JP2002196634A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002196634A
JP2002196634A JP2000397056A JP2000397056A JP2002196634A JP 2002196634 A JP2002196634 A JP 2002196634A JP 2000397056 A JP2000397056 A JP 2000397056A JP 2000397056 A JP2000397056 A JP 2000397056A JP 2002196634 A JP2002196634 A JP 2002196634A
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sound
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image
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JP2000397056A
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Koichi Tsunoda
幸一 角田
Satoshi Kanda
聰 神田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的低速で稼動する画像形成装置の像担持
体への書き込み手段の音を改善することにより、心理的
に不快な音を緩和する。 【解決手段】 当該装置の端面から1m離れた位置にお
ける当該装置の音から得られる心理音響パラメータのラ
ウドネス値及びトーナリティ値を用いた式S=0.31
35×(ラウドネス値)+3.4824×(トーナリテ
ィ値)−3.1460によって得られる不快指数Sが、
S<−0.6を満たすように、像担持体への書き込み手
段の音を低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置、よ
り詳細には、動作時に、モータ駆動音や、クラッチ,ソ
レノイドの作動音や、帯電音などの騒音を発生する電子
複写機,レーザービームプリンタ等の画像形成装置にお
ける不快音の改善方法に関し、OA機器一般に応用可能
な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境へのやさしさの観点から、騒
音問題への関心が高まってきており、オフィスにおいて
もOA機器に対しての騒音問題解決の要望は多い。その
ため、OA機器の静音化が進められており、以前に比べ
て相当の静音化を達成してきている。
【0003】上述のような騒音問題解決に対する発明と
して、例えば、特開平9−193506号公報に開示さ
れたものがある。この発明は、レーザービームプリンタ
や複写機などの騒音マスキング装置に関するものであ
り、動作時に騒音の発生源となる駆動機構に対してこの
騒音をマスキングするマスキング音を発生する発音体
と、この発音体を制御して前記騒音の主成分周波数を含
む範囲の周波数のマスキング音を発生させるマスキング
音制御手段とを有し、騒音の不快感を低減するものであ
る。
【0004】しかしながら、上記特開平9−19350
6号公報に開示されたものは、本来から機能上発生して
いる音を低減することなく、この発生音に更にマスキン
グ音を加えることになり、騒音レベルが上昇し、聞く人
によっては、うるさく、不快に感じることもあるという
欠点がある。また、マスキング音を発生させるための発
音体と、マスキングされる音の発生時間の間のみにマス
キング音を発生させるための制御装置が必要となり、機
械のレイアウト上、余分なスペースを要し、更に、大幅
にコストが上がるという欠点がある。
【0005】現在、OA機器では、騒音を評価する方法
として、一般的に、音響パワーレベル(ISO777
9)が用いられている。しかしながら、音響パワーレベ
ルは、複写機やプリンタなどのオフィス機器から発生す
る音響エネルギーの値であるため、騒音に対する人間の
主観的な不快感との相関があまり良くない場合がある。
例えば、音響パワーレベルが同じである音を比較して聞
いた場合、不快さに差があることがあるし、また、音響
パワーレベルの値は小さくても、非常に不快な音もあ
る。
【0006】したがって、今後のオフィス環境改善のた
めには、OA機器の音響パワーレベルを低減させるだけ
でなく、音質の改善を行っていく必要がある。音質改善
のためには、現状把握のための音質の定量的な計測と、
改善前後においてどのくらいの改善がなされたのかの計
測をする必要がある。ところが、音質は物理量ではない
ため、定量的な測定ができない。耳で比較しても、人に
よって評価が異なる場合がある。また、「音質が少し改
善された」や、「かなり改善された」等の定性的な表現
しかできない。音の質を物理的特性で定量的に表わさな
ければ、対策が本当に効果があったのか、また、どのく
らいの効果があったのか、客観的な評価は不可能であ
る。
【0007】ところで、音質を評価する物理量として、
心理音響パラメータというものがある。代表的なものは
以下の通りである(例えば、日本機械学会「第7回設計
工学・システム部門講演会“21世紀に向けて設計、シ
ステムの革新的飛躍を目指す!”」’97年11月10
日、11日「音・振動と設計、色と設計(1)」部門第
