JP2002205874A - トラバース機構 - Google Patents

トラバース機構

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JP2002205874A
JP2002205874A JP2001242527A JP2001242527A JP2002205874A JP 2002205874 A JP2002205874 A JP 2002205874A JP 2001242527 A JP2001242527 A JP 2001242527A JP 2001242527 A JP2001242527 A JP 2001242527A JP 2002205874 A JP2002205874 A JP 2002205874A
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groove
drum
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yarn
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JP2001242527A
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English (en)
Inventor
Fumito Komatsu
文人 小松
Kenji Muramatsu
健次 村松
Shohei Shiimura
尚平 椎村
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 綾振ドラムの回転バランスをとりやすくして
トラバース速度を向上させる。 【解決手段】 糸状部材4を案内するスパイラル形状し
た周回溝2を周面に有し回転して糸状部材4を軸方向に
トラバースさせる綾振ドラム3と、該綾振ドラム3の近
傍に配置され糸状部材4の溝2からの脱落を防止する制
御部材5とを備える。スパイラル形状した溝2は周回す
る右巻き半周溝2aと左巻き半周溝2bとから形成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラバース機構に
関する。さらに詳述すると、本発明は、糸の巻取装置に
おいてボビンに糸を巻き掛ける際、均一に糸巻きできる
ようにするため巻き取りボビンの軸方向へ糸を往復させ
て綾振りするトラバース機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】糸の巻取装置において、トラバース機構
が採用されている。トラバース機構は、巻取りボビンの
軸方向に糸を送り、端部で折返して反対側に糸を送り、
これを繰り返し糸を行き帰りさせて糸位置を連続的に変
え、高速に巻取りボビンに綾掛けして多層状に巻く機構
である。
【0003】例えば特開平7−125920号公報で
は、図28に示すように綾振ドラム102に螺旋状の綾
振り溝103を有し、この綾振ドラム102を回転させ
て糸104をトラバースさせるドラム式のトラバース機
構101が開示されている。ここでは、綾振ドラム10
2の周面を斜めに走る綾振り溝103に糸104を掛
け、その上を押え軸105で押さえながら回転させて糸
104を綾振りする。このようなトラバース機構101
は、綿糸のような糸104をトラバースするのに適した
構成となっている。
【0004】また、図29に示す特開平8−20811
8号公報記載の綾振ドラム112のように、右斜めの綾
振り溝113と左斜めの綾振り溝113とで交差時の溝
深さを変え、左右へ確実に綾掛けできるようにしたドラ
ムも開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2
8、図29に示したトラバース機構101は、化繊糸の
ような糸104をトラバースするには不向きであるとい
う問題がある。すなわち、極細繊維が束ねられて糸状に
なった化繊糸はトラバースの途中で平たく広がって綾振
り溝103,113に追従できなくなる場合があり、極
細繊維の束が分離したり、綾振り溝103,113から
脱落するとトラバースできなくなったりするおそれがあ
る。
【0006】加えて、このトラバース機構101は構造
上ゴミや糸104の瘤の影響を受け易い問題や、綾振り
溝103を備えるドラムは溝形状や深さ等に精度を要す
ることから製作に技量や多大な時間を要しコスト高とな
りやすい問題がある。
【0007】また、図29に示した綾振ドラム112の
場合は、ドラム周面に溝交差点を有し、溝形状が複雑
で、表面仕上に技量を必要とするのでコスト高になる問
題がある。しかも、溝深さが異なるため、回転バランス
を取るのが難しく一層のコスト高を招く問題がある。ま
た、化繊糸を綾振りする場合、糸が平たく広がってしま
い溝交差時に綾振り溝113に追従できなくなる場合が
ある。
【0008】さらに、これらトラバース機構において
は、綾振り溝103,113を極端に傾斜させると円滑
なトラバースが困難となることから、巻取り幅を広く確
保するには綾振ドラム102,112のドラム径を大き
くしなければならなく、そうすると装置自体の大型化を
招いてしまう。また、トラバース幅が固定であることか
ら糸巻き形状を途中で均等になるように調整することが
難しいという問題もある。
【0009】そこで、本発明は、化繊糸なども確実にト
ラバースさせることができ、高速化と小型化を達成で
き、かつドラム製作コストの低いトラバース機構を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明のトラバース機構は、周面にス
パイラル形状した溝を有する綾振ドラムと、綾振ドラム
近傍に配置されて糸状部材の溝からの脱落を防止する制
御部材とを備え、スパイラル形状した溝は周回する右巻
き半周溝と左巻き半周溝とから形成されているものであ
る。
【0011】このトラバース機構では、溝に入り込んだ
糸状部材を制御部材が押さえ、溝から抜け出せない状態
とする。このため、綾振ドラムが半回転すると、糸状部
材は溝のスパイラル形状に応じて綾振ドラムの軸方向に
送られ溝端部まで移動し、連続形成された他方の溝に乗
り移る。ここで綾振ドラムがさらに半回転すると、糸状
部材は溝形状に沿って元の端部まで戻る。つまり、綾振
ドラムが1回転する間に糸状部材は綾振ドラムの軸方向
に1往復する。
【0012】このようなトラバース機構とした場合、溝
を形成する両半周溝の溝深さを均等にできる。このた
め、綾振ドラムは回転時のバランスがとりやすい。ま
た、低振動、低騒音にできる。したがって従来よりも高
速回転が可能となる。しかも、連続一方向回転での巻き
取り動作ができるため、高速回転ができ、従来の巻取り
時間を大幅に短縮し、生産性が向上する。
【0013】また、溝の溝深さは糸径より深ければよい
のでバランスがとりやすいことに加え、溝の形成がしや
すい。加えて、溝の1本が一つのドラム上にあるためコ
スト上行きの溝と帰りの溝が途中で交差し、溝の頂点で
溝深さを変えたドラムの場合より安くなるし、トラバー
ス機構のスペースも減少する。
【0014】また、このようなトラバース機構とした場
合、トラバース機構および駆動系を連続一方向回転での
