JP2002212524A - 密着シール性フィルム - Google Patents

密着シール性フィルム

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JP2002212524A
JP2002212524A JP2001011856A JP2001011856A JP2002212524A JP 2002212524 A JP2002212524 A JP 2002212524A JP 2001011856 A JP2001011856 A JP 2001011856A JP 2001011856 A JP2001011856 A JP 2001011856A JP 2002212524 A JP2002212524 A JP 2002212524A
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JP
Japan
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pressure
sensitive adhesive
film
adhesive layer
resin
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JP2001011856A
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English (en)
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Reiko Takahashi
麗子 高橋
Mitsuyoshi Itada
光善 板田
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に凹凸構造を有さなくても被着体を選ばず
に優れた密着シール性と引き出し容易性を両立し、更に
は衛生的に使用できるハウスホールド用ラップフィルム
の提供。 【解決手段】 基材上の少なくとも一部に粘着剤層を有
するフィルムにおいて、該粘着剤層の厚みが0.1μm
以上5μm以下で、且つ剥離力に接触圧依存性があるこ
とを特徴とするフィルムから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡易包装用、特に
ハウスホールド用ラップフィルムとして好適に使用し得
るラップフィルムに関するものであり、詳しくは被着体
を選ばず、例えばガラス、金属、プラスチック等各種容
器に対して十分な密着シール性を有し、引き出し性に優
れ、さらには衛生的に使用できるハウスホールド用ラッ
プフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりハウスホールド用ラップフィル
ムは、主として冷蔵庫や冷凍庫で食品を保存する際や電
子レンジで加熱する際に、容器に盛った食品を覆うのに
使用されている。このため、家庭用ラップフィルムに
は、包装、保存、加熱時に適度の弾性率、加熱中も溶融
穿孔、大きな変形、容器への融着、それ自身の変形など
のない安定性、及びラップ同士や容器に対する低温から
高温域までの適度な密着シール性等が要求されている。
【0003】現在市販されているハウスホールド用ラッ
プフィルムとしては最も使い勝手のよいポリ塩化ビニリ
デン系樹脂を主体とした延伸フィルム、その他後述のラ
ップ適性において劣るものの、汎用されているポリエチ
レン系樹脂、可塑化ポリエチレン系樹脂、可塑化ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1系樹脂等
を主成分とするフィルム等がある。
【0004】また、再剥離性のある粘着フィルム、テー
プにおいては、例えば特開昭61−103975号公
報、特開昭62−127376号公報に代表されるよう
に、粘着剤層の厚みは一般に5μmを超える厚いもので
あり、剥離力の接触圧依存性については明記されていな
い。ハウスホールド用ラップフィルムは、高度の密着シ
ール性を有し且つ化粧箱からの引き出し性に優れるとい
う相反する性質を兼ね備えるために、剥離力の接触圧依
存性を持つことが必要である。加圧後に接着性を示す粘
