JP2002196506A - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents

平版印刷版の製版方法

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JP2002196506A JP2000394047A JP2000394047A JP2002196506A JP 2002196506 A JP2002196506 A JP 2002196506A JP 2000394047 A JP2000394047 A JP 2000394047A JP 2000394047 A JP2000394047 A JP 2000394047A JP 2002196506 A JP2002196506 A JP 2002196506A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境及び安全上好ましい比較的低pH
のアルカリ現像液を用い、長期間使用しても現像液にカ
スが出にくく、非画像部において良好な現像性を有し、
印刷での汚れがなく、支持体起因の散乱光による網点の
太りが生じにくく、しかも感光層との密着力を損なう事
が無く、強固な画像強度が得られ高い耐刷性を実現可能
な平版印刷版の製版方法を提供する事。 【解決手段】 少なくとも粗面化処理と陽極酸化
処理を行ったアルミニウム支持体上にエチレン性不飽和
二重結合を有する化合物、光重合開始剤、及び高分子結
合剤を含む光重合型感光層を設けてなる感光性平版印刷
版を画像露光した後、現像液で現像する平版印刷版の製
版方法であって、該支持体上の陽極酸化皮膜の量が1.
0〜3.0g/m2、皮膜に存在するマイクロポアがポア
径5〜15nm、ポア密度8×1013〜2×1015個/m2
であり、該現像液が無機のアルカリ剤とポリオキシアル
キレンエーテル基を有するノニオン系界面活性剤を含有
し、pH10.0〜12.5、導電率3〜30mS/cmであ
ることを特徴とする上記平版印刷版の製版方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版の製版
方法に関するものである。さらに詳しくは、経時や繰り
返し使用による現像特性の低下が抑えられ、多量の印刷
版を現像処理してもカスが発生しにくく、非画像部にお
いて良好な現像性を有し、印刷での汚れがない製版方法
に関する。更に、レーザ露光適性が優れ、網点の再現性
が優れ、強固な画像強度が得られ、高い耐刷性が実現可
能な平版印刷版の製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より広く用いられているネガ型感光
性平版印刷版は、親水処理されたアルミニウム板上にジ
アゾ樹脂が設けられたものであったので、現像液には有
機溶剤を使用せざるを得ず、現像廃液の処理やその環境
への影響が懸念されている。またポジ型感光性平版印刷
版の感光層には、オルソキノンジアジド化合物がノボラ
ック樹脂と併用されており、現像液にはノボラック樹脂
を溶解可能なアルカリ性の珪酸塩水溶液が用いられてい
る。しかし、ノボラック樹脂を溶解可能な溶液のpHは
13程度で、このような高pH現像液は、皮膚や粘膜に
付着した場合の刺激性が強く、取り扱いには十分な注意
が必要である。一方、アルミニウム板支持体上に光重合
型感光層を設けた感光性平版印刷版も使用されており、
その現像液としては、アルカリ金属の珪酸塩、燐酸塩、
炭酸塩、水酸化物等、及び有機アミン化合物等の水溶液
が提案されている。
【0003】例えば、特開平8−248643号公報に
は、12以上の高pHで珪酸アルカリ塩と両性界面活性
剤を含む現像液が、また特開平11−65129号公報
には、SiO2/M2O(Mはアルカリ金属)が規定されたp
H12以下の珪酸アルカリ珪酸塩を含む現像液が開示さ
れている。前者は取り扱い上の問題の他に、現像液の高
pHのため画像部が現像によりダメージを受けやすいと
いう問題があり、また後者は使用中の僅かな現像液のp
H低下により、珪酸塩がゲル化、不溶化してしまうとい
う問題があった。
【0004】珪酸アルカリ塩を用いない現像液として
は、特開昭61−109052号公報に、アルカリ試
薬、錯化剤、アニオン界面活性剤、乳化剤、n−アルカ
ン酸等からなる現像液が、また西ドイツ特許第1984
605号公報には、アルカリ剤、錯化剤、アニオン界面
活性剤、アミルアルコール、N−アルコキシアミン類を
含む現像液が開示されているが、両者ともpHが高く、
有機溶剤を含有するため、画像部のダメージが大きく、
十分な耐刷性等の印刷性能を得る上で問題があった。比
較的pHが低く(pH12以下)、珪酸アルカリを含ま
ない現像液としては、特開2000−81711号公報
に、アニオン界面活性剤を含む水酸化カリウム水溶液か
らなる現像液が、また特開平11−65126号公報に
はpH8.5〜11.5のアルカリ金属の炭酸塩水溶液か
らなる現像液が開示されている。しかしながら、このよ
うな比較的低pHの現像液は、基本的に光重合型感光層
の溶解力が乏しいため、例えば、経時した版材で、十分
に現像が進まないため残膜が生じたり、現像カス等が生
ずる等の問題があった。
【0005】また、近年リスフィルムを介することなく
直接印刷版を製造するCTP技術が望まれこれに適応し
た平版印刷用原版が開発されてきている。このような感
光性平版印刷原版はレーザ光で描画するため支持体によ
って散乱する光の影響を受けやすく、網点一個一個の周
囲にフリンジと呼ぶ散乱光による弱い硬化画像が発生し
てしまう。このため網点全体が太り気味になり網点面積
率が高くなってしまうという問題があった。また、平版
印刷版の基板は感光層密着性や版画強度を高めるため、
加えて湿し水の保水性を上げて印刷適性を高めるため
に、通常陽極酸化処理が行われるが、この陽極酸化皮膜
は光吸収が少なく、レーザ光が散乱されフリンジを生じ
やすい。陽極酸化皮膜の光吸収をより増やすためには、
陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアと呼ばれる微細孔
のポア径を小さくすること又は単位面積当たりのポア数
を減らすことによって酸化皮膜そのものの体積分率を上
げることが必要である。しかしながら一方で、アルミニ
ウムの陽極酸化皮膜のマイクロポアは、感光層をアンカ
ー効果によって保持し密着力を得ているため、マイクロ
ポアを小さくし、また単位面積あたりのポアの数を減ら
すことは即ち感光層の密着性を損ない実用上使用できな
くなってしまう。従って支持体による密着性を得るため
ある程度のマイクロポアの存在が必要であり、網点品質
や再現性を犠牲にせざるを得なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、環境
及び安全上好ましい比較的低pHのアルカリ現像液を用
い、長期間使用しても現像液にカスが出にくく、非画像
部において良好な現像性を有し、印刷での汚れがなく、
支持体起因の散乱光による網点の太りが生じにくく、し
かも感光層との密着力を損なう事が無く、強固な画像強
度が得られ高い耐刷性を実現可能な平版印刷版の製版方
法を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、平版印刷版の製版工程に
おいて、比較的pHが低いアルカリ溶液と特定の構造の
ノニオン系界面活性剤とを含み、塩濃度を調整した現像
液を使用し、かつ支持体の陽極酸化皮膜の量と、皮膜に
存在するマイクロポアのポア径、ポア密度を調整するこ
とにより、光重合型感光層の未露光部の溶解速度が上が
り、逆に露光部の光重合による架橋した部分は現像液の
浸透が抑制され、かつ支持体の散乱光による網点の太り
を感光層との密着力を落とすことなく減少させることを
見い出し、本発明に到達した。即ち本発明は、少なくと
も粗面化処理と陽極酸化処理を行ったアルミニウム支持
体上にエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、光重
合開始剤、及び高分子結合剤を含む光重合型感光層を設
けてなる感光性平版印刷版を画像露光した後、現像液で
現像する平版印刷版の製版方法であって、該支持体上の
陽極酸化皮膜の量が1.0〜3.0g/m2、皮膜に存在す
るマイクロポアがポア径5〜15nm、ポア密度8×10
13〜2×1015個/m2であり、該現像液が無機のアルカ
リ剤とポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオ
ン系界面活性剤を含有し、pH10.0〜12.5、導電
率3〜30mS/cmであることを特徴とする上記平版印刷
版の製版方法であり、本発明により、安定的に、印刷汚
れのない非画像部と高耐刷性を有する画像部からなる印
刷版を得ることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の平版印刷版の製版方
