定の薬剤、投与量、経過時間
の培養細胞から抽出したメッセンジャーRNAの逆転写物
であるcDNAを等量混合し、前記スクリーニング用DNAプ
ローブアレイにかけて所定の条件下でハイブリダイゼー
ションを行い、洗浄後レーザースキャナで各スポットの
蛍光強度を測定して、両培養細胞間の発現遺伝子の種
類、量を評価した。薬剤の投与量は、通常の適用量(サ
イクロスポリンA:20μg/ml、アスピリン:200μg/ml、
アドリアマイシン:5μg/ml、トログリタゾン:2μg/m
l)の場合とそれよりも50倍多い量の場合の2種類と
し、両者の発現量を比較して2倍以上その発現量が変化
した遺伝子を培養細胞の種類に関わらずリストアップ
し、表1に示した。薬剤の種類によらず、P−450を
はじめとした薬物代謝第一相反応酵素、薬物代謝第二相
反応酵素、さらに、サイトカイン、核受容体、信号伝達
系、ATP結合カセット、細胞周期制御に関連した遺伝子
群がその発現量を変化させていることがわかる。2倍以
上発現量が変化した遺伝子の中に薬物代謝酵素関連遺伝
子が含まれているのは、投与量が低い場合の通常の代謝
経路が飽和し他の経路で代謝せざるを得なくなったこと
が反映しているものと理解される。そのため、投与量が
低い場合の通常の代謝物ではない別の代謝物が生じるこ
ととなり、サイトカイン、核受容体、信号伝達系、ATP
結合カセット、細胞周期制御に関連した遺伝子群の発現
状態が低い投与量の場合に比べて大きく変化したものと
理解される。以上の結果から、発明者らは、生体の薬物
に対する応答を遺伝子の発現状態の変化で観測すること
が可能であり、特にP−450やその他の薬物代謝第一
相反応酵素、薬物代謝第二相反応酵素、さらに、サイト
カイン、核受容体、信号伝達系、ATP結合カセット、細
胞周期制御に関連した遺伝子群の発現状態を観測すれば
生体の薬物応答を分析できることを見いだし、本発明を
完成するに至った。すなわち、薬物応答を解析するに
は、薬物代謝関連遺伝子としてP−450をはじめとす
る薬物代謝第一相反応酵素、薬物代謝第二相反応酵素、
それらに加え、さらにサイトカイン、核受容体、信号伝
達系、ATP結合カセット、細胞周期制御関連遺伝子を、
それぞれ必要最小限、固定化したDNAアレイが最も適
している。サイトカイン(cytokines)は、リンパ球や血
球細胞が細胞の増殖と分化を誘導する因子として分泌す
る生理活性ペプチドの総称であり、主なサイトカインと
して、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF, granulocyte-co
lony stimulating factor)、マクロファージコロニー刺
激因子(M-CSF, macrohage-colony stimulating facto
r)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF, g
ranulocyte-macrophagecolony stimulating factor)、
エリスロポエチン(erythropoietin)、トロンボポエチン
(thrombopoietin)、幹細胞因子(SCF, stem cell facto
r)、インターロイキン(interleukin)1,2,3,4,
5,6,7,8,9,10,11,12、腫瘍壊死因子
(TNF, tumor necrosis factor)、インターフェロン(int
erferon)が挙げられる。核受容体としては、ステロイド
ホルモン受容体、甲状腺ホルモン受容体、レチノイド受
容体、ビタミンD受容体、エストロゲン受容体、コルチ
ゾール受容体等を挙げることができる。多くの信号伝達
では、タンパク質がリン酸化という化学的な変化を受け
ることで活性化し、これが隣接する別のタンパク質をリ
ン酸化するという反応が次々とおこることで信号が伝わ
っていくという機構が一般的である。信号伝達経路をパ
スウエイと呼び、経路上の代表的なタンパク質の名前を
付けて区別することが一般的である(命名方法はwww.bi
ocarta.comを参照した)。たとえば、MAPK(mitogen ac
