JP2002206312A - コンクリート充填鋼管の孔部封鎖構造 - Google Patents

コンクリート充填鋼管の孔部封鎖構造

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JP2002206312A
JP2002206312A JP2001237743A JP2001237743A JP2002206312A JP 2002206312 A JP2002206312 A JP 2002206312A JP 2001237743 A JP2001237743 A JP 2001237743A JP 2001237743 A JP2001237743 A JP 2001237743A JP 2002206312 A JP2002206312 A JP 2002206312A
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steel pipe
sleeve
concrete
plug
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Yasuhiko Tsuji
靖彦 辻
Takeharu Serizawa
丈晴 芹沢
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Obayashi Corp
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Obayashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート充填鋼管の鋼管部に蒸気抜き等
を目的として形成された孔部を確実かつ簡便に封鎖する
ことができる構造の提供。 【解決手段】 コンクリート充填鋼管2の鋼管部に形成
された貫通孔部4に柔軟な材料で形成された円筒状のス
リーブ6をはめ込む。スリーブ6の軸心部には中空部8
が形成され、この中空部8に鋼管外側からボルト20が
挿入される。この中空部8の内周にはテーパ状の雌ネジ
部18が形成され、この雌ネジ部18にボルト20が差
し込まれると、雌ネジ部18がテーパ状に形成されてい
るため、スリーブ6全体が径方向へと拡大変形して、そ
の外周部が孔部4内周部に密着される。スリーブ6は孔
部4内に固定され、孔部4は確実に封鎖される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート充填
鋼管(CFT)に蒸気抜き等を目的に形成された孔部を
充填時にコンクリートが流出しないように封鎖する構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、構造物の柱や梁等を構成する構造
材としてコンクリート充填鋼管(CFT)が用いられて
いる。このコンクリート充填鋼管は、鋼管内部にコンク
リートを充填することにより形成されるもので、鋼管内
部のコンクリートによって鋼管の局部座屈が防止される
とともに、コンクリートが鋼管によって外側から拘束さ
れ、高い強度が得られることから、高層または超高層の
建物の構造要素として注目を浴びている。
【0003】このコンクリート充填鋼管には、防災上の
理由から1または複数の孔部が外周に貫通形成されてい
る。この孔部は、火災時に鋼管周囲の温度が上昇したと
きに、鋼管内のコンクリートの水分が蒸発して生成され
た蒸気を外部に放出する機能を有している。
【0004】しかし、このように鋼管外周に孔部が形成
されていると、コンクリートを鋼管内に充填する際に、
鋼管に充填したコンクリートがこの孔部から外部に漏出
してしまい、孔部周辺がコンクリートで汚れることにな
る。この場合、コンクリート充填後に、いちいち孔部の
外側周辺部を清掃しなければならず、相当な労力を費や
すことになる。そこで、従来より、鋼管内にコンクリー
トを充填する際に、例えばゴム等で形成された栓体を孔
部内に挿入し、この栓体で孔部を封鎖し、充填されるコ
ンクリートが漏出しないように防止することが行われて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この封
鎖構造にあっては、コンクリート充填鋼管の孔部の形状
に対応して成形された筒体状の部材を栓体としてはめ込
み、孔部を封鎖する構造であったため、栓体の径寸法が
少しでも大きすぎたり小さすぎたりすると、栓体を孔部
へ挿入し難かったり、また孔部に対し栓体が緩すぎて栓
体を孔部内に十分に固定することができないことがあっ
た。このため、思うように孔部の封鎖作業が進まなかっ
たり、また封鎖作業時に栓体を孔部内に深く挿入し過ぎ
て鋼管内部に落下させてしまったり、また孔部を十分に
封鎖しきれず、コンクリート充填時にコンクリートの圧
力で栓体が孔部から抜け落ちてコンクリートの流出を招
くなどの問題が生じていた。
【0006】そこで、この問題を解消するためにコンク
リート充填鋼管の孔部に挿入した栓体を外側からベルト
で押さえ込んで、栓体が容易に孔部から抜け落ちないよ
うにする構造が提案されている(特開平11−3033
99号公報参照)。しかしながら、この構造では、コン
クリート充填鋼管の外側にベルトを掛け回す作業が必要
であり、また孔部の位置が上下にズレていると孔部ごと
に個別にベルトを掛け回す必要があるなど、非常に不便
であった。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その目的は、コンクリート充填鋼管に形成さ
れた孔部を確実かつ簡便に封鎖でき、コンクリート充填
時にコンクリートの流出を確実に防止することができる
ような作業性の良好なコンクリート充填鋼管の孔部封鎖
構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明の請求項1に係るコンクリート充填鋼管
の孔部封鎖構造にあっては、コンクリート充填鋼管の鋼
管部に貫通形成された孔部を封鎖する構造であって、外
