JP2002218849A

JP2002218849A - 高架栽培用培地容器

Info

Publication number: JP2002218849A
Application number: JP2001017609A
Authority: JP
Inventors: Hirofumi Takeura; 広文竹浦
Original assignee: NOKEN SANGYO KK
Current assignee: NOKEN SANGYO KK
Priority date: 2001-01-25
Filing date: 2001-01-25
Publication date: 2002-08-06

Abstract

(57)【要約】【課題】イチゴの果実が基台部の側部にはみ出ても、
花梗枝が折れることがなく、別部品も必要のない高設栽
培用培地容器を提供。【解決手段】地面から高い位置に支持される、底板２
と両側壁３からなる発泡樹脂製の高架栽培用培地容器１
において、両側壁３の上端から外側下方に延びる果実受
け部４を培地容器１と一体に形成した高架栽培用培地容
器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、作業に適した高さ
でイチゴ等の植物を栽培する培地容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のイチゴ栽培は、苗植えから、手入
れ、収穫まで、地面に造った畝で栽培していたので、作
業者はかがんだり、腰を曲げた無理な姿勢で長時間作業
を行っていた。

【０００３】近年では、少子化に加え、若者の農業離れ
が進み、残された高齢の農家の人が作業を行わなければ
ならないという深刻な問題がある。農業の種類も、コメ
よりも付加価値が高いイチゴなどに移行しているが、低
い地面での作業は年々足腰が弱ってくる高齢者にとって
過酷である。

【０００４】このような地面での過酷な作業を解消する
ために、床土を腰の高さまたはそれよりも高い位置に上
げて、腰をかがめないで作業ができる高設架台を用いた
イチゴ栽培が注目を浴びている。

【０００５】特開平１０−１７８９２７号公報には、大
地面から所定高さに支柱により支持され、断面略溝状の
凹溝部を有する断熱材で形成される基台部に床土を収納
したベンチ栽培システムが開示されている。その構造を
図５に示す。

【０００６】図５において、縦パイプ２２と横パイプ２
３と支持パイプ２４とで支柱２１を構築し、支持パイプ
２４の上に発泡スチロール製の基台部２５が載置されて
いる。基台部２５の内側に床土２６が収納され、給液パ
イプ２７から水分や養分を供給して床土に植えられた植
物、特にイチゴを栽培する。コ字状の基台部２５の内側
に形成された凹溝２８から余分の水分が排出される。ま
た、温湯管２９から適温の湯を供給して床土の温度を適
温に調節する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のベンチ栽培システムにおいては、イチゴの果実が成
長すると基台部の側部に果実がはみ出るようになり、そ
の重みでイチゴの花梗枝の折れが出て、養分が果実に行
かなくなり、収量に影響が出ていた。そのため、イチゴ
の果実受けを、基台部の側部に別の部材で設置しなけれ
ばならなかった。

【０００８】そこで本発明が解決しようとする課題は、
イチゴの果実が基台部の側部にはみ出ても、花梗枝が折
れることがなく、別部品も必要のない高設栽培用培地容
器を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、地面から高い位置に支持される、底板と
両側壁からなる発泡樹脂製の高架栽培用培地容器におい
て、前記両側壁の上端から外側下方に延びる果実受け部
を前記培地容器と一体に形成したことを特徴とする。

【００１０】この高架栽培用培地容器において、次のよ
うな特徴を付加することが好ましい。

【００１１】（１）果実受け部を断面円弧状とする。こ
れにより、果実の重量を支えることができると共に、散
水したときの水切りをよくする。この果実受け部は単な
る傾斜平面でもいいが、円弧状にした方が、果実の成長
に応じて果実が外方に延びることを妨げない。

【００１２】（２）底板の中央部に排水溝を設け、底板
の面を、排水溝に向かって傾斜する傾斜面とする。これ
により、培土の排水をよくして、根腐れを防止する。

【００１３】（３）培地容器の長手方向の両端部に、連
結用凸部と凹部を形成する。これにより、容易に、任意
の長さの栽培ベッドを形成することができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。

