JP2002212072A - 細胞外マトリックス変性に関連する状態のための、アスコルビン酸類及びリジンを含有する相乗作用調合物 - Google Patents

細胞外マトリックス変性に関連する状態のための、アスコルビン酸類及びリジンを含有する相乗作用調合物

Info

Publication number
JP2002212072A
JP2002212072A JP2001007840A JP2001007840A JP2002212072A JP 2002212072 A JP2002212072 A JP 2002212072A JP 2001007840 A JP2001007840 A JP 2001007840A JP 2001007840 A JP2001007840 A JP 2001007840A JP 2002212072 A JP2002212072 A JP 2002212072A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
composition
lysine
extracellular matrix
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001007840A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002212072A5 (ja
Inventor
Matthias Rath
マテイアス・ラート
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2001007840A priority Critical patent/JP2002212072A/ja
Publication of JP2002212072A publication Critical patent/JP2002212072A/ja
Publication of JP2002212072A5 publication Critical patent/JP2002212072A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】細胞外マトリックス変性に関連する疾患又は病
理学的状態(これはたとえば変性疾患、特にアテローム
性動脈硬化症、癌、感染又はその他の炎症性疾患を含む
がこれらに限定されない。)の予防及び治療−物質及び
−調合物の提供。 【解決手段】アスコルビン酸類、少なくとも1種のフィ
ブリン溶解阻害剤及び薬学的に容認されたキャリヤーを
含有する薬学的調合物であって、該アスコルビン酸類及
びフィブリン溶解コラゲナーゼ阻害剤をコラゲナーゼに
関連する変性疾患を治療するのに十分な量で含有する上
記調合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞外マトリック
ス変性に関連する疾患又は病理学的状態(これはたとえ
ば変性疾患、特にアテローム性動脈硬化症、癌、感染又
はその他の炎症性疾患を含むがこれらに限定されな
い。)の予防及び治療−物質及び−調合物に関する。
【0002】
【従来の技術】哺乳類の排卵の研究から、ゴナドトロピ
ン、プロスタグランジン及びある種のその他の物質は卵
巣支質中に包埋された小胞細胞からプラスミノーゲン活
性化因子(PA)の放出を刺激することは明らかである
(Strickland,S. 等,(1976) J.Biol. Chem. 751:5694-5
702)(図1)。その際PAはプラスミノーゲンの細胞外
活性を刺激してプラスミンとなる。このプラスミンがプ
ロコラゲナーゼを活性化して、コラーゲンを分解するコ
ラゲナーゼにすることは知られている。
【0003】病理学的条件下で、ホルモンにより刺激さ
れた小胞細胞に類似する様相で癌細胞、マクロファー
ジ、及びウイルスにより形質転換された細胞によっても
PAは排泄される(Unkeless等, (1974) J. Biol. Che
m. 249:4295-4305)( 図2 )。PAが転移する肺腫瘍中
で高濃度であることが見出された(Skriver等、(198
4)J.Cell Biol. 99: 753-758) 。PAがまた種々の
ヒト腫瘍、並びに腎臓−及び膀胱癌種に係わることが見
出された(Corasanti 等, (1980)J. Natl. Canc.Ins
t. 65:345-351 Ladehoff, A. (1962)Act. Path. Micr
o. Scand. 55:273-280)。
【0004】このメカニズムを調節する特有の作用に
は、リポ蛋白質(a)(LP(a))、すなわちアポ蛋
白質(a)(アポ(a))と呼ばれる唯一のグリコプロ
テインを運ぶ低密度リポ蛋白質様粒子が関与すると提案
されてきた。この粒子は傷の治癒及び一般の細胞修復に
関与することが提案されてきた(Brown,M.等(1987)Na
ture 330:113-114) 。アポ(a)のcDNA配列は、ク
リングル4の多数回繰り返し、1個のクリングル5及び
プロテアーゼドメインと共にプラスミノーゲンに際立っ
た相同性を示す。アポ(a)のイソ型は300〜800
kDaの範囲で変化し、主にその遺伝的に決定された、
クリングル4構造の数とは異なっている(McLean, J.W.
