JP2002214547A - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

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JP2002214547A
JP2002214547A JP2001005304A JP2001005304A JP2002214547A JP 2002214547 A JP2002214547 A JP 2002214547A JP 2001005304 A JP2001005304 A JP 2001005304A JP 2001005304 A JP2001005304 A JP 2001005304A JP 2002214547 A JP2002214547 A JP 2002214547A
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JP
Japan
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mirror
electrode layer
wavelength
optical
optical switch
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JP2001005304A
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Inventor
Makoto Katayama
誠 片山
Tomohiko Kanie
智彦 蟹江
Hiroshi Okuyama
浩 奥山
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動部材とミラー部との密着力を確保するこ
とが可能であり、かつ低電圧駆動が可能で、高速応答性
に優れた光スイッチを提供すること。 【解決手段】 スイッチ部60は、ミラー部61と、第
1の電極層63と、第2の電極層64と、絶縁層65と
を有する。ミラー部61は、第2の波長分離用チャネル
導波路511〜51N及び第2の波長合成用チャネル導波
路521〜52Nにおける光路に対して進出方向及び退出
方向に移動自在に設けられる。また、ミラー部61は、
第1の電極層63に立設される薄板状のミラー部材61
aと、ミラー部材61aと連続して形成される補強部材
61bとを含む。補強部材61bは、ミラー部材61a
の両端部に位置し、第1の電極層63に立設される。補
強部材61bは円柱形状を呈し、ミラー部材61aの厚
さよりも大きな径を有する。補強部材61bの少なくと
も一部は、ミラー部材61aの反射面よりも光入射側に
突出している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば光通信シ
ステム等において用いられる光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の光スイッチとして、たとえば
“マイクロマシン技術を用いた集積光スイッチ”;第7
7回微小光学研究会,2000,pp7〜12に開示されたよう
な光スイッチエレメントが知られている。この“マイク
ロマシン技術を用いた集積光スイッチ”;第77回微小
光学研究会,2000,pp7〜12に開示された光スイッチエ
レメントは、固定電極形成基板及び可動電極形成基板と
で構成されており、可動電極形成基板には、可動部材と
しての可動電極及びヒンジが形成されている。この可動
電極の上面には、ミラー部としてのマイクロミラーが直
立して形成されている。この光スイッチエレメントにお
いては、固定電極形成基板に形成された固定電極と可動
電極との間に電圧を印加することによって生じる静電気
力を用いて、マイクロミラーを上下方向に移動させてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光スイッチ
の駆動電圧を低くし、また、スイッチングの応答性を高
めるためには、マイクロミラーの軽量化が必要となり、
マイクロミラーの厚さを小さくすることが考えられる。
しかしながら、マイクロミラーの厚さを小さくした場合
には、可動電極とマイクロミラーとが密着する面積が少
なくなって、可動電極とマイクロミラーとの密着部分の
機械的強度が低下してしまう。このように、可動部材
(可動電極)とミラー部(マイクロミラー)との密着力
を確保する必要上、ミラー部の軽量化には限界があっ
た。
