JP2002210534A - 内スプライン成形装置 - Google Patents
内スプライン成形装置Info
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- JP2002210534A JP2002210534A JP2001009360A JP2001009360A JP2002210534A JP 2002210534 A JP2002210534 A JP 2002210534A JP 2001009360 A JP2001009360 A JP 2001009360A JP 2001009360 A JP2001009360 A JP 2001009360A JP 2002210534 A JP2002210534 A JP 2002210534A
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- blades
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Abstract
(57)【要約】
【課題】内スプラインの軸方向両側を同時に精度良く成
形できる装置の提供。 【解決手段】上型と及び内スプラインを有する環状素材
1が装填されるダイス3を保持する下型がそれぞれ、ベ
ース29と、ベース29に対し弾性支持されたスプリン
グブロック20と、ベース29とスプリングブロック2
0間に介装された第1のスプリング22と、外周部に内
スプライン成形歯及び内周部にテーパ面55を備え、プ
レスされて素材1半径方向に沿って変位可能となるよう
スプリングブロック20に弾性支持され且つ互いに放射
状配列された複数のブレード4と、ベース29中心に固
定され一端外周部にテーパ面55と摺接するテーパ面3
6を備え、プレス成形時、複数のブレード4を内スプラ
インに向かって案内する固定テーパピン35と、複数の
ブレード4を素材1の半径方向内方に向かって付勢する
第2のスプリング19とを具備し、上型及び下型の複数
のブレード4,31によって内スプラインの軸方向両側
に逆テーパ面が同時成形される。
形できる装置の提供。 【解決手段】上型と及び内スプラインを有する環状素材
1が装填されるダイス3を保持する下型がそれぞれ、ベ
ース29と、ベース29に対し弾性支持されたスプリン
グブロック20と、ベース29とスプリングブロック2
0間に介装された第1のスプリング22と、外周部に内
スプライン成形歯及び内周部にテーパ面55を備え、プ
レスされて素材1半径方向に沿って変位可能となるよう
スプリングブロック20に弾性支持され且つ互いに放射
状配列された複数のブレード4と、ベース29中心に固
定され一端外周部にテーパ面55と摺接するテーパ面3
6を備え、プレス成形時、複数のブレード4を内スプラ
インに向かって案内する固定テーパピン35と、複数の
ブレード4を素材1の半径方向内方に向かって付勢する
第2のスプリング19とを具備し、上型及び下型の複数
のブレード4,31によって内スプラインの軸方向両側
に逆テーパ面が同時成形される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内スプラインを成
形するための装置に関し、中でも内スプラインを2次成
形する装置に関し、特に、内スプラインの軸方向両側に
逆テーパ面を成形するための装置に関する。
形するための装置に関し、中でも内スプラインを2次成
形する装置に関し、特に、内スプラインの軸方向両側に
逆テーパ面を成形するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、環状素材の内スプラインに抜止
め、例えば、逆テーパ面を成形する方法として、主に以
下の2通りの方法がある。
め、例えば、逆テーパ面を成形する方法として、主に以
下の2通りの方法がある。
【0003】第1の方法は、転造方式によるものであ
る。この転造方式においては、逆テーパ歯を有する転造
ダイスを回転させながら、この転動ダイスを環状素材に
押し付けていく。
る。この転造方式においては、逆テーパ歯を有する転造
ダイスを回転させながら、この転動ダイスを環状素材に
押し付けていく。
【0004】第2の方法は、ブレード方式によるもので
ある。通常のブレード方式によれば、環状製品の内スプ
ラインと同数の逆テーパ歯を有すると共に、放射状に配
列された複数のブレードを放射状に押し広げて、環状素
材の内スプラインに押し付けることにより、逆テーパ面
を成形する。
ある。通常のブレード方式によれば、環状製品の内スプ
ラインと同数の逆テーパ歯を有すると共に、放射状に配
列された複数のブレードを放射状に押し広げて、環状素
材の内スプラインに押し付けることにより、逆テーパ面
を成形する。
【0005】また別のブレード方式が、特開平11−3
47682号公報に開示されている。この公報に開示さ
れた成形装置においては、下型に複数のブレード及び該
複数のブレードを案内する可動テーパピンが設置され、
上型にはブレードが配置されずパンチのみが設けられて
いる。詳細には、下型において、複数のブレード外周面
上部にブレード軸方向に沿って、2つの歯が装着されて
いる。プレス成形時、上型のパンチによって下型の可動
テーパピンが下方に押し込まれ、この可動テーパピンの
下降によって上記複数のブレードが該可動テーパピンと
摺動しながら内スプラインに向かって変位され、上記2
つの歯が、内スプラインの軸方向両側にそれぞれ押し付
けられ、内スプラインの軸方向上側と下側に逆テーパ面
がそれぞれ形成される。また、上記2つの歯は、ブレー
ドと別に作製された後、ブレードに固着されている。
47682号公報に開示されている。この公報に開示さ
れた成形装置においては、下型に複数のブレード及び該
複数のブレードを案内する可動テーパピンが設置され、
上型にはブレードが配置されずパンチのみが設けられて
いる。詳細には、下型において、複数のブレード外周面
上部にブレード軸方向に沿って、2つの歯が装着されて
いる。プレス成形時、上型のパンチによって下型の可動
テーパピンが下方に押し込まれ、この可動テーパピンの
下降によって上記複数のブレードが該可動テーパピンと
摺動しながら内スプラインに向かって変位され、上記2
つの歯が、内スプラインの軸方向両側にそれぞれ押し付
けられ、内スプラインの軸方向上側と下側に逆テーパ面
がそれぞれ形成される。また、上記2つの歯は、ブレー
ドと別に作製された後、ブレードに固着されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の方法、すなわち、転造方式によれば、成形に要する
時間が長いという問題がある。
1の方法、すなわち、転造方式によれば、成形に要する
時間が長いという問題がある。
【0007】また、上記第2の方法、すなわち、通常の
ブレード方式によれば、上記転造方式よりは成形速度が
高いものの、内スプラインの軸方向片側ずつしか成形で
きないという問題がある。したがって、このブレード方
