JP2002218791A - 切換式リラクタンス機械における回転子位置を判定する方法およびシステム - Google Patents
切換式リラクタンス機械における回転子位置を判定する方法およびシステムInfo
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Abstract
始動した後にも適用可能である、2相以上の切換式リラ
クタンス機械における回転子位置を判定する方法および
システムを提供すること。 【解決手段】 切換式リラクタンス機械は、物理的な回
転子位置検出器を用いることなく制御される。始動時の
回転子位置は、既知の大きさの電流を2つの相に同時に
注入することによって判断される。各電流の立上がり時
間が計測され、既知の電流レベルに関する回転子角度に
対する立上がり時間の記憶されたテーブルを呼び出すた
めに用いられる。これによって各立上がり時間から2つ
の考えられる回転子位置が得られる。各角度の組を比較
することによって、実際の位置が与えられる。
Description
ス機械における回転子位置の判定に関する。
作は、1993年6月21日〜24日にドイツのニュル
ンベルクで開催されたPCIM’93会議および展示会
の際、J M StephensonおよびR J Blakeによって発表さ
れた、“The Characteristics,Design and Application
s of Switched Reluctance Motors and Drivers”にお
いて一般的に述べられている。この論文は参照によって
本明細書に組み込まれる。この論文の中で、切換式リラ
クタンス機械の電圧印加の「チョッピング」モードおよ
び「単一パルス」モードは、低速時および高速時それぞ
れでの機械動作として記載されている。典型的な従来技
術の駆動装置を、図1に概略的に示し、多数の周知の変
換器トポロジーのうちの1つを図2に示す。図中の抵抗
器28は、電流フィードバック信号を供給するため、低
電位側のスイッチ22と直列に接続される。
には、回転子位置に関連した、相への電圧印加の正確な
タイミングに依存する。図1に概略的に示されるよう
に、回転子位置の検出は従来、機械の回転子軸に関連し
て取付けられたトランスデューサを用いて行われ、該ト
ランスデューサにおいて、回転するディスクは機械の該
回転子軸上に取付けられ、該回転子軸は固定された光学
センサまたは磁気センサと協働する。固定子に対する回
転子位置を示すパルス列が生成されて、制御回路に供給
され、相への正確な電圧印加を可能にする。このような
装置の重要な特徴は、回転子速度がゼロのときにも機能
することであって、これによって制御回路が、所望の方
向にトルクを供給するために通電すべき正しい相を識別
することが可能になる。
あり、かつ多くの用途において良好に充分動作するが、
回転子位置トランスデューサは、アセンブリの全体的な
コストを増大させ、機械との電気的接続部を余分に増加
させ、それ故に信頼性のないものになる可能性がある。
回転子位置トランスデューサを不要にするための様々な
方法が提案されてきており、その内のいくつかの方法
は、1993年9月13日〜16日のイギリスのブライ
トンでの欧州パワーエレクトロニクス会報において発表
された、W F RayおよびI H Al-Bahadlyによる“Sensorl
ess Methods for Determiningthe Rotor Position of S
witched Reluctance Motors”の第6巻第7ページ〜第
13ページで検討されている。この論文は参照によって
本明細書に組み込まれる。
多くは、1つまたはそれ以上の相における位相磁束結合
(つまり時間に関する印加電圧の積分)および電流の測
定値を用いる。位置は、角度と電流との関数としての、
機械のインダクタンスの変化に関する知識を用いて計算
される。この特性は、磁束結合/角度/電流テーブルと
して記憶可能であり、図3に示される。
ズムが正確に機能するように、機械が回転することが必
