JP2002207993A - 線状構造を有する細胞体の評価方法 - Google Patents

線状構造を有する細胞体の評価方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 神経細胞など線状構造を有する細胞体の状態
の定量評価を効率よく高精度で行うことができる線状構
造を有する細胞体の評価方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 神経突起など線状構造を有する細胞体を
撮像して得られた画像データから神経突起の伸長度合い
を示す数値データを取得する線状構造を有する細胞体の
評価において、画像データを画像処理することにより細
胞体の個数(N)および面積(S2)、線状構造の長さ
(L)および面積(S1)を求め、d1=(L)/
(N),d2=(S1)/(N),d3=(L)/(S
2),d4=(S1)/(S2)を算出することによっ
て、細胞体1個当たりの線状構造の数量を示す数値指標
を求める。これにより、細胞体の状態の定量評価を効率
よく高精度で行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、神経細胞の神経突
起や樹状突起などの線状構造を有する細胞体の状態を定
量的に評価する線状構造を有する細胞体の評価方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】生化学分野における各種の試験では、動
植物の細胞や微生物などの生体試料を種々の条件下で培
養し観察することが行われる。そして観察においては顕
微観察によって得られた画像から、特定項目についての
数値データを抽出する評価が行われ、例えば神経細胞が
観察対象である場合には、神経細胞から延びる線状の神
経突起の伸長度合いを数値化した数値データを求める処
置が行われる。従来はこのような生体試料を対象とした
評価は専ら人手に依存しており、実験担当者が顕微鏡視
野内で神経細胞を目視によって観察し、観察対象部位に
注目して計数対象となる箇所のカウントやスケールとの
目視対比によるサイズ抽出などの数値データ化を行い記
録するという作業を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのような観
察作業は、作業自体が多大の手間と時間を要する煩瑣な
作業であり、この観察によって実験作業全体の効率の低
下を招くとともに、実験担当者に過大の作業負荷を強い
ることとなっていた。また、観察結果をデータ化する際
には、一般に全試料中から適宜抜き出されたサンプルと
しての計測エリアを対象としてサイズ測定やカウントな
どの数値データ抽出が行われるが、計測エリアによって
は必ずしも計測目的にかなった適切な計測結果が得られ
ない場合がある。
【0004】例えば上述の神経細胞の神経突起の伸長度
合いを計測する際に、細胞が過度に集中して増殖したよ
うな範囲を計測エリアとして抜き出すと、伸長した突起
が増殖した細胞の陰に隠れて観察されない結果、必ずし
も正しい伸長度合いを示すデータが得られない場合があ
った。そして従来はこのような計測エリアの選択を含め
て、観察作業は全て作業者の勘と経験に依存していたた
め、個人の熟練度・技量によってデータの精度・信頼性
に大きなばらつきを生じていた。このように従来の生体
試料の評価には、効率よく客観性の高い数値データを抽
出することが困難であるという問題点があった。
【0005】そこで本発明は、神経細胞など線状構造を
有する細胞体の状態の定量評価を効率よく高精度で行う
ことができる線状構造を有する細胞体の評価方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の線状構造
を有する細胞体の評価方法は、線状構造を有する細胞体
を撮像して得られた画像データから当該細胞体の状態を
示す数値データを取得する線状構造を有する細胞体の評
価方法であって、画像データを画像処理することにより
前記細胞体および線状構造の数量をそれぞれ定量化する
細胞体数量指標および線状構造数量指標を求め、これら
の線状構造数量指標と細胞体数量指標とに基づいて細胞
体1個当たりの線状構造の数量を示す数値指標を求め
る。
【0007】請求項2記載の線状構造を有する細胞体の
評価方法は、請求項1記載の線状構造を有する細胞体の
評価方法であって、線状構造数量指標は、線状構造の長
さ(L)およびまたは面積(S1)である。
【0008】請求項3記載の線状構造を有する細胞体の