式によれば、一旦、中間製品を金型から取出し、反転さ
せた後、再度、もう片側を成形する必要がある。
ブレード方式によれば、上記転造方式よりは成形速度が
高いものの、内スプラインの軸方向片側ずつしか成形で
きないという問題がある。したがって、このブレード方
式によれば、一旦、中間製品を金型から取出し、反転さ
せた後、再度、もう片側を成形する必要がある。
【0008】また、上記特開平11−347682号公
報に開示された成形装置によれば、下型の複数のブレー
ドによって、内スプラインの軸方向上側と下側の両方の
成形を行っている。このため、複数のブレードがプレス
方向に対して傾き易く、場合によっては、内スプライン
の軸方向上側と下側に、ブレードの歯からの押圧力がバ
ランスよく作用しないことが考えられる。また、プレス
成形時、複数のブレードが可動テーパピンから押圧され
且つ可動テーパピン上を案内されるため、複数のブレー
ド間ないしそれと可動テーパピン間の寸法誤差等によっ
て、複数のブレード間にバランスよく押圧力が作用しな
い場合が考えられる。これらの現象が生じた場合、逆テ
ーパ面の加工精度が低下し、又加工のバラツキが生じる
こととなる。また、この成形装置においては、上述した
ように、歯とブレード本体が別体として作製された後、
歯がブレード本体に固着されている。このため、次のよ
うな問題点が生じる。すなわち、歯とブレード本体が別
体であることに起因する第1の問題点は、ブレード本体
の剛性が低くなり、ブレードの寿命が低下することであ
る。その第2の問題点は、成形中に、歯がブレード本体
から脱落する可能性が高くなることである。その第3の
問題点は、歯をブレード本体にセットする際、取付位置
ズレが生じるおそれがあり、逆テーパメンの加工精度が
低下することである。
報に開示された成形装置によれば、下型の複数のブレー
ドによって、内スプラインの軸方向上側と下側の両方の
成形を行っている。このため、複数のブレードがプレス
方向に対して傾き易く、場合によっては、内スプライン
の軸方向上側と下側に、ブレードの歯からの押圧力がバ
ランスよく作用しないことが考えられる。また、プレス
成形時、複数のブレードが可動テーパピンから押圧され
且つ可動テーパピン上を案内されるため、複数のブレー
ド間ないしそれと可動テーパピン間の寸法誤差等によっ
て、複数のブレード間にバランスよく押圧力が作用しな
い場合が考えられる。これらの現象が生じた場合、逆テ
ーパ面の加工精度が低下し、又加工のバラツキが生じる
こととなる。また、この成形装置においては、上述した
ように、歯とブレード本体が別体として作製された後、
歯がブレード本体に固着されている。このため、次のよ
うな問題点が生じる。すなわち、歯とブレード本体が別
体であることに起因する第1の問題点は、ブレード本体
の剛性が低くなり、ブレードの寿命が低下することであ
る。その第2の問題点は、成形中に、歯がブレード本体
から脱落する可能性が高くなることである。その第3の
問題点は、歯をブレード本体にセットする際、取付位置
ズレが生じるおそれがあり、逆テーパメンの加工精度が
低下することである。
【0009】以上の事情に鑑み、本発明の目的は、内ス
プラインの軸方向両側を同時に精度良く成形できる装置
を提供することである。
プラインの軸方向両側を同時に精度良く成形できる装置
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、互いにプレス
される上型及び下型と、前記下型に保持され予め内スプ
ラインが形成された環状素材が装填されるダイスとを有
し、さらに、前記上型及び前記下型がそれぞれ、ベース
と、前記ベースに対して弾性的に支持され、該ベースに
対してプレス方向に沿って変位可能なスプリングブロッ
クと、外周部に前記内スプラインを加工するための歯を
備え、プレス成形時、前記環状素材半径方向に沿って変
位可能となるよう前記スプリングブロックに対して弾性
的に支持され、互いに放射状に配列された複数のブレー
ドと、前記ベースに対して一体化ないし固定されて該ベ
ースの中央かつ前記複数のブレードの内周側に配置さ
れ、プレス成形時、該複数のブレードの歯が前記内スプ
ラインにそれぞれ押し付けられるよう、該複数のブレー
ドの内周部と摺接して該複数のブレードを前記環状素材
の半径方向外方に案内する固定ピンと、を具備する内ス
プライン成形装置を提供する。
される上型及び下型と、前記下型に保持され予め内スプ
ラインが形成された環状素材が装填されるダイスとを有
し、さらに、前記上型及び前記下型がそれぞれ、ベース
と、前記ベースに対して弾性的に支持され、該ベースに
対してプレス方向に沿って変位可能なスプリングブロッ
クと、外周部に前記内スプラインを加工するための歯を
備え、プレス成形時、前記環状素材半径方向に沿って変
位可能となるよう前記スプリングブロックに対して弾性
的に支持され、互いに放射状に配列された複数のブレー
ドと、前記ベースに対して一体化ないし固定されて該ベ
ースの中央かつ前記複数のブレードの内周側に配置さ
れ、プレス成形時、該複数のブレードの歯が前記内スプ
ラインにそれぞれ押し付けられるよう、該複数のブレー
ドの内周部と摺接して該複数のブレードを前記環状素材
の半径方向外方に案内する固定ピンと、を具備する内ス
プライン成形装置を提供する。
【0011】次に、この内スプライン成形装置の動作の
一例を説明する。プレス成形時、上型が下型に向かって
下降され、上型が備える複数のブレードが環状素材の上
方からその中に挿入される。さらに、上型と下型のスプ
リングブロックが互いに直接的又は間接的に当接かつ押
圧される。これによって、上型のスプリングブロックは
上型のベースの方へ変位され、下型のスプリングブロッ
クは下型のスプリングブロックの方へ変位される。これ
に伴い、上型と下型の複数のブレードには、スプリング
ブロックを介してプレス力が伝達される。そして、上型
と下型の複数のブレードは、固定ピンによる案内によっ
て、上型と下型のスプリングブロックに対して相対的に
変位する、すなわち、環状素材の半径方向外方に向かっ
て変位する。続いて、上型の複数のブレードの歯は環状
素材の内スプラインの軸方向上側に押し付けられ、同時
に、下型の複数のブレードの歯は環状素材の内スプライ
ンの軸方向下側に押し付けられ、内スプラインの軸方向
両側が同時成形される。
一例を説明する。プレス成形時、上型が下型に向かって
下降され、上型が備える複数のブレードが環状素材の上
方からその中に挿入される。さらに、上型と下型のスプ
リングブロックが互いに直接的又は間接的に当接かつ押
圧される。これによって、上型のスプリングブロックは
上型のベースの方へ変位され、下型のスプリングブロッ
クは下型のスプリングブロックの方へ変位される。これ
に伴い、上型と下型の複数のブレードには、スプリング
ブロックを介してプレス力が伝達される。そして、上型
と下型の複数のブレードは、固定ピンによる案内によっ
て、上型と下型のスプリングブロックに対して相対的に