巻き取り動作とすることができる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載のト
ラバース機構において、綾振ドラムと制御部材のクリア
ランスを糸状部材の径以下としたものである。これによ
り、糸状部材の通過する部分が確実に確保されて糸状部
材の噛み込みが起こり難くなる。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載のトラバース機構において、溝の断面形状を台形、
矩形、非対称、円弧または円弧と直線の組合せもしくは
これらと面取りの組合せとしたものである。この場合、
溝に糸状部材を保持しやすくなるし、面取り加工するこ
とによって糸状部材の表面に傷が付きにくくなる。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
いずれかに記載のトラバース機構において、糸状部材の
巻き取り方向に回転する巻取ドラムと綾振ドラムの回転
比率を可変としている。この場合、巻取ドラムと綾振ド
ラムの回転比率を変えることで、糸状部材を巻取ボビン
に掛けるときの綾角を変えることができる。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項1から4の
いずれかに記載のトラバース機構において、綾振ドラム
および制御部材を糸状部材の送り方向と逆方向に回転さ
せるようにしている。この場合、糸状部材の噛み込みが
生じにくくすることができる。
【0019】また、請求項6記載の発明のトラバース機
構は、糸状部材を案内するスパイラル状の右巻き半周溝
と左巻き半周溝とからなる周回溝を周面に有し回転して
糸状部材を軸方向にトラバースさせる綾振ドラムと、該
綾振ドラムの近傍に回転不能に配置され糸状部材の溝か
らの脱落を防止する制御部材と、該制御部材と綾振ドラ
ムとを非接触状態に保持するスペーサとを備えているこ
とを特徴とする。
【0020】このトラバース機構では、溝に入り込んだ
糸状部材を制御部材が押さえ、溝から抜け出せない状態
とする。このため、綾振ドラムが半回転すると、糸状部
材は溝のスパイラル形状に応じて綾振ドラムの軸方向に
案内され溝端部まで移動し、他方の溝に乗り移る。綾振
ドラムがさらに半回転すると、糸状部材は溝形状に沿っ
て元の端部まで戻る。つまり、綾振ドラムが1回転する
間に糸状部材は綾振ドラムの軸方向に1往復する。
【0021】また、制御部材は綾振ドラムと非接触状態
に保たれながら糸状部材を溝から脱落しないように押さ
えている。このため、綾振ドラムと制御部材は互いに傷
付けあったり偏摩耗したりせず、接触回転音が小さくな
る。さらに、綾振ドラムと制御部材との間にクリアラン
スが設けられるため糸の毛羽や瘤などが通過可能であ
る。また、制御部材は回転不能に設けられているため糸
状部材の接触圧を受けても回転せず、綾振り中において
回転エネルギーを持つことがない。さらには、制御部材
の両端のスライド状態を安定化する必要がなくなるし、
綾振ドラムと制御部材とも外周(母線)が揃うように精
密に製作する必要もない。
【0022】また請求項7記載の発明では、スペーサ
は、制御部材の段部において支持され綾振ドラムに接触
して回転可能なリングである。このため、制御部材が綾
振ドラム側に寄るとリングが綾振ドラムに接触し、制御
部材と綾振ドラムとを一定距離に保つスペーサとして機
能する。この場合、リングは綾振ドラムと接触して回転
可能であるため綾振ドラムの回転に負担をかけない。
【0023】請求項8記載の発明では、制御部材は回動
自在なアームに取り付けられ、糸状部材の径より大きな
瘤や異物が綾振ドラムと制御部材とのクリアランスを通
過する際に綾振ドラムから離れる方向に退避可能であ
る。制御部材は、瘤などが通過するまでは綾振ドラムと
の間でスペーサによって定まる一定のクリアランスを保
持する一方で、瘤などが通過する際は反発力を受けて退
避し、これらが通過可能な程度までクリアランスを拡げ
て糸状部材に余分な張力がかかるのを防止する。特に、
アームによって支持されている制御部材は退避しやす
い。
【0024】請求項9記載の発明は、スパイラル形状し
た溝から糸状部材が脱落した際にこの糸状部材をガイド
する予備溝が綾振ドラムに形成されているものである。
この場合、溝から脱落した糸状部材は続く予備溝によっ
て拾われ、正規の溝に復帰するまでこの予備溝によって
軸方向にガイドされる。
【0025】請求項10記載の発明は、綾振ドラムの軸
方向から見た糸状部材のパスラインが直線的に形成され
ているものである。この場合、張力変動による制御部材
の綾振ドラムに対しての押え力が安定し、トラバース機
能がより確実になる。
【0026】また、綾振ドラムの後段に設けられ糸状部
材を巻取ボビンに巻き送る巻取ドラムは、請求項11記
載のように小径であることが好ましい。この場合、綾振
ドラムを離れてから巻取ドラムに巻かれ始めるまでの長
さが短くなり、糸状部材の巻き取り形状が端高形状とな
るのが緩和される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0028】図1〜図17に、本発明の一実施形態を示
す。本発明のトラバース機構1は、周面にスパイラル形
状した溝2を有する綾振ドラム3と、綾振ドラム3の近
傍に配置されて糸状部材(以下、単に「糸」という)4
のスパイラル形状した溝2からの脱落を防止する制御部
材5とを備えている。そしてトラバース機構1は、制御
部材5で糸4を溝2に係止させながら綾振ドラム3を回
転させ、溝2の形状に沿って糸4を左右に振ってトラバ
ースさせ巻取ボビン6に綾掛けする。
【0029】ここで、トラバース機構1のスパイラル形
状した溝2は、図1に示すように、周回する右巻き半周
溝2aと左巻き半周溝2bとから形成されている。この
うち、たとえば右巻き半周溝2aのみを示すと図2に示
すようであり、スパイラル(螺旋)状であって溝の始ま
りと終わりとで180度反転するように形成されてい
る。
【0030】また、両半周溝2a,2bは、溝2が周回
するように互いの端部が連続して形成され、糸4が一方
の半周溝(たとえば2a)から他の半周溝(たとえば2
b)に乗り移るのを容易としている。したがって、綾振
ドラム3を半回転させる間に一方の溝たとえば右巻き半
周溝2aが糸4を綾振ドラム3の一端から他端まで移動
させ、綾振ドラム3をさらに半回転させる間に他方の溝
たとえば左巻き半周溝2bが糸4を綾振ドラム3の他端
から元の端まで移動させる。結局、トラバース機構1
は、綾振ドラム3を1回転させることによって糸4を1
往復させ左右にトラバースさせることができる。
【0031】この場合、溝2の軸方向溝距離つまりトラ
バース方向の溝長さは、巻取ボビン6上の期待巻き取り
幅より大きくすることが必要となる。一般に、巻取ボビ
ン6上における糸4の巻き取り幅は、巻取ボビン6まで
の距離、摩擦係数、巻き取られた糸4の端の状態、糸4
の慣性力、張力等の関係で遅れが生じ、綾振ドラム3上
のトラバース幅よりも狭くなってしまう。所望の巻き取
り幅を実現するためには、狭くなる分を加えた溝長さと
する。なお、巻取ボビン6の期待巻き取り幅を変更する
には、綾振ドラム3と溝2の軸方向の長さを適宜変更す
ればよい。