要となる。静止状態から開始させることは、一般的に、
そのアルゴリズムが行われるように、機械を適切な速度
までの速度で動かす技術とは大幅に異なる技術が必要と
なる。たとえば、参照によって本明細書に組み込まれ
る、欧州特許公報 EP−A−1 014 556号
(Green)は、十分なデータを収集し、電流と回転子角
度についての記憶されたテーブルを呼び出すために磁束
結合の予め定められたパルスを2つの相に注入する方法
を開示している。この方法は、電流の読取値を捕捉する
に十分な容量を有し、印加電圧を積分できる能力を有す
る制御システムを必要とする。
2号(Dana)は、多相機械の3つの相に電流を注入し、
3つの電流が予め定められた2つのレベル間を横切する
ために要する時間の計測結果に基づいて、一連の比較を
行う方法を開示している。この方法は、十分な演算能力
と、中間ステップの結果を記憶する能力とが必要とな
る。
ラクタンス機械の固定子に対する回転子位置を判定する
方法において、少なくとも2つの相を同時に励磁し、各
相における予め定められた閾値への電流の立上がり時間
を監視し、各相においてインダクタンスは回転子位置と
ともに周期的に変化するため、各相における電流の立上
がり時間を、考えられる回転子位置と同等とみなし、考
えられる位置間での実質的一致について、考えられる回
転子位置を比較して、実際の回転子位置を導出すること
を含むことを特徴とする方法である。
は、電流の立上がり時間を縦座標として、記憶手段に記
憶されることを特徴とする。
スの周期的変化は類似しており、記憶手段に相インダク
タンス周期ごとに、値と対応する縦座標値とを一組とし
て前記記憶手段に記憶し、相の1つまたは両方について
の考えられる回転子位置に、その相についての考えられ
る回転子位置と同等とみなされる特定点に関連するその
相の配置に対応して、位相ずれを加えることをさらに含
むことを特徴とする。
上の表に記憶されることを特徴とする。
それぞれに、予め定められた大きさの電圧を印加するこ
とによって、相巻線のそれぞれを同時に励磁し、各相の
立上がり時間を考えられる回転子位置と同等としてみな
す前に、予め定められた電圧に従って、監視された電流
の立上がり時間を調整することを含むことを特徴とす
る。
回転子位置に関する比較の結果として曖昧な結果を与え
るかもしれない予め規定された領域内に回転子があるか
否かを、考えられる回転子位置から判定することを含む
ことを特徴とする。
動させるように、少なくとも2つの相のそれぞれを異な
る大きさの電圧で印加し、その後、該少なくとも2つの
相を同時に印加することを含むことを特徴とする。
動させるように、少なくとも2つの相のそれぞれを異な
る大きさの電圧で印加し、その後、回転子が前記予め規
定された領域内にあるとき、該少なくとも2つの相を同
時に印加することを特徴とする。
インダクタンス周期において繰り返し印加され、実際の
回転子位置を繰り返し導出することを特徴とする。
とを特徴とする。また本発明は、印加は予め定められた
時間の間繰り返されることを特徴とする。
いて印加されるパルス数は予め定められることを特徴と
する。
タンス機械の固定子に対する回転子位置を判定する方法
であることを特徴とする。
械の固定子に対する回転子位置を判定するシステムにお
いて、少なくとも2つの相を同時に印加する手段と、各
相における予め定められた閾値への電流の立上がり時間
を監視する手段と、各相においてインダクタンスは回転
子位置とともに周期的に変化するため、各相における電
流の立上がり時間を、考えられる回転子位置と同等とし
てみなす手段と、実際の回転子位置を導出するために、
回転子の考えられる位置を比較し、それらの間の実質的
一致をみるための手段とを含むことを特徴とするシステ
ムである。
を、縦座標値電流立上がり時間として記憶する記憶手段
を含み、該同等とみなす手段は、各相の監視される立上
がり時間に従って記憶手段にアドレスするための手段を
含むことを特徴とする。
る回転子位置の値を、前記機械の特定の相インダクタン
ス周期ごとの電流立上がり時間の縦座標値として記憶
