JP2002217736A - ディジタルアナログ変換回路及びそれを用いた荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

ディジタルアナログ変換回路及びそれを用いた荷電粒子ビーム装置

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JP2002217736A
JP2002217736A JP2001015413A JP2001015413A JP2002217736A JP 2002217736 A JP2002217736 A JP 2002217736A JP 2001015413 A JP2001015413 A JP 2001015413A JP 2001015413 A JP2001015413 A JP 2001015413A JP 2002217736 A JP2002217736 A JP 2002217736A
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conversion circuit
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JP2001015413A
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Koji Nagata
浩司 永田
Masahide Okumura
正秀 奥村
Kenji Maio
健二 麻殖生
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速応答性と低雑音性を両立するディジタルア
ナログ変換回路を実現する。 【解決手段】ディジタルアナログ変換回路を、基準電圧
源回路102、ディジタル入力処理回路103、重み付け電流
源回路104及び電流制御スイッチ回路105で構成し、さら
に重み付け電流源回路104と電流制御スイッチ回路105の
間に電流バッファ回路106とフィルタ回路107の少なくと
も一方を設ける。 【効果】本ディジタルアナログ変換回路を用いた荷電ビ
ーム装置では、偏向制御信号の周波数帯域を狭めること
なく、偏向制御信号に重畳する雑音量を低減でき、荷電
ビーム装置の精度とスループットが向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタルアナロ
グ変換回路及びそれを用いた荷電粒子ビーム装置、さら
に詳しく言えば、ディジタルデータを入力とし、その入
力データのビットパターンに応じたアナログ電流又は電
圧を出力するディジタルアナログ変換回路及びディジタ
ルアナログ変換回路を荷電ビーム装置の偏向制御回路に
使用した荷電粒子ビーム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】入力データのビット数が大きい高分解能
ディジタルアナログ変換回路では出力信号対雑音比の向
上が重要ある。従来、高分解能ディジタルアナログ変換
器における信号対雑音比向上のための技術として、回路
出力の周波数帯域を制限する方法やディジタル信号処理
技術を応用し、ディジタル処理によって信号対雑音比を
向上するオーバ・サンプリングΔ-Σ変調方式が採用さ
れてきている(特開平9-186600号、特開平5-37381号、
特開平7-193501号)。
【0003】一方、荷電ビーム装置の偏向制御回路に
は、高分解能ディジタルアナログ変換器が必要であり、
高速性(高変換サイクル)と低雑音性(高信号対雑音
比)が必要である。従来の高分解能ディジタルアナログ
変換器実現の一方式である、オーバ・サンプリングΔ-
Σ変調方式は、複数のディジタルフィルタ回路やΔ-Σ
変調回路の高速・高密度のディジタル回路が必要になる
ため回路構成が複雑であると共に、変換サイクルが数十
kHzと低いと言う問題があり、荷電ビーム装置の偏向制
御回路には適用されていない。
【0004】通常、荷電粒子ビーム装置の偏向制御回路
に使用されるディジタルアナログ変換回路は、R-2Rラダ
ー抵抗型やバイナリウエイト電流源型の様に、数MHzの
変換サイクルが得られる回路方式のディジタルアナログ
変換回路と、このディジタルアナログ変換回路の出力信
号を電流増幅又は電圧増幅する増幅器とを組み合わせた
構成になっている。この偏向制御回路の出力信号に重畳
する雑音によって荷電ビームの位置ばらつきが発生する
ため、低雑音性が必要である。例えば、荷電ビーム装置
の一つである電子ビーム描画装置では、この出力信号雑
音により描画パターン位置精度が低下してしまう。
【0005】従来、このような精度低下を防ぐために、
