JP2002201316A - 農業用ポリオレフィン系フィルム - Google Patents
農業用ポリオレフィン系フィルムInfo
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- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
- Y02A40/25—Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】透明性、防曇性に優れ、ブロッキングを起こさ
ない農業用フィルムの提供。 【解決手段】ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
し、(A)下記式(I)の構造をもつ部分エステル化合
物を10〜60重量%と(B)下記式(II)の構造を
もつ部分エステル化合物40〜90重量%を含有する防
曇剤を合計量で0.5〜5重量部配合した農業用フィル
ム。 [式(I)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、炭
素数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つR
1、R2、R3のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。a、b、cは0または1以上の整数で且つa+b+
c=1〜15である。また、nは2〜10である。] [式(II)中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に、
炭素数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つ
R4、R5、R6のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。また、mは2〜10である。]
ない農業用フィルムの提供。 【解決手段】ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
し、(A)下記式(I)の構造をもつ部分エステル化合
物を10〜60重量%と(B)下記式(II)の構造を
もつ部分エステル化合物40〜90重量%を含有する防
曇剤を合計量で0.5〜5重量部配合した農業用フィル
ム。 [式(I)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、炭
素数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つR
1、R2、R3のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。a、b、cは0または1以上の整数で且つa+b+
c=1〜15である。また、nは2〜10である。] [式(II)中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に、
炭素数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つ
R4、R5、R6のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。また、mは2〜10である。]
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性が良好で、且つ
低温時の初期防曇性及び防曇持続性に優れ、ブリードに
よるフィルムのブロッキングを起こさない農業用フィル
ムに関するものである。
低温時の初期防曇性及び防曇持続性に優れ、ブリードに
よるフィルムのブロッキングを起こさない農業用フィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハウス栽培、トンネル栽培等の施設園芸
に用いられる農業用フィルムとして使用されるポリオレ
フィン系樹脂には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リエチレン等が用いられている。これらのポリオレフィ
ン系樹脂は疎水性であるため、土壌中や作物から蒸発し
た水分がフィルム表面に凝集し、微水滴となって曇りを
生じて透明性を低下させることにより、太陽光線の透過
を妨害し、栽培作物の生育を損ねたりする他、水滴が落
下することによって作物に病害をもたらす。そのため、
一般に防曇剤として界面活性剤等の表面活性物質をフィ
ルム表面に塗布する方法、ポリオレフィン系樹脂に防曇
剤を練り混んでフィルム化する方法によりフィルム表面
を濡れやすくする方法が用いられている。
に用いられる農業用フィルムとして使用されるポリオレ
フィン系樹脂には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リエチレン等が用いられている。これらのポリオレフィ
ン系樹脂は疎水性であるため、土壌中や作物から蒸発し
た水分がフィルム表面に凝集し、微水滴となって曇りを
生じて透明性を低下させることにより、太陽光線の透過
を妨害し、栽培作物の生育を損ねたりする他、水滴が落
下することによって作物に病害をもたらす。そのため、
一般に防曇剤として界面活性剤等の表面活性物質をフィ
