JP2002221502A - 薄膜の密度測定方法 - Google Patents

薄膜の密度測定方法

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JP2002221502A JP2001019791A JP2001019791A JP2002221502A JP 2002221502 A JP2002221502 A JP 2002221502A JP 2001019791 A JP2001019791 A JP 2001019791A JP 2001019791 A JP2001019791 A JP 2001019791A JP 2002221502 A JP2002221502 A JP 2002221502A
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Yasuhiro Kitade
康博 北出
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜の密度測定方法に関し、成膜方法や成膜
条件を変化させた試料の膜密度を簡便に且つ精度良く測
定する。 【解決手段】 薄膜3の下地となる基板1或いは下地層
2のいずれか一方として、Nを測定点数、Zi を原子間
力顕微鏡で薄膜3を測定した場合の各測定点における層
厚方向の高さ、Zave を全Zi 値の平均値とし、Rq
{Σ(Zi −Zav e 2 /N}1/2 とした場合、σ=2
q で定義される表面ラフネスσが10Å以下の基板1
或いは下地層2のいずれかを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜の密度測定方法
に関するものであり、特に、磁気ディスク装置を構成す
る磁気ヘッド及び磁気記録媒体に一般的に用いられてい
る多層薄膜の密度等の膜質を精度良く測定するための手
法に特徴のある薄膜の密度測定方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータのメモリ装置である
ハードディスクの主要部分を構成するMR(磁気抵抗効
果)ヘッドに所謂スピンバルブ構造と呼ばれる異種金属
層を複数層積層させた多層薄膜が用いられ、また、磁気
記録媒体には、最近の高記録密度を反映した多層薄膜構
造が用いられるようになっている。
【0003】これらの多層薄膜構造を用いた磁気ヘッド
及び磁気記録媒体の特性は、膜構造が複雑になればなる
ほど、膜厚以外の要因である膜質、例えば、薄膜中の不
純物ガスや空孔の影響を受けやすくなる。
【0004】また、高記録密度化に伴い、磁気ヘッドと
磁気記録媒体との間の磁気スペーシングの短縮化が図ら
れており、この磁気スペーシングには、磁気記録媒体と
磁気ヘッドの双方の表面に設けられたDLC(Diam
ond Like Carbon)からなる保護膜の厚
さが直接関係してくる。
【0005】現在、この様な保護膜の厚さは、4nmか
ら1nm程度へと薄膜化が進行しているが、DLC膜は
薄いほど、摩擦による膜の耐久性が低くなるため、成膜
方法や成膜条件を選択することによりDLC膜の膜質、
特に、膜硬度を向上させることが各所で行われている。
【0006】従来、薄膜の密度の測定方法として、薄膜
が金属元素からなる多層膜試料で且つエピタキシャル膜
である場合、各層の密度はX線回折で測定した結晶の格
子定数から求めていた。
【0007】また、DLC膜やアモルファス膜の場合、
結晶質ではないため、X線反射率測定を行い、フィッテ
ィング解析により密度を求める方法が知られている(必
要ならば、特開2000−35408号公報参照)。
【0008】このX線反射率法は、反射X線強度プロフ
ァイルの多層薄膜試料へのX線入射角依存性を、シミュ
レーション結果と合わせることによって物性を評価する
手法であり、例えば、薄膜/薄膜界面の平坦な試料につ
いては、反射X線強度は理論的には試料へのX線入射角
θの4乗に逆比例して減衰し、薄膜/薄膜界面が平坦で
ない場合にはさらに急激に減衰する。
【0009】そこで、この入射角θ依存性の効果を相殺