tivated protein kinase)、ATM(ataxia telangiectas
ia mutated)、BCR(B cell receptor)、CD40(腫瘍壊
死因子受容体関連)、CXCR4(ケモカイン受容体関
連)、EGF(epidermal growth factor)、EPO(erythro
poietin)、 FAS(fatty-acyl-CoA synthase)、 FcEps
ilon(Fc fragment of IgE receptor)、IFN(interfe
ron)alpha、IFN(interferon)gamma、IGF-1(insulin
-like growth factor-1)、IL(interleukin)-2、-3、
-4、-5、-6、-18、Insulin、 Mitochondria、 NFκB(n
uclear factor κB)、NGF(nerve growth factor)、p
53、PDGF(platelet derived growth factor)、 PLC
(phospholipase C)、 SODD(silencer of death doma
ins)、 TCR(T cell receptor)、TGFβ(transformin
g growth factor β)、TNFR1(tumor necrosis facto
r receptor 1)、 TNFR2(tumor necrosis factor rece
ptor 2)、TPO(thrombopoietin)、 Wnt(wingless/in
t-1)が知られている(たとえばwww.biocarta.com)。
これらのパスウエイ上のキイとなるタンパク質をコード
する遺伝子をアレイ上にプローブとして載せることによ
り、試料の細胞や組織中で機能するパスウエイを同定す
ることができる。特に、パスウエイ上の1つのタンパク
質の機能に障害があるような場合には、パスウエイ上の
信号伝達がどこで中断したのかを明らかにすることもで
きる。ATP結合カセット(ABC; ATP-binding cassette)
は、P糖タンパク質、多剤耐性タンパク質などを含むス
ーパーファミリーを形成しており、その多くは細胞内に
取り込まれた薬剤を細胞外へ搬出する機能に関与してい
るものと考えられている(C. F. Higgins、Annual Revi
ew of Cell Biology、8巻、67−113頁、1992
年)。たとえば、ABCB3、CFTR、ABCB10、ABCB9、ABCF
1、ABCG1、ABCE1、ABCA6、ABCB1、ABCA3、ABCC6、ABCA
8、ABCC8、ABCB10、ABCB4、ABCD3、ABCC1、ABCC3、ABCF
3、ABCD4、ABCB6、ABCC5、ABCD2、ABCB8、ABCA2、ABCB
7、ABCC4、ABCF2、ABCB2、ABCB11、ABCD1、ABCA5、ABCC
2、ABCG2、ABCA4、ABCA1、ABCC9、ABCB5等を挙げること
ができる。細胞周期の調節を司るタンパク質として、サ
イクリン(cyclin)とサイクリン依存性キナーゼ(CDK、c
yclin-dependent kinase)、CDK阻害因子(CKI, CDK inh
ibitor)、例えばサイクリンA, サイクリンB, サイクリ
ンD, サイクリンE、CDK1、CDK2、CDK4、CDK6、が挙げら
れる。上記の遺伝子の配列を持つオリゴヌクレオチドを
プローブとしてアレイ上に載せるためには、遺伝子配列
のどの部分の配列をプローブとするかを決める必要があ
る。その際考慮しなければならないのが、融解温度(Tm,
melting temperature)とクロスハイブリダイゼーショ
ンである。DNAアレイ上に固定化された各DNA断片
と試料由来DNA断片間での、ハイブリダーゼーション
を高精度(ないしは高ストリンジェント、highly strin
gent)に行うためには、ハイブリダイゼーション温度(T
h, hybridization temperature)と固定化DNA断片の
融解温度(Tm, melting temperature)の関係が重要であ
