JP2002201003A - 水素生成装置 - Google Patents

水素生成装置

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晃 前西
Kunihiro Ukai
邦弘 鵜飼
Koichiro Kitagawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池に使用する水素生成器に関し、改質
器の平均温度を複数の温度検知手段を設けずに安定して
行う。 【解決手段】 改質触媒層1の下流部で改質ガスの流れ
が集合する出口部20を設け、この出口部20に設けた
改質ガスの温度を検知する熱電対7と、熱電対7の温度
に基づいて燃料調節弁3を制御する制御部8とで構成さ
れ、改質触媒層1の内部における原料と水蒸気の混合状
態の不均一さや原料の流れの不均一さによって生じる温
度分布が緩和されるので、触媒層の平均温度を安定して
得ることができる。また出口部20では改質ガスの流れ
が集合されるので、複数の温度検知手段を設けることな
く、平均温度を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池に供給す
る水素リッチな生成ガスを得るための、水素生成装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下に、従来の水素生成装置について図
3を用いて説明する。図3は、従来の水素生成装置の要
部断面図であり、図に示すように、改質触媒層1は円筒
形であり、粒状や円柱状の触媒が充填されている。改質
触媒層1の上部には、原料および水蒸気が流入する入口
部9が設けられ、下部には、改質ガスが流出するための
出口部20bが設けられている。改質触媒層1を加熱す
るバーナ2には所定量の燃料を供給する燃料調節弁3が
連通されており、燃焼用の空気を供給するファン4が設
けられている。改質触媒層1の上部には燃焼ガスが排出
される排気口5が設けられており、改質触媒層1の周囲
は断熱材6で覆われている。改質触媒層1には内部の温
度を検知するための熱電対7が挿入されている。制御部
8は熱電対7の検出値に基づいて燃料調節弁3を制御す
る。
【0003】以上のような従来の水素生成装置の動作
は、次のようなものである。改質触媒層1には、入口部
9を介して、天然ガスやメタノールなどの原料および水
蒸気改質反応に必要な水蒸気が供給される。バーナ2に
は燃料調節弁3を経て燃料が供給され、燃焼に必要な空
気が燃焼ファン4から供給されると、バーナ2で燃焼ガ
スが生じ改質触媒層1が加熱される。改質触媒層1の温
度が700℃前後の所定温度に維持されると、水蒸気改
質反応によって原料と水蒸気から水素リッチな改質ガス
が生成され、出口部20bを介して外部へ排出される。
【0004】このとき、制御部8は、改質触媒層1に挿
入された熱電対7の検知温度に基づいて燃料調節弁3の
開量を制御し、燃料流量を調節して加熱量を可変させ
て、改質触媒層1を所定温度に維持するようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、改質触媒層
1での反応は700℃前後での吸熱反応となるの好適で
あるのに対し、改質触媒層1は、その大きさと広がりの
ため、吸熱反応が生じている場所と生じていない場所で
は、その温度が著しく異なる。すなわち、改質触媒層1
内の温度分布が大きくなる。また、原料と水蒸気との混
合状態の不均一さや、原料の流れの不均一さによって
も、温度分布が大きくなってしまう。したがって、改質
触媒層1の平均温度を得るためには、改質触媒層1の各
部分に分布して複数の熱電対7をそれぞれ設け、各熱電
対によって検出されたそれぞれの温度の算術平均を、制
御部8に用いる代表温度とするようになっていた。
【0006】このように、改質触媒層1の平均温度を得
るためには熱電対7が複数本必要となるので、構成が複
雑となり、また保守点検の手間も増加するという問題点
があった。
【0007】本発明は上記従来技術の有する問題点を解
決することを課題とし、改質触媒層を温度制御するため
の代表温度を、複数の温度検知手段を設けずに平均化さ
れた温度を検知することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の本発明(請求項1に対応)は、原料および
水蒸気の供給を受ける供給部と、前記供給部から供給さ
れた前記原料と前記水蒸気との改質反応から水素リッチ
