JP4243045B2 - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版の製版方法に関し、さらに詳しくは、高感度で、現像カス、および経時や繰り返し使用での現像特性の低下による印刷汚れの発生のない優れた製版方法に関する。さらに、本方法によって得られる平版印刷版は、画像部に対して現像ダメージが少なく、強固な画像が得られるため、印刷中にブラインディンク等の故障がなく、高い耐刷性を実現することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、ネガ型感光性平版印刷版としては、親水処理されたアルミニウム板上にジアゾ樹脂を含有する感光層を設けたものが広く使用されており、そのため現像液には有機溶剤を使用せざるを得ず、現像廃液の処理や、環境への影響が懸念されていた。また、ポジ型感光性平版印刷版の感光層には、オルソキノンジアジド化合物とノボラック樹脂との組み合わせが使用されており、現像液にはノボラック樹脂を溶解するアルカリ性の珪酸塩水溶液が用いられてきた。しかし、ノボラック樹脂を溶解するためには13程度の高いpHが必要で、このような現像液では皮膚や粘膜に対する刺激性が強く危険であり、取り扱いに際しては十分な注意が必要であった。
【0003】
一方、アルミニウム支持体上に光重合型の感光層(光重合開始剤、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、高分子結合剤、着色顔料、その他必要に応じて界面活性剤や重合禁止剤などを含有する光重合性組成物)を有する感光性平版印刷版も従来公知であり、特に、重合開始剤としてチタノセン化合物と色素の組み合わせ(チタノセン系光重合開始剤)を用いた感光性平版印刷版は、感度と安定性に優れるため、広く使用されている。その現像液としては、アルカリ金属の珪酸塩、燐酸塩、炭酸塩、水酸化物等、および有機アミン化合物等の水溶液が提案されている。
【0004】
例えば、特開平8−248643号公報には、12以上の高pHで珪酸アルカリ塩と両性界面活性剤を含む現像液が、特開平11−65129号には、SiO2/M2O(Mはアルカリ金属)が規定されたpH12以下の珪酸アルカリ珪酸塩を含む現像液が開示されている。
前者には取り扱い上の問題の他に、現像液の高pHのため画像部が現像の際にダメージを受けやすく、充分な耐刷力が得られないという問題が、また後者には使用中の僅かな現像液のpH低下により、珪酸塩がゲル化、不溶化してしまうという問題があった。
【0005】
珪酸アルカリ塩を用いない現像液としては、特開昭61−109052号公報に、アルカリ試薬、錯化剤、アニオン界面活性剤、乳化剤、n−アルカン酸等からなる現像液が、また西ドイツ特許第1984605号公報には、アルカリ剤、錯化剤、アニオン界面活性剤、アミルアルコール、N−アルコキシアミン類を含んだ現像液が開示されている。しかし、両者ともpHが高く、有機溶剤を含有するため、画像部のダメージが大きく、耐刷性等において満足のいく性能を得ることができなかった。
比較的pHが低く(pH12以下)、珪酸アルカリを含まない現像液としては、特開2000−81711号公報に、アニオン界面活性剤を含む水酸化カリウム水溶液からなる現像液が、また特開平11−65126号公報にはpH8.5〜11.5のアルカリ金属の炭酸塩水溶液からなる現像液が開示されている。
【0006】
しかしながら、このような比較的低pHの現像液は、基本的に光重合型感光層の溶解力が乏しいため、例えば、経時した版材で充分に現像が進まず、残膜が生じる等の問題があった。これらの問題を解決するためには、版材感光層中の高分子結合剤の酸価を高くして現像性を稼ぐか、又は酸基を有するモノマーを併用する等の工夫が必要であるが、この様な高酸価バインダーを使用した場合には、印刷の途中でインキが着肉しなくなる問題(ブラインディング)等、印刷上の問題が発生しやすかった。
【0007】
また、いずれの現像液においても、環境に対する配慮から廃液削減のため繰り返し使用を行うと、感光層中の成分、特に光重合開始剤や感光層を着色する為に加えられた着色剤が現像カスとして多量に析出し、現像装置内に堆積してしまうため除去が必要となり、メンテナンスの煩雑化、ひいては故障の原因となる等の問題を抱えていた。
さらに、市場では、コスト削減のため、製版時間短縮による生産性向上のニーズが高まっている。開始剤を増量し、高感度化することによって製版時間を大幅に短縮できることが知られているが、上記現像カスの問題から、開始剤増量による充分な高感度化は困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、環境、安全上好ましい比較的低pHのアルカリ現像液を用い、現像カスのでないメンテナンスフリーの製版方法であり、かつ非画像部では良好な現像性を有し印刷での汚れがなく、画像部に対しては現像でのダメージが少ない強固な画像強度を与えることで高い耐刷性が得られ、更には印刷中にブラインディング等の印刷故障がなく、安定して良好な印刷性能を実現し、高感度かつ高生産性を有する平版印刷版の製版方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、比較的pHが低いアルカリ溶液と、金属に配位し得る化合物とを組み合わせることで、高耐刷かつ印刷汚れの発生がなく、現像液に対する感光層成分、特にチタノセン系光重合開始剤あるいは金属フタロシアニン系着色顔料等の溶解性、分散性が改善され現像カスを発生させないことを見いだし、本発明を成すに至った。
【0010】
すなわち本発明は、アルミニウム支持体上に、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、高分子結合剤、光重合開始剤および着色剤を含有する光重合型感光性組成物からなる感光層を有する感光性平版印刷版を、画像露光した後、金属に配位し得る化合物として水溶性でかつ金属と錯体を形成しうるポリマーを含有し、pH10.0〜12.8である現像液で現像することを特徴とする平版印刷版の製版方法であり、本発明によって現像装置のメンテナンスが容易で、印刷汚れがなく、高耐刷かつ高感度で高い生産性を有する印刷版を安定的に得ることができる。
【0011】
チタノセン系光重合開始剤および/または金属フタロシアニン系着色顔料を用いた感光層を有する感光性平版印刷版を、従来の現像液にて現像すると、現像カスが発生し、不都合であった。この現像カスは、チタノセン系光重合開始剤および/または金属フタロシアニン系着色顔料の現像液中での析出が原因であった。従来の方法では、チタノセン系光重合開始剤および/または金属フタロシアニン系着色顔料を、現像液中に析出させることなく充分に溶解させることができなかったが、本発明では、現像液に金属配位性の化合物を添加することで、現像カスの主要因であるチタノセン系光重合開始剤および/または着色剤(金属フタロシアニン系着色顔料)の現像液中での分散性が向上し、現像カスの発生を防止することが可能となった。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の平版印刷版の製版方法について詳細に説明する。
