JP2002212512A - カチオン電着塗料用樹脂組成物 - Google Patents

カチオン電着塗料用樹脂組成物

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JP2002212512A
JP2002212512A JP2001009543A JP2001009543A JP2002212512A JP 2002212512 A JP2002212512 A JP 2002212512A JP 2001009543 A JP2001009543 A JP 2001009543A JP 2001009543 A JP2001009543 A JP 2001009543A JP 2002212512 A JP2002212512 A JP 2002212512A
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JP2001009543A
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Koji Kamikado
神門  孝司
Hidenori Sawada
英典 澤田
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロックポリイソシアネート化合物や有機錫
化合物を使用しないで、低温硬化性に優れ、防食性、付
着性、耐候性、塗面平滑性に優れた塗膜を形成でき、し
かも塗料安定性、塗装作業性の良好なカチオン電着塗料
用樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)水酸基およびカチオン性基を含有
する樹脂及び(B)エポキシ基含有重合性不飽和モノマ
ー(b−1)50〜100重量部と該モノマー(b−
1)と共重合可能なその他の重合性不飽和モノマー(b
−2)0〜50重量部とを触媒的連鎖移動重合法により
重合してなる数平均分子量が300〜3,000のエポ
キシ基含有ビニル系重合体樹脂を主成分として含有する
ことを特徴とするカチオン電着塗料用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化剤としてのブ
ロックポリイソシアネートや硬化触媒としての有機錫化
合物を用いる必要がなく、安定性及び硬化性に優れ、し
かも塗膜の付着性、耐候性、低温硬化性、塗面平滑性、
塗装作業性等にも優れたカチオン電着塗料用樹脂組成
物、この樹脂組成物を含有するカチオン電着塗料、及び
この電着塗料が塗装された塗装物品に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、カチオン電着塗料用
樹脂組成物として、アミン付加エポキシ樹脂のようなポ
リアミン樹脂とアルコール類などでブロックした芳香族
ポリイソシアネート化合物(硬化剤)とを主成分とする
ものが最も多く使用され、塗膜の防食性に関して優れた
評価を得ている。しかしながら、この塗料用樹脂組成物
は本質的な問題点として、硬化開始温度が高い(170
℃以上);また、硬化開始温度を低くするために硬化触
媒として有機錫化合物を用いると、該錫化合物が焼付炉
の排気燃焼触媒を被毒させることがある;さらに、塗膜
を硬化させるために高温加熱すると、ブロックポリイソ
シアネート化合物が熱分解してヤニ、ススを生成し、し
かも上塗塗膜に黄変、ブリード、硬化阻害等を引き起こ
すと共に該上塗塗膜の耐候性が著しく低下し、白化しや
すいなどの重大な欠点を有しており、その改良が強く望
まれている。
【0003】そこで本発明者らは、ブロックポリイソシ
アネート化合物や有機錫化合物を使用しないで、防食性
を低下させることなく、塗料安定性、低温硬化性に優
れ、付着性、耐候性に優れた塗膜を形成できるカチオン
電着塗料用樹脂組成物として、先に、水酸基およびカチ
オン性基を含有する樹脂と、脂環式骨格および/または
有橋脂環式骨格にエポキシ基が結合してなるエポキシ基
含有官能基を有するエポキシ樹脂とを主成分とするカチ
オン電着塗料用樹脂組成物を提案した(特開平2−25
5874号公報参照)。しかしながら、この樹脂組成物
は、塗面平滑性に劣り、また塗装作業性の面で増膜性が
劣るといった問題があった。
【0004】本発明の目的は、ブロックポリイソシアネ
ート化合物や有機錫化合物を使用しないで、防食性、低
温硬化性、付着性、耐候性、塗面平滑性に優れた塗膜を
形成でき、しかも、塗料安定性、塗装作業性が良好なカ
チオン電着塗料用樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水酸基お
よびカチオン性基を含有する樹脂と組合せる硬化剤とし
て、特定の重合法によって得られた比較的低分子量のエ
ポキシ基含有ビニル系重合体樹脂を使用することによっ
て上記目的を達成できることを見出し本発明を完成する
に至った。
【0006】すなわち、本発明は、(A)水酸基および
カチオン性基を含有する樹脂及び(B)エポキシ基含有
重合性不飽和モノマー(b−1)50〜100重量部と
該モノマー(b−1)と共重合可能なその他の重合性不
飽和モノマー(b−2)0〜50重量部とを触媒的連鎖
移動重合法により重合してなる数平均分子量が300〜
3,000のエポキシ基含有ビニル系重合体樹脂を主成
分として含有することを特徴とするカチオン電着塗料用
樹脂組成物を提供するものである。
【0007】また、本発明は、上記カチオン電着塗料用
樹脂組成物を含有するカチオン電着塗料を提供するもの
である。
【0008】さらに本発明は、上記カチオン電着塗料が
塗装された塗装物品を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のカチオン電着塗料用樹脂
組成物について詳細に説明する。本発明のカチオン電着
塗料用樹脂組成物は、下記水酸基およびカチオン性基を
含有する樹脂(A)及びエポキシ基含有ビニル系重合体
樹脂(B)を主成分として含有する。
【0010】水酸基およびカチオン性基を含有する樹脂
(A) 本発明の樹脂組成物における水酸基およびカチオン性基
を有する樹脂(A)(以下このものを「樹脂(A)」と
いうことがある)には、エポキシ基含有ビニル系重合体
樹脂(B)[以下、「重合体樹脂(B)」と略称するこ
とがある]中のエポキシ基と反応しうる水酸基を含有し
且つ安定な水性分散物を形成するのに十分な量のカチオ
ン性基を有する任意の樹脂が包含される。しかして、該
樹脂(A)としては例えば次のものが挙げられる。
【0011】(i)ポリエポキシド樹脂とカチオン性剤
とを反応せしめて得られる反応生成物; (ii)ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮合物(米国
