JP2002222640A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JP2002222640A
JP2002222640A JP2001346875A JP2001346875A JP2002222640A JP 2002222640 A JP2002222640 A JP 2002222640A JP 2001346875 A JP2001346875 A JP 2001346875A JP 2001346875 A JP2001346875 A JP 2001346875A JP 2002222640 A JP2002222640 A JP 2002222640A
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battery
battery case
electrode plate
aluminum
lithium secondary
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JP2001346875A
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Masanobu Kito
賢信 鬼頭
Hiroshi Nemoto
宏 根本
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低自己放電率であるとともに大電流の放電が
可能であり、かつ、限界放電電流の大きいリチウム二次
電池を提供する。 【解決手段】 正極板2と負極板3とを、多孔性ポリマ
ーからなるセパレーターフィルム4を介して捲回した内
部電極体1を電池ケースに収容したリチウム二次電池で
ある。電池ケースとして、純アルミニウムまたはアルミ
ニウムに少なくともマンガン、マグネシウム、シリコ
ン、銅から選択される1以上の成分を添加してなるアル
ミニウム合金からなるものを使用するとともに、電池ケ
ースは円筒形であり、電池ケースの外径をd(mm
φ)、肉厚をt(mm)としたときに、0.01≦t/
d≦0.04なる関係式が成り立ち、かつ、正極活物質
としてマンガン酸リチウムを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、安全性に優れ、
重量エネルギー密度(単位重量当たりに蓄えられるエネ
ルギー、以下、「エネルギー密度」という)の大きな、
特に電気自動車用として好適に用いられるリチウム二次
電池に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、リチウム二次電池は、携帯型電
子機器用の小型電源用電池として急速に普及している
が、ガソリン車に替わる電気自動車用のモータ駆動用バ
ッテリーや、夜間電力保存用電池としての大容量大型電
池の開発もまた、早期実用化に向けて進められている。
【0003】 リチウム二次電池の構造は、図2に示す
捲回型と、図3に示す積層型とに大別される。捲回型の
内部電極体1は、正極板2と負極板3とをセパレータ4
を介して捲回したものであり、大面積の正極板2等を筒
状の容器に収納できるようにしたものである。この捲回
型の場合には、各電極板2、3からのリード線5の数は
最低1本あればよく、各電極板2、3からの集電抵抗を
小さくしたい場合でも、リード線の数を増加させればよ
く、電池内部の構造が複雑にならず、電池の組立が容易
である利点がある。
【0004】 一方、積層型の内部電極体7は、正極板
8と負極板9とをセパレータ10を介しながら交互に複
数積層したもので、正極板8等の1枚当たりの面積は大
きくはないが、複数段に積層することによって電池全体
の電極面積を大きくすることができる。作製される内部
電極体7の形状は、各電極板8、9の形状と積層数によ
り、直方体型や円板型あるいは筒型と任意に設計するこ
とができる。しかし、各電極板8、9ごとにリード線6
が必要となることから、電池内部が複雑化し、電池の組
立作業性の観点から捲回型に劣る欠点がある。
【0005】 上述した捲回型、積層型いずれの構造で
あっても、内部電極体は、各電極板とリード線とがお互
いに接触しないように、金属製の電池ケースに収容され
るが、従来よりこの電池ケースとしてはステンレスが最