【0004】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、可動部材とミラー部との密着力を確保することが可
能であり、かつ低電圧駆動が可能で、高速応答性に優れ
た光スイッチを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光スイッチ
は、可動部材と、可動部材に設けられるミラー部と、を
備えた光スイッチであって、ミラー部は、可動部材に立
設される薄板状のミラー部材と、ミラー部材と連続して
形成されると共にミラー部材の厚さよりも大きな径を有
し、可動部材に立設される補強部材と、を含んでいるこ
とを特徴としている。
【0006】本発明に係る光スイッチでは、可動部材に
設けられるミラー部が、可動部材に立設される薄板状の
ミラー部材と、ミラー部材と連続して形成されると共に
ミラー部材の厚さよりも大きな径を有し、可動部材に立
設される補強部材とを含んでいるので、特に、薄板状の
ミラー部材によりミラー部の軽量化が可能となり、光ス
イッチの駆動電圧を低くできると共に、スイッチングの
応答性を高めることができる。また、ミラー部の軽量化
のためにミラー部材を薄板状に形成した場合において
も、補強部材により、可動部材とミラー部との密着面積
が減少するのが抑制されることになる。この結果、可動
部材とミラー部との密着力を確保して、可動電極とミラ
ー部との密着部分の機械的強度が低下するのを抑制する
ことができる。
【0007】また、補強部材の少なくとも一部は、ミラ
ー部材の反射面よりも光入射側に突出していることが好
ましい。このように、補強部材の少なくとも一部がミラ
ー部材の反射面よりも光入射側に突出していることによ
り、ミラー部材の反射面とこのミラー部材の反射面に対
向する光入出射端面との間における多重反射の発生が抑
制され、光スイッチの時間応答が低下するのを防ぐこと
ができる。
【0008】また、補強部材は、ミラー部材と同一材料
にて一体に形成されることが好ましい。このように、補
強部材がミラー部材と同一材料にて一体に形成されるこ
とにより、補強部材とミラー部材とを極めて容易に可動
部材に形成することができる。
【0009】また、ミラー部材及び補強部材は、ニッケ
ルにより形成されることが好ましい。このように構成し
た場合には、工程が簡素で、且つ装置が安価な金属めっ
き技術を用いて、ミラー部材及び補強部材を形成するこ
とができる。
【0010】また、可動部材は、一方の面側にミラー部
材が立設される第1の電極層を含み、絶縁層を挟んで第
1の電極層に対向する位置に第2の電極層が形成されて
おり、第1の電極層は、第1の電極層と第2の電極層と
の間に所定の電圧を印加することにより発生する静電引
力により撓み、ミラー部材を光路に対して進出方向ある
いは退出方向に移動させることが好ましい。このように
構成した場合には、光スイッチの動作速度を速くするこ
とができる。また、ミラー部材が設けられる絶縁層の一
方の面側に第1の電極層を形成する構成のものに比し
て、第1の電極層にミラー部材が設けられるので、光ス
イッチを製造する際の工程簡素化及び低コスト化を図る
ことが可能となる。
【0011】また、第1の電極層は、第1の電極層と第
2の電極層との間に所定の電圧を印加していないとき
に、ミラー部材が光路に対して退出した状態となるよう
に、予め撓んで形成されていることが好ましい。このよ
うに構成した場合には、第1の電極層と第2の電極層と
の間に所定の電圧を印加していない、ミラー部材が光路
に対して退出した状態を初期状態として設定でき、光ス
イッチを動作させるための消費電力を低減することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による光スイッチの好適な実施形態について詳細に説明
する。なお、各図において同一要素には同一符号を付
し、重複する説明を省略する。本実施形態においては、
本発明を光ADM(Add Drop Multiplexer)装置に適用
した例を示す。
【0013】まず、図1に基づいて、本発明の実施形態
に係る光ADM装置を説明する。図1は、本実施形態に
係る光ADM装置を示す構成図である。
【0014】本実施形態に係る光ADM装置1は、波長
分離用アレイ導波路型回折格子(Arrayed Waveguide Gr
ating、以下AWGと略す)と波長合成用AWGとを備
えた構成とされており、各AWGは、Si又はSiO2
からなる基板2上に形成されている。また、基板2上に
は、光スイッチとしてのスイッチ部60が配設されてい
る。
【0015】第1のチャネル導波路部10は、一本の第
