JP2002206911A - 回転位置センサ - Google Patents

回転位置センサ

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JP2002206911A
JP2002206911A JP2001003735A JP2001003735A JP2002206911A JP 2002206911 A JP2002206911 A JP 2002206911A JP 2001003735 A JP2001003735 A JP 2001003735A JP 2001003735 A JP2001003735 A JP 2001003735A JP 2002206911 A JP2002206911 A JP 2002206911A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転系の機械的なガタや電気的な外部ノイズ
に関わりなく検出角度に対して安定した角度検出信号を
得ることができる共に、広角度検出が可能で、しかも出
力電圧の温度変動を低減できる回転位置センサを提供す
る。 【解決手段】 磁石MGと、磁石MGの磁束密度成分を
測定する磁束密度センサHEと、磁束密度センサHEと
磁石MGとを移動手段Sにより磁石MGの着磁軸に沿っ
て相対的に回転移動させた時の相対的な回転角度に対応
する実出力電圧を、磁束密度センサHEによる測定信号
に基づいて演算する信号処理部2aとを備え、この信号
処理部2aは、実出力電圧のレベルを予め設定したレベ
ルに補正演算して出力するレベル補正手段2a−0を備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、非接触、且つ、
連続的に測定対象物の回転位置を測定する回転位置セン
サに関し、特に、回転角度により測定対象物の回転位置
を測定する回転位置センサ関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ホール素子(ホールIC)から成
る磁束密度センサと磁石とを、磁石の着磁軸に沿って相
対的に回転移動させ、前記ホール素子により磁石の着磁
軸と直角方向の磁束密度成分を測定し、この測定結果よ
り磁石を回転移動せしめる位置検出対象物の移動位置を
検出する回転位置センサが広く用いられている。
【0003】図2は一般的な回転位置センサの平面外観
図である。この回転位置センサはリング状のマグネット
およびマグネットからの磁束を収束して磁路を形成する
コアから構成される磁気回路、コアの空隙に配置され磁
束密度成分を測定するホール素子およびホール素子の出
力信号を処理する信号処理回路がケース内に収納されて
いる。このケースの外周にはケースの中心線延長上に、
ケース本体を挟んで一対のフランジFが対向してケース
本体と一体形成されている。
【0004】ケースはフランジFを介して不動部であ
る、例えばブレーキペダルブラケット(図示せず)にネ
ジにより固定されている。そして、ケース下方の開口部
よりブレーキペダル(図示せず)のボス部(回転軸)が
ケース内のマグネットの内周面に嵌着される。従って、
ブレーキペダルの踏み込み動作に伴って回転軸が回転す
るとマグネットも同時に回転する。また、ケースの外周
にはフランジFの取付方向とは直角方向に、信号入出力
用の端子を所定の支持手段で支持したターミナルハウジ
ングTHが同じくケース本体と一体形成されている。
【0005】図3は図2に示す回転位置センサをA−A
線に沿って切断した場合の縦断面図である。図3から明
らかなように回転位置センサは、ケースCAbとこのケ
ースCAbに矢印Xで示すように上方から嵌着され、振
動溶着または超音波溶着されるカバーCVbより構成さ
れる。ケースCVbの内側の円周形状部分にはリング状
のマグネットMGが配置され、且つ、マグネットMGの
外周には、一部に空隙を設けたリング状のコアCが所定
間隙を設けて固定されている。この空隙にはマグネット
MGの回転位置に対応した磁束密度分布を、空隙の漏れ
磁束より測定するホール素子Hが挿入されている。
【0006】ホール素子Hのリード端子は、このホール
素子Hに対する入出力信号を処理する回路素子CEが実
装された回路基板PBに接続されている。回路基板PB