も汎用され、また、ニッケルやチタン等が用いられる場
合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、ステ
ンレスやニッケルは比重が大きいために、電池ケースと
して使用した場合には、電池自体が重くなり、結果的に
エネルギー密度が小さくなるという欠点がある。これに
対してチタンは、ステンレスやニッケルに比べて比重が
小さく、耐食性に優れるという長所があるが、高価であ
るために、その利用は宇宙開発等の特殊な用途に限ら
れ、汎用電池部品としての利用は困難である。また、リ
チウム二次電池においては、電池ケース自体を正極側あ
るいは負極側の電流流路として用いる場合が多々あり、
これらの金属では電気抵抗が大きく、出力損失の原因と
なる。さらに、これらの金属においては、電池ケースの
加工性が必ずしもよいとはいえない。
【0007】 こうした状況下において、電気自動車
(EV)もしくはハイブリッド電気自動車(HEV)用
のリチウム二次電池としては、単電池の容量として少な
くとも50Wh以上あること、自動車自体の重量を大き
くしないためにも電池自体が軽量であること、さらに、
安全性が高いことが要求される。このような要求を満足
すべく、従来より、特に安全性に配慮して、高融点・高
強度であるステンレスが使用されているが、前述したよ
うに、電池の軽量化の問題を解決することは困難であ
る。また、EV、HEVにおいては、加速時に大電流が
必要となるが、電池ケースを電流路といて使用する場合
には、電池ケースの電気抵抗の大きさも無視できなくな
り、また、大型化された電池ケースの加工性の問題も残
る。ニッケルやチタンを用いた場合にも、これらの素材
の有する物理的特性のためにこれらの問題解決は困難で
ある。
【0008】 そこで、発明者らは、これらの問題を解
決すべく、軽量で電子伝導性に優れ、加工性のよいアル
ミニウムを電池ケースとして使用することの可能性につ
いて検討した。このようなアルミニウムを50Wh以上
の大型電池の電池ケースとして適用した前例はなく、こ
れは、アルミニウムの融点が660℃と前述した材料よ
りも相当低く、電池の誤用等により電池ケースが軟化、
溶融した場合に電解液が蒸発、燃焼し、最悪の場合には
爆発を起こす可能性が危惧されたためと思われる。
【0009】 このような安全性確保が厳格に要求され
る中、発明者らは、アルミニウム電池ケースを用いた場
合であっても、電池のケースの形状を最適化することで
エネルギー密度の低下を防止できることを見い出し、本
発明に到達した。
【0010】
【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明によ
れば、正極板と負極板とを、多孔性ポリマーからなるセ
パレーターフィルムを介して当該正極板と当該負極板と
が直接に接触しないように捲回または積層した内部電極
体を電池ケースに収容したリチウム二次電池であって、
当該電池ケースが純アルミニウムまたはアルミニウムに
少なくともマンガン、マグネシウム、シリコン、銅から
選択される1以上の成分を添加してなるアルミニウム合
金からなるとともに、当該電池ケースが円筒形であり、
当該電池ケースの外径をd(mmφ)、肉厚をt(m
m)としたときに、0.01≦t/d≦0.04なる関
係式が成り立ち、かつ、正極活物質としてマンガン酸リ
チウムを用いることを特徴とするリチウム二次電池が提
供される。
【0011】 また、このような条件は、電池容量が5
0Wh以上のリチウム二次電池に適用することが好まし
く、このような条件を満たすリチウム二次電池は、電気
自動車用もしくはハイブリッド電気自動車用電池として
好適に用いられる。
【0012】
【発明の実施の形態】 上述の通り、本発明のリチウム
二次電池は、高い安全性を確保しつつ電池ケースの軽量
化が図られ、その結果、高いエネルギー密度を有するも
のである。以下、本発明の実施形態について説明する
が、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではな
い。
【0013】 本発明におけるリチウム二次電池の内部
電極体は、正極板と負極板とを多孔性ポリマーからなる
セパレーターフィルムを介して正極板と負極板とが直接
に接触しないように捲回または積層して構成され、具体
