JP2002202224A - ラマン利得係数測定方法 - Google Patents

ラマン利得係数測定方法

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JP2002202224A
JP2002202224A JP2001000623A JP2001000623A JP2002202224A JP 2002202224 A JP2002202224 A JP 2002202224A JP 2001000623 A JP2001000623 A JP 2001000623A JP 2001000623 A JP2001000623 A JP 2001000623A JP 2002202224 A JP2002202224 A JP 2002202224A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定光ファイバのラマン利得係数を精度よ
く測定することができるラマン利得係数測定方法を提供
する。 【解決手段】 このラマン利得係数測定方法は、被測定
光ファイバ2の雑音指数をNFnetとし、光スペクトラ
ムアナライザ50の測定周波数をνとし、測定分解能を
Δνとし、プランク定数をhとしたときに、被測定光フ
ァイバ2へ入射する試験光の光密度Pinについて Pin
>100・NFnet・h・ν・Δν なる条件を満たすように
し、且つ、被測定光ファイバ2のラマン利得のピーク値
をGpeakとし、ラマン利得が等しくなる2波長(ただ
し、波長間隔が20nm以上30nm以下であって最大
波長間隔のもの)の間における被測定光ファイバ2のラ
マン利得の偏差をΔGとしたときに、ΔG/Gpeak
1.7% なる条件を満たすようにして、被測定光ファ
イバ2のラマン利得係数を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定光ファイバ
のラマン利得係数を測定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信システムは、光ファイバ伝送路に
信号光を伝搬させるものであり、高速・大容量の情報を
送受信することができる。信号光は光ファイバ伝送路を
伝搬する際に損失を被るが、光通信システムでは、中継
器等において光増幅器により信号光を光増幅すること
で、長距離伝送を可能としている。信号光を光増幅する
光増幅器として、Er元素が光導波領域に添加された光
ファイバを光増幅媒体として用いたEr元素添加光ファ
イバ増幅器が既に実用化されている他、光ファイバにお
けるラマン散乱現象を利用したラマン増幅器も検討され
ている。ラマン増幅器は、モジュール化されて中継器等
に設けることができるだけでなく、中継区間に敷設され
た光ファイバ伝送路をラマン増幅用光ファイバとして用
いることができることから、この光ファイバ伝送路の実
効的損失を小さくすることができる。
【0003】このようなラマン増幅器を実現する上で
は、ラマン増幅用光ファイバのラマン利得係数を測定す
ることが重要である。例えば、特開平7−43248号
公報には、光増幅器の利得および雑音指数を測定する方
法が開示されている。この公報に開示された測定方法で
は、利得が存在する波長帯域において白色と見做し得る
試験光を被測定光ファイバに入射させて、被測定光ファ
イバにおける利得および雑音指数を測定しようとしてい
る。また、白色光源として、ハロゲンランプや、信号光
を入力しないで自然放出光を放射している状態のEr元
素添加光ファイバ増幅器が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報を含め従来の技術では以下のような問題点があること
を本願発明者は見出した。すなわち、被測定光ファイバ
へ入射する試験光の光密度によっては、被測定光ファイ
バのラマン利得係数を精度よく測定することができない
場合がある。つまり、被測定光ファイバへ入射する試験
光の光密度が小さすぎる場合には、被測定光ファイバで