径寸法を拡縮可能な栓体を前記孔部にはめ込み、この栓
体の外径寸法を拡大させて当該栓体の外周部の一部ある
いは全部を前記孔部の内周部に圧着して前記栓体を前記
孔部の内部に固定した構造とする。この構造では、コン
クリート充填鋼管の鋼管部に形成された孔部に栓体をは
め込み、この栓体の外径寸法が拡大して栓体の外周部の
一部あるいは全部が孔部の内周部に圧着されるから、栓
体を孔部内に十分に固定することができ、このため、鋼
管内にコンクリートが圧送されて鋼管内の圧力が高まっ
たときでも、孔部からの抜け落ちを防止することができ
る。これにより、充填コンクリートの流出を確実に阻止
することができる。しかも、栓体を孔部に挿入して外径
寸法を拡大させるだけなので、孔部の封鎖作業が非常に
簡単に済む。また、栓体の外径寸法を収縮させれば、栓
体外周部の孔部内周部への圧着が解放され、栓体を簡単
に孔部から抜き取ることができる。これにより、簡便に
撤去作業を済ませることができる。
【0009】また、請求項2の発明にあっては、外形形
状が前記孔部の形状に対応して成形されかつ軸方向に延
びる中空部を有する径方向に拡縮可能なスリーブを前記
栓体として前記孔部にはめ込み、前記中空部に当該中空
部の最小径よりも外径寸法の大きいインサート部材を挿
入し、このインサート部材により前記スリーブを拡径さ
せてその外周部を前記孔部の内周部に圧着させた構造と
する。この構造では、コンクリート充填鋼管の鋼管部の
孔部にスリーブをはめ込んで、当該スリーブにインサー
ト部材を挿入するだけで、栓体の固定作業を終了させる
ことができ、作業にあまり手間がかからずきわめて短時
間済む。また、撤去時には、インサート部材を抜き取る
だけでスリーブの外周部の圧着を解除することができ、
これによりスリーブを簡単に孔部から撤去することがで
きる。
【0010】また、請求項3の発明にあっては、前記中
空部の内周部に雌ネジ部が形成されるとともに、前記イ
ンサート部材としてボルトが使用され、このボルトを前
記雌ネジ部に螺合させて前記スリーブを拡径させてい
る。この構造では、前記中空部にインサート部材を簡単
に挿入することができ、スリーブを容易に拡径すること
ができる。
【0011】また、請求項4の発明にあっては、前記中
空部の内周部には、開口部から軸方向に沿って漸次縮径
したテーパ部が設けられている。この構造では、インサ
ート部材を圧入する力をこのテーパ部を通じて、スリー
ブが拡径する力として簡単に伝達することができ、スリ
ーブの拡径を容易に行うことができる。
【0012】また、請求項5の発明にあっては、前記ス
リーブの周壁部の周方向に沿って複数の薄肉部を形成
し、各薄肉部から隣接する他の薄肉部に向かって所定の
方向に沿って徐々に前記スリーブの周壁部の肉厚が厚く
なるように前記スリーブの内周部にスロープを形成し、
前記インサート部材の外周部には、前記各スロープにそ
れぞれ当接して、前記インサート部材の前記スリーブに
対する相対回転によって前記各スロープ上を摺接しなが
ら前記スリーブの周壁部を外方に押し出して前記スリー
ブを拡径させる複数の突部を設けた構造とする。この構
造では、インサート部材を相対回転させるだけでスリー
ブを拡径させることができ、非常に単純な作業でスリー
ブを拡径することができる。
【0013】また、請求項6の発明にあっては、前記イ
ンサート部材の断面を正多角形状に成形して前記突部を
設ける構造とする。インサート部材の断面を正多角形状
に成形することで、その外周部に複数の角部を形成する
ことができ、この角部をスロープに当接する突部として
用いることができる。
【0014】また、請求項7の発明にあっては、前記ス
ロープには、前記突部に係合して前記インサート部材の
回り止めをする凹凸部が形成されている構造とする。こ
の構造では、インサート部材をスリーブに対して相対回
転させる際に逆回転が防止され、作業性が非常に良好で
ある。
【0015】また、請求項8の発明にあっては、前記ス
リーブの外周部には、前記スリーブを拡径し易くするた
めの切り込み部が形成されている。この構造では、スリ
ーブ中空部にインサート部材が圧入されたときに、スリ
ーブ外周部が前記切り込み部を通じて分断され、スリー
ブが円滑に拡径される。
【0016】また、請求項9の発明にあっては、前記栓
体は、前記孔部の内径寸法に対応して成形されて前記孔
部にはめ込まれるカプラーと、このカプラーの外周部に
出没可能に設けられ、当該栓体の外径寸法を拡縮する出
没部とを備えた構造とする。このような構造により、外
周部の一部が孔部の内周部に圧着し得る栓体を非常に簡
単に構成することができ、コンクリート充填鋼管の孔部
を容易に封鎖することができる。
【0017】また、請求項10の発明にあっては、前記
栓体の鋼管外側端部または鋼管内側端部の少なくとも一
方の端部の外周部に径方向外方に突出して、前記栓体の
前記孔部からの抜け落ちを防止するストッパーが形成さ
れた構造とする。この構造により、栓体が孔部から抜け
落ちて誤って鋼管内部に落下してしまったりするなどの
不具合を解消することができる。
【0018】また、請求項11の発明にあっては、前記
栓体の外周部に、前記孔部に対する当該栓体の挿入量を
目測するための目盛りが設けられた構造とする。この構
成では、栓体の挿入量を簡単に測ることができ、栓体を
孔部内において適切な位置に設置することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係るコンクリート
充填鋼管の孔部封鎖構造の実施の形態について説明す
る。図1〜図3は、本発明にかかるコンクリート充填鋼
管の孔部封鎖構造の第1実施形態を示したものである。
図1はこの孔部封鎖構造を示す断面図であり、図2は孔
部にはめ込まれるスリーブの正面図であり、図3はこの
栓体の側面図である。
【0020】この孔部封鎖構造は、図1に示すように、
コンクリート充填鋼管2に形成された孔部4に栓体とし
てスリーブ6をはめ込んで当該孔部4を封鎖する構造で