等, (1987) Nature 300:132-137)。アポ(a)はプラス
ミン様プロテアーゼ活性を有していないが(Eaton,D.L.
等, (1987)Proc. Natl. Acad. Sci.USA 84:3224-322
8) 、セリンプロテアーセ活性は実証されていた(Salone
n, E.等、(1989 )EMBO J. 8:4035-4040)。
【0005】その機能的相同性が欠除しているにもかか
わらず、プラスミノーゲンに構造上極めて類似すること
がLp(a)の生理学的及び病理学的作用の解釈を決定
的なものにする。プラスミノーゲンのように、Lp
(a)は内皮細胞上でリジン−セファロース、固定化フ
ィブリン及びフィブリノーゲン、及びプラスミノーゲン
レセプターを結合することが分った(Harpel, P.C.等,
(1989) Proc. Natl. Acad.Sci. USA 86:3847-3851; Gon
zalez-Gronow,M.等, (1989) Biochemistry 28:2374-237
7 Miles, L.等,(1989) Nature 339:301-302; Hajjar,K.
A. 等, (1989) Nature 339:303-305)。更に、Lp
(a)は動脈壁のその他の成分、たとえばフィブロネク
チン及びグルコサミノグリカンに結合することが分かっ
た。しかしながらこの結合の正確な特性は完全に理解さ
れていない。Lp(a)血漿は癌、アテローム性動脈硬
化症及びその他の疾患で増加することが見出されてい
る。逆にアスコルビン酸類の低いレベルは、これらの疾
患の高い発生に係わってきた(Knox,E.A.,(1973) Lance
t,i.e.1465-1467; Wright, L.C. 等, (1989) Int.J. Ca
ncer 43:241-244)。この所見及びその他の所見に基い
て、Lp(a)はアスコルビン酸類の代用物であると提
唱された(Rath, M.& L. Pauling (1990) Proc. Natl.
Acad. Sci.米国 87;6204-6207)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特にプラスミン誘発さ
れる及びフリーラジカル誘発される蛋白質分解、それぞ
れフィブリン溶解の故に、この細胞外マトリックスの分
解を減少させる治療用調合物に対する要求がある。分解
を減少させかつコラーゲン合成、すなわち細胞外マトリ
ックスの主要な成分の増加を同時に生じさせ、そしてそ
れによって病気の悪化を防ぐのを助ける調合物が特に重
要である。
【0007】本発明の薬学的調合物は、プラスミン及び
フリーラジカルが介在するコラゲナーゼの産生を減少さ
せるのに十分な量で少なくとも1種のフィブリン溶解阻
害剤を含有する治療用調合物をこのような治療を必要と
する患者に投与することを特徴とする、細胞外マトリッ
クスの破壊が原因である変性疾患の治療に提供される。
本発明のもう一つの観点はコラーゲン合成の増加に適す
る活性化因子を含有する調合物である。
【0008】本発明の更なる観点はアスコルビン酸類及
び場合により酸化防止剤1種又はそれ以上を含有する調
合物を提供することである。ここで及び請求項中で使用
される“酸化防止剤”なる用語は、それ自体が強力な酸
化防止剤であるアスコルビン酸類を除くことを意図して
いる。
【0009】更に、本発明のある観点によれば、プラス
ミン及びフリーラジカルが介在するコラゲナーゼの産生
を減少させるのに十分な量で少なくとも1種のフィブリ
ン溶解阻害剤、1種のコラーゲン合成活性化因子、アス
コルビン酸類、及び場合により1種又はそれ以上の酸化
防止剤を含有する治療用調合物を提供することである。
【0010】本発明のこれらの観点及びその他の観点
は、下記図面及び本発明の詳細な説明を考慮すれば一層
容易に理解されるであろう。
【0011】
【課題を解決する手段】本発明は細胞外マトリックス分
解を遅延させるか又は抑制する方法及び調合物に関し、
それによって癌、変性疾患、感染又はその他の炎症性疾
患又は細胞外マトリックスの分解に関連する病理学的状
態の治療に有用な方法及び調合物を提供する。多くの疾
患は細胞外マトリックス分解の結果として発現するか又
は悪化するようになる。たとえば癌は、個々の腫瘍が転
移した後、すなわち個々の細胞が細胞外マトリックスに
関係なく分割されて、それらが増殖することができる生
体のその他の部分に運ばれた後、大多数の生命を脅かす
ようになる。癌のほかに、進行性アテローム性動脈硬化
症は、癌疾患が悪化するのと同様なメカニズムを有す
る。ここで使用されているように、“コラゲナーゼが関
連する変性疾患”なる用語は変性疾患、腫瘍性疾患、感
染又はその他の炎症性疾患又は細胞外マトリックスの分
解に関連する病理学的状態を包む。図2に示したよう
に、2つの基本経路メカニズムはプラスミン誘発され、
