JP2002203233A - 検査方法およびその装置 - Google Patents

検査方法およびその装置

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JP2002203233A
JP2002203233A JP2001323906A JP2001323906A JP2002203233A JP 2002203233 A JP2002203233 A JP 2002203233A JP 2001323906 A JP2001323906 A JP 2001323906A JP 2001323906 A JP2001323906 A JP 2001323906A JP 2002203233 A JP2002203233 A JP 2002203233A
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edge pixel
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pixels
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JP2001323906A
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English (en)
Inventor
Shiro Fujieda
紫朗 藤枝
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輪郭線上で数画素以下の大きさとなる微小な
欠陥を高い確度で検出する。 【解決手段】 画像入力部2より入力されたディジタル
濃淡画像データが画像メモリ3に格納されると、制御部
7は、画像上の輪郭線を構成するエッジ画素を抽出する
とともに、各エッジ画素につきそれぞれそのエッジ画素
の方向を示すエッジコードを計測する。さらに制御部7
は、抽出されたエッジ画素に順に着目しつつ、着目中の
エッジ画素とそのエッジ画素から所定距離離れたエッジ
画素との間のエッジコードの差分値を算出する。そして
各エッジ画素毎に得られた差分値のうちの最大値をしき
い値と比較することにより、輪郭上に凹凸などの欠陥が
存在するか否かを判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンピュータに
より濃淡画像データを処理する分野に属するもので、特
に、対象物において、凹凸のない滑らかな輪郭が現れる
べき部分に発生した欠陥を検出するための技術に関連す
る。
【0002】
【従来の技術】物体の輪郭上の欠陥を判別する場合、従
来では、2値化処理により対象物に相当する画像領域を
抽出した後、得られた2値画像上の白画素領域と黒画素
領域との境界位置において、周囲近傍の画素を比較しつ
つ境界線(輪郭線)を構成する画素を順に追跡する。そ
してこれら輪郭線を構成する画素の連結パターンが対象
物の本来の輪郭パターンと異なる場合に、欠陥が発生し
ていると判断する。
【0003】たとえば、特開平11−132743号公
報には、本来の輪郭パターンが滑らかである対象物につ
いて、輪郭線を構成する一つの画素P2に着目し、この
着目画素P2から輪郭線上の所定画素数離れた画素を
1、画素P2からP1とは反対方向に同じ画素数離れた
画素をP3としたとき、線分P2−P1と線分P2−P3
がなす角θが所定値以下であれば欠陥があると判定する
技術が開示されている。ここでP2として着目する画素
は輪郭線を構成する画素であって、現在着目している画
素に隣接する画素を順次P2として、上記の角度θを求
める処理を実行していく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】画像を2値化する場合
には量子化誤差が生ずるので、2値画像から抽出した輪
郭線パターンは対象物の輪郭に欠陥がない場合であって
も、ほとんどの場合1ないし数画素の大きさの微小な凹
凸を伴っている。したがって、輪郭線を構成する画素の
連結パターンに基づいて欠陥を検出する方法において