発生した自然放出光が雑音となることから、被測定光フ
ァイバのラマン利得係数を精度よく測定することができ
ない。一方、被測定光ファイバへ入射する試験光の光密
度が大きすぎる場合には、被測定光ファイバで増幅され
た試験光が新たな励起光となり、この新たな励起光に因
りラマン利得スペクトルが影響を受けることから、やは
り、被測定光ファイバのラマン利得係数を精度よく測定
することができない。
【0005】本発明は、上記の本願発明者の知見に基づ
いて上記問題点を解消する為になされたものであり、被
測定光ファイバのラマン利得係数を精度よく測定するこ
とができるラマン利得係数測定方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るラマン利得
係数測定方法は、ラマン増幅されるべき試験光を被測定
光ファイバへ入射させて被測定光ファイバのラマン利得
係数を測定する方法であって、(a) 被測定光ファイバの
雑音指数をNFnetとし、測定周波数をνとし、測定分
解能をΔνとし、プランク定数をhとしたときに、被測
定光ファイバへ入射する試験光の光密度Pinについて
in>100・NFnet・h・ν・Δν なる条件を満たすよう
にし、(b) 被測定光ファイバのラマン利得のピーク値を
peakとし、ラマン利得が等しくなる2波長(ただし、
波長間隔が20nm以上30nm以下であって最大波長
間隔のもの)の間における被測定光ファイバのラマン利
得の偏差をΔGとしたときに、ΔG/Gpeak<1.7%
なる条件を満たすようにして、被測定光ファイバのラ
マン利得係数を測定することを特徴とする。
【0007】本発明によれば、上記(a)の条件を満たす
ことにより、被測定光ファイバで発生した自然放出光が
雑音となることはなく、また、上記(b)の条件を満たす
ことにより、被測定光ファイバでラマン増幅された試験
光が新たな励起光となることに基づくラマン利得スペク
トルの影響を小さくすることができるので、被測定光フ
ァイバのラマン利得係数を精度よく測定することができ
る。
【0008】上記(a)の条件については、光密度Pin
ついて Pin>−25dBm/nmなる関係式を満たす
のが好適であり、また、上記(b)の条件については、光
密度Pinについて Pin<−12.5dBm/nm なる
関係式を満たすのが好適である。なお、光密度とは、単
位波長幅当たりの光パワーを意味しており、例えばdB
m/nmなる単位で表記されるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0010】図1は、本実施形態に係るラマン利得係数
測定方法が好適に適用されるラマン利得係数測定システ
ム1の構成図である。このラマン利得係数測定システム
1は、被測定光ファイバ2のラマン利得係数を測定する
ためのものであって、白色光源11、偏波スクランブラ
12、光サーキュレータ20,30、レーザダイオード
41,42、ブラッグ型回折格子43,44、偏波合成
器45および光スペクトラムアナライザ50を備えてい
る。
【0011】白色光源11は、被測定光ファイバ2がラ
マン利得を有する波長帯域において白色と見做し得る試
験光を出力するものであって、例えば、ハロゲンラン
プ、白色レーザダイオード、自然放出光を放射している
状態のEr元素添加光ファイバ増幅器などが用いられ
る。また、Er元素添加光ファイバ増幅器としてCバン
ド用のものやLバンド用のものが用いられ得る。さら
に、これらを組み合わせたものを白色光源11としても
よく、この場合には、所望の波長帯域で強度スペクトル
が平坦な白色光を試験光として出力することができる。
偏波スクランブラ12は、白色光源11から出力された
試験光を無偏波状態として、この試験光を光サーキュレ
ータ20の第1ポート21へ出力する。
【0012】光サーキュレータ20は、第1ポート2
1、第2ポート22および第3ポート23を有してお
り、第1ポート21に入力した光を第2ポート22から
出力し、第2ポート22に入力した光を第3ポート23
から出力する。同様に、光サーキュレータ30は、第1