し、同等に扱う手段はさらに、相の1つまたは両方につ
いての考えられる回転子位置に対して、その相について
の回転子位置と同等とみなすための特定点に関連するそ
の相の配置に対応して、位相ずれを加える手段を含むこ
とを特徴とする。
は、前記記憶手段内の2つの異なるテーブルに記憶され
ることを特徴とする。
るシステムを含み、さらに、少なくとも2つの相巻線を
印加する手段を含むことを特徴とする切換式リラクタン
ス駆動システムである。
つの相巻線に予め定められた電圧を印加するように動作
可能であり、さらに、各相の電流立上がり時間を考えら
れる回転子位置と同等としてみなす前に、予め定められ
た電圧に従って、監視された電流の立上がり時間を調整
する手段を含むことを特徴とする。
回転子位置に関する比較の結果として曖昧な結果を与え
るかもしれない予め規定された領域内に回転子があるか
否かを、考えられる回転子位置から判定する手段を含む
ことを特徴とする。
子に対して移動させるように、該少なくとも2つの相巻
線に異なる大きさの電圧を印加するように動作可能であ
り、その後、少なくとも2つの相巻線を同時に印加する
ように動作可能であることを特徴とする。
子に対して移動させるように、該少なくとも2つの相巻
線に異なる大きさの電圧を印加するように動作可能であ
り、その後、回転子が前記予め規定された領域内にある
とき、該少なくとも2つの相巻線を同時に印加するよう
に動作可能であることを特徴とする。
2つの相を、相インダクタンス周期において繰り返し印
加するように動作可能であることを特徴とする。
2つの相巻線のそれぞれにパルス形式で電圧を印加する
ように動作可能であることを特徴とする。
た時間の間印加を繰り返すように動作可能であることを
特徴とする。
た数のパルス形式で、該少なくとも2つの相巻線に印加
するように動作可能であることを特徴とする。
おける電流が予め定められたレベルまで立ち上がる時間
を計測することによって、速度がゼロのときの回転子位
置を判定する方法を提供する。相電流の立上がり時間
は、その相の磁気回路のインダクタンスと回転子位置と
に直接的に関係する。なぜならインダクタンスは、その
相に関する固定子磁極に相対する回転子磁極の位置によ
って判定されるからである。本発明は、2つの相に電流
を同時注入する。縦座標値である時間に対する回転子角
度を記憶している簡略な参照テーブルを用いて、各読取
値に従って考えられ得る回転子位置を比較し、それらの
間の実質的一致をみることによって回転子位置を判定す
ることが可能となる。
したがって2つの相は位相がずれている相インダクタン
ス周期を有する。本発明に従って、電流の立上がり時間
の計時結果を比較すると、両インダクタンス周期の2つ
の点の間に実質的に一致するところがある。この計測結
果から得られる実質的一致から、回転子位置を導出する
ことが可能である。
ゼロであるときに、いずれの電力変換器回路とも動作可
能であるセンサーレス制御方法を提供し、該方法は、大
容量の記憶データまたは高価な電流フィードバックを必
要とせず、さらにまた位置を推測する波形上にノイズが
存在する場合でも強力である。本発明は、一般にメモリ
容量の理由からコスト高となる、記憶された磁束結合デ
ータを全く必要としない。
扱えるように、同一の電圧が両相に印加される必要があ
る。印加電圧が、電流立上がり時間と回転子角度とを同
等に扱えるようにする基本データを提供するために用い
られる電圧と同じではない場合には、監視された時間は
電圧比に応じて調整される。
である。そのうちのいくつかを実施の形態を用いて添付
の図を参照して説明する。
ス周期は、各相のインダクタンスの変動の期間、たとえ
ば回転子磁極が完全に固定子磁極と並ぶときの最大値間
の期間であることに、当業者は気付くであろう。記載の
好適な実施の形態は、2相の切換式リラクタンス駆動装
置を用いているが、より多相の装置を用いることも可能
である。
装置を示す。図4の駆動装置は、図1に示される駆動装
置に基づいており、同様の部品には同様の参照符号が付
される。該装置は、固定子30と、固定子内で回転する