な改質ガスを生成する改質触媒層と、前記改質触媒層を
加熱する加熱手段と、前記改質触媒層の下流部に設けら
れた、前記改質ガスの流れが集合し、外部へ排出するた
めの出口部と、前記出口部を通過する改質ガスの温度を
検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の検出値に
基づいて前記加熱手段の加熱温度を制御する制御部とを
備えたことを特徴とする水素生成装置である。
【0009】また、第2の本発明(請求項2に対応)
は、原料および水蒸気の供給を受ける供給部と、前記供
給部から供給された前記原料と前記水蒸気との改質反応
から水素リッチな改質ガスを生成する改質触媒層と、前
記改質触媒層を加熱するバーナと、前記バーナに供給す
る燃料の流量を調節する燃料調節弁と、前記改質触媒層
の下流部に設けられた、前記改質ガスの流れが集合し、
外部へ排出するための出口部と、前記出口部を通過する
前記、改質ガスの温度を検知する温度検知手段と、前記
温度検知手段の検出値に基づいて前記燃料調節弁を制御
する制御部とを備えたことを特徴とする水素生成装置で
ある。
【0010】また、第3の本発明(請求項3に対応)
は、前記温度検知手段は、前記出口部の外表面に設けら
れていることを特徴とする上記本発明である。
【0011】また、第4の本発明(請求項4に対応)
は、前記改質触媒層と前記出口部との間に設けられた、
前記改質ガスが連通するための空間部をさらに備えたこ
とを特徴とする上記本発明である。
【0012】以上のような本発明は、その一例として、
改質触媒層の下流部で改質ガスの流れが集合する出口部
を設け、この出口部に設けた改質ガスの温度を検知する
温度検知手段と、この温度検知手段の検出値に基づいて
燃料調節弁を制御する制御部とを設け、改質触媒層を所
定温度に制御する。
【0013】これにより、温度検知手段を触媒層の中に
挿入せずに、改質触媒層の下流部の出口部に設けている
ので、吸熱反応が生じている触媒粒子と温度検知手段が
直接接触しないので、吸熱反応が生じている場所と生じ
ていない場所の温度の不均一さに影響されないで温度検
知できる。また改質ガスの流れが集合された出口部の温
度は、改質触媒層の内部における原料と水蒸気の混合状
態の不均一さや原料の流れの不均一さによって生じる温
度分布が緩和されるので、触媒層の平均温度を安定して
得ることができる。また出口部では改質ガスの流れが集
合されるので、複数の温度検知手段を設けることなく、
平均温度を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を用いて説明する。
【0015】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1の水素生成装置の構成図である。図において、図
3で示した従来の水素生成装置と同じ機能を有するもの
については、同一符号を付与しており、それらの機能の
詳細は、図3のものに準ずるものとし、説明を省略す
る。
【0016】また、円筒形の改質触媒層1の下流部の一
部には改質ガスが排出される筒状の出口部20が設けら
れている。出口部20には、本発明の温度検知手段の一
例である熱電対7が流路壁を貫通して設けられており、
熱電対7の先端は流路の中心部に位置している。熱電対
7及び燃料調節弁3は信号線21で制御部8と繋がって
いる。
【0017】次に動作、作用について説明する。バーナ
2で生じた燃焼ガスは改質触媒層1を加熱し、排気口5
から排出される。改質触媒層1の上流側である入口部9
から供給された原料と水蒸気は、下流に向かって流れな
がら燃焼ガスとの熱交換で昇温され、水蒸気改質反応に
よって水素リッチな改質ガスが生成される。
【0018】改質触媒層1の下流部に達した改質ガス
は、下流の端にある出口部20に向かう集合した流れと
なり、出口部20から排出される。水蒸気改質反応は7
00℃前後での吸熱反応なので、バーナ2の燃焼量を調
節することで、改質触媒層1の温度を所定温度に維持す
る必要がある。出口部20に設けられた熱電対7の雰囲
気は集合された改質ガスの流れなので、吸熱反応が生じ
ている触媒粒子と熱電対7が直接接触することがなく、
吸熱反応が生じている場所と生じていない場所の温度の
不均一さに影響されないで温度検知できる。
【0019】また、改質触媒層1の内部における原料と
水蒸気の混合状態の不均一さや原料の流れの不均一さに
よって生じる温度分布が緩和されるので、改質触媒層1