ポート31、第2ポート32および第3ポート33を有
しており、第1ポート31に入力した光を第2ポート3
2から出力し、第2ポート32に入力した光を第3ポー
ト33から出力する。
【0013】レーザダイオード41および42、ブラッ
グ型回折格子43および44、ならびに偏波合成器45
は、被測定光ファイバ2へ供給すべき励起光を出力する
ものである。レーザダイオード41およびブラッグ型回
折格子43は、レーザダイオード41における自然放出
光スペクトルおよびブラッグ型回折格子43におけるブ
ラッグ反射波長により定まる波長の直線偏光のレーザ光
を出力する。同様に、レーザダイオード42およびブラ
ッグ型回折格子44は、レーザダイオード42における
自然放出光スペクトルおよびブラッグ型回折格子44に
おけるブラッグ反射波長により定まる波長の直線偏光の
レーザ光を出力する。偏波合成器45は、ブラッグ型回
折格子43および44それぞれから出力された直線偏光
のレーザ光を偏波合成して、この偏波合成したものを励
起光として光サーキュレータ30の第1ポート31へ出
力する。
【0014】光スペクトラムアナライザ50は、光サー
キュレータ30の第3ポート33より出力された光を入
力し、この入力した光の強度スペクトルを測定する。
【0015】このラマン利得係数測定システム1では、
光サーキュレータ30の第2ポート32より被測定光フ
ァイバ2へ励起光が供給されるとともに、光サーキュレ
ータ20の第2ポート22より被測定光ファイバ2へ試
験光が入射する。被測定光ファイバ2に入射した試験光
は、被測定光ファイバ2を伝搬する際にラマン増幅され
る。このラマン増幅された試験光は、光アイソレータ3
0を経て光スペクトラムアナライザ50に入力して、光
スペクトラムアナライザ50により強度スペクトルが測
定される。また、被測定光ファイバ2へ励起光が供給さ
れていないときにも、被測定光ファイバ2を伝搬した試
験光は、光アイソレータ30を経て光スペクトラムアナ
ライザ50に入力して、光スペクトラムアナライザ50
により強度スペクトルが測定される。そして、励起光が
供給されているときに測定された強度スペクトルから、
励起光が供給されていないときに測定された強度スペク
トルを減算することで、被測定光ファイバ2のラマン利
得スペクトルが求められる。
【0016】次に、このようなラマン利得係数測定シス
テム1において被測定光ファイバ2へ入射する試験光の
光密度Pinの好適範囲について説明する。被測定光ファ
イバ2の正味のラマン利得をGnetとし、正味の雑音指
数をNFnetとする。光スペクトラムアナライザ50に
おける測定周波数をνとし、測定周波数分解能をΔνと
し、測定波長をλとし、測定波長分解能をΔλとする。
また、プランク定数をhとし、真空中の光速をcとす
る。このとき、被測定光ファイバ2で発生する自然放出
光の強度PASEは、
【数1】 なる式で表される。また、被測定光ファイバ2でラマン
増幅されて出射される試験光の光密度Poutは、
【数2】 なる式で表される。
【0017】被測定光ファイバ2で発生する自然放出光
の強度PASEと比べて、被測定光ファイバ2でラマン増
幅されて出射される試験光の光密度Poutが小さすぎる
場合には、被測定光ファイバ2で発生した自然放出光が
雑音となって、被測定光ファイバ2のラマン利得係数を
精度よく測定することができない。しかし、被測定光フ
ァイバ2で発生する自然放出光の強度PASEに対して、
被測定光ファイバ2でラマン増幅されて出射される試験
光の光密度Poutが充分に大きく、
【数3】 なる関係式を満たせば、被測定光ファイバ2で発生した
自然放出光が雑音となることはなく、被測定光ファイバ
2のラマン利得係数を精度よく測定することができる。
【0018】すなわち、上記(1)式〜(3)式より、被測定
光ファイバ2へ入射する試験光の光密度Pinは、
【数4】 なる関係式を満たすのが好適である。例えば、被測定光
ファイバ2の正味の雑音指数NFnetを3dBとし、光
スペクトラムアナライザ50における測定波長λを1.