的には、先に図2および図3に示した構造のもの、すな
わち、内部電極体1・7を挙げることができる。
【0014】 正極板としては、正極活物質と導電性を
向上させるためのカーボン粉末とを混合したものをアル
ミニウム箔に塗布したものが用いられる。ここで、正極
活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2
やニッケル酸リチウム(LiNiO2)あるいはマンガ
ン酸リチウム(LiMn24)等を例示することがで
き、本発明においては、このうちLiMn24が好適に
用いられる。また、カーボン粉末としては、アセチレン
ブラックやグラファイト粉末等を例示することができ
る。なお、正極板を構成するアルミニウム箔としては、
電池の電気化学反応による腐食による電池性能の低下を
防止するために、高純度の材料を使用することが好まし
い。
【0015】 一方、負極板としては、負極活物質とし
てソフトカーボンやハードカーボンといったアモルファ
ス系炭素質材料や天然黒鉛等の炭素質粉末を銅箔に塗布
したものが好適に使用される。ここで負極板として使用
される銅箔についてもまた、正極板に使用されるアルミ
ニウム箔と同様に、電気化学反応による腐食に耐えるた
めに、高純度の材料を使用することが好ましい。
【0016】 なお、負極に前述した炭素質材料を用い
た場合、電池の最初の充電反応時に炭素質材料に吸着さ
れた一部のリチウムイオンが、炭素質材料に吸着したま
まそれ以降の充放電反応に寄与しなくなる、いわゆるデ
ッドリチウムとなって電池容量の低下を引き起こすこと
が知られている。したがって、負極活物質用の炭素質材
料としては、このデッドリチウム量の小さな材料を選択
することが好ましい。
【0017】 セパレータフィルムとしては、マイクロ
ポアを有するリチウムイオン透過性のポリエチレンフィ
ルムを、多孔性のリチウムイオン透過性のポリプロピレ
ンフィルムで挟んだ三層構造としたものが好適に用いら
れる。これは、内部電極体の温度が上昇した場合に、ポ
リエチレンフィルムが約130℃で軟化してマイクロポ
アが潰れてリチウムイオンの移動、すなわち電池反応を
抑制する安全機構を兼ねたものである。そして、このポ
リエチレンフィルムを、より軟化温度の高いポリプロピ
レンフィルムで挾持することによって、セパレータフィ
ルムと正負両電極板との接触・溶着を防止することがで
きる。
【0018】 このような材料を用いて作製された内部
電極体は電池ケースに収容されるが、本発明において
は、この電池ケースとして、純アルミニウムまたはアル
ミニウムに少なくともマンガン、マグネシウム、シリコ
ン、銅から選択される1以上の成分を添加してなるアル
ミニウム合金からなるものが使用される。ここで、純ア
ルミニウムとは、100%純度のアルミニウムを指すも
のではなく、通常の精錬工程や製造工程で不可避的に混
入する不純物が含まれても構わず、具体的には純度99
%以上であれば好ましい。また、アルニミウム合金につ
いても、主成分たるアルミニウムについては、同様に通
常の製造工程で不可避的に混入する不純物を排除する意
味ではない。なお、アルミニウム合金の具体例として
は、JIS記載の合金番号3203(アルミニウム−マ
ンガン合金)等を挙げることができる。
【0019】 なお、ここで、アルミニウム製の電池ケ
ースとは、電池ケースの主たる部分、すなわち、内部捲
回体を嵌挿して収容するときの容器がアルミニウム製で
あることを指し、電池ケースの開口部を封止するための
封口部材までもがアルミニウム製であることは必ずしも
必要とされない。たとえば、内部電極体が図2に示した
円柱形の捲回体の場合には少なくとも両端が開口した円
筒容器や一端のみが開口した有底円筒容器がアルミニウ
ム製であればよく、また、内部電極体が図3に示した直
方体形の積層体である場合には断面略長方形の筒状容器
や一側面のみが開口した直方体形の箱型容器等が少なく
ともアルミニウム製であれば、本発明に好適に使用する
ことができる電池ケースに該当する。
【0020】 このように、電池ケースから内部電極体
を嵌挿するための開口部等を除外する理由は、内部電極
体から電気エネルギーを外部に取り出すための外部端子
の設置や、正負各極の電池内での電流通路を隔離する目
的等から、電池ケースの開口部を封止する封口部材を耐