1の波長分離用チャネル導波路11と、一本の第1の波
長合成用チャネル導波路12とを含む。第1のスラブ導
波路部20は、第1の波長分離用チャネル導波路11に
接続された第1の波長分離用スラブ導波路21と、第1
の波長合成用チャネル導波路12に接続された第1の波
長合成用スラブ導波路22とを含む。
【0016】アレイ導波路部30は、第1の波長分離用
スラブ導波路21に接続され各々の光路長が互いに異な
るM(M≧2)本のチャネル導波路311〜31Mからな
る波長分離用アレイ導波路部31と、第1の波長合成用
スラブ導波路22に接続され各々の光路長が互いに異な
るM(M≧2)本のチャネル導波路321〜32Mからな
る波長合成用アレイ導波路部32とを含む。第2のスラ
ブ導波路部40は、波長分離用アレイ導波路部31に接
続された第2の波長分離用スラブ導波路41と、波長合
成用アレイ導波路部32に接続された第2の波長合成用
スラブ導波路42とを含む。第2の波長分離合成用チャ
ネル導波路部50は、第2の波長分離用スラブ導波路4
1に接続されたN(N≧2)本の第2の波長分離用チャ
ネル導波路511〜51Nと、第2の波長合成用スラブ導
波路42に接続されたN(N≧2)本の第2の波長合成
用チャネル導波路521〜52Nとを含む。
【0017】光ADM装置1において、波長分離用AW
Gは、第1の波長分離用チャネル導波路11、第1の波
長分離用スラブ導波路21、波長分離用アレイ導波路部
31、第2の波長分離用スラブ導波路41、及び、第2
の波長分離用チャネル導波路511〜51Nを有すること
になる。一方、光ADM装置1において、波長合成用A
WGは、第1の波長合成用チャネル導波路12、第1の
波長合成用スラブ導波路22、波長合成用アレイ導波路
部32、第2の波長合成用スラブ導波路42、及び、第
2の波長合成用チャネル導波路521〜52Nを有するこ
とになる。
【0018】第1の波長分離用チャネル導波路11は、
入力端11aを基板2の端面に有し、この入力端11a
に入力した信号光を出力する出力端11bを第1の波長
分離用スラブ導波路21との接合位置に有する。第1の
波長合成用チャネル導波路12は、入力端12aを第1
の波長合成用スラブ導波路22との接合位置に有し、こ
の入力端12aに入力した信号光を出力する出力端12
bを基板2の端面に有する。
【0019】第1の波長分離用スラブ導波路21は、第
1の波長分離用チャネル導波路11の出力端11bから
第1の波長分離用スラブ導波路21へ入力した信号光
を、この第1の波長分離用スラブ導波路21に接合され
ている波長分離用アレイ導波路部31の入力端31aに
入力させる。第1の波長合成用スラブ導波路22は、こ
の第1の波長合成用スラブ導波路22に接合されている
波長合成用アレイ導波路部32の出力端32bから第1
の波長合成用スラブ導波路22へ入力した信号光を、第
1の波長合成用チャネル導波路12の入力端12aに入
力させる。
【0020】波長分離用アレイ導波路部31は、第1の
波長分離用スラブ導波路21から信号光を入力する入力
端31aと、その信号光を第2の波長分離用スラブ導波
路41へ出力する出力端31bとを有している。M本の
チャネル導波路311〜31Mは、各々の光路長が所定長
ΔLずつ異なっており、各々を導波する信号光に対して
位相差を与える。
【0021】波長合成用アレイ導波路部32は、第2の
波長合成用スラブ導波路42から信号光を入力する入力
端32aと、その信号光を第1の波長合成用スラブ導波
路22へ出力する出力端32bとを有している。M本の
チャネル導波路321〜32Mは、各々の光路長が所定長
ΔLずつ異なっており、各々を導波する信号光に対して
位相差を与える。
【0022】第2の波長分離用スラブ導波路41は、波
長分離用アレイ導波路部31の出力端31bから第2の
波長分離用スラブ導波路41へ入力した信号光を、この
第2の波長分離用スラブ導波路41に接合されている第
2の波長分離用チャネル導波路511〜51Nの入力端5
1aへ入力させる。第2の波長合成用スラブ導波路42
は、この第2の波長合成用スラブ導波路42に接合され
ている第2の波長合成用チャネル導波路521〜52N
出力端52bから第2の波長合成用スラブ導波路42へ
入力した信号光を、波長合成用アレイ導波路部32の入
力端32aへ入力させる。
【0023】第2の波長分離用チャネル導波路511
51Nそれぞれは、第2の波長分離用スラブ導波路41
から入力端51aに入力した信号光を、基板2の端面に
設けられた出力端52bに出力(ドロップ)する。第2
の波長合成用チャネル導波路521〜52Nそれぞれは、
