JP2002210482A - 廃水処理方法 - Google Patents

廃水処理方法

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JP2002210482A
JP2002210482A JP2001012175A JP2001012175A JP2002210482A JP 2002210482 A JP2002210482 A JP 2002210482A JP 2001012175 A JP2001012175 A JP 2001012175A JP 2001012175 A JP2001012175 A JP 2001012175A JP 2002210482 A JP2002210482 A JP 2002210482A
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sludge
treatment
tank
wastewater
biological treatment
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JP2001012175A
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Hironori Nakamura
裕紀 中村
Shinji Aso
伸二 麻生
Kazunori Sato
一教 佐藤
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Hitachi Plant Technologies Ltd
Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
Hitachi Plant Technologies Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生物処理槽で処理される処理水のCODを悪化
させることなく、十分な汚泥減容化効果を得ることがで
きる。 【解決手段】有機性廃水を生物処理槽1で活性汚泥によ
り生物処理すると共に、該生物処理槽1から流出する汚
泥混合液を固液分離槽2で分離し、分離した活性汚泥を
再び生物処理槽1に返送する廃水処理系統10におい
て、返送汚泥の少なくとも一部を汚泥処理装置5に導き
WJ処理すると共に、WJ処理する活性汚泥量を、生物
処理槽1に保持する活性汚泥量に対する倍率として表し
た汚泥処理倍率に基づいて調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性廃水を活性
汚泥処理する廃水処理方法に係わり、特に、廃水処理系
統とは別に、活性汚泥を汚泥処理する汚泥処理系統を備
えた廃水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下水や産業廃水等の有機性廃水の処理の
大半は、活性汚泥を用いた生物処理槽で生物処理を行な
い、発生した活性汚泥を沈殿池で分離した後、分離した
活性汚泥を再び返送汚泥として生物処理槽に戻す廃水処
理方法により処理されている。
【0003】しかし、生物処理槽内で増殖した微生物な
どが余剰の活性汚泥となって生成するため、余剰汚泥を
廃水処理の系外に引き抜かなくてはならず、その処分が
問題となっている。これに対し、余剰汚泥の生成量が少
ない、または余剰汚泥を全く生成しない廃水処理方法の
開発が進められている。この種の廃水処理方法の例とし
ては、返送汚泥の一部をオゾンなどの酸化剤による酸化
や、機械的破砕により可溶化し、生物分解性を高めてか
ら生物処理槽に戻し、CO2 化を促進して汚泥を減容化
するものである。
【0004】しかし、汚泥の可溶化の際に、汚泥から難
分解性物質も同時に溶出するため、これが生物処理槽で
十分に処理されずに、処理水のCODなど水質を悪化さ
せる欠点が指摘されている。
【0005】そこで、本出願人は、処理水のCODをで
きるだけ悪化させない廃水処理方法として、加圧部で加
圧した汚泥を狭窄部を介して低圧部にウオータジエット
(以下「WJ」と称す)として噴出させて汚泥処理した
後、生物処理槽に戻して生物処理する方法を提案した。