前記ディジタルアナログ変換回路の出力信号を電流増幅
又は電圧増幅する増幅器の帯域を狭くし、出力信号に重
畳する雑音量を低減すると言う方法が用いられてきた。
しかし、この方法では、必要な分解能が得られる程度ま
で雑音量を低減させた場合に、偏向制御に要求される高
速性が低下してしまうと言う問題が発生する。同様の例
として電子ビーム描画装置の場合には、偏向制御の高速
性が低下することでスループットが大幅に低下してしま
う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、高変換サイクルで高信号対雑音比が得られるディジ
タルアナログ変換回路を実現することである。本発明の
他の目的は、荷電ビーム装置の偏向制御信号の周波数帯
域を狭めることなく、偏向制御信号に重畳する雑音量を
低減することで、荷電ビーム装置の精度とスループット
を向上する荷電ビーム装置を実現することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のディジタルアナログ変換回路は、低雑音性
と高速応答性と両立するために、ディジタルアナログ変
換回路は、基準電圧源回路、ディジタル入力処理回路、
重み付け電流源回路及び電流制御スイッチ回路を有し、
さらに前記重み付け電流源回路と前記電流制御スイッチ
回路の間に電流バッファ回路とフィルタ回路の少なくと
も一方を備えた構成とした。
【0008】また、本発明の家電粒子ビーム装置は、偏
向制御部に上記本発明のディジタルアナログ変換回路を
使用して構成する。本発明のディジタルアナログ変換回
路によれば、前記電流バッファ回路は、前記電流制御ス
イッチ回路の動作に起因して、各ビット出力線上に発生
するスイッチング雑音が前記重み付け電流源回路側に伝
達され応答性が低下することを防ぐ。また、フィルタ回
路は前記電流バッファ回路の働きで、バイアス条件が固
定されるため、前記電流制御スイッチ回路の動作時に前
記フィルタ回路の入力電圧は変化しない。従って、前記
電流制御スイッチ回路の動作に起因した長時間の出力変
動が発生しないので前記フィルタ回路は、データ変化時
に応答性を低下させることはなく各ビット出力線上にあ
る雑音を低減する。以上のように、本発明のディジタル
アナログ変換回路は、高速応答性と低雑音性を両立する
ディジタルアナログ変換回路が実現でき、本ディジタル
アナログ変換回路を用いた荷電ビーム装置では、偏向制
御信号の周波数帯域を狭めることなく、偏向制御信号に
重畳する雑音量を低減できる。従って、荷電ビーム装置
の精度とスループットが向上する。
【0009】
【発明の実施形態】図1は、本発明によるディジタルア
ナログ変換回路の一実施形態の構成を示す。本発明のデ
ィジタルアナログ変換回路101は、基準電圧源回路102、
ディジタル入力処理回路103、重み付け電流源回路104及
び電流制御スイッチ回路105を有し、重み付け電流源回
路104と電流制御スイッチ回路105の間に電流バッファ回
路106とフィルタ回路107を接続した構成となっている。
電流バッファ回路106は、電流制御スイッチ回路105の動
作に起因して、各ビット出力線108上に発生する電圧変
動が前記重み付け電流源回路104側に伝達されるのを防
ぐ働きをする。これによって、重み付け電流源回路104
が常に一定のバイアス条件で動作し、電流制御スイッチ
回路105の動作に起因した出力変動が発生しないため応
答性が低下しない。また、フィルタ回路107は、電流バ
ッファ回路106の働きでバイアス条件が固定された点に
設けられている。このため、電流制御スイッチ回路105
の動作時にフィルタ回路107の入力電圧が変化せず、電
流制御スイッチ回路106の動作に起因した長時間の出力
変動が発生しない。従って、フィルタ回路107は、各ビ
ット出力線108上にある雑音を低減する働きはあるが、
データ変化時に応答性を低下させることはない。
【0010】本回路の動作を詳細に説明する。重み付け
電流源回路104は、基準電圧源回路102の出力を元にして
ディジタル信号の符号の各ビットの重みに対応するよう
に、各出力電流が一定の比率を有するように重み付けさ
れた値の異なる複数の電流を発生する。電流制御スイッ
チ回路105は、ディジタル入力データ109に基づいて重み
付け電流源回路104の各出力電流を選択して出力する。
これにより、ディジタル入力データ109のビットパター
ンに応じた出力電流110が得られる。ディジタル入力処
理回路103は、ディジタル入力データ(符号信号)109の
電圧レベル変換などの処理を行い、電流制御スイッチ回
路105のスイッチ駆動信号に変換する。また、本発明の
ディジタルアナログ変換回路の出力形態は、電流出力方