は、輪郭線において1ないし数画素の大きさで現れる微
小な欠陥を検出することはきわめて困難である。
【0005】実際、特開平11−132743号公報に
記載の技術においては、互いに数画素以上離れた2つの
画素を選択し、これらの2画素を結ぶ線分を輪郭線パタ
ーンの最小単位として扱っていることからわかるよう
に、数画素以内の大きさの微小な欠陥を検出することは
できない。また、緩やかな曲線状の欠陥や、相対的に幅
が大きく深さまたは高さの小さな欠陥等に対しては、選
択する画素の間隔をどのように設定しても2つの線分が
なす角度が小さくならない傾向があるので、このような
欠陥に対して高感度の検出を行いにくい、という問題が
ある。
【0006】さらに上記公知技術では、1つの着目画素
について、これから両側に所定画素数ずつ離れた2つの
輪郭線上の画素を選択し、着目画素とこれらの画素とを
結ぶ2つの線分を求めた上でこの2つの線分がなす角度
を求めるという演算を、輪郭線に沿って順次着目画素を
変えながら行っているので、演算量が多くなり、処理高
速化の点で不利であった。
【0007】この発明は上記問題点に着目してなされた
もので、輪郭線上で数画素以下の大きさとなる微小な欠
陥を高い確度で検出することを目的とする。この発明の
他の目的は、輪郭線上の緩やかな曲線状の欠陥や、相対
的に幅が大きく深さまたは高さの小さな欠陥等について
も高感度に検出することである。さらにこの発明の他の
目的は、輪郭線の欠陥検査を高速に行うことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】対象物の輪郭が直線状ま
たは円弧のような滑らかな曲線状になる場合、輪郭線上
の数画素の範囲においては、これらの画素における濃度
勾配の方向はほぼ一定となる。しかしながら輪郭線に欠
陥としての凹凸があると、輪郭線上の画素における濃度
勾配の方向は、この欠陥部分において欠陥がない場合の
濃度勾配の方向とは異なるものとなる。
【0009】この発明は、上記原理に着目し、対象物を
撮像して得られた濃淡画像上で対象物の輪郭を構成する
エッジ画素を抽出するとともに各エッジ画素の向きを計
測する。そして抽出されたエッジ画素に順に着目しつ
つ、着目中のエッジ画素の向きをそのエッジ画素から所
定距離だけ離れたエッジ画素の向きと比較し、各エッジ
画素毎の比較結果に基づき輪郭上の欠陥の有無を判別す
るようにしている。
【0010】ここで、エッジ画素とは、濃淡画像におい
て対象物の輪郭線を構成する画素である。エッジ画素の
向きとは、エッジ画素における濃度勾配の方向または濃
度勾配の方向に対して所定の角度をなす方向であり、濃
度勾配の方向に直交する方向が含まれる。
【0011】濃淡画像上のエッジ画素を抽出する処理と
しては、公知の種々の方法を適用することができる。一
つの方法では、濃淡画像を2値化した上で、この2値画
像において輪郭線を構成する画素を抽出し、抽出された
2値画像上の画素に対応する濃淡画像上の画素をエッジ
画素とすることができる。他の方法では、エッジ抽出用
フィルタを用いた微分処理によって、濃淡画像を構成す
る各画素のエッジ強度(濃度勾配の大きさ)を求め、少
なくとも1つの方向においてエッジ強度が周辺画素のエ
ッジ強度に対して極大値をとる画素をエッジ画素とする
ことができる。さらに他の方法では、濃淡画像からエッ
ジ強度が所定値を超える画素を抽出することにより、数
画素の幅を有する線からなる輪郭画像を得、この輪郭画
像における輪郭線を細線化処理し、その結果得られる1
画素幅の輪郭線を構成する画素をエッジ画素とすること
ができる。
【0012】エッジ画素の向きを比較する処理において
は、着目中のエッジ画素に対し、本来、エッジ画素の向
きが急激に変動することのない画素範囲内にあるエッジ
画素を比較対象として、このエッジ画素と着目中のエッ
ジ画素との向きを比較するのが望ましい。なお、比較対
象のエッジ画素は1個に限らず、着目中のエッジ画素か
ら所定距離だけ離れた位置から順に、もしくは数画素お
きに、複数のエッジ画素を抽出し、これらエッジ画素の
向きを着目中のエッジ画素の向きと個別に比較するよう
にしてもよい。