法について詳細に説明する。先ず、本発明の製版方法の
特徴であり、本発明の製版方法に用いられる新規な現像
液について説明する。本発明の平版印刷版の製版方法に
使用される現像液は、無機のアルカリ剤とポリオキシア
ルキレンエーテル基を有するノニオン系界面活性剤を含
有するものであり、そのpHが10.0〜12.5であ
り、導電率が3〜30mS/cmである。
【0009】無機のアルカリ剤としては、上記物性値を
与える物であれば、適宜使用可能であるが、例えば、第
3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭
酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素
ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウ
ム、同カリウム、同アンモニウム、及び、同リチウム等
の無機アルカリ剤が挙げられる。
【0010】また、アルカリ濃度の微少な調整、感光層
の溶解性補助の目的で、補足的に有機アルカリ剤を併用
してもよい。このような有機アルカリ剤としては、モノ
メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モ
ノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、
モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリ
イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノール
アミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジ
ン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げる
ことができる。これらのアルカリ剤は、単独もしくは2
種以上を組み合わせて用いられる。
【0011】本発明で使用される現像液のpHは、1
0.0〜12.5であるが、10.0より低いpHでは画
像形成ができなくなり、逆に12.5より高いpHでは
過現像になったり、露光部の現像でのダメージが強くな
り耐刷性が劣化する問題が生じる。尚、好ましいpH範
囲は、10.5〜12.4である。更に好ましいpH範囲
は、11.0〜12.3である。
【0012】また、本発明で使用される現像液の導電率
は、3〜30mS/cmであるが、3mS/cmを下回ると、通
常、アルミニウム板支持体表面の感光性組成物の溶出が
困難となり、印刷で汚れを伴ってしまい、逆に30mS/
cmを超えると、塩濃度が高いため、感光層の溶出速度が
極端に遅くなり、未露光部に残膜が生じるという。好ま
しい導電率の範囲は、4〜25mS/cmの範囲であり、更
に好ましくは5〜20mS/cmの範囲である。
【0013】本発明で使用される現像液には、ポリオキ
シアルキレンエーテル基を有するノニオン系界面活性剤
を含有することが必須であり、この界面活性剤添加によ
り、未露光部の感光層の溶解促進、露光部への現像液の
浸透性の低減が可能となる。ポリオキシアルキレンエー
テル基を含有する界面活性剤としては、下記一般式
(I)の構造を有する物が好適に使用される。
【0014】 R1−O−(R2−O)nH (I) 式中、R1は、置換基を有しても良い炭素数3〜15の
アルキル基、置換基を有しても良い炭素数6〜15の芳
香族炭化水素基、又は置換基を有しても良い炭素数4〜
15の複素芳香族環基(尚、置換基としては炭素数1〜
20のアルキル基、Br、Cl、I等のハロゲン原子、炭素
数6〜15の芳香族炭化水素基、炭素数7〜17のアラ
ルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜
20のアルコキシ−カルボニル基、炭素数2〜15のア
シル基が挙げられる。)を示し、R2は、置換基を有し
ても良い炭素数1〜100のアルキレン基(尚、置換基
としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜1
5の芳香族炭化水素基が挙げられる。)を示し、nは1
〜100の整数を表す。また式(I)の(R2−O)n
部分は、上記範囲であれば、2種、又は3種の基であっ
ても良い。具体的にはエチレンオキシ基とプロピレンオ
キシ基、エチレンオキシ基とイソプロピルオキシ基、エ
チレンオキシ基とブチレンオキシ基、エチレンオキシ基
とイソブチレン基等の組み合わせのランダム又はブロッ
ク状に連なったもの等が挙げられる。
【0015】本発明において、ポリオキシアルキレンエ
ーテル基を有する界面活性剤は、単独又は複合系で使用
され、現像液中、1〜30質量%、好ましくは2〜20
質量%添加することが効果的である。添加量が少ないと
現像性の低下が、逆に多すぎると現像による画像部のダ
メージが強くなり、印刷版の耐刷性を低下させてしま
う。
【0016】またさらに以下に記すその他の界面活性剤
を加えてもよい。その他の界面活性剤としては、例え
ば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリ
ルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル
類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキ
シエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエ
チレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエ
ステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノ
ステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタン
モノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビ
タントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル
類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノ
オレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等のノ
ニオン系界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナ
フタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンス
ルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナ
トリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナ
トリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ソ
ーダ等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコ
ハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等の
アニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベ
タイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界
面活性剤等が使用可能であるが、特に好ましいのはアル
キルナフタレンスルホン酸塩類等のアニオン界面活性剤
である。これら界面活性剤は単独、もしくは組み合わせ
て使用することができる。また、これら界面活性剤の現
像液中における含有量は有効成分換算で0.1〜20質
量%が好ましい。
【0017】本発明の現像液には、上記の成分の他に、
必要に応じて以下の様な成分を併用することができる。
例えば安息香酸、フタル酸、p−エチル安息香酸、p−
n−プロピル安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、p
−n−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p−
t−ブチル安息香酸、p−2−ヒドロキシエチル安息香
酸、デカン酸、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸等の有機カルボン酸;イソプロピルアルコール、
ヘンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソ
ルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジ
アセトンアルコール等の有機溶剤;この他、キレート
剤、還元剤、染料、顔料、硬水軟化剤、防腐剤、消泡剤
等が挙げられる。
【0018】次に、本発明に用いるアルミニウム支持体
について説明する。本発明の感光性平版印刷版に用いら
れるアルミニウム支持体とは、寸度的に安定なアルミニ
ウムを主成分とする金属であり、純アルミニウム板の
他、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合
金板、又はアルミニウム(合金)がラミネートもしくは
蒸着されたプラスチックフィルム又は紙の中から選ばれ
る。以下の説明において、上記に挙げたアルミニウムま
たはアルミニウム合金からなる基板をアルミニウム基板
と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含まれる異
元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、
クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがあ
り、合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。
本発明では純アルミニウム板が好適であるが、完全に純
粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、
僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発
明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定され
るものではなく、従来より公知公用の素材のもの、例え
ばJIS A 1050、JISA 1100、JIS
A 3103、JIS A 3005などを適宜利用
することが出来る。また、本発明に用いられるアルミニ
ウム基板の厚みは、およそ0.1mm〜0.6mm程度であ
る。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさ及びユ
ーザーの希望により適宜変更することができる。アルミ
ニウム基板には適宜必要に応じて後述の基板表面処理が
施される。
【0019】〔粗面化処理〕粗面化処理方法は、特開昭
56−28893号公報に開示されているような機械的
粗面化、化学的エッチング、電解グレインなどがある。
さらに塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に粗面化す
る電気化学的粗面化方法、及びアルミニウム表面を金属
ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球
と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立でするボールグレ
イン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を粗面化するブ
ラシグレイン法のような機械的粗面化法を用いることが
でき、上記粗面化方法を単独あるいは組み合わせて用い
ることもできる。
【0020】その中でも粗面化に有用に使用される方法
は塩酸または硝酸電解液中で化学的に粗面化する電気化
学的方法であり、適する陽極時電気量は50 C/dm2
400 C/dm2の範囲である。さらに具体的には、0.1
〜50%の塩酸または硝酸を含む電解液中、温度20〜
80℃、時間1秒〜30分、電流密度100 C/dm2
400 C/dm2の条件で交流及び/または直流電解を行
うことが好ましい。
【0021】このように粗面化処理したアルミニウム基
板は、酸またはアルカリにより化学的にエッチングされ
てもよい。好適に用いられるエッチング剤は、苛性ソー
ダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソー
ダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等
であり、濃度と温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50
%、20〜100℃である。エッチングのあと表面に残
留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行わ
れる。用いられる酸は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、
フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。特に電気化
学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好
ましくは特開昭53−12739号公報に記載されてい
るような50〜90℃の温度の15〜65質量%の硫酸
と接触させる方法及び特公昭48−28123号公報に
記載されているアルカリエッチングする方法が挙げられ
る。以上のように処理された後、処理面の中心線平均粗
さRaが0.2〜0.5μmであれば、特に方法条件は限
定しない。
【0022】〔陽極酸化処理〕以上のようにして処理さ
れ酸化物層を形成したアルミニウム基板には、その後に
陽極酸化処理がなされる。陽極酸化処理は硫酸、燐酸、
シュウ酸もしくは硼酸/硼酸ナトリウムの水溶液が単独
もしくは複数種類組み合わせて電解浴の主成分として用
いられる。この際、電解液中に少なくともAl合金板、電
極、水道水、地下水等に通常含まれる成分はもちろん含
まれても構わない。さらには第2、第3成分が添加され
ていても構わない。ここでいう第2、3成分とは、例え
ばNa、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、N
i、Cu、Zn等の金属のイオンやアンモニウムイオン等に
陽イオンや、硝酸イオン、炭酸イオン、塩素イオン、リ
ン酸イオン、フッ素イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イ
オン、ケイ酸イオン、硼酸イオン等の陰イオンが挙げら
れ、その濃度としては0〜10000ppm 程度含まれて
も良い。陽極酸化処理の条件は、処理によって作製され
る陽極酸化皮膜量が1.0〜3.0g/m2の範囲であ
り、陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアのポア径が5
〜15nm、ポア密度が8×1013〜2×1015個/m2
範囲に入るように適宜選択することができるが、通常電
解液の主成分となる酸の濃度は30〜500 g/リット
ル、処理液温10〜70℃で、電流密度0.1〜40 A
/m2の範囲で直流または交流電解によって処理されるこ
とが好ましい。
【0023】マイクロポアのポア径は、平版印刷版支持
体の表面を、走査型電子顕微鏡により蒸着せずに15万
倍で写真撮影し、得られたSEM写真画像から目視でポ
アの直径を読み取り、30個の平均値を求め、ポア径と
する。ポア密度は同様のSEM写真から400nm四方の
部分を10視野抜き取り、その中のポアの数を数えて平
均した値から求める。
【0024】また、形成される陽極酸化皮膜量の厚さは
0.5〜1.5μmの範囲であることが好ましく、さらに
0.5〜1.0μmの範囲であることがより好ましい。
【0025】〔下塗り層〕本発明に用いる感光材料は、
支持体上に感光性組成物を塗布することにより感光層を
設けてなるものであるが、必要に応じて支持体と感光層
との間に下塗り層を設けることが出来る。下塗り層の成
分としては、種々の有機化合物が用いられ、例えば、カ
ルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガ
ム、2−アミノエチルホスホン酸等のアミノ基を有する
ホスホン酸類、置換基を有しても良いフェニルホスホン
酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセ
ロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホ
スホン酸等の有機ホスホン酸、置換基を有しても良いフ
ェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグ
リセロリン酸等の有機リン酸、置換基を有しても良いフ
ェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキル
ホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸等の有機ホスフ