するために、最小二乗法を用いてベースラインを決定
し、測定データに含まれる振動成分のみを抽出する。次
いで、解析モデルにおけるパラメータとなる各膜の膜
厚、密度、及び、界面ラフネスを値を適当に変えながら
シミュレートした結果と、測定データに含まれる振動成
分とを対比させ、所定の誤差に収まるように最小二乗法
フィッティング(fitting)することによって、
各層の膜厚、密度等を決定するものである。
【0010】また、薄膜試料の膜厚が既知であれば、R
BS(ラザフォード後方散乱)法との併用によって、薄
膜の密度を求める方法も知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のX線回
折法では、結晶化した部分の密度を見ているのであっ
て、不純物や空孔による密度変化を検出することは困難
であり、特に、DLC膜等の結晶質ではない薄膜の密度
を測定することができないという問題がある。
【0012】また、RBS法の場合には、測定に加速器
を使用するため、測定装置系が非常に大型化するととも
に、装置の準備と維持のコストが高く、日常的な薄膜の
密度測定に用いるにはコスト的に困難であるという問題
がある。
【0013】さらに、RBS法や蛍光X線法では、同一
の材料からなり複数の密度の層からなる薄膜試料の密度
を求める場合、薄膜試料の密度を全体の平均値としてし
か測定できないという問題がある。
【0014】一方、X線反射率測定法の場合には、DL
C膜等の膜厚は精度良く測定することができるものの、
密度については上述のように、薄膜層の下地層の表面状
態、即ち、表面ラフネスに影響されやすく、測定誤差が
大きくなるという問題がある。
【0015】例えば、実際の磁気記録媒体のように、基
板として研磨精度等に起因して表面ラフネスの大きなA
l基板を用いた場合、Al基板上にNiPメッキ層を介
して設けたCrMo下地層の表面ラフネスも大きくなる
ため、その上にDLC膜を堆積させた場合、DLC膜の
測定密度がDLC膜の膜厚によって大きくばらつくとい
う問題がある。
【0016】図5参照 図5は、DLC(xnm)/CrMo(20nm)/N
iP/Al基板からなる多層構造試料におけるDLC膜
の密度の測定結果を示す図であり、図から明らかなよう
に、DLC膜の測定密度がDLC膜の膜厚によってばら
ついており、密度の測定誤差が大きいことが理解され
る。
【0017】したがって、本発明は、成膜方法や成膜条
件を変化させた試料の膜密度を簡便に且つ精度良く測定
することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の手順を示
す原理的構成の説明図であり、この図1を参照して本発
明における課題を解決するための手段を説明する。 図1参照 上述の目的を達成するために、本発明においては、薄膜
3の密度を測定する際に、特に、X線反射率法を用いた
フィッティング法によって薄膜3の密度を測定する際
に、薄膜3の下地となる基板1或いは下地層2のいずれ
か一方として、Nを測定点数、Zi を原子間力顕微鏡で
薄膜3を測定した場合の各測定点における層厚方向の高
さ、Zave を全Zi 値の平均値とし、Rq ={Σ(Zi
−Zave 2 /N}1/2 とした場合、σ=2Rq で定義
される表面ラフネスσが10Å以下、より好適には5Å
以下の基板1或いは下地層2のいずれかを用いたことを
特徴とする。
【0019】この様に、薄膜3の下地として、表面ラフ
ネスσが10Å以下、より好適には5Å以下の基板1或
いは下地層2のいずれかを用いることによって、薄膜3
/下地界面における入射X線4の反射が揃って起こるの
で、反射X線5の測定強度が大きくなって精度の高い解
析が可能になり、この結果を表面ラフネスの大きな基板
1或いは下地層2を用いた実機の製造プロセスの制御に
フィードバックすることによって精度の高い装置を製造
することが可能になる。なお、この場合、σ=2Rq
2{Σ(Zi −Zave 2 /N}1/2 で定義される表面
ラフネスσは、X線反射率法で測定した表面ラフネスと
ほぼ等しくなる。
【0020】また、この場合、解析モデルを、薄膜3が