ルム表面に塗布する方法、ポリオレフィン系樹脂に防曇
剤を練り混んでフィルム化する方法によりフィルム表面
を濡れやすくする方法が用いられている。
【0003】防曇剤を塗布する方法は、初期防曇効果が
良く、また安価な方法であるが、フィルム上に凝縮した
水滴により防曇剤が流去されると、その部分の防曇持続
性が低下しやすくなることから、ポリオレフィン系樹脂
に防曇剤を練り混んでフィルム化する方法が一般に用い
られている。農業用フィルムとしては、冬季及び夏季に
おいても防曇性を発揮し、フィルム内面に付着した水滴
により防曇剤が流去することが少なく、また流去しても
直ちにフィルム内部より表面へ防曇剤が移行して長期的
にその性能が持続するものでなければならない。
良く、また安価な方法であるが、フィルム上に凝縮した
水滴により防曇剤が流去されると、その部分の防曇持続
性が低下しやすくなることから、ポリオレフィン系樹脂
に防曇剤を練り混んでフィルム化する方法が一般に用い
られている。農業用フィルムとしては、冬季及び夏季に
おいても防曇性を発揮し、フィルム内面に付着した水滴
により防曇剤が流去することが少なく、また流去しても
直ちにフィルム内部より表面へ防曇剤が移行して長期的
にその性能が持続するものでなければならない。
【0004】防曇性を付与するためには、配合する防曇
剤がポリオレフィン系樹脂に対し適度な相溶性を有する
必要がある。相溶性が良い場合、フィルム表面への防曇
剤の移行量が少なくなり、透明性は良くなるが、防曇性
の悪いものとなる。相溶性が悪い場合、フィルム表面へ
の防曇剤の移行速度が早く、防曇性はあるものの、白化
によりフィルムの透明性が悪くなったり、フィルム表面
のベタつきによるフィルム同志のブロッキングが起こり
作業性、取扱い性が悪くなる。従ってフィルムに対し適
度な防曇性、透明性を付与するためには、ポリオレフィ
ン系樹脂に対して配合する防曇剤のブリード性と相溶性
のバランスが取れたものでなければならない。これま
で、白化が問題となるフィルムの透明性を改良する目的
で、液状型防曇剤等が使用されていたが、防曇持続性が
悪くなったり、ベタつきによるフィルム同志のブロッキ
ングが起こったりして十分な結果が得られなかった。ま
た、フィルムの防曇性を発現させるには、防曇剤を常に
フィルム内部より表面に向かって移行させる必要がある
が、低温下ではフィルム表面に防曇剤がブリードし難い
ことから、低温防曇性と防曇持続性とを改良するために
ソルビタンあるいはグリセリン系防曇剤を特定の配合量
と特定の配合比で添加されたりしていたが、低温防曇性
はある程度改良されるものの、低温時の初期防曇性及び
防曇持続性を満足する性能は得られていないのが現状で
あった。
剤がポリオレフィン系樹脂に対し適度な相溶性を有する
必要がある。相溶性が良い場合、フィルム表面への防曇
剤の移行量が少なくなり、透明性は良くなるが、防曇性
の悪いものとなる。相溶性が悪い場合、フィルム表面へ
の防曇剤の移行速度が早く、防曇性はあるものの、白化
によりフィルムの透明性が悪くなったり、フィルム表面
のベタつきによるフィルム同志のブロッキングが起こり
作業性、取扱い性が悪くなる。従ってフィルムに対し適
度な防曇性、透明性を付与するためには、ポリオレフィ
ン系樹脂に対して配合する防曇剤のブリード性と相溶性
のバランスが取れたものでなければならない。これま
で、白化が問題となるフィルムの透明性を改良する目的
で、液状型防曇剤等が使用されていたが、防曇持続性が
悪くなったり、ベタつきによるフィルム同志のブロッキ
ングが起こったりして十分な結果が得られなかった。ま
た、フィルムの防曇性を発現させるには、防曇剤を常に
フィルム内部より表面に向かって移行させる必要がある
が、低温下ではフィルム表面に防曇剤がブリードし難い
ことから、低温防曇性と防曇持続性とを改良するために
ソルビタンあるいはグリセリン系防曇剤を特定の配合量
と特定の配合比で添加されたりしていたが、低温防曇性
はある程度改良されるものの、低温時の初期防曇性及び
防曇持続性を満足する性能は得られていないのが現状で
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実情
に鑑みてなされたものであり、ポリオレフィン系樹脂に
好適な防曇剤を配合することにより、透明性が良好で、
且つ低温時の初期防曇性及び防曇持続性に優れ、防曇剤
のブリード性が適度に働きフィルム同志のブロッキング
が起こるのを少なくした農業用フィルムを提供すること
を目的とする。
に鑑みてなされたものであり、ポリオレフィン系樹脂に
好適な防曇剤を配合することにより、透明性が良好で、
且つ低温時の初期防曇性及び防曇持続性に優れ、防曇剤
のブリード性が適度に働きフィルム同志のブロッキング
が起こるのを少なくした農業用フィルムを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対し、(A)下記式(I)の
構造をもつ部分エステル化合物を10〜60重量%と
(B)下記式(II)の構造をもつ部分エステル化合物
40〜90重量%を含有することを特徴とする防曇剤を
合計量で0.5〜5重量部配合すること。
ィン系樹脂100重量部に対し、(A)下記式(I)の
構造をもつ部分エステル化合物を10〜60重量%と