式であっても、電圧変換器111を用いて電圧出力112とし
ても効果は変わらない。
【0011】このように動作するディジタルアナログ変
換回路101において、雑音を最も多く発生する箇所は、
重み付け電流源回路104である。これは、重み付け電流
源回路104の構成要素として抵抗、オペアンプ等、雑音
発生素子を多く有するためである。従って、ディジタル
アナログ変換回路101の出力雑音は、重み付け電流源回
路104内で発生した雑音が、重み付け電流源回路104の各
出力電流に重畳しているために発生するといえる。他の
箇所でも雑音は発生するが、それらの雑音のディジタル
アナログ変換回路101出力雑音全体への寄与は、重み付
け電流源回路104で発生するものと比較すると小さい。
重み付け電流源回路104と電流制御スイッチ回路105の間
に設けられた電流バッファ回路106とフィルタ回路107
は、重み付け電流源回路104で発生した雑音電流を低減
することでディジタルアナログ変換回路101の出力信号
対雑音比を向上する。
【0012】次に、電流バッファ回路106とフィルタ回
路107の動作を図2を用いて説明する。図2は、ディジタ
ル入力データの特定のビットに対応するのみを部分につ
いて示すが、他のビットに対応する部分についても動作
は同じである。電流バッファ回路106は、2つのNMOSト
ランジスタ201(Q1)及び202(Q2)のソース、ドレインを
従属接続し、それぞれのゲート電圧は、バイアス電圧V1
及びV2に固定されている。フィルタ回路107は、NMOSト
ランジスと重み付け電流源回路104との間に接続された
抵抗203(R1)と抵抗203と定電原206との接続点とア
ースとの間に接続されたコンデンサ204(C1)で構成され
たローパスフィルタである。トランジスタ201のドレイ
ン(D)は、図1に示した電流制御スイッチ回路105に接
続されている。また、抵抗203とコンデンサ204の接続点
は、図1に示した重み付け電流源回路104の各電流源20
6に接続されている。
【0013】電流制御スイッチ回路105は、ON抵抗差ΔR
を持つ2つの抵抗Rs1とRs2(205)で表される。また、重
み付け電流源回路104の各出力は、電流重みIn、雑音電
流ΔInの電流源として表される。
【0014】図2の回路の動作を次の2つの状態に分け
て説明する。第1の状態は、電流制御スイッチ回路105
がRs1側もしくはRs2側に接続され、安定している期間で
ある(図2(a))。電流源206が流す電流Inは直流(周
波数0Hz)であるが、雑音電流ΔInは高周波成分を持
つ。直流に対してフィルタ回路107のコンデンサ(204の
容量(C1)は、インピーダンスが無限大であるが、周波
数が高くなるに従ってインピーダンスが低下してくる。
従って、電流源206は、直流である電流Inを、電流制御
スイッチ回路105の等価抵抗Rs1(Rs2)205、電流バッフ
ァ回路106のトランジスタ201及び202、フィルタ回路107
の抵抗203を介して流す。これに対して、高周波成分を
持つ雑音電流ΔInのうち、フィルタ回路107の抵抗203と
コンデンサ204で決まる周波数f(1/2πR1C1)より高い
周波数の雑音電流ΔInについては、グランド、フィルタ
回路107のコンデンサ204の経路で流れる。したがって、
ディジタルアナログ変換回路101の出力は、直流電流In
と、周波数fよりも低い周波数の雑音電流ΔInとなる。
周波数fは数十から数百Hzと低く設定出来るため、雑音
電流ΔInの殆どが、本来の信号経路であるビット出力線
108上に流れない。従って、本ディジタルアナログ変換
回路101の出力電流は低雑音化される。
【0015】第2の状態は、電流制御スイッチ回路105が
Rs1側(もしくはRs2側)から、入力ディジタルデータに
基づいて制御され、Rs2側(もしくはRs1側)に切り替わ
る場合である(図2(b))。前述のように、抵抗値Rs1
とRs2(205)の差はΔRである。従って、Rs1側(もしくは
Rs2側)からRs2側(もしくはRs1側)に切り替わる場
合、切り替わる前後で、抵抗差×出力電流で決まる電圧
差ΔV207が発生する。ここで、電流バッファ回路106が
ない場合には、電圧差ΔV207が、そのままの振幅でフィ
ルタ回路107に伝達される。これにより、フィルタ回路1
07と重み付け電流源回路104の接続点の電圧が時定数τ
(=R1×C1)で変化し、それに伴い、ディジタルアナロ
グ変換回路101の出力電流も時定数τで変化することに
なり、応答性が低下してしまう。
【0016】しかし、本発明のディジタルアナログ変換
回路101の構成では、電流バッファ回路106が備えられて
いるため、電流制御スイッチ回路105と電流バッファ回