本発明は、アルミニウム支持体上に、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、高分子結合剤、光重合開始剤および着色剤を含有する光重合型感光性組成物からなる感光層を有する感光性平版印刷版を、画像露光した後、金属に配位し得る化合物として水溶性でかつ金属と錯体を形成しうるポリマーを含有し、pH10.0〜12.8である現像液で現像することを特徴とする平版印刷版の製版方法であるが、本明細書には、参考のためその他の事項についても記載した。
まず、本発明の特徴である平版印刷版の製版に用いられる新規な現像液について説明する。
本発明の平版印刷版の製版方法に使用される現像液は、金属に配位し得る化合物を含有するものであり、そのpHが10.0〜12.8である。
【0013】
金属に配位し得る化合物とは、現像カスの主要因であるチタノセン光重合開始剤を構成する金属チタノセンおよび/または金属フタロシアニン系着色顔料の中心金属(例えば、銅、鉄、ニッケル、マンガン、亜鉛、コバルトなど)に配位し、錯体を形成し得る化合物を指す。錯体を形成することによって該感光層構成要素の溶解性、分散性が向上し、現像カスを発生しない。
【0014】
金属と錯体を形成しうる化合物としては、例えば、リン酸化合物、ホスホン酸化合物、アミン化合物(アミノ、イミド)、カルボン酸化合物、アルコール化合物、スルホン酸化合物、ニトリド化合物、アジド化合物、ペルオキソ化合物、π−アリール化合物等が挙げられる。これら化合物は、錯体形成が容易であることから該官能基を2個以上有する化合物が好ましい。また、これら化合物は低分子であってもよいし、オリゴマー、あるいはポリマーであってもよい。具体的には、安息香酸、イミノ二酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、2−アミノ−2−プロピルホスホン酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸、タイロン、ソロクロムバイオレットR、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、シュウ酸、オキシ二酢酸、サリチル酸、5−スルホサリチル酸、8−ヒドロキシ−7−(アリールアゾ)−キノリン−5−スルホン酸、フェニルセリン、アセトヒドロキサム酸、3−ヒドロキシ−5,7−ジスルホ−2−ナフトエ酸、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸、スルホキシン、オキシン、アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロ−2,2−ジメチル−3,5−オクタンジオン、トリフルオロアセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、ジピバロイルメタン、マロン酸、コハク酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(1,1−ベンゾピラン)−3,5,7−トリオール、3−ヒドロキシ−7−スルホ−2−ナフトエ酸、1,2−ジヒドロキシナフタレン−4−スルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)−イミノ二酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)−イミノ二酢酸、イミノビス(メチレンホスホン酸)、酒石酸、1−オキソプロパン−1,2−ジカルボン酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、クエン酸、デスフェリフェリオキサミン−B、1,7−ジヒドロキシ−4−スルホ−2−ナフトエ酸、グルタミン酸、ピリドキサール−5−(ジヒドロホスフェート)、ニトリロ三酢酸、アミノ(フェニル)メチレン−ジホスホン酸、エチレンビス〔イミノ−(2−ヒドロキシフェニル)メチレン(メチル)−ホスホン酸〕、N−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジニトリロ−N,N',N'−三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、トリメチレンジニトリロ四酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、(2−ヒドロキシトリメチレン)−ジニトリロ四酢酸、エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)四酢酸、N,N,N'、N'',N''−ジエチレントリアミン−五酢酸、N,N,N'、N'',N''',N'''−テトラエチレンテトラミン六酢酸、セミ−キシレノ−ルオレンジ、セミールメチルチモールブルー、3−ヒドロキシグルタミン酸、ホスホセリン、アミノ−3−ホスホプロピオン酸、グリホスフェート、フェニルホスホン酸、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ポリビニルホスホン酸等が挙げられる。これらの中で金属と錯体を形成しうる化合物が好ましく、遷移金属と錯体を形成し得る化合物がより好ましく、現像カスの主要因であるチタノセン光重合開始剤に含まれる金属チタノセンあるいは金属フタロシアニン系顔料の中心金属(例えば、銅、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、亜鉛など)と錯体を形成しうる化合物は特に好ましい。また、該金属イオンが1モル/リットルであるような水溶液において、錯体安定度定数の自然対数値が3以上である化合物は溶解性、分散性に優れるので好ましく、より好ましくは5以上、さらに好ましくは7以上である。
【0015】
また、金属に配位しうる化合物は、それ自身が水溶性、かつ金属と錯体を形成しうるポリマーであることが好ましい。このようなポリマーとしては、親水性基を有する共重合成分と、金属に配位しうる基を有する共重合成分とからなるポリマーを挙げることができる。
親水性基を有する共重合成分としては、ヒドロキシル基、ポリオキシアルキレン基、アミノ基、アミド基、アンモニウム基、カルボキシル基およびその共役塩基基、スルホン酸基およびその共役塩基基、ホスホン酸基およびその共役塩基基等を有するものを挙げることができる。
以下にこれらの共重合成分に相当する構造単位の具体例を示すが、これに限定されるものではない。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
また、金属に配位しうる基を有する共重合成分としては、一般式(I)および/または(II)で表される構造を有するものが好ましい。
【0019】
【化3】
【0020】
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素原子数が1から30までの炭化水素基を、Yは共重合成分主骨格との連結基を表す。Arは置換基を有していてもよい窒素原子を1個以上含有するへテロアリール基を表す。)
【0021】