り、固定化DNA断片の融解温度とハイブリダイゼーシ
ョン温度との差異が30℃を超えないことが必要であ
る。また、クロスハイブリダイゼーションは、DNA配
列同士のホモロジーが高いために生じるので、クロスハ
イブリダイゼーションを防ぐためには、固定化DNA断
片と、試料由来のDNA断片のうち固定化DNA断片と
本来ハイブリダイズしないDNA断片との相同性が十分
低いことが必要である。さらには、ミニヘアピン構造を
とるような配列や、ヒト遺伝子の場合にAlu配列として
知られているような繰り返し配列と相同性が有意に高い
部分が含まれないことが望ましい。また、1枚のアレイ
上に固定化する遺伝子配列同士のホモロジーを計算する
のみならず、DNA配列とGENBANK等の対象とな
る生物種の遺伝子配列とのホモロジーを計算する必要も
ある。DNAアレイ上に固定化するDNA断片候補の配
列と、測定対象試料に含まれている可能性のある遺伝子
群のDNA配列とを比較して、ホモロジーが有意に高い
DNA配列は、固定化DNA断片としては選択しないこ
とが望ましい。プローブとして固定化するDNA断片は、
市販のcDNAライブラリをテンプレートしてPCR反応によ
り容易に合成することができる。これを所定の濃度
(0.1−1.0μg/μl)になるよう調整し、スポッ
ターを用いて、あらかじめポリリジンあるいはアミノシ
ランをコートしたスライドガラス上にスポットすること
でオリゴヌクレオチドアレイを作製できる。上記オリゴ
ヌクレオチドアレイを用いて薬物応答を調べるには、以
下の手順で行うことができる。適当な培養細胞系を選択
し、2つのシャーレに入れ、一方に生体に対する応答を
調べる薬物を所定量加える。所定の時間が経過した後、
両者の培養細胞からメッセンジャーRNAを抽出する。オ
リゴdTプライマーを用いた逆転写反応により薬物投与し
た細胞のメッセンジャーRNAについては、Cy5−dC
TPを用いて蛍光標識されたcDNAを合成し、薬物投与
していない細胞のメッセンジャーRNAについては、C
y3−dCTPを用いて蛍光標識されたcDNAを合成す
る。薬物投与した細胞由来のcDNA(Cy5標識)と
薬物投与しない細胞由来のcDNA (Cy3標識)を混
合して同一の前記オリゴヌクレオチドアレイにかけ、所
定の温度、時間の間ハイブリダイズさせる。ハイブリダ
イゼーション温度は45−70℃、ハイブリダイゼーシ
ョン時間は6−18時間が好ましい。ハイブリダイゼー
ション後、蛍光スキャナーにより各遺伝子をスポットし
た箇所のCy5とCy3のそれぞれの蛍光強度を比較し、
両者での発現量の差を求めることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下具体例を示して詳細に説明する。 (実施例1)本発明を、薬物の種類の違いによる代謝酵
素の違いを調べた例を記す。薬物代謝第一相反応酵素及
び薬物代謝第二相反応酵素をコードするヒト遺伝子とし
て表2乃至表表8に示す144種類の遺伝子(薬物代謝
関連ヒト遺伝子)を選定し、PCR用プライマーを設計し
た後、ヒト肝臓cDNAライブラリ(クローンテック社製)
を用いて各種遺伝子のオリゴヌクレオチド断片を作製し
た。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】
【表3】
【0011】
【表4】
【0012】
【表5】
【0013】
【表6】
【0014】
【表7】
【0015】
【表8】
【0016】これらのプローブDNAを3×SSCに溶かし、
濃度が0.5μg/μlになるよう調整した。これらのプロ
ーブDNA溶液をスポッターを用いて、あらかじめポリリ
ジンをコートしたスライドガラス上に、各プローブDNA
1種類につき5カ所にスポットすることでオリゴヌクレ
オチドアレイを作製した。ヒト由来株細胞Caco-2を16
枚のシャーレ中に十分培養した後、各シャーレに1種類
ずつ合計8種類の薬物を投与した。投与した薬物は、1,
2,3,4-テトラクロロジベンゾーp−ジオキシン、3−メ
チルコラントレン、フェノバルビタールナトリウム、エ
タノール、アセトン、イソニコチノヒドラジド、デキサ