【0013】上記の方法によれば、前記エッジ画素の向
きの比較を行う範囲内に凹凸などの欠陥が生じていない
場合は、いずれのエッジ画素においても、そのエッジ画
素の向きと他のエッジ画素の向きとの間に大きな差は生
じない。これに対し、輪郭上に欠陥が存在すると、その
欠陥部分のエッジ画素の向きが他の凹凸のない部分のエ
ッジ画素の向きと比較されたときに、両者間に大きな差
異が抽出される。したがっていずれかのエッジ画素にお
ける比較処理によって輪郭が適正な状態では得られない
差異が抽出されたとき、輪郭に欠陥があるものと判断す
ることができる。
【0014】この発明によれば、欠陥がない場合には、
たとえ輪郭線パターンに微小な凹凸があったとしても凹
凸を構成する各エッジ画素において濃度勾配の方向に基
づいて決定されるエッジ画素の向きはほぼ一定であるか
ら、誤って欠陥があると判定することがない。一方、実
際に微小な欠陥がある場合は、その部分で濃度勾配の方
向が大きく変化するから、高い確度で欠陥を検出するこ
とができる。また、輪郭線上の欠陥が、緩やかな曲線状
であったり、相対的に幅が大きく深さまたは高さが小さ
いようなものであっても、それらを構成しているエッジ
画素間においては、一般に濃度勾配の方向に比較的大き
な変化が生じる。したがって、この発明によれば、これ
らの欠陥についても高感度に検出することができる。
【0015】さらに、この発明によれば、エッジ画素の
向きの比較に基づいて欠陥の有無を判別しているので、
特開平11−132743号公報のように、2点間を結
ぶ線分を多数特定しながらこれらの線分の方向を算出す
る必要のある手法と比較すると、欠陥検査を高速で行う
ことができる。
【0016】好ましい態様では、前記エッジ画素の向き
を比較する処理において、着目中のエッジ画素の向きを
このエッジ画素から任意に設定された距離だけ離れたエ
ッジ画素の向きと比較する。この「距離」は、たとえ
ば、着目中のエッジ画素から比較対象のエッジ画素まで
の画素数(もしくはエッジ画素の数)に置き換えて表す
ことができ、またその値は、あらかじめ得られた輪郭の
モデルデータに対する計測処理やユーザーによるデータ
入力などによって設定するのが望ましい。さらに複数の
エッジ画素を比較対象とする場合は、これらエッジ画素
の抽出範囲や、この範囲内で比較対象として抽出するエ
ッジ画素の数または抽出間隔なども、任意の値に設定す
ることができる。
【0017】このようにすれば、輪郭線がある程度緩や
かなカーブを欠陥として検出したい場合に、欠陥とみな
す上限の曲率半径を持つカーブ上でエッジ画素の向きに
有意な変化が現れる2点間の距離に基づき、比較対象の
エッジ画素までの距離を設定するなど、検査の目的に応
じて欠陥の検出感度を調整することが可能となり、実用
性の高い検査装置を提供することができる。
【0018】また他の好ましい態様では、エッジ画素の
抽出処理において、マスクの大きさが異なる複数種のエ
ッジ抽出用フィルタのいずれかを選択してエッジ抽出処
理を行うようにしている。なお、このエッジ抽出用フィ
ルタの選択処理も、モデルデータの計測やユーザーの指
定に応じて行うのが望ましい。一般に、マスクが小さい
ほど、より小さな濃度変化を検出することができるか
ら、微小な欠陥まで検出したい場合は小さなマスクによ
るエッジ抽出用フィルタを選択し、微小な欠陥を無視し
て良い場合は大きなマスクによるエッジ抽出用フィルタ
を選択するなど、検査の目的に応じたエッジ抽出用フィ
ルタを選択することにより、欠陥の検出感度を調整する
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施例にか
かる輪郭検査装置の構成を示す。この輪郭検査装置1
は、ディジタル濃淡画像(以下単に「画像」という。)
上において、画像上に現れる検査対象物の輪郭に欠陥が
生じていないか否かの検査を行うためのもので、画像入
力部2,画像メモリ3,画像出力部4,タイミング制御
部5,文字メモリ6,制御部7,モニタ8,I/Oポー
ト9などにより構成される。
【0020】画像入力部2は、図示しないアナログカメ
ラからの濃淡画像信号を取り込むためのインターフェイ