からは信号入出力用の端子Tが、ケースCAbを形成す
る樹脂で固定され、ターミナルハウジングTHに延設さ
れている。尚、回路素子CEは請求項1における信号処
理部を構成する。
【0007】また、図3に示すように、回路基板PBに
実装されてホール素子Hと回路素子CEのそれぞれが、
コアCの空隙とケースCAb内に収納され、回路基板P
Bに端子Tが接続されたならば、ホール素子Hと回路素
子CEの周囲に例えばエポキシ系からなる接着剤(図示
しない)を充填してケースCAb内に固定する。
【0008】このように回路素子CSおよびホール素子
Hが回路基板に実装されケースCAb内に接着剤で固定
された後に、ブレーキペダルブラケットにケースCAb
を載置し、ケースCAb下部の開口部より回転軸Sをマ
グネットMGの中空に嵌着したならばフランジFにより
ケースCAbをブレーキペダルブラケットにネジ止めす
る。
【0009】次に、カバーCVbを図3に示すように矢
印X方向からケースCAb上面に覆い被せる。カバーC
Vbには回転軸Sの先端部が突出するよう開口部が形成
されている。カバーCVbがケースCAbに被せられた
ならば、図4に示すようにカバーCVbの全周囲および
回転軸S回りの溶着部位Wを、例えば、超音波で溶着す
る。尚、回転軸SのマグネットMGに対する嵌着順序は
上記に限定されず、カバーCVbをケースCAbに溶着
した後に行ってもよい。
【0010】このようにリング状のマグネットが外周に
嵌着された回転軸SをコアCの中空部に挿入し、回転軸
Sを図示しない駆動部により回転させると、空隙におい
てホール素子Hを通る磁束密度が回転軸Sの回転角度に
応じて変化し、図9に示すように回転軸Sの回転角度に
応じた出力電圧vout1が直線性を持って出力され
る。或いは、ホール素子の出力特性を図13の(a)に
示すように所定特性曲線に変更し、回転角度0°から1
80°方向に連続的に回転させると、各回転角度に対し
て特性曲線に沿った出力電圧Vout1が得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転位置センサ
は以上のように、予め設計段階で設定した出力特性に沿
って回転角度に対応した出力電圧を出力する。しかし、
回転軸また回転軸を駆動する駆動部に機械的なガタがあ
ると、回転角度に対して出力特性に沿った出力電圧が得
られず、検出ユニットにおいて出力電圧より回転角度を
検出した場合に誤検出の可能性がある。また、回転位置
センサより検出ユニットに出力される出力電圧に電磁ノ
イズ等が混入すると出力電圧レベルが変動するため、こ
の出力電圧より回転角度を検出すると誤検出の可能性が
ある。
【0012】更に、従来の回転位置センサは、実際は図
13の(a)に示すように、回転角度90°を中心に±
30°の狭い回転角度範囲で回転角度と一定電圧範囲の
出力電圧との直線性の関係を保証するようにしている
が、上記一定電圧範囲の出力電圧より広角度検出が行え
ないという不具合があった。
【0013】更に、また、周囲温度の上昇により磁束密
度が変動するマグネットは、温度特性を補正できないた
め、マグネットより磁束が与えられるホール素子は周囲
温度の変動により出力電圧(ホール素子電圧)が変動
し、角度検出精度が温度変動により低下するという問題
点があった。
【0014】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、回転系の機械的なガタや電気的
な外部ノイズに関わりなく検出角度に対して安定した角
度検出信号を得ることができる共に、広角度検出が可能
で、しかも出力電圧の温度変動を低減できる回転位置セ
ンサを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る回転位置
センサは、図1の基本構成図に示すように磁石と、この
磁石の磁束密度成分を測定する磁束密度センサと、この
磁束密度センサと前記磁石とを移動手段により前記磁石
の着磁軸に沿って相対的に回転移動させた時の相対的な
回転角度に対応する実出力電圧を、前記磁束密度センサ
による測定信号に基づいて演算する信号処理部とを備
え、この信号処理部は、前記実出力電圧のレベルを予め
設定したレベルに補正演算して出力するレベル補正手段