ように取付けられる回転子32と、電源11に切換回路
13を介して接続される2つの相巻線34,36とを含
む。本実施の形態において、電流センサ38は2つの相
巻線34,36のそれぞれに関して設けられ、固定子に
対する回転子位置を判定する電流を示す信号を供給す
る。電流の立上がり率は位相回路のインダクタンスに依
存し、該インダクタンスは回転子位置に依存する。
にそれぞれ接続され、該閾値検出器40は制御器42に
よってリセットされるようにそれぞれ制御される。タイ
マー44は、制御器によって作動され、該タイマーに関
連付けられる閾値検出器40の出力によって停止される
ように接続される。アドレス指定可能な参照テーブル4
6は、制御器42に接続される。参照テーブル46は、
相インダクタンスに従った閾値に到達する時間の縦座標
に対する回転子位置値を含む。上述の構成要素の多く
は、マイクロプロセッサまたは特定用途向け集積回路
(ASIC)の一部として実現可能である。たとえばタ
イマー44および参照テーブル46は、別個のものでな
くてもよい。図4は本発明を概略的に示すためのもので
ある。
が2つの相巻線34,36に印加され、電流が注入され
る。たとえば駆動装置が図2の電力回路トポロジーを用
いるときには、各相の両スイッチは制御器42によって
同時に閉じられ、両相に供給電圧が印加される。閾値電
流レベルは、好ましくは閾値検出器40内に予め設定さ
れる。このレベルはたとえば、おおよそ、駆動装置の通
常運転時に用いられるピーク電流であってもよく、また
は他の好適なレベルであってもよい。一方の相における
電流センサ38によって検出された電流が、電流の立上
がり率に従った予め定められた閾値レベルに到達したと
き、閾値検出器40は、タイマー44を停止させ、供給
電圧が最初に印加されるゼロ電流から要した時間を記録
する。同時に、その相のためのスイッチが制御器42に
よって開放される。電流が同一の閾値に到達したとき、
同一の動作が他方の相に関しても行われる。
れ、該参照テーブル46には予め定められた閾値電流の
立上がり時間に対する回転子位置の値が記憶される。電
流値3.3アンペア用の典型的な小型機械用のテーブル
を、図5に示される計測データから導出することが可能
である。機械は、4つの固定子磁極50と2つの回転子
磁極52とを有する。回転子は固定子磁極面との間で階
段状の空隙54をなす磁極面形状を有する。空隙内の段
差は、相の一方が電圧印加されたときの、開始トルクを
見越したものである。
た立上がり時間を図で示している。x軸は機械的角度で
あり、固定子は2組の磁極を有するので、180°が相
インダクタンス周期に対応する。より多くの相を有する
機械の場合、立上がり時間単位値は、より小さい角度範
囲内で繰り返される。縦座標である単位時間値に対する
角度の入力数は、与えられた状況でのメモリ容量と正確
さとの間で妥協されたものである。y軸は制御器内の記
憶媒体に適する単位時間であって、ここでは各単位は
0.00003秒に相当する。相Bと示される曲線は、
相Aの曲線を90°ずらした曲線に対応する。2つのサ
ンプル時間T1およびT2は、図6に破線で示される。
T1は相Aの考えられる2つの位置、つまり29°と1
43°とを示し、同様にT2は、相Bの考えられる2つ
の位置、つまり29°と131°とを示す。制御器42
内のレジスタ(図示せず)内で行われる比較によって、
回転子位置は29°であると判定される。なぜなら、い
かなるときでも1つだけの回転子位置が存在し得るから
である。立上がり時間を計測しているときに、回転子の
有意な移動がないとすれば、この方法は強力かつ正確な
方法である。しかしながら、比較の結果については、1
つの相からの考えられる位置ともう1つの相からの考え
られる位置との“一致”は、最も近接した組の差異に上
限と下限とを含むものとして認識することが好ましい。
れるような参照テーブル46において用いられるデータ
収集のために用いられる電圧とは異なるとき、誤差が生
じる。なぜなら電圧が異なると相電流の立上がり率も異
