JP2002220678A - 熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方法及び熱間圧延鋼板又は鋼材 - Google Patents
熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方法及び熱間圧延鋼板又は鋼材Info
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Abstract
処理する場合において、充分な皮膜量で、かつ、緻密で
均一なリン酸亜鉛皮膜を形成することができ、優れた防
食性を発揮することができる熱間圧延鋼板又は鋼材の処
理方法を提供する。 【解決手段】 亜鉛イオン0.5〜3g/l、マンガン
イオン0.1〜3g/l、ニッケルイオン0.1〜4g
/l、リン酸イオン5〜40g/l、硝酸イオン0.1
〜15g/l、亜硝酸イオン0.01〜0.5g/l及
び錯フッ化物をフッ素換算で0.5〜1g/l、並び
に、鉄の有機キレート化合物を鉄換算で0.005〜
0.1g/l及び/又は鉄イオンとキレート結合可能な
有機キレート剤0.025〜0.5g/lを含むリン酸
亜鉛処理剤で、熱間圧延鋼板又は鋼材を処理することを
特徴とする熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方法。
Description
鋼材の処理方法に関し、更に詳しくは、熱間圧延鋼板又
は鋼材に優れた防食性を有するリン酸亜鉛皮膜を形成す
ることができる熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方法に関す
る。
等には、広く鋼板及び鋼材が使用されており、これら
は、一般的には、成形、プレス溶接された後、表面に付
着している油分を除去するための脱脂処理、脱脂後水洗
処理、後工程である化成処理における化成皮膜の形成を
良好に行うための表面調整処理、及び、防食性や耐磨耗
性を向上させるリン酸亜鉛化成処理、及び、化成後水洗
処理という一連の塗装前処理工程が行われた後、電着塗
装されている。
は、特公平1−37478号公報には、亜鉛イオン0.
5〜1.5g/L、リン酸イオン5〜30g/L、マン
ガンイオン0.6〜3g/L、ニッケルイオン0.1〜
4g/L、塩素酸イオン0.05〜1g/Lを含み、更
に、亜硝酸イオン、m−ニトロベンゼンスルホン酸イオ
ン及び過酸化水素のうち少なくとも1つの皮膜化成促進
剤を含むリン酸亜鉛化成処理液で処理する方法が開示さ
れている。この方法は、鉄系表面と亜鉛系表面とを同時
に有する金属表面に対して好適に使用されるものであ
る。
は、処理温度を下げる目的で、亜鉛イオン0.5〜1.
5g/L、リン酸イオン5〜30g/L、マンガンイオ
ン0.6〜3g/L及び皮膜化成促進剤とともにフッ素
イオンを0.05g/L以上含有するリン酸塩処理水溶
液で浸漬処理する化成処理方法が開示されている。
特殊車両等の自動車、輸送機器、搬送機材等のコンテナ
ー、建設機械、農業機械、事務機器、産業機械等におけ
る構造部材、住宅等の建材は、高い強度が必要とされる
ことから、熱間圧延鋼板又は鋼材が使用されている。し
かし、このような熱間圧延鋼板又は鋼材は、乗用車車体
等に一般的に使用されている冷延鋼板に比べて、上述の
ような通常のリン酸亜鉛化成処理液を使用して処理した
のでは、得られるリン酸亜鉛皮膜の皮膜量が少なく、結
晶も粗く、皮膜被覆性に著しく劣るため、皮膜のスケ、
ムラが多く、充分な防食性を得ることができないという
問題点があった。
圧延鋼板又は鋼材をリン酸亜鉛処理剤で処理する場合に
おいて、充分な皮膜量で、かつ、緻密で均一なリン酸亜
鉛皮膜を形成することができ、優れた防食性を発揮する
ことができる熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方法を提供す
ることにある。
0.5〜3g/l、マンガンイオン0.1〜3g/l、