そしてフリーラジカル誘発された蛋白質分解──これは
劇症疾患進行において相乗的に作用するであろう──で
ある。特に癌の場合、治療は腫瘍を除去するか又は破壊
することに関心が集まっていて、悪化を抑制するか又は
外科以外に腫瘍を封じ込める(containment)方法を見出
すことにほとんど注意が払われていなかった。この封じ
込めはこれらの経路メカニズム、たとえばフィブリン分
解阻害剤を妨げるか又は遮断する物質によって達成する
ことができる。2,3の場合、決定的な結果が得られて
いないが癌の悪化を止めるためにトラネキサム酸が投与
されていた(Marcus, G. (1984) Sem. Thromb.Hemost.
10:61-70)。
【0012】本発明は、プラスミン誘発される蛋白質分
解が多くの異なる、一見したところ関係がなさそうな生
理学的過程の調節を招く、ヒトの基本的生理学的特徴で
あるという発見にある程度基づいている。特に、生体内
で癌細胞も正常細胞も等しくプラスミンを活性化するP
Aを分泌し、それによって細胞外マトリックス分解が分
泌組織に有益であるコラーゲン分解が生じる。たとえば
ヒト卵巣の小胞支質は生殖管に卵子を放出するために変
性しなければならない。小胞細胞は、プラスミノーゲン
を活性化してプラスミンを生じるPAを分泌する。プラ
スミンは、その小胞に卵子を膨張させ、破裂させ、つい
で放出させる支質の細胞外マトリックスを蛋白質分解す
るコラゲナーゼを助成する。多くの癌細胞はまた多量の
PA───このPAはこの時同一の生理学的経路内で作
用し、事実上コラーゲン及び細胞外マトリックスの変性
を生じさせる────を産生する。この場合を除いて、
変性は腫瘍内の個々の細胞を放出させる有害な作用を有
し、その結果としてこれらの細胞は生体の別々の箇所に
運ばれる。すべての癌の転移は細胞外マトリックスの変
性に極度に依存することが明らかである。米国特許出願
第07/533,129号明細書に詳細に記載されてい
るように、更に特定の物質は血管壁の内皮細胞上で結合
部位に関してプラスミノーゲン及びLp(a)と競合す
ることが見出された。これらの物質───以前はLp
(a)結合阻害剤と呼ばれ、ここではフィブリン溶解阻
害剤と呼ばれる────はプロコラゲナーゼのコラゲナ
ーゼへのその変換でプラスミンに拮抗することが現在見
出されている。しかもこの特許明細書に、特にコラーゲ
ン合成を促進するアスコルビン酸類と組み合わせてこれ
らのフィブリン溶解阻害剤を投与することは、プラスミ
ンの増加された活性化の故に細胞外マトリックスの変性
を予防するか又は少なくとも遅延させることができると
開示されている。
【0013】ここで及び請求項で使用される“フィブリ
ン溶解阻害剤”なる用語は、プラスミン誘発された蛋白
質分解活性、特にフィブリン溶解誘発されたコラゲナー
ゼ産生のアンタゴニストとして作用するすべての物質を
含むことを意図する。これらの化合物のいくつかは高い
薬用量で超フィブリン溶解状態(hyperfibrinolyticsta
te)の治療のために臨床的に使用される。
【0014】ほとんどの病理学的条件の開始及び伝播に
おいて、活性化されたマクロファージは重要な役割を果
たす。活性化された後、これらの細胞は酵素、たとえば
プロコラゲナーゼを含む種々の生成物を分泌する。更
に、図2から明らかなように、これらは反応性酸素中間
体、たとえばスーパーオキシド、過酸化水素及びヒドロ
キシルラジカル(以下“フリーラジカル”と呼ぶ)を分
泌する(Nathan,C. (1987) J. Clin. Invest. 79:319-3
26) 。したがって疾患の悪化のその他のメカニズムはパ
ーオキシフリーラジカルによって仲介される。これらの
酸化ラジカルは活性化されたマクロファージ及びその他
の細胞によって、特に病理学的条件下で発生する傾向が
ある。プラスミン誘発された蛋白質分解と同様に、フリ
ーラジカルは細胞外マトリックス分解を誘発し、それに
よって疾患の進行を助成する。フリーラジカルはいくつ
かのい方法で蛋白質分解を誘発することが知られてお
り、1つの重要な方法はプロコラゲナーゼのコラゲナー
ゼへの活性化である。アスコルビン酸類は強力な酸化防
止剤であり、したがってフリーラジカル蛋白質分解を制
限する重要な治療剤である。図4から明らかなように、
アスコルビン酸類の有益な作用は、これらのフィブリン
溶解阻害剤と組み合わせでアスコルビン酸類が相乗作用
を有し、フリーラジカル誘発された蛋白質分解と同様に
誘発されるプラスミンを阻害することが示唆される。ア
スコルビン酸類はコラーゲンの産生を促進し(Murad
等,1981 Peoc. Natl. Acad. Aci. USA 78:2879-2882)、
そしてすでに形成された癌細胞と戦うリンパ球の産生も
刺激する(Yonemoto等、1976 Proc. Amer. Assoc. Can
c. Res. 17:288)。