ィン酸、グリシンやβ−アラニン等のアミノ酸類、及び
トリエタノールアミンの塩酸塩等のヒドロキシ基を有す
るアミンの塩酸塩等から選ばれるが、これらは単独で使
用しても、2種以上混合しても良い。
【0026】有機下塗り層の被覆量は、2〜200mg/
m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。
上記の被覆量が2mg/m2より少ないと十分な効果が得ら
れない。また、200mg/m2より大きくても、耐刷力の
低下や汚れの発生などが生じ、所望の効果が得られな
い。
【0027】〔感光層〕本発明の感光層を構成する光重
合型感光性組成物は、エチレン性不飽和化合物、光重合
開始剤、高分子結合剤を必須成分とし、必要に応じ、着
色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合物を併用す
る事が出来る。
【0028】(エチレン性不飽和化合物)エチレン性不
飽和化合物とは、光重合型感光性組成物が活性光線の照
射を受けた時、光重合開始剤の作用により付加重合し、
架橋、硬化するようなエチレン性不飽和結合を有する化
合物である。従って、このような付加重合可能なエチレ
ン性二重結合を含む化合物は、末端エチレン性不飽和結
合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物
の中から任意に選択することができる。例えばモノマ
ー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリ
ゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合
体などの化学的形態をもつものである。
【0029】モノマーおよびその共重合体の例として
は、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレ
イン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステ
ル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのア
ミド等が挙げられる。
【0030】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソル
ビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリ
レート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトー
ルヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリ
ゴマー等がある。
【0031】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレ
ート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトール
テトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオ
キシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチル
メタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フ
ェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0032】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,
4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレング
リコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタ
コネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
【0033】クロトン酸エステルとしては、エチレング
リコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジ
クロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、
ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロ
トン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソク
ロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネー
ト、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マ
レイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレ
ート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリ
スリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等
がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物も挙
げることができる。
【0034】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等がある。その他の例としては、特公昭48−417
08号公報中に記載されている1分子中に2個以上のイ
ソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、
下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニル
モノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合性ビ
ニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられ
る。
【0035】 CH2=C(R5)COOCH2CH(R6)OH(A) (ただし、R5およびR6はHあるいはCH3を示す。) また、特開昭51−37193号、特公平2−3229
3号各公報に記載されているようなウレタンアクリレー
ト類、特開昭48−64183号、特公昭49−431
91号、特公昭52−30490号各公報に記載されて
いるようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂
と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレー
ト類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げ
ることができる。さらに日本接着協会誌Vol.20、No.
7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モ
ノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使
用することができる。なお、これらエチレン性不飽和化
合物の使用量は、感光層全成分の5〜80質量%、好ま
しくは30〜70質量%の範囲で使用される。
【0036】(光重合開始剤)また本発明の光重合開始
剤としては、使用する光源の波長により、特許、文献等
で公知である種々の光開始剤、あるいは2種以上の光開
始剤の併用系(光開始系)を適宜選択して用いることが
できる。以下に具体例を列挙するがこれらに制限される
ものではない。
【0037】400nm以上の可視光線、Arレーザー、半
導体レーザーの第2高調波、SHG−YAGレーザーを
光源とする場合にも、種々の光開始系が提案されてお
り、例えば、米国特許第2,850,445号に記載のあ
る種の光還元性染料、例えばローズベンガル、エオシ
ン、エリスロシンなど、あるいは、染料と開始剤との組
み合わせによる系、例えば、染料とアミンの複合開始系
(特公昭44−20189号公報)、ヘキサアリールビ
イミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系(特公
昭45−37377号公報)、ヘキサアリールビイミダ
ゾールとp−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの系
(特公昭47−2528号、特開昭54−155292
号各公報)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料
の系(特開昭48−84183号公報)、環状トリアジ