変位する、すなわち、環状素材の半径方向外方に向かっ
て変位する。続いて、上型の複数のブレードの歯は環状
素材の内スプラインの軸方向上側に押し付けられ、同時
に、下型の複数のブレードの歯は環状素材の内スプライ
ンの軸方向下側に押し付けられ、内スプラインの軸方向
両側が同時成形される。
【0012】次に、この内スプライン成形装置の利点を
例示する。 (1)上型および下型にそれぞれ複数のブレードを配置
したことにより、内スプラインの軸方向両側を同時に成
形することができるため、成形時間が短縮される。 (2)上型と下型の両方にそれぞれブレードが配置され
ているため、各ブレードがプレス方向に対して傾きにく
く、内スプラインの軸方向上側と下側に、各ブレードの
歯からの押圧力がバランスよく作用する。これによっ
て、成形精度が向上し、成形のバラツキも減少する。 (3)複数のブレードを案内するピンがベースに固定さ
れているため、複数のブレードの案内精度が高くされて
いる。これによって、成形精度が向上し、成形のバラツ
キも減少する。また、上型と下型の芯出しが容易であ
る。 (4)複数のブレードに、スプリングブロックを介して
バランスよくプレス力が伝達される。これによって、成
形精度が向上し、成形のバラツキも減少する。
例示する。 (1)上型および下型にそれぞれ複数のブレードを配置
したことにより、内スプラインの軸方向両側を同時に成
形することができるため、成形時間が短縮される。 (2)上型と下型の両方にそれぞれブレードが配置され
ているため、各ブレードがプレス方向に対して傾きにく
く、内スプラインの軸方向上側と下側に、各ブレードの
歯からの押圧力がバランスよく作用する。これによっ
て、成形精度が向上し、成形のバラツキも減少する。 (3)複数のブレードを案内するピンがベースに固定さ
れているため、複数のブレードの案内精度が高くされて
いる。これによって、成形精度が向上し、成形のバラツ
キも減少する。また、上型と下型の芯出しが容易であ
る。 (4)複数のブレードに、スプリングブロックを介して
バランスよくプレス力が伝達される。これによって、成
形精度が向上し、成形のバラツキも減少する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。
態を説明する。
【0014】本発明の好ましい実施の形態においては、
上型のスプリングブロックに対して上側スペーサが取り
付けられ、プレス成形時、この上側スペーサが下型に保
持されたダイスと当接可能とされる。一方、下型のスプ
リングブロックと下型の前記ダイスとのプレス方向間に
下側スペーサが介装され、この下側スペーサによってダ
イスのスプリングブロックに対するプレス方向高さを調
節することができる。そして、これら上側及び下側スペ
ーサによって、内スプラインの軸方向両側の加工量、例
えば、逆テーパ面の内スプライン軸方向長さをそれぞれ
調整することができる。
上型のスプリングブロックに対して上側スペーサが取り
付けられ、プレス成形時、この上側スペーサが下型に保
持されたダイスと当接可能とされる。一方、下型のスプ
リングブロックと下型の前記ダイスとのプレス方向間に
下側スペーサが介装され、この下側スペーサによってダ
イスのスプリングブロックに対するプレス方向高さを調
節することができる。そして、これら上側及び下側スペ
ーサによって、内スプラインの軸方向両側の加工量、例
えば、逆テーパ面の内スプライン軸方向長さをそれぞれ
調整することができる。
【0015】本発明の好ましい実施の形態においては、
下型において、ダイスに装填された環状素材の下方に、
プレス終了後、成形された環状素材を払い出すためのノ
ックアウトピンがストロークに可能に配置される。
下型において、ダイスに装填された環状素材の下方に、
プレス終了後、成形された環状素材を払い出すためのノ
ックアウトピンがストロークに可能に配置される。
【0016】本発明の好ましい実施の形態においては、
上型及び下型のいずれか一方のスプリングブロックにノ
ックピン、他方にこのノックピンと嵌合する孔が設けら
れ、プレス成形時、このノックピンがこの孔に嵌合する
ことによって、上型と下型の環状素材周方向に沿った位
相が合わせられる。
上型及び下型のいずれか一方のスプリングブロックにノ
ックピン、他方にこのノックピンと嵌合する孔が設けら
れ、プレス成形時、このノックピンがこの孔に嵌合する
ことによって、上型と下型の環状素材周方向に沿った位
相が合わせられる。
【0017】本発明の好ましい実施の形態においては、
上型において、複数のブレードの外周部に下型に保持さ
れた環状素材と対向するよう配置され、かつスプリング
ブロックに対してプレス方向に変位可能な環状スリーブ
が設けられる。この実施の形態においては、プレス成形
時、環状素材は、上型のこの環状スリーブと、下型のス
プリングブロックないしこれに取り付けられた下側スペ
ーサとのプレス方向間で押圧保持される
上型において、複数のブレードの外周部に下型に保持さ
れた環状素材と対向するよう配置され、かつスプリング
ブロックに対してプレス方向に変位可能な環状スリーブ
が設けられる。この実施の形態においては、プレス成形
時、環状素材は、上型のこの環状スリーブと、下型のス
プリングブロックないしこれに取り付けられた下側スペ
ーサとのプレス方向間で押圧保持される
【0018】本発明の好ましい実施の形態においては、
スプリングブロックの下ベースに対する最大ストローク
量(プレス方向)を変えることにより、複数のブレード
の最大拡がり量(素材半径方向、プレス方向に直交する
方向)が変わり、逆テーパの形成深さを調整することが
できる。好ましくは、ベースに、スプリングブロックと
プレス方向に沿って対向するエンドブロックを取り付
け、このエンドブロックの厚みを変えることにより、複
数のブレードの最大拡がり量を調整する。
スプリングブロックの下ベースに対する最大ストローク
量(プレス方向)を変えることにより、複数のブレード
の最大拡がり量(素材半径方向、プレス方向に直交する
方向)が変わり、逆テーパの形成深さを調整することが
できる。好ましくは、ベースに、スプリングブロックと
プレス方向に沿って対向するエンドブロックを取り付
け、このエンドブロックの厚みを変えることにより、複
数のブレードの最大拡がり量を調整する。
【0019】
【実施例】以上説明した本発明の好ましい実施の形態を
さらに明確化するために、以下図面を参照して、本発明
の一実施例を説明する。
さらに明確化するために、以下図面を参照して、本発明
の一実施例を説明する。
【0020】まず、本発明の一実施例に係る内スプライ
ン成形装置(内スプライン2次成形用プレス装置)を説
明する。この成形装置は、互いにプレスされる上型と下
型を含んで構成される。上型と下型は、基本的にプレス
面対称な構造を有しているから、以下、下型及び上型が
下型と異なる構造を有する点について詳細に説明し、上
型の構造が下型の構造と一致する点については、説明の