なるからであり、この場合、検出器40に設定される閾
値に到達する時間が異なることを意味する。これらの誤
差は、参照テーブルのデータを作成するために用いられ
た特性電圧に対する印加電圧の比で、計測された立上が
り時間を調整することによって、除去、または少なくと
も大幅に軽減することが可能である。これは標準の乗算
および除算のルーチンを用いる制御システムによって、
容易に実行可能である。より正確な結果が求められる場
合には、たとえば磁気の非線形性を補償するなどの非線
形性の調整を、用いることが可能である。
換式リラクタンス機械の始動時の判定に特に関する図7
のフローチャートに要約される。本発明は、始動後の回
転子位置の判定にも適用可能である。
38を用いて監視されるべき2つの相電流のタイマー4
4をゼロにすることによって、処理が開始される。スイ
ッチ21,22によって供給電圧は2つの相のそれぞれ
に印加され、該スイッチはステップ62で閉じられ、各
相における電流は予め定められた閾値に向かって上昇す
る。上昇電流はステップ64において閾値検出器40に
よって監視される。1つの相における電流が閾値に到達
したとき、スイッチはステップ66において開放され
る。電流が監視されるべき相に対する回転子位置が異な
るため、2つの位相回路の現行のインダクタンスが異な
るので、閾値電流には異なる時間に到達する。
する1組のスイッチ21,22が開放されると、閾値に
到達する時間がステップ68において補償される。これ
は、参照テーブル46における電流値を判定するために
用いられる電圧と、各相にわたって印加される供給電圧
との差異を考慮に入れている。これが2つの電圧の比に
基づく簡略な調整動作である。
アクセスされ、閾値に到達するために要する補償時間に
関する図6の曲線中の2点に対応する、考えられる回転
子位置の値が読出される。ステップ72において、各相
のこれら2つの考えられる回転子位置の値は制御器42
によって相互に比較され、各組から最も近接する2つの
値を識別する。回転子位置の2つの最も適合する値に不
一致はあるけれど、その不一致が許容可能な限度内であ
るとき、制御器は、電流閾値に最初に到達した相から導
出される値を、特定された回転子位置として取り出す。
これは、閾値に速く到達すればするほど、歪みがノイズ
によって注入される機会はより少なくなることに基づ
く。他の技術、たとえば2つの最も適合する読取値の間
の平均を取るなどの技術も、同様の効果を得るために使
用可能である。不一致が許容可能な限度内でないときに
は、この方法をステップ60から繰り返す。
ャートに反映され、図7の実施形態においてはステップ
74において比較結果の信頼性に関する評価が行われ
る。これは任意的なステップであって、特定の状況下で
好適に用いられることができる。図6に示される2つの
相に関する曲線上には、他の領域よりもノイズがあると
きに回転子位置読取値がより曖昧になりやすい領域があ
る。図6に示される特性曲線を有する機械に関して、こ
れらは約40°と約125°で2つの曲線が交差すると
ころに生じている。特にこれらの領域において、ノイズ
は考えられる回転子位置における歪みの原因となり、誤
った組の値を最も適合する値とする可能性がある。図6
の曲線の場合、回転子位置が約85°であると間違って
判定される可能性がある。考えられる回転子位置の値
が、これらの点付近の予め定められた領域内(たとえば
+または−約5°以内)にあれば、読取値はいずれの場
合にも信頼性が無いと見なされ、回転子位置を判定する
処理は、ステップ60から再度開始される。本発明の実
施形態に従った回転子位置の判定を2回目に行うとき
に、同じ問題の繰り返しを回避するために、一連の読取
りをお行うときに電流のバーストパルスが一方の相に印
加され、固定子に関して回転子をずらして、曖昧な領域
から離す。詳細を以下に記す。
いて対称であるとき、各相のそれぞれの曲線を個別に記
憶する必要がなく、相間の物理的な位相ずれに対応する
データの単純なオフセットだけが必要となることに気付
くであろう。立上がり時間計測および記憶データの定量