基板2の端面に設けられた入力端52aから入力(ア
ド)した信号光を、出力端52bから第2の波長合成用
スラブ導波路42に出力する。第2の波長分離用チャネ
ル導波路511〜51Nと第2の波長合成用チャネル導波
路521〜52Nとは、対応する導波路同士が次に説明す
る溝部3の部分で交差(たとえば、直交)するように形
成されている。
【0024】基板2には、第2の波長分離用チャネル導
波路511〜51N及び第2の波長合成用チャネル導波路
521〜52Nが並設された方向に延びて、第2の波長分
離用チャネル導波路511〜51Nと第2の波長合成用チ
ャネル導波路521〜52Nとの各交差部を切断する溝部
3が形成されている。溝部3は、ダイシング技術等を用
いることにより、形成される。
【0025】スイッチ部60は、図2〜図5にも示され
るように、ミラー部61と、可動部材としての第1の電
極層63と、第2の電極層64と、絶縁層65とを有し
ている。スイッチ部60には、交差部(第2の波長分離
用チャネル導波路511〜51Nあるいは第2の波長合成
用チャネル導波路521〜52N)と同数のミラー部61
が枠部66の内側においてアレイ状に配設されており、
夫々のミラー部61は、溝部3に沿うように直線状に並
設されている。ミラー部61は、第2の波長分離用チャ
ネル導波路511〜51N及び第2の波長合成用チャネル
導波路521〜52Nにおける光路に対して進出方向及び
退出方向に移動自在であり、スイッチ部60は、各ミラ
ー部61が各交差部に対応する位置の溝部3に対して進
出方向及び退出方向に移動自在となるように基板2上に
配設されている。枠部66は、たとえばポリシリコンか
らなる。
【0026】それぞれのミラー部61は、図4にも示さ
れるように、第1の電極層63に立設される薄板状のミ
ラー部材61aと、このミラー部材61aと連続して形
成される補強部材61bとを含んでいる。ミラー部材6
1aは、20μm程度の厚さを有している。補強部材6
1bは、ミラー部材61aの両端部に位置して、ミラー
部材61aと同様に第1の電極層63に立設されてい
る。また、補強部材61bは、円柱形状を呈しており、
ミラー部材61aの厚さよりも大きな径(たとえば、4
0μm程度)を有している。
【0027】補強部材61bの少なくとも一部は、ミラ
ー部材61aの反射面(表面)よりも光入射側、すなわ
ち第2の波長分離用チャネル導波路511〜51Nあるい
は第2の波長合成用チャネル導波路521〜52Nの溝部
3に臨む端部側に突出している。このように、補強部材
61bの少なくとも一部をミラー部材61aの反射面よ
りも光入射側に突出させることにより、ミラー部材61
aの反射面とこのミラー部材61aの反射面に対向する
光入出射端面(第2の波長分離用チャネル導波路511
〜51Nあるいは第2の波長合成用チャネル導波路521
〜52Nの端部が位置する溝部3の壁面)との間におけ
る多重反射の発生が抑制され、スイッチ部60における
時間応答が低下するのを防ぐことができる。また、補強
部材61bのミラー部材61aの反射面よりも突出した
部分により、散乱の発生が抑制されて、散乱光によるク
ロストークを防止することができる。
【0028】第1の電極層63は、たとえばニッケルか
らなり、その一方の面側の端部にミラー部61(ミラー
部材61a及び補強部材61b)が設けられている。第
1の電極層63は、ミラー部61が設けられた側の端部
とは反対側の端部において枠部66に支持されるよう
に、枠部66に対して形成されている。第2の電極層6
4は、絶縁層65を挟んで基板2の第1の電極層63の
一方の面に対向する位置に形成されている。第1の電極
層63は、第1の電極層63と第2の電極層64との間
に所定の電圧を印加することにより発生する静電引力に
より撓み、図5及び図6に示すように、ミラー部61を
第2の波長分離用チャネル導波路511〜51Nと第2の
波長合成用チャネル導波路521〜52Nとの交差部にお
ける光路に対して進出方向あるいは退出方向に移動させ
る。第1の電極層63は、本実施形態においては、幅が
200μm程度とされ、長さが1.5mm程度とされ、
厚さが2.0μm程度とされている。また、第2の電極
層64の厚さは、50nm程度とされている。
【0029】また、第1の電極層63は、第1の電極層
63と第2の電極層64との間に所定の電圧を印加して
いないときに、ミラー部61が第2の波長分離合成用チ
ャネル導波路部50の各導波路511〜51N,521
52Nにおける光路に対して退出した状態となるよう
に、予め撓んだ状態で形成されている。これにより、第