単一の密度からなる層として解析しても良いし、密度の
異なる複数の積層構造として解析しても良いものであ
る。
【0021】この様に通常は、薄膜3が単一の密度から
なる層とした解析モデルで解析すれば良いし、この様な
単一密度解析モデルで解析できない場合には、密度の異
なる複数の積層構造とした解析モデルを用いることによ
ってより精度の良い解析が可能になる。
【0022】特に、積層構造の解析モデルを用いる場合
には、表面ラフネスσの小さな下地を用いることによっ
て、積層構造を構成する各層の密度変化が表面ラフネス
パラメータで吸収されることがないので、精度の高い解
析が可能になる。
【0023】また、密度の異なる複数の積層構造として
解析する場合には、薄膜3として均一な成膜条件で成膜
した設計膜厚の異なる2種類以上の薄膜3を用い、各薄
膜3について積層構造を構成する個々の膜厚t1
2 ,・・・と、個々の密度ρ1,ρ2 ,・・・との積
の和t1 ×ρ1 +t2 ×ρ2 +・・・を求めるととも
に、薄膜3に対して蛍光X線強度から測定した付着量か
ら,密度を較正することが望ましい。
【0024】即ち、蛍光X線強度と密度及び膜厚は、 蛍光X線強度∝薄膜3の構成元素量=付着量=密度×膜
厚 の関係で表されると考えられるので、個々の膜厚及び密
度の積の和から求めた薄膜3の平均密度ρ〔=(t1 ×
ρ1 +t2 ×ρ2 +・・・)/(t1 +t2 +・・
・)〕を蛍光X線強度から求めた密度を基に較正するこ
とによって、より精度の高い解析が可能になる。
【0025】また、上記の薄膜の密度測定方法を用いて
磁気抵抗効果素子を構成する金属多層膜、或いは、磁気
記録媒体を構成する金属多層膜の少なくとも一方の密
度、または、薄膜磁気ヘッド或いは磁気記録媒体の表面
を保護する保護膜の密度を測定することによって、膜質
の制御された磁気抵抗効果素子或いは磁気記録媒体、或
いは、硬度の高い保護膜によって被覆された薄膜磁気ヘ
ッド或いは磁気記録媒体を実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】ここで、図2乃至図4を参照し
て、本発明の実施の形態の薄膜の密度測定方法を説明す
る。ここでは、ECRプラズマCVD装置で成膜したD
LC膜Aと、FCVD(Filtered Catho
de Vacuum Deposition)装置で成
膜したDLC膜Bの密度及び膜構造の違いの測定方法を
説明する。
【0027】図2参照 図2は、X線反射率測定法に用いる被測定試料の概念的
断面図であり、Si基板11上にSiOx 層12及びα
−Si膜13を介してECRプラズマCVD法及びFC
VD法によって、膜厚ノミナル値(設計値)が、3n
m、6nm、及び、9nmの3種類の膜厚のDLC膜1
4を堆積させる。
【0028】この場合、Si基板11のX線反射率法に
よって測定した表面ラフネスσは10Å以下、好適には
5Å以下、例えば、3Åにするものであり、この表面ラ
フネスσは、AFM(原子間力顕微鏡)で測定した成膜
方向の高さの標準偏差Rq との間に、 σ≒2Rq の関係があることが知られている。なお、成膜方向の高
さの標準偏差Rq は、Nを測定点数、Zi を各測定点に
おける層厚方向の高さ、Zave を全Zi 値の平均値とし
た場合、 Rq ={Σ(Zi −Zave 2 /N}1/2 で定義される。
【0029】また、SiOx 層12は、Si基板11の
表面に形成される自然酸化膜であり、このSiOx 層1
2の密度はDLC膜14の密度に近いので、SiOx
12上に直接DLC膜14を成膜した場合に、SiOx
層12とDLC膜14との分離が困難になるので両者の
間にα−Si膜13を介在させる。
【0030】図3参照 図3は、上述の被測定試料に対し、波長が、例えば、λ
=1.62Åの単一波長の入射X線を照射してθ−2θ
スキャンによるX線反射率を測定し、その測定結果に基
づいてDLC膜14の膜厚と密度の関係を求めたもので
ある。
【0031】この場合、被測定試料について測定によっ
て得られた振動成分の周期は被測定試料の各膜厚を反映
し、反射X線の強度は理論的には試料へのX線入射角θ