【0032】また、本実施形態のトラバース機構1にお
ける溝2は、図1に示すように半ピッチ分の1条巻の溝
を2つ設けることによって形成することが好ましい。こ
の場合、溝2は、綾振ドラム3の両端部以外では交差す
ることがないので、糸4を確実に左右に案内して綾振り
できる。
【0033】ここで、本実施形態の右巻き半周溝2aと
左巻き半周溝2bは、互いが巻き方向のみ異なる対称形
状(具体的には面対称)となっている。このため、周面
に溝2を有する綾振ドラム3は回転時のバランスをとり
やすい。特に、本実施形態のように1条巻きの半周溝2
a,2bから形成した場合は、溝深さを均等にできるた
め、より回転バランスをとりやすくなる。しかも、溝深
さを浅くするようにした場合は、バランスがとりやすい
ことに加え溝2の形成がしやすい。
【0034】また、本実施形態では、溝2を図4に示す
ように断面逆台形として糸4を保持しやすいようにして
いるが、この他の形状たとえば図5に示すような矩形、
逆三角形、非対称(たとえば一方の側面は角度が立ち、
他方の側面は緩やかな形状など)、円弧あるいは円弧と
直線の組合せ等としても構わない。さらに、図6に示す
ように各形状の溝2の縁を面取りし、底に丸みを付ける
ように加工すれば、糸4の表面に傷が付きにくくなるた
め好ましい。
【0035】ここで、右巻き半周溝2aと左巻き半周溝
2bとの交点10は、たとえば図7に示すように単純に
折り曲げたような連続形状としても足りるが、図8、図
9に示すように内側縁を切り落とした形状としても良
い。また、図10に示すように、交点10に溝2の直線
部分2cを設けることも好ましい。この場合、糸4の溝
2の端部におけるスピードを上げ、端部に留まる時間を
短くできるので、巻取ボビン6上の糸4の巻き取り形状
が図12に想像線で示すように縁が高くなって歪むのを
防止しやすくなる。これらの溝形状は、糸4が自身の慣
性力で溝2の中を暴れるような場合、糸4を押え込むの
に有効である。
【0036】また、上述のように交点10の内側縁を切
り落とす場合、切り落とし箇所11の壁は図示するよう
に面取り加工しないか、あるいは加工しても極力小さい
面取りとすることが好ましい。面取り加工しない場合、
交点10における糸4の噛み込みをより防止することが
できる。なお、図7、図8では半周溝2a,2bの交点
10が綾振ドラム3の端面3aに届く場合を示したが、
図11に示すように半周溝2a,2bの交点10を端面
3aよりも内側に設けるようにしてもよい。
【0037】以上のように溝2が形成される綾振ドラム
3は、高速回転を実現するため肉抜きされて軽量化され
ている。したがって、立上り速度も速い。また、高速回
転時のバランスを考慮してバランス調整されている。ま
た、綾振ドラム3の円筒面および溝2を形成した溝面
は、糸4が高速で摺動、接触するため耐摩耗処理され耐
熱材料で製作されている。
【0038】次に、トラバース機構1の制御部材5は、
溝2から糸4が脱落するのを防止するように綾振ドラム
3の近傍に設けられた部材である。この制御部材5は、
たとえば綾振ドラム3より小径かつ少なくとも溝2の軸
方向長さより長い回転ドラムあるいは押え軸で、本実施
形態では図1および図3に示すように綾振ドラム3の上
側に配置されている。制御部材5は、糸4との適当な抵
抗を持ちながら送り出された糸4の位置を忠実に確保
し、巻取ボビン6に送り出す。制御部材5の重量は糸4
が切れない範囲で適正に調整されている。
【0039】ここで、本実施形態では、図3に示すよう
にこの制御部材5と綾振ドラム3を糸4の送り方向とは
逆方向に回転させ、糸4の噛み込みを生じ難くするよう
にしている。したがって、綾振ドラム3と制御部材5は
相互に逆回転することになる。
【0040】さらに、綾振ドラム3と制御部材5との間
にはクリアランスを僅かに付加しておくことが好まし
い。このクリアランスは、糸4の径以下とすることがよ
り好ましく、こうした場合、クリアランスが確実に確保
されて糸4の噛み込みが起こり難くなる。
【0041】なお、上述の綾振ドラム3は、その回転軸
が糸4の送り方向と垂直な方向を向くように配置するこ
とが好ましい。また、制御部材5は、その回転軸が綾振
ドラム3の回転軸と平行となるように配置することが好
ましい。
【0042】巻取ボビン6は、トラバース機構1の直後
に配置され、綾振りされた糸4を巻き取る取り外し・交
換可能なボビンで、図13に示すようにコイルばねなど
の付勢手段12で巻取ドラム7に圧接され、巻取ドラム
7との間に接触抵抗を生じさせながら巻き取り方向に回
転する。また、巻取ボビン6の近傍には巻取ドラム7が
この巻取ボビン6と平行に配置されている。巻取ボビン
6で糸4を均一にかつ巻き崩れないように巻き上げるた
めに糸4の張力を一定にする糸張力調整機構がガイド軸
8の前方(糸4の繰り出し側)に構成される。糸張力調
整機構は巻取ボビン6で糸4を均一にかつ巻き崩れない
ように巻き上げるために糸4の張力を一定にする機構
で、簡単なブレーキ、微妙に張力を制御調整する種々の
機構で構成できる。
【0043】たとえば巻取ボビン6は、巻取ドラム7に
近寄るように付勢されて糸4を挟み込みトラバース機構
1からの糸位置と糸の送り速度を規定するとともに、巻
き取られた糸径の拡大に応じて糸4を押さえ付けながら
後退するように設けられている。巻取ボビン6を後退可
能とする構成は、たとえば図13に示すように先端で巻
取ボビン6を回転可能に支持しつつ支点15(図3参
照)を中心に揺動可能な揺動アーム13を設けることで
ある。また、付勢手段12による付勢力は、巻き取った
糸4の重量と巻径増加による重心位置変化を極力吸収
し、付勢力が安定する構成としてある。なお、糸通しの
時だけは巻取ボビン6と巻取ドラム7との間隔が糸4を
通すのに十分広がる機構を付加してもよい。なお、符号
14は調整ねじである。
【0044】また、この巻取ドラム7(および巻取ボビ
ン6)と上述の綾振ドラム3との回転比率は可変とする
ことが好ましい。こうした場合、回転比率を変えること
によって巻取ボビン6における糸4の綾角を容易に変え
ることが可能となる。なお、綾角とは、巻取ボビン6の
回転方向に対する糸の巻掛け角をいい、綾振りしない場
合は0度である。
【0045】さらに、ガイド軸8,9が、糸4の経路を
形成しつつ糸4に対し適度な張力を与えている。本実施
形態の場合、ガイド軸8は綾振ドラム3の前段に配置さ
れてフリー回転する軸であり、トラバース機構1への糸
4の入射角を一定にさせ、糸4のパスラインを安定させ
る。また、ガイド軸9は綾振ドラム3と巻取ボビン6の
間に配置されて糸4の速度と等速に、糸4の送り方向に
回転するたとえばゴムローラあるいはサンドブラストさ
れた軸であり、綾振ドラム3から出た糸4の位置を、極
力ずらすことなく巻取ドラム7に受け渡すために配置し
てある。ここで、ガイド軸8,9は、糸4の制御部材5
への巻き付き角度が多くなるように配置されている。こ
れは、糸4が綾振ドラム3と制御部材5との間に挟まれ
難くするための配置で、溝2と糸4の噛み合い幅は極力
短くして綾振ドラム3の溝2の糸4への影響を限定する
働きをしている。
【0046】なお、本実施形態のトラバース機構1は糸
4の巻取装置を構成している。本明細書ではこの巻取装
置について特に図示して説明しないが、各部について簡