1の電極層63と第2の電極層64との間に所定の電圧
を印加していない、ミラー部61が第2の波長分離用チ
ャネル導波路511〜51Nと第2の波長合成用チャネル
導波路521〜52Nとの交差部における光路に対して退
出した状態を初期状態として設定することができ、スイ
ッチ部60(ミラー部61)を動作させるための消費電
力を低減することができる。なお、本実施形態において
は、圧縮応力が発生するように第1の電極層63を形成
することにより、予め撓んだ状態となる。
【0030】次に、図7に基づいて、スイッチ部60の
製造工程を説明する。スイッチ部60は、フォトリソグ
ラフィ技術、エッチング技術等の薄膜技術を用いること
により製造される。なお、図7においては、1つの第1
の電極層63に対して1つのミラー部61を形成する例
を示すが、複数のミラー部61をアレイ状に配設したも
のについても、同様に製造することができる。
【0031】まず、図7(a)に示されるように、Si
基板71上に第1の電極層63に対応する金属パターン
72をニッケルにて形成する。このとき、金属パターン
72(第1の電極層63)に圧縮応力が発生するよう
に、応力を制御しながら金属パターン72を形成する。
金属パターン72の形成後、金属パターン72の上にレ
ジスト膜74を塗布する。
【0032】レジスト膜74を塗布すると、図7(b)
に示されるように、リソグラフィ技術等を用いて、レジ
スト膜74にミラー部61(ミラー部材61a及び補強
部材61b)に相当する部分の型75を成形する。型7
5は、ミラー部材61aに相当する部分75aと補強部
材61bに相当する部分75bからなる。その後、図7
(c)に示されるように、金属メッキ技術により、レジ
スト膜74に形成された型75内にミラー部61となる
金属としてニッケル76を成長させる。これにより、ミ
ラー部材61aと補強部材61bとが同一材料(ニッケ
ル)にて一体に形成されることになる。
【0033】最後に、図7(d)に示されるように、エ
ッチング技術を用いて、Si基板71、レジスト膜74
を除去する。このように、フォトリソグラフィ技術、エ
ッチング技術等の薄膜技術を用いることにより、スイッ
チ部60を低コスト且つ容易に製造することができる。
【0034】第1の電極層63と第2の電極層64との
間に所定の電圧(本実施形態においては、20V程度)
を印加した場合には、図5に示されるように、第1の電
極層63と第2の電極層64との間に発生する静電引力
により絶縁層が撓んで、ミラー部61は、ミラー部61
のミラー部材61aが第2の波長分離用チャネル導波路
511〜51Nと第2の波長合成用チャネル導波路521
〜52Nとの交差部における光路に対して進出した状態
となる。ミラー部61(ミラー部材61a)が第2の波
長分離用チャネル導波路511〜51Nと第2の波長合成
用チャネル導波路521〜52Nとの交差部における光路
に対して進出した状態においては、ミラー部61(ミラ
ー部材61a)は、第2の波長分離用スラブ導波路41
から出力され第2の波長分離用チャネル導波路511
51Nを通ってきた信号光を反射し、対応する第2の波
長合成用チャネル導波路521〜52Nに入力させる。
【0035】第1の電極層63と第2の電極層64との
間に所定の電圧を印加しない場合には、図6に示される
ように、ミラー部61は、ミラー部61のミラー部材6
1aが第2の波長分離用チャネル導波路511〜51N
第2の波長合成用チャネル導波路521〜52Nとの交差
部における光路に対して退出した状態となる。ミラー部
61(ミラー部材61a)が第2の波長分離用チャネル
導波路511〜51Nと第2の波長合成用チャネル導波路
521〜52Nとの交差部における光路に対して退出した
状態においては、第2の波長分離用スラブ導波路41か
ら出力され第2の波長分離用チャネル導波路511〜5
Nを通ってきた信号光は、溝部3内の空間を通って、
第2の波長分離用チャネル導波路511〜51Nの出力端
51bに至り、ドロップされることになる。また、第2
の波長合成用チャネル導波路521〜52Nの入力端52
aからアドされた信号光が入力された場合には、アドさ
れた信号光は溝部3内の空間を通って、第2の波長合成
用チャネル導波路521〜52Nの出力端52bに至る。
【0036】このように、本実施形態に係るスイッチ部
(光スイッチ)60では、可動部材としての第1の電極
層63に設けられるミラー部61が、第1の電極層63
に立設される薄板状のミラー部材61aと、ミラー部材
61aと連続して形成されると共にミラー部材61aの