この方法は、水中のWJに伴い発生するキャビテーショ
ンによる衝撃圧や酸化作用を利用したもので、汚泥の可
溶化よりもフロックの分散化・微細化により有機物が分
解し易くなると共に、活性汚泥中の菌体と有機物との接
触面積が増加して菌体活性が高くなるようにしたもので
ある。従って、予めWJ処理した汚泥を生物処理槽で生
物処理することにより汚泥の自己酸化・分解が促進され
て汚泥の減容化が促進することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、WJ処
理する汚泥量の多少により、生物処理槽で生物処理した
後の汚泥減容化の効果が十分に得られなかったり、処理
水のCODが悪化してしまう場合があることが分かっ
た。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みて成された
もので、生物処理槽で処理される処理水のCODを悪化
させることなく、十分な汚泥減容化効果を得ることので
きる廃水処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、有機性廃水を生物処理槽で活性汚泥により
生物処理すると共に、該生物処理槽から流出する汚泥混
合液を固液分離し、分離した活性汚泥を再び生物処理槽
に返送する廃水処理方法において、前記返送される活性
汚泥の少なくとも一部を汚泥処理装置に導き、該汚泥処
理装置の加圧部で加圧した汚泥を狭窄部を介して低圧部
に噴出させる汚泥処理を施してから前記生物処理槽に戻
すと共に、前記汚泥処理装置に導いて汚泥処理する汚泥
処理量を、前記生物処理槽内に保持する活性汚泥量に対
して1日当たり0.5〜3倍の汚泥処理倍率の倍率範囲
内になるように調整することを特徴とする。
【0009】本発明によれば、生物処理槽に返送する活
性汚泥の少なくとも一部を汚泥処理装置に導いて処理す
ると共に、該汚泥処理装置に導いて処理する汚泥処理量
を、生物処理槽内に保持する活性汚泥量に対する倍率と
して表した汚泥処理倍率に基づいて、生物処理槽内に保
持する活性汚泥量に対して1日当たり0.5〜3倍の汚
泥処理倍率の倍率範囲内になるように調整するようにし
たので、生物処理槽で処理される処理水のCODを悪化
させることなく、十分な汚泥減容化効果を得ることがで
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って、本発明に
係る廃水処理方法の好ましい実施の形態について説明す
る。
【0011】図1は、本発明の廃水処理方法の第1の実
施の形態を適用する廃水処理システムの構成図である。
【0012】図1に示すように、廃水処理システムは、
主として、廃水処理系統10と汚泥処理系統20とから
構成される。
【0013】廃水処理系統10は、主として、廃水を活
性汚泥と混合して好気的に生物学的な処理を行なう生物
処理槽1と、生物処理槽1から流出する汚泥混合液を固
液分離する固液分離槽2と、分離された汚泥を生物処理
槽1に返送する返送汚泥管12とから構成される。そし
て、有機性廃水を流入管11から生物処理槽1に流入さ
せ、返送汚泥管12から返送される返送汚泥及び曝気装
置21から供給される空気とを生物処理槽1内で混合
し、好気的な生物学的処理を行う。また、生物処理槽1
内の汚泥混合液を流出管13を介して固液分離槽2に導
き、活性汚泥を沈降分離すると共に上澄み液は処理水と
して処理水管14から排出される。固液分離槽2で沈降
分離された活性汚泥は、返送汚泥として返送汚泥管12
を通って生物処理槽1に返送されるものと、汚泥処理系
統20に導入されるものとに分かれる。尚、送液や送泥
のためのポンプ類は省略して示した。
【0014】汚泥処理系統20は、返送汚泥管12から
分岐する汚泥導入管15と、汚泥処理装置5と、汚泥処
理装置5で処理した汚泥を生物処理槽1に送る汚泥送出
管17とで構成される。
【0015】汚泥処理装置5は、主として、高圧ポンプ
3、汚泥注入管16、及ジェットノズル31と容器32
から成るリアクタ4とで構成される。汚泥は、汚泥導入
管15により高圧ポンプ3に導入され、さらに汚泥注入
管16を通してリアクタ4に送られ、ジェットノズル3