を備えたものである。
【0016】この発明によれば、回転角度に対する実出
力電圧のレベルをレベル補正手段にて予め設定したレベ
ルに補正して出力することで、実出力電圧のレベルが外
的な擾乱で変動しても擾乱分を補正レベルに吸収でき
る。
【0017】この発明に係る回転位置センサにおけるベ
ル補正手段は、回転角度に対する実出力電圧を求める実
出力電圧演算手段と、この実出力電圧演算手段より求め
た実出力電圧より回転角度を求め、この各回転角度に対
する信号補正レベルを予め記憶したテーブルより求める
補正レベル演算手段とを備え、前記実出力電圧を前記信
号補正レベルで補正するものである。
【0018】この発明によれば、各回転角度に対する信
号補正レベルをテーブルより求め、この信号補正レベル
により実出力電圧のレベルを補正することで、回転角度
に対する出力電圧のレベルを補正演算処理により容易に
補正できる。
【0019】この発明に係る回転位置センサにおける補
正レベル演算手段は、回転角度に対する出力電圧の関係
を、所定の回転角度範囲において一様にした各回転角度
に対する信号補正レベルを予め記憶したテーブルを備え
たものである。
【0020】この発明によれば、所定回転角度範囲にお
いては、一様の信号補正レベルをテーブルより読み出
し、所定回転角度範囲に対する出力電圧をこの信号補正
レベルに平準化する。
【0021】この発明に係る回転位置センサにおける補
正レベル演算手段は、各回転角度に対する実出力電圧に
対して所定の算術演算を施す信号補正レベルを予め記憶
したテーブルを備えたものである。
【0022】この発明によれば、各回転角度に対する実
出力電圧に対して算術演算を施し、電圧レベルを補正す
る信号補正レベルをテーブルより読み出し、この信号補
正レベルを実出力電圧の加減算して電圧レベルを補正す
る。
【0023】この発明に係る回転位置センサにおけるレ
ベル補正手段は、所定の回転角度範囲においては各回転
角度に対する出力電圧を、回転角度を変数とした所定の
関数式にて求めるものである。
【0024】この発明によれば、回転角度に対する出力
電圧を関数式に基づいて求めることで、回転角度の検出
値の分解能を高める。
【0025】この発明に係る回転位置センサは、磁石
と、この磁石の磁束密度成分を測定する磁束密度セン
サ、この磁束密度センサと前記磁石とを移動手段により
前記磁石の着磁軸に沿って相対的に回転移動させた時の
相対的な回転角度に対応する実出力電圧を前記磁束密度
センサによる測定信号に基づいて演算する信号処理部
と、前記磁石周囲の温度を検出する温度検出手段とを備
え、信号処理部は、前記実出力電圧のレベルを、前記温
度検出手段により検出された温度に応じて補正して出力
するレベル補正手段を備えたものである。
【0026】この発明によれば、磁石の温度依存性によ
り変化する磁束密度の変化により変動する磁束密度セン
サの出力電圧を、前記温度検出手段により検出された温
度に応じてレベル補正手段で補正して出力する。
【0027】この発明に係る回転位置センサにおけるレ
ベル補正手段は、各周囲温度毎に、各回転角度に対する
実出力電圧の補正量を記憶したテーブルを有し、検出し
た周囲温度に対しては当該テーブルに記憶した補正量で
実出力電圧を補正する補正レベル演算手段を備え、各回
転角度毎に温度補正した出力電圧を出力する。
【0028】この発明によれば、補正レベル演算手段
は、各周囲温度毎に各回転角度に対する実出力電圧の補
正量を記憶したテーブルを参照し、実出力電圧を検出さ
れた周囲温度に応じた補正量で補正する。
【0029】
【発明の実施の形態】実施例 以下、この発明に係る回転位置センサを各添付図面に従
って説明する。図5は本発明に係る回転位置センサに適
用したホールIC1の構成図である。このホールIC1
は定電流源CRより供給されるホール入力電流IHとこ
のホール入力電流IHに対して直角方向に磁束密度に比
例したホール電圧VHを発生させるホール素子HEと、
発生したホール電圧VHを入力しデジタル変換して出力
するA/D変換器ADC1、図示しない回転位置検出器
におけるマグネット周囲の温度を検出する温度センサT
S、この温度センサTSの温度検出信号をデジタル変換
するA/D変換器ADC2、A/D変換器ADC1より