ある。このスリーブ6は、プラスチックやゴムなどの弾
性変形可能な柔軟な材料で形成された部材であり、孔部
4の内形状に対応して円筒状に成形され、その断面は長
さ方向に沿って断面円形状に成形されている。スリーブ
6の外径は、孔部4の内径寸法よりも若干小さく、例え
ば孔部4の内径が20mmであればスリーブ6の外径は
18〜19mm程度に設定され、スリーブ6がある程度
の余裕を持って孔部4に挿入されるようになっている。
【0021】このスリーブ6には、鋼管2外側に面した
端部からその軸心部を貫いて中空部8が形成されてい
る。この中空部8は、前記端部に開口部を有し、その開
口部から内奥部にかけて漸次縮径されたテーパ部10が
形成されている。このテーパ部10には雌ネジ部18が
形成されている。この雌ネジ部18は、本発明にかかる
インサート部材として中空部8に挿入されるボルト20
の雄ネジ部21に対応して形成されたもので、雄ネジ部
21の溝ピッチに対応して形成された螺旋状の溝部を有
する。
【0022】この雌ネジ部18のさらに奥部には、径方
向に拡大形成された円板形の空洞部12が画成されてい
る。スリーブ6の底部14は、テーパ部10を有する胴
部15とその外周に沿って介設された環状の薄肉部16
を介して一体的に連結されている。この底部14は、中
空部8内にコンクリートが流入しないように当該中空部
8を鋼管内側から閉塞している。
【0023】一方、ボルト20の雄ネジ部22は、雌ネ
ジ部18と異なり、その長さ方向に沿って径寸法がほぼ
等しく形成されている。ボルト20の雄ネジ部22の径
寸法は、雌ネジ部18の長さ方向中央部付近の径寸法と
一致するように設定され、ボルト20が中空部8に挿入
されたときに雄ネジ部22先端がその中央部付近で雌ネ
ジ部18と螺合するようになっている。
【0024】また、雌ネジ部18の内周部には、軸方向
と平行にかつ周方向に等間隔に複数本の溝部30が形成
されている。雌ネジ部18はこれら溝部30により周方
向に沿って複数に分割構成されている。また、スリーブ
6の外周部には、軸方向に沿って直線状に切り込み部3
2が設けられている。
【0025】また、スリーブ6の鋼管外側端面周縁部に
は、フランジ状に径方向外方に突出して円環状の鍔部4
0がストッパーとして一体的に設けられている。この鍔
部40は、前記孔部の径寸法よりも若干大きく形成され
ている。また、スリーブ6の外周部には、図2に示すよ
うに、孔部4に対するスリーブ6の挿入深さを目測する
ための目盛り50が設けられている。この目盛り50
は、その目盛り線が予め決められた鋼管2の肉厚の規格
寸法ごとに、例えば25mmや28mm、32mmごと
に付与されている。
【0026】コンクリート充填鋼管の孔部4を封鎖する
場合には、この孔部4にスリーブ6をはめ込む。ここ
で、スリーブ6の鋼管2外側端部外周部には、フランジ
状に径方向外方に突出して円環状の鍔部40が設けられ
ているから、この鍔部40は、当該スリーブ6が孔部2
の開口周縁部に当接し、スリーブ6が孔部4内に挿入し
過ぎてないように規制する。これにより、スリーブ6が
鋼管2内側へと落ちることはない。また、スリーブ6の
外周部には目盛り50が設けられているから、この目盛
り50で確認しながらスリーブ6を適切な位置に挿入す
ることができる。
【0027】次に、このスリーブ6の中空部8に鋼管外
側からボルト20を差し込む。ボルト20は、雌ネジ部
18の長さ方向中央部付近で雌ネジ部18と螺合し、こ
こでボルト20を回転させて雌ネジ部18の内奥部に圧
入すると、その圧入力がスリーブ6に対しこれを径方向
に拡大させる変形力として作用する。スリーブ6は柔軟
な材料で形成されているとともに、雌ネジ部18は軸方
向に沿って形成された複数の溝部30により周方向に複
数分割構成されているから、スリーブ6は、スムーズに
径方向へと拡大変形する。ボルト20の挿入量に応じて
その胴部15の中央部付近から徐々に径方向外方へと拡
大変形する。このとき、スリーブ6の外周部に形成され
た切り込み部32は、スリーブ6の外周部がスムーズに
膨出するように補助する。また、スリーブ底部14とス
リーブ胴部15とをつなぐ環状の薄肉部16は、スリー
ブ6の拡大変形の際に適宜伸縮して、スリーブ底部14
がスリーブ胴部15の変形に悪影響を与えないようにス
リーブ底部14をスリーブ15から分離する役割を果た
す。
【0028】この拡大変形により径方向へと膨出したス
リーブの外周部は、孔部4の内周部に圧着される。これ
によって、スリーブ6は孔部4内に所定の位置に確実に
係止され、孔部4を確実に封鎖することができる。コン
クリートの充填により鋼管2内の圧力が高まっても、鋼
管2に形成された孔部4からスリーブ6が抜け落ちるこ
とはない。コンクリート充填時に孔部4からスリーブ6
が抜け落ちてコンクリートの漏出が生じる心配がない。
【0029】コンクリート充填後は、スリーブ6に挿入
されているボルト20を逆方向に回転させて当該ボルト
20を中空部8から抜き取る。ボルト20の抜き取りに
よって、スリーブ6が弾性復元変形して元の状態に戻
る。これにより、スリーブ6を孔部4から簡単に撤去す
ることができる。撤去したスリーブ6については、再び
孔部4の封鎖に再利用することができる。無駄な廃材等
を発生させずに済む。また、孔部にスリーブをはめ込ん
でボルトを挿入して固定するだけなので、作業が非常に
簡便で済む。
【0030】以上、この実施形態では、スリーブ6の断
面が円形状に成形されているが、本発明ではこれに限ら
ず、コンクリート充填鋼管2の孔部4の形状に対応して
矩形状等の多角形状に成形されてもかまわない。また、
スリーブ6外周部に形成される切り込み部32について
は、スリーブ6の左右どちらか一方の端部にまで達して
いたり、またスリープ6の外周部に斜めに設けられてい
てもよい。
【0031】この他、本発明にかかるコンクリート充填
鋼管の孔部封鎖構造にあっては、前述した実施の形態の
ように雌ネジ部やテーパ部が形成されている必要はな