089Bを参照。尚、括弧内は単位。)。 ・ラウドネス(sone) :聞こえの大きさ ・シャープネス(acum) :高周波成分の相対的な分布量 ・トーナリティ(tu) :調音性、純音成分の含有量 ・ラフネス(asper) :音の粗さ感 ・フラクチエーション・ストレングス(vacil):変動強度、うなり感
【0008】上記パラメータは、どのパラメータも、値
が増すと不快感が増す傾向にある。この中で、ラウドネ
スだけがISO532Bで規格化されている。他のパラ
メータについては、基本的な考え方は同じであるが、各
計測器メーカによる独自の研究によってプログラムや計
算方法が異なるため、メーカによって測定値が若干異な
るのが普通である。これらの心理音響パラメータを全て
低減するように努力すれば、音質を改善することができ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、心理音
響パラメータの全てについて対策を構じるには大きな労
力が必要である。複写機やプリンタなどのOA機器から
発生する騒音は、機構の複雑さから、多くの音色の騒音
によって構成されており、例えば、低周波の重苦しい
音,高周波の甲高い音,衝撃的に発生する音などが、モ
ータ,紙,ソレノイド等の複数の音源から時間的に変化
しながら発生する。
【0010】人間は、これらの音を総合的に判断し、不
快かどうかの判定を行っているが、どの部分が特に不快
と関係があるかの重み付けを行って判定していると考え
られる。つまり、不快に対して影響の大きい心理音響パ
ラメータと、影響の小さい心理音響パラメータとが存在
する。しかも、これは機械の音色によって異なる。例え
ば、高速で衝撃音の発生回数が多いプリンタでは、衝撃
音を最も不快と感じ、低速で比較的静かな電子写真式プ
リンタでは、衝撃音の発生が少ないので、AC帯電時に
発生する帯電音を最も不快と感じる場合がある。このよ
うに、不快に感じる部分が異なってくる。よって、低速
機と高速機では、音質改善をする部分が異なる場合があ
る。このことより、不快に対して改善効果の大きい心理
音響パラメータを探し出し、そのパラメータを改善する
ことによって効率良く音質改善を行えば労力も少なくな
る。
【0011】よって、不快に対して改善効果の大きい心
理音響パラメータを組み合わせて、パラメータに重み付
けを行い、音質評価式化して不快に対する主観評価値を
算出することにより、客観的な音質の評価が可能にな
り、音質改善を行うことができる。さらに、不快に対す
る主観評価値をどのぐらいにすれば不快感がなくなるか
を判定し、その値以下となるような音質改善を行った装
置を提供すれば、オフィス内での騒音に関する問題は解
決されることになる。
【0012】本発明は、上述のような不快音の問題に対
し、比較的低速で稼動する画像形成装置において、像担
持体に画像書き込みを行う画像書込手段の音を改善する
ことにより、心理的な不快音を緩和した画像形成装置を
提供することを目的としてなされたもので、より具体的
には、稼動時に発生する音の周波数成分分布を改善する
こと、像担持体に書き込みを行う書込手段の音を改善す
ること、ポリゴンミラーを駆動するモータの回転数に起
因するモータ音を低減させること、ポリゴンミラーの回
転による風切り音を低減させること、心理音響パラメー
タの条件をさらに限定することを目的としてなされたも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、像担
持体と、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー
を用いて前記像担持体に画像の書き込みを行う画像書込
手段とを有し、当該画像形成装置の端面から1m離れた
位置における該装置の発生する音から得られる心理音響
パラメータのラウドネス値とトーナリティ値を用いた下
式 S= 0.3135×(ラウドネス値)+3.4824×
(トーナリティ値)−3.1460 によって得られる不快指数Sが、S<−0.6を満たす
ことを特徴としたものである。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記画像形成装置の端面から1m離れた位置におけ
る該装置の発生する音から得られる心理音響パラメータ
のシャープネス値が2.70acum以下、ラフネス値
が1.24asper以下、フラクチエーション・スト
レングス値が1.31vacil以下、を満たすことを
特徴としたものである。
【0015】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記画像書込手段は、前記モータと前記ポリゴンミ
ラーを格納する密閉空間を構成するハウジング部と、該
ハウジング部を構成する壁面の一部に設けた穴と、該穴
に連通して該ハウジング部の外部に設けた吸音室からな
ることを特徴としたものである。
【0016】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの発明において、前記画像書込手段から発生する
音を低減する発生音低減手段を有することを特徴とした
ものである。
【0017】請求項5の発明は、請求項3の発明におい
て、前記吸音室は、前記モータの回転数に起因するモー
タ音の周波数に共鳴する共振周波数を有することを特徴
としたものである。
【0018】請求項6の発明は、請求項3の発明におい
て、前記吸音室は、前記ポリゴンミラーの回転による風
切音の周波数に共鳴する共振周波数を有することを特徴
としたものである。
【0019】請求項7の発明は、請求項1ないし6のい
ずれかの発明において、前記不快指数Sが、S<−0.