ス回路,前記濃淡画像信号をディジタル変換するための
A/D変換回路,ノイズカット用のフィルタ回路などに
より構成される。なお前記カメラはアナログカメラに限
らず、ディジタルカメラを用いてもよい。
【0021】前記画像メモリ3は、画像入力部2により
取り込まれたディジタル量の濃淡画像データを取り込ん
で保存する。文字メモリ6には、検査結果などの文字情
報を表示するためのテキストデータやその表示位置など
が格納される。各メモリ3,6は、それぞれアドレス/
データバス10を介して制御部7に接続され、制御部7
からの指示に応じたデータを、タイミング制御部5から
のタイミング信号に応じて画像出力部4またはアドレス
/データバス10に出力する。
【0022】前記制御部7は、CPU11,ROM1
2,RAM13を主体とし、このほかに検査のための処
理手順を示す制御プログラムがインストールされたハー
ドディスク14を具備する。CPU11は、ハードディ
スク14内の制御プログラムに基づき、アドレス/デー
タバス10を介して各メモリ3,6に対する情報の読書
きを行いつつ目的とする計測処理を実行する。
【0023】前記画像出力部4は、モニタ8に対し、前
記対象物の画像データを与えるほか、一連の検査が終了
した時点で検査結果を示す文字情報などを単独または前
記画像に合成した状態で与え、画面上に表示させる。ま
たI/Oポート9は、キーボード,マウスなどの入力部
や、外部記憶装置,伝送部のような出力部に接続され、
入力部からの各種設定データを入力したり、検査結果を
外部に出力する際に用いられる。
【0024】この実施例の輪郭検査装置1では、まず画
像メモリ3に入力された画像上で、対象物の輪郭を表す
エッジ画素を抽出するとともに、抽出された各エッジ画
素の向きを計測する。そして抽出された各エッジ画素を
順に追跡しつつ、エッジ画素間において前記エッジ画素
の向きの計測結果を比較することにより欠陥の有無を判
別するようにしている。
【0025】以下、この欠陥検査の具体的な処理につい
て説明する。エッジ画素の抽出処理では、図2に示すよ
うなエッジ抽出用フィルタを用いる。図示例は、3×3
マスクのソーベルフィルタであって、x軸方向の濃度勾
配Ex(x,y)を抽出するためのフィルタ15と、y
軸方向の濃度勾配Ey(x,y)を抽出するためのフィ
ルタ16とから成る。これらのフィルタ15,16を画
像上で走査し、各走査位置毎にマスク内の各係数Cx
(i,j),Cy(i,j)とマスクに対応する各画素
の濃度値F(x,y)とを用いて(1)(2)式に示す
加重演算を実行することによって、前記マスクの中央に
対応する画素における濃度勾配Ex(x,y),Ey
(x,y)を算出する。
【0026】
【数1】
【0027】
【数2】
【0028】前記濃度勾配Ex(x,y),Ey(x,
y)は、着目画素における濃度の変化量をx,yの各軸
方向毎に示したものである。これら濃度勾配Ex(x,
y),Ey(x,y)の示すベクトルの合成ベクトルに
よって、着目画素において濃度が変化する方向(すなわ
ち濃度勾配の方向)およびその濃度勾配の大きさ(以下
これを「エッジ強度」という。)が示されることにな
る。なおエッジ強度Ei(x,y)は、つぎの(3)式
によって算出される。ただし、高速演算に適した簡易な
方式とするときは、(3)式に代えて(4)式を用いて
もよい。
【0029】
【数3】
【0030】 Ei(x,y)=Ex(x,y)+Ey(x,y) ・・・(4)
【0031】またこの実施例では、後記するように、ソ
フトウェア処理によりマスクを走査してエッジ抽出処理
を行っているが、これに限らず、専用の微分回路により
画像メモリ3への画像入力と平行させてエッジ抽出処理
を行い、生成されたエッジ画像を用いて以下の処理を行
うようにしてもよい。またエッジ抽出用フィルタは、3
×3のマスク構成に限らず、大きさの異なる複数のマス
クによるフィルタを設定し、後記するように、検査条件
などに応じて使用するフィルタを選択するようにしても
よい。
【0032】図3は、前記濃度勾配の方向とエッジ画素
の向きとの関係を示す。この実施例では、濃度の高い方