特許第2,450,940号明細書参照)を酸でプロトン化した
もの; (iii)ポリイソシアネート及びポリオールとモノ又は
ポリアミンとの重付加物を酸でプロトン化したもの; (iv)水酸基ならびにアミノ基含有アクリル系又はビニ
ル系モノマーの共重合体を酸でプロトン化したもの(特
公昭45−12395号公報、特公昭45−12396号公報参照); (v)ポリカルボン酸樹脂とアルキレンイミンとの付加
物を酸でプロトン化したもの(米国特許第3,403,088号
明細書参照);等。
【0012】これらのカチオン性基を含有する樹脂の具
体例及び製造方法については、例えば特公昭45−12395
号公報、特公昭45−12396号公報、特公昭49−23087号公
報、米国特許第2,450,940号明細書、米国特許第3,403,0
88号明細書、米国特許第3,891,529号明細書、米国特許
第3,963,663号明細書等に記載されている。
【0013】本発明における樹脂(A)として特に望ま
しいのは、前記(i)に包含される、ポリフエノール化
合物とエピクロルヒドリンとから得られる防食性に優れ
ているポリエポキシド化合物のエポキシ基にカチオン化
剤を反応せしめて得られる反応生成物である。
【0014】前記ポリエポキシド化合物は、エポキシ基
を1分子中に2個以上有する化合物で、一般に少なくと
も200、好ましくは400〜4,000、さらに好ま
しくは800〜2,000の範囲内の数平均分子量を有
するものが適している。そのようなポリエポキシド化合
物としてはそれ自体公知のものを使用することができ、
例えば、ポリフエノール化合物をアルカリの存在下にエ
ピクロルヒドリンと反応させることにより製造すること
ができるポリフエノール化合物のポリグリシジルエーテ
ルが包含される。ここで使用しうるポリフエノール化合
物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフエニル)
−2,2−プロパン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフ
エノン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)−1,1−エ
タン、ビス−(4−ヒドロキシフエニル)−1,1−イ
ソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フエ
ニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフ
チル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス
(2,4−ジヒドロキシフエニル)メタン、テトラ(4
−ヒドロキシフエニル)−1,1,2,2−エタン、
4,4′−ジヒドロキシジフエニルエーテル、4,4′
−ジヒドロキシフエニルスルホン、フエノールノボラッ
ク、クレゾールノボラック等が挙げられる。
【0015】上記したポリエポキシド化合物の中で樹脂
(A)の製造に適当なものは、数平均分子量が少くとも
約380、好適には約800〜約2,000の範囲内に
あり、かつエポキシ当量が好適には190〜2,00
0、特に400〜1,000の範囲内のポリフエノール
化合物のポリグリシジルエーテルであり、殊に下記式で
示されるものが好適である。
【0016】
【化1】
【0017】該ポリエポキシド化合物は、ポリオール、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポ
リアミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート
などと部分的に反応させてもよく、さらに、δ−4−カ
プロラクトン、アクリルモノマーなどをグラフト重合さ
せてもよい。
【0018】一方、上記ポリエポキシド化合物にカチオ
ン性基を導入するためのカチオン化剤としては、脂肪族
または脂環族または芳香−脂肪族の第1級もしくは第2
級アミン、第3級アミン塩、第2級スルフイド塩、第3
級ホスフイン塩などが挙げられる。これらはエポキシ基
と反応してカチオン性基を形成する。さらに第3級アミ
ノアルコールとジイソアネートの反応によって得られる
第3級アミノモノイソシアネートをエポキシ樹脂の水酸
基と反応させてカチオン性基とすることもできる。
【0019】前記カチオン化剤におけるアミン化合物の
例としては、例えば次のものを例示することができる。 (1)メチルアミン、エチルアミン、n−又はiso−プ
ロピルアミン、モノエタノールアミン、n又はiso−プ
ロパノールアミンなどの第1級アミン; (2)ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジn−又
はiso−プロパノールアミン、N−メチルエタノールア
ミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級アミ
ン; (3)エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒド
ロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチル
アミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノ
エチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミンなどのポ
リアミン。
【0020】これらの中で水酸基を有するアルカノール
アミン類が好ましい。また、第1級アミノ基を予めケト
ンと反応させてブロックした後、残りの活性水素でエポ
キシ基と反応させてもよい。
【0021】さらに、上記アミン化合物以外にアンモニ
ア、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ヒドロキシエチ
ルヒドラジン、N−ヒドロキシエチルイミダゾリン化合
物などの塩基性化合物も同様に使用することができる。
これらの化合物を用いて形成される塩基性基は酸、特に
好ましくはギ酸、酢酸、グリコール酸、乳酸などの水溶
性有機カルボン酸でプロトン化してカチオン性基とする
ことができる。
【0022】さらに、トリエチルアミン、トリエタノー
ルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチ
ルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミ
ン、N−エチルジエタノールアミンなどの第3級アミン
なども使用でき、これらは酸で予めプロトン化し、エポ