評価方法は、請求項1記載の線状構造を有する細胞体の
評価方法であって、細胞体数量指標は、細胞体の個数
(N)およびまたは面積(S2)である。
【0009】請求項4記載の線状構造を有する細胞体の
評価方法は、請求項3記載の線状構造を有する細胞体の
評価方法であって、前記細胞体の個数(N)およびまた
は面積(S1)を求める際に、線状構造を有する細胞体
のみを対象とする。
【0010】本発明によれば、線状構造を有する細胞体
を撮像して得られた画像データから細胞体および線状構
造の数量をそれぞれ定量化する細胞体数量指標および線
状構造数量指標を求め、線状構造数量指標と細胞体数量
指標とに基づいて細胞体1個当たりの線状構造の数量を
示す数値指標を求めることにより、細胞体の状態の定量
評価を効率よく高精度で行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の生体
試料の評価装置の斜視図、図2は本発明の一実施の形態
の生体試料の評価装置の構成を示すブロック図、図3は
本発明の一実施の形態の生体試料の評価装置の機能を示
す機能ブロック図、図4、図5は本発明の一実施の形態
の生体試料の評価装置の基本動作プログラムの処理フロ
ー図、図6は本発明の一実施の形態の生体試料の評価装
置による生体試料の画像図である。
【0012】まず図1、図2を参照して生体試料の評価
装置について説明する。この生体試料の評価装置は、容
器に収容された神経細胞などの生体試料の状態を評価す
る数値データを抽出するために用いられる。図1におい
て生体試料の評価装置1は、架台2上に顕微観察部3お
よび操作・演算部4を並置して構成されている。顕微観
察部3は、筐体5の内部に内蔵されたカメラ(後述)、
動植物の細胞などの生体試料の容器であるマイクロプレ
ート7を保持する試料テーブル6を備えており、カメラ
によって光学系8を介して試料テーブル6上のマイクロ
プレート7に収容された生体試料の顕微鏡画像を撮像す
る。また、顕微観察部3は接眼レンズ9を備えており、
マイクロプレート7内の生体試料を接眼レンズ9を介し
て目視により観察できるようになっている。
【0013】操作・演算部4にはパーソナルコンピュー
タ10が配置されており、顕微観察部3によって撮像さ
れた画像をモニタ10a上で表示することができるよう
になっている。また入力画面や操作画面をモニタ10a
に表示させることにより、キーボード10bやマウス1
0cによって各種データや操作コマンドの入力が行われ
る。
【0014】次に図2を参照して顕微観察部3および制
御系の構成を説明する。図2においてマイクロプレート
7には生体試料を収容する試料収容部であるウエル7a
が格子状に多数設けられている。マイクロプレート7は
試料テーブル6に保持されており、試料テーブル6はテ
ーブル移動機構11によってXY方向に水平移動する。
試料テーブル6の下方には光学系8およびカメラ13が
配設されており、カメラ13は試料テーブル6の上方に
配置された照明部12によって照明されたウエル7a内
の生体試料を撮像する。したがってカメラ13は容器内
の生体試料の顕微鏡画像を撮像する撮像手段となってい
る。光学系8およびテーブル移動機構11は、機構制御
部14によって制御される。テーブル移動機構11は、
カメラ13に対してマイクロプレート7を相対的に移動
させる移動手段となっている。これにより、所望のウエ
ル7aの所望の位置にカメラ13による撮像視野を移動
させることができ、したがってウエル7a内の生体試料
を撮像して得られる画像中に、数値データ抽出対象とし
て設定される計測エリアを所望の位置に移動させて変更
することができる。
【0015】処理部15はCPUであり、データ記憶部
18に記憶されたデータに基づきプログラム格納部19
に格納された各種プログラムを実行することにより、各
種演算・処理を行う。第1画像記憶部16は、カメラ1
3によって撮像された画像データを記憶する。第2画像
記憶部17は、第1画像記憶部16から読み出された画
像データを画像処理した結果の処理画像を記憶する。
【0016】データ記憶部18には、前提条件18aな
どの各種データが記憶されている。前提条件18aは、
評価対象の画像から数値データを適正に抽出することが
できる条件として予め設定された条件である。この前提
条件18aとしては、例えば画像中に数値データ抽出用
のサンプルエリアとして設定される計測エリア中の細胞
体の個数や、面積の総和が適正範囲内にあること、など
を内容として設定される。