ニッケルイオン0.1〜4g/l、リン酸イオン5〜4
0g/l、硝酸イオン0.1〜15g/l、亜硝酸イオ
ン0.01〜0.5g/l及び錯フッ化物をフッ素換算
で0.5〜1g/l、並びに、鉄の有機キレート化合物
を鉄換算で0.005〜0.1g/l及び/又は鉄イオ
ンとキレート結合可能な有機キレート剤0.025〜
0.5g/lを含むリン酸亜鉛処理剤で、熱間圧延鋼板
又は鋼材を処理することを特徴とする熱間圧延鋼板又は
鋼材の処理方法である。
第二鉄アンモニウム又はクエン酸第二鉄n水和物であ
り、0.01〜0.015g/l含むものであることが
好ましい。また、上記鉄イオンとキレート結合可能な有
機キレート剤は、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、ED
TA、コハク酸、タンニン酸及びリンゴ酸並びにそれら
の塩及び誘導体からなる群より選択される少なくとも1
種であることが好ましい。なかでも、クエン酸がより好
ましく、この場合、0.05〜0.075g/l含むこ
とが好ましい。上記熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方法に
おいては、45〜55℃において、60〜120秒間処
理することが好ましい。本発明は、また、上記の熱間圧
延鋼板又は鋼材の処理方法により処理されてなる熱間圧
延鋼板又は鋼材でもある。以下、本発明を詳述する。
は、リン酸亜鉛処理剤で熱間圧延鋼板又は鋼材を処理す
るものである。上記リン酸亜鉛処理剤は、亜鉛イオン
0.5〜3g/lを含むものである。0.5g/l未満
では、皮膜の生成が不充分であり、3g/lを超える
と、スラッジが多くなる。好ましくは、0.7〜2g/
lである。上記亜鉛イオンの供給源は、酸化亜鉛、炭酸
亜鉛、硝酸亜鉛等の亜鉛化合物を挙げることができる。
0.1〜3g/lを含むものである。0.1g/l未満
であると、カチオン型電着塗装後の素地と塗膜の密着性
が不充分となり、防食性に劣る場合がある。3g/lを
超えても、それ以上の効果は望めず、経済的に不利であ
る。好ましくは、0.5〜2g/lである。上記マンガ
ンイオンの供給源としては、炭酸マンガン、硝酸マンガ
ン、塩化マンガン、リン酸マンガン等を挙げることがで
きる。
0.1〜4g/lを含むものである。NiイオンをMn
イオンと併用することによって、化成皮膜性能が更に向
上し、カチオン型電着塗装の密着性及び防食性が更に向
上する。好ましくは、0.5〜2g/lである。上記N
iイオンの供給源は、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩
化ニッケル、リン酸ニッケル、水酸化ニッケル等を挙げ
ることができる。
〜40g/lを含むものである。5g/l未満である
と、不均一な皮膜を形成しやすく、40g/lを超えて
も、それ以上の効果は望めず、経済的に不利である。好
ましくは、10〜35g/lである。上記リン酸イオン
の供給源は、リン酸、リン酸亜鉛、リン酸ナトリウム、
リン酸マンガン等を挙げることができる。
1〜15g/l及び亜硝酸イオン0.01〜0.5g/
lを含むものである。これらは、皮膜化成促進剤として
機能する。上記規定量未満であると、充分な皮膜化成が
できず、黄錆等になり、規定量を超えると、ブルーカラ
ー状の不均一皮膜を形成しやすい。好ましくは、硝酸イ
オン1〜10g/lである。上記硝酸イオンの供給源と
しては、硝酸、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硝
酸亜鉛、硝酸マンガン、硝酸ニッケル等を挙げることが
できる。上記亜硝酸イオンの供給源としては、亜硝酸ナ
トリウム、亜硝酸アンモニウム等を挙げることができ
る。
ッ素換算で0.5〜1g/l含むものである。0.5g
/l未満であると、密着性に劣ったり、均一な皮膜を形
成することができない。1g/lを超えると、皮膜が析
出する過程においてエッチング過剰となり、皮膜量が少
なくなる。
フルオロ珪酸(H2 SiF6 )、テトラフルオロホウ酸