着フィルムとして例えば特開平8−245936に記載
があるが、粘着剤層表面の非粘着性固形分を押込み粘着
層接触面積を上げる為にその圧力範囲は1MPaを超え
る非常に高い範囲である。ハウスホールド用ラップでの
接触圧は、使用者の指等によるラップフィルムの被着体
へのシール、巻回時の巻き圧等ラップの実用範囲を考慮
に入れると、1kPa以上1MPa以下と低い圧力範囲
での接触圧依存性が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般にラップフィルム
には液体等が入った容器を冷蔵庫から搬入したり、搬出
したりする時に、内容物が容器から外へこぼれることの
ないような高度な密着シール性が求められる。しかし市
販されているラップフィルムの密着シール性は被着物の
材質にかなり依存する。すなわち陶器、磁器、ガラス等
に対しては付着性があり、密着シール性は高いが、缶詰
等の金属やプラスチック性容器に対しては、付着性がな
く密着シール性は低い。また、ラップフィルム同士の密
着性が高いと巻回されたフィルムを巻き返す際にフィル
ム同士が剥離しにくく、ラップフィルムを化粧箱から引
き出そうとするとフィルムが切れる等、引き出し性に問
題が発生する。
【0006】これらの問題に着目したラップフィルムと
して特表平11−501895号公報があり、凹凸基材
層の凹部にのみ部分的に広範囲な種類の被着体に対して
付着性(粘着力)を有する粘着剤が充填されたラップフ
ィルムが提案されている。このラップフィルムは密着シ
ール性と引き出し性を両立できることが開示されている
が、基材層上に特異な凹凸三次元構造を形成した上で、
凹部にのみ部分的に粘着剤を約10μmを超える厚みで
充填するいう複雑な工程が必要である。
【0007】また、特表平11−501895号公報の
接着力が大きすぎ、使いにくいという点に着目したラッ
プフィルムとして、特開2000−335628号公報
があり、平滑なガラス面に対しての接着力が小さく、剪
断剥離力に接触圧依存性があるラップフィルムが提案さ
れている。このラップフィルムはラップする前にはラッ
プ同士が絡み合わず,ラップする時はラッピングの対象
物に対する付着性が良好で、ラップした後剥がし易いと
されているが、粘着剤層のない公知のラップフィルムに
凹凸形状を持たせて接触面積を小さくしているだけであ
るので、密着シール性は被着物の材質にかなり依存する
問題がある。すなわち陶器、磁器、ガラス等に対する密
着シール性は高く付着するが、缶詰等の金属やプラスチ
ック性容器に対する密着シール性は低く、付着しない。
【0008】本発明においては特に複雑な工程を有する
ことなく、すなわち、特に特異な凹凸表面構造を有さな
くても、被着体を選ばず高度の密着シール性を有し且つ
引き出し性に優れたフィルムを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、基材層上に
凹凸を形成し、凹部にのみ部分的に粘着剤を充填すると
いう複雑な工程によりフィルム全体に接触圧依存性を持
たせる従来技術に対し、特に凹凸構造を有さなくても被
着体を選ばない高度な密着シール性と引き出し性を有
し、更には衛生的に使用できるという観点から鋭意検討
を重ねた結果、基材層上の少なくとも一部に粘着剤層を
有するフィルムにおいて、該粘着剤層の厚みが0.1μ
m以上5μm以下で、且つ剥離力に接触圧依存性がある
ことを特徴とするフィルムが最も好適なラップ特性を有
することを見い出すに至った。
【0010】以下、本発明の内容を説明する。本発明が
従来技術と最も相違するところは基材層もしくは粘着剤
層に特定凹凸構造を必ずしも要さなくても、該粘着剤層
を薄厚範囲にすることにより、剥離力に接触圧依存性が
見られるという点である。ここでいう剥離力とは特に限
定はされないが、180度剥離力、90度剥離力、剪断
剥離力等が挙げられる。一般に言われる剥離力、又は接
着力、粘着力は180度剥離力で表されることが多く、
JIS−Z−0237により測定することができる。す
なわち各ラップフィルムを20mm幅にサンプリング
し、清浄した平滑なガラス板(ほう珪酸ガラス、商品名
パイレックス)に、23℃の雰囲気下で25kPa(低
接触圧に相当)、もしくは1MPa(高接触圧に相当)