重複を避けるため、この下型に関する説明を参照するこ
とができるものとする。また、上型及び下型が軸に沿っ
て面対称な構造ないし部材配置を有している場合には、
基本的に、面対称の一方の構造ないし部材配置を説明
し、他方の構造ないし部材配置については説明の重複を
避けるため、前者の説明を参照することができるものと
する。
ン成形装置(内スプライン2次成形用プレス装置)を説
明する。この成形装置は、互いにプレスされる上型と下
型を含んで構成される。上型と下型は、基本的にプレス
面対称な構造を有しているから、以下、下型及び上型が
下型と異なる構造を有する点について詳細に説明し、上
型の構造が下型の構造と一致する点については、説明の
重複を避けるため、この下型に関する説明を参照するこ
とができるものとする。また、上型及び下型が軸に沿っ
て面対称な構造ないし部材配置を有している場合には、
基本的に、面対称の一方の構造ないし部材配置を説明
し、他方の構造ないし部材配置については説明の重複を
避けるため、前者の説明を参照することができるものと
する。
【0021】図1を参照すると、下型において、成形装
置に固定されたベース29上には、ケース23(環状外
周壁)が、固定キー28によって周方向に位相決めされ
た後、ボルトによって締結固定されている。
置に固定されたベース29上には、ケース23(環状外
周壁)が、固定キー28によって周方向に位相決めされ
た後、ボルトによって締結固定されている。
【0022】ベース29上、ケース23の内周側には、
スプリングブロック20が収容されている。スプリング
ブロック20は、ケース23内周面に取り付けられたす
べりキー24によって、周方向に位相決めされるととも
に、プレス方向に沿って摺動ないし変位可能とされてい
る。
スプリングブロック20が収容されている。スプリング
ブロック20は、ケース23内周面に取り付けられたす
べりキー24によって、周方向に位相決めされるととも
に、プレス方向に沿って摺動ないし変位可能とされてい
る。
【0023】スプリングブロック20の下方には、ベー
ス29に対して固定されたエンドブロック44が配置さ
れている。スプリングブロック20は、エンドブロック
44と当接可能とされている。
ス29に対して固定されたエンドブロック44が配置さ
れている。スプリングブロック20は、エンドブロック
44と当接可能とされている。
【0024】スプリングブロック20の外周部には、半
径方向に沿って互いに隣接し、プレス方向に沿って互い
に反対方向に開口する第1及び第2のスプリング収容穴
が形成されている。外周側の第1のスプリング収容穴は
下方に向かって開口し、第1のスプリング22が収容さ
れている。内周側の第2のスプリング収容穴は上方に向
かって開口し、第2のスプリング19が収容されてい
る。第1のスプリング22は、ケース23に対して固定
されたばね受けプレート部との間に、圧縮介装されてい
る。第2のスプリング19は、スプリングプレート18
及びそれと一体のリターンリング16を上方に付勢して
いる。
径方向に沿って互いに隣接し、プレス方向に沿って互い
に反対方向に開口する第1及び第2のスプリング収容穴
が形成されている。外周側の第1のスプリング収容穴は
下方に向かって開口し、第1のスプリング22が収容さ
れている。内周側の第2のスプリング収容穴は上方に向
かって開口し、第2のスプリング19が収容されてい
る。第1のスプリング22は、ケース23に対して固定
されたばね受けプレート部との間に、圧縮介装されてい
る。第2のスプリング19は、スプリングプレート18
及びそれと一体のリターンリング16を上方に付勢して
いる。
【0025】スプリングブロック20上面の外周部上に
は、環状プレート26が配置されている。環状プレート
26は、半径方向キー25によってスプリングブロック
20に対して位相決めされた後、ボルトによってスプリ
ングブロック20に締結固定されている。環状プレート
26の外周部には、ノックピン27が取付けられてい
る。
は、環状プレート26が配置されている。環状プレート
26は、半径方向キー25によってスプリングブロック
20に対して位相決めされた後、ボルトによってスプリ
ングブロック20に締結固定されている。環状プレート
26の外周部には、ノックピン27が取付けられてい
る。
【0026】スプリングブロック20上面の内周部上に
は、環状のホルダ10が配置されている。ホルダ10
は、ホルダ用キー21によって、スプリングブロック2
0に対して位相決めされている。
は、環状のホルダ10が配置されている。ホルダ10
は、ホルダ用キー21によって、スプリングブロック2
0に対して位相決めされている。
【0027】ここで、このホルダ10について説明す
る。図4(A)及び図4(B)を参照すると、ホルダ1
0の上面には、ホルダ10円周方向に沿って所定角度毎
に、半径方向に延在する複数の溝11が放射状に配列形
成されている。
る。図4(A)及び図4(B)を参照すると、ホルダ1
0の上面には、ホルダ10円周方向に沿って所定角度毎
に、半径方向に延在する複数の溝11が放射状に配列形
成されている。
【0028】ベース29中央部には、固定テーパピン3
5が一体化ないし固定されている。固定テーパピン35
はホルダ10中央を貫通し、さらに固定テーパピン35
上部にはテーパ面36(円錐面)が形成されている。テ
ーパ面36の周囲には、複数のブレード4が互いに放射
状に配列されている。テーパ面36には、これら複数の
ブレード4の内周側に形成された内周側テーパ面55と
摺接している。
5が一体化ないし固定されている。固定テーパピン35
はホルダ10中央を貫通し、さらに固定テーパピン35
上部にはテーパ面36(円錐面)が形成されている。テ
ーパ面36の周囲には、複数のブレード4が互いに放射
状に配列されている。テーパ面36には、これら複数の
ブレード4の内周側に形成された内周側テーパ面55と
摺接している。
【0029】ここで、これら複数のブレード4について
詳細に説明する。図5(A)を参照すると、複数のブレ
ード4が放射状に配列されている。図5(B)を参照す
ると、各ブレード4は軸方向に延在する部分と半径方向
に延在する部分を備えている。この軸方向に延在する部
分の外周面上部には、所定数の歯8が周方向に所定間隔
離間して形成されている。各歯8は、各ブレード4と一
体に形成された歯である。ブレード4の半径方向に延在
する部分の先端には、テーパ面15が形成されている。
図5(C)を参照すると、各歯8の周方向両側には逆テ
ーパ面9がそれぞれ形成されている。なお、各歯8が、
各ブレード4と一体に形成された歯であることによっ
て、各ブレード8本体の剛性が向上され、各歯8の脱落
が防止され、各歯8の位置精度を高くすることができる
から、逆テーパ面加工精度が向上される。
詳細に説明する。図5(A)を参照すると、複数のブレ
ード4が放射状に配列されている。図5(B)を参照す
ると、各ブレード4は軸方向に延在する部分と半径方向
に延在する部分を備えている。この軸方向に延在する部
