JP2002201470A - 半導体超微粒子の製造方法 - Google Patents

半導体超微粒子の製造方法

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JP2002201470A
JP2002201470A JP2001000646A JP2001000646A JP2002201470A JP 2002201470 A JP2002201470 A JP 2002201470A JP 2001000646 A JP2001000646 A JP 2001000646A JP 2001000646 A JP2001000646 A JP 2001000646A JP 2002201470 A JP2002201470 A JP 2002201470A
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Soichiro Saida
壮一郎 齊田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた発光効率を有する半導体超微粒子を簡
便に製造する方法を提供する。 【解決手段】 電気陰性度が2.0以下である陽性元素
を含有する第1物質及び該電気陰性度が1.9以上であ
る陰性元素を含有する第2物質からなる2元化合物系、
あるいは単体が半導体性を有する元素を含有する物質、
のいずれかである半導体原料を結晶成長させて半導体超
微粒子を製造する方法において、結晶成長後、遊離した
配位性有機化合物を含有する液相媒質中に保存する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体超微粒子の製
造方法に関する。本発明の製造方法により得られる半導
体超微粒子は、高い発光効率を示す特性を有し、ディス
プレイや発光ダイオード等の光学部材の原料として好適
に利用される。
【0002】
【従来の技術】半導体材料はその材料特有の光吸収及び
発光を与える特徴を持っており、既に発光材料として広
く使用されている。粒径が1nmから100nm程度の
半導体超微粒子は量子閉じこめ効果によりバルクとは異
なる性質を示すことが知られている。かかる性質を有す
る超微粒子は、コロイド粒子、ナノ結晶(Nanocr
ystals)、ナノ粒子(Nanoparticle
s)、或いは量子ドット(Quantum Dot)等
とも呼称される場合がある。
【0003】従来、半導体超微粒子は例えば下記の方法
で製造されてきた。 (a)分子ビームエピタキシー法あるいはCVD法等の
高真空プロセス。この方法により組成が高度に制御され
た高純度の半導体超微粒子が得られるが、ホスフィンや
アルシン等の有毒気体を原料とする場合があり、且つ高
価な製造装置を要するので生産性の点で産業上の利用に
制限があった。 (b)熱分解性の半導体原料を高温の液相有機媒体に注
入して半導体結晶を成長させる方法(以下、ホットソー
プ法と呼ぶ)。例えばC.B.Murrayら;J.A
m.Chem.Soc.,115巻8706−8715
(1993)に報告されている方法である。この方法に
は、粒径分布が極めて狭く、また不純物の少ない優れた
半導体超微粒子が得られる特徴がある。 (c)2種類の反応性の半導体原料を順番に溶媒中に注
入し半導体結晶を成長させる方法(以下、均一溶媒法と
呼ぶ)。例えばD.Diazら;J.Phys.Che
m.,103巻B9854−9858(1999)に報
告されている方法である。この方法には、10〜30℃
程度の室温で簡便に製造できる特徴がある。
【0004】前記(b)又は(c)の液相製造法は前記
(a)の高真空プロセスよりも工業的生産に適した方法
であり、中でも(b)のホットソープ法は比較的高い発
光効率を有する半導体超微粒子を製造することができる
が、発光効率は未だ満足されるものではなく、また有機
溶媒中に溶解した状態で保存すると、時間の経過に伴
い、発光効率が低下していくという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、高い発光効率を
与える半導体超微粒子を簡便に製造する方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意検討を重ねた結果、半導体原料を結晶
成長させて半導体超微粒子を製造する際の各種条件、特
に結晶成長後、配位性有機化合物を含有する液相媒質中
に長時間保存する条件を制御することにより高い発光効
率を有する半導体超微粒子を簡便に製造することが可能
になることを見いだし本発明に到達した。即ち、本発明
の要旨は、電気陰性度が2.0以下である陽性元素を含
有する第1物質及び該電気陰性度が1.9以上である陰
性元素を含有する第2物質からなる2元化合物系、ある
いは単体が半導体性を有する元素を含有する物質、のい
ずれかである半導体原料を結晶成長させて半導体超微粒
子を製造する方法において、結晶成長後、遊離した配位
性有機化合物を含有する液相媒質中に保存することを特
徴とする半導体超微粒子の製造方法、に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明の半導体超微粒子の製造方法は、結晶成長反
応終了後の半導体超微粒子を、遊離した配位性有機化合
物を含有する液相媒質中に保存する工程を含むものであ
る。
【0008】ここで使用される半導体結晶の原料として
は、電気陰性度が2.0以下である陽性元素を含有する
第1物質及び該電気陰性度が1.9以上である陰性元素
を含有する第2物質からなる2元化合物系、あるいは単
体が半導体性を有する元素を含有する物質、のいずれか
を使用する。ここで、半導体性とは、室温における電気
伝導率が、金属と絶縁体の中間の103〜10-10S/c
m程度である性質あるいは電気伝導率が温度とともに上
昇する性質を意味する。かかる原料化合物の具体例は後
述する。なお、本発明における電気陰性度は、例えば理
化学辞典,第5判,912頁(岩波書店;1998年)
に記載の表のように、ポーリングの定義による数値であ
る。
【0009】[半導体超微粒子]本発明において対象と
する半導体超微粒子は、電気陰性度が2.0以下である
陽性元素及び該電気陰性度が1.9以上である陰性元素
を主体とする化合物半導体、あるいは半導体性を有する
単体を主体とする単体半導体のいずれかである。本発明
の製造方法により得られる半導体超微粒子とは、後述す
るように粒径が数nm〜数10nm程度の大きさを有す
る半導体結晶を主体とするものであり、該半導体結晶の
組成は半導体性を有する元素単体あるいは複数種元素か
らなる化合物半導体のいずれでも構わない。ここで言う
半導体超微粒子の主体とは、後述する超微粒子表面の有
機成分を除いた中心部分を意味する。
【0010】また、製造に用いられる液相媒質の構成成
分、配位子、界面活性剤等の有機分子あるいはこれらが
何らかの化学変化を受けて生成する有機構造等の有機成
分をその表面に保持していても構わない。かかる粒子表
面に保持される有機成分と半導体組成との結合様式に制