熱性樹脂やセラミックス等の絶縁体で構成することが好
ましい場合があるためである。もちろん、上記電池ケー
スの例は、適所に絶縁部材を配置して正負各極の電流路
を確保し、封口部材としてもアルミニウム製部品を使用
し、電池の外観において全体的にアルミニウムで構成し
た容器とすることができる場合の電池ケースを除外する
ものではない。
【0021】 次に、内部電極体と電池ケース、および
電極端子等の必要な部材から電池を作製する。このと
き、作製する電池の構造としては、従来公知の小型電池
の構造をそのまま大型化した構造を採用することができ
る。また、発明者らは先に、特願平9−202963号
において、種々の圧力解放機構を適所に配設したリチウ
ム二次電池の構造を提案しており、このような構造もま
た、好適に採用することができる。なお、作製した電池
には、電池の誤用等により電池内圧が上昇して一定圧力
に到達したときに、電池内圧を大気圧に解放する放圧弁
を少なくとも一箇所設けることが好ましく、これにより
電池の内圧上昇による爆発が回避される。
【0022】 本発明においては、電池ケースが円筒形
であって、電池ケースの外径をd(mmφ)、肉厚をt
(mm)としたときに、0.01≦t/d≦0.04な
る関係式が成り立つものとすることが好ましい。たとえ
ば、電池ケースの外径dを一定とした場合において、電
池ケースの肉厚tが薄い、すなわちt/dの値が小さい
ときには、電池容量が大きくなるとともに電池ケースの
重量が軽くなるので、電池のエネルギー密度は大きくな
るが、電池ケースの強度が小さくなることで安全性に問
題が生じる。一方、電池ケースの肉厚tが厚い、すなわ
ちt/dの値が大きいときには、電池ケースの強度が大
きくなって安全性の面からは好ましいが、電池ケースの
重量が大きくなり、さらに、電池容量も小さくなるの
で、全体としてのエネルギー密度が小さくなってしまう
という問題が生ずる。
【0023】 そこで、このように電池ケースの外形と
肉厚との比が特定の範囲にある電池とすることにより、
電池のエネルギー密度を適正な高い値に維持しながら、
安全性をも確保することが可能となる。
【0024】 なお、電池ケースが直方体形である場合
には、長辺方向に垂直な断面と同じ面積となる円の外径
を、上記電池ケースの外径dとみなすことで、上記関係
式を類推適用することができる。
【0025】 前述した通り、本発明は、主にこれまで
作製例のなかった大容量電池におけるアルミニウム製の
電池ケースの使用可能性について検討した結果、達成さ
れたものであり、本発明の技術的特徴は、電池容量が5
0Wh以上であるリチウム二次電池に好適に採用され
る。しかしながら、このような安全基準の厳しい大容量
電池の構造を、より小さな容量の電池に採用しても何ら
差し支えないことはいうまでもない。
【0026】 こうしてアルミニウムからなる電池ケー
スを使用して作製された一個当たりの容量の大きな電池
においては、電池の軽量化が達成され、エネルギー密度
が大きくなる優れた特徴を有する。また、電池容量の小
さな電池を複数接続して同等容量の電池を得る場合と比
較すると、電池の直並列接続箇所が減少するので、電池
接続による接触抵抗を低減することができ、さらに、電
池の載置スペースの省スペース化を図ることも可能とな
る。したがって、本発明のリチウム二次電池は、電気自
動車用もしくはハイブリッド電気自動車用の電源や各種
の移動電源としての用途に適している。
【0027】
【実施例】 以下、本発明のリチウム二次電池の実施例
について説明するが、本発明がこれらの実施例に限定さ
れないことはいうまでもない。まず、本実施例に共通し
て使用する部材および電池構造について説明する。正極
板は、正極活物質としてのマンガン酸リチウム(LiM
24)に、導電性を向上させるための炭素粉末(アセ
チレンブラック)を添加、混合したものをアルミニウム
箔に塗布して作製した。また、負極板は、黒鉛粉末を銅
箔に塗布することで作製した。正極板と負極板を隔離す
るセパレータとしては、ポリプロピレン製のマイクロポ
ーラスセパレータを使用し、電解液としてLiPF6
解質をエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボ
ネート(DEC)との混合溶液に溶解したものを用い
た。電池は、正極板と負極板とをセパレータを介して捲