の平均温度を安定して得ることができる。
【0020】さらに出口部20では改質ガスの流れが集
合されるので、複数の熱電対7を設けることなく、平均
温度を得ることができる。制御部8では熱電対7の検知
温度に基づき燃料調節弁3を制御し、改質触媒層1を所
定温度に維持する。
【0021】(実施の形態2)図2は、本発明の実施の
形態2である水素生成装置の構成図である。実施の形態
1と異なる点は、出口部20の外壁面に設けたくぼみ部
30に熱電対7aを密接させて設けたこと、及び改質触
媒層1の下流端に開口部を有しかつ触媒粒を保持する固
定板31を設け、出口部20に連通する空間部32を設
けたことである。なお実施の形態1と同一符号のものは
同一構成を有し、説明は省略する。
【0022】次に動作、作用について説明する。改質触
媒層1で生成された改質ガスは固定板31の開口部を通
過し空間部32に流入し、空間部32で拡散し均一な流
れとなり、下流側の出口部20で再び集合した流れとな
る。
【0023】したがって出口部20の改質ガスの流れは
偏りの少ない一様な流れとなり、出口部20の改質ガス
の温度分布も、実施の形態1の場合より均一化され、改
質触媒層1を温度制御するための平均温度の確度もより
高いものとなり、さらに安定して得ることができる。
【0024】また、くぼみ部30に密着するように熱電
対7aを圧入して固定しているので、接触熱抵抗を小さ
くでき改質ガス温度と相関のある温度を検知することが
できる。さらに出口部20の流路壁に熱電対7aが貫通
する開口を設ける必要がないので、改質ガスのシール性
が向上でき、改質ガスの漏れを防止できる。なお、窪み
部30の構成はこれに限定するものはなく、熱電対7a
が出口部の外表面にて接触熱抵抗を小さくできるように
接地されていればよい。また、くぼみ部30および熱電
対7aの構成は、実施の形態1の場合に用いても良い。
【0025】なお、上記の各実施の形態において、バー
ナ2に用いる燃料は、ガス燃料であってもよいし、石油
燃料であってもよい。また、各実施の形態において、バ
ーナ2の代わりに、本発明の加熱手段は電熱により加熱
を行うもの等を用いても良い。
【0026】以上説明したように、本実施の形態は、炭
化水素系の原料と水蒸気の改質反応から水素リッチな改
質ガスを生成する改質触媒層と、前記改質触媒層を加熱
するバーナと、前記バーナに供給する燃料の流量を調節
する燃料調節弁と、前記改質触媒層の下流部に設けられ
改質ガスの流れが集合する出口部と、前記出口部の改質
ガスの温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手
段の検出値に基づいて前記燃料調節弁を制御する制御部
とからなるものである。
【0027】そして改質触媒層に供給された原料と水蒸
気が、バーナの燃焼ガスで加熱された改質触媒層に供給
されると、水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガ
スが生成され、下流部の出口部に導かれ集合された流れ
となる。したがって出口部の温度は、改質触媒層の内部
における原料と水蒸気の混合状態の不均一さや原料の流
れの不均一さによって生じる温度分布が緩和されるの
で、触媒層の平均温度を安定して得ることができる。ま
た出口部では改質ガスの流れが集合されるので、複数の
温度検知手段を設けることなく、平均温度を得ることが
できる。つまり単一の温度検知手段によって、改質触媒
層を制御するための平均温度を安定して得ることがで
き、その温度に基づいて制御部によって燃料調節弁を制
御し加熱量を可変させて、改質触媒層を所定温度に安定
的に維持できる。
【0028】また改質ガスの出口部の外表面に前記温度
検知手段を設けたものである。
【0029】そして出口部の外表面に温度検知手段を接
触させて設けているので、出口部の流路壁に温度検知手
段が貫通する開口を設ける必要がないので、改質ガスの
シール性が向上でき、改質ガスの漏れを防止できる。
【0030】また改質触媒層と前記出口部との間の流路
に空間部を設けたものである。
【0031】そして改質触媒層の下流部に空間部を設け
ているので、触媒層を通過した改質ガスの流れは、空間
部で拡散し均一な流れとなり、下流側の出口部で再び集
合した流れとなるので、出口部の改質ガスの流れは偏り
の少ない一様な流れとなる。したがって出口部の改質ガ
スの温度分布もより均一化され、単一の温度検知手段に
よって、改質触媒層を制御するための平均温度を安定し
