JP2002221227A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2002221227A
JP2002221227A JP2001018719A JP2001018719A JP2002221227A JP 2002221227 A JP2002221227 A JP 2002221227A JP 2001018719 A JP2001018719 A JP 2001018719A JP 2001018719 A JP2001018719 A JP 2001018719A JP 2002221227 A JP2002221227 A JP 2002221227A
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bearing
rolling
rolling bearing
steel
ball
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JP2001018719A
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English (en)
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Koichi Goto
耕一 後藤
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高速環境下でも長期の寿命が得られる電
装補機用転がり軸受を提供する。 【解決手段】 本発明の転がり軸受10は、外輪12、
内輪11、転動体13のうち少なくとも転動体13の材
質がセラミックである。また、本発明の転がり軸受は、
外輪、内輪、転動体のうち少なくとも、軸受鋼又はステ
ンレス鋼を母材とする転動体の表面に窒化処理がなされ
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等の電装補機
に装着されて高温高速環境下で使用される転がり軸受に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両用エンジンには、種々の
電装補機が備えられている。それら電装補機の中でも、
オルタネータや電磁クラッチは、高温高速化が年々進ん
でいる。電装補機の回転部を支持する転がり軸受には、
そのような高温高速環境下において長寿命であることが
要求される。
【0003】従来、この種の転がり軸受としては、軸受
鋼(SUJ2)に通常の焼入れ焼戻しを施してなる転動
体を備えて、グリース潤滑又は油潤滑されたものが用い
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような転がり軸
受においては、年々加速する高温高速化に対応しきれず
に、運転中に軸受軌道面と転動体との間のすべりが生じ
たり面圧が高くなったりしてメタルコンタクトが起こ
り、凝着(焼付き)が生じて軸受寿命が短くなる場合が
あった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであ
って、その目的は、高温高速環境下でも長期の寿命が得
られる電装補機用転がり軸受を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、電
装補機に用いられる転がり軸受において、外輪、内輪、
転動体のうち少なくとも転動体の材質がセラミックであ
ることを特徴とする転がり軸受によって達成される。以
上のような転がり軸受においては、運転中に内外輪と転
動体との間のグリース膜や油膜が薄くなって、それらの
表面同士が直接接触することがあっても、転動体の材質
がセラミックであるので凝着及び表面損傷が生じない。
なお、セラミックの種類は特に限定されない。従来、セ
ラミックからなる転動体を備えた転がり軸受は、電装補
機に用いられてこなかった。セラミックは弾性係数や線
膨張係数が鋼と比較して大きく異なる。そのため、セラ
ミック製転動体を備えた転がり軸受では、軸受に多大な
荷重がかかった際の耐久性が不十分であると、一般に考
えられていた。しかし、本発明者らの発想転換に基づく
鋭意検討の結果、電装補機においては転がり軸受に多大
な荷重がかかることはないことから、セラミックからな
る転動体を備えた転がり軸受を電装補機に十分に適用で
きるばかりか、この転がり軸受を用いることで電装補機
における軸受寿命を飛躍的に長期化できることが判明し
た。
【0006】また本発明の前記目的は、電装補機に用い
られる転がり軸受において、外輪、内輪、転動体のうち
少なくとも、軸受鋼又はステンレス鋼を母材とする転動
体の表面に窒化処理がなされたことを特徴とする転がり
軸受によって達成される。すなわち、この転がり軸受で