57μmとし、測定波長分解能をΔλを1nmとする
と、被測定光ファイバ2へ入射する試験光の光密度Pin
は、−25dBm/nm以上となる。
【0019】一方、被測定光ファイバ2へ入射する試験
光の光密度Pinが大きすぎると、被測定光ファイバ2で
ラマン増幅された試験光が新たな励起光となり、この新
たな励起光に因りラマン利得スペクトルが影響を受ける
ことから、被測定光ファイバ2へ入射する試験光の光密
度Pinの上限も以下のようにして定める必要がある。以
下では、図2を参照しながら、被測定光ファイバ2へ入
射する試験光の光密度Pinの上限について説明する。図
2は、被測定光ファイバ2の利得スペクトルG 1(λ)、
および、被測定光ファイバ2へ入射した試験光の強度ス
ペクトルPin(λ)などを示すグラフである。
【0020】被測定光ファイバ2のラマン利得係数をg
Rとし、被測定光ファイバ2の実効断面積をAeffとし、
被測定光ファイバ2に供給される励起光の強度をP
pump1とし、励起光波長における被測定光ファイバ2の
吸収損失をαpump1とし、被測定光ファイバ2の長さを
Lとし、波長をλで表す。このとき、被測定光ファイバ
2のラマン利得スペクトルG1(λ)は、
【数5】 なる式で表される。
【0021】すなわち、被測定光ファイバ2へ入射した
試験光の強度スペクトルPin(λ)と、被測定光ファイバ
2でラマン増幅された試験光の強度スペクトルP
out(λ)との間には、
【数6】 なる関係式が成り立つ。被測定光ファイバ2でラマン増
幅された波長範囲λ1〜λ2の試験光の全光パワーP
totalは、
【数7】 なる式で表される。
【0022】この被測定光ファイバ2でラマン増幅され
た全光パワーPtotal(=Ppump2)の試験光は波長λ
pump2の新たな励起光となる。そして、この新たな励起
光の波長λpump2における被測定光ファイバ2の吸収損
失をαpump2とすると、この新たな励起光に基づく被測
定光ファイバ2のラマン利得スペクトルG2(λ)は、
【数8】 なる式で表される。
【0023】光スペクトラムアナライザ50により測定
される利得スペクトルは、被測定光ファイバ2の本来の
ラマン利得スペクトルG1(λ)に、被測定光ファイバ2
でラマン増幅された試験光が新たな励起光となることに
基づくラマン利得スペクトルG2(λ)が重畳されたもの
となる。したがって、被測定光ファイバ2へ入射する試
験光の光密度Pinが大きすぎる場合には、被測定光ファ
イバ2でラマン増幅された試験光が新たな励起光となる
ことに基づくラマン利得スペクトルG2(λ)の影響が無
視し得なくなり、見かけ上のラマン利得スペクトル(G
1(λ)+G2(λ))が傾斜して、やはり、被測定光ファイ
バ2のラマン利得係数を精度よく測定することができな
い。なお、この傾斜をSRSチルトと呼ぶ。
【0024】そこで、被測定光ファイバ2でラマン増幅
される試験光の波長範囲λ1〜λ2内で、ラマン利得が等
しくなる2つの波長λAと波長λBとの間(ただし、波長
間隔λB−λAが20nm以上30nm以下であって最大
波長間隔のもの)での利得偏差を所定値x以下とするこ
とで、すなわち、
【数9】 なる関係式が成り立つようにすることで、被測定光ファ
イバ2でラマン増幅された試験光が新たな励起光となる
ことに基づくラマン利得スペクトルG2(λ)の影響を無
視し得るようにする。ここで、λpeakは、被測定光ファ
イバ2の本来のラマン利得スペクトルG1(λ)における
ピーク波長であり、G1peak)は、そのピーク値であ
る。また、G1B)+G2B)は波長λBでの見かけ上
のラマン利得であり、G1A)+G2A)は波長λA
の見かけ上のラマン利得であり、ΔGは両者の差を表し
ている。
【0025】波長λAでの本来のラマン利得G1A)
と、波長λBでの本来のラマン利得G1B)とは、互い
に等しく、
【数10】 なる関係式が成り立つので、上記(9)式は、
【数11】 なる式で表される。
【0026】ここで、ラマン利得とラマン利得係数gR
との間には、
【数12】 なる関係があるので、上記(11)式は、
【数13】 なる式で表される。
【0027】また、陸上に光ファイバ伝送路が敷設され