【0015】前述のように前凝固作用(procoagulative
effect)を有するフィブリン溶解阻害剤は血栓の分解を
抑制する。これまではこれらの特性は癌及びその他の疾
患の治療にこれらの剤の使用を制限するか又は妨げてい
た。というのは腫瘍は血栓塞栓合併症にしばしば係わる
ことが知られているからである。アスコルビン酸類は、
たとえばプロスタサイクリンを刺激し、トロンボキサン
形成を阻害することによって抗凝固特性を有することが
知られている。したがってフィブリン溶解阻害剤がアス
コルビン酸類と結びつく本発明の観点が、単一治療(mon
o-therapy)の望まれない副作用を除くことによって当該
治療の適用を大いに増加させると考えられる。本発明は
細胞外マトリックス分解に関連する疾患の治療及び予防
−方法及び−調合物を提供する。これらの実施態様のそ
れぞれを以下に順に述べる。
【0016】本発明は、コラーゲンに関連する変性疾
患、たとえば癌及び多くのその他の疾患の治療及び予防
−方法及び−調合物であって、プラスミン及びフリーラ
ジカルが介在する、プロコラゲナーゼのコラゲナーゼへ
の変換を阻害するフィブリン溶解阻害剤少なくとも1種
の有効量を患者に投与することを特徴とする、上記方法
及び調合物を提供する。主にコラーゲンからなる細胞外
マトリックスの分解は減少されるか又は除かれる。好ま
しいフィブリン溶解阻害剤はε−アミノカプロン酸(E
ACA)、リジン、トラネキサン酸(4−アミノメチル
シクロヘキサンカルボン酸)、p−アミノメチル安息香
酸(PAMBA)、p−ベンジルアミン硫酸、α−N−
アセチル−リジン−メチルエステル、シス/トランス−
4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸−(1)
(AMCHA)、トランス−4−アミノメチルシクロヘ
キサンカルボン酸(AMCA)及び4−アミノメチル−
ビシクロ−2,2,2−オクタンカルボン酸(AMBO
CA)を含むが、これらに限定されない。フィブリン溶
解阻害剤又は1種又はそれ以上のフィブリン溶解阻害剤
混合物の有効量も使用することができる。したがって2
種又はそれ以上のフィブリン溶解阻害剤の組み合わせに
よって、有害性を減少させながら有効に治療効果を増加
させることができる。といのはフィブリン溶解物質は種
々の分解代謝経路を有することができるからである。更
に、本発明の方法及び調合物はフィブリン溶解阻害剤と
組み合わせてアスコルビン酸類を含有する。ここで使用
されるように、“アスコルビン酸類”なる用語は、アス
コルビン酸それ自体と同様にアスコルビン酸ナトリウム
を含めたアスコルビン酸類の薬学的に容認された塩及び
アスコルビン酸それ自体を含む。心臓血管系疾患の治療
に使用されるその他の物質は酸化防止剤、たとえばトコ
フェロール、カロテン、セレニウム、N−アセチルシス
テイン、プロブコル及びこれらに関連する物質;ビタミ
ン;プロビタミン及び微量元素を含めて共投与(co-adm
inistered)されてもよい。アスコルビン酸類は、これが
コラーゲン合成に対する効果を刺激するために単独で使
用することができるので、先行する変性疾患を治療する
場合に表2に記載される薬用量(1日につき体重1kg
あたり(/kgBW/d))でフィブリン溶解阻害剤及
び酸化防止剤のそれぞれ少なくとも1種とアスコルビン
酸類を一緒にするのが好ましい。表2は、この調合物を
経口投与すべきか又は腸管外投与すべきかどうかによっ
て各成分の濃度範囲が異なるのを示すことに注目しなけ
ればならない。薬用量の変動は疾患の重さの変化に左右
される。したがって患者が特定の変性疾患の進行した段
階であると診断された場合、上記範囲の上限の薬用量を
適用することができることが分かるであろう。しかしコ
ラーゲン分解の予防が重い症状の開始前に望まれる場
合、上記範囲の下限の薬用量を適用することができる。
【0017】代替物として、ここに記載された調合物と
同一である薬学的調合物(アスコルビン酸類は含有しな
い)を使用することができる。アスコルビン酸類及びフ
ィブリン溶解阻害剤を同一調合物中に使用する場合、こ
れらを簡単に混合するか又は技術上周知の合成方法を用
いて化学的結合──────たとえばアスコルビン酸類
及び阻害剤が共有結合した化合物────させるか、あ
るいはイオン結合した塩を生じさせることができる。た
とえば、アスコルビン酸類はリジン、その他のアミノ
酸、又はε−アミノカプロン酸にエステル結合によって
共有結合することができる。これらはたとえばアスコル
ビルε−アミノカプロン酸エステル又はアスコルビル−
アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸である。この形
態で、アスコルビン酸類部分は望ましくないリピド過酸
化の予防にも特に有効であることができる。
【0018】アスコルビン酸類及びフィブリン溶解阻害
剤単独で又は組み合わせた形で、癌の化学療法で使用さ