1から容器32内の汚泥中にWJとして勢いよく噴出さ
れる。このようにして、汚泥処理された処理汚泥は、汚
泥流出管17を通って廃水処理系統10の生物処理槽1
に送られて生物処理され、汚泥の減容化が図られる。汚
泥のWJ処理により、キャビテーションによる衝撃圧や
酸化作用によりフロックの分散化・微細化により汚泥を
構成する有機物が分解し易くなるとともに、菌体と有機
物との接触面積が増加して菌体活性が高くなり、その後
の生物処理の際に、汚泥の自己酸化・分解による減容化
が促進されるものと考察される。尚、このとき高圧ポン
プ3の圧力、流量、ジェットノズル31の径などは、キ
ャビテーション係数が0.005〜0.4、好ましくは
0.01〜0.1になるように設定される。
【0016】このように、返送汚泥管12で返送される
返送汚泥の少なくとも一部を汚泥処理装置5に導きWJ
処理した処理汚泥を生物処理槽1で生物処理することで
汚泥の減容化を図ることができるが、本出願人が更なる
検討を行った処、WJ処理する汚泥処理量の多少によ
り、生物処理槽1で生物処理した後の汚泥減容化の効果
が十分に得られなかったり、処理水のCODが悪化して
しまうことがあることが分かった。
【0017】発明者等は、かかる問題の解決策として、
汚泥処理装置5に導いて汚泥処理する汚泥処理量を、生
物処理槽1内に保持する活性汚泥量に対する倍率(以下
「汚泥処理倍率」と称す)に基づいて調整することによ
り解決することができるという知見を得た。即ち、汚泥
処理倍率を1日当たり0.5〜3の範囲内に調整するこ
とにより、効率良く汚泥が減容化し、余剰汚泥がほとん
ど生成しない廃水処理を行うことができる。
【0018】そこで、返送汚泥管12と汚泥導入管15
の分岐位置に分配器7を設け、前記した汚泥処理倍率の
範囲内を満足するように返送汚泥管12で返送される返
送汚泥量と、汚泥処理装置5により汚泥処理される汚泥
処理量とを分配調整するようにした。
【0019】例えば、廃水処理系統10で処理する廃水
処理量1000m3 /日、生物処理槽1の容積が300
3 で活性汚泥濃度(MLSS濃度)が2000mg/
L(2kg/m3 )とすると、生物処理槽1内の活性汚
泥量(乾燥汚泥)は全体で600kg/日となる。汚泥
処理倍率を0.5〜3に制御して運転する場合、汚泥処
理装置5で処理される汚泥処理量(乾燥汚泥)は300
〜1800kg/日となる。固液分離槽2で汚泥濃度が
濃縮されて生物処理槽1に返送される返送汚泥の濃度が
6000mg/L(6kg/m3 )とすると、生物処理
槽1内の活性汚泥濃度を2000mg/L(2kg/m
3 )に保持するための全返送汚泥量は500m3 /日と
計算される。また、汚泥処理装置5で処理される汚泥処
理量(容積)は、50〜300m3 /日となり、この汚
泥処理量は全返送汚泥量の10〜60%となる。また、
返送汚泥管12から生物処理槽1に戻す返送汚泥は、全
返送汚泥量の90〜40%となり、これは450〜20
0m3 /日に相当する。
【0020】ここで、汚泥処理倍率を0.5〜3とする
ことにより、廃水処理系統10での処理水の水質を悪化
させることなく、効率良い汚泥減容化が可能なことを実
験結果をもとに説明する。
【0021】実験には、実下水を処理するパイロットプ
ラントを用いた。廃水処理系統10は、容積600Lの
生物処理槽1と固液分離槽2とから構成した。廃水処理
量を720〜1440L/日(生物処理槽の処理時間2
0〜10時間)として運転し、生物処理槽1の活性汚泥
濃度(MLSS濃度)を概ね2500mg/Lに保持し
た場合、固液分離槽2の汚泥の沈降分離性も良好であっ
た。生物処理槽1内に保持された活性汚泥量は1.5k
gであり、汚泥処理倍率を0〜5、即ち汚泥濃度が約6
000mg/Lの汚泥の汚泥処理量を0〜1250L/
日に変化させて汚泥処理装置により汚泥を処理した。汚
泥のWJ処理におけるキャビテーション係数は約0.0
5とした。
【0022】図2は、汚泥処理倍率と汚泥低減率との関
係を示したものである。ここで、汚泥低減率とは、汚泥
を24時間曝気したときの汚泥重量の減少率を意味し、
次式で表される。
【0023】
【数1】 汚泥低減率=〔(a−b)/a〕×100