の4乗に逆比例して減衰するので、この入射角θ依存性
の効果を相殺するために、最小二乗法を用いてベースラ
インを決定し、測定データに含まれる振動成分のみを抽
出し、この様に振動成分のみを抽出した測定データを、
膜厚dを関数としてフーリエ変換して、フーリエ変換ス
ペクトルを得る。なお、実際には、X線反射率解析に対
応したフーリエ変換ソフトを用いて、コンピュータに測
定データを入力して、自動的に計算することになる。
【0032】図は、各成膜条件の被測定試料について、
X線反射率測定法によって求めた膜厚と、X線反射率測
定法データのフィッティングによって解析した密度との
相関を示したものであり、ECRプラズマCVD法で成
膜したDLC膜Aの場合には、DLC膜14が均一な密
度の1層によって構成されているとした解析モデルによ
って解析したものであり、密度は膜厚の減少とともに若
干リニアに減少する傾向が見られた。
【0033】一方、FCVD法で成膜したDLC膜Bの
場合には、DLC膜14が均一な密度の1層によって構
成されているとした解析モデルによっては合理的解析が
困難であるので、密度の異なった2層構造で構成されて
いるとした解析モデルによって解析し、解析結果から求
めた平均密度を示したものである。
【0034】即ち、解析モデルからフィッテイングによ
って求めた各層の膜厚(膜厚解析値)及び密度を夫々、
1 ,t2 及びρ1 ,ρ2 とした場合、DLC膜Bの平
均密度ρを、 ρ=(t1 ×ρ1 +t2 ×ρ2 )/(t1 +t2 ) として図示したものである。
【0035】この場合、下地となるα−Si膜13の膜
厚が10nmの試料と20nmの試料の2種類につい
て、夫々、膜厚ノミナル値(設計値)が、3nm、6n
m、及び、9nmの3種類の膜厚のDLC膜Bを堆積さ
せた場合を図示しており、この場合も、密度は膜厚の減
少とともに若干リニアに減少する傾向が見られる。
【0036】しかし、膜厚ノミナル値が3nmにおいて
は、2つのデータが異なった密度となっているので、各
試料について蛍光X線強度を測定し、蛍光X線強度の膜
厚ノミナル値依存性と、2層構造解析モデルで求めた炭
素の付着量Cの膜厚ノミナル値依存性を図4に示した。
但し、この場合の炭素付着量Cは、 C=t1 ×ρ1 +t2 ×ρ2 の値で表している。
【0037】なお、図においては、薄いDLC膜ほどノ
ミナル値よりも解析値が厚くなる傾向にあるが、これ
は、プラズマCVD法で成膜したDLC膜は空孔(va
cancy)を生じやすく、そのために、膜厚がノミナ
ル値よりも厚くなったと考えられる。
【0038】図4参照 図における○はα−Si膜13の膜厚が10nmの試料
であり、△はα−Si膜13の膜厚が20nmの試料で
あり、蛍光X線強度の膜厚ノミナル値依存性も2層構造
解析モデルで求めた炭素の付着量Cの膜厚ノミナル値依
存性も共にリニアな傾向を示した。
【0039】したがって、図3に示したDLC膜Bの膜
厚ノミナル値が3nmにおける2つの試料における炭素
付着量Cはほぼ等しいので、一方の試料のDLC膜Bの
膜厚が膜厚ノミナル値と異なっており、したがって、平
均密度が、他方の試料と異なっているとした2層構造の
解析モデルの解析結果が妥当であることが理解される。
【0040】但し、図4から明らかなように、蛍光X線
強度Dの膜厚ノミナル値依存性と2層構造解析モデルで
求めた炭素の付着量Cの膜厚ノミナル値依存性は共にリ
ニアな傾向を示しており、同じ試料に関する測定である
ので、蛍光X線強度D∝薄膜の構成元素付着量C=密度
×膜厚の関係を満たしていることが理解される。
【0041】この場合、蛍光X線強度Dから求めた密度
は相対的に正確であると考えられるので、例えば、測定
した蛍光X線強度DにおけるD(3nm)/D(9n
m)と2層構造解析モデルで求めたC(3nm)/C
(9nm)とが等しくなるように、付着量Cを較正する
ことによって、より正確なρ1 及びρ2 を得ることが可
能になる。
【0042】したがって、この様な表面ラフネスσの小
さな基板を用いて薄膜の密度を正確に測定することによ
って、成膜方法の違いによる密度の変化を精確に把握す