限はないが、例えば配位結合、共有結合、イオン結合等
の比較的強い化学結合、あるいはファンデアワールス
力、水素結合、疎水−疎水相互作用、分子鎖の絡み合い
効果等の比較的弱い可逆的な引力相互作用等が例示され
る。
【0011】該有機成分の含量は、生成する半導体超微
粒子の表面積(即ち粒径にも関連)にもよるが、後述す
る単離精製工程を経て十分に精製された状態で、半導体
超微粒子中、通常1〜90重量%、半導体超微粒子を分
散する実用上重要な各種媒体(例えば溶媒や樹脂バイン
ダ等)の有機マトリクス物質への分散性や化学的安定性
の点で好ましくは5〜80重量%、更に好ましくは10
〜70重量%、最も好ましくは15〜60重量%程度で
ある。該有機成分含量は、例えば各種元素分析や熱重量
分析等により測定される。また、該有機成分の化学種や
化学的環境についての情報を赤外吸収スペクトル(I
R)や核磁気共鳴(NMR)スペクトルから得られる。
【0012】本発明の製造方法により得られる半導体超
微粒子の大きさは、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察
される平均粒径として、通常1〜20nm、好ましくは
1.5〜15nm、更に好ましくは2〜12nm、最も
好ましくは2.5〜10nm程度となる。本発明の製造
方法で得られる半導体超微粒子は、前記のようにその表
層として有機成分を含有する場合があるが、TEMで観
察される粒子像はかかる有機成分を含まない部分、即ち
比較的原子番号の高い元素を含む半導体組成の部分に由
来するものと考えられる。電子顕微鏡で観察困難な原子
番号の小さい元素で構成される半導体超微粒子の場合に
は、おおよその粒径は原子間力顕微鏡(AFM)等によ
り見積もることができる。
【0013】半導体超微粒子の量子効果により生ずる量
子準位での電子遷移に起因する光吸収及び/又は発光の
波長は、その粒子の大きさにより決まるので、前記の平
均粒子直径が上記の範囲外の場合には実用的に重要な発
光波長が得られないだけでなく、反応後の単離精製に支
障を来す場合がある。なお、半導体結晶構造の生成は、
前記のTEM観察における半導体結晶格子像の観察の
他、超微粒子の粉末X線回折、元素分析、あるいはXA
FS(X−ray absorption fine
structure)による元素分析と原子間距離測定
等の分析手段で確認可能である。 [半導体結晶組成]本発明の製造方法により得られる半
導体結晶組成の例としては、炭素、ケイ素、ゲルマニウ
ム、錫等の周期表第14族元素の単体(本発明において
はIV族半導体と称する)、リン(黒リン)等の周期表第
15族元素の単体、セレン、テルル等の周期表第16族
元素の単体、酸化錫(IV)(SnO2)、硫化錫(II,I
V)(Sn(II)Sn(IV)S3)、硫化錫(IV)(Sn
2)、硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)
(SnSe)、テルル化錫(II)(SnTe)、硫化鉛
(PbS)、セレン化鉛(PbSe)、テルル化鉛(P
bTe)等の周期表第14族元素と周期表第16族元素
との化合物、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(B
P)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(Al
N)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウ
ム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlS
b)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(Ga
P)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウ
ム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化イ
ンジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、ア
ンチモン化インジウム(InSb)等の周期表第13族
元素と周期表第15族元素との化合物(本発明において
はIII−V族化合物半導体と称する)、硫化アルミニウ
ム(Al23)、セレン化アルミニウム(Al2
3)、硫化ガリウム(Ga23)、セレン化ガリウム
(Ga2Se3)、テルル化ガリウム(Ga2Te3)、酸
化インジウム(In23)、硫化インジウム(In
23)、セレン化インジウム(In2Se3)、テルル化
インジウム(In2Te3)等の周期表第13族元素と周
期表第16族元素との化合物、塩化タリウム(I)(T
lCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タ
リウム(I)(TlI)等の周期表第13族元素と周期
表第17族元素との化合物、酸化亜鉛(ZnO)、硫化
亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化
亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カ
ドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdS
e)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(H
gS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(H
gTe)等の周期表第12族元素と周期表第16族元素
との化合物(本発明においてはII−VI族化合物半導体と
称する)、硫化アンチモン(III)(Sb23)、セレ
ン化アンチモン(III)(Sb2Se3)、テルル化アン
チモン(III)(Sb2Te3)、硫化ビスマス(III)
(Bi23)、セレン化ビスマス(III)(Bi2
3)、テルル化ビスマス(III)(Bi2Te3)等の周
期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、酸
化銅(I)(Cu2O)等の周期表第11族元素と周期
表第16族元素との化合物、塩化銅(I)(CuC
l)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(C
uI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の
周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、
酸化ニッケル(II)(NiO)等の周期表第10族元素
と周期表第16族元素との化合物、酸化コバルト(II)
(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の周期表
第9族元素と周期表第16族元素との化合物、四酸化三