単に説明すると以下のとおりである。
【0047】巻取装置は、繰り出し側ボビン、糸パス金
具、糸張力調整機構、糸連結機構、糸バス金具、ガイド
バーなどを備えている。これらはいずれも公知の部品で
構わない。
【0048】繰り出し側ボビンは巻取ボビン6に巻くべ
き糸4が巻かれたボビンで、糸4を繰り出して巻取ボビ
ン6に送る。糸パス金具は糸4の通り道を一定にさせ
る。繰り出し側ボビンから高速に糸4を引き出すと、糸
4は巻き解かれる際の遠心力で外側に膨らみながら繰り
出されるが、この糸パス金具を通過することで一定位置
を通り、トラバース機構1の入口の糸位置が限定され
る。また、糸パス金具は一巻き以上の線状に形成され糸
4を通しやすい形になっている。なお、糸4が高速で通
過するため、摩耗対策が施されていることが好ましい。
また、糸パス金具は、糸パス軌跡ができるだけ直線状と
なるように配置した方が糸4にダメージを与えないため
好ましい。
【0049】糸連結機構は何らかの不具合で糸4が切れ
た場合や繰り出し側の糸4がなくなったときなどに、巻
取ボビン6側の糸4の切れ端と繰り出し側の糸4の切れ
端を結びつける機構である。この糸連結機構と糸張力調
整機構はトラバース機構1と糸4の繰り出しボビンとの
間に配置される。
【0050】なお、糸くず、ほこり、油、ミスト等を糸
4や駆動部分に近づけなくし、各機構に部分的に溜まり
づらくして糸4の品質を維持し、あるいは機構トラブル
を減少させるため、外部よりエアーを送り込み、また、
外部に吐き出す処置がとられている。
【0051】続いて、トラバース機構1の綾振ドラム3
等の回転する部材の駆動態様について説明する。本実施
形態では、モータ16およびその輪列とによって駆動し
ている。
【0052】駆動輪列は、たとえばモータ16→巻取ド
ラム7→ガイド軸9と、巻取ドラム7→綾振ドラム3→
制御部材5のように伝達するように構成されるが、これ
は一例であって他の態様としてもよい。モータ16は、
トラバース機構1の側板18に固定されている。また、
タイミングベルト19、輪列を構成するアイドラ17等
でモータ16の駆動力が伝達される。モータ軸には一方
にプーリ20が固定され、タイミングベルト19で巻取
ドラム7の回転軸のプーリ21に回転力が伝えられる。
また、巻取ドラム7の回転軸のプーリ21と反対側に歯
車22が付加されており、ガイド軸9が輸列しており、
綾振ドラム3の回転軸の端部に取付けられた歯車23に
回転力が伝わる。この場合、綾振ドラム3は等速回転
で、糸4の進行方向とは逆方向に回転する。また、制御
部材5は等速回転で糸4の送り方向と逆方向に回転す
る。
【0053】次に、本実施形態のトラバース機構1にお
ける動作について説明する。
【0054】まず、綾振ドラム3と制御部材5の間に糸
4を通過させる。このとき、綾振ドラム3と制御部材5
の間はクリアランス調整機構により糸4の張力時の径よ
り狭く調整されている。糸4は溝2の中に入り、制御部
材5が溝2にあるクリアランスを確保した状態になって
いる。これにより、糸4は溝2から抜け出せない状態と
なる。
【0055】続いて、糸4の先端は巻取ボビン6に固定
され、糸4は巻取ドラム7の駆動力で巻取ボビン6に巻
き始められる。それと同時に、歯車輪列で綾振ドラム
3、制御部材5等の輪列軸が回転する。このとき、糸張
力調整機構の作用によって規定の張力で糸4が張られ
る。綾振ドラム3と制御部材5は糸4の進行方向と逆に
回転し、糸4は綾振ドラム3の隙間に入り込み難い状態
で巻取ボビン6の方向に引かれる。
【0056】綾振ドラム3が回転した場合、糸4は溝2
から吐き出されようとするが、制御部材5が溝2を塞い
でいるために溝2の傾きに沿ってドラム軸方向に送られ
る。そして、糸4は、綾振ドラム3の回転が進み溝2の
端部まで移動すると、一方の溝2の端から連続して形成
されている他方の溝2に自動的に導かれる。このとき
も、制御部材5は糸4が溝2から飛び出し脱落するのを
防いでいる。そして、糸4は他方の溝2に入るや否や反
対側に移動し始める。ここで、溝2は規定巻取り幅に対
して0.5巻きの半周溝2a,2bの組合せであるた
め、綾振ドラム3が180度回転(半回転)した時点で
糸4の進行方向が変換されることとなる。
【0057】上述したように、本実施形態のトラバース
機構1では、綾振ドラム3上の溝2が巻き方向のみ異な
る対称形状の右巻き半周溝2aと左巻き半周溝2bから
なる。また、両半周溝2a,2bの溝深さを均等にでき
る。このため、綾振ドラム3は回転時のバランスがとり
やすい。また、低振動、低騒音にできる。したがって従
来よりも高速回転が可能となる。しかも、本実施形態の
場合、駆動系、トラバース機構1ともに連続一方向回転
での巻き取り動作ができるため、高速回転ができ、従来
の巻取り時間を大幅に短縮し、生産性が向上する。
【0058】また、溝2の溝深さは糸4の通過スペース
さえ確保すれば浅くても構わないのでバランスがとりや
すいことに加え、溝2の形成がしやすい。加えて、溝2
の1本が一つのドラム上にあるためコスト上行きの溝2
と帰りの溝2が途中で交差し、溝2の頂点で溝深さを変
えたドラムの場合より安くなるし、機構のスペースも減
少する。
【0059】また、トラバース機構1は、溝2で糸4を
送り、半回転時に糸4をもう一方の溝2へ受け渡す構造
をもち、綾振ドラム3と制御部材5が対向し、その間を
糸4が通過するため、糸4の送りと進行方向変換が確実
で、生産性が向上する。また、安定して巻くことができ
るため糸切れの確率が減少する。また、綾振ドラム3の
溝2と制御部材5でできる空間は糸4が通過するのには
十分に大きく、綾振ドラム3と制御部材5の間隔は糸径
より小さく形成されており、調整できる構成となってい
るため、細い糸4、太い糸4でも対応できる。
【0060】また、溝2の両端部の折返し部では糸4は
溝2と制御部材5に規制され、変動が少なく、安定した
動作で折返すため、糸4の巻き上がり品質は安定しやす
い。しかも、綾振ドラム3と糸4の接触点は綾振ドラム
3の外周部に限定されるため糸4の張力変化が少ない。
また、制御部材5と糸4の接触点は制御部材5の外周部
に限定されるため糸4の張力変化が少ない。そして、溝
2の糸4への接触部は溝のほぼ全域に亘るコーナー部で
あり、部分的に摩耗するのではないため、摩耗に対して
有利である。
【0061】しかも、綾振ドラム3と制御部材5とを糸
4の送り方向と逆方向に回転させることで糸4との接触
状態が安定し、糸4をドラムの間に挟み込まずに安定し
て巻くことができるし、糸切れの確率が減少する。糸4
の送り方向と同方向に回転させても良い。
【0062】また、潤滑油の配慮は回転部の軸受のみで
足り、糸4に接触する付近に油潤滑を必要とする部分が
ないので糸4に対して安全である。
【0063】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、本実施形態では糸状部材の具体例として
糸4を挙げて説明したが、糸状部材はこれに限られるこ
とはなく、他の糸状あるいは線状の部材たとえばリード
線材、金属ワイヤ、樹脂ワイヤ、チューブ、ホース、ロ
ープ、電線、光ファイバ等である場合も含まれる。した
がって、本発明のトラバース機構1によれば、これらを
高速にかつ安定して巻き取ることが可能となる。