から低い方へと向かう方向をエッジ画素における濃度勾
配の方向としている。図3は、対象物の濃度が背景より
も小さい場合(すなわち対象物が背景よりも暗い場合)
の輪郭形状の一部を拡大して示している。図中、Eは、
輪郭の構成点となるエッジ画素であり、Fは、このエッ
ジ画素Eにおける濃度勾配の方向を示すベクトルであ
る。
【0033】この実施例では、前記エッジ画素Eにおけ
るエッジ画素の向きを、前記ベクトルFに直交する方向
(図中のベクトルC)として定義し、エッジ画素Eから
x軸の正方向に向かうベクトルBから反時計回り方向に
ベクトルCを見たときの角度Ec(x,y)によって、
ベクトルCを表すようにしている。(以下、この角度デ
ータEc(x,y)を「エッジコード」という。)。
【0034】前記ベクトルFは、前記(1)(2)式に
より得た濃度勾配Ex(x,y),Ey(x,y)の合
成ベクトルであり、ベクトルCはベクトルFに直交する
ベクトルであるから、エッジコードEc(x,y)は、
濃度勾配Ex(x,y),Ey(x,y)の値に応じて
下記〜のいずれかの式によって求められる。
【0035】 Ex(x,y)>0 および Ey
(x,y)≧0のとき、 Ec(x,y)=atan(Ey(x,y)/Ex
(x,y)) Ex(x,y)>0 および Ey(x,y)<0
のとき、 Ec(x,y)=360+atan(Ey(x,y)/
Ex(x,y)) Ex(x,y)<0のとき、 Ec(x,y)=180+atan(Ey(x,y)/
Ex(x,y)) Ex(x,y)=0 および Ey(x,y)>0
のとき、 Ec(x,y)=0 Ex(x,y)=0 および Ey(x,y)<0
のとき、 Ec(x,y)=180
【0036】前記図3のように対象物の輪郭が凹凸のな
い滑らかな状態にある場合、前記エッジ画素Eを含む幅
Wの範囲におけるエッジ画素の向きはほぼ均一になる。
言い換えれば、前記エッジ画素EとWの範囲内に含まれ
る他のエッジ画素との間でエッジコードの差分をとる
と、この差分値は0に近似する値をとる。なおWの値
は、対象物の輪郭によって異なる値をとる。(直線また
は緩やかな曲線状の輪郭であればWの値は大きくなる
が、急峻な曲線の場合はWの値は小さくなる。)
【0037】一方、対象物の輪郭の一部に凹または凸の
欠陥が生じていると、この欠陥部分のエッジ画素の向き
は本来のエッジ画素の向きとは異なるものとなる。した
がってこの欠陥部分のエッジ画素のエッジコードと他の
エッジ画素のエッジコードとの間には、有意な差が生じ
る。なお、2つのエッジ画素A,B間でのエッジ画素の
向きの差異が、実質上、最大となるのは、図4に示すよ
うに、各エッジ画素A,Bにおけるエッジ画素の向きが
反転するときであり、このときのエッジコードの差分値
は180度となる。したがって前記エッジコードの差分
値は、0〜180度の範囲で表すことができる。
【0038】図5は、対象物の画像の一部を示したもの
で、図中、a〜gは、対象物の輪郭上の任意位置で抽出
されたエッジ画素を示す。このうちエッジ画素a,b,
c,d,gは、適正な輪郭部分を構成するエッジ画素で
あり、これらエッジ画素におけるエッジコードは0度と
なっている。一方、エッジ画素e,fは、輪郭上に生じ
た凹部部分のエッジ画素であり、エッジ画素eのエッジ
コードは315度、エッジ画素fのエッジコードは45
度となっている。
【0039】いま各エッジ画素a〜gについて、エッジ
画素の並ぶ順にエッジコードの差分をとるものとする
と、エッジ画素a〜dの間での差分値はいずれも0度と
なる。これに対し、エッジ画素dとエッジ画素eとの差
分値は45度、エッジ画素eとエッジ画素fとの差分値
は90度、エッジ画素fとエッジ画素gとの差分値は4
5度となる。
【0040】この実施例は、上記した原理に基づき、画
像上で抽出された各エッジ画素に順に着目し、それぞれ
着目中のエッジ画素につき、そのエッジ画素から輪郭に
沿って所定距離だけ離れて位置するエッジ画素との間で
エッジコードの差分を算出する。そしていずれかのエッ
ジ画素における差分値が所定のしきい値を上回る場合、
対象物の輪郭に欠陥があると判別するようにしている。