路106の接続点に発生した電圧差ΔV207は、フィルタ回
路側107に伝達される際に圧縮され、小さくなる。電圧
差が、電流バッファ回路106のトランジスタ1段でどの程
度圧縮されるかは、次式(1)で表される事が知られてい
る(Analysis and Designof Analog Integrated Circuit
s, P.R.Gray and R.G.Meyer)。
【0017】
【数1】 ここで、Idは、ドレイン電流、gmは、トランジスタの相
互コンダクタンス、λは、アーリー電圧の逆数である。
これは、トランジスタのゲート電圧が固定されている場
合でも、電流制御スイッチ回路105と電流バッファ回路1
06の接続点に発生した電圧差ΔV(式(1)ではδVDS
あたる)により、ゲートソース間電圧がδVGSだけ変化
することを意味する。更に、バッファ回路106のトラン
ジスタに入力された電圧変化は、λ・2ID/gm(<
1)倍され、圧縮されることを表す。例えば、トランジ
スタの特性としてλ=0.005、ID=5mA、gm=15mSを用いる
と、∂VGS/∂VDS=0.0033となる。
【0018】ディジタルアナログ変換回路101の構成で
は、2段構成の電流バッファ回路106の働きにより、電
流制御スイッチ105が、抵抗素子205のRs1側(もしくはR
s2側)からRs2側(もしくはRs1側)に切り替わる時に発
生する電圧差は、フィルタ回路107側には、(λ・2Id/
gm)・(λ・2Id/gm)倍に圧縮される。上記トラ
ンジスタの場合には、電圧差は0.000011倍まで低減され
る。よって、フィルタ回路107の入力電圧は殆ど変動し
ないのでフィルタ回路107に起因する応答性の低下が発
生しない。従って、本実施形態の構成に拠れば、簡単な
回路構成で応答性を低下させることなく、出力信号の信
号対雑音比を向上できる。
【0019】図3は、本発明によるディジタルアナログ
変換回路の一実施例の回路図である。本実施例におい
て、電流制御スイッチ回路105は、NMOSトランジスタ301
及び302からなる差動スイッチ回路であってNMOSトラン
ジスタ301及び302のゲートには入力処理回路103から
の駆動信号+D1及び−D1がそれぞれ加えられる。駆
動信号+Di及び−Di(i=1,2,…n)は変換すべきディジ
タル入力データ109のコードDiによって決まる。電
流バッファ回路106は、NMOSトランジスタ303及び304の
2段構成で、トランジスタ303及び304のソース、ドレイ
ン電極が直列に電流制御スイッチ回路105とフィルタ回
路107との間に接続され、トランジスタ303及び304のゲ
ート電極はそれぞれバイアス回路の電圧V1及びV2に接
続されている。フィルタ回路107は、抵抗305とコンデン
サ306のローパスフィルタで構成されている。また、重
み付け電流源回路104は、オペアンプ307、NMOSトランジ
スタ308、抵抗309からなる定電流源回路で構成されてい
る。基準電圧源回路102からの基準電圧に対して抵抗309
の値を変えることで、出力電流の重み付けをする。
【0020】図4(a)は、本実施例のディジタルアナログ
変換回路101の各ビット毎の出力電流(mA)とノイズ電流
密度(Arms/√Hz)との関係を示す測定結果を示す。同
図において、特性4a及び4bは、それぞれ本発明の実施例
および従来のディジタルアナログ変換回路の結果を示
す。本発明の構成により出力電流雑音が低減されてい
る。
【0021】図4(c)及び(b)は、本実施例のディジタル
アナログ変換回路及び従来のディジタルアナログ変換回
路、即ち本発明のフィルタ回路107及び電流バッファ回
路106が無いディジタルアナログ変換回路の出力応答
性を示している。同図で横軸は時間で10.0μs単位の目
盛で示す。縦軸は電圧で入力4cに対しては5.00V単位の
目盛で、出力4d及び4eに対しては10.0μV単位の目盛り
で示す。両者の比較より、出力応答特性では、大きな変化
は無い。即ち、フィルタ回路107及び電流バッファ回路
106を付加しても、立ちあがりが遅れるようなことは
無く、高速性は維持される。
【0022】上記実施例には、負電源とNMOSトランジス
タを使用し、出力電流を吸い込むようにした例を示した
が、正電源とPMOSトランジスタを使用し、出力電流を吐
き出す形態も可能であることは明らかである。また、電
流バッファを1段とした場合でも、応答性は劣るがフィ
ルタ効果を低下させるものではない。また、電流バッフ
ァの段数を3段以上の構成としてもよい。さらに、フィ
ルタを抵抗素子とコンデンサとで構成したが、Rの変わ
りにL(インダクタンス)を使用する等、一般的な低域