で約3秒間加圧して貼り合わせて、30分後、試験片の
遊びの部分を180度に折り返し、300mm/min
の剥離速度で試験片をガラス板から引き剥がすときの力
を測定することにより得られる。尚、25kPaは5g
ローラーで3往復させた際与えられる力、1MPaはJ
IS−Z−0237に記載されている2kgローラーで
3往復させた際与えられる力に相当する。
【0011】剥離力の接触圧依存性とは、すなわち低接
触圧(例えば0.3MPa以下)では低剥離力を有する
が、高接触圧(例えば0.6MPaを越える値)では高
剥離力であるということであり、その剥離力の差が十分
ある、すなわち、高接触圧時の剥離力の最小値(FH
と、低接触圧時の剥離力の最大値(FL)がFH>FL
あり、また、高接触圧時の剥離力測定平均値(FHM
と、低接触圧時の剥離力測定平均値(FLM)の比がFHM
/FLM≧1.5であることが好ましい。高接触圧での剥
離力は密着シール性、低接触圧での剥離力は引き出し性
の指標となる。ラップフィルムは使用者がフィルムを被
着物に覆ってから、指等でラップフィルム上から押さえ
つけることによりラップフィルムと被着物を密着させ、
シールする。人の指等による接触圧は個人差もあるが一
般に0.7M〜0.8MPaと高接触圧であることが多
い。一方巻回体の巻き圧は人の指接触圧よりも小さく低
接触圧であることが多く、低接触圧での剥離力が弱いと
いうことはすなわち引き出し性がよいということにな
る。従って本発明においては、基材層上に凹凸を形成す
る、凹部にのみ部分的に粘着剤を充填するいう複雑な工
程を特に必要としなくても、すなわち、特に特異な凹凸
表面構造を有さなくても高度な密着シール性と引き出し
性を両立することができる。本発明では1kPa以上1
MPa以下の圧力範囲で剥離力の接触圧依存性があるの
が好ましく、20kPaから0.8MPaの圧力範囲が
ラップ実用範囲としてより好ましい。
【0012】本発明の粘着剤に必要とされる機能、すな
わち粘着力の接触圧依存性を発現するメカニズムは定か
ではないが、粘着剤厚みが薄いと特に実用範囲で接触圧
依存性が発現する。すなわち、本発明者は、粘着剤層厚
みが0.1μm以上5μm以下、好ましくは0.5μm
以上3μm以下の範囲であれば、粘着力のレベルは粘着
剤組成物、組成割合等に依存するが、特にラップ実用範
囲内で剥離力が接触圧依存性を有するということを見出
したのである。本発明の薄厚粘着剤層が1kPa以上1
MPa以下というラップ実用範囲で接触圧依存性を発現
する従来にない粘着メカニズムの解明が今後期待される
ところであるが、粘着剤層厚みが0.1μm未満の場合
では剥離力がないことがあり、5μmを越える場合は接
触圧依存性がなく従来の粘着剤の機能となる。また、本
発明では粘着剤層厚みが0.1μm以上5μm以下であ
ることから、多量の粘着剤を必要とせず経済的に使用で
きる。
【0013】本発明のラップフィルムは主として冷蔵庫
や冷凍庫での食品の保存や電子レンジでの加熱用に、容
器に盛った食品を覆うのに使用されるので乾燥又は含水
食品の他に油分を含む食品等を包む場合も想定される。
一般に粘着剤は耐油性に劣る性質をもっており、高温領
域では更にその傾向は高い。本発明のフィルムでは粘着
剤層厚みが薄厚であるため、食品包装フィルムの耐油性
の指標である厚生省告示第370号「食品、添加物等の
規格基準 第3 器具及び容器包装 D 器具若しくは
容器包装又はこれらの原材料の材質別規格の2」の内、
ポリエチレン及びポリプロピレンを主成分とする合成樹
脂の器具、容器包装についての個別規格の溶出試験に準
じた、該粘着剤層面の表面積1cm2あたり2mlのn
−ヘプタンとフィルムとを25℃で1時間接触させた場
合の片面溶出量が30ppm以下の適合範囲を達成しや
すく、衛生上、経済的にも好ましい。溶出量としてはこ
の規定を満足する範囲、より好ましくは25ppm以下
である。
【0014】本発明の粘着剤層に用いられる粘着剤組成
物としては、広範囲な種類の被着体に対して付着性(粘
着性)を有するものであれば特に限定されないが、常温
においてゴム状弾性を示す各種エラストマー類を主体と
したゴム系粘着剤であり、ゴム類に相溶性のある粘着付
与物質のような低分子量物質を混合(ブレンド)して成
