JP2002206509A - ハイドロフォーム成形用軸押装置 - Google Patents
ハイドロフォーム成形用軸押装置Info
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Abstract
ってそのパイプを成形するハイドロフォーム成形におい
て用いられ、そのパイプの開口端を軸方向に押圧するた
めの軸押装置であって、ピストンが受ける反力をバラン
スさせることが可能であることに加え、極めて小型に構
成することのできる軸押装置を提供する。 【解決手段】 パイプ3に当接するピストン10と、ピ
ストン10を内装しそのピストン10に軸方向に圧力を
負荷するシリンダ20とを備えてなる軸押装置1におい
て、シリンダ20内にそのシリンダ20とピストン10
とにより区画されそのピストン10の移動に伴って容積
が変化する空間41を形成し、かつ、ピストン10内に
空間41とパイプ3の内部とを導通する導通路42を形
成し、空間41および導通路42に加工液を充満させる
ことにより、その空間41を、加工液からの反力に対す
る抗力をピストン与える反力バランス室として機能させ
る。
Description
体の圧力によりパイプを成形するハイドロフォーム成形
において、そのパイプの開口端を軸方向に押圧するため
の軸押装置に関する。
工とも呼ばれる成形方法であって、被成形物となるパイ
プを成形型内に挿入し、その開口端を軸押装置で押圧す
ることによって閉塞し、その状態でパイプ内部に水等の
液体(以下、「加工液」という)を充満させ、その加工
液を加圧してパイプを内部から押し拡げ、成形型のキャ
ビティに応じた形状に成形する加工方法である。このハ
イドロフォーム成形に従来から用いられている軸押装置
は、一般には、単純な構造のシリンダ装置が用いられ、
ピストンの前端をパイプの端部に当接して軸方向に押圧
する。このような軸押装置では、ピストンの前端が加工
液の大きな反力を受けるため、それに対抗する力を負荷
し続けなければならず、かなり大型化した装置にならざ
るを得なかった。
液圧による変形のみでなく、それと同時に軸押装置の押
圧力によって積極的にパイプに圧縮変形を生じさせて成
形を行う方法も採用される。この場合、加工液をパイプ
内部から漏らさないつまりシールするための押圧力のみ
でなく、パイプを圧縮変形させる押圧力をも必要とする
ため、軸押装置がさらに大型化してしまう。また、その
場合、良好な成形を行うためには成形速度も適切なもの
でなくてはならず、加工液からの反力が成形開始から成
形程度に応じて微妙に変化することから、この反力変化
を検知しつつパイプの圧縮変形を生じさせる押圧力を適
切なものに制御することが必要となる。ところが、端部
シールのための押圧力が、パイプの圧縮変形の押圧力に
比較して大きいことから、その制御は困難を極める。ピ
ストン前端から受ける加工液の反力を消去あるいは緩和
することができれば、パイプの端部を押圧する力は小さ
なものとなるため、軸押装置は小型化が可能であり、ま
た、パイプの圧縮変形を積極的に利用する場合にも押圧
力の制御は容易になる。
て、例えば、特開昭38−17158号公報に記載され
るような技術が存在する。この公報に記載された軸押装
置は、パイプの軸直内断面積(軸直断面においてパイプ
の内壁面によって区画される部分の面積;丸パイプの場
合は内径を直径とする円の面積となる)と同じ軸直断面
積をもつようにピストンの後端部を成形し、その後端部
をシリンダの後方に突出させ、加工液が充満しシリンダ
とは別体として形成された反力消去室にその後端部を挿
入して構成される軸押装置である。この軸押装置によれ
ば、ピストンに設けられた軸方向に貫通する孔により、
パイプの内部と反力消去室とは加工液が導通するように
なっており、パイプの内の液圧は反力消去室に導圧され
ることで、ピストンの前端が受ける加工液からの反力
を、ピストン後端が受ける反力消去室の加工液からの力
とバランスさせて消去することが可能となる。
去することで、パイプ端部を押圧するためにシリンダが
発生させなければならない押圧力を小さくできるという
効果が得られる。しかし、反力消去室を、シリンダとは