メタゾン、クロフィブラート(以上和光純薬工業製)
で、各5μMの濃度になるよう投与した。投与してから
12時間経過後に各々の培養細胞からメッセンジャーRN
Aを抽出し、Cy5-dCTPを用いた逆転写反応によりCy5で標
識したcDNAを合成した。残りの8枚の培養細胞に対して
は薬物を投与せずに12時間培養を続けた後細胞よりメ
ッセンジャーRNAを抽出した後、Cy3-dCTPを用いた逆転
写反応によりCy3で標識したcDNAを合成した。薬物投与
した細胞と投与していない細胞から抽出したcDNAを等量
混合した後、前記オリゴヌクレオチドアレイにかけハイ
ブリダイゼーションを62℃、12時間行った。洗浄後
スキャナー(GSI-Lumonics社製ScanArray 5000)により
各スポットの蛍光強度を測定し、5カ所のスポットの蛍
光強度の平均値を算出してその発現量を求めた。各種の
薬物を投与することで発現量が2倍以上変化した遺伝子
を表8乃至表53に示す。P−450代謝酵素に着目す
ると、各薬剤によって同じP−450であっても種類の
異なる酵素をコードする遺伝子が発現していることが分
かる。このように、本発明のアレイを用いることで、薬
剤の種類によって代謝を司る酵素の違いを明瞭に調べる
ことができる。薬物とそれを代謝する酵素の種類につい
ては、Waxmanら(Biochemical Journa, 288巻、577-592
頁)が報告しているが、表9乃至表54(薬物応答解析
用ヒト遺伝子リスト)の結果はWaxmanらの結果と完全に
一致している。
【0017】
【表9】
【0018】
【表10】
【0019】
【表11】
【0020】
【表12】
【0021】
【表13】
【0022】
【表14】
【0023】
【表15】
【0024】
【表16】
【0025】
【表17】
【0026】
【表18】
【0027】
【表19】
【0028】
【表20】
【0029】
【表21】
【0030】
【表22】
【0031】
【表23】
【0032】
【表24】
【0033】
【表25】
【0034】
【表26】
【0035】
【表27】
【0036】
【表28】
【0037】
【表29】
【0038】
【表30】
【0039】
【表31】
【0040】
【表32】
【0041】
【表33】
【0042】
【表34】
【0043】
【表35】
【0044】
【表36】
【0045】
【表37】
【0046】
【表38】
【0047】
【表39】
【0048】
【表40】
【0049】
【表41】
【0050】
【表42】
【0051】
【表43】
【0052】
【表44】
【0053】
【表45】
【0054】
【表46】
【0055】
【表47】
【0056】
【表48】
【0057】
【表49】
【0058】
【表50】
【0059】
【表51】
【0060】
【表52】
【0061】
【表53】
【0062】
【表54】
【0063】(実施例2)本発明を、薬剤の代謝経路及
び他の薬剤が共存する場合の影響について調べた例を記
す。薬剤としてアセトアミノフェンを選んだ。実施例1
に記載したのと同じ方法によりオリゴヌクレオチドアレ
イを作製した。ヒト由来株細胞Caco-2を4枚のシャーレ
中に十分培養した。そのうち2枚の培養細胞に対して、
以下の2種類の条件で薬剤を投与した。 アセトアミノフェン10μg/ml アセトアミノフェン10μg/ml+サリチル酸50μg/ml 投与後12時間経過した後、各々の培養細胞からメッセ
ンジャーRNAを抽出し、Cy5-dCTPを用いた逆転写反応に
よりCy5で標識したcDNAを合成した。一方、のこりの2
枚のシャーレ中の培養細胞に対しては何も薬物を投与せ
ず12時間培養を続けたあと、メッセンジャーRNAを抽
出し、Cy3-dCTPを用いた逆転写反応によりCy3で標識し
たcDNAを合成した。薬物投与した細胞と投与していない
細胞から抽出したcDNAを等量混合した後、前記オリゴヌ
クレオチドアレイにかけハイブリダイゼーションを62
℃、12時間行った。洗浄後、実施例1と同じスキャナ
ーにより各スポットの蛍光強度を測定しその発現量を求
めた。アセトアミノフェンが単独でかつ濃度が低い場合