【0064】また、本実施形態では、互いに巻き方向の
み異なる対称形状の右巻き半周溝2aおよび左巻き半周
溝2bによって溝2を形成したが、両半周溝2a,2b
は必ずしも対称形状でなくて構わない。たとえば、一方
の半周溝2aの回転軸に対する傾き(巻き角)を200
度とし、他方の半周溝2bの傾きを160度とするとい
うように、両半周溝2a,2bの傾きが1本のドラムで
合わせて360度となるようにすれば、行きと帰りの糸
4の綾角を変えることができて糸4の解除性を向上させ
ることができる。
【0065】さらには、半周溝2a,2bの傾きを一律
とせずに途中で変化させてもよい。たとえば、溝2のね
じれ角を両端側と中央部で変化させることで糸4の巻き
取り品質を向上させることが可能である。
【0066】また、巻取ボビン6の回転を綾振ドラム3
の回転と分離し、独立に変化させることで綾角を巻径と
ともに制御することができる。
【0067】また、本実施形態では、駆動力を歯車で伝
達する場合について説明したが、ここで用いる歯車は、
低騒音化のため、はすば歯車としてもよい。また、歯車
は異種材料のかみ合わせでもより騒音が押さえられる。
あるいは、歯車伝達とする代わりにたとえばコロ伝達ま
たはベルト伝達としてもよい。
【0068】また、本実施形態では綾振ドラム3、巻取
ボビン6等とモータ16とは別体としたが、たとえば綾
振ドラム3あるいは巻取ドラム7内にモータ16を一体
的に組込みコンパクト化と部品点数の削減を図るように
してもよい。
【0069】また、綾振ドラム3等のドラム軸受形態に
関しては、回転軸の両端を支える両持ちとしてもよい
し、片持ちとしてもよい。同様に、制御部材5を片持ち
としてもよく、この場合、片持ち側から糸4を通し易く
なる。たとえば、図16に示すように側板18に支持軸
24を設け、これら支持軸24によって図17に示すよ
うに片持ち側の側板18を支えるようにしてもよい。こ
の場合、図17に示すように糸4を通しやすくするため
のスリット25を形成することができる。一方、糸4を
通すことを考えない場合は片持ち側の側板18は一体化
されている。
【0070】さらに、本実施形態では、綾振ドラム3と
制御部材5の間のクリアランス調整手段の一例としてね
じ調整する場合について説明したが、この調整機構は位
置検出とサーボ制御で行うものとしてもよい。
【0071】また、綾振ドラム3と制御部材5とでは周
速が異なることから、これら綾振ドラム3と制御部材5
との間にはクリアランスを僅かに付加しておくようにし
たが、制御部材5を綾振ドラム3に載せておいて自重に
よる圧力をかけるようにしてもよい。あるいは、安定化
のために、さらに軽い力を付加して加圧しておいてもよ
い。
【0072】また、本実施形態では綾振ドラム3の溝2
を180度ずつの半周溝2a,2bによって形成した
が、溝2のいずれか一方を180度以上としてもよい。
この場合、トラバースの行きに要する時間と帰りに要す
る時間とを異ならせることが可能となる。
【0073】また、綾振ドラム3に限らず、巻取ドラム
7やガイド軸8,9その他の各回転する軸をイナーシャ
を小さくするため中空パイプによって形成してもよい。
【0074】続いて、図18〜図26に本発明の第2の
実施形態を示す。このトラバース機構1は、糸4を案内
する右巻き半周溝2aと左巻き半周溝2bとからなる周
回スパイラル状の溝2を周面に有し回転して糸4を軸方
向に綾振る綾振ドラム3と、該綾振ドラム3の近傍に回
転不能に配置され糸4の溝2からの脱落を防止する制御
部材5と、該制御部材5と綾振ドラム3とを非接触状態
に保持するスペーサ26とを備え、制御部材5で糸4を
溝2に係止させながら綾振ドラム3を回転させ、溝2の
形状に沿って糸4を左右にトラバースさせて巻取ボビン
6に綾掛けするようにした機構である。
【0075】綾振ドラム3は回転して糸4を綾振るドラ
ムで、例えば胴部となる円筒状の中空ドラム3b、中空
ドラム3bの両端に設けられる端板3c、段付軸3d、
固定ナットなどから構成され、段付軸3dの両端部をド
ラム支持用ベアリング30を介して側板18に支持され
ている。中空ドラム3bは高速回転を実現するため肉抜
きされ軽量化されているため立上り速度が速く、さらに
高速回転時のバランスを考慮してバランス調整されてい
る。また、綾振ドラム3の円筒面(周面)および溝2を
形成した溝面は、糸4が高速で摺動、接触するため、耐
熱材料で製作され耐摩耗処理されている。端板3cは、
制御部材5上のスペーサ26が接触する帯状のスペーサ
受けとして機能する。
【0076】綾振ドラム3の周面に設けられるスパイラ
ル形状した溝2の構成や形態などは上述した第1の実施
形態と同様であるので重複部分の説明を省くが、右巻き
半周溝2aと左巻き半周溝2bとの交点10は、たとえ
ば図24に示すように単純に折り曲げたような連続形状
としても足りるが、図25に示すように内側縁を切り落
とした形状としても良い。また、図26に示すように、
交点10において溝2の直線部分2cを設けることも好
ましく、この場合は、糸4の溝2の端部における綾振り
スピードを上げ、端部に留まる時間を短くできるので、
巻取ボビン6上の糸4の巻き取り形状が縁が高くなって
歪むのを防止しやすくなる。これらの溝形状は、糸4が
自身の慣性力で溝2の中を暴れるような場合、糸4を押
え込むのに有効である。
【0077】また、半周溝2a,2bからなる1条の溝
2に加え、この溝2から糸4が脱落した場合に外れた糸
4をガイドする予備溝31を設けることが好ましい。予
備溝31は、例えば綾振ドラム3における溝2の回転方
向後ろ側に設けられるバックアップ溝で、溝2から脱落
した糸4を拾い、正規の溝2に追従するように糸4を軸
方向にガイドする。例えば図18、図19に示す予備溝
31は溝2から脱落した糸4を拾いやすい幅広形状であ
り、溝2から均一幅をおいて平行に設けられている。ま
た予備溝31は、綾振りストローク端に達する前に終端
が設けられていることから溝2よりも短くなっている。
したがって、予備溝31によって拾われた糸4は終端に
達するまでは一方向に綾振りされるが当該終端で予備溝
31から放り出される。この糸4は、その後出現する正
規の溝2に拾われ復帰して再び綾振りされることにな
る。
【0078】また、本実施形態(第2実施形態)では制
御部材5を揺動可能なアーム27の先端側で支持し、ア
ーム27が揺動することによってこの制御部材5が綾振
ドラム3に接近離反可能としている。この場合、制御部
材5は図22に示すように綾振ドラム3上に載り、自重
およびアーム27の重量による圧力で糸4を溝2から脱
落しないよう押さえている。一方で、制御部材5は、糸
4の瘤や他の異物が通過するときは反発力によって綾振
ドラム3から少なくとも瘤などが通過可能な程度まで退
避することができるのでこれら瘤などの通過を妨げな
い。制御部材5は段付軸であり、中心が溝2の軸方向長
さより長い胴部5a、胴部5aの両外側が胴部5aより
細いスペーサ組み付け用の段部5b、その外側両端部が
アーム27の支持孔に嵌合するさらに細い軸端部5cと
なっている。軸端部5cにはピン孔が設けられ、図18
に示すようにこのピン孔に組み付けられた回り止めピン
29がアーム27のスリット27aに引っ掛かることに
よりアーム27に対する制御部材5の相対回転を不能と