く、もちろんインサート部材としてボルトを使用する必
要もなく、単に鋼管の孔部にスリーブをはめ込んで、こ
のスリーブ6の中空部に適当なインサート部材を圧入し
てスリーブを拡大させる構造であればよい。
【0032】また、目盛り50については、前述したよ
うに鋼管の肉厚の規格寸法ごとに振られている場合に限
らず、通常の定規などのようにメートル法に基づき目盛
り線を付与してもかまわない。また、スリーブ6の鋼管
内側端部側にも、当該スリーブ6が孔部4から鋼管外側
へと抜け落ちないようにするための突起部などとして径
方向外方に突出するストッパーを設けてもよい。
【0033】図4〜図9は本発明にかかるコンクリート
充填鋼管の孔部封鎖構造の第2実施形態を示したもので
ある。図4はスリーブおよびインサート部材を示し、図
5はインサート部材の外観図であり、図6は図4のII−
II線の切断矢視断面図であり、図7及び図8はスリーブ
拡径時の様子を示し、図9はスリーブ縮径時の様子を示
す。
【0034】スリーブ60は、図4に示すように、前記
実施の形態と同様に、プラスチックやゴムなどの弾性変
形可能な柔軟な材料からなり、鋼管外側端面が開放さ
れ、鋼管内側端面が閉塞された有底中空円筒体状の部材
で、その外径寸法はある程度の余裕を持って孔部4に挿
入されるべく孔部4の内径寸法よりも若干小さく設定さ
れている。スリーブ60の鋼管外側端部の周縁部には、
スリーブ60の鋼管内側への落下防止のストッパーとし
て鍔部40が設けられている。また、スリーブ60の鋼
管内側端部の外周には環状の溝部60bが形成されてい
る。
【0035】スリーブ60の内周部には、中間部から径
方向内方に突出して係合突部62が設けられている。こ
の係合突部62は、スリーブ60内に挿入されたインサ
ート部材80を外側から取り囲んで係合するものであ
る。具体的には、図6に示すように、係合突部62はス
リーブ60の内周部に周方向に沿って3箇所設けられ、
インサート部材80に対して3方向から係合するように
なっている。各係合突部62は、その肉厚が一端側から
他端側にかけて徐々に厚くなるように形成されること
で、各係合突部62の表面にはスロープ64が形成され
ている。各スロープ64には凹凸部68が形成されてい
る。また、各係合突部62の間には溝部66が形成さ
れ、各係合突部62は各溝部66により形成された薄肉
部を介して連結されている。
【0036】図4に示すように、スリーブ60の中空部
は、係合突部62に仕切られて開口側空間部61と奥側
空間部63との2つの空間部に分割構成されている。開
口側空間部61は スリーブ60の開口端にかけて円筒
状に画成されている。一方、奥側空間部63は係合突部
62の内奥部に設けられ、当該スリーブ60の底部60
aとの間に閉じられた空間部として円筒状に画成されて
いる。
【0037】一方、インサート部材80は、図5に示す
ように、長さ方向に沿って等断面を有する真っ直ぐな丸
棒状のシャフト82と、このシャフト82の一端部にフ
ランジ状に設けられたつまみ部84と、このつまみ部8
4とは反対側のシャフト82の他端部に設けられた抜け
止め部86と、この抜け止め部86に連設されてシャフ
ト82の外周部に形成された角柱部88とを備える。こ
れらつまみ部84、抜け止め部86および角柱部88
は、シャフト82と同軸にかつこれに一体的に形成され
ている。
【0038】つまみ部84は、人の手指等により掴まれ
て操作される部分である。具体的には相対回転されたり
引っ張られたり押圧されたりする。これらの操作に伴
い、インサート部材80がスリーブ60に対して相対回
転したり、スリーブ60内に押し込まれたり、スリーブ
60内から引き出されたりする。つまみ部84は、スリ
ーブ60内部からシャフト82を介してスリーブ60外
部に延出され、鋼管外側から操作できるようになってい
る。
【0039】抜け止め部86はスリーブ60内の奥側空
間部63に収装されている。この抜け止め部86は、奥
側空間部63の内径寸法よりも若干小さな外径寸法を有
する円板形に成形され、つまみ部が引っ張られたり押圧
されたりすると、奥側空間部63内で横方向に沿ってス
ライド移動する。抜け止め部86が所定のストローク以
上引っ張られると、係合突部62の側壁に当接してイン
サート部材80がスリーブ60内から抜け落ちないよう
に規制する。また、つまみ部84が相対回転されたとき
には、円筒形の抜け止め部86が奥側空間部63の内周
壁にガイドされて、シャフト62がスリーブ60の中心
位置からふらつかないようにこれを抑制する。
【0040】角柱部88は3つの係合突部62により囲
まれた空間部にはめ込まれるように形成されている。こ
の角柱部88は、係合突部62の形成個数に対応してこ
れと同数の角部87を外周部に持つように断面正三角形
状に成形されたものである。各角部87は各係合突部6
2のスロープ64にそれぞれ当接するようになってい
る。
【0041】角柱部88がインサート部材88とともに
スリーブ60に対して所定の方向に相対回転されると、
角柱部88の各角部87は各スロープ64に当接しなが
らこれに沿って摺動する。この摺動に際し、角柱部88
の各角部87は、各スロープ64の凹凸部68にはまり
込むため、角柱部88の相対回転が途中で停止しても、
角柱部88が再び元の逆の方向に相対回転されたりする
ことはなく、その位置で係止される。角柱部88の各角
部87が当接する部分の係合突部62の肉厚は次第に厚
くなるから、スリーブ60の外周部は徐々に内側から押
圧されて外側へと押し出されて拡径変形することにな
る。このとき、スリーブ60は、図8に示すように、各
係合突部62間の溝部66において折れ曲がって断面が
略三角形状になる。また図7に示すように、その鋼管内
側端部の外周に形成された溝部60bにおいて折れ曲が
り拡径変形する。角柱部88の各角部87が係合突部6
2の肉厚の比較的に厚い部分に達したときにスリーブ6
0の拡径量が最大となる。このときの様子を図7に示
す。これによりスリーブ60の外周部を孔部4の内周部