別体として設けているため、その軸押装置では、装置全
体の小型化は達成されていなかった。
らのハイドロフォーミング成形に用いられる軸押装置の
抱える問題を解決することを目的としてなされたもので
あり、ピストンが受ける反力をバランスさせることが可
能であることに加え、極めて小型に構成することのでき
る軸押装置を提供することを課題としている。
フォーム成形用軸押装置は、パイプの内部に加工液を充
満しその液圧によって該パイプを成形するハイドロフォ
ーム成形において用いられ、該パイプの開口端を軸方向
に押圧するための軸押装置であって、前端が前記パイプ
の開口端に当接するピストンと、前記ピストンを内装
し、該ピストンに軸方向に圧力を負荷するシリンダとを
備えてなり、前記シリンダ内に該シリンダと前記ピスト
ンとにより区画され該ピストンの移動に伴って容積が変
化する空間が形成され、かつ、該ピストン内に該空間と
前記パイプの内部とを導通する導通路が形成され、前記
空間および前記導通路に前記加工液が充満することによ
り、該空間が、加工液からの反力に対する抗力をピスト
ンへ与える反力バランス室として機能することを特徴と
する(請求項1に対応)。
端が受ける加工液からの反力をバランスさせるための反
力バランス室を、シリンダ内に設けるものである。ピス
トン内に形成された導通路は、成形されるパイプの内部
とこの反力バランス室とを導通することで、パイプ内部
の液圧が反力バランス室に導圧され、ピストンの前端が
受ける加工液からの反力に抗う力を後方から負荷するこ
とで、両者の力をバランスさせることが可能となる。し
たがって、パイプ端を押圧するためにシリンダからピス
トンに負荷される力は小さなものとすることができる。
言い換えれば、本発明の軸押装置は、加工液の液圧によ
って駆動するもうひとつのシリンダ装置をシリンダ内に
内蔵する装置、すなわち二重構造のシリンダ装置と考え
ることができる。
力消去室がシリンダの外部に別室として存在しているの
に対し、シリンダ内部に反力バランス室を設けたこと
で、本発明の軸押装置は、ピストンが受ける反力をバラ
ンスさせることが可能であることに加え、極めて小型の
軸押装置となる。
ス室がシリンダの内部に存在すればよく、その具体的態
様を特に限定するものではない。その1つの望ましい態
様として、反力バランス室となる前記空間は、前記ピス
トンに軸方向に穿設され後端部に開口する有底孔と前記
シリンダの後端部から軸方向前方に突出し該有底孔に嵌
挿されるロッドとにより区画され、前記ピストン内部に
形成されているように構成することができる(請求項2
に対応)。
パイプを押圧する向きを意味する。つまり、ピストン前
端がパイプの端部を押圧すべく移動しようとする向きを
意味する。また、シリンダの「後端部」とは、シリンダ
において軸方向後方(前記「軸方向前方」の反対方向を
意味する)に位置する部分を意味する。一般のシリンダ
装置がそうであるように、有底円筒状のシリンダの場合
は、その底部を意味する。
設された有底孔がもう一つのシリンダとして機能し、シ
リンダから突出するロッドがもう一つのピストンとして
機能することになる。つまり、シリンダ内部のさらにピ
ストン内部に別途シリンダ装置を内装する二重構造のシ
リンダ装置となる。本態様の軸押装置は、ピストン内部
に反力バランス室が存在することで、極めて小型の軸押
装置となる。
ン内部に反力バランス室を備える態様に代えて、例え
ば、シリンダの後部内壁面に有底孔を穿設し、ピストン
後端にその有底孔に嵌挿するロッドを付設することで、
ピストンの外部であってシリンダ内部に反力バランス室
を設ける態様の装置とすることもできる。
パイプ内部に充満させる加工液は、通常、軸押装置のピ
ストンの前端からパイプ内に供給される。本発明の軸押
装置の場合、上記導通路がパイプ内部に導通するように
ピストンに形成されているため、その導通路の途中から
分岐されピストン外面で装置外部に通じる供給路を設
け、この通路から供給することができる。そして、この
供給路を外部配管等によって加圧装置に接続し、その加
圧装置によって加工液を加圧すればよい。また、成形時
にパイプの内部に空気等の気体が残存すると成形に悪影
響を及ぼすため、パイプ内の気体を装置外へ逃がす必要