て得ることができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、改質ガス
は下流部の出口部に導かれ集合された流れとなるので、
出口部の温度は改質触媒層の内部における原料と水蒸気
の混合状態の不均一さや原料の流れの不均一さによって
生じる温度分布が緩和されるので、触媒層の平均温度を
安定して得ることができ、その温度に基づいて制御部に
よって燃料調節弁を制御し改質触媒層を所定温度に安定
的に維持できる。
【0033】また、出口部では改質ガスの流れが集合さ
れるので、複数の温度検知手段を設けることなく、平均
温度を得ることができるので、単一の温度検知手段によ
って、改質触媒層を制御するための平均温度を安定して
得ることができる。
【0034】また、出口部の外表面に温度検知手段を接
触させて設けているので、出口部の流路壁に温度検知手
段が貫通する開口を設ける必要がないので、改質ガスの
漏れを防止できる。
【0035】また、改質触媒層の下流部に空間部を設け
ているので、触媒層を通過した改質ガスの流れは、空間
部で拡散し均一な流れとなるので、出口部の改質ガスの
流れは偏りの少ない一様な流れとなり、出口部の改質ガ
スの温度分布もより均一化できるので、改質触媒層を制
御するための平均温度を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である水素生成装置の構
成図
【図2】本発明の異なる実施の形態である水素生成装置
の構成図
【図3】従来の水素生成装置の構成図
【符号の説明】
1 改質触媒層 2 バーナ 3 燃料調節弁 4 ファン 5 排気口 6 断熱材 7 熱電対 7a 熱電対 8 制御部 9 入口部 20 出口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前西 晃 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鵜飼 邦弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 北河 浩一郎 大阪府大阪市城東区今福西6丁目2番61号 松下精工株式会社内 Fターム(参考) 4G040 EA02 EA03 EA06 EB14 EB23 EB27 EB43 EB46 4G140 EA02 EA03 EA06 EB14 EB23 EB27 EB43 EB46 5H027 AA02 BA01 KK44 MM13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料および水蒸気の供給を受ける供給部
    と、 前記供給部から供給された前記原料と前記水蒸気との改
    質反応から水素リッチな改質ガスを生成する改質触媒層
    と、 前記改質触媒層を加熱する加熱手段と、 前記改質触媒層の下流部に設けられた、前記改質ガスの
    流れが集合し、外部へ排出するための出口部と、 前記出口部を通過する改質ガスの温度を検知する温度検
    知手段と、 前記温度検知手段の検出値に基づいて前記加熱手段の加
    熱温度を制御する制御部とを備えたことを特徴とする水
    素生成装置。
  2. 【請求項2】 原料および水蒸気の供給を受ける供給部
    と、 前記供給部から供給された前記原料と前記水蒸気との改
    質反応から水素リッチな改質ガスを生成する改質触媒層
    と、 前記改質触媒層を加熱するバーナと、 前記バーナに供給する燃料の流量を調節する燃料調節弁
    と、 前記改質触媒層の下流部に設けられた、前記改質ガスの
    流れが集合し、外部へ排出するための出口部と、 前記出口部を通過する前記、改質ガスの温度を検知する
    温度検知手段と、 前記温度検知手段の検出値に基づいて前記燃料調節弁を
    制御する制御部とを備えたことを特徴とする水素生成装
    置。
  3. 【請求項3】 前記温度検知手段は、前記出口部の外表
    面に設けられていることを特徴とする請求項1または2
    に記載の水素生成装置。
  4. 【請求項4】 前記改質触媒層と前記出口部との間に設
    けられた、前記改質ガスが連通するための空間部をさら
    に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の水
    素生成装置。
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