に密着させて孔部4を封鎖することができる。
【0042】スリーブ60を孔部4から撤去しようとす
る場合には、つまみ部84を外側から押圧してインサー
ト部材80をスリーブ60内部へと押し込む。すると、
奥側空間部63は、抜け止め部86と角柱部88の長さ
寸法の和よりも幅広に形成されているから、図9に示す
ように抜け止め部86および角柱部88は奥側空間部6
3内へと追いやられてここにすっぽりと収容される。こ
れによって、角柱部88と係合突部62との係合が外
れ、スリーブ60の周壁部が再び元の形状に復元変形す
る。その後、スリーブ60を孔部から撤去する。
【0043】再び孔部4を封鎖しようとする場合には、
孔部4にスリーブ60をはめ込んだ後、インサート部材
80のつまみ部84を回しながら角柱部88が係合突部
62間の空間部にはまり込むように角柱部88の各角部
87が係合突部62の肉厚の薄い部分と重なるように位
置を調節する。角柱部88の各角部87が適当な位置に
到達したときには、つまみ部84を引っ張って角柱部8
8を係合突部62間にはめ込む。その後、前述したよう
につまみ部84を回してスリーブ60の外周部を拡径さ
せて孔部4を封鎖する。
【0044】この実施形態においては、スリーブ60内
に予め収装されたインサート部材80を単に引っ張った
り押したり回したりするだけで、ワンタッチで簡単にコ
ンクリート充填鋼管2の孔部4を封鎖することができ、
前記実施形態に比べて非常に使い勝手がよく、作業性も
良好で、作業時間の短縮が図れる。
【0045】なお、角筒部88の断面形状については、
前述した三角形状の他に例えば四角形状や五角形状な
ど、係合突部62の形成個数に合わせて適当な多角形状
に成形してもよい。この他、本発明にあっては、インサ
ート部材の外周部に突部が設けられれば、インサート部
材の断面は、前述のように多角形状に成形されずともど
のような形状に成形されてもかまわない。
【0046】図10は、本発明にかかるコンクリート充
填鋼管の孔部封鎖構造の第3実施形態を示したものであ
る。
【0047】この構造では、コンクリート充填鋼管2の
鋼管部の孔部4に、図10に示すようなカプラー90を
はめ込む。このカプラー90は、孔部の内形形状に対応
して筒体状に成形されたもので、その後端部には鋼管2
内側への落下を防止するためのフランジ状の鍔部90a
が設けられている。また、カプラー90の前方部には空
間部92が画成され、この空間部92には袋体94が収
装されている。袋体94は、外部から送給管96を通じ
て内部に空気が送り込まれるようになっている。袋体9
4は、内部に空気が送り込まれると膨張し、カプラー9
0の外周部の一部(ここでは下部)を切り欠いて形成さ
れた開口部90bを通じてカプラー90外部へと膨出し
て、その外表面部が孔部4の内周部に圧着される。袋体
94は本発明に係る出没部として機能し、これにより、
カプラー90は、孔部4内に固定され、孔部4からの抜
け落ちが防止される。
【0048】袋体94から内部の空気を抜出すれば、袋
体94は収縮して、孔部4の内周部への圧着も解放さ
れ、カプラー90を孔部4から容易に抜き去ることがで
きる。ここで、袋体94については、種々の素材で形成
することができるが、ゴム等の伸縮自在な柔軟な素材で
形成した方が好ましい。また、カプラー90について
は、プラスチック等の加工がし易く、また形状保持が可
能な素材により形成されるのが好ましい。
【0049】図11は、本発明にかかるコンクリート充
填鋼管の孔部封鎖構造の第4実施形態を示したものであ
る。この構造は、第3実施形態と同じく、図11に示す
ように、コンクリート充填鋼管2の鋼管部の孔部4に、
孔部4の内形形状に対応して筒体状に成形されたカプラ
ー100をはめ込む。カプラー100は、その後端部に
鋼管2の内側への落下を防止するためのフランジ状の鍔
部100aを有し、その前方部には空間部102が画成
されている。そして、この空間部92には、内部に空気
が封入され密閉された袋体104が収装されている。カ
プラー90の後方部にはボルト106が貫挿されてい
る。このボルト106はカプラー100の軸心部を貫い
て螺合されており、ボルト106の頭部106aをつま
み部にして回転させると、カプラー100に対して前後
に移動するようになっている。ここでボルト106を前
方向に移動させると、ボルト106の先端部106bが
袋体104に当接され、さらにボルト106を前方向に
移動させると、袋体104がボルト106により押し潰
されて変形する。カプラー100の外周部には、第3実
施形態と同様、一部(ここでは下部)を切り欠いて開口
部100bが形成されており、押し潰された袋体104
はこの開口部100bを通じてカプラー100の外部へ
と膨出する。これにより、袋体104は孔部4の内周部
に圧着される。袋体104は本発明に係る出没部として
機能し、カプラー100は孔部4内に固定されて、孔部
4からの抜け落ちが防止される。
【0050】ボルト106を逆回転させて後方向に移動
させれば、袋体104が圧縮から解放されて、その外表
面部が孔部4の内周部から離れる。これにより、カプラ
ー100は孔部4から容易に撤去することができる。
【0051】ここで袋体104については、第3実施形
態と同様、種々の素材で形成することができるが、ゴム
等の伸縮自在な柔軟な素材で形成した方が好ましい。ま
た、カプラー100についても同様、プラスチック等の
加工がし易く、また形状保持が可能な素材により形成さ
れるのが好ましい。
【0052】図12は、本発明にかかるコンクリート充
填鋼管の孔部封鎖構造の第5実施形態を示したものであ
る。この構造は、第3実施形態及び第4実施形態と同
様、コンクリート充填鋼管2の鋼管部の孔部4に当該孔
部4の内形形状に対応して筒体状に成形されたカプラー
110をはめ込む。カプラー110は、その後端部に鋼
管2内側への落下を防止するためのフランジ状の鍔部1
10aを有する。カプラー110の前方部には空間部1
12が画成されており、この空間部112内に一対のゴ