(B)下記式(II)の構造をもつ部分エステル化合物
40〜90重量%を含有することを特徴とする防曇剤を
合計量で0.5〜5重量部配合すること。
【化1】 [式(I)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、炭
素数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つR
1、R2、R3のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。また、エチレンオキサイド基の付加モル数を表す
a、b、cは0または1以上の整数で且つa+b+c=
1〜15である。また、ポリグリセリンの重合度nは2
〜10である。]
素数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つR
1、R2、R3のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。また、エチレンオキサイド基の付加モル数を表す
a、b、cは0または1以上の整数で且つa+b+c=
1〜15である。また、ポリグリセリンの重合度nは2
〜10である。]
【化2】 [式(II)中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に、
炭素数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つ
R4、R5、R6のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。また、ポリグリセリンの重合度mは2〜10であ
る。] (A)成分の部分エステル化合物のエステル化度が1
5〜50%であり、且つ(B)成分の部分エステル化合
物のエステル化度が15〜65%であること。 ポリオレフィン系樹脂が、酢酸ビニル含有量30重量
%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体、密度0.91
0〜0.930g/cm3の低密度ポリエチレンあるい
はエチレン−α−オレフィン共重合体の1種または2種
以上からなることをそれぞれ特徴とする樹脂組成物から
なる農業用フィルムである。
炭素数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つ
R4、R5、R6のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。また、ポリグリセリンの重合度mは2〜10であ
る。] (A)成分の部分エステル化合物のエステル化度が1
5〜50%であり、且つ(B)成分の部分エステル化合
物のエステル化度が15〜65%であること。 ポリオレフィン系樹脂が、酢酸ビニル含有量30重量
%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体、密度0.91
0〜0.930g/cm3の低密度ポリエチレンあるい
はエチレン−α−オレフィン共重合体の1種または2種
以上からなることをそれぞれ特徴とする樹脂組成物から
なる農業用フィルムである。
【0007】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
としては、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共
重合体アイオノマー樹脂等が使用可能であるが、これら
のうち、密度が0.910〜0.930g/cm3の低
密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体
及び酢酸ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢
酸ビニル共重合体が強度、透明性や耐侯性の点からより
好ましい。
としては、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共
重合体アイオノマー樹脂等が使用可能であるが、これら
のうち、密度が0.910〜0.930g/cm3の低
密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体
及び酢酸ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢
酸ビニル共重合体が強度、透明性や耐侯性の点からより
好ましい。
【0008】本発明の農業用フィルムに使用される部分
エステル化合物(A)は、下記式(I)で表される。
エステル化合物(A)は、下記式(I)で表される。
【化1】 式(I)中のR1、R2、R3はそれぞれ独立に、炭素
数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つR
1、R2、R3のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。炭素数8〜22のアシル基としては、特に低温時の
初期防曇性を改良する点で、C15H31CO−、C
17H35CO−がより好ましい。またエチレンオキサ
イド基の付加モル数を表すa、b、cはそれぞれ0また
は1以上の整数で且つa+b+c=1〜15であること