【0017】プログラム格納部19には、基本動作プロ
グラム19a、前提条件合否判定プログラム19b,数
値化処理プログラム19c、評価プログラム19dが格
納されている。基本動作プログラム19aは、生体試料
の評価装置1による基本動作の処理プログラムである。
前提条件合否判定プログラム19bは、数値データを抽
出する対象とされている画像が、評価対象の画像から数
値データを適正に抽出することができる条件として予め
設定された前提条件と合致しているか否かを判定する処
理を行うためのプログラムである。本実施の形態では、
上述のように計測エリア内の細胞体の数や面積が予め設
定された範囲内にあることが前提条件として設定され
る。
【0018】数値化処理プログラム19cは、評価対象
の画像から目的とする数値データを抽出する数値化処理
を行うプログラムである。本実施の形態では、計測エリ
ア内の細胞体(神経細胞)から延伸する線状構造(神経
突起)の伸長度合いを示す数値指標として、線状構造の
長さや面積を数値データとして求める例を示している。
【0019】評価プログラム19dは、求められた数値
データを所定形式でグラフ化して視覚的評価を可能にす
る処理や、数値データを予め設定された基準値と比較し
比較結果を図示する処理など、各種の評価処理を行うプ
ログラムである。
【0020】操作・入力部20は、パーソナルコンピュ
ータ10のキーボード10bやマウス10cであり、操
作画面上での入力操作を行う。表示部21はパーソナル
コンピュータ10のモニタ10aであり、撮像された画
像や操作画面の表示を行う。数値化データ記憶部22
は、撮像画面を数値化処理して得られた各種の数値デー
タを記憶する。記憶媒体アクセス手段23はCD−RO
Mやフロッピー(登録商標)ディスクなどの外部記憶媒
体23aのドライブ装置である。前述の基本動作プログ
ラム19a、前提条件合否判定プログラム19b、数値
化処理プログラム19c、評価プログラム19dを格納
した外部記憶媒体23aからこれらのプログラムを読み
取ることにより、入力、記憶、演算、表示の各機能を備
えた一般のパーソナルコンピュータを、生体試料の評価
装置の処理演算部として用いることができる。
【0021】次に図3を参照して、生体試料の評価装置
の処理機能を説明する。図3において、前提条件合否判
定手段24,数値化手段25,評価手段26は、それぞ
れ前提条件合否判定プログラム19b,数値化処理プロ
グラム19c,評価プログラム19dを処理部15によ
って実行することにより実現される処理機能を示してい
る。数値データの抽出に際しては、まず第1画像記憶部
16に記憶された撮像画像は前提条件合否判定手段24
に読み込まれ、ここで前提条件合否判定が行われる。す
なわち数値化処理を行う対象の画像が、評価対象の画像
から数値データを適正に抽出することができる条件とし
て予め設定された前提条件と合致しているか否かが判定
される。
【0022】ここで前提条件に合致していると判定され
た画像は、数値化手段25による数値化処理の対象とな
る。そして数値化処理により抽出され数値化された数値
化データは、数値化データ記憶部22に記憶される。記
憶された数値化データは、評価手段26に読み込まれ、
これらの数値化データに基づいて各種の評価処理が行わ
れる。また数値化手段25によって処理された数値化処
理画像は、第2画像記憶部17に記憶される。
【0023】前提条件合否判定手段24によって前提条
件に合致していないと判定されたならば、機構制御部1
4はテーブル移動機構11を制御してマイクロプレート
7をカメラ13に対して相対的に移動させ、撮像視野を
新たな計測エリアに移動する。これにより、新しい計測
エリアが撮像視野内に設定されこの計測エリアを対象と
して撮像が行われる。すなわち、機構制御部14は数値
データ抽出対象エリアとして設定される計測エリアを変
更する計測エリア変更手段となっている。
【0024】次に図4、図5を参照して、生体試料の評
価装置の基本動作プログラムによって行われる処理フロ
ー図を説明する。図4において、評価対象の生体試料を
収容したマイクロプレート7が試料テーブル6上に載置
され評価処理が開始されると、まず計測対象のウエル7
aの計測エリアへカメラ13の撮像視野を移動する(S
T1)。次いで数値化処理カウンターJ、前提条件不一
致カウンターKを0(ゼロ)に初期化する。
【0025】次に前提条件合否判定が行われる。まずカ
メラ13により判定対象の画像(図6(a)参照)を取
り込み(ST3)、計測エリア内の細胞体数量指標とし