には、スルフォトランスフェラーゼ関連遺伝子(SULT1A
1、SULT1A2)やグルクロノシルトランスフェラーゼ関連
遺伝子(UGT1A9)の抱合反応酵素関連遺伝子が発現して
いた。一方、同じ濃度のアセトアミノフェンとともにサ
リチル酸を投与した場合には、抱合反応関連遺伝子の発
現に加え、NADPH-P-450酵素関連遺伝子(DIA4、NMOR2)
及びグルタチオントランスフェラーゼ関連遺伝子(GSTA
2、GSTM5)の発現が認められた。これは、アセトアミノ
フェンの代謝経路である硫酸抱合やグルクロン酸抱合反
応が、サリチル酸が加わると競合阻害を受けるため、NA
DPH-P-450酵素さらにはグルタチオン抱合反応による代
謝経路が働きだしたものと解釈できる。以上のように、
本発明のアレイを用いることで、薬剤の代謝経路、さら
に複数の薬剤の共存による代謝経路の変化を容易に調べ
ることができるが明らかとなった。 (実施例3)本発明を、免疫抑制剤であるタクロリムス
の薬物応答解析に適用した例を記す。表8乃至表53
に、本願請求項2及び3に記載した基準に従って選択し
た、薬物応答解析の要となるヒト遺伝子のリストを示
す。それぞれの遺伝子配列に対応するGENBANKのアクセ
ション番号と遺伝子名を記載している。実施例1に記載
したプローブとなるオリゴヌクレオチドの合成方法、ア
レイの作製方法で、表8乃至表53でリストアップした
1147個のプローブを載せたオリゴヌクレオチドアレ
イを作製した。正常ヒト肝細胞(Normal Human Hepatoc
yte)を3枚のシャーレ中に移した後、1枚の培養細胞
に対してタクロリムス(藤沢薬品工業社製 プログラ
フ)を10μg/μl、もう1枚の培養細胞に対して10
0μg/μl(通常投与量の約10倍量)投与し、48時
間経過後に各々の細胞からメッセンジャーRNAを抽出
し、Cy5-dCTPを用いた逆転写反応によりCy5で標識をつ
けたcDNAを合成した。もう1枚の培養細胞に対してはタ
クロリムスを投与せずに48時間培養を続けた後細胞よ
りメッセンジャーRNAを抽出した後、Cy3-dCTPを用いた
逆転写反応によりCy3で標識をつけたcDNAを合成した。
薬物投与した細胞と投与していない細胞から抽出したcD
NAを等量混合した後、前記オリゴヌクレオチドアレイに
かけハイブリダイゼーションを62℃、12時間行っ
た。洗浄後、実施例1と同じスキャナーにより各スポッ
トの蛍光強度を測定し発現量を求めた。その結果、タク
ロリムスを投与することで発現量が3倍以上変化した遺
伝子を表55に示す。
【0064】
【表55】
【0065】投与量が増えると発現する薬物代謝酵素関
連遺伝子群の種類が変化していることが分かる。投与量
が増えると投与量が低い場合の通常の代謝経路が飽和し
他の経路で代謝せざるを得なくなったことが反映してい
るものと理解される。さらに、発現するサイトカイン、
核内受容体、信号伝達系、ATP結合カセット、細胞周期
制御に関わる遺伝子群の種類が、投与量が多くなるとを
変化していることが分かる。これは、投与量が多くなる
と投与量が低い場合の通常の代謝物ではない別の代謝物
が生じることとなり、サイトカイン、核受容体、信号伝
達系、ATP結合カセット、細胞周期制御に関連した遺伝
子群の発現状態が大きく変化したものと理解される。こ
のように、本発明のオリゴヌクレオチドアレイは、薬物
の代謝及びその後に続く薬物の影響を的確かつ明瞭に調
べることを可能としていることが明らかである。 (実施例4)本発明を、薬剤の作用経路(パスウエイ)
解析に用いた例を記す。薬剤として抗悪性腫瘍剤(薬品
名:5−aza−2‘−deoxy−cytidin
e、以下5−Aza−CdR)を選んだ。実施例3に記
載した方法により、実施例3で用いたものと同じオリゴ
ヌクレオチドアレイを作製した。培養細胞としてはヒト
結腸癌培養細胞(HT29)を用い、6枚のシャーレに
十分量培養した。3枚のシャーレに5−Aza−CdR
を500ナノモル投与し、それぞれを1、5、9日間培
養を続けた後、メッセンジャーRNAを抽出した。残り
の3枚について薬剤投与を行わず、それぞれを1、5、
9日間つづけて培養した後、メッセンジャーRNAを抽