している。このため、制御部材5は綾振りされる糸4と
接触しても回転しないので綾振り中に回転エネルギーを
持つことがなく、糸4の瘤や異物が通過したときの反発
力を受けたとき回転エネルギーを有している場合に比べ
て逃げやすく(退避しやすく)なっている。制御部材5
においては母線の直線度が確保されている。また、制御
部材5は耐摩耗性材料から成形され耐摩耗処理されてい
ることが望ましい。
【0079】アーム27は制御部材5の両端部を支持し
うる左右一対のアームからなり、図19に示すようにト
ラバース機構1の右側板18aおよび左側板18bにお
いてアーム支軸28(28a,28b)により揺動可能
に支えられている。アーム27の取付け位置は綾振ドラ
ム3の回転方向に対して制御部材5が逃げ方向になる位
置である。なお、側板18aと側板18bとの間には両
側板の間隔を決め連結する支持軸24が設けられてい
る。
【0080】また、本実施形態(第2実施形態)のトラ
バース機構1は、制御部材5と綾振ドラム3との間に介
在しこれらを非接触状態に保持するスペーサ26を備
え、綾振ドラム3と制御部材5とが互いに傷付けたり偏
摩耗したりさらには接触回転音が生じるのを防止して長
寿命化と静粛化を図っている。スペーサ26の構造は特
に限定されるものではないが、本実施形態の場合は外径
が制御部材5の胴部5aの径より僅かに(例えば5〜1
0μm程度)大きいリングを2個採用し、各リングを制
御部材5の左右の段部5bに回転可能に取り付け、綾振
ドラム3の端板3cの帯状スペーサ受けに接触するよう
にしている(図18、図20)。リングは制御部材5側
に内輪が固定され外輪はフリー回転できるベアリングで
あることが回転摩擦軽減を図る上で好ましい。このよう
にスペーサ26としてリングを採用した場合、制御部材
5と回転する綾振ドラム3との間にクリアランスC(図
20における符号Cは間隔をも意味している)を設けや
すいし、一定のクリアランスCが確実に確保されること
で糸4の噛み込みが起こり難くもなる。ただし、噛み込
み防止と脱落防止の点からクリアランスCは糸4の径以
下であることが好ましい。スペーサ26はベアリングの
外輪やメッキやコーティング材、特殊な樹脂でも良い。
【0081】巻取ドラム7は、小径であることが好まし
い。この場合、綾振ドラム3を通過した後の糸4のフリ
ーレングス(綾振ドラム3を離れてから巻取ドラム7に
巻かれ始めるまでの長さ)が短くなり、糸4の巻き取り
形状が端高形状となるのが緩和される。ただし、小径に
しすぎると巻取ボビン6との接触面積が小さくなってし
まい、スリップを生じさせ安定した回転力が伝達できな
くなるおそれがあるので、巻取ボビン6にスリップを生
じさせず尚かつ巻取り形状を乱さない範囲内でできるだ
け小径とするようにする。
【0082】ガイド軸9は状況に応じて設けられるもの
で、本実施形態(第2の実施形態)ではこれを省略して
糸4を直接巻取ドラム7で巻き取るようにしている。
【0083】ここで、本実施形態(第2実施形態)のト
ラバース機構1を綾振ドラム軸方向に沿って側面から見
た場合の糸4のパスライン(つまり糸4の走る軌跡)の
一例を図21に示す。本実施形態のパスラインは、図示
するようにガイド軸8から巻取ドラム7に至るまでが直
線的に形成され、綾振ドラム3および制御部材5に対す
る糸4の巻付き角が少なくなっている。この場合、張力
変動による制御部材5の綾振ドラム3に対しての押え力
が安定し、トラバース機能がより確実になる。
【0084】また、トラバース機構1の駆動系統につい
て説明すると、本実施形態(第2実施形態)では側板1
8に固定されたモータ16を駆動源とし、モータ16→
巻取ドラム7→綾振ドラム3と駆動力を伝達して各機構
を動作させるようにしている。モータ軸にはプーリ20
が固定され、タイミングベルト19で巻取ドラム7の回
転軸のプーリ21に駆動力が伝えられる。また巻取ドラ
ム7の回転軸には別のプーリ32が設けられており、こ
のプーリ32と綾振ドラム3とに別のタイミングベルト
33が掛けられている。このタイミングベルト33は、
図23に示すように水平方向に移動可能なテンションロ
ーラ34によって張力が付与されている。本実施形態で
は、綾振ドラム3を糸4の進行方向と逆に回転させるよ
うにしている。
【0085】本実施形態(第2実施形態)のトラバース
機構1は以下のように動作する。
【0086】まず、モータ16を駆動すると巻取ドラム
7が回転することで巻取ボビン6が回転し、巻取ボビン
6に固定された糸4はこの巻取ボビン6に巻き始められ
る。また、タイミングベルト33により連結されている
綾振ドラム3が回転することで、糸4は制御部材5によ
って押さえられつつ溝2によってガイドされ軸方向へ移
動(トラバース)する。このとき、糸4は溝2から吐き
出されようとするが、制御部材5によって押さえられて
いるため溝2の傾きに沿ってドラム軸方向に移動し、溝
2の終端まで移動すると一方の溝2a(2b)の端から
もう一方の溝2b(2a)へと自動的に導かれて乗り移
る。この際、糸4は図24において幅をtで示す狭い溝
部分で制御されてクイックリターンする。
【0087】トラバース機構1の動作時、制御部材5は
回り止めピン29が作用して回転しない。また、制御部
材5の両端に取り付けられたベアリング(スペーサ)2
6が綾振ドラム3の端板(スペーサ受け)3cに接触
し、ベアリング外輪が回転する。ここで、糸の毛羽や微
細なゴミなどは綾振ドラム3と制御部材5の間に来ても
僅かなクリアランスCを通過するので糸4の挟み込みを
生じさせることはない。一方、糸径より大きな瘤や異物
が綾振ドラム3と制御部材5の間に来たときは、瘤など
が制御部材5を押し上げるので、糸4は切れないでトラ
バースされ巻き取られ続ける。その際、糸4は溝2から
脱落したとしてもすぐ次に回転してくる予備溝31に入
り込みガイドされる。
【0088】このトラバース機構1では、両半周溝2
a,2bの溝深さを均等にできる。このため、綾振ドラ
ム3は回転時のバランスがとりやすい。また、低振動、
低騒音にできる。したがって従来よりも高速回転が可能
となる。しかも、駆動系、トラバース機構1ともに連続
一方向回転での巻き取り動作ができるため、高速回転が
でき、従来の巻取り時間を大幅に短縮し、生産性が向上
する。
【0089】なお、上述の実施形態(第2実施形態)は
本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定される
ものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々変形実施可能である。例えば、本実施形態でスペーサ
26として用いたベアリングの外周にカラーを加えるこ
とで綾振ドラム3と制御部材5のクリアランスCが更に
確保し易くなる。また、適当なカラー材質を選択すると
ともに、綾振ドラム3の端板3cの表面処理を行うこと
で長寿命化、少音化が図れる。
【0090】また、本実施形態(第2実施形態)で説明
した予備溝31は綾振りストローク端に達する前の終端
で糸4を放り出すものであったが、この予備溝31を延
長形成して溝2に連続させてもよい。この場合、溝2か
ら脱落し予備溝31で拾われた糸4は予備溝31から放
り出されずに溝2まで誘導される。
