JP2002206076A - 雪上滑走具用ワックス組成物 - Google Patents

雪上滑走具用ワックス組成物

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JP2002206076A
JP2002206076A JP2001003459A JP2001003459A JP2002206076A JP 2002206076 A JP2002206076 A JP 2002206076A JP 2001003459 A JP2001003459 A JP 2001003459A JP 2001003459 A JP2001003459 A JP 2001003459A JP 2002206076 A JP2002206076 A JP 2002206076A
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indium
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wax
parts
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Yoshihiko Miyamoto
吉彦 宮本
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UNIPLAS CORP
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UNIPLAS CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スキーやスノーボードのような雪上滑走具の
滑走面に塗布する高性能のワックス組成物を提供する。 【解決手段】 5μmないし150μmの平均粒子径を
有するインジウム単体又はインジウムと鉛および/また
は錫の合金を、パラフィン100重量部に対して1重量
部ないし25重量部配合し均一に分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスキーやスノーボー
ドのような雪上滑走具の滑走面に塗布するワックス組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ガリウムを配合したスキー用ワックス
や、ガリウムと亜鉛、錫またはアルミニウムのうちの少
なくとも一種を配合したスキー用ワックスについては特
公昭62−8460号公報によって開示されている。ま
た、ガリウム又は二硫化モリブデンの少なくとも一種と
パラフィンからなるスキー用ワックスについては特公平
6−29383号公報に開示されている。さらに、ガリ
ウム粒子と炭素粒子を合成樹脂中に分散配合させたもの
や、フッ化カーボン及びガリウムワックスを必須成分と
して配合してなるスキーワックスが特開平5−2852
50号公報及び特開平7−331184号公報に開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スキーやス
ノーボードのような雪上滑走具の滑走面に塗布するワッ
クス組成物に対して要求される性能は、高い滑走性の
他、溌水性、耐久性、塗布操作の容易性、塗布の際の人
体への無害性等であるが、前記した従来のスキー用ワッ
クスによった場合であっても、これら諸項目の全てを充
足するものは得られなかった。
【0004】すなわち、金属ガリウムは滑走性能を向上
させるという利点を有するものの、融解点が29.78
0±0.005℃であって、水銀、セシウムに次いで低
く、体温等によっても容易に融解を始めるため、人体へ
の影響が懸念されるという重大な問題点を有している。
また、ガリウム粒子と炭素粒子を分散配合させたもの
や、フッ化カーボン及びガリウムワックスを必須成分と
して配合したものにあっては前記した不具合点の他、高
い滑走性や満足のいく耐久性を得ることができなかっ
た。
【0005】本発明者は前記した従来の雪上滑走具用ワ
ックス組成物の問題点を解消すべく鋭意研究した結果、
パラフィン中に150μm以下に粒子化した金属インジ
ウム単体または、当該金属インジウムと鉛および/また
は錫の合金を所定の割合で配合することによって前記し
た雪上滑走具用ワックスに要求される諸性能を充足し得
るワックス組成物を完成するに到った。
【0006】したがって、本発明の目的は、高い滑走性
の他、溌水性、耐久性、塗布操作の容易性、塗布の際の
人体への無害性等、スキーやスノーボード等の雪上滑走
具の滑走面に塗布するワックス組成物に対して要求され
る諸性能を充足することのできる雪上滑走具用ワックス
組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の構成を詳述すれば、請求項1に係る発明は、
5μmないし150μmの平均粒子径を有するインジウ
ム単体を、パラフィン100重量部に対して1ないし2
5重量部配合してなることを特徴とする雪上滑走具用ワ
ックス組成物である。
【0008】また、請求項2に係る発明は、5μmない
し150μmの平均粒子径を有するインジウムと鉛およ