(%) 但し、aは曝気前の汚泥重量 bは曝気後の汚泥重量 また、汚泥処理倍率が0(ゼロ)とは、WJ処理を全く
行わない場合である。
【0024】図2から分かるように、WJ処理を全く行
わない場合の汚泥低減率は約6%であった。汚泥処理倍
率を高めていくと、汚泥処理倍率が1までは汚泥低減率
が直線的に増加し、汚泥処理倍率が1のときに汚泥低減
率が17%になる。更に、汚泥処理倍率を3まで高める
と、汚泥低減率は21〜23%程度まで一層増加した。
しかし、汚泥処理倍率が3を超えて4以上になると、逆
に汚泥低減率は10%以下まで急激に低下した。
【0025】図3は、汚泥処理倍率と廃水処理系統で処
理された処理水の溶解性COD(S-COD)の関係を示
した図である。
【0026】汚泥処理倍率を高めていって汚泥処理倍率
が1までの条件における処理水のS-CODは、汚泥処理
倍率0におけるS-CODとほぼ同等の8mg/L程度で
ある。さらに汚泥処理倍率を3まで高めると、10mg
/L程度になり僅かに増加するが、処理水の水質として
ほとんど問題ない程度である。
【0027】しかし、汚泥処理倍率が3を超えると処理
水のS-CODは15mg/L程度以上に急激に悪化し
た。
【0028】この図2及び図3の結果から、汚泥処理倍
率が0.5未満では、汚泥の減容化効果が不十分であ
り、汚泥処理倍率が3を超えると汚泥の減容化効果が低
下するだけでなく処理水の水質も悪化した。このことか
ら、汚泥処理倍率としては、0.5〜3の範囲に制御す
ることが適切であることが分かる。
【0029】このように、適切な汚泥処理倍率の範囲
(0.5〜3)が存在するのは、汚泥を適度にWJ処理
すると、汚泥の自己酸化に伴う酸素消費活性が増加する
が、WJ処理の程度が小さ過ぎると汚泥の自己酸化に伴
う酸素消費活性が十分に向上せず生物処理槽1での減容
化が不十分になる。一方、汚泥を繰り返しWJ処理して
WJ処理し過ぎると、汚泥の分散化により酸素消費活性
が向上するよりも菌体が疲弊して死滅する割合が高くな
るためと考えられる。即ち、汚泥処理倍率が3を超える
と、廃水処理系統10内の汚泥が8時間よりも短い間隔
で繰り返しWJ処理されるため、汚泥の酸素消費活性が
むしろ低下し、図2における汚泥低減率の低下を招き、
図3における処理水質の悪化をもたらしたものと考察さ
れる。
【0030】従って、生物処理槽1で生物処理した後の
汚泥減容化の効果が十分に得られ、且つ廃水処理系統で
処理される処理水のS-CODが悪化しないようにするた
めには、廃水処理系統10内の汚泥が時間的にどの程度
の間隔でWJ処理が繰り返されるか、換言すると汚泥が
受けるWJ処理の程度を適切に制御することが重要とな
る。そして、汚泥が受けるWJ処理の程度を適切に調整
するためには、生物処理槽1内に保持する活性汚泥量に
対して汚泥処理装置5で処理する汚泥処理量の汚泥処理
倍率を指標とすると精度良く制御することができる。
【0031】また、汚泥処理倍率は、生物処理槽1に流
入する有機性廃水の有機物量に応じて調整することが好
ましい。即ち、廃水処理系統10で処理される廃水の有
機物量が少ないとき又は少なくなったときは、0.5〜
3の範囲内で汚泥処理倍率を低く又は低くなるようにシ
フトし、有機物量が多いとき又は多くなったときは、汚
泥処理倍率を大きく又は大きくなるようにシフトして、
生物処理槽1の活性汚泥濃度を所定値に保持しつつ余剰
汚泥が発生しないように調整する。
【0032】図4(a)、図5(a)は、汚泥処理倍率
を、生物処理槽1に流入する有機性廃水の有機物量に応
じて調整しつつ運転した場合の物質収支を流量(Q)と
有機物量(V)でモデル試算例として示したものであ
る。また、図4(b)、図5(b)はWJ処理を行わな
い従来の廃水処理システムの場合である。
【0033】図4及び図5ともに、生物処理槽1の容量
は、流入水量Q=1000m3 /日に対して、滞留時間
を約7.2時間の300m3 とし、生物処理槽1内の活
性汚泥濃度(MLSS濃度)を2000mg/L(2k
g/m3 )に保持して運転し、この時の活性汚泥量が3
00×2=600kgであると仮定した。固液分離槽2
では生物処理槽1からの汚泥混合液を3倍に濃縮して汚