がある。導通路から分岐する上記通路は、気体を逃がす
ための排出路として用いることもできる。
いは気体を逃がすための排出路を設ける場合、ピストン
は成形過程において前方移動するため、加圧装置等の外
部装置とピストンまでの配管は、ホース等のフレキシブ
ルなものとしなければならない。このようなフレキシブ
ルな配管は、加工液の液圧が高圧であることから、その
構造が複雑になってしまうことに加え、また、その取り
回しも煩雑なものとなってしまう。そこで、本発明の軸
押装置では、ピストン内部に反力バランス室を設ける上
記態様の場合において、前記空間と前記シリンダ外部と
を導通する第2の導通路が前記ロッドに形成されている
ように構成することができる(請求項3に対応)。
2の導通路は、シリンダ外部から反力バランス室および
パイプ内部に加工液を供給するための加工液の供給路、
あるいは、パイプ内部および反力バランス室に残存する
気体を逃がすための排出路となる。この第2の導通路
は、シリンダ後部で装置外部へ通じる。成形時において
シリンダは移動せず固定されているため、加圧装置等の
外部装置までの外部配管は固定配管でよく、構造的にも
単純でかつ取り回しに特別な配慮を必要とせず、この態
様の軸押装置を用いる場合、ハイドロフォーム成形シス
テム自体をシンプルな構成とすることが可能になる。
嵌挿されシリンダより突出するロッドとで区画される空
間を反力バランス室とする上記態様を採用する場合にお
いて、その反力バランス室が発生するピストンへの反力
に抗う力は、そのロッドの軸直断面積との大きさに比例
するものとなる。そこで、かかる態様の本発明の軸押装
置では、前記ロッドを、その軸直断面積が前記パイプの
軸直内断面積に略等しく形成するように構成することが
できる(請求項4に対応)。
プの軸直内断面積に比例して大きくなる。パイプの軸直
内断面積とロッドの軸直断面積とを等しくする場合、パ
イプ内部の加工液がピストンを後方に押す反力と、反力
バランス室内の加工液がピストンを前方に押し戻そうと
する抗力とは、理論的にはその大きさが等しく、両者は
釣り合う。したがって、この態様の本発明の軸押装置で
は、反力が消去され、極めて小さな押圧力を発生するだ
けでよく、装置自体を極めて小型化することが可能とな
る。
ッドの軸直断面積が小さい場合は、反力に比べて抗力が
小さいため、両者の差分だけパイプを押圧する力を余分
に要する。また、パイプの軸直内断面積に比較してロッ
ドの軸直断面積が大きい場合は、抗力が反力に勝るた
め、逆に、軸押装置によってピストンを後退させようと
する向きに圧力を発生させなければならない。しかし、
これらの場合であっても、両断面積の差がそれほど大き
くないときは、軸押装置に必要とされる押圧力は小さ
く、軸押装置の小型化という目的は充分に達成される。
ンは、前記パイプに当接する前端を含む前端部分がパイ
プの外形に応じて交換可能な構造とすることもできる
(請求項5に対応)。一般に、軸押装置のピストンは、
その前端部が成形型の内部に挿入される。したがって、
被成形物であるパイプの太さ、例えば丸パイプの場合は
その外径によって、成形型に挿入される前端部の形状を
変更しなければならない。従来の通常の軸押装置では、
ピストンがその前端部までもが一体となる構造をなして
いたため、被成形物を変更する際に軸押装置自体を交換
しなければならなかった。この軸押装置の交換は、煩雑
であり、長時間を要するものとなっていた。これに対
し、本態様の軸押装置では、前端部分のみを交換可能で
あるため、被成形物の変更に簡便かつ迅速に対応できる
という点で実用的であり、本装置を用いれば、設備コス
トの低減に加え、段取り替えにおける時間ロスの少ない
作業が担保される。
て、図を参照しつつ、その一例となるものを詳細に説明
し、さらに、その変形形態を説明した後、他の実施形態
にまで言及する。
に、本発明の一実施形態である軸押装置を用いたハイド
ロフォーミング成形システムの主要部を示す。図1は、
成形前の状態を示しており、図2は、成形途中の状態を
示している。
主に、本発明の実施形態である軸押装置1と、上型2a
と下型2bとからなる成形型2とから構成される。図で