び/または錫の合金を、パラフィン100重量部に対し
て1ないし25重量部配合してなることを特徴とする雪
上滑走具用ワックス組成物である。
【0009】閃亜鉛鉱などの硫化鉱物中に微量存在する
インジウムは、融点が156.4℃、沸点2100℃で
あり、大気中で比較的安定していて光沢を失わず、常温
下で安定している固体金属としてはもっとも柔らかく、
本発明者による実験では、たとえばスキーのソール部に
使用されているポリエチレンなどの高分子合成樹脂材に
対してアイロンによるホットワックスや直接摩擦による
塗布、コルクなどを使用しての塗り延ばし時など、いず
れの場合にも高分子の隙間に粒子が変形しながら入り込
むことができてなじみが良好であった。
【0010】また、インジウムは航空機用グルメットの
軸受けに使用されるほど摩擦係数が非常に低く、撥水性
も可成り高い。また、通電性があり、スキーや、スノー
ボードなどの雪上滑走具の滑走時に生じる雪面と接雪面
の静電気の発生を抑え、静電気によるスピードロスを抑
えるのに効果がある。
【0011】インジウム粒子は、これ単独でパラフィン
中に配合するようにしてもよいが、これに鉛および/ま
たは錫を配合したインジウム合金により融点を47℃前
後まで調整することが可能である。この場合、融点は低
いが、金属ガリウムの融点よりは高く設定することがで
き、体温等で融解することがないので取扱い時に人体へ
の影響がなく、また沸点が可成り高いのでワックスアイ
ロン等を使用してのホットワックス作業時に気化して人
体に取り込まれる危険性がきわめて少ない。
【0012】パラフィン中に配合するインジウムまたは
インジウム合金の粒子径を5μm以上としたのは、5μ
m未満の粒子径をもつインジウムは技術上、経済上の理
由からその製造が困難であり、またこれを担持するパラ
フィン中への分散性がきわめて悪くなることが判明した
からであり、上限値を150μmとしたのは、これより
大きい粒径のインジウムまたはインジウム合金では、例
えばスキーのソール部等に使用されているポリエチレン
などの高分子合成樹脂材へのなじみが悪く、滑走性にも
悪い影響が出ることが判明したからである。
【0013】パラフィンに対する粒子状のインジウムま
たはインジウム合金の配合割合を、パラフィン100重
量部に対して1重量部以上としたのは、これ未満の配合
量では、撥水性や滑走性能に良い結果が得られないこと
が判ったからであり、上限値を25重量部以下としたの
は、これ以上配合しても配合割合に比例して滑走性能や
溌水性が向上することがなく、コストアップの要因のみ
に止まることが判明したからである。なお、本発明に係
る雪上滑走具用ワックス組成物を得るに際しては、イン
ジウム粒子またはインジウム合金粒子の他、抗酸化剤、
分散剤、調色のための有機系ないし無機系着色剤等を微
量配合するようにしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る雪上滑走具用
ワックス組成物の実施例を比較例と併せて説明するが、
本発明の範囲はこれら実施例のものに限定されるもので
はない。
【0015】〔実施例1〕 市販のパラフィン100重
量部に対し、平均粒径10μmのインジウム粒子を、1
5重量部配合し、一般の溶融混練装置にて混合分散処理
して得たワックス組成物を、スノーボードの滑走面にワ
ックスアイロンを使用して熱処理により均一に塗布し
た。なお、その塗布過程においてインジウムのガス化は
何ら認められなかった。
【0016】〔実施例2〜5〕 平均粒径30μmのイ
ンジウム粒子を用いた以外は前記実施例1と同様の処方
にて得たワックス組成物(実施例2)、平均粒径50μ
mのインジウム粒子を用いた以外は前記実施例1と同様
の処方にて得たワックス組成物(実施例3)、平均粒径
100μmのインジウム粒子を用いた以外は前記実施例
1と同様の処方にて得たワックス組成物(実施例4)、
平均粒径150μmのインジウム粒子を用いた以外は前
記実施例1と同様の処方にて得たワックス組成物(実施
例5)を、それぞれスノーボードの滑走面にワックスア
イロンを使用して熱処理により均一に塗布した。なお、
いずれの場合も塗布過程においてインジウムのガス化は
何ら認められなかった。
【0017】〔比較例1、2〕 平均粒径200μmの
インジウム粒子を用いた以外は前記実施例1と同様の処
方にて得たワックス組成物(比較例1)、平均粒径50
0μmのインジウム粒子を用いた以外は前記実施例1と
同様の処方にて得たワックス組成物(比較例2)を、そ
れぞれスノーボードの滑走面にワックスアイロンを使用
して熱処理により均一に塗布した。
【0018】実施例1ないし5及び比較例1、2による
スノーボードを装着して同一の雪温下でJSBA公認プ
ロ3名(テスターA,B,C)で滑走テストを行った結
果を次の表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1により明らかなように実施例1〜5の
場合には、合計タイムが最高で23.80Sec.、最
低で24.30Sec.であったが、平均粒径200μ
mのインジウム粒子を用いた比較例1の場合には合計タ
イム24.90Sec.、平均粒径500μmのインジ