が好ましい。エチレンオキサイド基の付加モル数が15
モルよりも多くなるとブリードが激しくなりブロッキン
グが起こりやすくなるので好ましくない。また、ポリグ
リセリンの重合度を表すnは2〜10が好ましく、ジグ
リセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカ
グリセリン等が挙げられるが、防曇性、経済性等の面か
らジグリセリン、テトラグリセリンが好ましい。また、
(A)成分を構成する部分エステル化合物のエステル化
度はそれぞれ15〜50%の部分エステルであることが
好ましい。エステル化度が15%よりも低く、50%よ
りも高い場合は、防曇性が悪くなる。(A)成分を構成
する部分エステル化合物としては、具体的にはジグリセ
リンエチレンオキサイド6モル付加物のパルミチン酸エ
ステル、ジグリセリンエチレンオキサイド9モル付加物
のステアリン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸・
パルミチン酸混合エステルのエチレンオキサイド13モ
ル付加物、テトラグリセリンエチレンオキサイド6モル
付加物のパルミチン酸エステル、テトラグリセリンエチ
レンオキサイド9モル付加物のステアリン酸・パルミチ
ン酸混合エステル、テトラグリセリンステアリン酸エス
テルのエチレンオキサイド13モル付加物等が挙げられ
る。
数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つR
1、R2、R3のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。炭素数8〜22のアシル基としては、特に低温時の
初期防曇性を改良する点で、C15H31CO−、C
17H35CO−がより好ましい。またエチレンオキサ
イド基の付加モル数を表すa、b、cはそれぞれ0また
は1以上の整数で且つa+b+c=1〜15であること
が好ましい。エチレンオキサイド基の付加モル数が15
モルよりも多くなるとブリードが激しくなりブロッキン
グが起こりやすくなるので好ましくない。また、ポリグ
リセリンの重合度を表すnは2〜10が好ましく、ジグ
リセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカ
グリセリン等が挙げられるが、防曇性、経済性等の面か
らジグリセリン、テトラグリセリンが好ましい。また、
(A)成分を構成する部分エステル化合物のエステル化
度はそれぞれ15〜50%の部分エステルであることが
好ましい。エステル化度が15%よりも低く、50%よ
りも高い場合は、防曇性が悪くなる。(A)成分を構成
する部分エステル化合物としては、具体的にはジグリセ
リンエチレンオキサイド6モル付加物のパルミチン酸エ
ステル、ジグリセリンエチレンオキサイド9モル付加物
のステアリン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸・
パルミチン酸混合エステルのエチレンオキサイド13モ
ル付加物、テトラグリセリンエチレンオキサイド6モル
付加物のパルミチン酸エステル、テトラグリセリンエチ
レンオキサイド9モル付加物のステアリン酸・パルミチ
ン酸混合エステル、テトラグリセリンステアリン酸エス
テルのエチレンオキサイド13モル付加物等が挙げられ
る。
【0009】本発明の農業用フィルムに使用される部分
エステル化合物(B)は、下記式(II)で表される。
エステル化合物(B)は、下記式(II)で表される。
【化2】 式(II)中のR4、R5、R6はそれぞれ独立に、炭
素数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つR
4、R5、R6のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。また、(B)成分を構成する部分エステル化合物の
エステル化度は15〜65%が良い。エステル化度が1
5%よりも低く、65%よりも高い場合は防曇性が悪く
なる。(B)成分を構成する部分エステル化合物として
は、具体的にはジグリセリンラウリン酸エステル、ジグ
リセリンミリスチン酸エステル、ジグリセリンパルミチ
ン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸エステル、ジ
グリセリンパルミチン酸・ステアリン酸混合エステル、
ジグリセリンラウリン酸・ステアリン酸・オレイン酸混
合エステル、テトラグリセリンラウリン酸エステル、テ
トラグリセリンパルミチン酸エステル、テトラグリセリ
ンステアリン酸エステル、テトラグリセリンパルミチン
酸・ステアリン酸混合エステル、テトラグリセリンラウ
リン酸・ステアリン酸・オレイン酸混合エステル等が挙
げられる。また、本発明の農業用フィルムは(A)成分
を10〜60重量%と(B)成分を40〜90重量%含
む混合物をポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
0.5〜5重量%配合しフィルム化して得られる。添加
量が0.5重量部より少ないと防曇性能が不十分であ
り、また5重量部より多くても防曇性の極端な向上効果
は見られず、逆にフィルムのベタつきがひどくなり、夏