るものが好ましい。エラストマー類としては例えば、シ
ス−1,4−ポリイソプレンを主成分とする天然ゴム、
再生ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリ
イソブチレン、ブチルゴム等を主成分とする合成ゴム、
又は、エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体ゴム
(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体
ゴム(SIS)、およびSISの水添タイプであるスチ
レン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体ゴム
(SEPS)、SBSの水添タイプであるスチレン・エ
チレン・ブチレン・スチレン共重合体ゴム(SEBS)
等を主成分とするABA形ブロックコポリマー(熱可塑
性ゴム)等のゴム類、高級ビニルアルキルエーテル、ブ
ナN(ブタジエン―アクリルニトリルコポリマー)、高
級ポリアクリル酸エステル等のエラストマーが挙げられ
る。これらのうち水添タイプのゴム類が特に好ましく用
いられる。この水添タイプが好ましい理由は上述のn−
ヘプタン溶出量を少なくすることができるためである。
【0015】粘着付与物質としては一般にタッキファイ
ヤーと称される樹脂類、軟化剤等が挙げられる。タッキ
ファイヤーとは通常分子量が数百から数千の無定形オリ
ゴマーで常温で液体または固体の熱可塑性樹脂であり、
ゴム状弾性体であるエラストマーに配合され、その系に
タックの機能をもたせる。タッキファイヤーとしては例
えば、ロジン系樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン系樹
脂、水添テルペン系樹脂、脂肪族系(C5系)石油樹
脂、芳香族系石油樹脂(C9系)、共重合系(C5/C9
系)石油樹脂、C9系石油樹脂を水添した脂環族系石油
樹脂等が挙げられるが、一般的にゴムと相溶性のよいも
のを選び、その中でも水添タイプのものを好んで配合す
る。この水添タイプが好ましい理由は、上述のn−ヘプ
タン溶出量を少なくすることができるためである。
【0016】軟化剤とは、ゴム状弾性体であるエラスト
マーとタッキファイヤーのブレンドに加えて、その系の
粘度を下げる等、粘着剤全体の物性の調整に用いる。軟
化剤としては例えば、プロセスオイル(パラフィン系、
ナフテン系、アロマ系)、流動パラフィン、液状ロジ
ン、可塑剤、液状ポリブテン等が挙げられるが、一般的
にゴムと相溶性のよいものを選んで配合する。また本発
明の効果を損なわない範囲内で公知の添加剤、例えば酸
化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤等を
含有してもよい。
【0017】次に本発明の粘着剤層の形成方法について
説明する。本発明の粘着剤層は上述の粘着剤組成物を有
機溶剤に溶かして溶液型としたもの、乳化してエマルジ
ョン型にしたもの、水に溶かして水溶液にしたもの、ま
たは固形のままで溶融してホットメルト型にしたもの等
を基材層に積層することで形成される。粘着剤の積層方
法には特に制限はないが、粘着剤の特性、例えば、エマ
ルジョン、溶液、ホットメルト、に合わせて適宜選択さ
れる。積層方式としては、一般に粘着剤の積層に採用さ
れているものが使用でき、例えば、リバースロールコー
ター、ナイフオーバーロールコーター、ロールオーバー
ロールコーター、エアナイフコーター、グラビアコータ
ー、バーコーター、ダイレクトコーター、ホットメルト
コーター、ダイコーターなどによるものが使用できる。
【0018】基材層上の粘着剤の配置は、本発明の効果
を損なわない限り特に限定されない。配置としては、千
鳥格子、ストライプ、網目状等が挙げられるが、全面に
均一に存在させることが好ましい。基材層表面上に粘着
剤層の占める面積割合は5割以上であり、粘着剤層がほ
ぼ均一に分散しているのがよい。この範囲であると、液
体等の内容物が容器から外へこぼれることのないような
高度な密着シール性というラップフィルムに必要な特性
が得られる。基材層表面上に粘着剤層の占める面積割合