【0041】図6は、CPU11による欠陥検査の具体
的な手順を示す。なおこの手順は、円形、楕円形のよう
に、エッジ画素の向きが緩やかに変化する輪郭形状を想
定して、輪郭全体を対象に欠陥の有無を判別したもので
ある。この手順を、矩形のようにエッジ画素の向きが急
激に変化する部分を含む対象物に適用する場合は、エッ
ジ画素の向きの変化が少ない部分毎に図6の手順を実行
し、エッジ画素の向きが急激に変化する部分について
は、判定基準を変えるか、異なる方法による検査を行う
必要がある。
【0042】ST1では、まず前記エッジ抽出用フィル
タを用いて各画素のエッジ強度を求め、エッジ強度が所
定の値以上となる画素を抽出する。この抽出処理によれ
ば、画像中の対象物の輪郭線が抽出されるが、この輪郭
線は通常数画素の線幅を有する。したがって次に、抽出
された画素を通り、かつ前記輪郭線を横切る少なくとも
一つの直線上において、前記抽出された画素のエッジ強
度がその周辺の画素のエッジ強度に対して極大値となっ
ているとき、その画素をエッジ画素として抽出する。
【0043】続くST2では、抽出されたエッジ画素に
つき、それぞれその濃度勾配Ex(x,y),Ey
(x,y)を前記〜式にあてはめてエッジコードを
算出する。なおここでは図示していないが、各エッジ画
素の座標やエッジコードは、これらのデータをあらかじ
め設定された基準の輪郭形状によるモデルデータと照合
するなどの処理によって、輪郭に沿う順序にソートさ
れ、RAM13内に格納される。以下のステップにおい
て、nは格納されたデータ数を示し、i,jは、処理対
象のエッジ画素を特定するためのカウンタである。
【0044】また以下の処理で用いられるpおよびw
は、自然数であって、検査範囲を示すパラメータであ
る。すなわち、着目画素からp番目の画素から始めて、
着目画素からp+w番目の画素までが、着目画素との間
でエッジコードを比較する検査範囲となる。着目画素と
着目画素に非常に近い画素(p=1または2程度で指定
される画素)とでは、各画素をそれぞれ中心とするエッ
ジ抽出用フィルタのマスクの一部分が重なり合うから、
各画素のエッジコードは一部共通する画素群を基に算出
される。したがって、これらの画素間においては、エッ
ジコードの値に大きな相違が出にくいので、着目画素と
着目画素に非常に近い画素との間でエッジコードを比較
することは省略するのが好ましい。たとえばpとして固
定値3または4を与えることができる。
【0045】p+wの値は着目画素からどれだけ遠い画
素までを検査範囲とするかを規定する。対象物の輪郭に
沿ったエッジコードの急峻な変化はp+wの値が大きく
ても小さくても検出することができる。一方、エッジコ
ードの緩やかな変化は、エッジコードの変化が生じる長
さに相当するだけ大きなp+wの値を与えないと検出で
きない。p+wの値は、輪郭に沿ったエッジコードのど
れだけ急峻な変化を欠陥とみなすかによって決定され
る。たとえばモデルデータに対する計測結果に基づいて
自動的にまたはユーザが指定することにより決定され
る。なお、pとwの値の配分に関しては、pを固定値と
してwを可変としてもよいし、両方を可変としてもよ
い。両方を可変とする場合、p+wの値を一定にしたま
まwを小さく(pを大きく)すれば、エッジコードの比
較回数が少なくなって処理を高速化できるし、p+wの
値を一定にしたままwを大きく(pを小さく)すれば、
より確実性の高い検査ができる。
【0046】ST3〜6では、カウンタiを用いて、処
理の先頭位置にあるエッジ画素から数えて(p+w)個
のエッジ画素の各エッジコードEc(i)を、n番目以
降のエッジ画素のデータとしてコピーする。このコピー
されたエッジコードは、末尾w個分のエッジ画素につい
て、後記するST9の濃度差dcを算出するために用い
られる。つぎのST7では、欠陥の有無判定に用いられ
るデータM(以下、「欠陥データM」という。)の初期
値として「0」を設定するとともに、カウンタiを再び
0に戻す。
【0047】つぎにST8では、カウンタjを「0」に
設定し、ST9において、前記先頭のエッジ画素のエッ
ジコードEc(0)とp番目のエッジ画素のエッジコー