炭素原子数が1から30までの炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含むヘテロアリール基が挙げられる。
【0022】
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−ノルボルニル基等の炭素原子数が1から30までの直鎖状、分枝状、または環状のアルキル基が挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基等の炭素原子数が1から30までの直鎖状、分枝状または環状のアルケニル基が挙げられる。
【0023】
アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−オクチニル基等の炭素原子数が1から30までのアルキニル基が挙げられる。
アリール基の具体例としては、1個から4個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と不飽和五員環とが縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としてはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基、ピレニル基等の炭素原子数が1から30までのアルール基が挙げられる。
【0024】
窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含むヘテロアリール基としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含む複素芳香環上の水素原子を1個除し、ヘテロアリール基としたものを挙げることができる。窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含む複素芳香環の具体例としては、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、インドール、カルバゾール、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、チアナフテン、ジベンゾチオフェン、インダゾールベンズイミダゾール、アントラニル、ベンズイソオキサゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、プリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、キノリン、アクリジン、イソキノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキザリン、ナフチリジン、フェナントロリン、プテリジン等が挙げられる。
【0025】
これら炭素原子数が1から30までの炭化水素基は任意の置換基によって1個以上置換されていてもよい。置換基としては水素を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、N−アシルスルファモイル基及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(aryl))及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(aryl))及びその共役塩基基、アルコキシシリル基(−Si(Oalkyl)3)、アリーロキシシリル基(−Si(Oaryl)3)、ヒドロキシシリル基(−Si(OH)3)及びその共役塩基基、ホスホノ基(−PO3H2)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基、ホスホノオキシ基(−OPO3H2)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
【0026】
Yで表される連結基としては、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群がら選ばれるヘテロ原子を1個以上含む官能基で1回以上中断されていてもよい、置換または無置換の炭素原子数1〜30までの二価の炭化水素基が挙げられる。
【0027】
Arは窒素原子を1個以上含有するヘテロアリール基であり、具体的には置換基を有していてもよいピロ一ル、ピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール、インドール、カルバゾール、アザインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、プリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フェナントロリン、プテリジン等の含窒素ヘテロ芳香環を構成する炭素原子上の水素原子を1個除し、1価の基としたものを挙げることができる。
【0028】
以下に、一般式(I)および/または(II)で表される構造を有する共重合成分に相当する構造単位の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】
親水性基を有する共重合成分と金属に配位しうる基を有する共重合成分は、ポリマー中にそれぞれ少なくとも1種ずつ含有するが、2種以上を含有していてもよい。さらに、これら親水性基を有する共重合成分と金属に配位しうる基を有する共重合成分の他に、第3の共重合成分を導入し、3元以上のコポリマーとすることもできる。このような共重合成分としては、従来公知のものを制限なく使用できる。具体的には、「高分子データハンドブック−基礎編−(高分子学会編、培風館、1986)」記載の共重合成分が挙げられる。このような第3の共重合成分は1種類であってもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0032】
上記ポリマーにおける親水性基を有する共重合成分と、金属に配位しうる基を有する共重合成分の導入率は、それぞれどのような構造を選択するか、あるいは現像液の組成(例えばpHや、界面活性剤等、他の成分の種類や含有量)等によって任意に設定しうる。好ましくは、親水性基を有する共重合成分と金属に配位しうる基を有する共重合成分(2種以上用いた場合には、それらの合計)、それぞれ少なくとも5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上含有する。それぞれ5モル%未満であると、カスの析出が起こりやすくなる。
また、ポリマーの分子量についても同様に任意に設定しうる。分子量が高くなると、カスの発生が起きやすく、低すぎてもカスが発生しやすい。好ましい分子量としては、2,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜500,000、さらに好ましくは10,000〜200,000の範囲である。
【0033】
これら金属に配位し得る化合物は単独、もしくは組み合わせて使用することができる。また、これら金属に配位し得る化合物の現像液中における含有量は有効成分換算で1〜30重量%が好ましく、3〜25重量%がより好ましく、5〜20重量%がさらに好ましい。