は5割以上が好ましく、より好ましくは7割以上であ
る。
【0019】好ましくは、粘着剤を有機溶剤に溶かした
溶液型等の低粘性流動体(溶液中の粘着剤濃度が70%
未満であるもの)による塗工方法が使用され、例えば粘
着剤濃度を低くすることによって薄厚に塗工する方法が
挙げられる。有機溶剤としては特に限定されないが、選
択した粘着剤組成物と適度な相溶性のあるものであれば
よい。これら塗工方法において、低粘性流動体の組成や
溶液濃度および乾燥条件を調節することによっても粘着
力の接触圧依存性を生成することができる。
【0020】本発明のフィルムに用いられる基材層は、
例えばポリエチレン系樹脂(HDPE、LLDPE
等)、ポリプロピレン系樹脂(PP)、ポリブテン−1
系樹脂(PB)、ポリ−4−メチルペンテン−1系樹脂
をはじめとするポリオレフィン系樹脂(PO)、または
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレ
ン−メチルメタクリレート共重合体樹脂(EMA等)、
エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂(EVOH
等)をはじめとするポリオレフィン系樹脂変性物(PO
変性物)、ポリエチレンテレフタレート系(含変性)樹
脂(PET等)、ポリブチレンテレフタレート系(含変
性)樹脂(PBT等)をはじめとする芳香族成分を一部
含む、またはポリ乳酸系樹脂、ポリグリコール酸系樹脂
をはじめとする脂肪族成分のポリエステル系樹脂(PE
ST)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)、ポリ
塩化ビニル系樹脂(PVC)をはじめとする塩素系樹
脂、αオレフィン−一酸化炭素共重合体樹脂(含同水添
樹脂)、αオレフィン(エチレン、他)−スチレン共重
合樹脂(含同水添樹脂)、エチレン−環状炭化水素系化
合物共重合樹脂(含同水添樹脂)、ポリアミド系樹脂
(Ny)、カプロラクトン系樹脂、等から少なくとも一
種を主体として選択される樹脂組成物を単層で、もしく
はこの層と異なる樹脂を積層させたものが挙げられる。
本発明のラップフィルムは冷蔵庫や冷凍庫での食品の保
存や電子レンジでの加熱用としても使用されるので、耐
寒性、耐熱性の点よりポリエチレン系樹脂(HDPE、
LLDPE等)、ポリプロピレン系樹脂(PP)、ポリ
アミド系樹脂(Ny)、ポリエステル系樹脂等が好まし
く、その単層、若しくは、それらを表層に配した積層体
が好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲内
で、公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、帯
電防止剤、防曇剤、着色剤、滑剤等を混入したり、公知
の表面処理、例えば、コロナ放電処理、火焔処理、電子
・プラズマ等を含む放射線照射処理、イオンエッチング
処理等をすることができる。
【0021】尚、本発明の基材層は少なくとも片面に凹
凸形状を有してもよい。この基材層表面の凹凸構造は所
望の表面形状を有する(ロール状または平板状)凹凸面
の雌型を用いて機械的に型押/圧延し、又は射出/溶融
注型等により成形加工されて、またはリソグラフィー法
によってエッチングされてフィルム表面に凹凸加工をす
ることにより得られる。加工方法の具体例としては、例
えば、機械彫刻や金属やセラミックでできた極小の鋳型
を使って微小部品を作るフォトリソグラフィにX線を用
いた加工法であるLiga技術(X−ray Lith
ography Galvanik(=Electro
forming)Ahformung(Modelin
g)の略)等により製造された25メッシュから600
メッシュ程度(1メッシュとは1インチ当たりの凹凸間
隔数)の凹凸面の雌型鋳型を用いることで、フィルム表
面にエンボス加工法等により所望の凹凸加工をする方法
がある。
【0022】ここで凹凸基材層に塗布する粘着剤の配置
は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、凹
凸面全面に粘着剤を配置する等が挙げられるが、凹部の
粘着剤厚みが凸部の厚みよりも大きい粘着剤の連続層、