7を満たすことを特徴としたものである。
【0020】請求項8の発明は、請求項1ないし6のい
ずれかの発明において、前記シャープネス値、前記ラフ
ネス値、前記フラクチエーション・ストレングス値、前
記ラウドネス値及び前記トーナリティ値は、前記画像形
成装置から発生する音をヘッドアコースティック社製音
響測定装置HMSIIIで採取し、ヘッドアコースティッ
ク社製音響解析装置によって解析して得られる値である
ことを特徴としたものである。
【0021】請求項9の発明は、請求項8の発明におい
て、前記不快指数Sが、S<−0.7を満たすことを特
徴としたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用される画像
形成装置の一例を説明するための要部構成図である。図
1に示した画像形成装置には、本体トレー4,バンク給
紙トレー5,手差しトレー6,給紙ローラ10,レジス
トローラ11などの給紙搬送系が配設されており、転写
紙は、給紙搬送系からプロセスカートリッジ3を通っ
て、定着ユニット7,排紙ローラ12を経て排紙トレイ
9に搬送される。また、プロセスカートリッジ3の上方
には、LDユニット,ポリゴンミラー,fθミラー(図
示せず)等から構成される画像の書き込みユニット8が
配設されている。また、この他に、感光ドラム1や、ロ
ーラの回転駆動のための駆動モータ,ソレノイド,クラ
ッチ(図示せず)を含む駆動伝達系が設けられている。
このような構成において、画像形成時には、前記駆動モ
ータと駆動伝達系の駆動音や、ソレノイド,クラッチの
動作音や、紙搬送音や、帯電音などが放射される。
【0023】図2,図3,図4は、図1に示した書き込
みユニット8の一例を説明するための要部構成図で、図
4は、図3のIV-IV矢視図である。図2に示した書き込
みユニット8において、21はレーザ光を発光するため
のレーザ発光ユニットであり、22はレーザ発光ユニッ
ト21からレーザ光を感光体ドラム1上の長手方向(主
走査方向)に走査するポリゴンミラーである。
【0024】レーザ発光ユニット21とポリゴンミラー
22との間には、レーザ光のスポット径を所定の大きさ
にするためのトーリックレンズ23が配置され、ポリゴ
ンミラー22と感光体ドラム1との間には、感光体ドラ
ム1上の走査スポット径を所定の大きさに結像させるた
めのレンズ系24が配置されている。また、レンズ系2
4は、fθ特性のみを持たせたものの他、ポリゴンミラ
ー22と感光体ドラム1とを共役関係にして、ポリゴン
ミラー22の反射面22aの面倒れ補正と、fθ特性の
双方を持たせたものが使用されている。
【0025】図3および図4は、書き込みユニット8の
具体的な構成を示したもので、ハウジング25は、箱状
の形をしており、その内側には、トーリックレンズ2
3、レンズ系24が取り付けられ、モータ26と一体化
されたポリゴンミラー22が取り付けられている。ハウ
ジング25には、20000rpm以上の高速で回転す
るポリゴンミラー22に塵埃が付着しないように、蓋2
7がパッキンを介して取り付けられ、ほぼ内部が密閉さ
れた状態に保持されており、内部に塵埃が入り込まない
ように配慮されている。
【0026】図4に示したように、図中、蓋27の上方
には、吸音箱28が設けられており、この吸音箱28の
内部には、外部から密閉された吸音室28aが形成され
ている。そして、蓋27には、ハウジング25内と吸音
室28aとを連通する連通孔27aが形成されている。
【0027】このような書き込みユニット8において
は、レーザ発光ユニット21から発光されたレーザ光
は、トーリックレンズ23によって所定の大きさのスポ
ット径に整形され、この所定の大きさのスポット径のレ
ーザ光は、モータ26によって回転駆動されるポリゴン
ミラー22の各反射面22aによって走査される。この
走査されるレーザ光は、レンズ系24によって感光体ド
ラム1上に走査スポット径が所定の大きさになるように
結像される。レンズ系24は、レーザ光が感光体ドラム
1上を走査するときの各位置における速度を等速化する
fθ特性を発揮する。
【0028】ポリゴンミラー22の回転数が20000
rpm以上の高速になると、その騒音が問題となり、モ
ータ26の回転数に起因するモータ音とポリゴンミラー
22の回転による風切音の純音成分が大きくなり、心理
音響パラメータのトーナリティの値も大きくなるが、蓋
27の厚さをt(cm),連通孔27aの半径をr(c
m),吸音室28aの容積をV(cm3),音速をcと
すると、
【0029】
【式1】
【0030】の周波数で、吸音室28aと連通孔27a
の空気の流速が大きくなるため、連通孔27aの空気抵