れるその他の剤と共に使用することができる。これらの
剤は、抗生物質誘導体、抗エストロゲン、代謝拮抗物
質、ホルモン、細胞毒性剤、ナイトロジェンマスタード
誘導体又はステロイド及びこれらの混合物よりなる群か
らの化合物を含むが、これらに限定されない。経口投与
の場合、薬学的に容認された、そしてさもなければ不活
性なキャリヤーを使用してよい。したがって経口投与す
る場合、有効成分を錠剤の形で投与することができる。
この錠剤は結合剤、たとえばトラガント、コーンスター
チ又はゼラチン;崩壊剤、たとえばアルギン酸、及び
(又は)滑沢剤、たとえばステアリン酸マグネシウムを
含有する。液剤での投与が望まれる場合、甘味料及び
(又は)矯味矯臭剤を使用することができる。注射によ
って投与する場合、等張生理食塩水、リン酸緩衝液等々
を薬学的に容認されたキャリヤーとして使用することが
できる。
【0019】更に、アミノ酸;プロリン、プロリン塩又
は合成プロリン同族体を上記の病理学的症状の予防及び
治療に使用することができる。
【0020】LP(a)−結合するプロリンの阻害剤と
してのその働きのほかに、蛋白質合成のアミノ酸成分と
しても必要である。コラーゲン及びその他の細胞外マト
リックス蛋白質はコラーゲン全量に対して約25%を構
成するリジン及びプロリン残基中に特に豊富である。
【0021】プロリン────リジンとは対照的に──
──は生体内で合成することができるので、このアミノ
酸の合成割合は特に慢性疾患においてやや適している。
何ヶ月にわたって又は何年にわたってさえコラーゲン及
びその他の細胞外マトリックス分子の合成を続ける過剰
のコラーゲン分解を行うこれらの病理学的条件で、プロ
リンの十分なアベライラビリティーは、新しいコラーゲ
ンの最適な産生を決定し、それによって疾患の進行を食
い止める決定的因子になる。
【0022】したがって、プロリン、プロリン塩又はプ
ロリン同族体の適量は体内で利用でくることが重要であ
る。
【0023】癌、被角血管腫及びこのような他の疾患の
治療にフィブリン溶解阻害剤を用いるのが望ましい点
は、特に過フィブリン溶解状態に関して、患者の全身の
健康にある程度従うことである。ほとんどのフィブリン
溶解阻害剤(リジンを除いて)は、このような症状を治
療するために臨床的に使用される。結果として、患者の
凝固及びフィブリン溶解システムの監視が治療の前及び
その間に奨励される。しかし、止血合併症が起こりそう
もないことに注目しなければならない。というのはこれ
らのフィブリン溶解阻害剤が、凝固を抑制することも示
す一般のプロテアーゼ阻害剤であるからである。Aok
i,N.等(1978)Blood52;1−12。フ
ィブリン溶解阻害剤の長期間投与は、フィブリン溶解阻
害剤の薬用量が表2に示された薬用量の低い方の範囲に
ある製剤を要求する。上述のように、アスコルビン酸類
はプロスタグランジン−及びプロスタサイクリン合成を
刺激し、トロンボキサンレベルを減少させ、それによっ
て抗凝固作用を発揮することが知られている。これらの
特性はフィブリン溶解阻害剤を併用して、起こりうる凝
固副作用を妨害する場合に特に好ましい。
【0024】上記アスコルビン酸類及びフィブリン溶解
阻害剤を別個に投与してもよい。更に、治療効果の最適
化は、治療期間を通して薬剤の比較的一定の血清濃度を
達成するために徐放性調合物を用いて得ることができ
る。
【0025】 表2 本発明の調合物中の成分用量 経口投与 腸管外投与 アスコルビン酸類: 5-500mg/kgBW/d 25-2500mg/kg EACA 1-1500mg/kgBW/d 同一 トラネキサム酸 1-500mg/kgBW/d 同一 パラアミノメチル安息香酸 1-500mg/kgBW/d 同一 リジン 1-1500mg/kgBW/d 同一 プロリン 1-1500mg/kgBW/d 同一 抗酸化防止剤: トコフェロール 0.1-500IU/kgBW/d 同一 カロテン 0.1-10.000IU/kgBW/d 同一 N-アセチルシステイン 0.1-5000mg/kgBW/d 同一 図3に関して、本発明のもう一つの観点は、Lp(a)
が組織の形質転換及び修復に決定的に関与するプラスミ
ン誘発された蛋白質分解のコレギュレーター(co-regula
tor) であることが見出される。プラスミノーゲン及び
プラスミンとのその相同性の故に、これはプラスミン誘
発された蛋白質分解の生理学的競合阻害剤である。更
に、アポ蛋白質(a)は100個以上のジスルフィド結
合を有し、それ故にその他の蛋白質−チオールのような
酸化防止剤としての機能を有する。
【0026】個々の文献及び特許明細書のそれぞれを参
考資料として組み込まれるように詳細にかつ個別に示し
た。これによって上記引用されたすべての文献及び特許
明細書は参考資料として加えられる。細胞外マトリック
ス変性に関連する病理学的状態の予防及び治療のための
本発明の調合物及び治療方法が、公知の方法以上に著し