出力された出力電圧(ホール電圧を)を信号処理し、回
転角度に対する出力電圧の特性を補正、或いはA/D変
換器ADC2より入力された温度検出信号に基づいて出
力電圧の温度補正を行うマイクロコンピュータ2、補正
後の出力電圧を、I/Oインタフェースを通して入力し
アナログ変換して検出ユニット(図示しない)に出力す
るD/A変換器DACより構成される。
【0030】マイクロコンピュータ2は信号処理を行う
CPU2a、出力電圧を補正処理するための各種処理情
報を記憶したROM2b、A/D変換器ADC1,AD
C2より入力された各出力電圧および演算結果を記憶す
るRAM2cを有する。
【0031】実施の形態1.以下、本実施の形態に係る
回転位置センサの出力電圧補正方法について説明する。
ホール素子は磁束密度の変化に応じて出力電圧がリニア
に変化するため、マグネットを装着した回転軸の回転角
度の変化に伴ってホール素子を通る磁束密度が変化する
と出力電圧Vout1は、図9に示すように変化する。
【0032】しかし、回転系の機械的なガタやセンサ素
子の出力電圧に電磁ノイズが乗ると出力電圧のレベルが
変動するため、検出ユニットが出力電圧Vout1に基
づいて回転角度を検出すると誤検出を招くおそれがあ
る。
【0033】従って、本実施の形態では、回転位置セン
サの出力電圧に基づいて検出を要する回転角度、例え
ば、回転角度30°を挟む±10°の回転角度範囲では
出力電圧Vout2をA、回転角度60°を挟む±10
°の回転角度範囲では出力電圧Vout2をB、回転角
度90°を挟む±10°の回転角度範囲では出力電圧V
out2をC、回転角度120°を挟む±10°の回転
角度範囲では出力電圧Vout2をD、回転角度150
°を挟む±10°の回転角度範囲では出力電圧Vout
2をE、回転角度180°を挟む±10°の回転角度範
囲では出力電圧Vout2をFとするように、各回転角
度範囲に対するセンサ出力電圧Vout2のセンサ出力
特性を図10に示すように階段状に設定する。
【0034】この階段状に設定したセンサ出力特性に沿
って出力電圧Vout2を出す場合に、ホールIC側で
は、図9に示す実センサ出力特性に沿って検出した出力
電圧Vout1より回転角度を検出し、この回転角度を
階段状に設定したセンサ出力特性における回転角度に置
き換え、この回転角度に対する出力電圧Vout2を判
定して出力する。
【0035】尚、例えば、回転角度30°付近の実セン
サ出力電圧を検出した際に、機械的なガタにより出力電
圧が変動しても、変動レベルが回転角度35°に対応す
る電圧レベルであれば、この電圧レベルは回転角度30
°を挟む±10°の回転角度範囲における出力電圧Vo
ut2(=A)であるため、変動レベルは電圧レベルA
に吸収され、変動レベル分は出力電圧として検出ユニッ
トに出力されることはない。
【0036】以下、上記状況を踏まえて本実施の形態の
動作について図6〜図12を参照して説明する。各図面
中、図6は回転角度に対応する出力電圧の関係を示す回
転角度/出力電圧テーブル(1)(図11を参照)、回
転角度に対応する補正出力電圧の関係を示す回転角度/
出力電圧テーブル(2)(図12を参照)の作成ルーチ
ンを示すフローチャートである。図7は回転角度xより
補正後の出力電圧Vout2を求めるルーチンを示すフ
ローチャートである。図8は出力電圧Vout2の演算
ルーチンを示すフローチャートである。
【0037】図9は回転角度に対する実出力電圧Vou
t1の関係を示すセンサ出力特性図であり、この特性図
を基準として図11に示す回転角度/出力電圧テーブル
(1)を作成する。図10は回転角度に対する補正後の
出力電圧Vout2に関係を示すセンサ出力特性図であ
り、この特性図を基準として図12に示す回転角度/出
力電圧テーブル(2)を作成する。
【0038】先ず、動作として、CPU2は図示しない
データ入力手段により図9に示すセンサ出力特性図に沿
って測定した回転角度に対応した実の出力電圧Vout
1をホール素子HEより入力する(ステップS1)。こ
れら回転角度と実出力電圧Vout1は図11に示すよ
うにテーブル(1)に編集されて、CPU制御の基に図
示しないROMライタによりROM2bに記憶される
(ステップS3)。