キシ基と反応させて第4級塩にすることができる。
【0023】また、アミノ化合物以外に、ジエチルスル
フイド、ジフエニルスルフイド、テトラメチレンスルフ
イド、チオジエタノールなどのスルフイド類とホウ酸、
炭酸、有機モノカルボン酸などとの塩をエポキシ樹脂と
反応させて第3級スルホニウム塩としてもよい。
【0024】更に、トリエチルホスフイン、フエニルジ
メチルホスフエイン、ジフエニルメチルホスフイン、ト
リフエニルホスフインなどのホスフイン類と上記の如き
酸との塩をエポキシ基と反応させて、第4級ホスホニウ
ム塩としてもよい。
【0025】本発明で用いる樹脂(A)の水酸基として
は、例えば、上記カチオン化剤中のアルカノールアミ
ン、エポキシド化合物中に導入されることがあるカプロ
ラクトンの開環物およびポリオールなどから導入される
第1級水酸基;エポキシ樹脂中の2級水酸基などが挙げ
られる。これらのうち、アルカノールアミンにより導入
される第1級水酸基は重合体樹脂(B)中のエポキシ基
との架橋硬化反応性が優れているので好ましい。このよ
うなアルカノールアミンは前記カチオン化剤として例示
したものが好ましい。
【0026】樹脂(A)における水酸基の含有量は、重
合体樹脂(B)に含まれるエポキシ基との架橋硬化反応
性の点からみて、水酸基当量で20〜5,000、特に
100〜1,000の範囲内が好ましく、特に第1級水
酸基当量は200〜1,000の範囲内にあることが望
ましい。また、カチオン性基の含有量は、樹脂(A)を
安定に分散しうるに必要な最低限以上が好ましく、アミ
ン価(KOHmg/g、固形分換算)で、一般に3〜2
00、特に10〜80の範囲内にあることが好ましい。
カチオン性基の含有量がアミン価3未満の場合であって
も、界面活性剤などを使用して水性分散化して使用する
ことも可能であるが、この場合には、水性分散組成物の
pHが通常4〜9、より好ましくは6〜7になるように
カチオン性基を調整するのが望ましい。
【0027】本発明で用いる樹脂(A)は、水酸基及び
カチオン性基を有しており、遊離のエポキシ基は原則と
して含まないことが望ましい。
【0028】エポキシ基含有ビニル系重合体樹脂(B) 本発明の樹脂組成物におけるエポキシ基含有ビニル系重
合体樹脂(B)は、下記エポキシ基含有重合性不飽和モ
ノマー(b−1)と、必要に応じて該モノマー(b−
1)と共重合可能な下記その他の重合性不飽和モノマー
(b−2)を触媒的連鎖移動重合法( Catalytic Chai
n Transfer Polymerization、以下、「CCTP法」
と略称することがある)により共重合してなるエポキシ
基含有ビニル系重合体樹脂である。
【0029】エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b
−1) エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b−1)は、共
重合体中にエポキシ基を導入するために使用されるモノ
マーであり、代表例としては、例えば、グリシジル(メ
タ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)
アクリレート、アリルグリシジルエーテル等を挙げるこ
とができる。
【0030】本発明において、「……(メタ)アクリレ
ート」は、「……アクリレート又は……メタクリレー
ト」を意味するものとする。
【0031】その他の重合性不飽和モノマー(b−2) その他の重合性不飽和モノマー(b−2)は、エポキシ
基含有重合性不飽和モノマー(b−1)と共重合可能
な、上記エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b−
1)以外のモノマーである。
【0032】その他の重合性不飽和モノマー(b−2)
の代表例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−
オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシ
クロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニ
ル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエ
チル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1
〜24の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル(メタ)ア
クリレート;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマ
ー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有重合性不
飽和モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ドメチルエーテル、N−メチロールアクリルアミドブチ
ルエーテルなどの(メタ)アクリルアミド又はその誘導
体;3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキ
セタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシメチル
オキセタン、3−ブチル−3−メタクリロイルオキシメ
チルオキセタンなどのオキセタン環含有エチレン性不飽
和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢
酸ビニル、ピペリジニル含有(メタ)アクリレート(例
えば、日立化成社製、商品名、「FA−711MM」、
「FA−712HM」など)、フッ素含有アルキル(メ
タ)アクリレート、シロキサン含有(メタ)アクリレー
ト、イソシアネート基含有モノマ−、アルコキシシリル
基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これら
の重合性不飽和モノマーは1種で、又は2種以上を組み
合わせて使用することができる。
【0033】本発明において、エポキシ基含有ビニル系
重合体樹脂は、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー
(b−1)と必要に応じてその他の重合性不飽和モノマ
ー(b−2)をCCTP法により共重合して得ることが
できる。共重合に際しての各モノマー成分の配合割合
は、全モノマー100重量部に基いて下記のとおりであ
る。エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b−1):