ム部材114が収装されている。このゴム部材114
は、図12に示すように、全体が球殻形状をなし、その
内側に形成された窪み部114aが相互に相向き合うよ
うに空間部112内に配置されている。カプラー110
の後方部には、第4実施形態と同様、その軸心部を貫い
てボルト116が螺入されている。このボルト116の
頭部106aをつまみ部にしてボルト116を回転させ
て前方向に移動させると、前記袋体104と同様、2つ
のゴム部材114がボルト116の先端部116bによ
り押し潰されて弾性変形して、カプラー110の外周部
の一部を切欠形成した開口部110bを通じてカプラー
110外部に突出して孔部4の内周部に圧着される。こ
れにより、カプラー110は孔部4内に固定され、孔部
4から抜け落ちなくなる。
【0053】一方、ボルト116を逆回転させて後方向
に移動させれば、2つのゴム部材114が元の形状に弾
性復帰し、これにより、2つのゴム部材114の下端部
は孔部4の内周部から離れ、これにより両者の圧着が解
除され、カプラー110を孔部4から撤去することがで
きる。
【0054】図13及び図14は、本発明にかかるコン
クリート充填鋼管の孔部封鎖構造の第6実施形態を示し
たものである。図13はその構造を示す断面図であり、
図14は、図13のIV−IVの線で切断したときに矢視断
面図である。
【0055】この構造は、図13に示すように、コンク
リート充填鋼管2の鋼管部の孔部4に当該孔部4の内形
形状に対応して筒体状に成形されたカプラー120をは
め込む。カプラー120はその後端部に鋼管2内側への
落下を防止するためのフランジ状の鍔部120aを有す
る。カプラー120の前方部には、図14(a)にも示
すように、一対の板バネ部材122が相互に対向して収
容されている。この板バネ部材122は、その中央部1
22aが若干外向きに膨出するように弯曲形成されてい
る。2つの板バネ部材122は、窪んだ中央部122a
を内側にして対向配置されている。カプラー120の外
周部には、前記実施形態と同様、開口部120bが切欠
形成されており、この開口部120bから2つの板バネ
部材122がカプラー120外部へと突出して、その下
端部が図13に示すように孔部の内周部に圧着されてい
る。これにより、カプラー120が孔部2内に固定さ
れ、孔部2からの抜け落ちが防止されている。
【0056】2つの板バネ部材122の中央部には、断
面平板状の操作ロッド124が貫挿されている。この操
作ロッド124は、図13に示すように、カプラー12
0の後端部へと延出されており、そこからカプラー12
0の外部へと突き出されている。図14(a)に示す状
態では、操作ロッド124は2枚の板バネ部材122と
並び、ここでは垂直状態で配置されている。操作ロッド
124の後端部にはつまみ部125が設けられている。
このつまみ部125を通じて操作ロッド124をカプラ
ー120に対して約90度相対回転させると、操作ロッ
ド124が垂直状態から水平状態になる。操作ロッド1
24の両側縁部は、図14(b)に示すように、2枚の
板バネ部材122の中央部122aを押圧して2枚の板
バネ部材122を外側へと押し広げる。これにより、2
枚の板バネ部材122はカプラー120内部に引っ込
み、その下端部は孔部4の内周部から離される。これに
より、カプラー120が孔部4から撤去可能となる。
【0057】再びカプラー120を孔部4内に固定する
場合には、操作ロッド124を水平状態にした状態でカ
プラー120を孔部4に挿入し、その後、操作ロッド1
24を約90度回転させて垂直状態にする。2つの板バ
ネ部材122は操作ロッド124の押圧から解放されて
元の形状に弾性復帰し、その下端部がカプラー120の
開口部120bから突出し、孔部4の内周部に圧着され
る。
【0058】板バネ部材122については、図14
(c)に示すような断面V字形状に成形された部材を1
つだけ用いてもよい。
【0059】図15は、本発明にかかるコンクリート充
填鋼管の孔部封鎖構造の第7実施形態を示したものであ
る。図15(a)は孔部封鎖時の状態を示したものであ
り、図15(b)は孔部開放時の状態を示したものであ
る。
【0060】この構造は、コンクリート充填鋼管2の鋼
管部の孔部4に当該孔部4の内形形状に対応して筒体状
に成形されたカプラー130をはめ込む。カプラー13
0は、図15(a)に示すようにその軸心部に中空部1
30aが画成されているとともに、その外周部には、前
記実施形態と同様、その一部を切り欠いて開口部130
bが形成されている。カプラー130の中空部130a
には、棒体状の操作ロッド132が収容されている。こ
の操作ロッド132は、その外径寸法が中空部130a
の内径寸法よりも若干小さく設定され、中空部130a
との間に隙間133を設けつつ中空部130a内に遊挿
されている。この操作ロッド132とカプラー130と
の間は、1枚の板バネ部材134により連結されてい
る。この板バネ部材134の一端部は操作ロッド132
の外周部に接続され、その他端部はカプラー130の開
口部130aの縁部130cに接続されている。
【0061】板バネ部材134は、図15(a)に示す
ように断面U字形の状態を保持するように設定されてい
る。このとき、板バネ部材134は、カプラー130の
開口部130bからカプラー130外部へと突出して、
孔部4の内周部に圧着するようになっている。この状態
のときにカプラー130は孔部4内に固定される。
【0062】ここで、操作ロッド132を所定の方向
(ここでは左方向)に回転させると、断面U字形の板バ
ネ部材134は、操作ロッド132の外周部に接続され
た一端部が引っ張られ、その引張力によって図15
(b)に示すように大きく拡開される。これにより、板
バネ部材134は孔部4の内周部から離れ、その内周部
への圧着が解除され、カプラー130は撤去可能とな
る。操作ロッド132を回転から解放すると、板バネ部
材134の弾性復帰力によって操作ロッド132が前記