【0039】上記回転角度範囲で、図10に示すように
補正後のセンサ出力特性に沿って各回転角度範囲毎に補
正後の出力電圧Vout2をCPU2に入力し、これら
回転角度と補正後の出力電圧Vout2は図12に示す
ようにテーブル(2)に編集されて、CPU制御の基に
図示しないROMライタによりROM2bに記憶される
(ステップS3)。
【0040】回転角度/出力電圧テーブル(2)におい
て、図10のセンサ出力特性図に示すように、回転角度
に関わりなく常に一定の補正後の出力電圧Vout2を
出す回転角度範囲以外、例えば回転角度範囲70°〜8
0°の範囲においては、y=ax+ωにて回転角度xに
対する出力電圧(Vout2)yを求める。ここで、a
は直線の傾きを決める比例定数、ωは本回転角度範囲に
入る直前の回転角度範囲50°〜70°における出力電
圧Vout2である。
【0041】次に回転角度0°における立ち上がり電圧
を0.5Vに設定すると共に、比例定数aを初期設定す
る(ステップS7)。次に図9に示される実出力電圧V
out1を入力し(ステップS9)、この実出力電圧V
out1を回転角度/出力電圧テーブル(1)と照合
し、回転角度xを認識する(ステップS11)。
【0042】回転角度xを認識したならば、本回転角度
xは何れの回転角度範囲にあるか判定する。この回転角
度xが0≦x≦20の範囲にあると判定したならば(ス
テップS13)、A0を0.5とし、y=ax+A0の演
算して当該回転角度xに対する補正後の出力電圧Vou
t2(=y)を演算する(ステップS15,17)。
【0043】この演算された補正後の出力電圧Vout
2は、I/Oインタフェースを通してD/A変換器DA
Cに送られアナログ信号に変換されて検出ユニットに送
られ、出力電圧Vout2より回転角度を検出する。次
に、ステップS9に戻り実センサ出力電圧Vout1を
入力し(ステップS9)、この実出力電圧Vout1を
回転角度/出力電圧テーブル(1)と照合し、回転角度
xを認識する(ステップS11)。
【0044】回転角度xを認識したならば、本回転角度
xは何れの回転角度範囲にあるか判定する。この回転角
度xが20≦x≦40の範囲にあると判定したならば
(ステップS19)、回転角度/出力電圧テーブル
(2)に示すように、当該回転角度範囲に対する出力電
圧Vout2をAと判定する。次に、ステップS9,1
1の処理を通して回転角度xが、依然として20≦x≦
40の範囲にあると判定したならば(ステップS1
9)、出力電圧Vout2をAと判定する。
【0045】更に、ステップS9,11の処理を通して
回転角度xが、40≦x≦50の範囲にあると判定した
ならば(ステップS19)、出力電圧Vout2の演算
処理を行う(ステップS25)。この演算処理は、図8
に示すように、前回回転角度範囲における出力電圧Vo
ut2(n−1)(=A)をRAM2cより読み出して
ωに移行し(ステップS41,43)、y=ax+ωを
演算する(ステップS45)。演算結果yは補正出力V
out2に移行され、ステップS9に戻る。
【0046】以上の動作を回転動作が継続され実センサ
出力電圧Vout1が入力される限り継続される。この
結果、予め設定された回転角度範囲において回転むらが
生じ出力電圧が変動しても変動レベルは、前記回転角度
範囲に対応した一定電圧レベルに吸収されるため、回転
むらによる回転角度の誤検出を阻止することができる。
【0047】実施の形態2.ホール素子を用いた回転位
置センサは、回転角度に対する出力電圧を直線性良く得
られる回転角度範囲で使用するのが通常である。しか
し、特に良好な直線性を要求しない場合は、検出角度範
囲が狭くなるという不具合がある。本実施の形態は、広
角度検出を実現するためのセンサ出力電圧の補正方法を
実施するものである。尚、方法を具現化するためのセン
サの構成は実施の形態1と同様である。
【0048】本実施の形態2では、ROM2bに予め図
13の(a)に示すセンサ出力特性に沿って各回転角度
に対する出力電圧Voutを同図の(c)に示すように
編集してテーブル1として記憶させる。図13の(a)
に示すセンサ出力特性であると、実出力電圧Vout1
範囲0V〜5Vは回転角度範囲90°±30°の狭い角