【0091】さらに、この予備溝31は1本のみでなく
複数本あってもよい。また、予備溝31の溝幅は糸4が
通過できる幅以上にしておけばよく、特に限定されるこ
とはない。
【0092】また、本実施形態(第2実施形態)では、
制御部材5を綾振ドラム3上に載せ、重量による圧力で
糸4を溝2から脱落しないよう押さえるようにしたが、
アーム27を下向きの付勢力を加減することで制御部材
5の綾振ドラム3に対しての接触圧を適正に保つように
してもよい。
【0093】また、本実施形態(第2実施形態)では単
一のモータ16と複数のタイミングベルト19,33と
で綾振ドラム3や巻取ドラム7などをまとめて回転させ
るようにしたが、別のモータを設けて別々に回転させる
ようにしても構わない。例えば図27に示すトラバース
機構1では、モータ16とは別に設けた第2のモータ1
6’によりタイミングベルト33’を介して綾振ドラム
3を回転させるようにし、綾振ドラム3と巻取ドラム7
とを別々の駆動系統としている。この場合、巻取ドラム
7(および巻取ボビン6)の回転を綾振ドラム3の回転
と分離し、独立に変化させることで綾角を巻径とともに
制御することができる。なお、図18では第2のモータ
16’等を想像線で示している。
【0094】その他、上述した第1実施形態の変形実施
例であって本実施形態(第2実施形態)のトラバース機
構1に適用可能なものについては重複するので記載を省
略する。
【0095】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載のトラバース機構によると、スパイラル形状した
溝を周回する右巻き半周溝と左巻き半周溝とから形成し
たことから、両半周溝の溝深さを均等にできる。このた
め、綾振ドラムは回転時のバランスがとりやすい。ま
た、低振動、低騒音にできる。したがって従来よりも高
速回転が可能となる。しかも、連続一方向回転での巻き
取り動作ができるため、高速回転ができ、従来の巻取り
時間を大幅に短縮し、生産性が向上する。
【0096】また、溝の溝深さは浅くても構わないので
バランスがとりやすいことに加え、溝の形成がしやす
い。加えて、溝の1本が一つのドラム上にあるためコス
ト上行きの溝と帰りの溝が途中で交差し、溝の頂点で溝
深さを変えたドラムの場合より安くなるし、トラバース
機構のスペースも減少する。
【0097】また、トラバース機構は、溝で糸状部材を
送り、半回転時に糸状部材をもう一方の溝へ受け渡す構
造をもち、綾振ドラムと制御部材が対向し、その間を糸
状部材が通過するため、糸状部材の送りと進行方向変換
が確実で、生産性が向上する。また、安定して巻くこと
ができるため糸切れの確率が減少する。また、綾振ドラ
ムの溝と制御部材でできる空間は糸状部材が通過するの
には十分に大きく、綾振ドラムと制御部材の間隔は糸状
部材径より小さく形成されており、調整できる構成とな
っているため、細い糸状部材、太い糸状部材でも対応で
きる。
【0098】さらに、溝の両端部の折返し部では糸状部
材は溝と制御部材に規制され、変動が少なく、安定した
動作で折返すため、糸状部材の巻き上がり品質は安定し
やすい。しかも、綾振ドラムと糸状部材の接触点は綾振
ドラムの外周部に限定されるため糸状部材の張力変化が
少ない。また、制御部材と糸状部材の接触点は制御部材
の外周部に限定されるため糸状部材の張力変化が少な
い。そして、溝の糸状部材への接触部は溝全体であり、
一部で摩耗するのではないため、摩耗に対して有利であ
る。
【0099】また、請求項2記載のトラバース機構によ
ると、綾振ドラムと制御部材のクリアランスを糸状部材
の径以下としたことから、クリアランスが確実に確保さ
れて糸状部材の噛み込みが起こり難くなる。
【0100】また、請求項3記載のトラバース機構によ
ると、溝の断面形状を台形、矩形、非対称、円弧または
円弧と直線の組合せもしくはこれらと面取りの組合せと
したことから、溝に糸状部材を保持しやすくなるし、面
取り加工することによって糸状部材の表面に傷が付きに
くくなる。
【0101】また、請求項4記載のトラバース機構によ
ると、糸状部材の巻き取り方向に回転する巻取ドラムと
綾振ドラムの回転比率を可変としたので、糸状部材を巻
取ボビンに掛けるときの綾角を変えることができる。
【0102】また、請求項5記載のトラバース機構によ
ると、綾振ドラムおよび制御部材を糸状部材の送り方向
と逆方向に回転させるようにしたことから、糸状部材の
噛み込みが生じにくくすることができる。
【0103】さらに、請求項6記載のトラバース機構に
よると、制御部材両端に付加したスペーサの外周のみを
綾振ドラムの外周面に接触させるようにし、綾振ドラム
と制御部材との間に一定のクリアランスを確保するよう
にしている。したがって、 綾振ドラムと制御部材とが互いに傷つけたり偏摩耗し
たりすることがなくなる。また、接触部分が少なくなる
ことにより接触回転音を小さくすることができる。 綾振ドラムと制御部材との間にクリアランスが設けら
れているため糸の毛羽や瘤などを通過させることができ
る。このため、糸状部材が綾振ドラムと制御部材との間
で引っ掛かって切れるおそれが減少し、巻取りが安定し
て効率が上がる。 制御部材の両端のスライド状態を安定化する必要がな
くなり、その分手間がかからなくなる。 綾振ドラムと制御部材とも外周(母線)が揃うように
精密に製作する必要がなくなる。 回転不能な制御部材は糸状部材の接触圧を受けても回
転しないので、回転可能な場合に比べて直線性を確保し
やすい。また、綾振り中において回転エネルギーを持つ
ことがないため、回転エネルギーを有している場合に比
べて移動しやすくなっており、糸の瘤が来た場合に跳ね
上がって退避することが可能となる。したがって、糸を
切ってしまうおそれが少ない。
【0104】請求項7記載のトラバース機構によると、
スペーサはリングであり、制御部材が綾振ドラム側に寄
るとリングが綾振ドラムに接触し、制御部材と綾振ドラ
ムとを一定距離に保つスペーサとして機能する。この場
合、リングの外径寸法を調整することで綾振ドラムと制
御部材との間のクリアランス調整が可能となる。また、
製作の容易なベアリングをスペーサとして採用した場合
はより調整が行いやすくなるし、ベアリングを保守パー
ツとすることができる。さらに、リングは綾振ドラムと
接触して回転可能であるため綾振ドラムの回転に負担を
かけない。
【0105】請求項8記載のトラバース機構によると、
制御部材は回動自在なアームに取り付けられ、瘤などが
通過する際は反発力を受けて退避し、これらが通過可能
な程度までクリアランスを拡げて糸状部材に余分な張力
がかかるのを防止する。このため、張力増加で糸状部材
が巻き締まったり切れたりすることがない。
【0106】請求項9記載のトラバース機構によると、
溝から外れた糸状部材を続く予備溝によって拾い、正規
の溝に復帰するまでこの予備溝によって軸方向にガイド
することができる。したがって、糸状部材が溝から脱落
した場合にも、この糸状部材がその位置に留まって巻き
が均一にならなくなるのを防止することができる。
【0107】請求項10記載のトラバース機構による
と、綾振ドラムの軸方向から見た糸状部材のパスライン
が直線的に形成されていることから、張力変動による制