50〜100重量部、好ましくは60〜100重量部、
その他の重合性不飽和モノマー(b−2):0〜50重
量部、好ましくは0〜40重量部。
【0034】CCTP法は、例えば、特公平6−232
09号公報、特公平7−35411号公報、特表平9−
501457号公報、特開平9−176256号公報、
Macromolecules 1996、29、80
83−8089などに記載されており、重合性不飽和モ
ノマ−を、触媒的連鎖移動剤である金属錯体及びラジカ
ル重合開始剤の存在下で、有機溶剤中での溶液重合法、
水中でのエマルション重合などの方法によって重合せし
める方法である。
【0035】金属錯体としては、例えば、コバルト錯
体、鉄錯体、ニッケル錯体、ルテニウム錯体、ロジウム
錯体、パラジウム錯体、レニウム錯体、イリジウム錯体
などが挙げられ、これらのうち、なかでもコバルト錯体
が効率良く連鎖移動剤として作用するので好ましい。
【0036】上記コバルト錯体としては、例えば、特公
平6−23209号公報、特公平7−35411号公
報、USP4526945号公報、USP469405
4号公報、USP4837326号公報、USP488
6861号公報、USP5324879号公報、WO9
5/17435号公報、特表平9−510499号公報
等に記載されているものを使用することができる。具体
的には、例えば、ビス(ボロンジフルオロジメチルジオ
キシイミノシクロヘキサン)Co(II)、ビス(ボロン
ジフルオロジメチルグリオキシメイト)Co(II)、ビ
ス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメイト)C
o(II)、ビシナルイミノヒドロキシイミノ化合物のコ
バルト(II)キレート、テトラアザテトラアルキルシク
ロテトラデカテトラエンのコバルト(II)キレート、
N,N´−ビス(サリチリデン)エチレンジアミノコバ
ルト(II)キレート、ジアルキルジアザジオキソジアル
キルドデカジエンのコバルト(II)キレート、コバルト
(II)ポルフィリン錯体などが挙げられる。これらのう
ち、ビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメイ
ト)Co(II)、ビス(ボロンジフルオロジメチルグリ
オキシメイト)Co(II)などは入手が容易であり、好
適なものである。
【0037】また、例えば、特公平8−19172号公
報に記載されている、金属に直接ラジカル開裂が可能な
基が結合した錯体を、上記の金属錯体に代えて、使用す
ることも可能である。ラジカル開裂が可能な基として
は、例えば、アルキル基、アリ−ル基、複素環式基など
が挙げられる。さらに、可視光又は紫外線の照射や加熱
により金属イオンからホモリチック解離できる置換誘導
体;キレート金属イオンに結合したハロゲン化物;他の
陰イオン、ニトリル、エステル、金属イオンに結合した
炭素原子で置換した芳香族又は置換芳香族基などが挙げ
られる。これらの金属に直接ラジカル開裂が可能な基が
結合した錯体を使用する系では、ラジカル重合開始剤を
併用しなくても差支えない。
【0038】本発明において、重合体樹脂(B)をCC
TP法により共重合するに際して、触媒的連鎖移動剤で
ある金属錯体の使用比率は、特に限定されるものではな
いが、通常、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b
−1)とその他の重合性不飽和モノマー(b−2)の合
計100重量部あたり、1×10-6〜1重量部、特に1
×10-4〜0.5重量部の範囲内が好適である。
【0039】また、金属錯体の反応性の調整や溶解性を
良くするために、既知の配位化合物を、必要に応じて配
合することもできる。かかる配位化合物としては、例え
ば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンの
ようなリン化合物;ピリジン、トリブチルアミンのよう
なアミン化合物などを挙げることができる。
【0040】また、本発明における重合体樹脂(B)を
CCTP法によって製造する際に用いうるラジカル重合
開始剤としては、それ自体既知のラジカル重合開始剤を
挙げることができ、その代表例として、例えば、シクロ
ヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノ
ンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘ
キサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチル
パーオキシ)バレレート、クメンハイドロパーオキサイ
ド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパ
ーオキサイド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオ
キシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert
−ブチルクミルパーオキサイド、デカノイルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
ビス(tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジ
カーボネート、tert−ブチルパーオキシベンゾエ−
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン等の過酸化物系重合開始剤;2,2´−
アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、アゾクメ
ン、2,2´−アゾビスメチルバレロニトリル、4,4
´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2−(tert−
ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2´−アゾビ
ス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル−
2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等の
アゾ系開始剤を挙げることができる。これらのラジカル
重合開始剤の使用量は、特に限定されるものではない
が、通常、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b−
1)とその他の重合性不飽和モノマー(b−2)の合計
100重量部に対して、0.1〜20重量部、特に0.