度検出結果にしか適用していない。本実施の形態は、同
図の(b)に示すように、出力電圧Vout2範囲0V
〜5Vを回転角度範囲90°±90°の広い角度検出結
果に適用して検出範囲を広角度にするものである。
【0049】従って、従来、検出ユニットは実出力電圧
Vout1範囲0V〜5Vにおいて回転角度範囲90°
±30°しか検出できなかったが、本実施に形態では回
転角度範囲90°±90°の広い角度を検出できる。な
お、出力電圧Vout2範囲0V〜5Vで検出できる回
転角度範囲は90°±90°に限定するものではない。
【0050】この補正方法を実施するために、0°〜1
80°の回転角度範囲における実出力電圧Vout1の
補正値をテーブル1に記録させ、例えば180°におい
て8Vの実出力電圧Vout1が出されたならば、この
8Vを5Vに減少させる補正値(−3V)を、0°にお
いて−3Vの実出力電圧Vout1が出されたならば、
この−3Vを0Vに増加させる補正値(+3V)を格納
する。
【0051】以下、同様に60°に対する0Vの実出力
電圧Vout1を1Vにする補正値(+1V)を、75
°に対する1Vの実出力電圧Vout1を2Vにする補
正値(+1V)を、110°に対する4Vの実出力電圧
Vout1を3Vにする補正値(−1V)を、120°
に対する5Vの実出力電圧Vout1を4Vにする補正
値(―1V)を格納する。90°では補正値を0とす
る。そして同図の(c)に示すテーブル2をROM2b
に作成する。
【0052】以下、実出力電圧Vout1より60°の
回転角度がテーブル1の参照結果から認められたなら
ば、テーブル2より60°に対する0Vの実出力電圧V
out1を1Vにする補正値(+1V)を検索し、実出
力電圧Vout1(=0)に1Vを加算する。
【0053】このように各回転角度毎の実出力電圧Vo
ut1に、テーブル2に示す各回転角度毎の補正値で加
減算して0V〜5Vの範囲で出力電圧Vout2を求
め、検出ユニットへ出力することで、検出ユニット側で
は出力電圧0V〜5Vの範囲を回転角度0°〜180°
として認識する。この結果、検出ユニットに出力する電
圧範囲0V〜5Vを変更せず検出角度範囲を拡大するこ
とができる。
【0054】実施の形態3 ホール素子に磁束を与えるマグネットは大きな温度依存
性を持っており、磁界が消滅する温度をキューリ点とし
て公知である。従って、マグネットの周辺温度が上昇し
磁束密度が減ると出力電圧も当然低下する。
【0055】そこで本実施の形態は各設定温度毎に、各
回転角度対応で温度補正量(V)を電圧レベルで図14
のテーブルで示すように設定し、当該設定温度T2℃が
温度センサTS(図5参照)により検出されたならば、
各回転角度対応の出力電圧に温度補正量(V)を加算
し、通常温度T1℃における出力電圧Voutに補正し
て検出ユニットに出力する。この場合、温度補正量はマ
グネットの温度特性、磁束密度、、出力電圧の傾きに応
じて決める。
【0056】補正処理の方法としては、温度センサTS
の出力よりマグネット周囲の温度が検出され、当該周囲
温度T2℃におけるホール素子の出力電圧から、図11
に示すテーブルより回転角度が検出されたならば、当該
回転角度に対応する温度補正量(V)をテーブルより検
索し、この温度補正量(V)を現在の出力電圧に加算し
て通常温度T1℃における出力電圧Voutに補正す
る。この結果、検出ユニットに出力される電圧Vout
は通常温度T1℃における出力電圧Voutに補正され
た値となる。
【0057】回転位置センサはマグネットの温度依存性
による磁束密度の変化の影響は低減したセンサ出力を検
出ユニットに送ることができるため、検出ユニットは温
度変化に拘わらずセンサ出力電圧より正確な回転角度を
検出することができる。
【0058】
【発明の効果】この発明によれば磁石と、この磁石の磁
束密度成分を測定する磁束密度センサHと、この磁束密
度センサと前記磁石とを移動手段により前記磁石の着磁
軸に沿って相対的に回転移動させた時の相対的な回転角
度に対応する実出力電圧を、前記磁束密度センサによる
測定信号に基づいて演算する信号処理部CEとを備え、
この信号処理部CEは、前記実出力電圧のレベルを予め
設定したレベルに補正演算して出力するレベル補正手段
を備え、回転角度に対する実出力電圧のレベルをレベル