フィルタ回路も適用可能であることは明らかである。ま
た、フィルタと電流バッファは必ずしも両者が同時に用
いられなくとも、それぞれの効果が得られるため、どち
らか一方のみを有する構成もとり得る。
【0023】図5は、本発明による荷電粒子ビーム装置
の一実施例の構成を示す。本実施例は、荷電粒子ビーム
装置のビーム偏向制御部に本発明のディジタルアナログ
変換回路を適用したものであり、ビーム偏向制御部を除
いた部分の構成は従来知られているものと同様である。
【0024】本実施例の荷電粒子ビーム装置は、3段対
物偏向制御方式を有する電子ビーム描画装置である。50
1は電子ビーム鏡体、502は電子ビーム源、503は電子ビ
ーム、504は偏向コイル、505、506は静電偏向器、507は
試料、508は試料ステージ、509はレーザ測長計、511は
試料ステージ制御系、512は偏向制御系、513はデータ制
御系、514は制御計算機、515、516、517はディジタルア
ナログ変換器、518は電流増幅器、519は電流検出抵抗、
520、521は電流電圧変換増幅器である。これら以外にも
荷電粒子ビーム描画装置の構成要素があるが、それらも
説明は省略する。
【0025】露光パターンの座標データは,データ制御
系513内部で3段偏向の各偏向量ディジタルデータに変換
された後、偏向制御系512内部の各ディジタルアナログ
変換器515、516、517に供給される。そして、各ディジ
タルアナログ変換器515、516、517によりアナログ信号
に変換され、電流増幅器518と電流検出抵抗520で電流増
幅され偏向コイル504に偏向電流を流す。また、電流電
圧変換増幅器520及び521により偏向電圧信号に変換、増
幅され、それぞれ静電偏向器505及び506に印可される。
本実施例では、各ディジタルアナログ変換器515、516、
517に、本発明のディジタルアナログ変換器が適用され
ている。従って、高分解能でダイナミックレンジが広い
偏向座標データが扱え、電子ビームを広範囲に渡って、
微細な偏向制御座標設定単位を用いて制御することが可
能になる。これにより、荷電粒子ビーム描画装置の描画
パターン位置精度、寸法精度及び処理速度が向上する。
【0026】図6は、本発明による荷電粒子ビーム装置
である電子ビーム描画装置の実施例の出力雑音特性の評
価結果を示す。本実施例は、電磁偏向制御回路を、最大偏
向幅2.5mmを1.25nmステップで制御するため、デジタル入
力データを21ビットとした。図6の横軸は、デジタル
入力データのゼロを中心に、±の偏向に対応するデータ
を表す。両端は、ビームの最大振れ量+1.25mm及び−1.
25mmの対するデータは、それぞれ#100000及び#0FFFF
で示す。縦軸は出力雑音による振れ量(m rms)を示
す。出力雑音による振れ量はいずれのデジタル入力デー
タに対してもbitsの分解能目標値(0.6nm rms)以下に
なっている。上記実施例は、電子ビームを例にして説明
したが、イオンビームの場合も、荷電粒子の有する電荷
に対して電場又は磁場を作用させて偏向制御すると言う
点では、電子ビームの場合と異なるものではないことは
明らかである。従って、本発明は荷電ビーム装置全てに
適用可能である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のディジタ
ルアナログ変換回路によれば、高速応答性と低雑音性を
両立するディジタルアナログ変換回路が実現でき、本デ
ィジタルアナログ変換回路を用いた荷電ビーム装置で
は、偏向制御信号の周波数帯域を狭めることなく、偏向
制御信号に重畳する雑音量を低減できる。従って、荷電
ビーム装置の精度とスループットが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディジタルアナログ変換回路の一
実施形態の構成を示す図。
【図2】本発明のディジタルアナログ変換回路の一実施
形態の動作を説明する図。
【図3】本発明によるディジタルアナログ変換回路の一
実施例の回路構成図。
【図4】本発明によるディジタルアナログ変換回路の一
実施例の特性測定結果を示す図。
【図5】本発明による荷電粒子ビーム装置の一実施例の
構成を示す図。
【図6】本発明による荷電粒子ビーム装置の一実施例の
特性測定結果を示す図。
【符号の説明】
101: ディジタルアナログ変換回路、102:基準電圧源回
路、103:ディジタル入力処理回路、104:重み付け電流源
回路、105:電流制御スイッチ回路、106:電流バッファ回
路、107:フィルタ回路、108:出力ビット線、109:ディジ
タル入力データ、110:電流出力、111:電圧変換器、20