ここで添加量が少なすぎると、現像性低下および感光層成分の溶解性低下を招き、逆に多すぎると、印刷版の耐刷性を低下させることがある。
【0034】
また、本発明の方法に用いられる現像液は、無機のアルカリ剤を含有することが好ましい。無機のアルカリ剤としては、特に限定されないが、例えば、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、及び、同リチウム等の無機アルカリ剤が挙げられる。
また、アルカリ濃度の微少な調整、感光層の溶解性補助の目的で、補足的に有機アルカリ剤を併用してもよい。有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。
これらのアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0035】
本発明で使用される現像液のpHは、10.0〜12.8であるが、下回ると画像形成ができなくなり、逆に範囲を超えると過現像になり露光部での現像のダメージが強くなるという問題が生じる。より好ましいpH範囲は、11.0〜12.5である。
【0036】
本発明で使用される現像液は、さらに以下に記すような界面活性剤を添加してもよい。添加してもよい界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ソーダ等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤等が使用可能であるが、これらの中でも、下記一般式(III)の構造を有するポリオキシアルキレンエーテル基を含有するノニオン系界面活性剤が好適に使用される。
【0037】
R14−O−(R15−O)nH (III)
【0038】
式中、R14は、置換基を有してもよい炭素数3〜15のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい炭素数4〜15の複素環式芳香族基(なお、置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、Br、Cl、I等のハロゲン原子、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、炭素数7〜17のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜15のアシル基が挙げられる。)を示し、R15は、置換基を有してもよい炭素数1〜100のアルキレン基(なお、置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基が挙げられる。)を示し、nは1〜100の整数を表す。
【0039】
また式(III)の(R15−O)nの部分は、上記範囲であれば、互いに異なった構造であってもよい。具体的にはエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソプロピルオキシ基、エチレンオキシ基とブチレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソブチレン基等の組み合わせのランダム又はブロック状に連なったもの等が挙げられる。
これら界面活性剤は単独、もしくは組み合わせて使用することができる。また、これら界面活性剤の現像液中における含有量は有効成分換算で0.1〜20重量%が好ましい。
【0040】
本発明の現像液には、上記の成分の他に、必要に応じて以下の様な成分を併用することができる。例えば安息香酸、フタル酸、p−エチル安息香酸、p−n−プロピル安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、p−n−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p−2−ヒドロキシエチル安息香酸、デカン酸、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の有機カルボン酸;イソプロピルアルコール、ヘンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の有機溶剤;この他、キレート剤、還元剤、染料、顔料、硬水軟化剤、防腐剤、消泡剤等が挙げられる。
【0041】
次に、本発明に用いる感光性平版印刷版について説明する。
本発明に用いる感光性平版印刷版の感光層を構成する光重合型感光性組成物は、光重合開始剤、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、着色剤および高分子結合剤を必須成分とし、必要に応じて可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合物を併用することができる。
【0042】
本発明の感光性平版印刷版の感光層に含有させる系光重合開始剤としては、使用する光源の波長により、特許、文献等で公知である種々の光重合開始剤、または2種以上の光重合開始剤の併用系(光重合開始系)を適宜選択して使用することができる。
青色半導体レーザー、Arレーザー、赤外半導体レーザーの第2高調波、SHG−YAGレーザーを光源とする場合には、種々の光重合開始剤(系)が提案されており、例えば米国特許第2,850,445号に記載のある種の光還元性染料、例えばローズべンガル、エオシン、エリスロシンなど、あるいは染料と開始剤との組み合わせによる系、例えば染料とアミンの複合開始系(特公昭44−20189号)、ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系(特公昭45−37377号)、ヘキサアリールビイミダゾールとp−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの系(特公昭47−2528号、特開昭54−155292号)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系(特開昭48−84183号)、環状トリアジンとメロシアニン色素の系(特開昭54−151024号)、3−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−112681号、特開昭58−15503号)、ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−140203号)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−1504号、特開昭59−140203号、特開昭59−189340号、特開昭62−174203号、特公昭62−1641号、米国特許第4766055号)、染料と活性ハロゲン化合物の系(特開昭63−1718105号、特開昭63−258903号、特開平2−63054号など)、染料とボレート化合物の系(特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開昭64−13140号、特開昭64−13141号、特開昭64−13142号、特開昭64−13143号、特開昭64−13144号、特開昭64−17048号、特開平1−229003号、特開平1−298348号、特開平1−138204号など)、ローダニン環を有する色素とラジカル発生剤の系(特開平2−179643号、特開平2−244050号)、チタノセンと3−ケトクマリン色素の系(特開昭63−221110号)、チタノセンとキサンテン色素さらにアミノ基あるいはウレタン基を含む付加重合可能なエチレン性不飽和化合物を組み合わせた系(特開平4−221958号、特開平4−219756号)、チタノセンと特定のメロシアニン色素の系(特開平6−295061号)、チタノセンとベンゾピラン環を有する色素の系(特開平8−334897号)等を挙げることができる。