出した。オリゴdTプライマーを用いた逆転写反応によ
り、薬剤処理した細胞のメッセンジャーRNAについて
は、Cy5−dCTPを用いて蛍光標識されたcDNAを合
成した。また薬剤処理しない細胞のメッセンジャーRN
Aについては、Cy3−dCTPを用いて蛍光標識されたc
DNAを合成した。薬剤処理した細胞由来のcDNA
(Cy5標識)と薬剤処理しない細胞由来のcDNA
(Cy3標識)を混合して、同一の前記オリゴヌクレオ
チドアレイとハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼー
ション温度は62℃、ハイブリダイゼーション時間は1
2時間とした。ハイブリダイゼーション後、実施例1と
同じ蛍光スキャナーによりCy5とCy3のそれぞれの蛍
光強度を数値化した。この実験の結果、Cy5蛍光強度
/Cy3蛍光強度が2倍以上であった遺伝子は、例えば
24時間後で、STAC、STAT1、STAT2、IFIT1、IFI27、IS
G15、MX2、P2Y5、PRAB、G1P3、MX1、SP100、SCYB10であ
った。これらのうち、STAT1、STAT2、IFIT1、IFI27、IS
G15、MX2、G1P3、MX1、SP100、SCYB10の発現量は、Cy
5蛍光強度/Cy3蛍光強度が9日間を通じて常に2倍
以上であり、1日後よりは5日後が約2倍ほどその発現
量を増やし、9日後は5日後の約1.3倍ほど発現量が増
加していた。これら長時間にわたって発現していた遺伝
子群STAT1、STAT2、IFIT1、IFI27、ISG15、MX2、G1P3、
MX1、SP100、SCYB1は、インタ−フェロン(IFN)αに関連
する遺伝子群である。以上のことより、5−Aza−C
dRの投与は、インターフェロン信号伝達系(パスウエ
イ)を活性化していることが明確になった。この結果
は、Karpfらの報告結果(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
96巻, 14007-14012頁, 1999年)とも合致している。本
発明のオリゴヌクレオチドを用いることで、抗悪性腫瘍
剤の一種である5−Aza−CdRに対するヒト細胞の
薬剤応答の様子、及びその時間依存性を再現性良くかつ
高精度で観察できることが明らかとなった。
【0066】
【発明の効果】本発明は、上記薬物応答に関する検討結
果をもとに完成されたものであって、本発明のオリゴヌ
クレオチドアレイを用いることで、生体に入った薬物が
どのような経路を経て代謝されるか、その代謝物がどう
ように生体の生命活動に影響を与えるかを遺伝子レベル
で簡便に調べることができる。また、本発明のアレイで
はあらかじめ薬物応答に深く関わるオリゴヌクレオチド
プローブを絞り込んでいるため、アレイのプローブとし
て用いるオリゴヌクレオチドの種類の数を少なく抑える
ことができることから、1つの種類のオリゴヌクレオチ
ドを複数箇所にプローブとして固定することができ、複
数箇所の信号強度を平均化することで信頼性を高めるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 G01N 33/53 M 33/53 33/566 33/566 37/00 102 37/00 102 C12N 15/00 A (72)発明者 加藤 宏一 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所ライフサイエンス推進 事業部内 (72)発明者 奈良原 正俊 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所ライフサイエンス推進 事業部内 Fターム(参考) 2G045 AA28 AA34 AA35 AA40 CB01 DA12 DA13 DA14 DA20 DA36 DA77 FB01 FB02 4B024 AA11 AA19 CA01 CA04 CA11 CA12 HA14 4B029 AA23 BB20 CC03 CC08 4B063 QA01 QA07 QA18 QA19 QQ53 QQ61 QR32 QR55 QR77 QS03 QS34 QS36 QS39 QX02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基配列の異なる複数のオリゴヌクレオチ