は、基本的には鋼の特性をそのまま利用し、転がり軸受
構成部品の表面に適当な硬化層(窒化層)を形成する。
以上のような転がり軸受においては、運転中に内外輪と
転動体との間のグリース膜や油膜が薄くなって、それら
の表面同士が直接接触することがあっても、転動体の表
面に窒化層が形成されているので、凝着及び表面損傷が
生じない。軸受鋼としては、高炭素クロム軸受鋼(SU
J2)の他に、浸炭鋼、耐熱鋼、ステンレス鋼、合金工
具鋼、高速度工具鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼等
を採用できる。ステンレス鋼としては、マルテンサイト
系ステンレス鋼等を採用できる。
【0007】窒化層(適切な窒素濃度及び硬さを有する
層)の形成方法としては、塩浴等による液体窒化処理
や、ガス窒化処理や、イオン窒化処理が挙げられる。こ
のうち、イオン窒化処理は処理温度が比較的高く、母材
の耐熱性を考慮しても十分な下地の硬度が得られにくか
ったり、球体形状物の表面に均一な窒化層を形成させる
ことが困難な場合があるため、塩浴窒化処理あるいはガ
ス窒化処理によることが好ましい。なお、好ましい窒化
処理温度は480℃以下とする。また、窒化層は、特に
処理温度が高い場合に、その最表面に数ミクロン程度の
脆弱な化合物層(ξ相あるいはε相単相からなる擬似セ
ラミック層)が膜状に形成される場合があるため、窒化
処理温度はさらに好ましくは460℃以下とする。ま
た、このように処理温度がより低いものであると、窒化
層がより緻密なものとなって粗悪なポーラス層も生成し
ない。
【0008】本発明における窒化層はξ相(Fe
2N)、ε相(Fe23N)、γ’相(Fe4N)、Cr
N、及びCr2N等のうち1種又は2種以上の窒化物が
マルテンサイト地に多量に析出したものであり、著しく
硬さが高いことに加え、高い靱性も有するため、転動体
の損傷を極めて抑制できる。また、母材には軸受鋼又は
ステンレス鋼を使用しているので、上記窒化処理条件下
でもHRC57〜59程度の十分な下地の硬度を確保す
ることが可能となる。また、窒化層を形成させた転動体
は、引き続いて仕上げ加工を行い、その表面粗さを0.
1μmRa以下とすることが好ましい。こうすること
で、その窒化層表面が接触する相手部材の表面への攻撃
性を弱めることができる。
【0009】以下に転動体の製造方法について説明す
る。先ず、冷間で引抜加工された線材を用い、ヘッダー
による冷間加工或いは切削加工とフラッシング等により
素球を製作し、その素球を焼入れ、焼戻し、場合によっ
てはサブゼロ処理を併用することで硬化させる。その
後、目標寸法、即ち完成品寸法に設定取り代を加算した
寸法まで研削加工を行い、半加工球を製作する。設定取
り代は、具体的には目標とする精度まで仕上げ加工を行
う際の必要取り代を意味するが、窒化処理による膨縮量
も含めたものを意味している。
【0010】窒化処理前の素球が焼入れされたままの状
態のものは、その真球度或いは直径相互差等は非常に大
きく、一般には数十μm〜百μm程度の設定取り代が必
要である。したがって、焼入れされたままの素球に窒化
層を形成すると、窒化層が不均一に削られることにな
り、窒化層厚さが不均一になると同時に、窒化処理によ
って生じた内部応力のバランスが崩れて、要求精度を出
すために仕上げ加工に長時間を要したり、目標精度が達
成できなくなる場合もある。また、転動体の耐久性にも
影響を与える場合もある。これらの問題は、焼入れされ
たままの素球で特に顕著であるが、半加工球であっても
その精度が不十分である場合には、要求精度を満足でき
なかったり、仕上げ加工に長時間を要したりする場合が
あるため、半加工球の真球度は3.0μm以下、好まし
くは1.0μm以下が必要である。
【0011】また、半加工球は、焼入れ後に焼戻しを施
しておかないと、焼入れ時に蓄積された内部残留応力が
完成品品質に悪影響を与える場合もあるため、前述した
下地の硬度が満足できる範囲で焼戻しを行うと良い。さ
らに、取り扱い上の表面キズ発生の防止対策あるいは強
度面等から、半加工球を作製する上で熱処理後、バレル
或いはボールピーニング等の機械的硬化加工によって、
更に硬度を高めても良い。
【0012】その結果、得られた転動体は、その表面に
Hv1200〜1500の非常に硬質かつ靱性に優れる
窒化層を非常に均一な膜厚となるように形成せしめ、さ
らに、その窒化層を支える下地が、HRC57以上を満
足するような構成としたため、軸受が高負荷条件で作動
した場合等においても、耐久性を保持することができ
る。
【0013】なお、窒化層の厚さは、大きすぎると処理
コストが嵩むだけでなく、窒化後の膨縮や変形等が顕著
になって、仕上げ加工費も増大し、また、鋼の物性も損
なわれるため、3μm以上2%Da(直径の2%の意)
以下であることが好ましい。また、上述した理由によ