た光通信システムを想定した場合、30dB程度のラマ
ン利得に対して、±1dB程度の利得偏差まで許容され
る。さらに、光スペクトラムアナライザ50によるスペ
クトル測定の際の誤差が、その1/2まで許容されると
する。このことから、利得偏差の上限値xは、
【数14】 式で表され、1.7%以下となる。このように、ΔG/
1peak) の値を1.7%以下という条件を満たすよ
うにすれば、被測定光ファイバ2へ入射する試験光の光
密度Pinが大きすぎることはなく、被測定光ファイバ2
でラマン増幅された試験光が新たな励起光となることに
基づくラマン利得スペクトルG2(λ)の影響を小さくす
ることができるので、被測定光ファイバ2のラマン利得
係数を精度よく測定することができる。
【0028】なお、被測定光ファイバ2でラマン増幅さ
れた試験光の全光パワーPpump2は、被測定光ファイバ
2に供給される励起光の強度Ppump1を変数とする関数
として記述され得る。しかし、gR/AeffおよびLeff
それぞれの値は被測定光ファイバ2の種類によって異な
るので、被測定光ファイバ2の種類に応じて励起光強度
および試験光強度それぞれは適切に設定される必要があ
る。そこで、以下に説明する実施例では、被測定光ファ
イバ2として4種類のものを取り上げて、各々の場合に
おける試験光の光密度の好適範囲について説明する。各
実施例では、ラマン散乱現象以外の非線形光学現象の発
生を回避する為に、ラマン利得が3dB程度となるよう
に励起光強度を設定した。
【0029】第1実施例では、被測定光ファイバ2とし
て最も標準的なシングルモード光ファイバを用いた。シ
ングルモード光ファイバは、コア領域とクラッド領域と
を含む単純なステップインデックス型の屈折率プロファ
イルを有し、コア領域にGe元素が添加された石英系の
光ファイバであって、波長1.3μm付近にゼロ分散波
長を有し、波長1.55μmで波長分散が+17ps/
nm/km程度である。シングルモード光ファイバの長
さLを20kmとし、シングルモード光ファイバに供給
される励起光の強度Ppump1を22dBmとした。
【0030】図3は、第1実施例におけるラマン利得ス
ペクトルを示すグラフである。図4は、第1実施例にお
ける入力試験光の光密度Pinとピーク利得G1peak)
との関係を示すグラフである。図3では、入力試験光の
光密度Pinが−40dBm/nm,−35dBm/n
m,−30dBm/nmおよび−5dBm/nmそれぞ
れの値である場合についてラマン利得スペクトルが示さ
れている。図4から判るように、入力試験光の光密度P
inが−25dBm/nm以下であれば、発生した自然放
出光が雑音となって、ピーク利得が過大評価されて、ラ
マン利得係数を精度よく測定することができない。ま
た、入力試験光の光密度Pinが−12.5dBm/nm
以上であれば、SRSチルトの影響に因り、ラマン利得
スペクトルが歪んで、やはり、ラマン利得係数を精度よ
く測定することができない。これに対して、入力試験光
の光密度Pinが−25dBm/nm以上で−12.5d
Bm/nm以下であれば、シングルモード光ファイバの
ラマン利得係数を精度よく測定することができる。
【0031】第2実施例では、被測定光ファイバ2とし
て純石英コア光ファイバを用いた。純石英コア光ファイ
バは、コア領域とクラッド領域とを含む単純なステップ
インデックス型の屈折率プロファイルを有し、コア領域
が純石英ガラスでありクラッド領域にF元素が添加され
た石英系の光ファイバであって、波長1.3μm付近に
ゼロ分散波長を有し、波長1.55μmで波長分散が+
20ps/nm/km程度である。純石英コア光ファイ
バは、シングルモード光ファイバと比較してラマン利得
係数gRが小さい。純石英コア光ファイバの長さLを3
5kmとし、純石英コア光ファイバに供給される励起光
の強度Ppump1を22dBmとした。
【0032】図5は、第2実施例におけるラマン利得ス
ペクトルを示すグラフである。図6は、第2実施例にお
ける入力試験光の光密度Pinとピーク利得G1peak)
との関係を示すグラフである。図5では、入力試験光の