    ドを、支持体上の既知の異なる位置に固定化したアレイ
    であって、少なくとも40種類以上の、薬物代謝第一相
    反応酵素あるいは薬物代謝第二相反応酵素のタンパク質
    ファミリーに属するタンパク質をコードする遺伝子の、
    あるいは前記遺伝子の相補配列鎖の、少なくとも20塩
    基以上の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドが固定化
    されていることを特徴とするオリゴヌクレオチドアレ
    イ。
  2. 【請求項2】塩基配列の異なる複数のオリゴヌクレオチ
    ドを、支持体上の既知の異なる位置に固定化したアレイ
    であって、薬物応答に関わる(1)薬物代謝第一相反応
    酵素、(2)薬物代謝第二相反応酵素、(3)サイトカ
    イン、(4)核内受容体、(5)信号伝達系、(6)AT
    P結合カセット、(7)細胞周期制御の、タンパク質フ
    ァミリーに属するタンパク質をコードする遺伝子の、あ
    るいは前記遺伝子の相補配列鎖の、少なくとも20塩基
    以上の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを、同一の
    支持体上に固定化したことを特徴とするオリゴヌクレオ
    チドアレイ。
  3. 【請求項3】薬物代謝第一相反応酵素及び薬物代謝第二
    相反応酵素のタンパク質ファミリーに属するタンパク質
    をコードする遺伝子の、あるいは前記遺伝子の相補配列
    鎖の、少なくとも20塩基以上の塩基配列を有するオリ
    ゴヌクレオチドを、少なくとも40種類以上、同一の支
    持体上に固定化したことを特徴とする、前記請求項2に
    記載したオリゴヌクレオチドアレイ。
  4. 【請求項4】塩基配列の異なる複数のオリゴヌクレオチ
    ドを、支持体上の既知の異なる位置に固定化したアレイ
    であって、同一の信号伝達経路上にある、細胞膜上受容
    体あるいは核内受容体と転写因子との間に介在する細胞
    内信号伝達関連タンパク質をコードする遺伝子の、ある
    いは前記遺伝子の相補配列鎖の、少なくとも20塩基以
    上の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを、少なくと
    も2種類以上、同一の支持体上に固定化したことを特徴
    とするオリゴヌクレオチドアレイ。
  5. 【請求項5】前記請求項4において、同一の支持体上に
    固定化したオリゴヌクレオチドが、少なくとも20塩基
    以上の塩基配列を有し、かつ、異なる2つ以上の信号伝
    達経路に関連する遺伝子群あるいは前記遺伝子群の相補
    鎖群からなり、前記遺伝子群が同一の信号伝達経路上に
    ある、細胞膜上受容体あるいは核内受容体と転写因子と
    の間に介在する細胞内信号伝達関連タンパク質群をコー
    ドする少なくとも2種類以上の遺伝子からなることを特
    徴とするオリゴヌクレオチドアレイ。
  6. 【請求項6】塩基配列の異なる複数のオリゴヌクレオチ
    ドを支持体上に固定化した第一のオリゴヌクレオチドア
    レイを用いて、網羅的に遺伝子発現解析を行うことで発
    現量に変化が見られる遺伝子群及び前記遺伝子群と関連
    する遺伝子群を選定し、前記遺伝子群及び前記関連遺伝
    子群の、あるいは前記遺伝子群及び前記関連遺伝子群の
    相補配列鎖の、少なくとも20塩基以上の塩基配列を有
    するオリゴヌクレオチドを支持体上に固定化した第二の
    オリゴヌクレオチドアレイを作製し、前記第二のオリゴ
    ヌクレオチドアレイを用いて遺伝子発現解析を行う遺伝
    子発現解析方法。
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