鉄(Fe34)、硫化鉄(II)(FeS)等の周期表第
8族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化マンガ
ン(II)(MnO)等の周期表第7族元素と周期表第1
6族元素との化合物、硫化モリブデン(IV)(Mo
2)、酸化タングステン(IV)(WO2)等の周期表第
6族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化バナジ
ウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(V
2)、酸化タンタル(V)(Ta25)等の周期表第
5族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化チタン
(TiO2、Ti25、Ti23、Ti59等)等の周
期表第4族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化
マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(Mg
Se)等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との
化合物、酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdC
24)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)
(CdCr2Se4)、硫化銅(II)クロム(III)(C
uCr24)、セレン化水銀(II)クロム(III)(H
gCr2Se4)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチ
タネート(BaTiO3)等が挙げられる。
【0014】これらのうち重要なものは、ケイ素やゲル
マニウム等のIV族半導体、硫化錫(IV)(SnS2)、
硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnS
e)、テルル化錫(II)(SnTe)、硫化鉛(Pb
S)、セレン化鉛(PbSe)、テルル化鉛(PbT
e)等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との
化合物、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化
アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、
リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaA
s)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジ
ウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化イ
ンジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(In
Sb)等のIII−V族化合物半導体、硫化アルミニウム
(Al23)、セレン化アルミニウム(Al2Se3)、
硫化ガリウム(Ga23)、セレン化ガリウム(Ga2
Se3)、テルル化ガリウム(Ga2Te3)、硫化イン
ジウム(In23)、セレン化インジウム(In2
3)、テルル化インジウム(In2Te3)等の周期表
第13族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化亜
鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜
鉛(ZnTe)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化
カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdT
e)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgS
e)、テルル化水銀(HgTe)等のII−VI族化合物半
導体、硫化アンチモン(III)(Sb23)、セレン化
アンチモン(III)(Sb2Se3)、テルル化アンチモ
ン(III)(Sb2Te3)、硫化ビスマス(III)(Bi
23)、セレン化ビスマス(III)(Bi2Se3)、テ
ルル化ビスマス(III)(Bi2Te3)等の周期表第1
5族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化マグネ
シウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)
等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物
であり、中でも、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリ
ウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモ
ン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(In
N)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム
(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等
のIII−V族化合物半導体、硫化ガリウム(Ga
23)、セレン化ガリウム(Ga2Se3)、テルル化ガ
リウム(Ga2Te3)、硫化インジウム(In23)、
セレン化インジウム(In2Se3)、テルル化インジウ
ム(In 2Te3)等の周期表第13族元素と周期表第1
6族元素との化合物、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜
鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、硫化カド
ミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、
テルル化カドミウム(CdTe)等のII−VI族化合物半
導体が最も重要である。
【0015】本発明の製造方法により得られる半導体結
晶組成は、その主体となる有機成分を除いた中心部分及
び該中心部分の外殻部分に任意の付活物質がドープ(故
意に添加する事を意味する)されていても構わない。か
かる付活物質の例としては、マンガン、銅、アルミニウ
ム、銀、テルビウム、ツリウム、エルビウム、セリウ
ム、ユーロピウム、塩素、フッ素が挙げられる。
【0016】[結晶成長]高い発光効率を有する半導体
超微粒子を得る上で好ましい本発明の製造方法の結晶成
長方式は、半導体原料を液相媒質中に注入する方式であ
る。かかる結晶成長の代表例として、前記のホットソー