(HBF4 )、ジルコニウムフッ化水素酸(H2 ZrF
6 )、ジルコニウムフッ化カリウム、ジルコニウムフッ
化ナトリウム、ジルコニウムフッ化アンモニウム等を挙
げることができる。なかでも、ヘキサフルオロ珪酸は、
Siイオンを含むものであるため、塗膜の密着性を向上
することができる点で好ましい。また、ジルコニウムフ
ッ化水素酸(H2 ZrF6 )等のジルコニウム化合物
は、皮膜形成促進効果がある点で好ましい。
ト化合物及び/又は鉄イオンとキレート結合可能な有機
キレート剤を含むものである。上記鉄の有機キレート化
合物及び上記鉄イオンとキレート結合可能な有機キレー
ト剤は、3価の鉄イオンをリン酸亜鉛処理剤中に安定に
維持することができ、この鉄イオンがエッチング促進剤
として機能し、熱間圧延鋼板又は鋼材を処理した場合に
おいて、緻密で均一かつ被覆性の高いリン酸亜鉛皮膜を
得ることができる。
鉛処理剤中に鉄イオンを安定に維持することができるも
のであり、例えば、クエン酸第二鉄アンモニウム又はク
エン酸第二鉄n水和物等を挙げることができる。
0.005〜0.1g/l含まれる。0.005g/l
未満であると、効果が出ない。0.1g/lを超える
と、エッチングが進みすぎて、皮膜が付きにくくなる。
好ましくは、0.01〜0.015g/lである。
レート剤は、熱間圧延鋼板又は鋼材から溶出する鉄イオ
ンをキレート結合により捕捉してリン酸亜鉛処理剤中に
安定に維持することができるものであり、例えば、クエ
ン酸、酒石酸、グルコン酸、EDTA、コハク酸、タン
ニン酸及びリンゴ酸並びにそれらの塩及び誘導体からな
る群より選択される少なくとも1種等を挙げることがで
きる。
レート剤は、0.025〜0.5g/l含まれる。0.
025g/l未満であると、効果が出ない。0.5g/
lを超えると、エッチングが進みすぎて、皮膜が付きに
くくなる。上記鉄イオンとキレート結合可能な有機キレ
ート剤としてクエン酸を用いる場合には、0.05〜
0.075g/lであることが好ましい。
とキレート結合可能な有機キレート剤はそれぞれ、単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、鉄
の有機キレート化合物及び鉄イオンとキレート結合可能
な有機キレート剤とを組み合わせて使用することも可能
である。この場合には、鉄の有機キレート化合物を鉄換
算でA(g/l)、鉄イオンとキレート結合可能な有機
キレート剤B(g/l)配合するとしたとき、下記式を
満たすA及びBの配合量が好ましい。0.025≦(A
×5)+B≦0.5
ロベンゼンスルホン酸イオン0.05〜2g/l、好ま
しくは0.1〜1.5g/l、過酸化水素0.5〜5g
/l、好ましくは1〜4g/l、又は、塩素酸イオン
0.05〜2g/l、好ましくは0.2〜1.5g/l
のうち少なくとも1つの皮膜化成促進剤を含むものであ
ってもよい。上記皮膜化成促進剤の供給源は、m−ニト
ロベンゼンスルホン酸ナトリウム;過酸化水素水;塩素
酸ナトリウム、塩素酸アンモニウム等を挙げることがで
きる。
は、処理温度45〜55℃において、60〜120秒
間、上記のリン酸亜鉛処理剤で熱間圧延鋼板又は鋼材を
浸漬処理することが好ましい。45℃未満であったり、
60秒間未満であると、皮膜量が少なく、充分な防食性
が得られない場合がある。55℃を超えると、皮膜が付
着する速度が速いため、処理時間を調整しにくく、ま
た、リン酸亜鉛処理剤の劣化が速く、長期にわたり繰り
返し使用できない場合がある。また、120秒間を超え
ても、形成されるリン酸亜鉛皮膜の皮膜量も変わらず、
防食性等の性能も変わらない。上記処理時間は、80〜
100秒であることがより好ましい。
としては、A3 変態点以上、通常約800℃以上で圧延
された鋼板又はこの鋼板を使用する鋼材であり、いわゆ
る黒皮鋼板等を材料とするものが挙げられ、冷延鋼板に
比べて、厚い酸化皮膜を有している。上記酸化皮膜とし
ては、膜厚20μm以上である場合に好適に使用するこ
とができる。