季のような高温状態でのフィルムの保管中に防曇剤のブ
リードによるブロッキング現象が起こりやすくなる。ま
た(A)成分のみでは、フィルムのベタつき及び低温防
曇性が悪くなり、(B)成分のみではフィルムの透明性
が悪く、低温時の初期防曇性が低下する。即ち、(A)
成分と(B)成分の各防曇剤をポリオレフィン系樹脂に
特定の割合で混合し、特定量配合することによりフィル
ムの透明性を改良することができ、且つブロッキング性
能を低下させることなく、従来から問題となっていた低
温時の初期防曇性と防曇持続性を満足する農業用フィル
ムが得られる。
素数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つR
4、R5、R6のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。また、(B)成分を構成する部分エステル化合物の
エステル化度は15〜65%が良い。エステル化度が1
5%よりも低く、65%よりも高い場合は防曇性が悪く
なる。(B)成分を構成する部分エステル化合物として
は、具体的にはジグリセリンラウリン酸エステル、ジグ
リセリンミリスチン酸エステル、ジグリセリンパルミチ
ン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸エステル、ジ
グリセリンパルミチン酸・ステアリン酸混合エステル、
ジグリセリンラウリン酸・ステアリン酸・オレイン酸混
合エステル、テトラグリセリンラウリン酸エステル、テ
トラグリセリンパルミチン酸エステル、テトラグリセリ
ンステアリン酸エステル、テトラグリセリンパルミチン
酸・ステアリン酸混合エステル、テトラグリセリンラウ
リン酸・ステアリン酸・オレイン酸混合エステル等が挙
げられる。また、本発明の農業用フィルムは(A)成分
を10〜60重量%と(B)成分を40〜90重量%含
む混合物をポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
0.5〜5重量%配合しフィルム化して得られる。添加
量が0.5重量部より少ないと防曇性能が不十分であ
り、また5重量部より多くても防曇性の極端な向上効果
は見られず、逆にフィルムのベタつきがひどくなり、夏
季のような高温状態でのフィルムの保管中に防曇剤のブ
リードによるブロッキング現象が起こりやすくなる。ま
た(A)成分のみでは、フィルムのベタつき及び低温防
曇性が悪くなり、(B)成分のみではフィルムの透明性
が悪く、低温時の初期防曇性が低下する。即ち、(A)
成分と(B)成分の各防曇剤をポリオレフィン系樹脂に
特定の割合で混合し、特定量配合することによりフィル
ムの透明性を改良することができ、且つブロッキング性
能を低下させることなく、従来から問題となっていた低
温時の初期防曇性と防曇持続性を満足する農業用フィル
ムが得られる。
【0010】本発明の農業用フィルムは前記ポリオレフ
ィン系樹脂を基体とし、これに特定の防曇剤を0.5〜
5重量%添加するものであるが、さらに本発明の効果を
阻害しない範囲でポリオレフィン系樹脂をフィルム化す
る際に一般に用いられている酸化防止剤(フェノール系
化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、ベンゾ
トリアゾール系化合物等)、防霧剤、光安定剤(ヒンダ
ードアミン系化合物等)、光透過性向上剤(β−ジケト
ン化合物等)、滑剤、安定剤、保温剤、アンチブロッキ
ング剤、帯電防止剤、着色剤、防カビ剤等を配合するこ
とができる。
ィン系樹脂を基体とし、これに特定の防曇剤を0.5〜
5重量%添加するものであるが、さらに本発明の効果を
阻害しない範囲でポリオレフィン系樹脂をフィルム化す
る際に一般に用いられている酸化防止剤(フェノール系
化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、ベンゾ
トリアゾール系化合物等)、防霧剤、光安定剤(ヒンダ
ードアミン系化合物等)、光透過性向上剤(β−ジケト
ン化合物等)、滑剤、安定剤、保温剤、アンチブロッキ
ング剤、帯電防止剤、着色剤、防カビ剤等を配合するこ
とができる。
【0011】本発明の農業用フィルム組成物は、ポリオ
レフィン系樹脂に0.5〜5重量%の防曇剤と必要な各
種添加剤を配合し、次いで混合しフィルム化して得られ
る。混合する方法としては、例えばタンブラーミキサ
ー、バンバリミキサー、スーパーミキサー等で混合する
方法が挙げられ、フィルム化する方法としてはTダイ
法、インフレーション法、カレンダーロール法等が挙げ
られる。
レフィン系樹脂に0.5〜5重量%の防曇剤と必要な各
種添加剤を配合し、次いで混合しフィルム化して得られ
る。混合する方法としては、例えばタンブラーミキサ
ー、バンバリミキサー、スーパーミキサー等で混合する
方法が挙げられ、フィルム化する方法としてはTダイ
法、インフレーション法、カレンダーロール法等が挙げ
られる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、実施例及び比較例を挙げ、
本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、成形したフィルムの評価は、以下の方法により行っ
た。