化におけるノイズ対処の標準的な方法は、それらの方法
を適用しなければ発生するであろう小さな誤差を除去す
るために適用することが可能である。同様に、従来の種
々の方法のいずれも、角度情報を情報テーブルから読取
るために使用可能である。たとえばデータを2つの小さ
なテーブルとして、たとえば、一方のテーブルは最小イ
ンダクタンス値から最大インダクタンス値の角度を示
し、他方のテーブルは最大インダクタンス値から最小イ
ンダクタンス値の角度を示すように保存してもよく、こ
のようにすることで、メモリシステム内に記憶されるデ
ータに素早くアクセスすることが可能となる。
をずらした相を有し、インダクタンス形状は相互に対称
的な位置にある。回転子磁極形状も対称であるときに
は、いかなるフリンジングパスも有さない理想化された
機械に関して、図8に示したように、インダクタンス形
状は対称軸を有する。これらの形状から、同様の対称な
立上がり時間形状が得られ、破線は読取られた回転子位
置には曖昧な部分があることを示している。なぜなら両
曲線は同一の考えられ得る位置を示すからである。イン
ダクタンス形状(つまり立上がり時間曲線)に非対称を
導入すると、誤った回転子角度を除去できる情報が得ら
れる。特に、立上がり時間曲線の上昇部分と下降部分と
の間の勾配の差異は、必要な非対称性を提供し、勾配の
差異は当然ながら開始トルクを発達させるための階段状
の空隙を有する2相機械において発生する。しかしなが
ら、勾配がほとんど非対称ではない曲線の領域がある場
合、考えられる位置の曖昧さを除去する能力は制限され
てしまう。電流立上がり時および機械の特徴付けにおけ
る、誤差による不正確性が含まれるとき、単一または複
数の角度領域において信頼性のある位置判定が行われな
い場合も考えられる。
めの相にわたってより大きな電圧を印加することによっ
て、1つの相により大きな電流パルスを印加することに
よって、回転子を少しの角度量だけ移動し、その後、同
等の電圧を用いて位置を新たに推定することによって克
服可能である。一般的に好ましい他の方法は、複数の診
断パルスを相インダクタンス周期におけるバーストにお
いて用いることであり、回転子に加えられる平均トルク
は増加し、回転子は新しい位置に低速で移動する。この
期間、制御器は各診断パルスまたは選択された診断パル
スからの結果を読取り可能であり、ほぼ連続的なデータ
ストリームを有し、正確性を向上する。なぜなら回転子
は移動し、不正確な領域から離れるからである。制御器
は、予め定められた時間にこれらの付加的なパルスを印
加するように、または結果の一致を繰り返し行うことに
よってデータが十分正確である時点を決定し、従来の方
法で処理するようにプログラム可能である。
あると考えられる。対称的に設けられた固定子相の数が
より多い場合、相互に対称的ではない少なくとも1組が
常時存在する。たとえば3相機械において、隣接する相
は120°離れている。4相機械において1個おきの相
は180°離れており、隣接する相は90°離れてい
る。5相機械においてはいずれの2つの相もあてはま
る。このように、3つ以上の相を有する機械においては
この問題は、相間の相対的なずれのために発生しない、
または適切な隣接する相を、曖昧な組を回避するために
選択可能である。
サが相の各相の鉄心脚に用いられることが前提とされて
いるが、当該技術は上述のような配置には限定されな
い。電流波形は、全相の組み合わされた電流を検出する
ように設けられた電流センサが、各電流を個別に識別可
能な信号を提供するものであるとき、本発明をこのよう
な配置に適用することも可能である。さらに本発明は各
相電流が到達しなければならない閾値は同一である実施
形態に関連して上述された。各相電流の立上がり時間が
記録され、その後誤差を考慮するように調整される限
り、または各相の参照テーブルが、適切な閾値に従って
特徴付けられるならば、異なる閾値を設定することも可
能である。
ロセッサでのアルゴリズムの実行の詳細において本発明
から逸脱することなく可能であることを当業者は理解す