抗によって上記周波数f0の音が消音される。
【0031】従って、モータ26の回転数に起因するモ
ータ音の周波数 f1=1秒間当たりのモータの回転数 (Hz) を上記周波数f0と一致させることにより、極めて大き
な消音効果を実現することができる。また、ポリゴンミ
ラー22の回転による風切音の周波数 f2=1秒間当たりのモータの回転数×反射面22aの数 (Hz) を上記周波数f0と一致させることにより、極めて大き
な消音効果を実現することができる。
【0032】ところで、機械音の不快の程度を客観的に
評価する場合に、不快さを計測するものさしが必要とな
る。音のエネルギーを評価する場合に騒音計で測定する
のと同じように、不快さを評価する場合には、音のある
物理量を測定してその値を音質評価式に代入して算出し
た値で評価を行うことになる。
【0033】音の不快さを予測する音質評価式は、人間
による主観評価実験を行い、複数の心理音響パラメータ
を使用して統計解析して作成する。音質評価式は、統計
的に95%以上有意である必要がある。なお、心理音響
パラメータには、ラウドネス,トーナリティ,シャープ
ネス,ラフネス,フラクチエーション・ストレングスな
どが定義されている。
【0034】ここで、本発明者らによる不快音の音質評
価試験の実施例について説明する。実験の流れは以下の
通りである。 (1)画像形成装置稼動音の採取 (2)上記稼動音の加工(加工音(供試音)を複数作
成) (3)作成した供試音の心理音響パラメータの測定 (4)供試音による一対比較法実験→不快に対する主観
評価値算出 (5)不快に対する主観評価値と心理音響パラメータ測
定値による重回帰分析→音質評価式導出
【0035】(1)画像形成装置稼動音の採取 画像形成装置A機(20ppm),B機(16pp
m),C機(16ppm)の異なる3機種の前面の稼動
音をヘッドアコースティクス社製ダミーヘッドHMS
(Head Measurement System)IIIで音を採取し、デジタ
ルオーディオテープ(以下、DAT)にバイノーラル
(両耳覚)録音した。このようにして録音すると、専用
ヘッドホンで再生することにより、人間が機械の音を実
際に聞いた感覚で再現することができる。
【0036】 [測定条件] ・録音環境 :半無響室(標準台使用) ・ダミーヘッドの耳の位置 :高さ1.2m,機器端面からの水平距離1m ・録音モード :FF(フリー・フィールド→無響室用) ・HPフィルター :22Hz
【0037】(2)稼動音の加工(加工音(供試音)を
複数作成) A機の稼動音をヘッドアコースティック社製音響解析装
置BAS(Binaural Analysis System)によって加工し
た。加工方法としては、録音した稼動音から、周波数軸
上または時間軸上で画像形成装置の各音源に関わる部分
を除去、または、音圧レベルを強調した。
【0038】(3)作成した供試音の心理音響パラメー
タの測定 A機の稼動音を加工した音と、B,C機の音を、ヘッド
アコースティックス社製音響解析装置BASによって心
理音響パラメータを求めた。
【0039】(4)供試音によるシェッフェの一対比較
法(浦の変法)実験→不快に対する主観評価値算出 供試音を評価してもらう被験者を集め、供試音を一対比
較してどちらが不快かを判定してもらった。浦の変法と
は、以下のような一対比較法である。比較順序を考慮
し、かつ、一人の被験者が全ての組合せを一回ずつ比較
する。具体的には、t個の資料から2つずつの組合せを
作り、N人の被験者が組合せの(i,j)と(j,i)
を全て比較する。これにより、各供試音の主観評価値を
求め、順位付けを行う。例えば、供試音1と供試音2を
比較した場合(供試音1を基準)、供試音1の主観評価
値は、供試音1が不快であった場合は1点、供試音2が
不快であった場合は−1点というように計算した。結果
を集計し、統計処理した結果、各供試音の主観評価値α
(−1≦α≦1)を得た。主観評価値αが大きい方が不
快である。結果は表1の通りである。なお、供試音1は
A機の原音である。
【0040】
【表1】
【0041】ところで、心理音響パラメータ中で、ラウ
ドネスだけがISO532Bで規格化されている。他の
パラメータについては、基本的な考え方は同じである
が、各計測器メーカによる独自の研究によってプログラ
ムや計算方法が異なるため、メーカによって測定値が若
干異なるのが普通である。本実験は、特に、ヘッドアコ
ースティクス社製ダミーヘッドHMSIIIおよびヘッド
アコースティックス社製音響解析装置BASを使用して
実験を行った。
【0042】(5)不快に対する主観評価値と心理音響
パラメータ測定値による重回帰分析 主観評価値と心理音響パラメータとで重回帰分析を行