言い換えると、粘着剤層厚みが凹凸谷部で最大で山頂部
で最小となる粘着剤の連続層配置は、本発明の効果をよ
り効果的に実施できるので好ましい。基材層の厚みは1
0〜50μm程度が好ましい。この範囲であるとフィル
ムの腰が弱く、引き出したり容器等にラッピングする際
に自己接着等の問題がなく、また、巻回体の径が大きく
なるなどの問題もない。
【0023】なお、本発明のフィルム全体としての厚み
は約10〜50μm、好ましくは15〜30μmとする
とよい。ラップフィルム全体の厚みがこの範囲であると
フィルムの腰が弱く、引き出したり容器等にラッピング
する際に自己接着等の問題がなく、また、巻回体の径が
大きくなるなどの問題もない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施例により説明す
るが本発明はこれら実施例に何ら限定されない。なお、
ここで部とは重量部を示す。
【0025】
【実施例1】トルエン中に、SEBSブロックコポリマ
ー(スチレン含量30%、旭化成製タフテック)200
部、脂環族系石油樹脂(軟化点100℃、荒川化学製ア
ルコンP)150部、パラフィン系プロセスオイル60
部からなる粘着剤組成物を、粘着剤組成物濃度が5%に
なるように溶解し、リバースロールコーターにて平面状
基材層(ポリエステルフィルム(12μm)(ユニチカ
(株)エンブレット))の片面に全面塗工を1回行い、
80℃で2分乾燥させて表1に記載の厚みの均一な粘着
剤層を有するフィルムを得た。
【0026】
【実施例2】SBSブロックコポリマー(スチレン含量
40%、旭化成製タフテック)100部、脂環族系石油
樹脂(軟化点100℃荒川化学製アルコンM)250
部、パラフィン系プロセスオイル60部を180度で混
練し、粘着剤を作成する。粘着剤濃度が3%になるよう
にシクロヘキサンに溶解し、リバースロールコーターに
て平面状基材層(HDPE(18μm)(東洋化学
(株)カラリヤンY))の片面に全面塗工を1回行い、
80℃で2分乾燥させて表1に記載の厚みの均一な粘着
剤層を有するフィルムを得た。
【0027】
【実施例3】シクロヘキサン中に、SEBSブロックコ
ポリマー(スチレン含量30%、旭化成製タフテック)
100部、脂環族系石油樹脂(軟化点100℃、荒川化
学製アルコンP)250部、パラフィン系プロセスオイ
ル30部からなる粘着剤組成物を、粘着剤組成物濃度が
10%になるように溶解し、リバースロールコーターに
て平面状基材層(HDPE(18μm)(東洋化学
(株)カラリヤンY))の片面に全面塗工を1回行い、
80℃で2分乾燥させて表1に記載の厚みの均一な粘着
剤層を有するフィルムを得た。
【0028】
【実施例4】SEBSブロックコポリマー(スチレン含
量30%、旭化成製タフテック)100部、脂環族系石
油樹脂(軟化点100℃、荒川化学製アルコンM)25
0部、パラフィン系プロセスオイル60部を180度で
混練し、粘着剤を作成する。粘着剤濃度が50%になる
ようにシクロヘキサンに溶解し、リバースロールコータ
ーにて平面状基材層(ポリエステルフィルム(12μ
m)(ユニチカ(株)エンブレット))の片面に全面塗
工を1回行い、80℃で2分乾燥させて表1に記載の厚
みの均一な粘着剤層を有するフィルムを得た。
【0029】
【比較例1】トルエン中に、SEBSブロックコポリマ
ー(スチレン含量30%、旭化成製タフテック)200
部、脂環族系石油樹脂(軟化点100℃、荒川化学製ア
ルコンP)150部、パラフィン系プロセスオイル60
部からなる粘着剤組成物を、粘着剤組成物濃度が50%
になるように溶解し、リバースロールコーターにて平面
状基材層(ポリエステルフィルム(12μm)(ユニチ
カ(株)エンブレット))の片面に全面塗工を1回行
い、80℃で2分乾燥させて、表1に記載の厚みの均一
な粘着剤層を有するフィルムを得た。
【0030】
【比較例2】実施例4で使用した粘着剤溶液を、リバー
スロールコーターにて平面状基材層(HDPE(18μ
m)(東洋化学(株)カラリヤンY))の片面に全面塗
工を2回行い、80℃で2分乾燥させて、表1に記載の
厚みの均一な粘着剤層を有するフィルムを得た。
【0031】〔評価〕各実施例及び比較例で得られたフ
ィルムの粘着剤層厚み、接触圧依存性、ヘプタン溶出性