プ法が挙げられる。以下、本発明の製造法においてこれ
らの方法を適用する場合の結晶成長条件について詳しく
説明する。
【0017】[ホットソープ法]ホットソープ法は、半
導体原料の少なくとも1種を高温に加熱された配位性有
機化合物中で熱分解させた結果開始する反応により半導
体結晶の核生成と結晶成長を進行させる方法である。
かかる結晶核生成と結晶成長の過程の反応速度を望まし
く制御する目的で、半導体構成元素に適切な配位力のあ
る配位性有機化合物が液相媒体を構成する必須成分とし
て使用される。かかる配位性有機化合物が、半導体結晶
に配位して安定化する状況が石鹸分子が油滴を水中で安
定化する状況に似ているため、この反応形式はホットソ
ープ(Hot soap)法と呼ばれる。
【0018】[ホットソープ法に使用される配位性有機
化合物]原料液に使用される配位性有機化合物が、高温
液相において微結晶に配位して安定化する物質の例とし
ては、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィ
ン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィ
ン類、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホ
スフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、
トリデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、オ
クチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラ
デシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミ
ン等のω−アミノアルカン類、ピリジン、ルチジン、コ
リジン、キノリン類の含窒素芳香族化合物等の有機窒素
化合物、ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド
類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等の
ジアルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香
族化合物等の有機硫黄化合物等が代表的であり、これら
のうち、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィ
ン等のトリアルキルホスフィン類、トリブチルホスフィ
ンオキシドやトリオクチルホスフィンオキシド等のトリ
アルキルホスフィンオキシド類、ドデシルアミン、ヘキ
サデシルアミン、オクタデシルアミン等の炭素数12以
上のω−アミノアルカン類等の分子構造中に窒素原子又
はリン原子を含む化合物が好適であり、中でもトリブチ
ルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキ
ルホスフィン類、トリブチルホスフィンオキシドやトリ
オクチルホスフィンオキシド等のトリアルキルホスフィ
ンオキシド類等の炭素−リン単結合を有する化合物は更
に好適であり、トリオクチルホスフィンオキシド等のト
リアルキルホスフィンオキシド類は最適である。かかる
配位性有機化合物は、単独で前記の液相媒質を構成して
も、必要に応じ複数種を混合して使用しても構わず、更
に適当な有機溶剤(例えばトルエン、キシレン、ナフタ
レン等の芳香族炭化水素、オクタン、デカン、ドデカ
ン、オクタデカン等の長鎖アルカン類等)で希釈して使
用しても構わない。
【0019】[ホットソープ法に使用される半導体原
料]ホットソープ法に用いられる半導体原料は、製造操
作上の簡便性の理由で液状であるのが好ましい。原料物
質自身が常温で液体であればそのまま使用して良く、必
要に応じて適当な有機溶媒の溶液としても構わない。か
かる有機溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、
n−オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン等のアル
カン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等
の芳香族炭化水素、あるいは前記に例示の配位性有機化
合物等が例示される。これらのうち好ましく用いられる
のは、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イ
ソオクタン等のアルカン類、あるいはトリブチルホスフ
ィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィ
ン等のトリアルキルホスフィン類である。
【0020】前記の電気陰性度が2.0以下である陽性
元素を含有する第1物質の例としては、マグネシウム、
チタン、バナジウム、タンタル、クロム、モリブデン、
タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、カドミウム、水銀、ホウ素、アルミニウム、
ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチ
モン、ビスマス等の単体、あるいは、ジエチルマグネシ
ウムやジ−n−ブチルマグネシウム等の周期表第2族元
素のジアルキル化物、塩化メチルマグネシウム、臭化メ
チルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エ
チニルマグネシウム等の周期表第2族元素のアルキルハ
ロゲン化物、ヨウ化マグネシウム等の周期表第2族元素
のジハロゲン化物、四塩化チタン(IV)、四臭化チタン
(IV)、四ヨウ化チタン(IV)等の周期表第4族元素の
ハロゲン化物、二塩化バナジウム(II)、四塩化バナジ
ウム(IV)、二臭化バナジウム(II)、四臭化バナジウ
ム(IV)、二ヨウ化バナジウム(II)、四ヨウ化バナジ
ウム(IV)、五塩化タンタル(V)、五臭化タンタル
(V)、五ヨウ化タンタル(V)等の周期表第5族元素
のハロゲン化物、三臭化クロム(III)、三ヨウ化クロ
ム(III)、四塩化モリブデン(IV)、四臭化モリブデ
ン(IV)、四ヨウ化モリブデン(IV)、四塩化タングス
テン(IV)、四臭化タングステン(IV)等の周期表第6
族元素のハロゲン化物、二塩化マンガン(II)、二臭化
マンガン(II)、二ヨウ化マンガン(II)等の周期表第
7族元素のハロゲン化物、二塩化鉄(II)、三塩化鉄
(III)、二臭化鉄(II)、三臭化鉄(III)、二ヨウ化
鉄(II)、三ヨウ化鉄(III)等の周期表第8族元素の
ハロゲン化物、二塩化コバルト(II)、二臭化コバルト
(II)、二ヨウ化コバルト(II)等の周期表第9族元素
のハロゲン化物、二塩化ニッケル(II)、二臭化ニッケ
ル(II)、二ヨウ化ニッケル(II)等の周期表第10族
元素のハロゲン化物、ヨウ化銅(I)等の周期表第11