い、主観評価値を心理音響パラメータで予測する音質評
価式を導出した結果、主観評価値αはのちに示す式
(a)で予測できることが判った。統計的に95%有意
な結果である。また、式の精度を表わす寄与率は97%
であった。これは、音の不快さは、ラウドネスとトーナ
リティが97%寄与しているという意味である。残り3
%は、他の要因で不快さを感じているということにな
る。
【0043】この音質評価式による主観評価値αの予測
値を、不快指数Sと名付ける。S値に単位はない。A機
だけでなく、異なる機種のB,C機の音も予測できたこ
とから、16〜20ppm程度の複数の画像形成装置
(機械)について、一般的に成り立つ評価式であるとい
える。 S=0.3135×(ラウドネス値(sone)) +3.4824×(トーナリティ値(tu)) −3.1460 (−1≦S≦1) ・・・(a) ここで、16〜20ppmクラスの画像形成装置の騒音
の不快さは、ラウドネス(聞こえの大きさ)と、トーナ
リティ(純音成分の含有量)で表わされることがわかっ
た。
【0044】ところで、式(a)によると、不快に対し
て、他の心理音響パラメータは関係ないか、または、他
のパラメータの影響はラウドネスとトーナリティを通じ
て及ぼされているということになる。現状では不快と関
係ない心理音響パラメータでも、現状よりさらに大きな
値をとると不快に対して影響が出てくる可能性がある。
また、現在はラウドネスとトーナリティを通じて不快さ
に関係がある心理音響パラメータが、現状よりさらに大
きな値を取ると、不快に対する影響がラウドネスやトー
ナリティと逆転して最も不快な心理音響パラメータに代
わる可能性がある。
【0045】よって、表1より、以下の条件を満たす範
囲で式(a)は成り立つといえる。 ・シャープネスが2.70(acum)以下 ・ラフネスが1.24(asper)以下 ・フラクチュエーション・ストレングスが1.31(vaci
l)以下
【0046】図5は、主観評価値αと不快指数S(音質
評価式による予測値)との関係をプロットした散布図で
ある。人間による主観評価実験の結果である主観評価値
αとS値とは相関がよく、音質評価式を用いることによ
り、今後は客観的に不快感を評価することが可能になっ
た。
【0047】表2は、不快指数Sが、どのくらいの値に
なると不快ではなくなるのかを実験した結果を集計して
まとめたものである。被験者にA機の稼動音を加工した
供試音1〜供試音17とB機,C機の音を聞いてもら
い、不快さについて3段階評価してもらった。表2中、
“○”は評価の良い音,“×”は評価の悪い音,“△”
はその中間である。
【0048】
【表2】
【0049】表2の結果によれば、 S<−0.6 ・・・(b) を満足すれば、不快感が緩和されていることになる。つ
まり、条件(b)を満足するように、式(a)のラウド
ネス値とトーナリティ値を設定することができれば、不
快感が緩和される画像形成装置を提供することができ
る。さらに、 S<−0.7 ・・・(c) を満足すれば、ほとんど不快さを感じない音の画像形成
装置を提供することができる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1,2,8の発明によると、像担持体と、モータによっ
て回転駆動されたポリゴンミラーを用いて像担持体に書
き込む手段とを有する画像形成装置から発せられる騒音
の不快感を緩和することができる。
【0051】請求項3,4,5,6の発明によると、像
担持体と、モータによって回転駆動されたポリゴンミラ
ーを用いて像担持体に書き込む手段とを有する画像形成
装置において、像担持体に書き込む手段の音を低減する
ことにより、画像形成装置から発せられる騒音の不快感
を緩和することができる。
【0052】請求項7の発明によると、請求項1〜6の
発明に対する効果より更に画像形成装置から発せられる
騒音の不快感を緩和することができる。
【0053】請求項9の発明によると、請求項8の発明
に対する効果より更に画像形成装置から発せられる騒音
の不快感を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される画像形成装置の一例を説
明するための要部構成図である。
【図2】 図1に示した書き込みユニットの一例を説明
するための要部構成図である。
【図3】 図1に示した書き込みユニットの一例を説明
するための要部構成図である。
【図4】 図1に示した書き込みユニットの一例を説明
するための要部構成図である。
【図5】 主観評価値αと不快指数S(音質評価式によ
る予測値)との関係をプロットした散布図である。
【符号の説明】