5〜10重量部の範囲内であることが好ましい。
【0041】本発明において、CCTP法による重合反
応を有機溶剤中で行う場合に使用される有機溶剤として
は、上記重合性不飽和モノマー成分、並びに重合によっ
て得られる重合体樹脂(B)を溶解又は分散できるもの
であれば特に制限なく使用することができ、具体例とし
ては、例えば、ヘプタン、トルエン、キシレン、オクタ
ン、ミネラルスピリッツ等の炭化水素系溶剤;酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコ
ールモノメチルエ−テルアセテート、エチレングリコ−
ルモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メ
タノール、エタノ−ル、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、sec−ブタノール、イソブタノール等のアルコ
ール系溶剤;n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル等のエーテル系溶剤;コスモ石油社
製のスワゾール310、スワゾール1000、スワゾー
ル1500等の芳香族石油系溶剤等を挙げることができ
る。
【0042】これらの有機溶剤は、1種で、又は2種以
上を組み合わせて使用することができる。有機溶剤の使
用比率は、重合反応時における重合性不飽和モノマーの
合計重量100重量部に基づいて、通常、400重量部
以下の範囲内が好ましい。
【0043】本発明において、重合体樹脂(B)をCC
TP法によって有機溶剤中において製造する場合には、
重合性不飽和モノマ−(b−1)及び(b−2)を、金
属錯体及びラジカル重合開始剤の存在下で、有機溶剤中
にて加熱して重合反応を行なうが、重合反応熱による系
の温度上昇を抑えるために、以下の(1)又は(2)の
方法が好適に用いられる。 (1)金属錯体及び有機溶剤を反応槽に仕込み、60〜
200℃の温度で、撹拌しながら、重合性不飽和モノマ
ーとラジカル重合開始剤を所定の時間をかけて混合滴下
または分離滴下する。 (2)上記(1)の方法において、金属錯体の一部又は
全部を重合性不飽和モノマ−と共に混合滴下又は分離滴
下する。
【0044】本発明において、CCTP法によって製造
される重合体樹脂(B)は、数平均分子量が300〜
3,000、好ましくは500〜2,000であり、こ
の範囲内になるように金属錯体の量などを調節して重合
反応を行う。また、重合体樹脂(B)は、通常、エポキ
シ当量が約100〜2,000、特に約100〜500
の範囲内にあることが適当である。
【0045】本発明のカチオン電着塗料用樹脂組成物
は、前記水酸基およびカチオン性基を含有する樹脂
(A)と上記エポキシ基含有ビニル系重合体樹脂(B)
を含有するものであり、これらの樹脂の配合割合は、樹
脂(A)及び重合体樹脂(B)の合計100重量部に基
いて、通常、下記の範囲内にあることが得られる塗膜の
耐食性、硬化性、仕上り外観などの面から適している。 樹脂(A):90〜50重量部、好ましくは80〜60
重量部、 重合体樹脂(B):10〜50重量部、好ましくは20
〜40重量部。
【0046】上記各樹脂成分を含有する本発明のカチオ
ン電着塗料用樹脂組成物は、通常、水性媒体中に分散さ
れた状態で使用に供される。上記各成分を水性媒体中に
分散させるには、樹脂(A)中のカチオン性基を酸によ
ってカチオン化する方法が適当である。この酸として
は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、リン酸等が用い
られる。酸の配合量は特に限定されるものではないが、
通常、アミノ基などのカチオン性基の中和当量が0.2
〜1.2の範囲内となる量が好適である。
【0047】水性媒体は、水、又は水と水混和性有機溶
剤との混合物である。水性媒体は、必要に応じて、水と
混和しない有機溶剤を少量含有していてもよい。水混和
性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ブタノール、メチ
ルエチルケトン、ジアセトンアルコールなどを挙げるこ
とができる。水と混和しない有機溶剤としては、例え
ば、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、2
−エチルヘキサノールなどを挙げることができる。
【0048】水性媒体に分散された状態の本発明のカチ
オン電着塗料用樹脂組成物は、そのままカチオン電着塗
料として電着塗装に供することができるが、必要に応じ
て、顔料、硬化触媒、顔料分散剤、界面活性剤、紫外線
吸収剤、その他の添加剤を含有せしめてカチオン電着塗
料とすることができる。
【0049】上記顔料としては、例えば、二酸化チタ
ン、カーボンブラック、ベンガラなどの着色顔料;塩基
性珪酸鉛、リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリ
ン酸アルミニウム、クロム酸ストロンチウム、クロム酸
亜鉛、クロム酸鉛などの防錆顔料;シリカ、沈降性硫酸
バリウム、珪酸アルミニウム、沈降性炭酸カルシウム、