ンとメロシアニン色素の系(特開昭54−151024
号公報)、3−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52
−112681号、特開昭58−15503号各公
報)、ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールの系
(特開昭59−140203号公報)、有機過酸化物と
色素の系(特開昭59−1504号、特開昭59−14
0203号、特開昭59−189340号、特開昭62
−174203号、特公昭62−1641号、米国特許
第4766055号)、染料と活性ハロゲン化合物の系
(特開昭63−1718105号、特開昭63−258
903号、特開平2−63054号各公報など)染料と
ボレート化合物の系(特開昭62−143044号、特
開昭62−150242号、特開昭64−13140
号、特開昭64−13141号、特開昭64−1314
2号、特開昭64−13143号、特開昭64−131
44号、特開昭64−17048号、特開平1−229
003号、特開平1−298348号、特開平1−13
8204号各公報など)ローダニン環を有する色素とラ
ジカル発生剤の系(特開平2−179643号、特開平
2−244050号各公報)、チタノセンと3−ケトク
マリン色素の系(特開昭63−221110号公報)、
チタノセンとキサンテン色素さらにアミノ基あるいはウ
レタン基を含む付加重合可能なエチレン性不飽和化合物
を組み合わせた系(特開平4−221958号、特開平
4−219756号各公報)、チタノセンと特定のメロ
シアニン色素の系(特開平6−295061号公報)、
チタノセンとベンゾピラン環を有する色素の系(特願平
7−164583号)等を挙げることができる。
【0038】また、最近400〜410nmの波長のレー
ザー(バイオレットレーザー)が開発され、それに感応
する450nm以下の波長に高感度を示す光開始系が開発
されており、これらの光開始系も使用することができ
る。例えば、カチオン色素/ボレート系(特開平11−
84647号公報)、メロシアニン色素/チタノセン系
(特開2000−147763号公報)、カルバゾール
型色素/チタノセン系(特願平11−221480号)
等を挙げることができる。
【0039】本発明においては特にチタノセン化合物を
用いた系が、感度の点で優れており好ましい。チタノセ
ン化合物としては、種々のものを用いることができる
が、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61
−151197号各公報に記載されている各種チタノセ
ン化合物から適宜選んで用いることができる。さらに具
体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロラ
イド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニ
ル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,
5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロ
ペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフル
オロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti
−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ
−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジ−フル
オロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti
−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−
メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,
6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシク
ロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェ
ニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−
2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ
−1−イル等を挙げることができる。
【0040】更に上記光開始剤に必要に応じ、2−メル
カプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダ
ゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール等のチオー
ル化合物、N−フェニルグリシン、N,N−ジアルキル
アミノ芳香族アルキルエステル等のアミン化合物等の水
素供与性化合物を加えることにより更に光重合開始能力
が高められることが知られている。これらの光重合開始
剤(系)の使用量はエチレン性不飽和化合物100質量
部に対し、0.05〜100質量部、好ましくは0.1〜
70質量部、更に好ましくは0.2〜50質量部の範囲
で用いられる。
【0041】(高分子結合剤)本発明に用いられる高分
子結合剤としては、該組成物の皮膜形成剤としてだけで
なく、アルカリ現像液に溶解する必要があるため、アル
カリ水に可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が
使用される。有機高分子重合体として、例えば水可溶性
有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。この
様な有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を
有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、
特公昭54−34327号、特公昭58−12577
号、特公昭54−25957号、特開昭54−9272
3号、特開昭59−53836号、特開昭59−710
48号各公報に記載されているもの、すなわち、メタク
リル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重
合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分
エステル化マレイン酸共重合体等がある。
【0042】また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸
性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する付
加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用で
ある。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレー
ト/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重
合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)ア
クリレート(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の
付加重合性ビニルモノマー〕共重合体が好適である。こ
の他に水溶性有機高分子として、ポリビニルピロリドン
やポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮
膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミドや
2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン
とエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
【0043】また特公平7−120040号、特公平7
−120041号、特公平7−120042号、特公平
8−12424号、特開昭63−287944号、特開
昭63−287947号、特開平1−271741号、
特開平11−352691号各公報に記載のポリウレタ
ン樹脂も本発明の用途には有用である。これら高分子重
合体は側鎖にラジカル反応性基を導入することにより硬
化皮膜の強度を向上させることができる。付加重合反応
し得る官能基としてエチレン性不飽和結合基、アミノ
基、エポキシ基等が、又光照射によりラジカルになり得