り、窒化層厚さの均一性は5μm以内であることが好ま
しい。
【0014】以上、もっぱら玉軸受の転動体について述
べたが、他の転がり軸受の転動体(ころ等)について
も、同様のことがいえる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。図1に示す本発明第1実施形態のア
ンギュラ玉軸受10は、内輪11、外輪12、内外輪1
1,12間に複数配置された玉13及び玉13を円周方
向等間隔に保持する保持器14を備えている。本実施形
態は、自動車用オルタネータに装着される転がり軸受で
ある。
【0016】本実施形態においては、内外輪11,12
がマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS440C)に
より形成されている。そして、玉13はセラミックによ
り形成されている。
【0017】以上のようなアンギュラ玉軸受10におい
ては、運転中に内外輪11,12と玉13との間の油膜
が薄くなって、それらの表面同士が直接接触することが
あっても、玉13の材質がセラミックであるので凝着及
び表面損傷が生じない。
【0018】図2に示す本発明第2実施形態のアンギュ
ラ玉軸受20は、内輪21、外輪22、内外輪21,2
2間に複数配置された玉23及び玉23を円周方向等間
隔に保持する保持器24を備えている。本実施形態は、
自動車の電装補機の一つである電磁クラッチに装着され
る転がり軸受である。
【0019】本実施形態においては、内外輪21,22
が高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)により形成されてい
る。そして、玉23がマルテンサイト系ステンレス鋼
(SUS440C)により形成されているとともに、玉
13の表面にはHv1200〜1500の窒化層23a
が形成されている。この窒化層13aの縦弾性係数は2
40GPa程度である。一方、SUJ2の縦弾性係数は
208GPa程度である。SUS440Cの線膨張係数
は12.5×10-6程度である。一方、SUJ2の線膨
張係数は10.1×10-6程度である。
【0020】以上のようなアンギュラ玉軸受20におい
ては、運転中に内外輪21,22と玉23との間の油膜
が薄くなって、それらの表面同士が直接接触することが
あっても、Hv(ビッカース硬さ)が1200〜150
0とされているので少なくとも玉23表面には損傷が生
じない。また、窒化層23aの縦弾性係数がSUJ2の
それより大きいため、接触楕円は極めて小さく、すべり
が生じない。したがって、凝着及び表面損傷が生じな
い。さらに、SUJ2はSUS440Cより線膨張係数
が小さいため、軸受温度が上昇して内外輪温度差が生じ
ても、本軸受20においては、内外輪21,22及び玉
23が全てSUS440Cからなる場合に比べて予圧変
化が小さく、内外輪21,22軌道面の磨耗焼き付きも
顕著に防止できる。
【0021】なお、本発明は前述した実施形態、実施例
に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能
である。例えば、本発明の転がり軸受を組み合わせて組
合せ軸受としてもよい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高温高速環境下でも長期の寿命が得られる電装補機用転
がり軸受を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である
【図2】本発明の第2実施形態を示す断面図である
【符号の説明】
10,20 アンギュラ玉軸受(転がり軸受) 11,21 内輪 12,22 外輪 13,23 玉(転動体) 14,24 保持器 23a 窒化層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電装補機に用いられる転がり軸受におい
    て、外輪、内輪、転動体のうち少なくとも転動体の材質
    がセラミックであることを特徴とする転がり軸受。
  2. 【請求項2】 電装補機に用いられる転がり軸受におい
    て、外輪、内輪、転動体のうち少なくとも、軸受鋼又は
    ステンレス鋼を母材とする転動体の表面に窒化処理がな
    されたことを特徴とする転がり軸受。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012047688A1 (en) * 2010-10-07 2012-04-12 Carrier Corporation Clutch bearing, electromagnetic clutch and transport refrigeration unit
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