族元素のハロゲン化物、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、
ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−
ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジ−n−ヘキシル亜
鉛、ジシクロヘキシル亜鉛、ジメチルカドミウム、ジエ
チルカドミウム、ジメチル水銀(II)、ジエチル水銀
(II)等の周期表第12族元素のジアルキル化物、塩化
メチル亜鉛、臭化メチル亜鉛、ヨウ化メチル亜鉛、ヨウ
化エチル亜鉛、塩化メチルカドミウム、塩化メチル水銀
(II)等の周期表第12族元素のアルキルハロゲン化
物、二塩化亜鉛、二臭化亜鉛、二ヨウ化亜鉛、二塩化カ
ドミウム、二臭化カドミウム、二ヨウ化カドミウム、二
塩化水銀(II)、塩化ヨウ化亜鉛、塩化ヨウ化カドミウ
ム、塩化ヨウ化水銀(II)、臭化ヨウ化亜鉛、臭化ヨウ
化カドミウム、臭化ヨウ化水銀(II)等の周期表第12
族元素のジハロゲン化物、トリメチルホウ素、トリ−n
−プロピルホウ素、トリイソプロピルホウ素、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−
ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウ
ム、トリオクチルアルミニウム、トリ−n−ブチルガリ
ウム(III)、トリ−n−ブチルインジウム(III)等の
周期表第13族元素のトリアルキル化物、塩化ジメチル
アルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、塩化ジ−n
−ブチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、ヨ
ウ化ジエチルアルミニウム、塩化ジ−n−ブチルガリウ
ム(III)、塩化ジ−n−ブチルインジウム(III)等の
周期表第13族元素のジアルキルモノハロゲン化物、二
塩化メチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、
二臭化エチルアルミニウム、二ヨウ化エチルアルミニウ
ム、二塩化n−ブチルアルミニウム、二塩化n−ブチル
ガリウム(III)、二塩化n−ブチルインジウム(III)
等の周期表第13族元素のモノアルキルジハロゲン化
物、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三ヨウ化ホウ素、三
塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三ヨウ化アル
ミニウム、三塩化ガリウム(III)、三臭化ガリウム(I
II)、三ヨウ化ガリウム(III)、三塩化インジウム(I
II)、三臭化インジウム(III)、三ヨウ化インジウム
(III)、二塩化臭化ガリウム(III)、二塩化ヨウ化ガ
リウム(III)、塩化二ヨウ化ガリウム(III)、二塩化
ヨウ化インジウム(III)等の周期表第13族元素のト
リハロゲン化物、四塩化ゲルマニウム(IV)、四臭化ゲ
ルマニウム(IV)、四ヨウ化ゲルマニウム(IV)、二塩
化錫(II)、四塩化錫(IV)、二臭化錫(II)、四臭化
錫(IV)、二ヨウ化錫(II)、四臭化錫(IV)、二塩化
二ヨウ化錫(IV)、四ヨウ化錫(IV)、二塩化鉛(I
I)、二臭化鉛(II)、二ヨウ化鉛(II)等の周期表第
14族元素のハロゲン化物、トリメチルアンチモン(II
I)、トリエチルアンチモン(III)、トリ−n−ブチル
アンチモン(III)、トリメチルビスマス(III)、トリ
エチルビスマス(III)、トリ−n−ブチルビスマス(I
II)等の周期表第15族元素のトリアルキル化物、二塩
化メチルアンチモン(III)、二臭化メチルアンチモン
(III)、二ヨウ化メチルアンチモン(III)、二ヨウ化
エチルアンチモン(III)、二塩化メチルビスマス(II
I)、二ヨウ化エチルビスマス(III)等の周期表第15
族元素のモノアルキルジハロゲン化物、三塩化アンチモ
ン(III)、三臭化アンチモン(III)、三ヨウ化アンチ
モン(III)、三塩化ビスマス(III)、三臭化ビスマス
(III)、三ヨウ化ビスマス(III)等の周期表第15族
元素のトリハロゲン化物等が挙げられる。これらのうち
好適なのは、ジエチルマグネシウムやジ−n−ブチルマ
グネシウム等の周期表第2族元素のジアルキル化物、塩
化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、ヨウ
化メチルマグネシウム等の周期表第2族元素のアルキル
ハロゲン化物、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ−n−
プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜
鉛、ジイソブチル亜鉛、ジ−n−ヘキシル亜鉛、ジメチ
ルカドミウム、ジエチルカドミウム等の周期表第12族
元素のジアルキル化物、塩化メチル亜鉛、臭化メチル亜
鉛、ヨウ化メチル亜鉛、ヨウ化エチル亜鉛、塩化メチル
カドミウム等の周期表第12族元素のアルキルハロゲン
化物、三ヨウ化アルミニウム、三塩化ガリウム(II
I)、三臭化ガリウム(III)、三ヨウ化ガリウム(II
I)、三塩化インジウム(III)、三臭化インジウム(II
I)、三ヨウ化インジウム(III)等の周期表第13族元
素のトリハロゲン化物等であり、中でもジメチル亜鉛、
ジエチル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル
亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジメチルカドミウム、ジエ
チルカドミウム等の周期表第12族元素のジアルキル化
物、三塩化ガリウム(III)、三塩化インジウム(III)
等の周期表第13族元素のトリハロゲン化物等が最適で
ある。
【0021】なお、四塩化ゲルマニウム(IV)、四臭化
ゲルマニウム(IV)、四ヨウ化ゲルマニウム(IV)、二
塩化錫(II)、四塩化錫(IV)、二臭化錫(II)、四臭
化錫(IV)、二ヨウ化錫(II)、四臭化錫(IV)、二塩
化二ヨウ化錫(IV)、四ヨウ化錫(IV)、二塩化鉛(I
I)、二臭化鉛(II)、二ヨウ化鉛(II)等の周期表第
14族元素のハロゲン化物は、単独でゲルマニウムや錫
等の周期表第14族元素の単体半導体の原料となる場合
もある。
【0022】前記の電気陰性度が1.9以上である陰性
元素を含有する第2物質の例としては、窒素、リン、砒
素、アンチモン、ビスマス、酸素、硫黄、セレン、テル
ル、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等の周期表第15〜1
7族元素の単体、アンモニア、ホスフィン(PH3)、
アルシン(AsH3)、スチビン(SbH3)等の周期表
第15族元素の水素化物、トリス(トリメチルシリル)