により形成されるリン酸亜鉛皮膜の皮膜量としては、
1.5g/m2 以上であることが好ましい。1.5g/
m2 未満であると、防食性に劣る場合がある。
ば、トラック、特殊車両等の自動車、輸送機器、搬送機
材等のコンテナー、建設機械、農業機械、事務機器、産
業機械等における構造部材、住宅等の建材等に使用する
ものを挙げることができる。
ス溶接された後、表面に付着している油分や汚れを除去
するための脱脂処理、脱脂後水洗処理、及び、上記化成
処理における化成皮膜の形成を良好に行うための表面調
整処理が予め行われたものであることが好ましい。
リン・無窒素脱脂洗浄液等の脱脂剤により、通常40〜
50℃において数分間程度の浸漬処理がなされる。所望
により、脱脂処理の前に、予備脱脂処理を行うことも可
能である。その後、上記脱脂剤を水洗するために、大量
の水洗水によって1段階又はそれ以上でスプレー処理に
より脱脂後水洗処理が行われる。
理剤としては、例えば特開平9−249978号公報等
に記載のものが挙げられる。即ち、重量基準で、チタン
イオン1〜50ppm、リン酸イオン50〜1000p
pm、トリポリリン酸イオン50〜400ppm及び炭
酸イオン20〜1500ppmを含み、(トリポリリン
酸イオンの重量)/(チタンイオンの重量)の値が10
〜100であり、pH8.5〜10.0である高耐久性
表面調整処理剤を好適に使用することができる。上記表
面調整処理は、通常、室温〜50℃程度において数十秒
〜2分程度の浸漬処理が行われることが好ましい。
リン酸亜鉛処理剤による処理が行われる。その後、化成
後水洗が不充分であるとその後の電着塗装において塗膜
外観等に悪影響を及ぼすことから、2段又はそれ以上に
よる化成後水洗処理が行われる。この場合、最終の水洗
は、純水で行うことが適当である。この脱脂後水洗にお
いては、スプレー水洗又は浸漬水洗のどちらでもよく、
これらの方法を組み合わせて水洗することもできる。上
記熱間圧延鋼板又は鋼材は、化成後水洗の後は、公知の
方法に従って、必要に応じて乾燥され、その後、電着塗
装を行うことができる。
においては、亜鉛イオン、マンガンイオン、ニッケルイ
オン、リン酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び錯
フッ化物をそれぞれ特定の濃度で含み、更に、鉄の有機
キレート化合物及び/又は鉄イオンとキレート結合可能
な有機キレート剤を含むリン酸亜鉛処理剤で、熱間圧延
鋼板又は鋼材を処理するものであるので、皮膜被覆性に
優れ、緻密で均一であり、かつ、充分な皮膜量のリン酸
亜鉛皮膜が得られ、防食性等の皮膜性能を向上すること
ができる。上記処理されてなる熱間圧延鋼板又は鋼材も
また、本発明の1つである。
リン酸亜鉛処理剤を用いて、冷延鋼板等を処理した場合
には、形成されるリン酸亜鉛皮膜の緻密性及び均一性は
若干向上するが、皮膜量としては通常のリン酸亜鉛処理
剤を用いて処理した場合よりも少なくなるため、防食性
等の性能においては従来のリン酸亜鉛処理を行った場合
とほぼ同等である。また、処理時間や温度を上げても、
ある一定以上の皮膜量は形成されず、即ち、時間−皮膜
量曲線が所定の処理時間でプラトーに達する。一方、熱
間圧延鋼板又は鋼材に対して処理した場合には、緻密で
均一な皮膜が形成されるのみならず、皮膜量も増加す
る。即ち、時間−皮膜量曲線が所定の処理時間でプラト
ーに達するが、皮膜量としては、上記冷延鋼板に適用し
た場合よりも多い皮膜量で平衡に達する。従って、得ら
れる防食性等の性能を格段に向上することができる。
を添加した場合には、この亜硝酸イオンが酸化剤として
作用するため、鉄イオンをリン酸亜鉛処理剤中に安定に
維持することができなかった。一方、本発明において
は、鉄の有機キレート化合物及び/又は鉄イオンとキレ
ート結合可能な有機キレート剤を使用するものであるた
め、亜硝酸イオン等の酸化剤存在下であっても、鉄イオ
ンを安定に維持することができ、上記効果を持続的に発
揮することができる。従って、本発明の熱間圧延鋼板又