所定の方向とは反対の方向へと逆回転して、板バネ部材
134は再び元の断面U字形の状態となり、孔部4の内
周部を圧着して、カプラー130は孔部4内に固定され
る。
【0063】なお、前述した第3実施形態〜第7実施形
態におけるカプラーには、その外周部に孔部4に対する
挿入深さを目測するための目盛り(図示外)を設けても
良い。
【0064】また、本発明に係る出没部にあっては、前
述した第3実施形態〜第7実施形態の場合に限らず、コ
ンクリート充填鋼管2の孔部4に挿入されるカプラーの
外周部に出没可能に設けられれば、どのような形態であ
っても構わない。
【0065】
【発明の効果】本発明にかかるコンクリート充填鋼管の
孔部封鎖構造によれば、次のような効果を奏する。 (1)請求項1の発明によれば、コンクリート充填鋼管
の鋼管部に形成された孔部に栓体をはめ込み、この栓体
の外径寸法を拡大させてその栓体の外周部の一部あるい
は全部を孔部の内周部に密着させるから、栓体の外周部
を孔部内周部に対し相当な圧着力をもって密着させるこ
とができ、これにより、孔部を確実に封鎖することがで
き、鋼管内にコンクリートが圧送され鋼管内の圧力が高
まっても、鋼管に形成された孔部からスリーブが抜け落
ちることはない。このため、コンクリート充填時に当該
孔部からコンクリートが漏出するのを防止することがで
き、これにより、孔部周辺が漏出したコンクリートで汚
れることはなく、コンクリート充填後にいちいち孔部周
辺を清掃する必要もない。しかも、栓体を孔部に挿入し
て外径寸法を拡径するだけなので、孔部の封鎖作業が非
常に簡単に済む。また、栓体の外径寸法を縮径させれ
ば、栓体を簡単に孔部から抜き取ることができ、撤去作
業を非常に簡便に済ませることができる。
【0066】(2)請求項2の発明によれば、コンクリ
ート充填鋼管の鋼管部の孔部にスリーブをはめ込んで、
当該スリーブにインサート部材を挿入するだけで、栓体
の固定作業を終了させることができ、作業にあまり手間
がかからずきわめて短時間済む。また、撤去時には、イ
ンサート部材を抜き取るだけでスリーブの外周部の圧着
を解除することができ、これによりスリーブを簡単に孔
部から撤去することができる。
【0067】(3)請求項3の発明によれば、前記中空
部の内周部に雌ネジ部が形成され、また前記インサート
部材としてボルトが使用され、このボルトが前記雌ネジ
部に螺合されつつ前記中空部に圧入されることで、前記
中空部にインサート部材を簡単に圧入することができ、
スリーブを容易に拡径することができる。
【0068】(4)請求項4の発明によれば、前記中空
部の内周部には、開口部から軸方向に沿って漸次縮径し
たテーパ部が設けられていることで、インサート部材を
圧入する力をこのテーパ部を通じて、スリーブが拡径す
る力として簡単に伝達することができ、スリーブの拡径
を容易に行うことができる。
【0069】(5)請求項5の発明によれば、前記スリ
ーブの周壁部の周方向に沿って複数の薄肉部を形成し、
各薄肉部から隣接する他の薄肉部に向かって所定の方向
に沿って徐々に前記スリーブの周壁部の肉厚が厚くなる
ように前記スリーブの内周部にスロープを形成し、前記
インサート部材の外周部には、前記各スロープにそれぞ
れ当接して、前記インサート部材の前記スリーブに対す
る相対回転によって前記各スロープ上を摺接しながら前
記スリーブの周壁部を外方に押し出して前記スリーブを
拡径させる複数の突部を設けた構造とすることで、イン
サート部材を相対回転させるだけでスリーブを簡単に拡
径させることができ、非常に単純な作業でスリーブを拡
径することができる。
【0070】(6)請求項6の発明によれば、前記イン
サート部材の断面を正多角形状に成形して前記突部を設
けることで、インサート部材の断面を正多角形状に成形
することで、その外周部に複数の角部を形成することが
でき、この角部をスロープに当接する突部として用いる
ことができる。
【0071】(7)請求項7の発明によれば、前記スロ
ープには、前記突部に係合して前記インサート部材の回
り止めをする凹凸部が形成されていることで、インサー
ト部材をスリーブに対して相対回転させる際に逆回転が
防止され、作業性が非常に良好である。
【0072】(8)請求項8の発明によれば、前記スリ
ーブの外周部には、前記スリーブを拡径し易くするため
の切り込み部が形成されていることで、この切り込み部
を通じてスリーブ外周部が分断され、スリーブが円滑に
拡径される。
【0073】(9)請求項9の発明によれば、前記栓体
が、前記孔部の内径寸法に対応して成形されて前記孔部
にはめ込まれるカプラーと、このカプラーの外周部に出
没可能に設けられ、当該栓体の外径寸法を拡縮する出没
部とを備えたことで、外周部の一部が孔部の内周部に圧
着し得る栓体を非常に簡単に構成することができ、コン
クリート充填鋼管の孔部を容易に封鎖することができ
る。
【0074】(10)請求項10の発明によれば、前記
栓体の鋼管外側端部または鋼管内側端部の少なくとも一
方の端部の外周部に径方向外方に突出して、前記栓体の
前記孔部からの抜け落ちを防止するストッパーが形成さ
れたことで、栓体が孔部から抜け落ちて誤って鋼管内部
に落下してしまったりするなどの不具合を解消すること
ができる。
【0075】(11)請求項11の発明によれば、前記
栓体の外周部に、前記孔部に対する当該栓体の挿入量を
目測するための目盛りが設けられたことで、栓体の挿入
量を簡単に測ることができ、栓体を孔部内において適切
な位置に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるコンクリート充填鋼管の孔部封
鎖構造の第1実施形態の内部構造を示した断面図であ
る。
【図2】図1のコンクリート充填鋼管の孔部封鎖構造で
使用されるスリーブを横から見たときの側面図である。
【図3】図1のコンクリート充填鋼管の孔部封鎖構造で
使用されるスリーブを正面から見たときの正面図であ
る。
【図4】本発明にかかるコンクリート充填鋼管の孔部封