は省略してあるが、軸押装置1は、成形型2の左右両側
に1対配置されている。成形型2には、被成形物となる
パイプ3が定置され、成形に供される。
0と、ピストン10を内装するシリンダ20とからな
る。図では省略しているが、成形型2およびシリンダ2
0は、共にベース(架台)に固定して取り付けられてお
り、成形型2に対しシリンダ20はその位置が固定され
ており、成形型2に対してピストン10が変位するよう
になっている。本軸押装置1は、油圧で作動する複動シ
リンダ装置であり、ピストン10は、大きく分けて、前
部に位置する棒状のロッド部10aと後部に位置する油
圧を受ける受圧部10bとからなり、それぞれシリンダ
20の内壁面とOリング31a、31bによりシールさ
れることにより、2つの油圧室32a、32bが形成さ
れている。シリンダ20にはそれぞれシリンダ20外に
通ずる油供給路33a、33bが設けられており、これ
らからそれぞれの油圧室32a、32bに作動油が供給
される。なお、油供給路33a、33bは、図示してい
ない油圧配管が接続され、この油圧配管は図示していな
い油圧ポンプに繋がっており、その油圧ポンプを駆動さ
せることで、ピストン10はシリンダ20から軸方向に
圧力を負荷され、前進移動または後退移動が可能とな
り、軸押装置1の押圧力が発生する。
その一部、詳しくはシリンダ20の外部に位置する前端
部10cが脱着可能に形成されており、後で詳しく説明
するが、被成形物であるパイプに応じて交換することが
できる。この前端部10cは、成形型内に挿入され、そ
の前端10dがパイプ3の開口端3aに当接するように
なっており、軸押装置1によってパイプ3はその開口端
3aが軸方向に押圧されることになる。
シリンダ20とピストン10とで区画されピストン10
の移動に伴って容積が変化する空間41が形成されてい
る。詳しくは、その空間41は、ピストン10に軸方向
に穿設され後端部に開口する有底孔11と、シリンダ2
0の一部をなしシリンダ20の後端部から軸方向前方に
突出し有底孔11に嵌挿されるロッド21とにより区画
され、ピストン20の内部に形成されている。
プ3の開口端3aに当接した状態において、ピストン1
0の内部にその空間41とパイプ3の内部とを導通する
導通路42が形成されている。詳しくは、ピストン10
の軸方向に真っ直ぐに穿設された貫通孔が空間41とパ
イプ3の内部を導通し、加工液が自由に通過することが
できるようになっている。
リンダ20の外部とを導通する第2の導通路43がロッ
ド21に形成されている。詳しくは、ロッド21および
シリンダ20の後部をともに貫通する貫通孔が形成され
ている。この第2の導通路43は、図示していない加圧
装置(例えば、油圧水圧コンバータ等が該当する)に繋
がっており、この第2の導通路43を経由して加工液
(主に、水等が用いられる)が供給されるとともに、パ
イプ3の内部に液圧を負荷できるようになっている。
にはこの第2の導通路は必ずしも必要ないが、同様に第
2の導通路を設けた場合、その第2の導通路は、加工液
をパイプ内部に供給する際に、パイプ内部に残存する空
気を系外に排出する排出路としての役割を果たすことが
可能となる。ちなみに、成形時には、その第2の導通路
はバルブ等で塞ぎ、加工液に液圧を与えればよい。
は開型しており、パイプ3は所定の位置にセットされ
る。その後、成形型2は閉型し、次いで、軸押装置1の
ピストン10が前進して前端10dが成形型2内のパイ
プ3の開口端3aに当接する。そして、加圧装置に繋が
る第2の導通路42より加工液が、パイプ3の内部に供
給される。加工液が供給された状態においては、上記空
間41および上記導通路41に加工液が充満する状態と
なる。
の開口端3aに加えることによって、その開口端3aと
ピストン10の前端10dとの間からの加工液の漏れ出
しを阻止した状態で、加圧装置によって加工液に圧力を
加える。加工液の液圧によって、パイプ3は内部から成
形圧が加えられることになり、パイプ3は拡管変形して
成形型2のキャビティに押し付けられ成形される。パイ
プ3の拡管は軸方向にも変形を伴う。つまり、パイプ3
はその長さが短くなるため、開口端3aの後退に追従し
てピストン10を前進させる。また、より積極的に圧縮