ることができ、それによって、表面が平坦ではない磁気
ヘッドの表面を覆うDLC膜及び磁気記録媒体の表面を
覆うDLC膜の密度を精確に管理することができ、した
がって、密度が高くなる条件でDLC膜を成膜すること
によって摩擦耐性をある程度保ったままで膜厚を薄くす
ることができる。
【0043】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明は上記の実施の形態に記載した構成に限られ
るものではなく、各種の変更が可能である。例えば、上
記の実施の形態の説明においては、被測定試料をDLC
膜としているが、DLC膜に限られるものではなく、各
種の薄膜の密度の測定に適用されるものであり、MRヘ
ッドの上下のリードギャップ層やキャップ層に用いるA
23 膜の密度の測定に適用することによって、ピン
ホールのない密度の高い成膜が可能な成膜方法を用いる
ことによってリードギャップ層やキャップ層の薄膜化が
可能になる。
【0044】また、本発明の密度測定方法は、金属多層
膜の密度の測定方法としても用いることができるもので
あり、例えば、スピンバルブ磁気抵抗効果素子或いは磁
気記録媒体を構成する金属多層膜の密度管理に用いるこ
とによって、スピンバルブ磁気抵抗効果素子或いは磁気
記録媒体の特性を向上することができるとともに、その
再現性を高めることができる。
【0045】さらに、本発明の密度測定方法は、非晶質
の薄膜の密度測定方法に限られるものではなく、エピタ
キシャル膜等の結晶質の薄膜の密度の測定方法にも適用
されるものである。
【0046】また、上記の実施の形態の説明において
は、薄膜を堆積させる基板としてSi基板を用いている
が、Si基板に限られるものではなく、表面ラフネスσ
が10Å以下、より好適には5Å以下であれば、ガラス
基板等の他の基板を用いても良いものである。
【0047】また、上記の実施の形態の説明において
は、一般に基板の表面ラフネスが下地層の表面ラフネス
に反映されるため、基板の表面ラフネスσを10Å以
下、より好適には5Å以下としているが、下地層の表面
ラフネスσが10Å以下、より好適には5Å以下になる
ならば、基板の表面ラフネスσは特に問題にする必要は
ない。
【0048】また、上記の実施の形態におけるDLC膜
Bの解析を密度の異なる2層構造からなる解析モデルを
用いて行っているが、2層構造に限られるものではな
く、3層以上の積層構造モデルを用いて良いものであ
り、層数が増えるほど精度の良い解析が可能になるが、
解析作業が複雑になる。
【0049】ここで、再び図1を参照して、本発明の詳
細な特徴を説明する。 図1参照 (付記1) 薄膜3の下地となる基板1或いは下地層2
のいずれか一方として、Nを測定点数、Zi を原子間力
顕微鏡で前記薄膜3を測定した場合の各測定点における
層厚方向の高さ、Zave を全Zi 値の平均値とし、Rq
={Σ(Zi −Zave 2 /N}1/2 とした場合、σ=
2Rq で定義される表面ラフネスσが10Å以下の基板
1或いは下地層2のいずれかを用いたことを特徴とする
薄膜の密度測定方法。 (付記2) 上記基板1或いは下地層2のいずれかの表
面ラフネスσが、5Å以下であることを特徴とする付記
1記載の薄膜の密度測定方法。 (付記3) 上記薄膜3の密度を測定する際に、X線反
射率法を用いたフィッティング法によって薄膜3の密度
を測定することを特徴とする付記1または2に記載の薄
膜の密度測定方法。 (付記4) 上記薄膜3の密度を解析する際に、前記薄
膜3が単一の密度からなる層とした解析モデルを用いる
ことを特徴とする付記3記載の薄膜の密度測定方法。 (付記5) 上記薄膜3の密度を解析する際に、前記薄
膜3が密度の異なる複数の積層構造からなる解析モデル
を用いることを特徴とする付記3記載の薄膜の密度測定
方法。 (付記6) 上記薄膜3として均一な成膜条件で成膜し
た設計膜厚の異なる2種類以上の薄膜3を用い、前記各
薄膜3について積層構造を構成する個々の膜厚と、個々
の密度との積の和を求めるとともに、前記薄膜3からの
蛍光X線強度から測定した付着量から,前記密度を較正
することを特徴とする付記5記載の薄膜の密度測定方