い改善を示すことが明白であり、そして特定の好ましい
実施態様を上述したように開示し、例示し、説明した
が、その他の実施態様もここに記載された発明である実
施態様から逸脱しない限り可能であることが分かるはず
である。したがって本発明は上記請求項及び詳細な説明
によって定義されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は生理学的条件下でプラスミン誘発された
組織分解が排卵に至ることを示すフローチャートであ
る。
【図2】図2はフリーラジカル誘発された蛋白質分解の
結果として細胞外マトリックス変性の発生の生理学を示
すフローチャートである。
【図3】図3はプラスミン及びフリーラジカル誘発され
た蛋白質分解の共調節にアポ(a)の生理学的役割を示
すフローチャートである。
【図4】図4はプラスミン及びフリーラジカル誘発され
た蛋白質分解の治療でアスコルビン酸類とフィブリン溶
解阻害剤の相乗効果を示すフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/06 A61K 45/06 47/02 47/02 47/06 47/06 47/18 47/18 47/22 47/22 A61P 9/10 101 A61P 9/10 101 29/00 29/00 35/00 35/00 43/00 105 43/00 105 Fターム(参考) 4C076 BB01 CC26 DD21S DD34S DD51S DD55S DD59S FF51 4C084 AA19 MA02 MA05 NA14 ZA452 ZB112 ZB212 ZB262 4C086 AA01 BA18 MA02 MA03 MA04 MA05 NA14 ZA45 ZB11 ZB21 ZB26 4C206 AA01 FA44 GA06 JA02 KA08 MA02 MA03 MA04 MA05 ZA45 ZB11 ZB21 ZB26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アスコルビン酸類、少なくとも1種のフィ
    ブリン溶解阻害剤及び薬学的に容認されたキャリヤーを
    含有する薬学的調合物であって、該アスコルビン酸類及
    びフィブリン溶解コラゲナーゼ阻害剤をコラゲナーゼに
    関連する変性疾患を治療するのに十分な量で含有するこ
    とを特徴とする、上記調合物。
  2. 【請求項2】該アスコルビン酸類が薬学的に容認された
    アスコルビン酸塩、アスコルビン酸及びこれらの混合物
    より成る群から選ばれる、請求項1記載の調合物。
  3. 【請求項3】該フィブリン溶解阻害剤がリジン、あるい
    はリジン塩、又はε−アミノカプロン酸、トラネキサム
    酸、p−アミノメチル安息香酸、p−ベンジルアミン硫
    酸、α−N−アセチル−リジン−メチルエステル、シス
    /トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン
    酸−(1)、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサ
    ンカルボン酸及び4−アミノメチル−ビシクロ−2,
    2,2−オクタンカルボン酸を含む合成同族体から選ば
    れた調合物より成る群から選ばれた少なくとも1種の構
    成員である、請求項1記載の調合物。
  4. 【請求項4】少なくとも1種の構成員がプロリン又はそ
    の薬学的に容認された塩又は合成プロリン同族体より成
    る群から選ばれる、請求項1〜3のいずれかに記載の調
    合物。
  5. 【請求項5】少なくとも1種の酸化防止剤を更に含有す
    る、請求項1〜4のいずれかに記載の調合物。
  6. 【請求項6】 該酸化防止剤がトコフェロール、カロテ
    ン、セレン、N−アセチルシステイン、プロブコル及び
    これらの混合物より成る群から選ばれた少なくとも1種
    の構成員である、請求項1〜5のいずれかに記載の調合
    物。
  7. 【請求項7】 ビタミン、プロビタミン及び微量元素よ
    り成る群から選ばれた、コラーゲンに関連する変性疾患
    の予防及び治療のための有効成分を含有する、請求項1
    〜6のいずれかに記載の調合物。