ての細胞数(N)をカウントする(ST4)。このカウ
ントは、図6(a)に示す画像を画像処理した処理画像
に基づいて行われる。すなわち画像内の細胞体30を示
す画像から線状構造部30bを消去して細胞体30の本
体部30aのみを残した画像(図6(b)参照)を求
め、この処理画像上で、本体部30aの個数をカウント
することにより求められる。
【0026】次いで求められた細胞数Nが、予め設定さ
れた前提条件に合致しているか否かを判定する。ここで
は細胞数Nが(A−B)と(A+B)の間の範囲にある
か否かを判定する(ST5)。Aは判定基準となる細胞
数Nの基準値であり、Bは許容範囲幅を示す数値であ
る。そして前提条件に合致しているならば、後述する数
値化データ処理(ST24)が行われる。
【0027】ここで前提条件に合致していないならば、
以下の処理が行われる。まず前提条件不一致カウンタ−
Kの値に1をプラスしてK=K+1とおき(ST6)、
このカウンター値Kが予め設定された不一致設定回数に
到達したか否かを判定する(ST7)。不一致設定回数
に到達していないならば、同一ウエル7a内で計測エリ
アを移動する(ST8)。すなわち、機構制御部14に
よってテーブル移動機構11を制御し、マイクロプレー
ト7をカメラ13に対して移動させ、ウエル7a内に設
定された別の計測エリアをカメラ13の撮像視野に移動
させる。そして再び(ST3)以降の前提条件合致判定
を反復する。
【0028】(ST7)にて不一致設定回数に到達した
ならば、前提条件変更の可否を判断し(ST9)、前提
条件変更が可能な場合には、前提条件を緩和する処理が
行われる(ST10)。すなわち、(ST5)の許容範
囲幅を示すBの値を大きくすることにより、細胞数Nの
許容範囲を拡大した後、(ST2)に戻り、以降の処理
を反復する。そして前提条件の変更不可の場合には、未
計測の計測対象ウエルの有無を判断する(ST11)。
ここで未計測の計測対象ウエルが有る場合には、計測対
象ウエルを当該未計測のウエルに変更した(ST12)
後に、(ST2)に戻り、以降の処理を反復する。また
(ST11)にて未計測の計測対象ウエルがない場合に
は、計測処理を終了する。
【0029】次の図5を参照して、前提条件に合致して
いると判定された画像について行われる数値化処理につ
いて説明する。まず、計測対象画像について、線状構造
数量指標としての細胞突起長さ(L)と、細胞突起面積
(S1)を計測する(ST21)。この処理は、図6
(c)に示すように、原画像(図6(a))から線状構
造部30bのみを抽出した処理画像上で、細胞突起に相
当する線状構造部30bの長さ、面積を画像処理演算に
よって求めることにより行われる。なお線状構造数量指
標としては、細胞長さ(L)か細胞突起面積(S1)の
いずれか一方を用いてもよい。
【0030】次いで図6(b)に示す処理画像上で、同
様に画像処理演算によって本体部30aの面積を求める
ことにより、細胞体数量指標としての細胞数(N)と細
胞体面積(S2)を計測する(ST22)。細胞数
(N)は、(ST4)で計測した細胞数を利用する場合
は、(ST22)での計測を省略してもよい。また細胞
体数量指標としては、細胞数(N)または細胞体面積
(S2)のどちらか1つを用いてもよい。
【0031】次にこのようにして求められた数値化デー
タ(N)、(L)、(S1)、(S2)を数値化データ
記憶部22に記憶させる(ST23)。そしてこれらの
数値化データに基づき、d1=(L)/(N),d2=
(S1)/(N),d3=(L)/(S2),d4=
(S1)/(S2)を算出する(ST24)。算出され
た数値指標d1,d2,d3,d4は、数値化データ記
憶部22に記憶される(ST25)。これらの数値指標
は、細胞体1個当たりの線状構造の数量を示すものであ
る。このとき、計測対象となった計測エリアの位置情報
と当該計測エリアの画像データも、上記数値指標と関連
づけられて記憶される。
【0032】なお、上述の数値化処理において、細胞体
の個数(N)、面積(S2)を求める際に、神経突起を
有する細胞体のみを対象とすることが望ましい。これに
より、既に神経突起の伸長能力を喪失した細胞体を計測
対象に含めることによる誤差を排除することができ、よ
り精度の高い数値データを得ることができる。
【0033】この後数値化処理回数カウンターのカウン
ト値Jの値に1をプラスしてJ=J+1とおき(ST2
6)、このカウント値Jが予め設定された計測設定回数
に到達したか否かを判定する(ST27)。計測設定回