1…感光ドラム、3…プロセスカートリッジ、4…本体
トレー、5…バンク給紙トレー、6…手差しトレー、7
…定着ユニット、8…書き込みユニット、9…排紙トレ
イ、10…給紙ローラ、11…レジストローラ、12…
排紙ローラ、21…レーザ発光ユニット、22…ポリゴ
ンミラー、22a…反射面、23…トーリックレンズ、
24…レンズ系、25…ハウジング、26…モータ、2
7…蓋、27a…連通孔、28…吸音箱、28a…吸音
室。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体と、モータによって回転駆動さ
    れるポリゴンミラーを用いて前記像担持体に画像の書き
    込みを行う画像書込手段とを有し、当該画像形成装置の
    端面から1m離れた位置における該装置の発生する音か
    ら得られる心理音響パラメータのラウドネス値とトーナ
    リティ値を用いた下式 S= 0.3135×(ラウドネス値)+3.4824×
    (トーナリティ値)−3.1460 によって得られる不快指数Sが、S<−0.6を満たす
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記画像形成装置の
    端面から1m離れた位置における該装置の発生する音か
    ら得られる心理音響パラメータのシャープネス値が2.
    70acum以下、 ラフネス値が1.24asper以下、 フラクチエーション・ストレングス値が1.31vac
    il以下、を満たすことを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記画像書込手段
    は、前記モータと前記ポリゴンミラーを格納する密閉空
    間を構成するハウジング部と、該ハウジング部を構成す
    る壁面の一部に設けた穴と、該穴に連通して該ハウジン
    グ部の外部に設けた吸音室からなることを特徴とする画
    像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記画像書込手段から発生する音を低減する発生音低減
    手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記吸音室は、前記
    モータの回転数に起因するモータ音の周波数に共鳴する
    共振周波数を有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 請求項3において、前記吸音室は、前記
    ポリゴンミラーの回転による風切音の周波数に共鳴する
    共振周波数を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記不快指数Sが、S<−0.7を満たすことを特徴と
    する画像形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記シャープネス値、前記ラフネス値、前記フラクチエ
    ーション・ストレングス値、前記ラウドネス値及び前記
    トーナリティ値は、前記画像形成装置から発生する音を
    ヘッドアコースティック社製音響測定装置HMSIIIで
    採取し、ヘッドアコースティック社製音響解析装置によ
    って解析して得られる値であることを特徴とする画像形
    成装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記不快指数Sが、
    S<−0.7を満たすことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7136605B2 (en) * 2002-12-24 2006-11-14 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus, method of evaluating noise, and methods of manufacturing and modifying image forming apparatus
WO2006126524A1 (ja) 2005-05-25 2006-11-30 International Business Machines Corporation Idタグ・パッケージとrfidシステム
JP2018096741A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 大成建設株式会社 建築物風騒音評価方法

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