タルク、クレー、マイカなどの体質顔料などを挙げるこ
とができる。
【0050】上記硬化触媒は、本発明の組成物による電
着塗膜の硬化を促進し、例えば、160℃以下程度の低
温での硬化性を向上することができるものであり、鉛化
合物、ジルコニウム化合物、コバルト化合物、アルミニ
ウム化合物、マンガン化合物、銅化合物、亜鉛化合物、
鉄化合物、クロム化合物、ニツケル化合物、ビスマス化
合物などから選ばれる1種もしくは2種以上の金属化合
物を挙げることができる。これら金属化合物の具体例と
しては、例えば、ジルコニウムアセチルアセトナート、
コバルトアセチルアセトナート、アルミニウムアセチル
アセトナート、マンガンアセチルアセトナートなどのキ
レート化合物;β−ヒドロキシアミノ構造を有する化合
物と酸化鉛(II)のキレート化反応生成物;2−エチル
ヘキサン酸鉛、セカノイック酸鉛、ナフチックス酸鉛、
オクチックス酸鉛、安息香酸鉛、酢酸鉛、乳酸鉛、ギ酸
鉛、グリコール酸鉛、オクチックス酸ジルコニウムなど
のカルボキシレートなどが挙げられる。
【0051】上記金属化合物は、樹脂(A)と重合体樹
脂(B)との合計固形分重量に対し、金属含有率が一般
に10重量%以下、好ましくは5重量%以下の量で使用す
ることができる。
【0052】本発明のカチオン電着塗料用樹脂組成物を
樹脂成分とするカチオン電着塗料を用いて基体上に電着
塗膜を形成する方法は、特に制限されるものではなく、
通常のカチオン電着塗装条件を用いて行なうことができ
る。通常、電着塗料の浴濃度(固形分濃度)を5〜40
重量%、好ましくは10〜25重量%とし、浴のpHを
5〜8、好ましくは5.5〜7.0の範囲内のカチオン
電着浴を調製し、鋼板などの被塗物を陰極として、通
常、浴温度15〜35℃、印加電圧100〜400Vの
条件で、一般には、膜厚が硬化塗膜に基いて3〜200
μm、特に10〜50μm程度となるようにして電着塗
装を行う。電着塗装後、必要に応じて水洗後、通常、1
00〜200℃、好ましくは140〜180℃にて10
〜30分間程度焼付けることによって硬化塗膜を形成す
ることができ、塗装物品を得ることができる。
【0053】
【実施例】以下、製造例、実施例及び比較例を示し本発
明をさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」
はいずれも重量基準によるものとする。
【0054】水酸基及びカチオン性基を含有する樹脂
(A)の製造 製造例1 温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器を備えた
反応容器にエピコート828EL(商品名、ジャパンエ
ポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
エポキシ当量約190)を1140部、ビスフェノール
Aを456部、エチレングリコールモノブチルエーテル
を180部仕込み、100℃に加熱保持しながら、N−
ベンジルジメチルアミン3.6部を添加し、120℃ま
で加熱昇温し、約4時間反応させた。その後、エチレン
グリコールモノブチルエーテル179部、メチルイソブ
チルケトンを179部を配合し、80℃まで冷却し、ジ
エタノールアミン200部を配合し、100℃まで加熱
昇温して約3時間反応させ、ついでメチルイソブチルケ
トン270部を加え、固形分約69%のアミン変性エポ
キシ樹脂溶液(A−1)を得た。
【0055】製造例2 温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器を備えた
反応容器にエピコート828ELを1140部、ビスフ
ェノールAを296部、プラクセル205(ダイセル化
学工業社製、ポリカプロラクトンジオール、水酸基価約
210KOHmg/g)を370部、エチレングリコー
ルモノブチルエーテルを201部仕込み、100℃に加
熱保持しながらN−ベンジルジメチルアミン4.0部を
添加し、150℃まで加熱昇温し約4時間反応させた。
その後、エチレングリコールモノブチルエーテル200
部、メチルイソブチルケトン200部を配合し、80℃
まで冷却し、ジエタノールアミン200部を配合し、1
00℃まで加熱昇温して約3時間反応させ、ついでメチ
ルイソブチルケトンを301部を加え、固形分約69%
のアミン変性エポキシ樹脂溶液(A−2)を得た。
【0056】エポキシ基含有ビニル系重合体樹脂(B)
の製造 製造例3 使用するすべての重合性不飽和モノマー及び有機溶剤
は、使用する前に、窒素ガスを1時間通送することによ
り、脱気(脱酸素)を行った。
【0057】温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷
却器及び滴下装置を備えた反応容器に溶剤としてメチル
イソブチルケトン49部を仕込み、窒素ガスを通送しな
がら105℃に加熱し、この中に重合性不飽和モノマー
として、グリシジルメタクリレート100部、金属錯体
としてビス(ボロンジフルオロジメチルグリオキシメイ
ト)Co(II)0.01部、ラジカル重合開始剤として
2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)2.