る官能基としてはメルカプト基、チオール基、ハロゲン
原子、トリアジン構造、オニウム塩構造等が、又極性基
としてカルボキシル基、イミド基等が挙げられる。上記
付加重合反応し得る官能基としては、アクリル基、メタ
クリル基、アリル基、スチリル基などエチレン性不飽和
結合基が特に好ましいが、又アミノ基、ヒドロキシ基、
ホスホン酸基、燐酸基、カルバモイル基、イソシアネー
ト基、ウレイド基、ウレイレン基、スルフォン酸基、ア
ンモニオ基から選ばれる官能基も有用である。
【0044】組成物の現像性を維持するためには、本発
明の高分子結合剤は適当な分子量、酸価を有することが
好ましく、重量平均分子量で5000〜30万、酸価2
0〜200mg-KOH/gの高分子重合体が有効に使用され
る。
【0045】これらの高分子結合剤は感光性組成物全重
量に対し任意な量を混和させることができる。しかし9
0質量%を超える場合には形成される画像強度等の点で
好ましい結果を与えない。好ましくは10〜90質量
%、より好ましくは30〜80質量%である。また光重
合可能なエチレン性不飽和化合物と高分子結合剤は、重
量比で1/9〜9/1の範囲とするのが好ましい。より
好ましい範囲は2/8〜8/2であり、更に好ましくは
3/7〜7/3である。
【0046】(その他の成分)また、本発明においては
以上の基本成分の他に感光性組成物の製造中あるいは保
存中において重合可能なエチレン性不飽和化合物の不要
な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加す
ることが望ましい。適当な熱重合禁止剤としてはハロイ
ドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−
p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコー
ル、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニト
ロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等
が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、全組成物の重
量に対して約0.01%〜約5%が好ましい。また必要
に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン
酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加
して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させて
もよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約
0.5%〜約10%が好ましい。
【0047】更に感光層の着色を目的として、着色剤を
添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシア
ニン系顔料(C. I. Pigment Blue 15:3、15:
4、15:6など)、アゾ系顔料、カーボンブラック、
酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタ
ルバイオレット、アゾ染料、アントラキノン系染料、シ
アニン系染料がある。染料および顔料の添加量は全組成
物の約0.5%〜約20%が好ましい。加えて、硬化皮
膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフ
タレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェ
ート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添
加量は全組成物の10%以下が好ましい。
【0048】本発明の光重合性組成物を支持体上に塗布
する際には種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。
ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロ
ライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、アセラルアセトン、シ
クロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモ
ノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メ
トキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート−3−メトキシプロピ
ルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳
酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混
合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固
形分の濃度は1〜50質量%が適当である。本発明にお
ける光重合性組成物には、塗布面質を向上するために界
面活性剤を添加することができる。その被覆量は乾燥後
の重量で約0.1 g/m2〜約10 g/m2の範囲が適当で
ある。より好ましくは0.3〜5 g/m2である。更に好
ましくは0.5〜3 g/m2である。
【0049】(4)保護層 また、通常、前記感光層の上には、酸素の重合禁止作用
を防止するために酸素遮断性の保護層が設けられる。酸
素遮断性保護層は通常、水溶性ビニル重合体等の水溶性
高分子化合物を水等の溶媒に溶解したものを塗布して設
けられる。酸素遮断性保護層に含まれる水溶性ビニル重
合体としては、ポリビニルアルコール、およびその部分
エステル、エーテル、およびアセタール、またはそられ
に必要な水溶性を有せしめるような実質的量の未置換ビ
ニルアルコール単位を含有するその共重合体が挙げられ
る。ポリビニルアルコールとしては、71〜100%加
水分解され、重合度が300〜2400の範囲のものが
挙げられる。具体的には株式会社クラレ製PVA−10
5、PVA−110、PVA−117、PVA−117
H、PVA−120、PVA−124、PVA−124
H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、P
VA−203、PVA−204、PVA−205、PV
A−210、PVA−217、PVA−220、PVA
−224、PVA−217EE、PVA−220、PV
A−224、PVA−217EE、PVA−217E、
PVA−220E、PVA−224E、PVA−40
5、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げ
られる。上記の共重合体としては、88〜100%加水
分解されたポリビニルアセテートクロロアセテートまた
はプロピオネート、ポリビニルホルマールおよびポリビ
ニルアセタールおよびそれらの共重合体が挙げられる。
その他有用な重合体としてはポリビニルピロリドン、ゼ
ラチンおよびアラビアゴムがあげられ、これらは単独ま
たは、併用して用いても良い。
【0050】本発明の酸素遮断性保護層を塗布する際用
いる溶媒としては、純水が好ましいが、メタノール、エ
タノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチル
ケトンなどのケトン類が純水と混合しても良い。そして
塗布溶液中の固形分の濃度は1〜20質量%が適当であ
る。本発明の酸素遮断性保護層にはさらに塗布性を向上
させるための界面活性剤、皮膜の物性を改良するための
水溶性の可塑剤等の公知の添加剤を加えても良い。
【0051】水溶性の可塑剤としては例えばプロピオン
アミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビ
トール等がある。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポ
リマーなどを添加しても良い。その被服量は乾燥後の重
量で約0.1 g/m2〜約15 g/m2の範囲が適当であ
る。より好ましくは1.0 g/m2〜約5.0 g/m2であ
る。
【0052】〔露光工程〕上記した光重合成感光材料に
は、画像処理された画像情報を担持した光の照射が行な
われる。ここで、画像処理された画像情報とは、コンピ
ュータ上で画像を編集して印刷原稿としてそれを電気信
号化した画像情報、画像スキャナーによって読み込んで
電気信号化した画像情報、コンピュータに取り入れた画
像に種々の修飾用の画像処理を施してそれを電気信号化