アミン、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、トリ
ス(トリメチルシリル)アルシン等の周期表第15族元
素のシリル化物、硫化水素、セレン化水素、テルル化水
素等の周期表第16族元素の水素化物、ビス(トリメチ
ルシリル)スルフィド、ビス(トリメチルシリル)セレ
ニド等の周期表第16族元素のシリル化物、硫化ナトリ
ウム、セレン化ナトリウム、テルル化ナトリウム等の周
期表第16族元素のアルカリ金属塩、硫化アンモニウ
ム、セレン化アンモニウム等の周期表第16族元素のア
ンモニウム塩、水硫化ナトリウム、水セレン化ナトリウ
ム等の周期表第16族元素のモノ水素化モノアルカリ金
属塩、トリブチルホスフィンスルフィド、トリヘキシル
ホスフィンスルフィド、トリオクチルホスフィンスルフ
ィド、トリブチルホスフィンセレニド、トリヘキシルホ
スフィンセレニド、トリオクチルホスフィンセレニド等
のトリアルキルホスフィンカルコゲニド類、フッ化水
素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等の周期表第17
族元素の水素化物、トリメチルシリルクロリド、トリメ
チルシリルブロミド、トリメチルシリルヨージド等の周
期表第17族元素のシリル化物が挙げられる。これらの
うち、反応性や化合物の安定性・操作性の点で、リン、
砒素、アンチモン、ビスマス、硫黄、セレン、テルル、
ヨウ素等の周期表第15〜17族元素の単体、トリス
(トリメチルシリル)ホスフィン、トリス(トリメチル
シリル)アルシン等の周期表第15族元素のシリル化
物、硫化水素、セレン化水素、テルル化水素等の周期表
第16族元素の水素化物、ビス(トリメチルシリル)ス
ルフィド、ビス(トリメチルシリル)セレニド等の周期
表第16族元素のシリル化物、硫化ナトリウム、セレン
化ナトリウム等の周期表第16族元素のアルカリ金属
塩、トリブチルホスフィンスルフィド、トリヘキシルホ
スフィンスルフィド、トリオクチルホスフィンスルフィ
ド、トリブチルホスフィンセレニド、トリヘキシルホス
フィンセレニド、トリオクチルホスフィンセレニド等の
トリアルキルホスフィンカルコゲニド類、トリメチルシ
リルクロリド、トリメチルシリルブロミド、トリメチル
シリルヨージド等の周期表第17族元素のシリル化物等
が好適に用いられ、中でもリン、砒素、アンチモン、硫
黄、セレン等の周期表第15及び16族元素の単体、ト
リス(トリメチルシリル)ホスフィン、トリス(トリメ
チルシリル)アルシン等の周期表第15族元素のシリル
化物、ビス(トリメチルシリル)スルフィド、ビス(ト
リメチルシリル)セレニド等の周期表第16族元素のシ
リル化物、硫化ナトリウム、セレン化ナトリウム等の周
期表第16族元素のアルカリ金属塩、トリブチルホスフ
ィンスルフィド、トリオクチルホスフィンスルフィド、
トリブチルホスフィンセレニド、トリオクチルホスフィ
ンセレニド等のトリアルキルホスフィンカルコゲニド類
等が特に好適に用いられる。
【0023】なお、一方の半導体原料が気体である場
合、半導体原料を注入した反応液相中に該気体を直接導
入することも可能である。かかる気体の直接導入法に用
いられる気体半導体原料は、アンモニア、ホスフィン
(PH3)、アルシン(AsH3)、スチビン(Sb
3)等の周期表第15族元素の水素化物、トリス(ト
リメチルシリル)アミン、トリス(トリメチルシリル)
ホスフィン、トリス(トリメチルシリル)アルシン等の
周期表第15族元素のシリル化物、ビス(トリメチルシ
リル)スルフィド、ビス(トリメチルシリル)セレニド
等の周期表第16族元素のシリル化物、硫化水素、セレ
ン化水素、テルル化水素等の周期表第16族元素の水素
化物、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等の周期表第1
7族元素の水素化物である。
【0024】化合物半導体超微粒子を本発明のホットソ
ープ法で得る場合、使用する半導体原料における前記の
陽性元素の陰性元素に対するモル比は、通常0.5〜
5、好ましくは0.7〜4、更に好ましくは0.8〜
3、最も好ましくは0.9〜2.5程度とする。このよ
うにして結晶成長させた半導体超微粒子を配位性有機化
合物を含有する液相媒質中に保存することで高い発光効
率を実現することが可能になる。
【0025】[液相媒質中に含有される遊離した配位性
有機化合物]本発明において、結晶成長後の液相媒質中
に保存する際に用いられる配位性有機化合物は、遷移金
属元素等の陽性元素への配位力を有する有機化合物であ
り、前述した結晶成長工程において用いた配位性有機化
合物と同一でも異なったものでも良い。ここで用いられ
る高い発光効率を実現する配位性有機化合物の例として
は、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、
トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン
類、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホス
フィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、ト
リデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、オク
チルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデ
シルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン
等のω−アミノアルカン類、ピリジン、ルチジン、コリ
ジン、キノリン類の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化
合物、ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド
類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等の
ジアルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香
族化合物等の有機硫黄化合物等が代表的であり、これら
のうち、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィ
ン等のトリアルキルホスフィン類、トリブチルホスフィ
ンオキシドやトリオクチルホスフィンオキシド等のトリ
アルキルホスフィンオキシド類、ドデシルアミン、ヘキ
サデシルアミン、オクタデシルアミン等の炭素数12以
上のω−アミノアルカン類等の分子構造中に窒素原子又
はリン原子を含む化合物が好適であり、中でもトリブチ
ルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキ
ルホスフィン類、トリブチルホスフィンオキシドやトリ
オクチルホスフィンオキシド等のトリアルキルホスフィ