ドEc(p)との差分の絶対値dc(以下、「差分値d
c」という。)を算出する。なお、この差分値dcが1
80度より大きくなった場合は、ST11の処理を実行
することにより、図7に示すように、差分値dcの値
を、時計回り方向から見た場合の角度dc´に置き換え
る。
【0048】つぎのST12では、前記差分値dcを欠
陥データMと比較する。ここでdcがMより大きい場合
はST13に進んで、欠陥データMを差分値dcの値に
よって書き換える。以下、カウンタjをwまで順に動か
しながらST9〜15のループを繰り返すことにより、
前記先頭位置のエッジ画素からp個分だけ離れたエッジ
画素から数えてw個のエッジ画素に順に着目し、これら
エッジ画素のエッジコードにつきそれぞれ先頭位置のエ
ッジ画素のエッジコードとの差分値dcを求め、得られ
た差分値dcのうちの最大値を欠陥データMとして設定
する。
【0049】さらにカウンタiをnまで動かしながら、
i番目のエッジ画素について上記ST8〜15のループ
を繰り返すことにより、最終的にST17が「YES」
となった時点で、輪郭上において(p+w)の範囲内に
おいて得られる差分値dcのうちの最大値が欠陥データ
Mとして設定される。ST18では、この欠陥データM
の値を所定のしきい値LVと比較する。そしてMがしき
い値LVを下回る場合は、ST18が「YES」となっ
てST19に進み、前記モニタ8や外部機器などに対
し、対象物の輪郭は良好であるとの判定結果を出力す
る。他方、欠陥データMがしきい値LVを上回る場合に
は、ST18が「NO」となって、対象物の輪郭は不良
であるとの判定結果を出力する。
【0050】なお上記手順においては、欠陥の有無のみ
を出力しているが、これに代えて、しきい値LVを越え
る差分値dcが得られた地点の座標や差分値dcの値を
出力するようにしてもよい。
【0051】また欠陥検出の感度は、エッジ画素の抽出
処理時に使用するエッジ抽出用フィルタによって調整す
ることもできる。たとえば小さなマスクによるフィルタ
によって細かい濃度勾配まで抽出すると、エッジ画素間
におけるエッジコードにも差異が生じやすくなり、微小
な欠陥の検出が可能となる。他方、大きなマスクのフィ
ルタによれば、濃度勾配の細かい差異はカットされるた
め、エッジ画素間におけるエッジコードの差も小さくな
って、微小な欠陥は検出対象から除外される。勿論、前
記エッジ抽出フィルタの選択処理と前記変数p+wの設
定処理とを組み合わせて、検査目的に応じた感度を設定
するようにしてもよい。また前記図6におけるカウンタ
jを1ずつ動かすのに代えて、値を所定数おきに変動さ
せることによっても、欠陥の検出感度を調整することが
可能である。
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、欠陥がない場合に
は、たとえ輪郭線パターンに微小な凹凸があったとして
も凹凸を構成する各エッジ画素において濃度勾配の方向
に基づいて決定されるエッジ画素の向きはほぼ一定であ
るから、誤って欠陥があると判定することがない。一
方、実際に微小な欠陥がある場合は、その部分で濃度勾
配の方向が大きく変化するから、高い確度で欠陥を検出
することができる。また、輪郭線上の欠陥が、緩やかな
曲線状であったり、相対的に幅が大きく深さまたは高さ
が小さいようなものであっても、それらを構成している
エッジ画素の間では、一般に、濃度勾配の方向に比較的
大きな変化が生じる。したがって、この発明によれば、
これらの欠陥についても高感度に検出することができ
る。さらに、この発明によれば、エッジ画素の向きの比
較に基づいて欠陥の有無を判別しているので、2点間を
結ぶ線分を多数特定しながら各線分の方向を算出する手
法に比較して、高速に欠陥検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる輪郭検査装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】エッジ抽出処理に用いるフィルタの構成を示す
説明図である。
【図3】濃度勾配を示す方向とエッジ画素の方向との関