1、202:トランジスタ、203:抵抗、204:コンデンサ、20
5:抵抗、206:電流源、207:電圧差301、302、303、304、
308:トランジスタ、307:オペアンプ、305、309:抵抗、3
10:バイアス回路、501:電子ビーム鏡体、502:電子ビー
ム源、503:電子ビーム、504:偏向コイル、505、506:静
電偏向器、507:試料、508:試料ステージ、509:レーザ測
長計、511:試料ステージ制御系、512:偏向制御系、513:
データ制御系、514:制御計算機、515、516、517:ディジ
タルアナログ変換器、518:電流増幅器、519:電流検出抵
抗、520、521:電流電圧変換増幅器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 麻殖生 健二 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 2H097 AA03 CA08 CA11 CA16 EA01 5F056 AA01 EA06 EA10 5J022 AB04 AB06 BA02 BA05 CA07 CB01 CF02 CF04 CF05 CF07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基準電圧を発生する基準電圧源回路と、前
    記基準電圧に基づき電流を発生する重み付け電流源回路
    と、ディジタル入力信号に基づいて出力電流を制御する
    電流制御スイッチ回路とを備えたディジタルアナログ変
    換回路において、前記重み付け電流源回路と前記電流制
    御スイッチ回路との間にローパスフィルタ回路を設けた
    ことを特徴とするディジタルアナログ変換回路
  2. 【請求項2】請求項1に記載のディジタルアナログ変換
    回路において、前記フィルタ回路と前記電流制御スイッ
    チ回路との間に電流バッファ回路を設けたことを特徴と
    するディジタルアナログ変換回路
  3. 【請求項3】基準電圧を発生する基準電圧源回路と、前
    記基準電圧に基づき電流を発生する重み付け電流源回路
    と、ディジタル入力信号に基づいて出力電流を制御する
    電流制御スイッチ回路とを備えたディジタルアナログ変
    換回路において、前記重み付け電流源回路と前記電流制
    御スイッチ回路との間に電流バッファ回路を設けたこと
    を特徴とするディジタルアナログ変換回路
  4. 【請求項4】請求項2又は3に記載の記載のディジタル
    アナログ変換回路であって、前記電流バッファ回路がゲ
    ート電極にバイアス電圧が加えられ、ソース(又はドレ
    イン)電極及びドレイン(又はソース)が前記ローパス
    フィルタ回路及び前記ローパスフィルタ回路側に接続さ
    れる少なくとも1個のMOSトランジスタで構成されたこ
    とを特徴とするディジタルアナログ変換回路
  5. 【請求項5】請求項1から3のいずれかに記載のディジ
    タルアナログ変換回路と、前記ディジタルアナログ変換
    回路の出力電流を増幅する増幅器と、荷電粒子源と、前
    記荷電粒子源からの荷電粒子を前記増幅器で増幅した電
    流で偏向するための偏向コイルとを有し、前記荷電ビー
    ムの偏向制御を行うことを特徴とする荷電ビーム描画装
  6. 【請求項6】請求項1から3のいずれかに記載のディジ
    タルアナログ変換回路と、前記ディジタルアナログ変換
    回路の出力電流を電圧に変換する変換器と、荷電粒子源
    と、前記荷電粒子源からの荷電粒子を前記変換器で変換
    した電圧で偏向するための静電偏向器とを有し、前記荷
    電ビームの偏向制御を行うことを特徴とする荷電ビーム
    描画装置
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007336540A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Korea Advanced Inst Of Sci Technol デジタルアナログ変換器
WO2014038197A1 (ja) * 2012-09-05 2014-03-13 パナソニック株式会社 容量型デジタルアナログ変換器とそれを用いたアナログデジタル変換器
US9236875B2 (en) 2012-10-19 2016-01-12 Asahi Kasei Microdevices Corporation D/A converter

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