を下記方法で測定し、総合評価として、接触圧依存性
がある(高接触圧時の剥離力の最小値(FH)と、低接
触圧時の剥離力の最大値(FL)がFH>FL)、ヘプ
タン溶出で30ppm以下の2点をいずれも満たすもの
を◎、のみを満たすものを○、それ以外のものを×と
してその結果を表1に示す。
【0032】〔粘着剤層厚み〕光学顕微鏡を用いて測定
した。具体的には、基材層投影平面縦横50mm程度の
間隔毎に約20mm角で切り出した測定片の投影片面に
垂直な切断面観察(縦横両方向)により測定した。
【0033】〔剥離力〕JIS−Z−0237に準じ
た、すなわち各ラップフィルムを20mm幅にサンプリ
ングし、清浄した平滑なガラス板(ほう珪酸ガラス、商
品名パイレックス)に、23℃の雰囲気下で25kPa
(低接触圧に相当)、もしくは1MPa(高接触圧に相
当)で約3秒間加圧して貼り合わせて、30分後、試験
片の遊びの部分を180度に折り返し、300mm/m
inの剥離速度で試験片をガラス板から引き剥がすとき
の力を測定した。尚、25kPaは5gローラーで3往
復させた際与えられる力、1MPaはJIS−Z−02
37に記載されている2kgローラーで3往復させた際
与えられる力に相当する。
【0034】〔ヘプタン溶出性〕厚生省告示第370号
に準じた、すなわち、各ラップフィルムの表面1cm2
につき2mlのをn−ヘプタンに25℃で1時間放置し
たときの蒸発残留量を測定した。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明は上述したように、基材層に薄厚
で剥離力の接触圧依存性を有するように粘着剤層を設け
ることにより、粘着剤が少量でよく、経済的、衛生的で
あり、基材層もしくは粘着剤層に特定凹凸構造を必ずし
も要さずに、被着体を選ばずに密着シール性、引き出し
性の双方を有するという優れたハウスホールド用ラップ
フィルムを提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材層上の少なくとも一部に粘着剤層を
    有するフィルムにおいて、該粘着剤層の厚みが0.1μ
    m以上5μm以下であり、且つフィルムの剥離力が接触
    圧依存性であることを特徴とするフィルム。
  2. 【請求項2】 該基材層表面上に該粘着剤層の占める面
    積割合が5割以上であり、該粘着剤層がほぼ均一に分散
    していることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    のフィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1において、接触圧が1kPa以
    上1MPa以下であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1〜2項のいずれかに記載のフィルム。
  4. 【請求項4】 該粘着剤がゴム系粘着剤を主体とする粘
    着剤であることを特徴とする特許請求の範囲第1〜3項
    のいずれかに記載のフィルム。
  5. 【請求項5】 該ゴム系粘着剤がスチレン/ブタジエ
    ン、スチレン/イソプレン、スチレン/エチレン−ブチ
    レン、スチレン/エチレン−プロピレンブロックコポリ
    マーから選ばれた少なくとも1つのエラストマー系ブロ
    ックコポリマーと粘着付与物質とのブレンドであること
    を特徴とする特許請求の範囲第4項に記載のフィルム。
  6. 【請求項6】 該粘着剤層面の表面積1cm2あたり2
    mlのn−ヘプタンとフィルムとを25℃で1時間接触
    させた場合の片面溶出量が30ppm以下であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載
    のフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018190138A1 (ja) * 2017-04-12 2019-11-07 Dic株式会社 物品の製造方法

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