して出力した画像情報、それらを組み合わせた画像情報
など、すなわちもとの画像の画像情報が、電子的な処理
を経て電気的な画像信号の形に変換されて出力された画
像情報を指している。本発明においては、このように画
像処理された画像情報を照射光に担持(変調)させて、
その光を感光材料に露光する。
【0053】露光に用いられる光源は、例えば、カーボ
ンアーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハラ
イドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲ
ンランプ、ヘリウムカドミニウムレーザー、アルゴンイ
オンレーザー、FD・YAGレーザー、ヘリウムネオン
レーザー、半導体レーザー(350nm〜600nm)、K
rFエキシマレーザー等の従来公知の光源であり、特に
半導体レーザーや固体対レーザーが好ましい。
【0054】また、光重合型感光性組成物の感光層の上
には、前述したように、通常、酸素遮断性を有するオー
バーコート層が設けてあり、本発明の現像液を用いて、
オーバーコート層の除去と感光層未露光部の除去を同時
に行う方法、または、水、温水でオーバーコート層を先
に除外し、その後未露光部の感光層を現像で除去する方
法が知られている。これらの水または温水には特開平1
0−10754号公報に記載の防腐剤等、特開平8−2
78636号公報記載の有機溶剤等を含有させることが
できる。
【0055】本発明における感光性平版印刷版の前記現
像液による現像は、常法に従って、0〜60℃、好まし
くは15〜40℃程度の温度で、例えば、露光処理した
感光性平版印刷版を現像液に浸漬してブラシで擦る等に
より行う。さらに自動現像機を用いて現像処理を行う場
合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、充填液
または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させても良
い。
【0056】このようにして現像処理された感光性平版
印刷版は特開昭54−8002号、同55−11504
5号、同59−58431号等の各公報に記載されてい
るように、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、
アラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理
される。本発明の感光性平版印刷版の後処理にはこれら
の処理を種々組み合わせて用いることができる。上記の
様な処理により得られた印刷版は特開2000−894
78号公報に記載の方法による後露光処理やバーニング
などの加熱処理により、耐刷性を向上させることができ
る。このような処理によって得られた平版印刷版はオフ
セット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0057】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明の範囲はこれらによって限定される
ものではない。下記の成分からなるAl溶湯を調整し、溶
湯処理、濾過を行った上で、厚さ500mm、幅1200
mmの鋳塊をDC鋳造法で作成し、表面を平均10mm面削
機で削り取った後、約5時間550℃で均熱保持し、温
度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚
さ2.7mmの圧延板とし、更に連続焼鈍機を使って熱処
理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mm
に仕上げた。このアルミ板を本発明の以下の実施例、及
び比較例に使用した。下記実施例におけるパーセント
は、特に断りがない限り、全て質量%である。
【表1】表1
【0058】上記のように調整した、厚さ0.24mm、
幅1030mmのJIS A 1050アルミニウム板を
用いて連続的に処理を行った。 (a) 既存の機械的粗面化装置を使って、比重1.1
2の研磨剤(パミス)と水の懸濁液を研磨スラリー液と
してアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するロ
ーラー状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行っ
た。研磨剤の平均粒径は40〜45μm最大粒径は20
0μmだった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロ
ンを使用し、毛長50mm、毛の直径は0.3mmであっ
た。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に
穴を開けて密になるように植毛した。回転ブラシは3本
使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラー(φ200
mm)の距離は300mmであった。ブラシローラーはブラ
シを回転させる駆動モーターの負荷が、ブラシローラー
をアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kw
プラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はア
ルミニウム板の移動方向と同じで回転数は200rpm で
あった。
【0059】(b) アルミニウム板を苛性ソーダ濃度
2.6wt%、アルミニウムイオン濃度6.5wt%、温度7
0℃でスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニ
ウム板を13 g/m2溶解した。その後スプレーによる水
洗を行った。 (c) 温度30℃の硝酸濃度1wt%水溶液(アルミニ
ウムイオン0.5wt%含む)で、スプレーによるデスマ
ット処理を行い、その後スプレーで水洗した。前記デス
マットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用
いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
【0060】(d) 60Hzの交流電圧を用いて連続的
に電気化学的な粗面化処理を行った。この時の電解液
は、硝酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt
%、アンモニウムイオン0.007wt%含む)、温度4
0℃であった。交流電源は電流値がゼロからピークに達
するまでの時間TPが2msec、duty比1:1、台形の矩
形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学
的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライト
を用いた。電流密度は電流のピーク値で30 A/dm2
電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で25
5 C/cm2であった。補助陽極には電源から流れる電流
の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行
った。
【0061】(e) アルミニウム板を苛性ソーダ濃度
26wt%、アルミニウムイオン濃度6.5wt%でスプレ
ーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム
板を0.2 g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学
的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウム
を主体とするスマット成分の除去と、生成したピットの
エッジ部分を溶解し、エッジ部分を滑らかにした。その
後スプレーで水洗した。 (f) 温度60℃の硫酸濃度25wt%水溶液(アルミ
ニウムイオンを0.5wt%含む)で、スプレーによるデ
スマット処理を行い、その後スプレーによる水洗を行っ
た。 (g) 既存の二段給電電解処理法の陽極酸化装置(第
一および第二電解部長各6m、第一給電部長3m、第二
給電部長3m、第一及び第二給電電極長各2.4m)を
使って電解部の硫酸濃度170g/リットル(アルミニ
ウムイオンを0.5wt%含む)、温度38℃で陽極酸化
処理を行った。その後スプレーによる水洗を行った。こ
の時、陽極酸化装置においては、電源からの電流は、第
一給電部に設けられた第一給電電極に流れ、電解液を介
して板状アルミニウムに流れ、第一電解部で板状アルミ
ニウムの表面に酸化皮膜を生成させ、第一給電部に設け
られた電解電極を通り、電源に戻る。
【0062】一方、電源からの電流は、第二給電部に設