るであろう。したがって、上述のいくつかの実施形態の
記載は、一例ではあるが、限定を目的とするものではな
い。上述の動作に大きな変更を加えずに駆動回路に小さ
な変更を加えることができることは当業者にとって明ら
かである。本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定
される。
びシステムは、2相の切換式リラクタンス駆動装置にお
いても、より多相の駆動装置においても用いることが可
能であり、装置の静止時および始動後においても適用可
能である。
置を示す。
示す。
る電流に対する磁束結合曲線を示す。
間の表を示す。
を示す。
す。
Claims (26)
- 【請求項1】 多相切換式リラクタンス機械の固定子に
対する回転子位置を判定する方法において、 少なくとも2つの相を同時に励磁し、 各相における予め定められた閾値への電流の立上がり時
間を監視し、 各相においてインダクタンスは回転子位置とともに周期
的に変化するため、各相における電流の立上がり時間
を、考えられる回転子位置と同等とみなし、 考えられる位置間での実質的一致について、考えられる
回転子位置を比較して、実際の回転子位置を導出するこ
とを含むことを特徴とする方法。 - 【請求項2】 考えられる回転子位置の値は、電流の立
上がり時間を縦座標として、記憶手段に記憶されること
を特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 各相におけるインダクタンスの周期的変
化は類似しており、 記憶手段に相インダクタンス周期ごとに、値と対応する
縦座標値とを一組として前記記憶手段に記憶し、 相の1つまたは両方についての考えられる回転子位置
に、その相についての考えられる回転子位置と同等とみ
なされる特定点に関連するその相の配置に対応して、位
相ずれを加えることをさらに含むことを特徴とする請求
項2記載の方法。 - 【請求項4】 前記値が2つまたはそれ以上の表に記憶
されることを特徴とする請求項2または3記載の方法。 - 【請求項5】 少なくとも2つの相巻線のそれぞれに、
予め定められた大きさの電圧を印加することによって、
相巻線のそれぞれを同時に励磁し、 各相の立上がり時間を考えられる回転子位置と同等とし
てみなす前に、予め定められた電圧に従って、監視され
た電流の立上がり時間を調整することを含むことを特徴
とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 相インダクタンス周期が、回転子位置に
関する比較の結果として曖昧な結果を与えるかもしれな
い予め規定された領域内に回転子があるか否かを、考え
られる回転子位置から判定することを含むことを特徴と
する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 回転子を固定子に対して移動させるよう
に、少なくとも2つの相のそれぞれを異なる大きさの電
圧で印加し、その後、該少なくとも2つの相を同時に印
加することを含むことを特徴とする請求項1〜6のいず
れかに記載の方法。 - 【請求項8】 回転子を固定子に対して移動させるよう
に、少なくとも2つの相のそれぞれを異なる大きさの電
圧で印加し、その後、回転子が前記予め規定された領域
内にあるとき、該少なくとも2つの相を同時に印加する
ことを特徴とする請求項6記載の方法。 - 【請求項9】 少なくとも2つの相が、相インダクタン
ス周期において繰り返し印加され、実際の回転子位置を
繰り返し導出することを特徴とする請求項1〜8のいず
れかに記載の方法。 - 【請求項10】 印加はパルス形式であることを特徴と
する請求項9記載の方法。 - 【請求項11】 印加は予め定められた時間の間繰り返
されることを特徴とする請求項9または10記載の方
法。 - 【請求項12】 相インダクタンス周期において印加さ
れるパルス数は予め定められることを特徴とする請求項
10記載の方法。 - 【請求項13】 始動時の多相切換式リラクタンス機械
の固定子に対する回転子位置を判定する方法であること