【0043】
本発明に用いる感光性平版印刷版の感光層において、特に好ましい光重合開始剤(系)は、少なくとも1種のチタノセンを含有する。
本発明において光重合性開始剤(系)として用いられるチタノセン化合物は、その他の増感色素との共存下で光照射した場合、活性ラジカルを発生し得るチタノセン化合物であればいずれであってもよく、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41483号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−291号、特開平3−27393号、特開平3−12403号、特開平6−41170号公報に記載されている公知の化合物を適宜に選択して用いることができる。
【0044】
さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル(以下「T−1」ともいう。)、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニル)チタニウム(以下「T−2」ともいう。)等を挙げることができる。
【0045】
これらのチタノセン化合物は、さらに、感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素や、付加重合性不飽和化合物その他のラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらのチタノセン化合物の使用法に関しても、先述の付加重合性化合物同様、感光性平版印刷版の性能設計により適宜、任意に設定できる。例えば、2種以上併用することで、感光層への相溶性を高める事ができる。上記チタノセン化合物等の光重合開始剤の使用量は通常多い方が感光性の点で有利であり、感光層の不揮発性成分100重量部に対し、0. 5〜80重量部、好ましくは1〜50重量部の範囲で用いることで十分な感光性が得られる。
これらの光重合開始剤の使用量は、感光層全成分に対し、3.0〜45重量%、好ましくは5.0〜40重量%、さらに好ましくは10〜35重量%、特に好ましくは15〜30重量%の範囲で用いられる。添加量が3.0重量%よりも少ないと感度不足となり、45重量%よりも多いと現像カスが発生する。
【0046】
また、本発明の方法で用いられる感光性平版印刷版の感光層には、上記光重合開始剤と併用して、共増感剤を用いることで、該感光層の感度をさらに向上させる事ができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、先述の光重合開始剤(系)の光吸収により開始される光反応と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、過酸化物、酸化剤、還元剤等)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
【0047】
(a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物
炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
フェロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
【0048】
(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等が挙げられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
【0049】
α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらとヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類を挙げる事ができる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン酸ナトリウム等を挙げる事ができる。
【0050】
(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物:例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等が挙げられる。
これらの共増感剤のより具体的な例は、例えば、特開平9−236913号中に、感度向上を目的とした添加剤として、多く記載されている。以下に、その一部を例示するが、本発明の感光性平版印刷版の感光層に用いられるものは、これらに限定されるものはない。
【0051】
【化6】
【0052】
これらの共増感剤に関しても、さらに、感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素やチタノセン、付加重合性不飽和化合物その他のラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらの共増感剤は、単独または2種以上併用して用いることができる。使用量はエチレン性不飽和二重結合を有する化合物100重量部に対し0.05〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは3〜50重量部の範囲が適当である。
【0053】
次に、エチレン性不飽和化合物について説明する。
本発明に用いる感光性平版印刷版の感光層に含まれるエチレン性不飽和化合物とは、光重合型感光性組成物が活性光線の照射を受けた時、光重合開始剤の作用により付加重合し、架橋、硬化するようなエチレン性不飽和結合を有する化合物である。
付加重合可能なエチレン性二重結合を含む化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選択することができる。
例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつものである。
【0054】
モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
【0055】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0056】
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
【0057】
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