分の外周面上部には、所定数の歯8が周方向に所定間隔
離間して形成されている。各歯8は、各ブレード4と一
体に形成された歯である。ブレード4の半径方向に延在
する部分の先端には、テーパ面15が形成されている。
図5(C)を参照すると、各歯8の周方向両側には逆テ
ーパ面9がそれぞれ形成されている。なお、各歯8が、
各ブレード4と一体に形成された歯であることによっ
て、各ブレード8本体の剛性が向上され、各歯8の脱落
が防止され、各歯8の位置精度を高くすることができる
から、逆テーパ面加工精度が向上される。
【0030】再度、図1を参照すると、複数のブレード
4の半径方向に延在する部分の下部は、複数の溝11
(図4(A)参照)にそれぞれ嵌合され、素材1ないし
ホルダ10の半径方向に沿って案内される。また、複数
のブレード4の外周側テーパ面15は、リターンリング
16の内周側に形成されたテーパ面17と当接されてい
る。また、上述の環状プレート26の内周部には、環状
のリングプレート12が取り付けられている。リングプ
レート12は、複数のブレード4が複数の溝11から脱
落しないよう、複数のブレード4を下方に向かって押圧
している。結局、複数のブレード4に対する第2のスプ
リング19の弾性力は、互いに当接するテーパ面15,
17を介して、複数のブレード4を素材1の半径方向内
方に付勢する方向に作用している。
4の半径方向に延在する部分の下部は、複数の溝11
(図4(A)参照)にそれぞれ嵌合され、素材1ないし
ホルダ10の半径方向に沿って案内される。また、複数
のブレード4の外周側テーパ面15は、リターンリング
16の内周側に形成されたテーパ面17と当接されてい
る。また、上述の環状プレート26の内周部には、環状
のリングプレート12が取り付けられている。リングプ
レート12は、複数のブレード4が複数の溝11から脱
落しないよう、複数のブレード4を下方に向かって押圧
している。結局、複数のブレード4に対する第2のスプ
リング19の弾性力は、互いに当接するテーパ面15,
17を介して、複数のブレード4を素材1の半径方向内
方に付勢する方向に作用している。
【0031】下型の上部であって、環状プレート26上
には、環状のダイス3が保持されている。ダイス3に
は、環状の素材1が装填される。ダイス3は、プレス成
形時、素材1がその半径方向外方に向かって変形するこ
とを防止する。また、ダイス3、環状プレート26及び
下型のスプリングブロック20は、互いにボルト等で締
結されている。それらの外周に設けられ下型のベース2
9にボルト等で締結された外ケース57と外ケースカバ
ー58は、外ケースカバー58と下型のスプリングブロ
ック20との形状的な結合(フランジ部同士の当接)に
より、素材1をダイス3から払い出す際にダイス3、環
状プレート26及び下型のスプリングブロック20が素
材1とともに上昇するのを制止する。
には、環状のダイス3が保持されている。ダイス3に
は、環状の素材1が装填される。ダイス3は、プレス成
形時、素材1がその半径方向外方に向かって変形するこ
とを防止する。また、ダイス3、環状プレート26及び
下型のスプリングブロック20は、互いにボルト等で締
結されている。それらの外周に設けられ下型のベース2
9にボルト等で締結された外ケース57と外ケースカバ
ー58は、外ケースカバー58と下型のスプリングブロ
ック20との形状的な結合(フランジ部同士の当接)に
より、素材1をダイス3から払い出す際にダイス3、環
状プレート26及び下型のスプリングブロック20が素
材1とともに上昇するのを制止する。
【0032】スプリングブロック20に固定された環状
プレート26と、ダイス3とのプレス方向間には、環状
の下側スペーサ7が介装されている。下側スペーサ7の
厚みによって、ダイス3のスプリングブロック20に対
するプレス方向高さを調節することができる。さらに、
素材1軸方向下側に成形される逆テーパ5の長さ6(後
述の図6(B)参照)を可変することができる。
プレート26と、ダイス3とのプレス方向間には、環状
の下側スペーサ7が介装されている。下側スペーサ7の
厚みによって、ダイス3のスプリングブロック20に対
するプレス方向高さを調節することができる。さらに、
素材1軸方向下側に成形される逆テーパ5の長さ6(後
述の図6(B)参照)を可変することができる。
【0033】また、ダイス3に装填された環状素材1の
下方には、ノックアウトピン13がプレス方向に沿って
ストローク可能に配置されている。ノックアウトピン1
3の基端は、ケース29内において、ノックアウトピス
トン53先端に固定されたノックアウトプレート54に
取り付けられている。
下方には、ノックアウトピン13がプレス方向に沿って
ストローク可能に配置されている。ノックアウトピン1
3の基端は、ケース29内において、ノックアウトピス
トン53先端に固定されたノックアウトプレート54に
取り付けられている。
【0034】次に、上型が下型と異なる点について説明
する。図2を参照して、上型は、ダイス3の代わりに環
状スリーブ48とさらにボール50及びスプリング49
を有する点、ノックピン27の代わりにノックピン孔3
0を有する点、並びに、上型の下面にスペーサ32が取
り付けられている点において、下型とは構造が一部相違
している。以下、上型が下型と異なる点について詳細に
説明する。
する。図2を参照して、上型は、ダイス3の代わりに環
状スリーブ48とさらにボール50及びスプリング49
を有する点、ノックピン27の代わりにノックピン孔3
0を有する点、並びに、上型の下面にスペーサ32が取
り付けられている点において、下型とは構造が一部相違
している。以下、上型が下型と異なる点について詳細に
説明する。
【0035】図2を参照して、上型のスプリングブロッ
ク41の外周部には、その下面で開口するノックピン孔
30が形成されている。プレス成形時、このノックピン
孔30に、下型のノックピン27が嵌合することによっ
て、上型と下型が周方向に位相決めされる。
ク41の外周部には、その下面で開口するノックピン孔
30が形成されている。プレス成形時、このノックピン
孔30に、下型のノックピン27が嵌合することによっ
て、上型と下型が周方向に位相決めされる。
【0036】また、上型において、複数のブレード31
の下部外周面には、環状スリーブ48が嵌装されてい
る。一方、スプリングブロック41に対して固定された
環状の先端プレート37の内周面には、スリーブホルダ
38が取り付けられている。環状スリーブ48は、スリ
ーブホルダ38の内周面に、プレス方向に変位可能にス
ライド係合されている。そして、スリーブホルダ38に
形成された半径方向孔には、第3のスプリング49が収
容されている。第3のスプリング49は、第3のスプリ
ング49内周側先端に付設されたボール50を介して、
結局、環状スリーブ48を、下型に保持されている素材
1上端面に向かって付勢している。
の下部外周面には、環状スリーブ48が嵌装されてい