ンオキシド類等の炭素−リン単結合を有する化合物は更
に好適であり、トリオクチルホスフィンオキシド等のト
リアルキルホスフィンオキシド類は最適である。かかる
配位性有機化合物は、必要に応じ複数種を混合して使用
しても構わない。
【0026】[液相媒質]本発明の製造方法に使用され
る液相媒質は、少なくとも半導体超微粒子と配位性有機
化合物と溶媒とを含有するものである。ここで使用され
る溶媒の例としては、有機溶剤(例えばトルエン、キシ
レン、ナフタレン等の芳香族炭化水素、オクタン、デカ
ン、ドデカン、オクタデカン等の長鎖アルカン類等、ア
セトン、メチルエチルケトン、ピナコリン等のケトン
類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、テトラヒドロフラン等の有機含酸素化合物)、ピリ
ジン、ルチジン、コリジン、キノリン、N−メチルピロ
リドン等の有機含窒素化合物、ジブチルスルフィド、ジ
メチルスルホキシドやジブチルスルホキシド、チオフェ
ン等の有機含硫黄化合物、等が挙げられる。
【0027】[液層媒質中における配位性有機化合物の
含有量]本発明の製造方法で用いられる配位性有機化合
物の液相媒質中の割合は、0.05〜60重量%である
ことが好ましい。この量が少なすぎると、個々の超微粒
子に対する配位性有機化合物の数が十分でなく、高発光
効率の超微粒子は得られないばかりか、液相媒質の量が
多くなり、プロセス負荷が大きくなるという問題があ
る。またこの量が多すぎると配位性有機化合物が析出し
て液体状態を保つことが困難になり、保存後に発光効率
を向上させる効果が低減する傾向がある。これらの理由
により、更に好ましい配位性有機化合物の液相媒質中の
割合は、0.1〜50重量%であり、最も好ましくは
0.5〜25重量%である。
【0028】[保存条件]本発明の製造方法における液
相に保存しておく時間は、24時間以上であることが好
ましい。より好ましくは48時間以上、更に好ましくは
72時間以上である。この時間が短すぎると発光効率を
向上させる効果が満足に得られない。保存時間の上限に
ついては特に制限はない。保存される雰囲気は、遮光条
件下であることが好ましい。遮光条件下でない場合、液
相中に溶存している酸素が光励起され超微粒子表面と化
学反応を起こし超微粒子表面の配位性有機化合物と置換
してしまうため超微粒子同士の凝集を誘発する場合があ
る。ここで言う遮光とは、該光励起を起こす波長の光を
さえぎるものであれば良く、その波長範囲は通常200
〜700nm、光エネルギーの大きさからより重要なの
は200〜600nm、更に需要なのは200〜500
nm、最も重要なのは200〜450nmであり、ま
た、汎用的な照明装置や太陽光の波長スペクトルから実
用的に最も重要な遮光必要波長は、250〜450nm
の範囲である。
【0029】[発光効率]本発明の製造方法において、
発光効率を超微粒子の性能の評価に用いているが、絶対
的な発光効率を求めるのは容易ではない実情がある。一
般に蛍光色素を用いて相対的な発光効率を求める手段が
用いられているものの、蛍光色素と超微粒子の発光波長
の位置や蛍光色素の発光効率の安定性に影響を受けやす
い為あまり良い評価手段とは言えない。本発明の製造方
法により製造される半導体超微粒子は液相媒質中で保存
されている間、吸収・発光スペクトルともにピークの位
置はほとんど変わらないため不安定な蛍光色素を指標に
用いる必要は無く、超微粒子の吸収スペクトルのピーク
強度と発光スペクトルのピーク強度を比較するのがもっ
とも正確に蛍光強度を評価する手段である。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明の具体的態様を更
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、原料試薬は、特に記載がない限り、Aldric
h社より供給されるものを精製を加えず使用した。
【0031】実施例1 空冷式のリービッヒ冷却管と反応温度調節のための熱電
対を装着した無色透明の容量50mlのパイレックス
(登録商標)ガラス製4口フラスコに純度90%グレー
ドのトリオクチルホスフィンオキシド(以下TOPOと
略記;4g)を入れ、マグネチックスターラーで撹拌し
ながら乾燥アルゴンガス雰囲気で350℃に加熱した。
別途、乾燥窒素雰囲気のグローブボックス内で、セレン
(単体の黒色粉末;0.1g)をトリブチルホスフィン
(以下TBPと略記;4.38g)に溶解した液体に更
にジメチルカドミウム(Strem Chemical
社;97%ヘキサン中10wt% 2.18g)を混合
溶解した原料溶液Aを、ゴム栓(Aldrich社から
供給されるセプタム)で封をしガラス瓶中に調製した。
この原料溶液Aの一部(2.0ml)を、前記のTOP
Oの入ったフラスコに注射器で一気に注入し、この時点
を反応の開始時刻とした。反応開始20分後に熱源を除
去し、約50℃に冷却された時点で内容物の一部(4.
0g)を、乾燥窒素を30分間バブリングして溶存酸素
を除去したトルエン150ml中に注入し、アルミ箔で
覆って遮光した500ml耐熱瓶中、20〜27℃の室
温、乾燥窒素雰囲気下にて保存した。この液を保存液B
と呼ぶ。保存液Bの一部を抜き出し、透過型電子顕微鏡
で観察したところ、半導体組成の部分の平均粒径が3.
6nmのセレン化カドミウム超微粒子が生成しているこ
とが確認された。保存液B中のTOPOつまり配位性有
機化合物の濃度は1.8重量%であった。保存液Bを調
整後すぐに内容物を2ml窒素中で抜き出し、ヒューレ
ットパッカード社製HP8453型紫外・可視吸光光度
計で吸収スペクトルを測定した。続いて日立製作所
(株)製、F−2500型分光蛍光光度計にて蛍光スペ
クトルを測定した。蛍光スペクトルを測定した条件は、
スキャンスピード60nm/分、励起側スリット5n
m、蛍光側スリット5nm、フォトマル電圧400Vで
あった。吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを図1に示
す。吸収スペクトルは512nmにピークを持ち、この
強度は0.26007であった。蛍光スペクトルは53
3nmにピークを持ち、この強度は287.5であっ
た。蛍光スペクトルのピーク強度Iplと吸収スペクトル
のピーク強度Iabsの強度比Ipl/Iabsは1105であ
った。この22日後、保存液Bの一部を抜き出し、前述
と同様の方法で吸収スペクトルを測定したところ、51
2nmに強度0.25648のピークを持つ吸収スペク
トルが得られた。次に前述と同様の方法で蛍光スペクト
ルを測定したところ、534nmに強度459.5のピ
ークを持つ蛍光スペクトルが得られた。このときのIpl
/Iabsは1792であり、22日間の保存で蛍光の強
度が上がったことが確認された。吸収スペクトル及び蛍
光スペクトルを図2に示す。更に保存液Bの調整後30
日、37日、42日及び59日に同様の方法でIpl/I
absを求めたところそれぞれ2715、2788、25
40、2374であり、蛍光強度が増大し、維持されて