さらに、前述のエステルモノマーの混合物も挙げることができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
【0058】
その他の例としては、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0059】
CH2=C(R3)COOCH2CH(R4)OH (A)
(ただし、R3およびR4はHあるいはCH3を示す。)
【0060】
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。さらに日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308ぺージ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0061】
その他、特開2001−92127号公報に記載の一般式(I)で表される構造を有するα−ヘテロ型モノマーも好適に利用できる。
以下にα−ヘテロ型モノマーの具体例を示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】
【表9】
【0071】
【表10】
【0072】
【表11】
【0073】
【表12】
【0074】
【表13】
【0075】
【表14】
【0076】
【表15】
【0077】
【表16】
【0078】
【化7】
【0079】
【化8】
【0080】
【化9】
【0081】
【化10】
【0082】
【化11】
【0083】
【化12】
【0084】
【化13】
【0085】
【化14】
【0086】
なお、これらエチレン性不飽和化合物の使用量は、感光層全成分の5〜80重量%、好ましくは30〜70重量%の範囲で使用される。
【0087】
本発明の感光性平版印刷版の感光層に用いられる高分子結合剤としては、該組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、アルカリ現像液に溶解する必要があるため、アルカリ水に可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が使用される。
該有機高分子重合体は、例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。この様な有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。
【0088】
また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この外に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体が好適である。この他に水溶性有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミドや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
また特公平7−120040号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特開平11−352691に記載のポリウレタン樹脂も本発明の用途には有用である。
【0089】
これら高分子重合体は側鎖にラジカル反応性基を導入することにより硬化皮膜の強度を向上させることができる。付加重合反応し得る官能基としてエチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が、又光照射によりラジカルになり得る官能基としてはメルカプト基、チオール基、ハロゲン原子、トリアジン構造、オニウム塩構造等が、又極性基としてカルボキシル基、イミド基等が挙げられる。上記付加重合反応し得る官能基としては、アクリル基、メタクリル基、アリル基、スチリル基などエチレン性不飽和結合基が特に好ましいが、又アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホン酸基、燐酸基、カルバモイル基、イソシアネート基、ウレイド基、ウレイレン基、スルフォン酸基、アンモニオ基から選ばれる官能基も有用である。
【0090】
組成物の現像性を維持するためには、本発明の高分子結合剤は適当な分子量、酸価を有することが好ましく、重量平均分子量で5000〜30万、酸価20〜200mgKOH/gの高分子重合体が有効に使用される。
これらの有機高分子重合体は全組成中に任意な量を混和させることができる。しかし90重量%を超える場合には形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましくは10〜90%、より好ましくは30〜80%である。また光重合可能なエチレン性不飽和化合物と有機高分子重合体は、重量比で1/9〜9/1の範囲とするのが好ましい。より好ましい範囲は2/8〜8/2てあり、更に好ましくは3/7〜7/3である。
【0091】
更に感光層の着色を目的として、着色剤を添加する。着色剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、15:4、15:6など)、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料がある。これらのうち、金属フタロシアニン系顔料は、視認性、安定性の点で最も好ましい。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5%〜約20%が好ましい。
【0092】
また、本発明においては以上の基本成分の他に感光性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合禁止剤としてはハロイドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01%〜約5%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5%〜約10%が好ましい。
加えて、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は全組成物の10%以下が好ましい。
【0093】
本発明の感光性平版印刷版の感光層組成物を後述の支持体上に塗布する際には種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート−3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は1〜50重量%が適当である。
【0094】
本発明の感光性平版印刷版の感光層における光重合性組成物には、塗布面質を向上するために界面活性剤を添加することができる。
その被覆量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.3〜5g/m2である。更に好ましくは0.5〜3g/m2である。
【0095】
また、通常、前記感光層の上には、酸素の重合禁止作用を防止するために酸素遮断性の保護層が設けられる。