回した円柱形の内部電極体を円筒電池ケースに嵌挿して
構成される円筒型とし、その両端部を図1に示す構造に
て封止した。
【0028】 ここで、図1において、正極板または負
極板のいずれか一方の電極板(図示せず)に接続された
集電用のリード線32は、電池ケース39封止用の円板
34に取り付けられた金属製のリベット33に接続され
る。そして、円板34には電池内圧が一定圧力に達した
ときに破裂する放圧弁35が設けられ、金属リング36
を介して外部端子37が円板34と電気的に接続される
ように、かつ、円板34と金属リング36および外部端
子37が電池ケースとは電気的に絶縁されるように、エ
チレンプロピレンゴム38を介して電池ケース39にか
しめ加工される。こうして、電池ケース39の一端に正
負極いずれか一方の外部端子が配設された円筒両端端子
型の電池が作製される。
【0029】 (電池ケース材料の選定試験)次に、表
1に示した種々の材料からなる外径50mm、肉厚1m
mの電池ケースを用いて、電池サイズが外径50mm
φ、長さ245mmなる前述した構造を有する電池を作
製し、各電池のエネルギー密度を測定した。なお、アル
ミニウム合金はアルミニウムにマンガンを添加したもの
であり、ステンレスとしてはSUS−304を使用し
た。また、電池ケース39の端部封止用の円板34は、
電池ケース39と同じ材質ものを使用し、電池容量は全
て100Whとなるように電極板の面積を等しくしたも
のを使用した。
【0030】
【表1】
【0031】 作製した各電池のエネルギー密度を表1
に併記した。電池ケース材料の密度の大きいものほど得
られるエネルギー密度が小さくなる傾向が顕著に現れて
いる。すなわち、電池ケース材料の密度の最も大きいニ
ッケルを用いた比較例2の場合にエネルギー密度が89
Wh/kgと最も小さく、ステンレス(比較例1)、チ
タン(比較例3)、アルミニウム(実施例1・2)と、
電池ケース材料の密度が小さくなるにつれてエネルギー
密度は大きくなり、本発明のアルミニウムを用いた実施
例1・2においては、約115Wh/kgのエネルギー
密度が得られた。従来から電池ケース材料として汎用さ
れているステンレスを用いた比較例1のエネルギー密度
は94Wh/kgであったことから、電池ケースにアル
ミニウムもしくはアルミニウム合金を用いることで、約
20%のエネルギー密度の特性向上が図られたこととな
る。なお、実施例1と実施例2とでは、アルミニウムと
アルミニウム合金の密度に大差がないため、エネルギー
密度が同等となったものと考えられる。また、本試験に
おいては、電池ケースを電流流路として使用しておら
ず、また、電池ケース封止用の円板に接続されたリード
線と外部端子との距離が極めて短いことから、使用した
電池ケース材料(電池ケース封止用円板)の導電率の差
によるエネルギー密度への影響は無視することができ
る。
【0032】 (電池ケースの形状特定試験)前述の電
池ケース材料の選定試験の結果から、アルミニウムを電
池ケースとして使用することの有効性が実証された。そ
こで次に、電池ケースにアルミニウムを用いた場合であ
って、電池ケースの外径dを50mmに、また、電池長
さを245mmに固定し、エネルギー密度の向上と電池
の安全性の確保の観点から、肉厚t(mm)を種々に変
更した電池を作製し、この場合のエネルギー密度の測定
と、放電レート0.2Cで放電深度(D.O.D.)を
100%とした充放電サイクル100回終了後の電池ケ
ースの膨れ(変形)測定を行った。設定した電池ケース
のt/dの値と得られた結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】 電池ケースの外径が固定されているにも
かかわらず、電池ケースの肉厚が厚くなれば、電池ケー
スの内径が小さくなるため電池ケースに収容できる内部
電極体の大きさが小さくなる、すなわち、電極板の面積
が小さくなるので、その結果、電池容量の絶対値が小さ
くなる。さらに、電池ケースの肉厚が厚くなるにしたが
って、電池全体の重量に対して電池ケースの占める割合
が大きくなる。これにより、表2に示されるように、t
/dの値が大きくなる、すなわち、電池ケースの肉厚が
厚くなるにつれてエネルギー密度は小さくなる傾向が顕
著に現れている。
【0035】 ここで、比較例4ではt/dが0.00