は鋼材の処理方法によって処理された熱間圧延鋼板又は
鋼材は、特に強度と防食性の両立が必要とされる自動
車、コンテナー、建設機械、農業機械、事務機器、産業
機械等における構造部材、住宅等の建材等に好適に使用
することができる。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 市販の黒皮鋼板(日本テストパネル社製、商品名「JI
S G3101(SS−400)」)を用いて、下記の
工程条件で塗装前処理を施した。 脱脂:2重量%「サーフクリーナーSD135」(日本
ペイント社製アルカリ脱脂剤)43℃、2分浸漬処理 脱脂後水洗:水道水、30秒スプレー処理 表面調整:0.1重量%「サーフファイン5N−10」
(日本ペイント社製表面調整剤)室温、30秒浸漬処理 リン酸亜鉛処理:下記配合のリン酸亜鉛処理剤を用いて
浸漬処理 化成後水洗:水道水、30秒スプレー処理 純水水洗:純水によるスプレー水洗、30秒 乾燥:120℃、10分
モニウム0.1g/l(鉄換算で0.015g/l)、
マンガンイオン1.0g/l、ニッケルイオン1.0g
/l、硝酸イオン6.0g/l、亜硝酸イオン0.12
g/l、SiF6 をフッ素換算で0.7g/lに更に、
亜鉛イオン1.0g/l、リン酸イオン15g/lとし
たものを用いた。全酸度22ポイント、遊離酸度0.5
ポイントであった。処理温度は50℃で行い、処理時間
は60、90、120及び150秒と変えた。得られた
リン酸亜鉛処理黒皮鋼板を用いて、蛍光X線分光光度法
によりP量を測定し、得られたP量より皮膜量(g/m
2 )を算出した。結果を表1に示した。
0秒のものについて、皮膜結晶外観を走査型電子顕微鏡
(SEM)により観察した(×1000)。結果を図1
に示した。
剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして処理を行
い、測定及び観察を行った。結果を表1及び図1に示し
た。
及びクエン酸第二鉄アンモニウムの濃度を表2に示した
ものとしたこと以外は、実施例1と同様にして処理を行
った。処理時間は、実施例2〜4及び比較例2〜4は9
0秒、実施例5〜7及び比較例5〜7は120秒とし
た。更に、得られたリン酸亜鉛処理黒皮鋼板を用いて、
電着塗装(「パワートップ2500」(日本ペイント社
製カチオン電着塗料)、乾燥膜厚30μm)を行い、水
洗後、160℃、20分間加熱して焼付けを行った。得
られた塗板について、次のようにして塩水噴霧試験を行
い、結果を表2に示した。
入れた後、5%NaCl水溶液で35℃にて1000時
間スプレー処理した。その後、カット部からの最大錆幅
(mm)及び合計錆長さ(mm)を測定した。最大錆幅
は、カット部から垂直の錆の片側最大幅であり、合計錆
長さは、カットに沿って発生した各錆の長さを合計した
ものである。
ニウムを含まない比較例1は、処理時間とともに皮膜量
が増加していくが、SEMよりリン酸亜鉛結晶が粗く、
スケやムラが観察された。また、表2より、クエン酸第
二鉄アンモニウムを含まない比較例2〜7は、2分程度
リン酸亜鉛処理しても、充分な防食性が得られなかっ
た。一方、クエン酸第二鉄アンモニウムを含む実施例1
は、90秒以降は、ほぼ同じ皮膜量であり、SEMより
緻密で均一なリン酸亜鉛皮膜が観察された。また、実施
例2〜7においては、90秒の処理時間で優れた防食性
が得られることがわかった。
法は、亜鉛イオン0.5〜3g/l、マンガンイオン
0.1〜3g/l、ニッケルイオン0.1〜4g/l、
リン酸イオン5〜40g/l、硝酸イオン0.1〜15
g/l、亜硝酸イオン0.01〜0.5g/l及び錯フ
ッ化物をフッ素換算で0.5〜1g/l、並びに、鉄の
有機キレート化合物を鉄換算で0.005〜0.1g/
l及び/又は鉄イオンとキレート結合可能な有機キレー
ト剤0.025〜0.5g/lを含むリン酸亜鉛処理剤
で、熱間圧延鋼板又は鋼材を処理するものであるので、
被覆性が高く、緻密で均一、かつ、充分な皮膜量のリン
