JP2002217640A

JP2002217640A - 平面アンテナ及び導波管

Info

Publication number: JP2002217640A
Application number: JP2001008760A
Authority: JP
Inventors: Naohisa Goto; 尚久後藤
Original assignee: RADIAL ANTENNA KENKYUSHO KK
Current assignee: RADIAL ANTENNA KENKYUSHO KK
Priority date: 2001-01-17
Filing date: 2001-01-17
Publication date: 2002-08-02

Abstract

(57)【要約】【課題】高い周波数のミリ波等でも損失が小さく、構
造も簡単で安価に製作でき、またかなり小径化も達成で
きる同心円素子配列ラジアルラインスロットアンテナを
提供する。【解決手段】一対の導体円板１、２間に誘電体３を配
して導波路を形成し、下側の導体円板２の中心から同軸
線路４で給電する。上側の導体円板１にはハの字状にス
ロット６・・・が多数同心円状に形成する。内部中央に
導波管２０を配する。導波管２０は、上面に一対の長さ
の異なるスロット２１、２１を交差させて形成し、そこ
からずれた端部側の位置に給電点１４を配し、導波管２
０を定在波励振する。一対のスロット２１の長さと自由
空間波長の比を給電する電力の振幅が同じで位相が９０
度ずれるように選択すれば、パッチアンテナと同様に円
偏波を生じさせられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は平面アンテナに関し、特
に円偏波を放射するように同心円状に素子を配列したラ
ジアルラインスロットアンテナと称するタイプの平面ア
ンテナ及び平面アンテナ等に用いるのに適する導波管に
関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
平面アンテナを図１に示す。図１のアンテナは、一対の
導体円板１、２間に誘電体３を配して導波路を形成し、
下側の導体円板２の中心から同軸線路４で給電してい
る。図中５は給電ピンを示す。上側の導体円板１にはハ
の字状にスロット６・・・が多数螺旋状をなすように形
成してある。これらのスロットのうち対になるスロット
６、６はそれぞれ直交しており、かつ中心がラジアル方
向に１／４波長の間隔となっている。

【０００３】したがって、同軸線路４から給電すると、
導波路内部を等振幅、等位相の外向きの円筒波が進行
し、二個のスロット６、６から徐々に電波が放射され
る。対のスロット６、６から放射される電波は、その偏
波が直交し、直線偏波が９０度の位相差になって円偏波
が放射される。

【０００４】また本願発明者等は、上述のラジアルライ
ンスロットアンテナのさらなる小口径化、高効率化を目
的として、同心円素子配列のラジアルラインスロットア
ンテナを提案している。そのようなアンテナを図２に示
す。このアンテナは図１のアンテナとほぼ同一の構成要
素からなるが、上側の導体円板１にハの字状に設けるス
ロット６・・・が螺旋状ではなく同心円状をなしてい
る。このタイプのアンテナでは、開口面電磁界の軸対称
性が改善され、素子の有効配置も達成でき、例えば５円
玉程度の大きさでミリ波の送受信を行えるが、導波路内
部に回転モードを進行させるために、回転モードを励振
する給電回路が重要である。

【０００５】しかしながら本願発明者が製作した試作ア
ンテナでは、その試作アンテナの指向性に、図３に示す
ように主ローブが割れるという特徴が生じた。すなわち
図２に示す同心円素子配列ラジアルラインスロットアン
テナでも同様の指向性が生じるので、これを解決する必
要がある。

【０００６】そこで本願発明者はカム型移相器を用いた
試作アンテナを製作した。これを図４に示す。図示の試
作アンテナは、スロット６・・・を導体円板１の外周縁
近傍に一列に設け、導波路内を伝わる円筒波の位相を遅
らせるためのカム型移相器７を組み合わせたものであ
る。図示のカム型移相器７は、給電ピン５の周りに位置
する円筒状の第１の誘電体８とその周りに位置するカム
型の第２の誘電体９とからなる。各部の寸法等は、第１
の誘電体８の誘電率１．８７、第２の誘電体９の誘電率
１．１７、給電ピン５と第１の誘電体８の合計半径ｌ０
＝１１．１５ｍｍ、第１の誘電体８の厚さｌｒ＝５．７
８ｍｍ、第２の誘電体９の最小厚ｌ１＝５．０ｍｍ、最
大厚と最小厚の差ｌ２＝６７．８ｍｍである。この試作
アンテナにより、図５に示す指向特性を得た。

【０００７】図から明らかなように図４の試作アンテナ
の指向性は主ローブが割れないものになる。すなわち図
２に示す同心円素子配列ラジアルラインスロットアンテ
ナでもこのような指向性を生じさせ得る。

【０００８】もちろん図４に示す構成は現実的ではない
ので、実際に製作するものは、たとえば図６に示すよう
な構造となる。図示のアンテナは、図２に示すアンテナ
の中央内部にパッチ１０を配したもので、パッチ１０
は、金属板１１と誘電体１２とからなり、周囲の２箇所
に切り欠き１３、１３を設け、中心からずらした位置に
給電点１４を配したもので、いわゆる１点給電円偏波ア
ンテナと同じような構造のものである。

【０００９】しかしながら、このように種々の改良を重
ねても、誘電体をアンテナ内部に使用することは、高い
周波数のミリ波等では損失が大きく、しかも構造が複雑
で、高価であり、さらにはあまり小径化できないという
問題が残る。本発明はこのような従来の問題点を解決
し、効率良く円偏波を放射できる平面アンテナを提供す
ることを目的とするものである。また本発明は、定在波
励振可能な導波管を提供することをも目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係る
平面アンテナは、上記目的を達成するために、２枚の導
体円板を平行かつ同心に配置し、アンテナ面を構成する
一の導体円板に同心状に多数の線状スロットの対を設
け、内部に移相器を有し、軸対称モードにより励振され
るラジアル導波路を形成してなる平面アンテナであっ
て、上記移相器が、アンテナ面側に一対の長さの異なる
スロットを交差形成した定在波励振される導波管である
ことを特徴とする。