厚さよりも大きな径を有し、第1の電極層63に立設さ
れる補強部材61bとを含んでいるので、特に、薄板状
のミラー部材61aによりミラー部61の軽量化が可能
となり、スイッチ部60の駆動電圧を低くできると共
に、スイッチングの応答性を高めることができる。ま
た、ミラー部61の軽量化のためにミラー部材61aを
薄板状に形成した場合においても、補強部材61bによ
り、第1の電極層63とミラー部61との密着面積が減
少するのが抑制されることになる。この結果、第1の電
極層63とミラー部61ととの密着力を確保して、第1
の電極層63とミラー部61との密着部分の機械的強度
が低下するのを抑制することができる。
【0037】また、本実施形態のスイッチ部60は、ミ
ラー部61が第2の波長分離用チャネル導波路511
51Nと第2の波長合成用チャネル導波路521〜52N
との各交差部に対応する位置の溝部3に対して進出方向
及び退出方向に移動自在となる、いわゆるクロススイッ
チを構成している。このクロススイッチにおいては、光
路からミラー部61(ミラー部材61a)が退出した状
態で第2の波長分離用チャネル導波路511〜51Nと第
2の波長合成用チャネル導波路521〜52Nとの光軸を
合せると、ミラー部61(ミラー部材61a)が進出し
た状態では、ミラー部材61aの厚さ分だけ、光軸がず
れることになる。しかしながら、ミラー部材61aを薄
板状に形成することにより、上述した光軸のずれを少な
くすることができる。
【0038】また、補強部材61bは、ミラー部材61
aと同一材料にて形成されることにより、補強部材61
bとミラー部材61aとを極めて容易にスイッチ部60
に形成することができる。なお、本実施形態において
は、ミラー部材61aと補強部材61bとをニッケルに
て構成するようにしている。ニッケルをミラー部材61
a及び補強部材61bの材料とすることにより、工程が
簡素で、且つ装置が安価な金属めっき技術を用いて、ミ
ラー部材61a及び補強部材61bを形成することがで
きる。なお、金属めっき技術を用いることが可能である
という観点からは、材料は上述したニッケルに限られる
ことなく、可撓性及び導電性を有する材料であれば、た
とえば銅、金、銀等の金属を用いるようにしてもよい。
もちろん、ミラー部材61aと補強部材61bとを異な
る材料で構成するようにしてもよい。
【0039】また、本実施形態に係るスイッチ部60
は、ミラー部61(ミラー部材61a及び補強部材61
b)と、このミラー部61が設けられる第1の電極層6
3と、第2の電極層64とを有し、第1の電極層63
が、第1の電極層63と第2の電極層64との間に所定
の電圧を印加することにより発生する静電引力により撓
み、ミラー部61を第2の波長分離用チャネル導波路5
1〜51Nと第2の波長合成用チャネル導波路521
52Nとの交差部における光路に対して進出方向あるい
は退出方向に移動させることにより、スイッチ部60の
動作速度を速くすることができる。また、ミラー部61
が設けられる絶縁層の他方の面側に第1の電極層を形成
する構成のものに比して、第1の電極層63にミラー部
61が設けられるので、スイッチ部60を製造する際の
工程簡素化及び低コスト化を図ることが可能となる。
【0040】本発明の光スイッチにおいて、補強部材6
1bの少なくとも一部をミラー部材61aの反射面より
も光入射側に突出させることによって得られる時間応答
低下抑制効果を確認する試験を行った。結果を図8に示
す。図8は、時間に対する光強度の変化を示しており、
実線は実施例1による試験結果を表しており、破線は比
較例1による試験結果を表している。
【0041】まず、本発明による実施例1として用いた
光スイッチの構成について説明する。実施例1の光スイ
ッチは、図9に示されるように、基板に第1の光導波路
81、第2の光導波路82、第3の光導波路83、及び
第4の光導波路84が形成されている。これら第1〜第
4の光導波路81,82,83,84のコア幅は、10
μmに設定されている。第1の光導波路81と第2の光
導波路82との交差部と、第3の光導波路83と第4の
光導波路84との交差部との間隔Aは、400μmに設
定されている。また、基板には、第1の光導波路81と
第2の光導波路82との交差部及び第3の光導波路83
と第4の光導波路84との交差部を切断するように溝部
85が形成されている。この溝部85の幅は50μmに
設定されており、深さが第1〜第4の光導波路81,8
2,83,84の深さ以上、たとえば100μmに設定
されている。溝部85は、第1〜第4の光導波路81,