けられた第二給電電極に流れ、同様に電解液を介して板
状アルミニウムに流れ、第二電解部で板状アルミニウム
の表面に酸化皮膜を生成させるが、電源から第一給電部
に給電される電気量と電源から第二給電部に給電される
電気量は同じであり、第二給電部における酸化皮膜面で
の給電電流密度は、約25(A/dm2)であった。第二給電
部では、1.35 g/m 2の酸化皮膜面から給電すること
になった。最終的な酸化皮膜量は2.7 g/m2であっ
た。ここまでの基板を〔A〕とする。
【0063】基板〔A〕において、(a)のブラシ研磨
を除いて作製した基板を〔B〕とする。基板〔B〕にお
いて、(g)陽極酸化処理における処理温度が50℃
で、給電電流密度が5(A/dm2)であったものを基板
〔C〕とする。基板〔B〕において、(g)陽極酸化処
理における処理液温度が10℃で、給電電流密度が40
(A/dm2)、硫酸濃度80g/リットルであったものを基
板〔D〕とする。基板〔B〕において、(g)陽極酸化
処理における処理液温度が60℃で、給電電流密度が1
(A/dm2)、硫酸濃度350g/リットルであったものを
基板〔E〕とする。基板〔B〕において、陽極酸化処理
後、pH12のNaOH水溶液に40℃で10秒間浸漬した
ものを基板〔F〕とする。基板〔B〕において、(g)
陽極酸化処理における処理液温度が50℃で、給電電流
密度が10(A/dm2)、硫酸濃度300g/リットルであ
ったものを基板〔G〕とする。基板〔B〕において、
(g)陽極酸化処理における処理液温度が5℃で、給電
電流密度が50(A/dm2)、硫酸濃度50g/リットルで
あったものを基板〔H〕とする。以上のように作成した
基板について、ポア径(nm)及びポア密度(個/cm
2)を以下に記載するように測定した。結果は表3に示
す。
【0064】マイクロポア測定法 所定のAl基板に、実施例の感光層、保護層を塗布し、
感光性平版印刷版とした後、該感光性平版印刷版を現像
処理し、水洗によって非画像部上のガムを洗い落とし自
然乾燥した後の表面を、日立製作所(株)製S−900走
査型電子顕微鏡により蒸着せずに15万倍で写真撮影し
た。得られたSEM写真画像から目視でポア直径を読み
取り、30個の平均値を求めポア径とした。またポア密
度(個/cm2)は、同様に15万倍で撮影したSEM写
真において400nm四方の部分を10視野抜き取り、そ
の中のマイクロポアの数を数えて平均した値から算出し
た。
【0065】〔実施例1〜4、比較例1〜4〕上述した
ように処理された各アルミニウム板(〔A〕〜〔H〕)
上に、下記組成の高感度光重合性組成物1を乾燥塗布重
量が1.5 g/m2となるように塗布し、100℃で1分
間乾燥させ、感光層を形成した。 (光重合性組成物1) エチレン性不飽和結合含有化合物(A1) 1.5質量部 線状有機高分子重合体(高分子結合剤)(B1) 2.0質量部 増感剤(C1) 0.2質量部 光重合開始剤(D1) 0.2質量部 ε−フタロシアニン(F1)分散物 0.02質量部 フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF176 0.02質量部 (大日本インキ化学工業(株)製) メチルエチルケトン 10.0質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0質量部 この感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モ
ル%、重合度500)の3質量%の水溶液を乾燥塗布重
量が2.5 g/m2となるように塗布し、120℃で3分
間乾燥させ、光重合性平版印刷版を得た。
【0066】
【化1】
【0067】これらの感光性平版印刷版を、それぞれF
D・YAGレーザー(CSI社製プレートジェット4)
で100μJ/cm2の露光量で、4000dpi にて17
5線/インチの条件で、ベタ画像と1〜99%の網点画
像を走査露光した後、現像液1およびフィニッシングガ
ム液FP−2W(富士写真フイルム製)を水で4倍に希
釈を仕込んだ自動現像機(テクニグラフ社製FLP85
0PII、現像速度1.0m/分、現像液仕込み50L、
プレヒート後に酸素遮断層を水洗除去する機構有り)で
標準処理を行った。自動現像機のプレヒートの条件は版
面到達温度が100℃、現像液温は25℃、現像液への
浸漬時間は20秒であった。現像液1は下記組成よりな
り、pHは25℃で11.8、導電率は5mS/cmであっ
た。表3に、各実施例及び比較例で用いた支持体、ポア
径、ポア密度及び現像液を記載した。
【0068】 (現像液1の組成) 水酸化カリウム(48%) 0.12g ポリオキシエチレンフェニルエーテル(n=13) 5.0g キレスト400(キレート剤) 0.2g 上記成分を水に溶解し、合計で100gになるように調
整した。
【0069】〔実施例5〜8〕実施例1の感光性平版印
刷版を用いて、現像液1を表2に示した組成に変更し、
水に溶解し合計で100gになるように現像液を調整し
た。それ以外は全て実施例1と同じ方法で平版印刷版を
製版した(表3)。
【0070】
【表2】表2 現像液
【0071】〔比較例5〜8〕実施例1〜4の現像液1
に代えて、アルカリ金属珪酸塩を含む現像液として富士
写真フイルム(株)製DV−1現像液を水で10倍に希
釈した溶液を現像液として用い、他は実施例9と同様の
方法で印刷版を作成した(表3)。このときの現像液の
pHは12.8で導電率は32mS/cmであった。
【0072】上記の実施例1〜8、比較例1〜8の製版
方法で得られた平版印刷版について三菱重工製ダイヤ1
F−2印刷機を使用して印刷し、下記のように耐刷性と
網点の太りを評価した。印刷インキは大日本インキ社製
グラフG(N)を使用した。印刷スタートから5000
枚目毎に印刷物をサンプリングして、ベタ画像部分のイ
ンキの濃度が低くなり始めた枚数を耐刷性とした。網点
太りの指標として、網点部分の濃度からマレーデービス
の式により印刷物上網点%を算出した。具体的にはCS
I社プレートジェット4で露光し、現像処理した平版印
刷版の50%網点画像部をGRETAG社製反射濃度計
D196を用いて網点面積を測定した。結果を表4に示
す。
【0073】
【表3】表3
【0074】
【表4】表4 評価結果
【0075】表4から明らかなように、各比較例の平版
印刷版は耐刷性または網点面積率の評価結果において不
満足なものであった。特にポア径、ポア密度が本発明の
範囲外である場合には、網点太りが見られ(比較例1〜
4)、さらに耐刷性が低下する場合(比較例1)も見ら
れた。また、ポア径、ポア密度が本発明の範囲内であっ
ても現像液が本発明の範囲外のものを使用した場合には
耐刷性が劣り、また網点面積率も増加する傾向が見られ
た(比較例5〜8)。これに対し、本発明の方法により
作成された各実施例の平版印刷版は、驚くべきことに耐
刷性または網点面積率の双方において満足すべき結果が
得られた(実施例1〜8)。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の平版印刷
版の製版方法は、支持体上の陽極酸化皮膜に存在するマ
イクロポアの径及び密度を所定の範囲に規定し、比較的
pHが低く、特定の構造のノニオン系界面活性剤を含有
させ、塩濃度を調整した現像液現像液を使用することに
より、現像性が優れ、レーザー露光のフレアーの影響が
小さく、かつ耐刷性の優れた平版印刷版の作製が可能で
ある。また現像液のpHが比較的低いため、安全上好ま
しく、現像廃液の環境への影響も改善できる効果を奏す
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA04 AB03 AD01 BC31 CA00 CB00 DA18 DA20 FA17 2H096 AA07 BA05 CA03 GA09 GA11 GA13

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも粗面化処理と陽極酸化処理を
    行ったアルミニウム支持体上にエチレン性不飽和二重結
    合を有する化合物、光重合開始剤、及び高分子結合剤を
    含む光重合型感光層を設けてなる感光性平版印刷版を画
    像露光した後、現像液で現像する平版印刷版の製版方法
    であって、該支持体上の陽極酸化皮膜の量が1.0〜3.
    0g/m2、皮膜に存在するマイクロポアがポア径5〜1
    5nm、ポア密度8×1013〜2×1015個/m2であり、
    該現像液が無機のアルカリ剤とポリオキシアルキレンエ
    ーテル基を有するノニオン系界面活性剤を含有し、pH
    10.0〜12.5、導電率3〜30mS/cmであることを
    特徴とする上記平版印刷版の製版方法。
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