酸亜鉛皮膜が得られ、防食性等の皮膜性能を向上するこ
とができる。本発明の熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方法
によって処理された熱間圧延鋼板又は鋼材は、特に強度
と防食性の両立が必要とされる自動車、コンテナー、建
設機械、農業機械、事務機器、産業機械等における構造
部材、住宅等の建材等に好適に使用することができる。
0、90及び120秒により得られたリン酸亜鉛皮膜を
走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した写真(×1
000)である。
Claims (6)
- 【請求項1】 亜鉛イオン0.5〜3g/l、マンガン
イオン0.1〜3g/l、ニッケルイオン0.1〜4g
/l、リン酸イオン5〜40g/l、硝酸イオン0.1
〜15g/l、亜硝酸イオン0.01〜0.5g/l及
び錯フッ化物をフッ素換算で0.5〜1g/l、並び
に、鉄の有機キレート化合物を鉄換算で0.005〜
0.1g/l及び/又は鉄イオンとキレート結合可能な
有機キレート剤0.025〜0.5g/lを含むリン酸
亜鉛処理剤で、熱間圧延鋼板又は鋼材を処理することを
特徴とする熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方法。 - 【請求項2】 鉄の有機キレート化合物は、クエン酸第
二鉄アンモニウム又はクエン酸第二鉄n水和物であり、
0.01〜0.015g/l含むものである請求項1記
載の熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方法。 - 【請求項3】 鉄イオンとキレート結合可能な有機キレ
ート剤は、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、EDTA、
コハク酸、タンニン酸及びリンゴ酸並びにそれらの塩及
び誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であ
る請求項1又は2記載の熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方
法。 - 【請求項4】 鉄イオンとキレート結合可能な有機キレ
ート剤は、クエン酸であり、0.05〜0.075g/
l含むものである請求項1、2又は3記載の熱間圧延鋼
板又は鋼材の処理方法。 - 【請求項5】 45〜55℃において、60〜120秒
間処理するものである請求項1、2、3又は4記載の熱
間圧延鋼板又は鋼材の処理方法。 - 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の熱間
圧延鋼板又は鋼材の処理方法により処理されてなる熱間
圧延鋼板又は鋼材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001016049A JP2002220678A (ja) | 2001-01-24 | 2001-01-24 | 熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方法及び熱間圧延鋼板又は鋼材 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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Citations (1)
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---|---|---|---|---|
JP2000087253A (ja) * | 1998-07-16 | 2000-03-28 | Nippon Parkerizing Co Ltd | 油分付着鋼材の脱脂兼リン酸亜鉛化成処理液 |
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