変形をさせるべく、ピストン10によりパイプを加圧し
つつピストンを前進させてもよい。
ン10は前端10dより反力を受ける。本軸押装置1で
は、上記空間41は、その反力を消去する抗力をピスト
ンに与える。つまり、空間41は、反力バランス室とし
て機能する。空間41内にも導通路42によりパイプ3
の内部の液圧が導圧されており、空間41内の液圧によ
り、ピストンは押し戻す力を与えられる。ちなみに、本
軸押装置1では、パイプ3の軸直内断面積(図2におい
て、パイプ内の加工液がピストン10の前端10dに接
する面積に相当)と、空間41の軸直断面積(図2にお
いて、ロッド21の前端が空間41内の加工液に接する
面積に相当)とが等しく設計されており、上記反力とそ
れに抗う抗力とはその大きさが等しいため、両者は消去
される。したがって、小さい押圧力をパイプ3の開口端
3aに加えれるだけでパイプ3の開口端3aはシールさ
せることになり、軸押装置のより小型化が図れる。
プの圧縮変形を利用して成形を行う場合も、その押圧力
は本軸押装置1によって負荷される。その際、成形途中
に加工液からの反力は変化し続けるため、その変化に追
従するように押圧力を変化させなければならない。パイ
プ3からの上記反力は圧力バランス室(空間41)によ
る抗力とバランスしているため、パイプ内部の液圧を検
知しその値をフィードバックして軸押装置の押圧力を制
御するといった複雑な制御を必要とせず、極めて簡便な
制御で良好なハイドロフォーム成形が可能になる。
の中にロッド21がピストンとなり、かつ、ピストン1
0の有底孔11がシリンダとなるもう一つのシリンダ装
置が内蔵されていると考えることができる。つまり、二
重構造のシリンダ装置である。そこで内装されるシリン
ダ装置としての機能を担保するため、ピストン10の前
端部10cとロッド部10a本体との間、有底孔11と
ロッド21との摺動部、ロッド21のシリンダ20の本
体との接続面のそれぞれは、Oリング34でシールされ
る構造となっている。本軸押装置1は、二重構造のシリ
ンダ装置という構造を採用することで、極めて小型の軸
押装置が達成される。
では、ピストン10の前端部10cが脱着可能に形成さ
れている。そこで、被成形物となるパイプの断面形状に
対応して、その前端部10cを取り替えて実施する形態
について説明する。図3に、太いパイプに対応する形式
のピストン前端部を装備する軸押装置を示し、図4に、
細いパイプに対応する形式のピストン前端部を装備する
軸押装置を示す。図3および図4に示すいずれの軸押装
置1も、上記軸押装置のピストンの前端部のみを交換し
ただけのものであることから、その詳しい説明は省略す
る。
液圧によるピストン10に対する反力が発生し、ピスト
ン10の内部に形成された空間41が反力バランス室と
して機能することで、その反力に抗う抗力がピストン後
部より負荷される。図3に示す装置の場合は、パイプの
軸直内断面積に比べてロッド21の軸直断面積が小さい
ため、反力に比べて抗力が小さいものとなっている。そ
こでその差分に相当する押圧力をパイプ3の開口端3a
に余分に負荷しなければならない。逆に、図4に示す装
置の場合は、パイプの軸直内断面積に比べてロッド21
の軸直断面積が大きいため、反力に比べて抗力が大きい
ものとなっている。そこでその差分に相当する分だけ押
圧力を減少させる必要がある。
力と抗力との差が大きくない場合には比較的容易に行え
ることから、反力バランス室としての効果は充分に発揮
されることになる。ピストンの前端部のみを交換するこ
とで、各種サイズのパイプの成形に、軸押装置自体を交
換することなく対応できることから、本実施形態の軸押
装置は、極めて実用的な装置となる。
装置はあくまで一例であり、本発明の軸押装置は決して
上記実施形態に限定されるものではない。本発明の軸押
装置は、上記実施形態を始めとして、当業者の知識に基
づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施する
ことができる。
ング成形の場合は、成形型の両側に、つまり、パイプの
両方の開口端をシールする態様で軸押装置が2つ設置さ
れている。この態様に代え、パイプの一方の開口端のみ