法。 (付記7) 付記1乃至6のいずれか1に記載の薄膜の
密度測定方法によって密度を管理した金属多層膜を、少
なくとも磁気抵抗効果素子或いは磁気記録媒体の少なく
とも一方に用いたことを特徴とする磁気ディスク装置。 (付記8) 上記密度を管理した金属多層膜によって、
磁気抵抗効果素子を構成することを特徴とする付記7記
載の磁気ディスク装置。 (付記9) 上記密度を管理した金属多層膜によって、
磁気記録媒体を構成することを特徴とする付記7記載の
磁気ディスク装置。 (付記10) 付記1乃至6のいずれか1に記載の薄膜
の密度測定方法によって密度を管理した保護膜を、磁気
抵抗効果素子及び磁気記録媒体の表面に設けたことを特
徴とする磁気ディスク装置。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、X線反射率法によって
成膜条件による薄膜の密度の変化を測定する際に、被測
定試料を構成する基板或いは下地層の表面ラフネスσを
10Å以下、より好適には5Å以下にしているので、精
度の高い密度測定が可能になり、それによって、密度の
高い成膜方法によって極薄膜を形成することが可能にな
るので、高記録密度の磁気ディスク装置等の信頼性の向
上に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態における被測定試料の概念
的断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における密度解析値のDL
C膜厚解析値依存性の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態における炭素付着量及び蛍
光X線強度の膜厚ノミナル値依存性の説明図である。
【図5】従来の多層構造試料における密度解析値のDL
C膜厚解析値依存性の説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下地層 3 薄膜 4 入射X線 5 反射X線 11 Si基板 12 SiOx 層 13 α−Si膜 14 DLC膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/455 G11B 5/455 Z 5/84 5/84 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜の下地となる基板或いは下地層のい
    ずれか一方として、Nを測定点数、Zi を原子間力顕微
    鏡で前記薄膜を測定した場合の各測定点における層厚方
    向の高さ、Zave を全Zi 値の平均値とし、Rq ={Σ
    (Zi −Zav e 2 /N}1/2 とした場合、σ=2Rq
    で定義される表面ラフネスσが10Å以下の基板或いは
    下地層のいずれかを用いたことを特徴とする薄膜の密度
    測定方法。
  2. 【請求項2】 上記薄膜の密度を測定する際に、X線反
    射率法を用いたフィッティング法によって薄膜の密度を
    測定することを特徴とする請求項1記載の薄膜の密度測
    定方法。
  3. 【請求項3】 上記薄膜の密度を解析する際に、前記薄
    膜が単一の密度からなる層とした解析モデルを用いるこ
    とを特徴とする請求項2記載の薄膜の密度測定方法。
  4. 【請求項4】 上記薄膜の密度を解析する際に、前記薄
    膜が密度の異なる複数の積層構造からなる解析モデルを
    用いることを特徴とする請求項2記載の薄膜の密度測定
    方法。
  5. 【請求項5】 上記薄膜として均一な成膜条件で成膜し
    た設計膜厚の異なる2種類以上の薄膜を用い、前記各薄
    膜について積層構造を構成する個々の膜厚と、個々の密
    度との積の和を求めるとともに、前記薄膜からの蛍光X
    線強度から測定した付着量から,前記密度を較正するこ
    とを特徴とする請求項4記載の薄膜の密度測定方法。
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