光密度Pinが−40dBm/nm,−35dBm/n
m,−30dBm/nmおよび−5dBm/nmそれぞ
れの値である場合についてラマン利得スペクトルが示さ
れている。図6から判るように、入力試験光の光密度P
inが−25dBm/nm以下であれば、発生した自然放
出光が雑音となって、ピーク利得が過大評価されて、ラ
マン利得係数を精度よく測定することができない。ま
た、入力試験光の光密度Pinが−15dBm/nm以上
であれば、SRSチルトの影響に因り、ラマン利得スペ
クトルが歪んで、やはり、ラマン利得係数を精度よく測
定することができない。これに対して、入力試験光の光
密度Pinが−25dBm/nm以上で−15dBm/n
m以下であれば、純石英コア光ファイバのラマン利得係
数を精度よく測定することができる。
【0033】第3実施例では、被測定光ファイバ2とし
て分散補償光ファイバを用いた。分散補償光ファイバ
は、波長1.55μmで波長分散が負であり、その波長
分散の絶対値が数十ps/nm/kmであって、シング
ルモード光ファイバと比較してラマン利得係数gRが大
きいものである。分散補償光ファイバの長さLを20k
mとし、分散補償光ファイバに供給される励起光の強度
pump1を16dBmとした。
【0034】図7は、第3実施例におけるラマン利得ス
ペクトルを示すグラフである。図8は、第3実施例にお
ける入力試験光の光密度Pinとピーク利得G1peak)
との関係を示すグラフである。図7では、入力試験光の
光密度Pinが−40dBm/nm,−35dBm/n
m,−30dBm/nmおよび−15dBm/nmそれ
ぞれの値である場合についてラマン利得スペクトルが示
されている。図8から判るように、入力試験光の光密度
inが−25dBm/nm以下であれば、発生した自然
放出光が雑音となって、ピーク利得が過大評価されて、
ラマン利得係数を精度よく測定することができない。ま
た、入力試験光の光密度Pinが−18dBm/nm以上
であれば、SRSチルトの影響に因り、ラマン利得スペ
クトルが歪んで、やはり、ラマン利得係数を精度よく測
定することができない。これに対して、入力試験光の光
密度Pinが−25dBm/nm以上で−18dBm/n
m以下であれば、分散補償光ファイバのラマン利得係数
を精度よく測定することができる。
【0035】第4実施例では、被測定光ファイバ2とし
て高非線形性光ファイバを用いた。高非線形性光ファイ
バは、非線形性が大きく、分散補償光ファイバと比較し
てもラマン利得係数gRが大きいものである。高非線形
性光ファイバの長さLを5.08kmとし、高非線形性
光ファイバに供給される励起光の強度Ppump1を16d
Bmとした。
【0036】図9は、第4実施例におけるラマン利得ス
ペクトルを示すグラフである。図10は、第4実施例に
おける入力試験光の光密度Pinとピーク利得G
1peak)との関係を示すグラフである。図9では、入
力試験光の光密度Pinが−40dBm/nm,−35d
Bm/nm,−30dBm/nmおよび−10dBm/
nmそれぞれの値である場合についてラマン利得スペク
トルが示されている。図10から判るように、入力試験
光の光密度Pinが−25dBm/nm以下であれば、発
生した自然放出光が雑音となって、ピーク利得が過大評
価されて、ラマン利得係数を精度よく測定することがで
きない。また、入力試験光の光密度Pinが−24.5d
Bm/nm以上であれば、SRSチルトの影響に因り、
ラマン利得スペクトルが歪んで、やはり、ラマン利得係
数を精度よく測定することができない。これに対して、
入力試験光の光密度Pinが−25dBm/nm以上で−
24.5dBm/nm以下であれば、高非線形性光ファ
イバのラマン利得係数を精度よく測定することができ
る。
【0037】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
係るラマン利得係数測定方法は、ラマン増幅されるべき
試験光を被測定光ファイバへ入射させて被測定光ファイ
バのラマン利得係数を測定する方法であって、(a) 被測
定光ファイバの雑音指数をNF netとし、測定周波数を