係を示す説明図である。
【図4】エッジ画素の方向の差が最大となる場合を示す
説明図である。
【図5】エッジコードの差分により欠陥を検出する処理
の原理を示す説明図である。
【図6】検査の手順を示すフローチャートである。
【図7】エッジコードの差分値を置き換える例を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 輪郭検査装置 2 画像入力部 7 制御部 11 CPU
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06T 7/60 250 G06T 7/60 250A Fターム(参考) 2F065 AA31 AA49 AA51 AA54 BB05 DD03 DD06 FF04 JJ03 JJ26 QQ03 QQ05 QQ17 QQ24 QQ28 QQ29 QQ31 QQ33 QQ34 QQ37 2G051 AB02 EA11 EA12 ED08 5B057 CA08 CA12 CA16 CC02 CE06 CH09 DA03 DB02 DB09 DC08 DC16 5L096 AA06 BA03 BA20 FA06 FA67 GA12 GA55

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物を撮像して得られた濃淡画像を用
    いて前記対象物の輪郭の適否を検査する方法であって、 前記濃淡画像上で対象物の輪郭を構成するエッジ画素を
    抽出するとともに各エッジ画素の向きを計測し、 抽出されたエッジ画素に順に着目しつつ、着目中のエッ
    ジ画素の向きをそのエッジ画素から所定距離だけ離れた
    エッジ画素の向きと比較し、各エッジ画素毎の比較結果
    に基づき輪郭上の欠陥の有無を判別することを特徴とす
    る検査方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された検査方法におい
    て、 前記エッジ画素の向きを比較する処理において、着目中
    のエッジ画素の向きをこのエッジ画素から任意に設定さ
    れた距離だけ離れたエッジ画素の向きと比較することを
    特徴とする検査方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された検査方法におい
    て、 前記エッジ画素の抽出処理のために、マスクの大きさが
    異なる複数種のエッジ抽出用フィルタのいずれかを選択
    してエッジ抽出処理を行うことを特徴とする検査方法。
  4. 【請求項4】 対象物を撮像して得た濃淡画像を取り込
    む画像入力手段と、 前記濃淡画像上で対象物の輪郭を構成するエッジ画素を
    抽出するエッジ画素抽出手段と、 前記エッジ画素抽出手段により抽出された各エッジ画素
    について、それぞれそのエッジ画素の向きを計測する計
    測手段と、 前記エッジ画素抽出手段により抽出されたエッジ画素に
    順に着目しつつ、着目中のエッジ画素の向きをそのエッ
    ジ画素から所定距離だけ離れたエッジ画素の向きと比較
    する比較手段と、 前記比較手段による比較結果に基づき輪郭上の欠陥の有
    無を判別する判別手段とを具備して成る検査装置。
  5. 【請求項5】 前記計測手段は、前記エッジ画素の向き
    として、エッジ画素における濃度勾配の方向に直交する
    方向を示す角度を計測する請求項4に記載された検査装
    置。
  6. 【請求項6】 前記比較手段は、着目中のエッジ画素か
    ら比較対象のエッジ画素までの距離を任意の値に設定す
    る手段を具備する請求項4に記載された検査装置。
  7. 【請求項7】 前記エッジ画素抽出手段は、マスクの大
    きさが異なる複数種のエッジ抽出用フィルタのいずれか
    を選択し、選択したフィルタによるエッジ抽出処理を実
    行する手段を含んで成る請求項4に記載された検査装
    置。
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