0部の混合物を3時間かけて滴下した。その後、105
℃で1時間放置してから、さらに2,2´−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)0.5部、メチルイソブ
チルケトン5部を1時間かけて滴下し、105℃で1時間
放置して固形分約65%のエポキシ基含有ビニル系重合
体樹脂溶液(B−1)を得た。得られた重合体は数平均
分子量約800を有していた。
【0058】製造例4 製造例3において、グリシジルメタクリレート100部
に代えてβ-メチルグリシジルメタクリレート100部
を使用し、またビス(ボロンジフルオロジメチルグリオ
キメイト)Co(II)の量を0.01部から0.005
部に変更する以外は製造例3と同様の操作を行い固形分
約65%のエポキシ基含有ビニル系重合体樹脂溶液(B
−2)を得た。得られた重合体は数平均分子量約150
0を有していた。
【0059】製造例5 製造例3において、グリシジルメタクリレート100部
に代えて、グリシジルメタクリレート70部とn−ブチ
ルメタクリレート30部との混合物を使用し、またビス
(ボロンジフルオロジメチルグリオキメイト)Co(I
I)の量を0.01部から0.007部に変更する以外
は製造例3と同様の操作を行い、固形分約65%のエポ
キシ基含有ビニル系重合体樹脂溶液(B−3)を得た。
得られた重合体は数平均分子量約1100を有してい
た。
【0060】製造例6 製造例3において、グリシジルメタクリレート100部
に代えて、グリシジルメタクリレート50部とメチルメ
タクリレート30部と2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート20部との混合物を使用し、またビス(ボロンジフ
ルオロジメチルグリオキメイト)Co(II)の量を0.
01部から0.004部に変更する以外は製造例3と同
様の操作を行い固形分約65%のエポキシ基含有ビニル
系重合体樹脂溶液(B−4)を得た。得られた重合体は
数平均分子量約2200を有していた。
【0061】製造例7 製造例3において、反応溶剤のメチルイソブチルケトン
の量を49部から41.5部に変更し、グリシジルメタ
クリレート100部に代えて、グリシジルメタクリレー
ト70部とプラクセルFM3X(ダイセル化学工業社
製、ポリカプロラクトンジオールのモノメタクリレー
ト、固形分80%)37.5部との混合物を使用し、ま
たビス(ボロンジフルオロジメチルグリオキメイト)C
o(II)の量を0.01部から0.007部に変更する
以外は製造例3と同様の操作を行い、固形分約65%の
エポキシ基含有ビニル系重合体樹脂溶液(B−5)を得
た。得られた重合体は、数平均分子量約1100を有し
ていた。
【0062】製造例8 製造例3において、グリシジルメタクリレート100部
に代えて、β-メチルグリシジルメタクリレート80部
と2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部との混合
物を使用する以外は製造例3と同様の操作を行い、固形
分約65%のエポキシ基含有ビニル系重合体樹脂溶液
(B−6)を得た。得られた重合体は数平均分子量約9
00を有していた。
【0063】製造例9 (比較用) 製造例3において、グリシジルメタクリレート100部
に代えて、グリシジルメタクリレート60部とn−ブチ
ルメタクリレート40部との混合物を使用し、また金属
錯体ビス(ボロンジフルオロジメチルグリオキメイト)
Co(II)0.01部を使用せず、2,2´−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)の量を2.0部から4.
0部に変更する以外は製造例3と同様の操作を行い、固
形分約65%のエポキシ基含有ビニル系重合体樹脂溶液
(B−7)を得た。得られた重合体は数平均分子量約5
000を有していた。
【0064】ブロック化ポイリソシアネートの製造 製造例10 (比較用)温度計、サーモスタット、撹拌
器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に溶剤と
してメチルイソブチルケトン83部を仕込み、トリレン
ジイソシアネート174部を仕込み60℃まで加熱昇温
させた。その後、60℃でエチレングリコールモノイソ
プロピルエーテル220部を2時間かけて滴下して仕込
み、その後80℃まで加熱昇温し、滴定法によるイソシ
アネート基残存率が0になるまで反応させて、固形分約
80%のブロック化ポイリソシアネート溶液(C−1)
を得た。
【0065】顔料分散ペーストの製造 60%の第4級塩化エポキシ樹脂5.83部、チタン白
14.5部、カーボンブラック0.4部、体質顔料7.