JP2001007840A 2001-01-16 2001-01-16 細胞外マトリックス変性に関連する状態のための、アスコルビン酸類及びリジンを含有する相乗作用調合物 Pending JP2002212072A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001007840A JP2002212072A (ja) 2001-01-16 2001-01-16 細胞外マトリックス変性に関連する状態のための、アスコルビン酸類及びリジンを含有する相乗作用調合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001007840A JP2002212072A (ja) 2001-01-16 2001-01-16 細胞外マトリックス変性に関連する状態のための、アスコルビン酸類及びリジンを含有する相乗作用調合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002212072A true JP2002212072A (ja) 2002-07-31
JP2002212072A5 JP2002212072A5 (ja) 2007-11-01

Family

ID=18875538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001007840A Pending JP2002212072A (ja) 2001-01-16 2001-01-16 細胞外マトリックス変性に関連する状態のための、アスコルビン酸類及びリジンを含有する相乗作用調合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002212072A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020158643A1 (ja) * 2019-01-29 2020-08-06 丸善製薬株式会社 外用剤
JP2022010229A (ja) * 2016-02-12 2022-01-14 株式会社東洋新薬 コラゲナーゼ阻害剤

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022010229A (ja) * 2016-02-12 2022-01-14 株式会社東洋新薬 コラゲナーゼ阻害剤
WO2020158643A1 (ja) * 2019-01-29 2020-08-06 丸善製薬株式会社 外用剤
CN113347968A (zh) * 2019-01-29 2021-09-03 丸善制药株式会社 外用剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5278189A (en) Prevention and treatment of occlusive cardiovascular disease with ascorbate and substances that inhibit the binding of lipoprotein (A)
Cooke The endothelium: a new target for therapy
US6855734B2 (en) Glycine betaine and its use
RU2242232C2 (ru) Фармацевтические комбинации
JPH09500366A (ja) 固形腫瘍及び他の疾患の治療のための薬剤の治療効果を改良する方法
US20210386777A1 (en) Gas mixtures containing low concentrations of xenon and argon provide neuroprotection without inhibiting the catalytic activity of thrombolytic agents
WO1998058661A1 (en) Use of fviia for the treatment of bleedings in patients with a normal blood clotting cascade and normal platelet function
US7767232B2 (en) Control of nitric oxide bioactivity by perfluorocarbons
AU766089B2 (en) Treatment of thrombosis by combined use of a factor Xa inhibitor and aspirin, tissue plasminogen activator (TPA), a GPIIb/IIIa antagonist, low molecular weight heparin or heparin
EP1068868A2 (en) Synergistic compositions comprising ascorbate and lysine for states related to extracellular matrix degeneration
US6974833B2 (en) Synergistic compositions comprising ascobate and lysine for states related to extra cellular matrix degeneration