νとし、測定分解能をΔνとし、プランク定数をhとし
たときに、被測定光ファイバへ入射する試験光の光密度
inについて Pin>100・NFnet・h・ν・Δν なる条件
を満たすようにし、(b) 被測定光ファイバのラマン利得
のピーク値をGpeakとし、ラマン利得が等しくなる2波
長(ただし、波長間隔が20nm以上30nm以下であ
って最大波長間隔のもの)の間における被測定光ファイ
バのラマン利得の偏差をΔGとしたときに、ΔG/G
peak<1.7% なる条件を満たすようにして、被測定
光ファイバのラマン利得係数を測定する。このように、
上記(a)の条件を満たすことにより、被測定光ファイバ
で発生した自然放出光が雑音となることはなく、また、
上記(b)の条件を満たすことにより、被測定光ファイバ
でラマン増幅された試験光が新たな励起光となることに
基づくラマン利得スペクトルの影響を小さくすることが
できるので、被測定光ファイバのラマン利得係数を精度
よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るラマン利得係数測定方法が好
適に適用されるラマン利得係数測定システムの構成図で
ある。
【図2】被測定光ファイバの利得スペクトルG1(λ)、
および、被測定光ファイバへ入射した試験光の強度スペ
クトルPin(λ)などを示すグラフである。
【図3】第1実施例におけるラマン利得スペクトルを示
すグラフである。
【図4】第1実施例における入力試験光の光密度Pin
ピーク利得G1peak)との関係を示すグラフである。
【図5】第2実施例におけるラマン利得スペクトルを示
すグラフである。
【図6】第2実施例における入力試験光の光密度Pin
ピーク利得G1peak)との関係を示すグラフである。
【図7】第3実施例におけるラマン利得スペクトルを示
すグラフである。
【図8】第3実施例における入力試験光の光密度Pin
ピーク利得G1peak)との関係を示すグラフである。
【図9】第4実施例におけるラマン利得スペクトルを示
すグラフである。
【図10】第4実施例における入力試験光の光密度Pin
とピーク利得G1peak)との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1…ラマン利得係数測定システム、2…被測定光ファイ
バ、11…白色光源、12…偏波スクランブラ、20,
30…光サーキュレータ、41,42…レーザダイオー
ド、43,44…ブラッグ型回折格子、45…偏波合成
器、50…光スペクトラムアナライザ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラマン増幅されるべき試験光を被測定光
    ファイバへ入射させて前記被測定光ファイバのラマン利
    得係数を測定する方法であって、 前記被測定光ファイバの雑音指数をNFnetとし、測定
    周波数をνとし、測定分解能をΔνとし、プランク定数
    をhとしたときに、前記被測定光ファイバへ入射する前
    記試験光の光密度Pinについて Pin>100・NFnet・h・
    ν・Δν なる条件を満たすようにし、 前記被測定光ファイバのラマン利得のピーク値をGpeak
    とし、ラマン利得が等しくなる2波長(ただし、波長間
    隔が20nm以上30nm以下であって最大波長間隔の
    もの)の間における前記被測定光ファイバのラマン利得
    の偏差をΔGとしたときに、ΔG/Gpeak<1.7%
    なる条件を満たすようにして、 前記被測定光ファイバのラマン利得係数を測定すること
    を特徴とするラマン利得係数測定方法。
  2. 【請求項2】 前記光密度Pinについて Pin>−25
    dBm/nm なる関係式を満たすことを特徴とする請
    求項1記載のラマン利得係数測定方法。
  3. 【請求項3】 前記光密度Pinについて Pin<−1
    2.5dBm/nm なる関係式を満たすことを特徴と
    する請求項1記載のラマン利得係数測定方法。
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