2と小さく、したがって、電池ケースの重量が軽く、エ
ネルギー密度は約140Wh/kgとたいへん大きなも
のとなった。しかし、100サイクルの充放電試験後の
電池ケース外径の膨らみが大きく、安全性という面で問
題のあることがわかる。一方、比較例6ではt/dが
0.06と大きく、したがって、100サイクルの充放
電試験後の電池ケースの変形は観察されなかったが、電
池ケースの重量増と電池ケースに収容できる内部電極体
の体積の減少により、所望する100Wh/kg以上の
エネルギー密度を得ることができなかった。
【0036】 表2より、100Wh/kgという出力
密度を確保しつつ、また、安全性をも確保できる条件と
しては、実施例3〜5にあるように、t/dを0.01
以上0.04以下とすることが好ましいことが明らかと
なった。さらに、t/dを0.01以上0.02以下と
することで、高いエネルギー密度を保ったまま、膨れ量
を0.1mm以下の小さい値に抑えた最も好ましい特性
とすることができる。
【0037】
【発明の効果】 以上、本発明のリチウム二次電池によ
れば、軽量で導電性に優れるアルミニウムを電池ケース
に使用しているために軽量で、従来よりもエネルギー密
度が著しく向上するという極めて優れた効果を有する。
しかも、電池ケースの形状設定が適切に施されているた
め、安全性に優れた電池とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例において作製したリチウム二次電池の
端部構造を示す断面図である。
【図2】 捲回型内部電極体の構造を示す斜視図であ
る。
【図3】 積層型内部電極体の構造を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…内部電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパレ
ータ、5…リード線、6…リード線、7…内部電極体、
8…正極板、9…負極板、10…セパレータ、32…リ
ード線、33…リベット、34…円板、35…放圧弁、
36…金属リング、37…外部端子、38…エチレンプ
ロピレンゴム、39…電池ケース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D035 AA01 5H011 AA01 AA13 CC06 KK01 KK02 5H029 AJ11 AJ12 AK03 AL07 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ14 DJ02 HJ19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極板と負極板とを、多孔性ポリマーか
    らなるセパレーターフィルムを介して当該正極板と当該
    負極板とが直接に接触しないように捲回または積層した
    内部電極体を電池ケースに収容したリチウム二次電池で
    あって、 当該電池ケースが純アルミニウムまたはアルミニウムに
    少なくともマンガン、マグネシウム、シリコン、銅から
    選択される1以上の成分を添加してなるアルミニウム合
    金からなるとともに、 当該電池ケースが円筒形であり、当該電池ケースの外径
    をd(mmφ)、肉厚をt(mm)としたときに、0.
    01≦t/d≦0.04なる関係式が成り立ち、かつ、 正極活物質としてマンガン酸リチウムを用いることを特
    徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 電池容量が50Wh以上であることを特
    徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 電気自動車用もしくはハイブリッド電気
    自動車用として用いられることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のリチウム二次電池。
JP2001346875A 2001-11-13 2001-11-13 リチウム二次電池 Pending JP2002222640A (ja)

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