本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、成形したフィルムの評価は、以下の方法により行っ
た。
【0013】(透明性評価)ヘイズメーターにより、2
3℃、湿度50%の恒温室中に1ヶ月静置したフィルム
のヘイズを測定し、透明性を評価した。 評価基準 ○:ヘイズ値30%未満 ×:ヘイズ値30%以上
3℃、湿度50%の恒温室中に1ヶ月静置したフィルム
のヘイズを測定し、透明性を評価した。 評価基準 ○:ヘイズ値30%未満 ×:ヘイズ値30%以上
【0014】(フィルムのベタつき評価)23℃、湿度
50%の恒温室中に1ヶ月間静置した後のフィルム表面
のベタつきを手触りにより評価した。 評価基準 ○:フィルムのベタつきがない。 ×:フィルムがベタつく。
50%の恒温室中に1ヶ月間静置した後のフィルム表面
のベタつきを手触りにより評価した。 評価基準 ○:フィルムのベタつきがない。 ×:フィルムがベタつく。
【0015】(低温防曇性)製膜後23℃、湿度50%
の恒温室中に10日間静置した後のフィルムを15℃の
水を150ml入れた450mlのガラス瓶口に張り、
15℃の恒温水槽中に10度の傾斜を持たせて置いた
後、4℃の低温室中に静置し、フィルム表面状態を経時
的に観察した。防曇性は次の4段階で評価した。 評価基準 ◎:表面が均一透明で水滴の付着が全くない。 ○:表面は殆ど透明であるが、不均一でゆがんで見え
る。 △:表面に大きめの水滴が部分的に付着している。 ×:全面に水滴が付着し、底が見えにくい。
の恒温室中に10日間静置した後のフィルムを15℃の
水を150ml入れた450mlのガラス瓶口に張り、
15℃の恒温水槽中に10度の傾斜を持たせて置いた
後、4℃の低温室中に静置し、フィルム表面状態を経時
的に観察した。防曇性は次の4段階で評価した。 評価基準 ◎:表面が均一透明で水滴の付着が全くない。 ○:表面は殆ど透明であるが、不均一でゆがんで見え
る。 △:表面に大きめの水滴が部分的に付着している。 ×:全面に水滴が付着し、底が見えにくい。
【0016】(高温防曇持続性)製膜後23℃、湿度5
0%の恒温室中に10日間静置した後のフィルムを40
℃の水を150ml入れた450mlのガラス瓶口に張
り、40℃の恒温水槽に10度の傾斜を持たせて置いた
後、23℃の恒温室中に静置し、フィルム表面状態を経
時的に観察した。防曇性は次の4段階で評価した。 評価基準 ◎:表面が均一透明で水滴の付着が全くない。 ○:表面は殆ど透明であるが、不均一でゆがんで見え
る。 △:表面に大きめの水滴が部分的に付着している。 ×:全面に水滴が付着し、底が見えにくい。
0%の恒温室中に10日間静置した後のフィルムを40
℃の水を150ml入れた450mlのガラス瓶口に張
り、40℃の恒温水槽に10度の傾斜を持たせて置いた
後、23℃の恒温室中に静置し、フィルム表面状態を経
時的に観察した。防曇性は次の4段階で評価した。 評価基準 ◎:表面が均一透明で水滴の付着が全くない。 ○:表面は殆ど透明であるが、不均一でゆがんで見え
る。 △:表面に大きめの水滴が部分的に付着している。 ×:全面に水滴が付着し、底が見えにくい。
【0017】
【実施例1〜6】エチレン―酢酸ビニル共重合樹脂(酢
酸ビニル含有量5重量%)100重量部に対し、表1に
示す成分からなる化合物を所定量添加し、混合した。こ
れを二軸押出機を用いて混練し、押出ペレットを作成し
た。更に、スクリュー温度210℃、ダイス温度210
℃にてTダイ−押出機法で厚さ100μmのフィルムを
成形し、得られたフィルムについてフィルムの透明性、
フィルムのベタつき、低温防曇性、高温防曇持続性を評
価した。結果を表2に示す。
酸ビニル含有量5重量%)100重量部に対し、表1に
示す成分からなる化合物を所定量添加し、混合した。こ
れを二軸押出機を用いて混練し、押出ペレットを作成し
た。更に、スクリュー温度210℃、ダイス温度210
℃にてTダイ−押出機法で厚さ100μmのフィルムを
成形し、得られたフィルムについてフィルムの透明性、
フィルムのベタつき、低温防曇性、高温防曇持続性を評
価した。結果を表2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【比較例1〜9】エチレン―酢酸ビニル共重合樹脂(酢
酸ビニル含有量5重量%)100重量部に対し、表1に
示す成分からなる化合物を所定量添加し、混合した。こ
れを二軸押出機を用いて混練し、押出ペレットを作成し
た。更に、スクリュー温度210℃、ダイス温度210
℃にてTダイ−押出機法で厚さ100μmのフィルムを
成形し、得られたフィルムについてフィルムの透明性、
フィルムのベタつき、低温防曇性、高温防曇持続性を評
価した。結果を表2に示す。
酸ビニル含有量5重量%)100重量部に対し、表1に
示す成分からなる化合物を所定量添加し、混合した。こ
れを二軸押出機を用いて混練し、押出ペレットを作成し
た。更に、スクリュー温度210℃、ダイス温度210
℃にてTダイ−押出機法で厚さ100μmのフィルムを
成形し、得られたフィルムについてフィルムの透明性、
フィルムのベタつき、低温防曇性、高温防曇持続性を評
価した。結果を表2に示す。
【0021】
【発明の効果】本発明は、透明性が良好で、且つ低温時
の初期防曇性及び防曇持続性に優れ、ブリードによるフ