いることが確認された。これらのIpl/Iabsの値の時
間変化を図3に示す。調整後37日の保存液Bの一部を
抜き出しエバポレーションにより大部分のトルエンを留
去した後、脱水メタノールを添加して不溶物を生じさせ
た。この不溶物を3000rpmにて遠心分離し、デカ
ンテーションにより上澄み液を除去して分離し、乾燥窒
素を30分間吹きかけて粗く乾燥させた後、室温にて約
24時間真空乾燥して固形粉体を得た。固形粉体の一部
(2mg)をトルエン17ml中に投入し振り混ぜたと
ころ数秒程度の短時間で速やかに溶解した事から、超微
粒子表面が配位性有機化合物で密に覆われていることが
示唆された。
【0032】比較例1 空冷式のリービッヒ冷却管と反応温度調節のための熱電
対を装着した無色透明の容量50mlのパイレックスガ
ラス製4口フラスコに純度90%グレードのトリオクチ
ルホスフィンオキシド(以下TOPOと略記;4g)を
入れ、マグネチックスターラーで撹拌しながら乾燥アル
ゴンガス雰囲気で350℃に加熱した。別途、実施例1
の方法で調整した原料溶液Aの一部(2.0ml)を、
前記のTOPOの入ったフラスコに注射器で一気に注入
し、この時点を反応の開始時刻とした。反応開始20分
後に熱源を除去し、約50℃に冷却された時点でフラス
コ内に、乾燥窒素を30分間バブリングして溶存酸素を
除去したトルエン2mlを注入し、続いて脱水メタノー
ル10mlを注入して不溶物を生じさせた。この不溶物
を3000rpmにて遠心分離し、デカンテーションに
より上澄み液を除去して分離し、乾燥窒素を30分間吹
きかけて粗く乾燥させた後、室温にて約24時間真空乾
燥して固形粉体を得た。固形粉体の一部(2mg)をト
ルエン17ml中に投入し振り混ぜたところ、数十秒程
度かかって溶解した。この液をアルミ箔で覆って遮光し
た20mlバイヤル瓶中、20〜27℃の室温、乾燥窒
素雰囲気下にて保存した。この液を保存液Cと呼ぶ。保
存液Cの一部を抜き出し、透過形電子顕微鏡で観察した
ところ、半導体組成の部分の平均粒径が5.1nmのセ
レン化カドミウム超微粒子が生成していることが確認さ
れた。保存液C中のTOPOつまり配位性有機化合物の
濃度は0.015重量%であった。保存液Cを調製後す
ぐに内容物を2ml窒素中で抜き出し、ヒューレットパ
ッカード社製HP8453型紫外・可視吸光光度計で吸
収スペクトルを測定した。続いて日立製作所(株)製、
F−2500型分光蛍光光度計にて蛍光スペクトルを測
定した。蛍光スペクトルを測定した条件は、スキャンス
ピード60nm/分、励起側スリット5nm、蛍光側ス
リット5nm、フォトマル電圧400Vであった。吸収
スペクトル及び蛍光スペクトルを図1に示す。吸収スペ
クトルは593nmにピークを持ち、この強度は0.2
5943であった。蛍光スペクトルは604nmにピー
クを持ち、この強度は115.6であった。蛍光スペク
トルのピーク強度Iplと吸収スペクトルのピーク強度I
absの強度比Ipl/Iabsは446であった。この51日
後、保存液Cの一部を抜き出し、前述と同様の方法で吸
収スペクトルを測定したところ、592nmに強度0.
24858のピークを持つ吸収スペクトルが得られた。
次に前述と同様の方法で蛍光スペクトルを測定したとこ
ろ、611nmに強度459.5のピークを持つ蛍光ス
ペクトルが得られた。このときのIpl/Iabsは346
であった。更に調製後73日に同様の方法でIpl/I
abSを求めたところ、276であった。73日間保存し
ても蛍光強度の増大は見られなかった。これらのIpl
absの値の時間変化を図3に示す。
【0033】
【発明の効果】本発明の半導体超微粒子の製造方法によ
り製造された半導体超微粒子は、高い発光効率を示し、
ディスプレーや発光ダイオード等に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において得られた保存液Bの調製直後
の吸収及び蛍光スペクトル図。
【図2】実施例1において得られた保存液Bの22日間
保存後の吸収及び蛍光スペクトル図。
【図3】実施例1において得られた保存液B、及び比較
例1において得られた保存液Cの、蛍光スペクトルのピ
ーク強度Iplと吸収スペクトルのピーク強度Iabsの比
pl/Iabsの時間変化を示すグラフ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気陰性度が2.0以下である陽性元素
    を含有する第1物質及び該電気陰性度が1.9以上であ
    る陰性元素を含有する第2物質からなる2元化合物系、
    あるいは単体が半導体性を有する元素を含有する物質、
    のいずれかである半導体原料を結晶成長させて半導体超
    微粒子を製造する方法において、結晶成長後、遊離した
    配位性有機化合物を含有する液相媒質中に保存すること
    を特徴とする、半導体超微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 保存時間が24時間以上である請求項1
    に記載の半導体超微粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 遊離した配位性有機化合物の濃度が0.
    05〜67wt%である、請求項1又は2に記載の半導
    体超微粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 保存を遮光条件下で行う請求項1〜3の
    いずれかに記載の半導体超微粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 配位性有機化合物が、その分子構造中に
    窒素原子、リン原子、及び硫黄原子から選ばれる少なく
    とも1種を含むものである、請求項1〜4のいずれかに
    記載の半導体超微粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 配位性有機化合物が有機リン化合物であ
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体超微粒子の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 結晶成長をホットソープ法で行う、請求
    項1〜6のいずれかに記載の半導体超微粒子の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006124262A (ja) * 2004-11-01 2006-05-18 Dainippon Printing Co Ltd InSbナノ粒子
JP2008083550A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Dainippon Printing Co Ltd 非線形光学材料およびその製造方法

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