を特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の方法。 - 【請求項14】 多相切換式リラクタンス機械の固定子
に対する回転子位置を判定するシステムにおいて、 少なくとも2つの相を同時に印加する手段と、 各相における予め定められた閾値への電流の立上がり時
間を監視する手段と、 各相においてインダクタンスは回転子位置とともに周期
的に変化するため、各相における電流の立上がり時間
を、考えられる回転子位置と同等としてみなす手段と、 実際の回転子位置を導出するために、回転子の考えられ
る位置を比較し、それらの間の実質的一致をみるための
手段とを含むことを特徴とするシステム。 - 【請求項15】 考えられる回転子位置の値を、縦座標
値電流立上がり時間として記憶する記憶手段を含み、 該同等とみなす手段は、各相の監視される立上がり時間
に従って記憶手段にアドレスするための手段を含むこと
を特徴とする請求項14記載のシステム。 - 【請求項16】 前記記憶手段は、考えられる回転子位
置の値を、前記機械の特定の相インダクタンス周期ごと
の電流立上がり時間の縦座標値として記憶し、 同等に扱う手段はさらに、相の1つまたは両方について
の考えられる回転子位置に対して、その相についての回
転子位置と同等とみなすための特定点に関連するその相
の配置に対応して、位相ずれを加える手段を含むことを
特徴とする請求項15記載のシステム。 - 【請求項17】 考えられる回転子位置の値は、前記記
憶手段内の2つの異なるテーブルに記憶されることを特
徴とする請求項15または16記載のシステム。 - 【請求項18】 請求項13〜17のいずれかに記載
の、回転子位置を判定するシステムを含み、さらに、少
なくとも2つの相巻線を印加する手段を含むことを特徴
とする切換式リラクタンス駆動システム。 - 【請求項19】 印加手段は、少なくとも2つの相巻線
に予め定められた電圧を印加するように動作可能であ
り、 さらに、各相の電流立上がり時間を考えられる回転子位
置と同等としてみなす前に、予め定められた電圧に従っ
て、監視された電流の立上がり時間を調整する手段を含
むことを特徴とする請求項18記載のシステム。 - 【請求項20】 相インダクタンス周期が、回転子位置
に関する比較の結果として曖昧な結果を与えるかもしれ
ない予め規定された領域内に回転子があるか否かを、考
えられる回転子位置から判定する手段を含むことを特徴
とする請求項14〜19のいずれかに記載のシステム。 - 【請求項21】 印加手段は、回転子を固定子に対して
移動させるように、該少なくとも2つの相巻線に異なる
大きさの電圧を印加するように動作可能であり、その
後、少なくとも2つの相巻線を同時に印加するように動
作可能であることを特徴とする請求項20記載のシステ
ム。 - 【請求項22】 印加手段は、回転子を固定子に対して
移動させるように、該少なくとも2つの相巻線に異なる
大きさの電圧を印加するように動作可能であり、その
後、回転子が前記予め規定された領域内にあるとき、該
少なくとも2つの相巻線を同時に印加するように動作可
能であることを特徴とする請求項20記載のシステム。 - 【請求項23】 印加手段は、該少なくとも2つの相
を、相インダクタンス周期において繰り返し印加するよ
うに動作可能であることを特徴とする請求項19〜22
のいずれかに記載のシステム。 - 【請求項24】 印加手段は、該少なくとも2つの相巻
線のそれぞれにパルス形式で電圧を印加するように動作
可能であることを特徴とする請求項23記載のシステ
ム。 - 【請求項25】 印加手段は、予め定められた時間の間
印加を繰り返すように動作可能であることを特徴とする
請求項23または24記載のシステム。 - 【請求項26】 印加手段は、予め定められた数のパル
ス形式で、該少なくとも2つの相巻線に印加するように
動作可能であることを特徴とする請求項24記載の方
法。
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