る。一方、スプリングブロック41に対して固定された
環状の先端プレート37の内周面には、スリーブホルダ
38が取り付けられている。環状スリーブ48は、スリ
ーブホルダ38の内周面に、プレス方向に変位可能にス
ライド係合されている。そして、スリーブホルダ38に
形成された半径方向孔には、第3のスプリング49が収
容されている。第3のスプリング49は、第3のスプリ
ング49内周側先端に付設されたボール50を介して、
結局、環状スリーブ48を、下型に保持されている素材
1上端面に向かって付勢している。
【0037】また、上型において、スプリングブロック
41に固定された先端プレート37の下面には、スペー
サ32が取り付けられている。プレス成形時、スペーサ
32は、下型のダイス3と当接する。スペーサ32の厚
みないし突出高さを可変することにより、上型の複数の
ブレード31によって成形される逆テーパ33の長さ3
4(図6(B))を調節することができる。
41に固定された先端プレート37の下面には、スペー
サ32が取り付けられている。プレス成形時、スペーサ
32は、下型のダイス3と当接する。スペーサ32の厚
みないし突出高さを可変することにより、上型の複数の
ブレード31によって成形される逆テーパ33の長さ3
4(図6(B))を調節することができる。
【0038】次に、以上説明した成形装置のプレス工程
を説明する。まず、この成形装置によって製造される、
内スプライン軸方向両側に逆テーパ面がそれぞれ形成さ
れた環状素材(製品)について説明する。
を説明する。まず、この成形装置によって製造される、
内スプライン軸方向両側に逆テーパ面がそれぞれ形成さ
れた環状素材(製品)について説明する。
【0039】図6(A)〜図6(D)を参照して、予
め、環状素材1の内周部には、軸方向に沿って、ブロー
チ加工等によって内スプライン2が形成されている。さ
らに、各内スプライン2の軸方向上側には逆テーパ面3
3、軸方向下側には逆テーパ5面がそれぞれ2次成形さ
れる。
め、環状素材1の内周部には、軸方向に沿って、ブロー
チ加工等によって内スプライン2が形成されている。さ
らに、各内スプライン2の軸方向上側には逆テーパ面3
3、軸方向下側には逆テーパ5面がそれぞれ2次成形さ
れる。
【0040】次に、この成形装置のプレス工程を順に説
明する。図1から図2を参照して、素材1を下型のダイ
ス3の中に挿入する。成形装置の昇降機構により上型を
下型に向かって下降させると、まず、下型のノックピン
27が上型のノックピン孔30に嵌合され、上型と下型
の位相が合致される。下型の各構成部材は、ノックピン
27乃至それが形成されたスプリングブロック23、更
にベース29に対して、予め位相決めされており、一
方、上型の各構成部材は、ノックピン孔30乃至それが
固定されたスプリングブロック41、更にベース55に
対して、予め位相決めされている。したがって、下型の
複数のブレード4と上型の複数のブレード31も、互い
に位相が合致されている。
明する。図1から図2を参照して、素材1を下型のダイ
ス3の中に挿入する。成形装置の昇降機構により上型を
下型に向かって下降させると、まず、下型のノックピン
27が上型のノックピン孔30に嵌合され、上型と下型
の位相が合致される。下型の各構成部材は、ノックピン
27乃至それが形成されたスプリングブロック23、更
にベース29に対して、予め位相決めされており、一
方、上型の各構成部材は、ノックピン孔30乃至それが
固定されたスプリングブロック41、更にベース55に
対して、予め位相決めされている。したがって、下型の
複数のブレード4と上型の複数のブレード31も、互い
に位相が合致されている。
【0041】さらに、上型が下降すると、上型の環状ス
リーブ48が、素材1の上端面に当接される。これによ
って、上型の環状スリーブ48と下型のスペーサ7のプ
レス方向間で、素材1が押圧保持される。
リーブ48が、素材1の上端面に当接される。これによ
って、上型の環状スリーブ48と下型のスペーサ7のプ
レス方向間で、素材1が押圧保持される。
【0042】さらに、上型が下降すると、上型のスペー
サ32下面が下型のダイス3上面と当接して、互いに押
圧される。これによって、上型のスプリングブロック4
1は、第1のスプリング52を圧縮しながら、上型のベ
ース55に接近していく。同様に、下型のスプリングブ
ロック20は、第1のスプリング22を圧縮しながら、
下型のベース29に接近していく。同時に、上型の複数
のブレード31は上型のスプリングブロック41と共に
プレス方向に沿ってベース55側に移動し、下型の複数
のブレード4は下型のスプリングブロック20と共にプ
レス方向に沿ってベース29移動する。
サ32下面が下型のダイス3上面と当接して、互いに押
圧される。これによって、上型のスプリングブロック4
1は、第1のスプリング52を圧縮しながら、上型のベ
ース55に接近していく。同様に、下型のスプリングブ
ロック20は、第1のスプリング22を圧縮しながら、
下型のベース29に接近していく。同時に、上型の複数
のブレード31は上型のスプリングブロック41と共に
プレス方向に沿ってベース55側に移動し、下型の複数
のブレード4は下型のスプリングブロック20と共にプ
レス方向に沿ってベース29移動する。
【0043】このとき、下型においては、複数のブレー
ド4の内周側テーパ面55が固定テーパピン35のテー
パ面36上を摺動することにより、複数のブレード4
は、互いに放射状に押し拡げられ、第2のスプリング1
9を圧縮しながら、素材1の半径方向外方に変位し、各
歯8が内スプライン2(図6(A)参照)の軸方向下側
に押し付けられ、逆テーパ面5が形成される(図6
(B)参照)。上型においても、同様に、複数のブレー
ド31が押し拡げられて、第2のスプリング51を圧縮
しながら、素材1の半径方向外方に変位し、各歯8が内
スプライン2(図6(A)参照)の軸方向上側に押し付
けられ、逆テーパ面33(図6(B)参照)が形成され
る。
ド4の内周側テーパ面55が固定テーパピン35のテー
パ面36上を摺動することにより、複数のブレード4
は、互いに放射状に押し拡げられ、第2のスプリング1
9を圧縮しながら、素材1の半径方向外方に変位し、各
歯8が内スプライン2(図6(A)参照)の軸方向下側
に押し付けられ、逆テーパ面5が形成される(図6
(B)参照)。上型においても、同様に、複数のブレー
ド31が押し拡げられて、第2のスプリング51を圧縮
しながら、素材1の半径方向外方に変位し、各歯8が内
スプライン2(図6(A)参照)の軸方向上側に押し付
けられ、逆テーパ面33(図6(B)参照)が形成され
る。
【0044】さらに、上型が下降すると、下型のスプリ
ングブロック20が、下型のベース29に固定されたエ
ンドブロック44に当接し、同様に、上型のスプリング
ブロック41が上型のベース55に固定されたエンドブ
ロック45に当接する。これによって、逆テーパ面5,
33の成形が終了する。なお、下型のエンドブロック4