数に到達していないならば、同一ウエル7a内で計測エ
リアを移動する(ST8)。すなわち、機構制御部14
によってテーブル移動機構11を制御し、マイクロプレ
ート7をカメラ13に対して移動させる。そしてウエル
7a内の別の計測エリアをカメラ13の撮像視野内に移
動させ、再び(ST3)以降の前提条件合致判定を反復
する。
【0034】そして(ST27)にて計測設定回数に到
達したならば、当該ウエル7a内の数値データの平均値
算出を行う(ST28)。すなわちD1=(d1の合
計)/J、D2=(d2の合計)/J、D3=(d3の
合計)/J、D4=(d4の合計)/Jの演算を行い、
求められたD1,D2,D3,D4を数値化データ記憶
部22に記憶させる(ST29)。この後、図4に示す
(ST11)に戻り、同様の処理が反復される。
【0035】上記説明したように、上記生体試料の評価
方法は、神経突起のような線状構造を有する細胞体を撮
像して得られた画像データから当該細胞体の状態を示す
数値データ、すなわち神経突起の伸長度合いを示す数値
データを取得する線状構造を有する細胞体の評価方法に
おいて、画像データを画像処理することにより細胞体お
よび線状構造の数量をそれぞれ定量化する細胞体数量指
標(細胞体の個数N、面積S2)および線状構造数量指
標(細胞突起長さL、細胞突起面積S1)を求め、これ
らの線状構造数量指標と細胞体数量指標に基づいて細胞
体1個当たりの線状構造の数量を示す数値指標を求める
ものである。
【0036】これにより、神経突起の伸長度合いの観察
を効率よく行うことができるとともに、観察を行う各担
当者の経験・熟練度によってデータ化された結果にばら
つきを生じることなく、データの精度・信頼性を確保す
ることができる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、線状構造を有する細胞
体を撮像して得られた画像データから細胞体および線状
構造の数量をそれぞれ定量化する細胞体数量指標および
線状構造数量指標を求め、線状構造数量指標を細胞体数
量指標で除して得られる数値を細胞体1個当たりの線状
構造の数量を示す指標として求めるようにしたので、細
胞体の状態の定量評価を効率よく高精度で行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の生体試料の評価装置の
斜視図
【図2】本発明の一実施の形態の生体試料の評価装置の
構成を示すブロック図
【図3】本発明の一実施の形態の生体試料の評価装置の
機能を示す機能ブロック図
【図4】本発明の一実施の形態の生体試料の評価装置の
基本動作プログラムの処理フロー図
【図5】本発明の一実施の形態の生体試料の評価装置の
基本動作プログラムの処理フロー図
【図6】本発明の一実施の形態の生体試料の評価装置に
よる生体試料の画像図
【符号の説明】
3 顕微観察部 4 操作・演算部 6 試料テーブル 11 テーブル移動機構 14 機構制御部 15 処理部 18a 前提条件 19b 前提条件合否判定プログラム 19c 数値化処理プログラム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】線状構造を有する細胞体を撮像して得られ
    た画像データから当該細胞体の状態を示す数値データを
    取得する線状構造を有する細胞体の評価方法であって、
    画像データを画像処理することにより前記細胞体および
    線状構造の数量をそれぞれ定量化する細胞体数量指標お
    よび線状構造数量指標を求め、これらの線状構造数量指
    標と細胞体数量指標とに基づいて細胞体1個当たりの線
    状構造の数量を示す数値指標を求めることを特徴とする
    線状構造を有する細胞体の評価方法。
  2. 【請求項2】線状構造数量指標は、線状構造の長さ
    (L)およびまたは面積(S1)であることを特徴とす
    る請求項1記載の線状構造を有する細胞体の評価方法。
  3. 【請求項3】細胞体数量指標は、細胞体の個数(N)お
    よびまたは面積(S2)であることを特徴とする請求項
    1記載の線状構造を有する細胞体の評価方法。
  4. 【請求項4】前記細胞体の個数(N)およびまたは面積
    (S2)を求める際に、線状構造を有する細胞体のみを
    対象とすることを特徴とする請求項3記載の線状構造を
    有する細胞体の評価方法。
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