泥濃度を約6000mg/L(6kg/m3 )として生
物処理槽1に返送すると共に、全返送汚泥量500m3
/日とした条件で試算した。処理水管14から排出され
る処理水量を1000m3 /日とし、処理水中の汚泥は
ゼロ(V=0)とした。
【0034】また、流入廃水の有機物のうち、1/3は
生物処理槽1で直接分解してCO2やH2 Oとなり、2
/3は汚泥に変換されると仮定し、循環する汚泥は生物
処理槽1での曝気によって図2に示された汚泥低減率で
自己分解すると仮定した。
【0035】従って、図4の物質収支から分かるよう
に、流入管11から生物処理槽1に、有機物廃水(Q=
1000m3 /日、V=120kg/日)が流入し、固
液分離槽2から生物処理槽1に返送される全返送汚泥
(Q=500m3 /日、V=3000kg/日)と混合
され、流出管13から汚泥混合液(Q=1500m3
日、V=3000kg/日)が固液分離槽2に送られ
る。また、生物処理槽1では、生物処理槽1に流入した
有機物量120kg/日のうち、40kg/日は直接分
解されるので、残りの80kg/日が増加する。
【0036】この条件において、生物処理槽1に流入す
る流入廃水の有機物量が比較的少ない、V=120kg
/日の場合には、図4(a)のように汚泥処理装置5に
おいて汚泥処理する汚泥処理倍率を0.7にすると、生
物処理槽1での汚泥低減率が13%(図2参照)とな
り、生物処理槽1内に保持される活性汚泥600kg/
日の13%である80kg/日の汚泥を生物処理槽1で
の生物処理で減容化することができる。
【0037】これにより、生物処理槽1での汚泥増加分
80kg/日と汚泥減容化分80kg/日とで差し引き
ゼロとなるので、生物処理槽1での活性汚泥濃度(ML
SS)を2kg/m3 に保持しつつ余剰汚泥が発生しな
い、所謂バランス運転となる。
【0038】この場合、汚泥処理倍率を0.7未満にす
ると、余剰汚泥が増加し始め、0.7を超えると生物処
理槽1での活性汚泥濃度が低下しだし、生物処理能力が
低下し始めた。
【0039】図4(b)は、WJ処理を行わない(図2
の汚泥処理倍率が0)従来法の場合であり、汚泥低減率
を図2から6%として計算すると、余剰汚泥が7m3
日発生することになる。
【0040】図5は、流入廃水の有機物量が比較的多
い、V=200kg/日の場合であり、図4と同様に試
算すると、この場合には汚泥処理倍率を1.8に高める
ことによってバランス運転となる。また、図5(b)に
示すように、WJ処理を行わない従来法では、余剰汚泥
が16m3 /日と多量に発生することになる。
【0041】以上のモデル試算例から分かるように、生
物処理槽1での活性汚泥濃度を所定濃度に保持しつつ余
剰汚泥が発生しないバランス運転を行うためには、生物
処理槽1に流入する流入廃水の有機物量に応じて汚泥処
理倍率を可変することが必要である。具体的には、前記
したように、廃水処理系統10で処理される廃水の有機
物量が少ないとき又は少なくなったときは、0.5〜3
の範囲内で汚泥処理倍率を低く又は低くなるようにシフ
トし、有機物量が多いとき又は多くなったときは、汚泥
処理倍率を大きく又は大きくなるようにシフトする。
【0042】図6は、本発明の廃水処理システムの第2
の実施の形態を説明する構成図である。
【0043】第2の実施の形態の廃水処理システムも、
第1の実施の形態と同様に、廃水処理系統10と汚泥処
理系統20とから構成されるが、汚泥処理系統20に
は、汚泥処理装置5のの後段側に第2生物処理槽9を設
けた点で相違する。
【0044】これにより、汚泥処理装置5のリアクタ4
を出たWJ処理の汚泥は、一旦、第2生物処理槽9で生
物処理された後、廃水処理系統10の生物処理槽1に戻
される。従って、第2生物処理槽9で汚泥の自己酸化・
分解により汚泥減容化効果が高められるだけでなく、廃
水処理系統の汚泥が短時間の間隔で繰り返しWJ処理さ
れることによる菌体の疲弊や死滅を防止することができ
る。即ち、廃水処理系統10と汚泥処理系統20との間
の汚泥循環系に第2生物処理槽9を設けることでWJ処
理された汚泥が再び循環してWJ処理されるまでの時間
を延長することができるので、汚泥が短時間の間隔で繰
り返しWJ処理されることを防止できる。