補正手段にて予め設定したレベルに補正して出力するこ
とで、実出力電圧のレベルが外的な擾乱で変動しても擾
乱分を補正レベルに吸収できるため、擾乱による影響を
受けない回転位置検出信号を得ることができるという効
果がある。
【0059】この発明によれば、レベル補正手段は、回
転角度に対する実出力電圧を求める実出力電圧演算手段
と、この実出力電圧演算手段より求めた実出力電圧より
回転角度を求め、この各回転角度に対する信号補正レベ
ルを予め記憶したテーブルより求める補正レベル演算手
段とを備え、各回転角度に対する信号補正レベルをテー
ブルより求め、この信号補正レベルにより実出力電圧の
レベルを補正することで、回転角度に対する出力電圧の
レベル補正を容易に行うことができるという効果があ
る。
【0060】この発明によれば、補正レベル演算手段
は、回転角度に対する出力電圧の関係を、所定の回転角
度範囲において一様にした各回転角度に対する信号補正
レベルを予め記憶したテーブルを備え、所定回転角度範
囲においては、一様の信号補正レベルをテーブルより読
み出し、所定回転角度範囲に対する出力電圧をこの信号
補正レベルに平準化することで、回転むら、あるいは磁
束密度センサの出力に混入したノイズよる実出力電圧の
変動分を平準化した信号補正レベルに吸収することがで
きるため、外乱の影響を排除した回転位置検出信号を得
ることができるという効果がある。
【0061】この発明によれば、補正レベル演算手段
は、各回転角度に対する実出力電圧に対して所定の算術
演算を施す信号補正レベルを予め記憶したテーブルを備
え、各回転角度に対する実出力電圧に対して算術演算を
施し、電圧レベルを補正する信号補正レベルをテーブル
より読み出し、この信号補正レベルを実出力電圧の加減
算して電圧レベルを補正することで補正処理を容易に行
うことができるという効果がある。
【0062】この発明によれば、レベル補正手段は、所
定の回転角度範囲においては各回転角度に対する出力電
圧を、回転角度を変数とした所定の関数式にて求めるこ
とで、回転位置検出値の分解能を高めることができると
いう効果がある。
【0063】この発明によれば、磁石MGと、この磁石
MGの磁束密度成分を測定する磁束密度センサHと、こ
の磁束密度センサHと前記磁石MGとを移動手段Sによ
り前記磁石MGの着磁軸に沿って相対的に回転移動させ
た時の相対的な回転角度に対応する実出力電圧を前記磁
束密度センサHによる測定信号に基づいて演算する信号
処理部CEと、前記磁石周囲の温度を検出する温度検出
手段とを備え、信号処理部CEは、前記実出力電圧のレ
ベルを、前記温度検出手段により検出された温度に応じ
て補正して出力するレベル補正手段を備え、磁石の温度
依存性により変化する磁束密度の変化により変動する磁
束密度センサの出力電圧を、前記温度検出手段により検
出された温度に応じたレベル補正手段で補正して出力す
ることで温度変動の影響を抑えた回転位置検出信号を得
ることができるという効果がある。
【0064】この発明に係る回転位置センサにおけるレ
ベル補正手段は、各周囲温度毎に、各回転角度に対する
実出力電圧の補正量を記憶したテーブルを有し、検出し
た周囲温度に対しては当該テーブルに記憶した補正量で
実出力電圧を補正する補正レベル演算手段を備え、補正
レベル演算手段は、各周囲温度毎の各回転角度に対する
実出力電圧の補正量を記憶したテーブルを参照し、実出
力電圧を検出時の周囲温度に応じた補正量で補正するこ
とで温度変動の影響を抑えた回転位置検出信号を得るこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の回転位置センサの基本構成図
である。
【図2】図2は回転位置センサの平面図である。
【図3】図3は回転位置センサのカバー部とケース部と
を分離した場合の回転位置センサの縦断面図である。
【図4】図4は回転位置センサのカバー部とケース部と
を合体した場合の回転位置センサの縦断面図である。
【図5】図5は回転位置センサを構成するホールICの
電気的構成図である。
【図6】図6は本実施の形態の動作を説明するフローチ
ャートである。
【図7】図7は回転位置センサにおけるホール素子の出
力電圧の補正動作を説明するフローチャートである。