4及び上型のエンドブロック45の厚みを変えることに
より、下型の複数のブレード4及び上型の複数のブレー
ド31の最大拡がり量(半径方向最大ストローク)がそ
れぞれ変わり、逆テーパ5の形成深さ47及び逆テーパ
33の形成深さ46(図6(B)参照)をそれぞれ調整
することができる。
ングブロック20が、下型のベース29に固定されたエ
ンドブロック44に当接し、同様に、上型のスプリング
ブロック41が上型のベース55に固定されたエンドブ
ロック45に当接する。これによって、逆テーパ面5,
33の成形が終了する。なお、下型のエンドブロック4
4及び上型のエンドブロック45の厚みを変えることに
より、下型の複数のブレード4及び上型の複数のブレー
ド31の最大拡がり量(半径方向最大ストローク)がそ
れぞれ変わり、逆テーパ5の形成深さ47及び逆テーパ
33の形成深さ46(図6(B)参照)をそれぞれ調整
することができる。
【0045】図2から図3を参照して、逆テーパ面5,
33(図6(B)参照)の成形が終了すると、上型が上
昇する。これによって、下型の第1のスプリング22が
伸長され、下型のスプリングブロック20が下ベース2
9から離間する。上型においても同様である。続いて、
下型において、第2のスプリング20が伸長され、これ
によって、複数のブレード4が、テーパ面36に沿っ
て、素材1の半径方向内方に向かって押し戻されると共
に上昇する。上型においても同様である。下型の複数の
ブレード4と上型の複数のブレード31とは、ほぼ同時
に、素材1から離間する。
33(図6(B)参照)の成形が終了すると、上型が上
昇する。これによって、下型の第1のスプリング22が
伸長され、下型のスプリングブロック20が下ベース2
9から離間する。上型においても同様である。続いて、
下型において、第2のスプリング20が伸長され、これ
によって、複数のブレード4が、テーパ面36に沿っ
て、素材1の半径方向内方に向かって押し戻されると共
に上昇する。上型においても同様である。下型の複数の
ブレード4と上型の複数のブレード31とは、ほぼ同時
に、素材1から離間する。
【0046】続いて、上型が下型から完全に離間する
と、ノックアウトピストン53が上昇する。これによっ
て、ノックアウトピン55が上昇し、素材1をダイス3
から払い出し、一連の成形工程が完了する。
と、ノックアウトピストン53が上昇する。これによっ
て、ノックアウトピン55が上昇し、素材1をダイス3
から払い出し、一連の成形工程が完了する。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、内スプラインの軸方向
両側を同時に精度良く成形、特に2次成形できる装置が
提供される。
両側を同時に精度良く成形、特に2次成形できる装置が
提供される。
【図1】本発明の一実施例に係る内スプライン成形装置
及びその成形方法の説明をするための、第1工程図であ
る。
及びその成形方法の説明をするための、第1工程図であ
る。
【図2】図1に引き続く、第2工程図である。
【図3】図2に引き続く、第3工程図である。
【図4】(A)及び(B)は、本発明の一実施例に係る
成形装置が備えるホルダの説明図であり、(A)は平面
図、(B)は正面図である。
成形装置が備えるホルダの説明図であり、(A)は平面
図、(B)は正面図である。
【図5】(A)〜(C)は、本発明の一実施例に係る成
形装置が備える複数のブレードの説明図であり、(A)
は平面図、(B)は2つのブレードの正面図、(C)は
ブレード刃先の拡大図である。
形装置が備える複数のブレードの説明図であり、(A)
は平面図、(B)は2つのブレードの正面図、(C)は
ブレード刃先の拡大図である。
【図6】(A)〜(C)は、本発明の一実施例に係る成
形装置によって製造される内スプラインを備えた環状素
材の一例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は
(A)の中心から半径方向外方を見た内側正面図、
(C)は(A)の部分拡大図、(D)は(C)の正面図
である。
形装置によって製造される内スプラインを備えた環状素
材の一例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は
(A)の中心から半径方向外方を見た内側正面図、
(C)は(A)の部分拡大図、(D)は(C)の正面図
である。
1 環状素材(製品) 2 内スプライン 3 ダイス 4 下型の複数のブレード 5 下側逆テーパ面 6 下側逆テーパ面の長さ 7 下側スペーサ 8 ブレードの歯 9 歯の逆テーパ面 10 下型のホルダ 11 ホルダの溝 12 リングプレート 13 ノックアウトピン 14 ホルダ 15 ブレードの外周側テーパ面 16 リターンリング 17 テーパ面 18 スプリングプレート 19 スプリング 20 下型のスプリングブロック 21 ホルダ用キー 22 第1のスプリング 23 下型のケース 24 すべりキー 25 半径方向キー 26 環状プレート 27 ノックピン 28 固定キー 29 下型のベース 30 ノックピン孔 31 上型のブレード 32 上型のスペーサ 33 上側の逆テーパ面 34 上側の逆テーパ面の長さ 35 固定テーパピン 36 固定テーパピンのテーパ面 37 先端プレート 38 スリーブホルダ 39 上型のホルダ 40 上型のリターンリング 41 上型のスプリングブロック 42 上型の固定テーパピン 43 上型のテーパピンのテーパ面 44 下型のエンドブロック 45 上型のエンドブロック 46 上側逆テーパ面の深さ 47 下側逆テーパ面の深さ 48 環状スリーブ 49 第3のスプリング 50 ボール 51 上型の第2のスプリング 52 上型の第1のスプリング 53 ノックアウトピストン 54 ノックアウトプレート 55 ブレードの内周側テーパ面 56 上型のベース 57 外ケース 58 外ケースカバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武井 成之 愛知県西尾市小島町城山1番地 アイシ ン・エーアイ株式会社内 (72)発明者 有馬 達男 大阪府東大阪市加納4丁目4番24号 株式 会社ヤマナカゴーキン内 Fターム(参考) 4E087 AA08 CA13 CA26 EC01 HA02 HA08
Claims (8)
- 【請求項1】互いにプレスされる上型及び下型と、前記
下型に保持され予め内スプラインが形成された環状素材
が装填されるダイスとを有し、さらに、 前記上型及び前記下型がそれぞれ、 ベースと、 前記ベースに対して弾性的に支持され、該ベースに対し
てプレス方向に沿って変位可能なスプリングブロック
と、 外周部に前記内スプラインを加工するための歯を備え、
プレス成形時、前記環状素材半径方向に沿って変位可能
となるよう前記スプリングブロックに対して弾性的に支
持され、互いに放射状に配列された複数のブレードと、 前記ベースに対して一体化ないし固定されて該ベースの
中央かつ前記複数のブレードの内周側に配置され、プレ