【0045】尚、第2の生物処理槽9内に隔壁41を設
けると、WJ処理された汚泥を第2の生物処理槽9内を
押し出し流れで生物処理することができるので、汚泥が
短時間の間隔でWJ処理されるのを更に確実に防止する
ことができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の廃水処理
方法によれば、生物処理槽で処理される処理水の水質を
悪化させることなく、十分な汚泥減容化効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃水処理方法を適用する廃水処理シス
テムの第1の実施の形態の構成を説明する構成図
【図2】汚泥処理倍率と汚泥低減率との関係を説明する
説明図
【図3】汚泥処理倍率と処理水のS-CODとの関係を説
明する説明図
【図4】汚泥処理倍率を生物処理槽に流入する有機性廃
水の有機物量に応じて制御しつつ運転した場合の物質収
支を説明する説明図で、有機物量が比較的少ない場合で
あり、(a)は本発明法で(b)は従来法を示す
【図5】汚泥処理倍率を生物処理槽に流入する有機性廃
水の有機物量に応じて制御しつつ運転した場合の物質収
支を説明する説明図で、有機物量が比較的多い場合であ
り、(a)は本発明法で(b)は従来法を示す
【図6】本発明の廃水処理方法を適用する廃水処理シス
テムの第2の実施の形態の構成を説明する構成図
【符号の説明】
1…生物処理槽、2…固液分離槽、3…高圧ポンプ、4
…リアクタ、5…汚泥処理装置、7…分配器、9…第2
の生物処理槽、10…廃水処理系統、11…流入管、1
2…返送汚泥管、13…流出管、14…処理水管、15
…汚泥導入管、16…汚泥注入管、17…汚泥流出管、
20…汚泥処理系統、21…曝気装置、31…ジェット
ノズル、32…容器、41…隔壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 麻生 伸二 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 佐藤 一教 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社内 Fターム(参考) 4D028 AB00 BC18 BD11 BE08 CA15 4D059 AA05 BA01 BK12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機性廃水を生物処理槽で活性汚泥により
    生物処理すると共に、該生物処理槽から流出する汚泥混
    合液を固液分離し、分離した活性汚泥を再び生物処理槽
    に返送する廃水処理方法において、 前記返送される活性汚泥の少なくとも一部を汚泥処理装
    置に導き、該汚泥処理装置の加圧部で加圧した汚泥を狭
    窄部を介して低圧部に噴出させる汚泥処理を施してから
    前記生物処理槽に戻すと共に、前記汚泥処理装置に導い
    て汚泥処理する汚泥処理量を、前記生物処理槽内に保持
    する活性汚泥量に対して1日当たり0.5〜3倍の汚泥
    処理倍率の倍率範囲内になるように調整することを特徴
    とする廃水処理方法。
  2. 【請求項2】前記生物処理槽に流入する有機性廃水の有
    機物量に応じて、有機物量が少ないときには前記倍率範
    囲内の前記汚泥処理倍率を小さくする側にシフトし、有
    機物量が多いときには前記倍率範囲内の前記汚泥処理倍
    率を大きくする方向にシフトすることを特徴とする請求
    項1に記載の廃水処理方法。
  3. 【請求項3】前記汚泥処理装置で汚泥処理を施した汚泥
    を前記廃水処理系統の生物処理槽に戻す前に、第2の生
    物処理槽内で一旦生物処理することを特徴とする請求項
    1又2に記載の廃水処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2004054935A1 (ja) * 2002-12-05 2006-04-20 保藏 酒井 排水処理装置

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