82,83,84と所定の角度(たとえば、60°)で
交差している。第1〜第4の光導波路81,82,8
3,84のそれぞれは、溝部85を隔てて光導波路部分
81a,82a,83a,84aと光導波路部分81
b,82b,83b,84bとに分かれている。
【0042】第1の光導波路81と第2の光導波路82
との交差部及び第3の光導波路83と第4の光導波路8
4との交差部に対応する位置には、ミラー部61が第1
〜第4の光導波路81,82,83,84における光路
に対して進出方向及び退出方向に移動自在に配設されて
いる。ミラー部61は、ミラー部材61aと補強部材6
1bとからなり、このミラー部61の幅は、150μm
に設定されている。ミラー部材61aの幅は70μmに
設定されており、その厚さは20μmに設定されてい
る。補強部材61bの直径は、40μmに設定されてい
る。溝部85を形成する端面とミラー部材61aの反射
面との間隔は、15μmに設定されている。
【0043】次に、図10に基づいて、比較例1の構成
を説明する。比較例1の光スイッチは、ミラー部の形状
に関して上述した実施例1と相違する。比較例1の光ス
イッチにおけるミラー部91は、略直方体形状を呈して
おり、幅が150μmに設定されており、厚さが20μ
mに設定されている。また、溝部85を形成する端面と
ミラー部91の反射面との間隔は、15μmに設定され
ている。
【0044】試験は、実施例1及び比較例1共、第1の
光導波路81(光導波路部分81a)あるいは第3の光
導波路83(光導波路部分83a)から出射され、ミラ
ー部61,91(ミラー部材61a)にて反射して第2
の光導波路82(光導波路部分82a)あるいは第4の
光導波路84(光導波路部分84a)に入射した光の強
度の時間変化を測定することにより行った。図8から分
かるように、時間応答は、比較例1の方が10ps程度
悪く、本発明による実施例1の方が優れた時間応答性能
を有していることが分かる。
【0045】また、ミラー部61,91(ミラー部材6
1a)が第1〜第4の光導波路81,82,83,84
における光路に対して進出方向した状態で、第1の光導
波路81(光導波路部分81aから出射され第4の光導
波路84(光導波路部分84b)に入射する漏れ光を測
定したところ、比較例1は35dB程度となり、実施例
1は45dB程度となった。このように、比較例1に対
して実施例1の方が漏れ光の発生が少なく、クロストー
クを抑制していることが分かる。
【0046】本発明は、前述した実施形態に限定される
ものではなく、本発明による光スイッチは、上述した光
ADM装置1以外の光学装置にも適用することが可能で
ある。
【0047】また、本実施形態においては、ミラー部材
61aと補強部材61bとを一体形成しているが、これ
に限られることなくミラー部材61aと補強部材61b
とを別体に構成して一体化するようにしてもよい。ま
た、補強部材61bの形状も円柱形状に限られることな
く、多角柱形状、筒状形状等であってもよく、その径
も、ミラー部61と第1の電極層63(可動部材)との
密着力を考慮して適宜設定することが可能である。
【0048】また、本実施形態においては、ミラー部材
61aの両端位置に補強部材61bを設けるように構成
しているが、これに限られるものではなく、ミラー部材
61aの両端のいずれか一方の位置に設けるようにして
もよい。また、ミラー部材61aによる光の反射を妨げ
ない位置であれば、ミラー部材61aの途中部分の位置
に補強部材61bを設けるようにしてもよい。
【0049】また、本実施形態においては、ミラー部6
1と第1の電極層63とを同一材料にて形成するように
しているが、これに限られることなく、異なる材料で構
成するようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、可動部材とミラー部との密着力を確保すること
が可能であり、かつ低電圧駆動が可能で、高速応答性に
優れた光スイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光ADM装置を示す構
成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るスイッチ部(光スイッ
チ)の構成を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るスイッチ部(光スイッ
チ)の構成を示す側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るスイッチ部(光スイッ