0部、水酸化ビスマス2.0部、アルミニウムアセチル
アセトナート1.0部及び脱イオン水を加え、固形分5
0%の顔料分散ペーストを得た。
【0066】カチオン電着塗料の調製 実施例1 製造例1で得たアミン変性エポキシ樹脂溶液(A−1)
101.6部(固形分量で70部)及び製造例3で得た
エポキシ基含有ビニル系重合体樹脂溶液(B−1)4
6.2部(固形分量で30部)を配合し、99%酢酸
1.7部を加えて十分に攪拌し溶解ワニスを作製した。
このものに脱イオン水184を徐々に加えながら攪拌
し、固形分30%のカチオン電着用エマルション(E−
1)を得た。さらに、エマルション(E−1)に脱イオ
ン水242部及び顔料分散ペースト50部(固形分量で
25部)を添加、攪拌し、固形分約20%の電着塗料を
得た。
【0067】実施例2〜6及び比較例1〜3 実施例1において、後記表1に示す各組成とする以外は
実施例1と同様にして配合し各カチオン電着用エマルシ
ョンを得た。さらに、カチオン電着用エマルションに脱
イオン水242部及び顔料分散ペースト50部(固形分
量で25部)を添加、攪拌し、固形分約20%の電着塗
料を得た。
【0068】表1におけるECN1280N−80は、
下記の意味を有する。 ECN1280N−80:商品名、日本チバガイギー社
製、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、エポキシ当量
約275、固形分80%。
【0069】上記各例で得たカチオン電着塗料をステン
レス製の円筒型開放缶に仕込み、液温30℃にて2日
間、開放状態にて攪拌しながら塗料中の余分な溶剤を除
去し、脱イオン水で固形分を20重量%に調整し、下記
試験方法に従って試験を行った。試験結果を後記表1に
示す。
【0070】試験方法 仕上がり外観:各電着塗料を、冷延鋼板(SPCC板)
に乾燥膜厚が約20μmとなるように電着塗装し、焼き
付け後の塗面外観を塗面のうねりと光沢の程度により、
下記の基準に基づいて目視評価した。 ○:良好 △:やや不良 ×:不良。
【0071】エマルション貯蔵安定性:顔料分散ペース
トを加える前のエマルション(E−1)〜(E−9)
(固形分30%)を40℃で1ヶ月間貯蔵し、エポキシ
基の残存量を測定した。貯蔵前後の変化の程度により下
記の基準に基づいて評価した。 ○:エポキシ基の残存量の変化率が10%未満 △:エポキシ基の残存量の変化率が10%以上で20%
未満 ×:エポキシ基の残存量の変化率が20%以上。
【0072】加熱減量:各電着塗料を、冷延鋼板に乾燥
膜厚が約20μmとなるように電着塗装し、100℃で
3時間乾燥させる。乾燥塗装板の全重量から冷延鋼板の
重量を差し引き、乾燥塗膜重量とする。そして、乾燥塗
装板をさらに200℃で20分間焼き付ける。焼き付け
た塗装板の全重量から冷延鋼板の重量を差し引き、加熱
後塗膜重量とする。乾燥塗膜重量に対する加熱後塗膜重
量の変化率から下記基準により評価した。 変化率(%)=〔1−(加熱後塗膜重量/乾燥塗膜重
量)〕×100 ○:加熱減量5%以内 △:加熱減量10%以内 ×:加熱減量10%以上 耐食性:各電着塗料を、冷延鋼板に乾燥膜厚が約20μ
mとなるように電着塗装し、170℃で20分間焼付け
て得た試験塗板の電着塗膜面に素地に達するクロスカッ
トを入れ、JIS Z 2371に規定される塩水噴霧試
験を1000時間行い、電着塗膜面のカット部からの錆
幅、フクレ幅の程度を評価した。 ○:カット部から片側2mm未満の錆またはフクレ発生 △:カット部から片側2mm以上、5mm未満の錆また
はフクレ発生 ×:カット部から片側5mm以上の錆またはフクレ。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】本発明の電着塗料用樹脂組成物は、ブロ
ックポリイソシアネート化合物や有機錫化合物を使用し
なくても、防食性、低温硬化性、付着性、耐候性、塗面
平滑性に優れた塗膜を形成でき、しかも、塗料安定性、
塗装作業性が良好である。
【0075】本発明組成物を用いて焼付けて硬化塗膜を
形成する場合、有機錫化合物を用いる必要がないため該
錫化合物による焼付炉の排気燃焼触媒の被毒の問題が解
決でき、また、ブロックポリイソシアネート化合物を含
有する必要がないため、焼付け時のブロックポリイソシ
アネート化合物の熱分解によるヤニ、スス生成の問題を
解決できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 NA01 NA29 NB04 4J038 DB051 DB071 DB362 DB372 GA01 GA03 GA09 GA11 JC10 JC26 JC37 KA04 LA03 MA14 NA01 NA03 NA12 NA23 NA25 PA04 PB07 PC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)水酸基およびカチオン性基を含有
    する樹脂及び(B)エポキシ基含有重合性不飽和モノマ
    ー(b−1)50〜100重量部と該モノマー(b−
    1)と共重合可能なその他の重合性不飽和モノマー(b
    −2)0〜50重量部とを触媒的連鎖移動重合法により
    重合してなる数平均分子量が300〜3,000のエポ
    キシ基含有ビニル系重合体樹脂を主成分として含有する
    ことを特徴とするカチオン電着塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 樹脂(A)がポリフエノール化合物とエ
    ピクロルヒドリンとから得られるポリエポキシド化合物
    のエポキシ基にカチオン化剤を反応せしめて得られる反
    応生成物である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエポキシド化合物が数平均分子量約
    800〜約2,000及びエポキシ当量190〜2,0
    00の範囲内にあるポリグリシジルエーテルである請求
    項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 重合体樹脂(B)が100〜2,000
    の範囲内のエポキシ当量を有する請求項1記載の樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の樹脂組成物を含有するカ
    チオン電着塗料。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のカチオン電着塗料が塗装
    された塗装物品。
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