【図8】図8は回転位置センサにおけるホール素子の出
力電圧を関数演算により補正する動作を説明するフロー
チャートである。
【図9】図9は回転角度とホール素子の出力電圧との関
係を示すセンサ出力特性図である。
【図10】図10は補正後のホール素子の出力電圧と回
転角度との関係を示すセンサ出力特性図である。
【図11】図11は回転角度と出力電圧との関係を示す
テーブルである。
【図12】図12は回転角度と補正後の出力電圧との関
係を示すテーブルである。
【図13】図13は回転角度と出力電圧との関係を示す
センサ出力特性図と回転角度と出力電圧との関係を示す
テーブルである。
【図14】図14は回転角度と温度補正後の出力電圧と
の関係を示すセンサ出力特性図と回転角度と温度補正後
の出力電圧との関係を示すテーブルである。
【符号の説明】
HE 磁束密度センサ MG 磁石 C コア S 回転軸 2a 信号処理部 2a−0 レベル補正手段 2a−1 実出力電圧演算手段 2a−2 補正レベル演算手段 TB0〜TB3 テーブル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁石と、この磁石の磁束密度成分を測定
    する磁束密度センサと、この磁束密度センサと前記磁石
    とを移動手段により前記磁石の着磁軸に沿って相対的に
    回転移動させた時の相対的な回転角度に対応する実出力
    電圧を、前記磁束密度センサによる測定信号に基づいて
    演算する信号処理部とを備え、この信号処理部は、前記
    実出力電圧のレベルを予め設定したレベルに補正演算し
    て出力するレベル補正手段を備えたことを特徴とする回
    転位置センサ。
  2. 【請求項2】 前記レベル補正手段は、回転角度に対す
    る実出力電圧を求める実出力電圧演算手段と、この実出
    力電圧演算手段より求めた実出力電圧から回転角度を求
    め、この各回転角度に対する信号補正レベルを予め記憶
    したテーブルより求める補正レベル演算手段とを備え、
    前記実出力電圧を前記信号補正レベルで補正することを
    特徴とする請求項1に記載の回転位置センサ。
  3. 【請求項3】 前記補正レベル演算手段は、回転角度に
    対する出力電圧の関係を、所定の回転角度範囲において
    一様にした各回転角度に対する信号補正レベルを予め記
    憶したテーブルを備えたことを特徴とする請求項2に記
    載の回転位置センサ。
  4. 【請求項4】 前記補正レベル演算手段は各回転角度に
    対する実出力電圧に対して所定の算術演算を施す信号補
    正レベルを予め記憶したテーブルを備えたことを特徴と
    する請求項2に記載の回転位置センサ。
  5. 【請求項5】 前記レベル補正手段は、所定の回転角度
    範囲においては各回転角度に対する出力電圧を、回転角
    度を変数とした所定の関数式にて求めることを特徴とす
    る請求項1に記載の回転位置センサ。
  6. 【請求項6】 磁石と、この磁石の磁束密度成分を測定
    する磁束密度センサと、この磁束密度センサと前記磁石
    とを移動手段により前記磁石MGの着磁軸に沿って相対
    的に回転移動させた時の相対的な回転角度に対応する実
    出力電圧を前記磁束密度センサによる測定信号に基づい
    て演算する信号処理部と、前記磁石周囲の温度を検出す
    る温度検出手段とを備え、信号処理部は、前記実出力電
    圧のレベルを、前記温度検出手段により検出された温度
    に応じて補正して出力するレベル補正手段を備えたこと
    を特徴とする回転位置センサ。
  7. 【請求項7】 前記レベル補正手段は、各周囲温度毎
    に、各回転角度に対する実出力電圧の補正量を記憶した
    テーブルを有し、検出した周囲温度に対しては当該テー
    ブルに記憶した補正量で実出力電圧を補正する補正レベ
    ル演算手段を備え、各回転角度毎に実出力電圧を温度補
    正した出力電圧を出力することを特徴とする請求項5に
    記載の回転位置センサ。
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