チ)の構成を示す要部拡大斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るスイッチ部(光スイッ
チ)の動作を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態に係るスイッチ部(光スイッ
チ)の動作を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態に係るスイッチ部(光スイッ
チ)の製造工程を説明する図である。
【図8】本発明による光スイッチの実施例1と比較例1
を示す線図であり、光強度の時間変化を示している。
【図9】本発明による光スイッチの実施例1の構成を説
明するための図である。
【図10】比較例1による光スイッチの構成を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1…光ADM装置、2…基板、3…溝部、60…スイッ
チ部(光スイッチ)、61…ミラー部、61a…ミラー
部材、61b…補強部材、63…第1の電極層、64…
第2の電極層、65…絶縁層、66…枠部。
フロントページの続き (72)発明者 奥山 浩 兵庫県赤穂郡上郡町金出地1431−12 住友 電気工業株式会社播磨研究所内 Fターム(参考) 2H041 AA14 AB13 AC06 AZ01 AZ05 AZ08 2H047 KA03 KA12 LA19 MA05 TA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動部材と、前記可動部材に設けられる
    ミラー部と、を備えた光スイッチであって、 前記ミラー部は、 前記可動部材に立設される薄板状のミラー部材と、 前記ミラー部材と連続して形成されると共に前記ミラー
    部材の厚さよりも大きな径を有し、前記可動部材に立設
    される補強部材と、を含んでいることを特徴とする光ス
    イッチ。
  2. 【請求項2】 前記補強部材の少なくとも一部は、前記
    ミラー部材の反射面よりも光入射側に突出していること
    を特徴とする請求項1に記載の光スイッチ。
  3. 【請求項3】 前記補強部材は、前記ミラー部材と同一
    材料にて一体に形成されることを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の光スイッチ。
  4. 【請求項4】 前記ミラー部材及び前記補強部材は、ニ
    ッケルにより形成されることを特徴とする請求項3に記
    載の光スイッチ。
  5. 【請求項5】 前記可動部材は、一方の面側に前記ミラ
    ー部材が立設される第1の電極層を含み、 絶縁層を挟んで前記第1の電極層に対向する位置に第2
    の電極層が形成されており、 前記第1の電極層は、前記第1の電極層と前記第2の電
    極層との間に所定の電圧を印加することにより発生する
    静電引力により撓み、前記ミラー部材を光路に対して進
    出方向あるいは退出方向に移動させることを特徴とする
    請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光スイッ
    チ。
  6. 【請求項6】 前記第1の電極層は、前記第1の電極層
    と前記第2の電極層との間に前記所定の電圧を印加して
    いないときに、前記ミラー部材が前記光路に対して退出
    した状態となるように、予め撓んで形成されていること
    を特徴とする請求項5に記載の光スイッチ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100402991B1 (ko) * 2001-10-26 2003-10-23 한국과학기술연구원 초소형 광스위칭 장치
WO2003089977A1 (fr) * 2002-04-19 2003-10-30 Ntt Electronics Corporation Dispositif micro optique
WO2004005997A1 (ja) * 2002-07-09 2004-01-15 Ntt Electronics Corporation カンチレバ−、光ビ−ム調整装置、可変光減衰器、および、可変光減衰装置
WO2004038485A1 (ja) * 2002-10-22 2004-05-06 Ntt Electronics Corporation 光スイッチ及び光学装置

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