軸押装置で押圧し、もう一方の開口端は、成形型の内壁
面に当接させることで、軸押装置を1つのみ用いるハイ
ドロフォーム成形が可能となる。
給するためまたは残存する空気を排出するための第2の
導通路が両方の軸押装置に形成されているが、何らかの
空気排出手段を設ければ、加工液を供給し加圧する目的
の第2の導通路をいずれか一方の軸押装置に設ける態様
のものであってもよい。
ロッドを通ってシリンダの後端に通ずるものであるが、
この態様に代えて、例えば、図5に示すように、反力バ
ランス室(空間41)とパイプ内部とを導通する導通路
42に分岐を設け、その導通路42からピストン外へ通
ずる加工液の供給路44とすることができ、この供給路
44を外部の加圧装置に繋いで加工液を加圧し、その液
圧でパイプを成形するものであってもよい。
本発明の軸押装置は、従来の軸押装置と異なり、パイプ
内部の液圧から受ける反力に抗う抗力を発生させる反力
バランス室をシリンダに内蔵するように構成したもので
ある。つまり二重構造のシリンダ装置として構成されて
いる。このような構成としたことで、本発明の軸押装置
は、ピストンが受ける反力をバランスさせることが可能
であることに加え、極めて小型化された軸押装置とな
る。
ハイドロフォーミング成形システムの主要部であって、
成形前の状態を示す。
ハイドロフォーミング成形システムの主要部であって、
成形途中の状態を示す。
を装備する態様の本発明の軸押装置を示す。
を装備する態様の本発明の軸押装置を示す。
導通路から分岐されピストン外へ通ずる加工液の供給路
を有する態様の本発明の軸押装置を示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 パイプの内部に加工液を充満しその液圧
によって該パイプを成形するハイドロフォーム成形にお
いて用いられ、該パイプの開口端を軸方向に押圧するた
めの軸押装置であって、 前端が前記パイプの開口端に当接するピストンと、 前記ピストンを内装し、該ピストンに軸方向に圧力を負
荷するシリンダとを備えてなり、 前記シリンダ内に該シリンダと前記ピストンとにより区
画され該ピストンの移動に伴って容積が変化する空間が
形成され、かつ、該ピストン内に該空間と前記パイプの
内部とを導通する導通路が形成され、 前記空間および前記導通路に前記加工液が充満すること
により、該空間が、加工液からの反力に対する抗力をピ
ストンへ与える反力バランス室として機能することを特
徴とするハイドロフォーム成形用軸押装置。 - 【請求項2】 前記空間は、前記ピストンに軸方向に穿
設され後端部に開口する有底孔と前記シリンダの後端部
から軸方向前方に突出し該有底孔に嵌挿されるロッドと
により区画され、前記ピストン内部に形成されている請
求項1に記載のハイドロフォーム成形用軸押装置。 - 【請求項3】 前記空間と前記シリンダ外部とを導通す
る第2の導通路が前記ロッドに形成されている請求項2
に記載のハイドロフォーム用軸押装置。 - 【請求項4】 前記ロッドは、その軸直断面積が前記パ
イプの軸直内断面積に略等しく形成されている請求項2
または請求項3に記載のハイドロフォーム成形用軸押装
置。 - 【請求項5】 前記ピストンは、前記パイプに当接する
前端を含む前端部分がパイプの外形に応じて交換可能な
構造をなす請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の
ハイドロフォーム成形用軸押装置。
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Cited By (2)
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JP2006239741A (ja) * | 2005-03-03 | 2006-09-14 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ハイドロピアシング方法およびそれに用いられる装置、並びにハイドロピアシング加工製品 |
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