ウム粒子を用いた比較例2の場空きには合計タイム2
5.20Sec.であり、実施例1〜5の場合より格段
に劣っていた。
【0021】〔実施例6〜11〕 平均粒径50μmの
インジウム粒子のパラフィン100重量部に対する配合
割合を、1重量部としたもの(実施例6)、5重量部と
したもの(実施例7)、10重量部としたもの(実施例
8)、15重量部としたもの(実施例9)、20重量部
としたもの(実施例10)、25重量部としたもの(実
施例11)をそれぞれ作製し、同一条件下でスノーボー
ドの滑走面にワックスアイロンを使用して熱処理により
均一に塗布した。
【0022】〔比較例3、4〕 平均粒径50μmのイ
ンジウム粒子のパラフィン100重量部に対する配合割
合を、0.5重量部としたもの(比較例3)、30重量
部としたもの(比較例4)をそれぞれ作製し、同一条件
下でスノーボードの滑走面にワックスアイロンを使用し
て熱処理により均一に塗布した。
【0023】実施例6ないし11及び比較例3、4によ
るスノーボードを装着して同一の雪温条件下でJSBA
公認プロ3名(テスターA,B,C)で滑走テストを行
った結果を次の表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】上記表2により明らかなようにインジウム
の配合量1重量部の場合には、合計タイムが27.60
Sec.であるが、20重量部配合した実施例10の場
合には、合計タイムが23.70Sec.に向上した。
また、インジウム粒子の配合割合を、0.5重量部とし
た比較例3の場合には、合計タイムが28.70Se
c.となり、実施例6の場合より劣ることが判明した。
さらに、インジウム粒子の配合割合を、30重量部とし
た比較例4の場合は、合計タイムが実施例11の場合と
同じ結果となり、これ以上配合しても滑走性能に変化が
顕れないことが判った。
【0026】平均粒径50μmのインジウム合金粒子
を、パラフィン100重量部に対して5重量部混合分散
したものを、スノーボードの滑走面にアイロンを使用し
熱処理により塗布した。これを同じく熱処理をして塗布
したパラフィンのみのものと、同じく熱処理して塗布し
たガリウム配合パラフィンのものを用意し、−8℃圧
雪、−4℃氷面、0℃新雪、+2℃湿雪の各条件下でJ
SBA公認プロ3名で滑走テストを行った結果を次の表
3〜5に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】上記により明らかなように、本発明によっ
た場合は、いずれの雪質条件下においても、他のものに
較べ全て滑走性能が向上することが確認された。また、
塗布面の溌水性、耐久性についても実験を行ったが、パ
ラフィンワックスのみのもの、あるいはガリウム配合の
ものと較べて全く遜色のないことが確認された。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来の
ワックスに較べて高い滑走性を得ることができる他、溌
水性、耐久性、塗布操作の容易性、塗布の際の人体への
無害性等、スキーやスノーボード等の滑走面に塗布する
ワックスに対して要求される諸性能を充足し得る雪上滑
走具用ワックス組成物を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5μmないし150μmの平均粒子径を
    有するインジウム単体を、パラフィン100重量部に対
    して1ないし25重量部配合してなることを特徴とする
    雪上滑走具用ワックス組成物。
  2. 【請求項2】 5μmないし150μmの平均粒子径を
    有するインジウムと鉛および/または錫の合金を、パラ
    フィン100重量部に対して1ないし25重量部配合し
    てなることを特徴とする雪上滑走具用ワックス組成物。
JP2001003459A 2001-01-11 2001-01-11 雪上滑走具用ワックス組成物 Withdrawn JP2002206076A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013001857A (ja) * 2011-06-20 2013-01-07 Gallium Co Ltd 滑走面用ワックス及びその製造方法
DE102014119567A1 (de) * 2014-12-23 2016-06-23 Zipps Skiwachse Gmbh Gleitmittel für den Gebrauch auf Gleitflächen von Wintersportgeräten

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DE102014119567B4 (de) 2014-12-23 2019-04-11 Zipps Skiwachse Gmbh Gleitmittel für den Gebrauch auf Gleitflächen von Wintersportgeräten und dessen Verwendung

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