ス成形時、該複数のブレードの歯が前記内スプラインに
それぞれ押し付けられるよう、該複数のブレードの内周
部と摺接して該複数のブレードを前記環状素材の半径方
向外方に案内する固定ピンと、 を具備し、 前記上型が具備する複数のブレードによって前記内スプ
ラインの軸方向上側を、前記下型が具備する複数のブレ
ードによって前記内スプラインの軸方向下側を同時成形
可能であることを特徴とする内スプライン成形装置。 - 【請求項2】前記上型の前記スプリングブロックに対し
て取り付けられ、プレス成形時、前記下型に保持された
前記ダイスと当接可能な上側スペーサと、 前記下型の前記スプリングブロックと前記ダイスとのプ
レス方向間に介装され、該ダイスの該スプリングブロッ
クに対するプレス方向高さを調節する下側スペーサと、 を有し、 前記上側及び前記下側スペーサによって、前記内スプラ
インの軸方向両側の加工量がそれぞれ調整されることを
特徴とする請求項1記載の内スプライン成形装置。 - 【請求項3】前記下型において、前記ダイスに装填され
た前記環状素材の下方に、プレス成形終了後、該環状素
材を払い出すためのノックアウトピンがストロークに可
能に配置されたことを特徴とする請求項1記載の内スプ
ライン成形装置。 - 【請求項4】前記上型及び前記下型のいずれか一方の前
記スプリングブロックにノックピン、他方に該ノックピ
ンと嵌合する孔が設けられ、プレス成形時、前記ノック
ピンが前記孔に嵌合することによって、前記上型と前記
下型の前記環状素材周方向に沿った位相が合わせられる
ことを特徴とする請求項1記載の内スプライン成形装
置。 - 【請求項5】前記上型において、前記複数のブレードの
外周部に前記下型に保持された前記環状素材と対向する
よう配置され、かつ前記スプリングブロックに対してプ
レス方向に変位可能な環状スリーブが設けられ、 プレス成形時、前記環状素材が、前記環状スリーブと、
前記下型の前記スプリングブロックとのプレス方向間で
押圧保持されることを特徴とする請求項1記載の内スプ
ライン成形装置。 - 【請求項6】前記複数の歯は、該複数のブレードとそれ
ぞれ一体に形成された歯であることを特徴とする請求項
1記載の内スプライン成形装置。 - 【請求項7】前記下型に、前記環状素材をノックアウト
する際に該環状素材と共に前記ダイスが上昇しないよ
う、該ダイスない該ダイスと一体の部材を制止する部材
が設けられたことを特徴とする請求項1記載の内スプラ
イン成形装置。 - 【請求項8】互いにプレスされる上型及び下型と、前記
下型に保持され予め内スプラインが形成された環状素材
が装填されるダイスとを有し、さらに、 前記上型及び前記下型がそれぞれ、 ベースと、 前記ベースに固定され、該ベースの外周壁をなす環状ケ
ースと、 前記ベースに対して弾性的に支持され、かつ前記環状ケ
ースの内周面にスライド係合され該ベースに対してプレ
ス方向に沿って変位可能とされ、かつ前記環状素材の半
径方向に沿って隣接する第1及び第2のスプリング収容
穴を備えたスプリングブロックと、 前記第1のスプリング収容穴に収容されて前記ベースと
前記スプリングブロックの間に介装され、該スプリング
ブロックを該ベースから離間する方向に付勢する第1の
スプリングと、 外周部に前記内スプラインを成形するための歯を備え、
内周部にテーパ面を備え、プレスされて前記環状素材半
径方向に沿って変位可能となるよう前記スプリングブロ
ックに対して弾性的に支持され、互いに放射状に配列さ
れた複数のブレードと、 前記ベースに対して一体化ないし固定されて該ベースの
中心に配置され、一端外周部に前記複数のブレードが備
える前記テーパ面と摺接するテーパ面を備え、プレス成
形時、該複数のブレードとそれぞれ一体に形成された複
数の歯が前記内スプラインにそれぞれ押し付けられるよ
う、プレス方向に沿って前記ベース側に付勢された該複
数のブレードを前記環状素材の半径方向外方に案内する
固定ピンと、 前記第2のスプリング収容穴に収容され、前記複数のブ
レードを前記環状素材の半径方向内方に向かって付勢す
る第2のスプリングと、 を具備し、 プレス成形時、前記上型が備える前記複数のブレードが
前記環状素材の上方から挿入されると共に、前記上型と
前記下型の接近により、該上型及び該下型において、前
記スプリングブロックが、前記第1のスプリングの付勢
力に抗しながら押圧されると共に、該スプリングブロッ
クに弾性的に支持された前記複数のブレードが、前記第
2のスプリングの付勢力に抗しつつ前記固定ピンの前記
テーパ面によって案内されながら前記環状素材の半径方
向外方に変位されて、該環状素材の前記内スプラインに
押し付けられ、該内スプラインの軸方向両側が同時成形
されることを特徴とする内スプライン成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001009360A JP2002210534A (ja) | 2001-01-17 | 2001-01-17 | 内スプライン成形装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001009360A JP2002210534A (ja) | 2001-01-17 | 2001-01-17 | 内スプライン成形装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002210534A true JP2002210534A (ja) | 2002-07-30 |
Family
ID=18876858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001009360A Withdrawn JP2002210534A (ja) | 2001-01-17 | 2001-01-17 | 内スプライン成形装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002210534A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105414443A (zh) * | 2015-12-18 | 2016-03-23 | 燕山大学 | 一种活齿中心轮成形装置及成形方法 |
-
2001
- 2001-01-17 JP JP2001009360A patent/JP2002210534A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105414443A (zh) * | 2015-12-18 | 2016-03-23 | 燕山大学 | 一种活齿中心轮成形装置及成形方法 |
CN105414443B (zh) * | 2015-12-18 | 2017-05-31 | 燕山大学 | 一种活齿中心轮成形装置及成形方法 |
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