御部材の綾振ドラムに対しての押え力が安定し、トラバ
ース機能がより確実になる。
【0108】請求項11記載のトラバース機構による
と、巻取ドラムが小径であることから、綾振ドラム通過
後の糸状部材のフリーレングスが短くなり、糸状部材の
巻き取り形状が端高形状となるのが緩和される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトラバース機構およびその周辺の構成
を示す斜視図である。
【図2】右巻き半周溝のみが形成された綾振ドラムを示
す斜視図である。
【図3】トラバース機構およびその周辺の構成を示す側
面図である。
【図4】図7のIV-IV線における溝の断面図である。
【図5】溝の他の形状例を示す断面図であり、(A)矩
形、(B)逆三角形、(C)非対称、(D)円弧、
(E)円弧と直線の組合せである。
【図6】縁を面取りし、底に丸みを付けた溝の他の形状
例を示す断面図であり、(A)矩形、(B)逆三角形、
(C)非対称、(D)円弧、(E)円弧と直線の組合せ
である。
【図7】単純に折り曲げたような連続形状とした両半周
溝の交点を示す平面図である。
【図8】内側縁を切り落とした形状の両半周溝の交点を
示す平面図である。
【図9】内側縁を切り落とした形状の両半周溝の交点を
示す綾振ドラムの斜視図である。
【図10】両半周溝の交点に直線部分を設けた場合の溝
形状を示す部分斜視図である。
【図11】綾振ドラムの端面より内側に設けた半周溝の
交点を示す平面図である。
【図12】巻取ボビン上の糸の巻き取り形状を示す正面
からの部分図である。
【図13】巻取ドラムおよびこの巻取ドラムに圧接され
る巻取ボビンを示す斜視図である。
【図14】綾振ドラムおよびその周辺の構成を示すトラ
バース機構の正面図である。
【図15】トラバース機構の主要部分を示す平面図であ
る。
【図16】糸状部材の巻取装置を示す左側面図である。
【図17】糸状部材の巻取装置を示す右側面図である。
【図18】本発明の第2の実施形態を示す図で、トラバ
ース機構の綾振ドラムおよびその周辺の構成を示した正
面図である。
【図19】トラバース機構の主要部分を示す平面図であ
る。
【図20】図18中のAで示した部分の拡大図である。
【図21】綾振ドラムの軸方向から見たパスラインの概
略を示す側面図である。
【図22】糸状部材の巻取装置(トラバース機構を含
む)の左側板を外した状態での左側面図である。
【図23】糸状部材の巻取装置(トラバース機構を含
む)の右側面図である。
【図24】単純に折り曲げたような連続形状とした両半
周溝の交点を示す平面図である。
【図25】内側縁を切り落とした形状の両半周溝の交点
を示す平面図である。
【図26】両半周溝の交点に直線部分を設けた場合の溝
形状を示す部分斜視図である。
【図27】別のモータが設けられた糸状部材の巻取装置
(トラバース機構を含む)を示す左側面図である。
【図28】従来のトラバース機構を示す図である。
【図29】従来のトラバース機構の綾振ドラムを示す図
である。
【符号の説明】
1 トラバース機構 2 溝 2a 右巻き半周溝 2b 左巻き半周溝 3 綾振ドラム 4 糸(糸状部材) 5 制御部材 5b 段部 6 巻取ボビン 7 巻取ドラム 26 スペーサ 27 アーム 31 予備溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椎村 尚平 長野県諏訪郡原村10801番地の2 株式会 社三協精機製作所諏訪南工場内 Fターム(参考) 3F056 AA05 FA05 4L056 AA31 AA45 BE05 CA06 CA14

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面にスパイラル形状した溝を有する綾
    振ドラムと、上記綾振ドラム近傍に配置されて糸状部材
    の上記溝からの脱落を防止する制御部材とを備え、上記
    スパイラル形状した溝は周回する右巻き半周溝と左巻き
    半周溝とから形成されてなることを特徴とするトラバー
    ス機構。
  2. 【請求項2】 上記綾振ドラムと上記制御部材のクリア
    ランスを上記糸状部材の径以下としたことを特徴とする
    請求項1記載のトラバース機構。
  3. 【請求項3】 上記溝の断面形状を台形、矩形、非対
    称、円弧または円弧と直線の組合せもしくはこれらと面
    取りの組合せとしたことを特徴とする請求項1または2
    記載のトラバース機構。
  4. 【請求項4】 上記糸状部材の巻き取り方向に回転する
    巻取ドラムと上記綾振ドラムの回転比率を可変としたこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトラ
    バース機構。
  5. 【請求項5】 上記綾振ドラムおよび上記制御部材を上
    記糸状部材の送り方向と逆方向に回転させることを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載のトラバース機
    構。
  6. 【請求項6】 糸状部材を案内するスパイラル状の右巻
    き半周溝と左巻き半周溝とからなる周回溝を周面に有し
    回転して上記糸状部材を軸方向にトラバースさせる綾振
    ドラムと、該綾振ドラムの近傍に回転不能に配置され上
    記糸状部材の上記溝からの脱落を防止する制御部材と、
    該制御部材と上記綾振ドラムとを非接触状態に保持する
    スペーサとを備えることを特徴とするトラバース機構。
  7. 【請求項7】 上記スペーサは、上記制御部材の段部に
    おいて支持され上記綾振ドラムに接触して回転可能なリ
    ングであることを特徴とする請求項6記載のトラバース
    機構。
  8. 【請求項8】 上記制御部材は回動自在なアームに取り
    付けられ、上記糸状部材の径より大きな瘤や異物が上記
    綾振ドラムと上記制御部材とのクリアランスを通過する
    際に上記綾振ドラムから離れる方向に退避可能であるこ
    とを特徴とする請求項6記載のトラバース機構。
  9. 【請求項9】 上記スパイラル形状した溝から上記糸状
    部材が脱落した際にこの糸状部材をガイドする予備溝が
    上記綾振ドラムに形成されてなることを特徴とする請求
    項6記載のトラバース概構。
  10. 【請求項10】 上記綾振ドラムの軸方向から見た上記
    糸状部材のパスラインが直線的に形成されていることを
    特徴とする請求項6記載のトラバース概構。
  11. 【請求項11】 上記綾振ドラムの後段に設けられ上記
    糸状部材を巻取ボビンに巻き送る巻取ドラムが小径であ
    ることを特徴とする請求項6記載のトラバース機構。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103397412A (zh) * 2013-08-22 2013-11-20 宁波格林纺织品有限公司 合股并线机
CN107010554A (zh) * 2017-06-13 2017-08-04 上海振华重工(集团)股份有限公司 多功能排绳器

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