ィルムのブロッキングを起こさない農業フィルム用防曇
剤として優れた効果を有する。
の初期防曇性及び防曇持続性に優れ、ブリードによるフ
ィルムのブロッキングを起こさない農業フィルム用防曇
剤として優れた効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B024 DB01 2B029 EB02 EC02 EC09 EC20 4F071 AA14 AA15X AA28X AA76 AC10 AF56 AH01 BA01 BB06 BC01 4J002 BB031 BB051 BB061 BB081 BB151 EH006 EH007 EH036 EH037 FD206 FD207 GA01
Claims (3)
- 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
し、(A)下記式(I)の構造をもつ部分エステル化合
物を10〜60重量%と(B)下記式(II)の構造を
もつ部分エステル化合物40〜90重量%を含有するこ
とを特徴とする防曇剤を合計量で0.5〜5重量部配合
した農業用フィルム。 【化1】 [式(I)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、炭
素数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つR
1、R2、R3のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。また、エチレンオキサイド基の付加モル数を表す
a、b、cは0または1以上の整数で且つa+b+c=
1〜15である。また、ポリグリセリンの重合度nは2
〜10である。] 【化2】 [式(II)中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に、
炭素数8〜22のアシル基または水素原子であり、且つ
R4、R5、R6のうち少なくとも一つはアシル基であ
る。また、ポリグリセリンの重合度mは2〜10であ
る。] - 【請求項2】(A)成分の部分エステル化合物のエステ
ル化度が15〜50%であり、且つ(B)成分の部分エ
ステル化合物のエステル化度が15〜65%であること
を特徴とする請求項1記載の農業用フィルム。 - 【請求項3】ポリオレフィン系樹脂が、酢酸ビニル含有
量30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体、密
度0.910〜0.930g/cm3の低密度ポリエチ
レンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体の1種
または2種以上からなる請求項1、2記載の農業用フィ
ルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000399119A JP2002201316A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 農業用ポリオレフィン系フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000399119A JP2002201316A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 農業用ポリオレフィン系フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002201316A true JP2002201316A (ja) | 2002-07-19 |
Family
ID=18863955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000399119A Pending JP2002201316A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 農業用ポリオレフィン系フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002201316A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012017360A (ja) * | 2010-07-06 | 2012-01-26 | Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd | 活性エネルギー線硬化型コーティング用樹脂組成物 |
-
2000
- 2000-12-27 JP JP2000399119A patent/JP2002201316A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012017360A (ja) * | 2010-07-06 | 2012-01-26 | Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd | 活性エネルギー線硬化型コーティング用樹脂組成物 |
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