鎖構造の第2実施形態を示した断面図である。
【図5】図4のコンクリート充填鋼管の孔部封鎖構造で
使用されるインサート部材の外観図である。
【図6】図4のII−II線で切断したときの矢視断面図で
ある。
【図7】図4のコンクリート充填鋼管の孔部封鎖構造に
おいてスリーブが拡径したときの様子を示した断面図で
ある。
【図8】図7のIII−III線で切断したときの矢視断面図
である。
【図9】図4のコンクリート充填鋼管の孔部封鎖構造に
おいてスリーブを縮径したときの様子を示した断面図で
ある。
【図10】本発明にかかるコンクリート充填鋼管の孔部
封鎖構造の第3実施形態を示した断面図である。
【図11】本発明にかかるコンクリート充填鋼管の孔部
封鎖構造の第4実施形態を示した断面図である。
【図12】本発明にかかるコンクリート充填鋼管の孔部
封鎖構造の第5実施形態を示した断面図である。
【図13】本発明にかかるコンクリート充填鋼管の孔部
封鎖構造の第6実施形態を示した断面図である。
【図14】図13のIV−IV線で切断したときの矢視断面
図である。
【図15】本発明にかかるコンクリート充填鋼管の孔部
封鎖構造の第7実施形態を示した断面図である。
【符号の説明】 2 コンクリート充填鋼管 4 孔部 6,60 スリーブ 8 中空部 10 テーパ部 18 雌ネジ部 20 ボルト(インサート部材) 30 溝部 40 鍔部 50 目盛り 64 スロープ 80 インサート部材 90,100,110,120,130 カプラー 92,102,112 空間部 94,104 袋体 106,116 ボルト 122 板バネ部材 124,132 操作ロッド 134 板バネ部材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート充填鋼管の鋼管部に貫通形
    成された孔部を封鎖する構造であって、 外径寸法を拡縮可能な栓体を前記孔部にはめ込み、この
    栓体の外径寸法を拡大させて当該栓体の外周部の一部あ
    るいは全部を前記孔部の内周部に圧着して前記栓体を前
    記孔部の内部に固定したことを特徴とするコンクリート
    充填鋼管の孔部封鎖構造。
  2. 【請求項2】 外形形状が前記孔部の形状に対応して成
    形されかつ軸方向に延びる中空部を有する径方向に拡縮
    可能なスリーブを前記栓体として前記孔部にはめ込み、
    前記中空部に当該中空部の最小径よりも外径寸法の大き
    いインサート部材を挿入し、このインサート部材により
    前記スリーブを拡径させてその外周部を前記孔部の内周
    部に圧着させたことを特徴とする請求項1に記載のコン
    クリート充填鋼管の孔部封鎖構造。
  3. 【請求項3】 前記中空部の内周部に雌ネジ部が形成さ
    れるとともに、前記インサート部材としてボルトが使用
    され、このボルトを前記雌ネジ部に螺合させることによ
    り前記スリーブを拡径させたことを特徴とする請求項2
    に記載のコンクリート充填鋼管の孔部封鎖構造。
  4. 【請求項4】 前記中空部の内周部には、開口部から軸
    方向に沿って漸次縮径したテーパ部が設けられているこ
    とを特徴とする請求項2または3に記載のコンクリート
    充填鋼管の孔部封鎖構造。
  5. 【請求項5】 前記スリーブの周壁部の周方向に沿って
    複数の薄肉部を形成し、各薄肉部から隣接する他の薄肉
    部に向かって所定の方向に沿って徐々に前記スリーブの
    周壁部の肉厚が厚くなるように前記スリーブの内周部に
    スロープを形成し、前記インサート部材の外周部には、
    前記各スロープにそれぞれ当接して、前記インサート部
    材の前記スリーブに対する相対回転によって前記各スロ
    ープ上を摺接しながら前記スリーブの周壁部を外方に押
    し出して前記スリーブを拡径させる複数の突部を設けた
    ことを特徴とする請求項2に記載のコンクリート充填鋼
    管の孔部封鎖構造。
  6. 【請求項6】 前記インサート部材の断面を多角形状に
    成形して前記突部を設けたことを特徴とする請求項5に
    記載のコンクリート充填鋼管の孔部封鎖構造。
  7. 【請求項7】 前記スロープには、前記突部に係合して
    前記インサート部材の回り止めをする凹凸部が形成され
    ていることを特徴とする請求項5または6に記載のコン
    クリート充填鋼管の孔部封鎖構造。
  8. 【請求項8】 前記スリーブの外周部には、前記スリー
    ブを拡径し易くするための切り込み部が形成されている
    ことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の
    コンクリート充填鋼管の孔部封鎖構造。
  9. 【請求項9】 前記栓体は、前記孔部の内径寸法に対応
    して成形されて前記孔部にはめ込まれるカプラーと、こ
    のカプラーの外周部に出没可能に設けられ、当該栓体の
    外径寸法を拡縮する出没部とを備えることを特徴とする
    請求項1に記載のコンクリート充填鋼管の孔部封鎖構
    造。
  10. 【請求項10】 前記栓体の鋼管外側端部または鋼管内
    側端部の少なくとも一方の端部の外周部に径方向外方に
    突出して、前記栓体の前記孔部からの抜け落ちを防止す
    るストッパーが形成されていることを特徴とする請求項
    1〜9のいずれか1項に記載のコンクリート充填鋼管の
    孔部封鎖構造。
  11. 【請求項11】 前記栓体の外周部に、前記孔部に対す
    る当該栓体の挿入量を目測するための目盛りが設けられ
    ていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項
    に記載のコンクリート充填鋼管の孔部封鎖構造。
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