JP2002212072A (ja) 細胞外マトリックス変性に関連する状態のための、アスコルビン酸類及びリジンを含有する相乗作用調合物
RU2268038C2 (ru) Синергичные композиции, содержащие аскорбат и лизин, для лечения состояний, связанных с деструкцией внеклеточного матрикса
CA2330719C (en) Synergistic compositions comprising an ascorbate and lysine for states related to extra cellular matrix degeneration
ES2184593B2 (es) Uso de composiciones que comprenden inhibidores de la fibrinolisis y compuestos de ascorbato para el tratamiento del cancer.
AU783520B2 (en) Synergistic compositions comprising ascorbate and lysine for states related to extra cellular matrix degeneration
US6794412B1 (en) Treatment of thrombosis by combined use of a factor Xa inhibitor and aspirin
NL1017114C1 (nl) Synergetische samenstellingen die ascorbaat en lysine bevatten, voor toestanden die in verband staan met de degeneratie van de extracellulaire matrix.
MXPA01000491A (es) Composiciones sinergeticas que comprenden ascorbato y lisina para los estados relacionados a la degeneracion de la matriz extracelular.
CN1365665A (zh) 用于与细胞外基质退化相关疾病的含有抗坏血酸盐和赖氨酸的协同组合物
HRP20010023A2 (en) Ascorbate and lysine containing synergistic compositions for the states related to the degradation of the extracellular matrix
SK682001A3 (sk) Farmaceutická kompozícia obsahujúca askorbát a najmenej jeden inhibítor fibrinolýzy
ES2239787T3 (es) Inhibicion de invasion remodeladora.
Aledort New approaches to management of bleeding disorders
ITMI20010071A1 (it) Composizioni sinergistiche comprendenti ascorbato e lisina per condizioni correlate a degenerazione della matrice extracellulare

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041008

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060815

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070313

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070612

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070615

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070913

A524 Written submission of copy of amendment under section 19 (pct)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20070913

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080226