酸素遮断性保護層に含まれる水溶性ビニル重合体としては、ポリビニルアルコール、およびその部分エステル、エーテル、およびアセタール、またはそれらに必要な水溶性を有せしめるような実質的量の未置換ビニルアルコール単位を含有するその共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールとしては、71〜100%加水分解され、重合度が300〜2400の範囲のものが挙げられる。具体的には株式会社クラレ製PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。上記の共重合体としては、88〜100%加水分解されたポリビニルアセテートクロロアセテートまたはプロピオネート、ポリビニルホルマールおよびポリビニルアセタールおよびそれらの共重合体が挙げられる。その他有用な重合体としてはポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびアラビアゴムがあげられ、これらは単独または、併用して用いてもよい。
【0096】
本発明の感光性平版印刷版において酸素遮断性保護層を塗布する際用いる溶媒としては、純水が好ましいが、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類を純水と混合しても良い。そして塗布溶液中の固形分の濃度は1〜20重量%が適当である。
本発明の上記酸素遮断性保護層にはさらに塗布性を向上させるための界面活性剤、皮膜の物性を改良するために水溶性の可塑剤等、公知の添加剤を加えてもよい。
水溶性の可塑剤としてはたとえばプロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール等がある。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーなどを添加してもよい。
その被覆量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約15g/m2の範囲が適当である。より好ましくは1.0g/m2〜約5.0g/m2である。
【0097】
次に、本発明の感光性平版印刷版の支持体について説明する。
本発明にて用いられるアルミニウム支持体は、寸度的に安定なアルミニウムまたはその合金(例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルとの合金)、またはアルミニウム、アルミニウム合金がラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムまたは紙を意味し、通常その厚さは0.05mm〜1mm程度である。また特開昭48−18327に記載の複合シートも使用することができる。
【0098】
本発明のアルミ支持体は適宜、後述の基板表面処理が施される。
(砂目立て処理)
砂目立て処理方法は、特開昭56−28893号に開示されているような機械的砂目立て、化学的エッチング、電解グレインなどがある。さらに塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする電気化学的砂目立て方法、及びアルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法のような機械的砂目立て法を用いることができ、上記砂目立て方法を単独あるいは組み合わせて用いることもできる。
その中でも本発明に有用に使用される表面粗さを作る方法は、塩酸または硝酸電解液中で化学的に砂目たてする電気化学的方法であり、適する電流密度は100C/dm2〜400C/dm2の範囲である。さらに具体的には、0.1〜50%の塩酸または硝酸を含む電解液中、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電流密度100C/dm2〜400C/dm2の条件で電解を行うことが好ましい。
【0099】
このように砂目立て処理したアルミニウム支持体は、酸またはアルカリにより化学的にエッチングされる。酸をエッチング剤として用いる場合は、微細構造を破壊するのに時間がかかり、工業的に本発明を適用するに際しては不利であるが、アルカリをエッチング剤として用いることにより改善できる。
本発明において好適に用いられるアルカリ剤は、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を用い、濃度と温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50%、20〜100℃であり、Alの溶解量が5〜20g/m3となるような条件が好ましい。
エッチングのあと表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられる酸は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。特に電気化学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度の15〜65重量%の硫酸と接触させる方法及び特公昭48−28123号公報に記載されているアルカリエッチングする方法が挙げられる。
なお、本発明で有効に用いられるAl支持体の表面粗さ(Ra)は0.3〜0.7μmである。
【0100】
(陽極酸化処理)
以上のようにして処理されたアルミニウム支持体は、さらに陽極酸化処理が施される。
陽極酸化処理はこの分野で従来から行われている方法で行うことができる。具体的には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルフォン酸等あるいはこれらの二種以上を組み合わせて水溶液または非水溶液中でアルミニウムに直流または交流を流すとアルミニウム支持体表面に陽極酸化皮膜を形成することができる。
陽極酸化処理の条件は使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液の濃度が1〜80%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜100V、電解時間10〜100秒の範囲が適当である。
【0101】
これらの陽極酸化処理のうちでも特に英国特許第1,412,768号明細書に記載されている、硫酸中で高電流密度で陽極酸化する方法及び米国特許第3,511,661号明細書に記載されているリン酸を電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。
本発明においては、陽極酸化皮膜は1〜10g/m2であることが好ましく、1g/m2以下であると版に傷が入りやすく、10g/m2以上は製造に多大な電力が必要となり、経済的に不利である。好ましくは、1.5〜7g/m2である。更に好ましくは、2〜5g/m2である。
【0102】
更に、本発明においては、砂目立て処理及び陽極酸化後、アルミニウム支持体に封孔処理を施してもかまわない。かかる封孔処理は、熱水及び無機塩または有機塩を含む熱水溶液への基板の浸漬ならびに水蒸気浴などによって行われる。また本発明のアルミニウム支持体にはアルカリ金属珪酸塩によるシリケート処理以外の処理、たとえば弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理などの表面処理がなされても構わない。