【００１５】図１は本発明の培地容器の実施例を示す正
面図、図２はその平面図、図３はその側面図である。こ
れらの図において、培地容器１は、底板２と両側壁３
と、この両側壁３の上部から外側に向かって円弧状に延
びる果実受け部４を有する発泡樹脂製のブロックであ
る。底板２の中央部には排水溝５が設けられ、底板２
は、この排水溝に向かって下降勾配を有している。６は
高架設置用のパイプに落とし込んで位置決めと固定を行
うための溝である。培地容器１の両端部には、一方には
凸部７が形成され、他方には凹部８が形成されて、連結
する培地容器の凸部７と凹部８を結合することにより任
意の長さの栽培ベッドを形成することができる。

【００１６】図４は、イチゴ栽培時の使用状態を示す正
面図である。

【００１７】図４において、１１は直管パイプからなる
支柱、１２は同じく直管パイプからなる横杆、１３は培
地容器１の底部に設けられた溝６が嵌まり込んで横方向
のずれを防止するガイドパイプ、１４は栽培ベッドの長
手方向に沿って支柱１１の下部に固定された沈下防止用
パイプ、１５は栽培ベッドの長手方向に沿って支柱１１
の上部に固定された開き防止用パイプである。

【００１８】これらの構成からなる架台１０の長手方向
に沿って、培地容器１を連結して栽培ベッドを組み立て
る。培地容器１の内部には、合成樹脂製のシート１６を
敷き、果実受け部４の外側に垂れるようにする。次い
で、排水溝５の上部に不織布からなる根絡み防止シート
１７を敷き、イチゴの毛根が排水溝５に延びて排水が邪
魔されるのを防止する。根絡み防止シート１７の上に培
地１８を入れ、養液を供給する点滴チューブ１９を配置
して、その上にマルチシートと呼ばれる保湿・保温シー
ト２０を被せる。

【００１９】保湿・保温シート２０に穴を開けて、イチ
ゴの苗を培地１８に植える。

【００２０】このようにして、栽培ベッドに植えられた
イチゴの苗は育成され、開花、受粉後、果実が実る。果
実が成長すると、実が大きく重くなり、培地容器１の外
側にはみ出ることがあるが、果実受け部４がその果実の
重みを受けるので、花梗枝が折れることがなく、収穫に
適した大きさになるまで、養分が充分に果実に供給され
る。

【００２１】

【発明の効果】上述したように、本発明によれば下記の
効果を奏する。

【００２２】（１）果実受け部が容器本体と一体に成形
されているため、この本体を設置するだけで、イチゴの
果実が培地容器の側部にはみ出ても、花梗枝が折れるこ
とがなく、別部品も必要がない。

【００２３】（２）果実受け部を断面円弧状とすること
により、果実の重量を支えることができると共に、散水
したときの水切りをよくする。円弧状にすることによ
り、果実の成長に応じて果実が外方に延びることを妨げ
ない。

【００２４】（３）底板の中央部に排水溝を設け、底板
の面を、排水溝に向かって傾斜する傾斜面とすることに
より、培土の排水をよくして、根腐れを防止する。

【００２５】（４）培地容器の長手方向の両端部に、連
結用凸部と凹部を形成することにより、容易に、任意の
長さの栽培ベッドを形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す正面図である。

【図２】本発明の実施例の平面図である。

【図３】本発明の実施例の側面図である。

【図４】本発明の実施例の使用状態を示す斜視図であ
る。

【図５】従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１培地容器、２底板、３側壁、４果実受け部、
５排水溝、６溝、７凸部、８凹部、１０架台、
１１支柱、１２横杆、１３ガイドパイプ、１４
沈下防止用パイプ、１５開き防止用パイプ、１６シ
ート、１７根絡み防止シート１７、１８培地、１９
点滴チューブ、２０保湿・保温シート、２１支
柱、２２縦パイプ、２３横パイプ、２４支持パイ
プ、２５基台部、２６床土、２７給液パイプ、２８
凹溝、２９温湯管

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】地面から高い位置に支持される、底板と
両側壁からなる発泡樹脂製の高架栽培用培地容器におい
て、前記両側壁の上端から外側下方に延びる果実受け部
を前記培地容器と一体に形成したことを特徴とする高架
栽培用培地容器。
【請求項２】果実受け部が断面円弧状である請求項１
記載の高架栽培用培地容器。
【請求項３】底板の中央部に排水溝を設け、底板の面
を、排水溝に向かって傾斜する傾斜面とした請求項１ま
たは２記載の高架栽培用培地容器。
【請求項４】培地容器の長手方向の両端部に、連結用
凸部と凹部を形成した請求項１から３のいずれかの項に
記載の高架栽培用培地容器。