【００１１】同請求項２に係るものは、上記目的を達成
するために、請求項１の平面アンテナにおいて、上記導
波管が方形導波管であることを特徴とする。

【００１２】同請求項３に係るものは、上記目的を達成
するために、請求項１または２の平面アンテナにおい
て、上記導波管が上記２枚の導体円板と一導体系をなす
ことを特徴とする。

【００１３】同請求項４に係る導波管は、上記目的を達
成するために、一対の長さの異なるスロットを放射面側
に交差形成して定在波励振可能としてなることを特徴と
する。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。なお以下では従来と共通する部分に
は共通する符号を付すにとどめ重複する説明は省略す
る。図７は本発明に係る平面アンテナの一実施形態の平
面図（Ａ）と断面図（Ｂ）である。本実施形態のアンテ
ナは、中央部に図６のアンテナのパッチに代えて導波管
２０を配したものである。

【００１５】導波管２０は、いわゆる方形導波管で、上
面に一対の長さの異なるスロット２１、２１を交差させ
て形成し、そこからずれた端部側の位置に給電点１４を
配し、導波管２０を定在波励振するようにしたものであ
る。もちろん上側の導体円板１の導波管２０と対応する
部位よりも外周側にはスロット６・・・が同心円状に設
けてある。また内部には発泡材などを用いた誘電体３が
配してある。

【００１６】このような構成のアンテナの指向特性は、
もちろん図５のものと同様に中央で主ローブが割れない
ものになり、移相器部分に誘電体が不要なのでサイズを
大きく作れ、損失も少ない。さらに導波管２０の下側部
分を下側の導体円板２の凹みで兼用し、もちろんその他
の部分も同材質とすれば一導体系で構成できるので、二
導体系となる図６のアンテナに比べ高い周波数に適する
ものとなる。

【００１７】図８は導波管２０のスロット２１の長さの
変化による放射電界の振幅と位相の変化を示す図であ
る。図中点線が振幅を、実線が位相を示す。定在波励振
では電流はすべて同位相であり、したがってスロット長
と自由空間波長の比を、給電する電力の振幅が同じで位
相が９０度ずれるように選択すれば、パッチアンテナと
同様に円偏波を生じさせられる。

【００１８】例えばスロット２１の長さと自由空間波長
の比Ｌ１を、点線で示した振幅波形の頂点から３ｄＢ小
さいＬ１＝０．４３の点ａを取り、これに対応する位相
波形上の点（点ａから横軸に下ろした垂線が位相波形と
交わる点ｂ）の位相が−４５°になるものとし、つい
で、点ａから横軸に水平に引いた線が振幅波形と交わる
点ｃに対応する位相波形上の点（点ｃから横軸に下ろし
た垂線が位相波形と交わる点ｄ）の位相が−１３５°に
なるように他のスロット２１の長さを選択する（図示の
例ではスロット２１の長さと自由空間波長の比Ｌ２が
０．５２である。）。このようにすれば、円偏波を生じ
させることができ、パッチアンテナと同様のものとする
ことができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明に係る平面アンテナは、以上説明
してきたようなものなので、高い周波数のミリ波等でも
損失が小さく、構造も簡単で安価に製作でき、またかな
り小径化も達成できるという効果がある。

【００２０】また本発明に係る導波管は、以上説明して
きたようなものなので、スロット長を変えることで位相
差が９０度の電波を放射することができるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のラジアルラインスロットアンテナの平面
図（Ａ）と断面図（Ｂ）である。

【図２】従来の同心円素子配列ラジアルラインスロット
アンテナの平面図（Ａ）と断面図（Ｂ）である。

【図３】従来の同心円素子配列ラジアルラインスロット
アンテナにおける素子の反射を測定するための試作アン
テナの平面図（Ａ）と断面図（Ｂ）である。

【図４】従来の同心円素子配列ラジアルラインスロット
アンテナの改良のための試作アンテナの平面図（Ａ）、
断面図（Ｂ）及びカム型移相器の平面図（Ｃ）である。

【図５】図４の試作アンテナのスピンリニア指向特性を
示す図である。

【図６】従来の同心円素子配列ラジアルラインスロット
アンテナの改良型のアンテナの平面図（Ａ）と断面図
（Ｂ）である。

【図７】本発明に係る平面アンテナの一実施形態の平面
図（Ａ）と断面図（Ｂ）である。

【図８】図７のアンテナの導波管のスロットの長さの変
化による放射電界の振幅と位相の変化を示す図である。

【符号の説明】

１、２導体円板３誘電体４同軸線路５給電ピン６スロット７カム型移相器１０パッチ１３切り欠き１４給電点２０導波管２１スロット

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】２枚の導体円板を平行かつ同心に配置
し、アンテナ面を構成する一の導体円板に同心状に多数
の線状スロットの対を設け、内部に移相器を有し、軸対
称モードにより励振されるラジアル導波路を形成してな
る平面アンテナであって、上記移相器が、アンテナ面側
に一対の長さの異なるスロットを交差形成した定在波励
振される導波管であることを特徴とする平面アンテナ。
【請求項２】請求項１の平面アンテナにおいて、上記
導波管が方形導波管であることを特徴とする平面アンテ
ナ。
【請求項３】請求項１または２の平面アンテナにおい
て、上記導波管が上記２枚の導体円板と一導体系をなす
ことを特徴とする平面アンテナ。
【請求項４】一対の長さの異なるスロットを放射面側
に交差形成して定在波励振可能としてなることを特徴と
する導波管。