上記の如く表面処理を施されたアルミニウム支持体上に、前記の光重合性組成物からなる感光層を形成することで、本発明の感光性平版印刷版を作製するが、感光層を塗設する前に必要に応じて有機または無機の下塗り層が設けられても構わない。
【0103】
本発明の感光性平版印刷版における前記感光層を、例えば、カーボンアーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、ヘリウムカドミニウムレーザー、アルゴンイオンレーザー、FD・YAGレーザー、ヘリウムネオンレーザー、半導体レーザー(350nm〜600nm)等の従来公知の活性光線で画像露光した後、現像処理することにより、アルミニウム板支持体表面に画像を形成することができる。
画像露光後、現像までの間に、光重合型感光層の硬化率を高める目的で50℃〜150℃の温度で1秒、5分の時間の加熱プロセスを設けることを行ってもよい。
【0104】
また、本発明における感光性平版印刷版の感光層の上には、前述したように、通常、酸素遮断性を有するオーバーコート層が設けてあり、本発明の現像液を用いて、オーバーコート層の除去と感光層未露光部の除去を同時に行う方法、または、水、温水でオーバーコート層を先に除外し、その後未露光部の感光層を現像で除去する方法が知られている。これらの水または温水には特開平10−10754号に記載の防腐剤等、特開平8−278636号記載の有機溶剤等を含有させることができる。
【0105】
本発明における感光性平版印刷版の前記現像液による現像は、常法に従って、0〜60℃、好ましくは15〜40℃程度の温度で、例えば、露光処理した感光性平版印刷版を現像液に浸漬してブラシで擦る等により行う。
さらに自動現像機を用いて現像処理を行う場合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。
このようにして現像処理された感光性平版印刷版は特開昭54−8002号、同55−115045号、同59−58431号等の各公報に記載されているように、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理される。本発明の感光性平版印刷版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
【0106】
上記の様な処理により得られた印刷版は特開2000−89478号に記載の方法による後露光処理やバーニングなどの加熱処理により、耐刷性を向上させることができる。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0107】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例5、6、8、13及び14は、それぞれ参考例5、6、8、13及び14と読替えるものとする。
[支持体例]
(支持体1:陽極酸化アルミニウム支持体)
厚さ0.30mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラシと800メッシュのパミストンの水懸濁液を用い、その表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で、水洗後、20%HNO3で中和洗浄、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ0.45μm(Ra表示)であった。ひきつづいて30%のH2SO4水溶液中に浸漬し、55℃で2分間デスマットした後、33℃、20%H2SO4水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置して、電流密度5A/dm2において50秒間陽極酸化したところ、厚さが2.7g/m2であった。これを支持体1とした。
【0108】
(支持体2)
支持体1に下記の表面処理用下塗り液状組成物1をP量が約0.05g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させたものを支持体2とした。
【0109】
<下塗り用液状組成物1>
フェニルホスホン酸 2重量部
メタノール 800重量部
水 50重量部
【0110】
(支持体3)
支持体1に下記の表面処理用下塗り液状組成物2をSi量が約0.001g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させたものを支持体3とした。
【0111】
<下塗り用液状組成物2>
下記成分を混合攪拌し、約5分後に発熱が見られ、60分間反応させた後、内容物を別の容器に移し、メタノールをさらに3万重量部加えたものを液状組成物2とした。
【0112】
ユニケミカル(株)ホスマーPE 20重量部
メタノール 130重量部
水 20重量部
パラトルエンスルホン酸 5重量部
テトラエトキシシラン 50重量部
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 50重量部
【0113】
[感材例]
上述の支持体1〜3上に、下記組成の光重合性組成物を乾燥塗布重量が1.5g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させ、感光層を形成した。
続いて、この感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500)の3wt%の水溶液を乾燥塗布重量が2.5g/m2となるように塗布し、120℃で3分間乾燥させ、感光性平版印刷版(感材)を得た。
【0114】
(感光層塗布液(光重合性組成物):下記表−7に詳細を記載)
エチレン性不飽和結合含有化合物(A) 1.5 重量部
線状有機高分子重合体(B) 2.0 重量部
増感剤(C) a 重量部
光開始剤(D) b 重量部
添加剤(S) 0.50重量部
フッ素系界面活性剤 0.03重量部
(メガファックF-177:大日本インキ化学工業(株)製)
熱重合禁止剤 0.01重量部
(N-ニトロソヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
着色剤(F) 0.30重量部
メチルエチルケトン 30.0 重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.0 重量部
【0115】
【表17】
【0116】
なお、感光層塗布液に用いる、エチレン性不飽和結合含有化合物(A)、線状有機高分子重合体(B)、増感剤(C)、光開始剤(D)、添加剤(S)および着色剤(F)を以下に示す。
【0117】
【化15】
【0118】
【化16】
【0119】
この感光性平版印刷版をFD・YAGレーザー(CSI社製プレートジェット4)で100μJ/cm2の露光量で、4000dpiにて175線/インチの条件で、ベタ画像と1〜99%の網点画像(1%刻み)を走査露光した後、現像液1およびフイニッシングガム液FP−2W(富士写真フイルム製)を仕込んだ自動現像機(富士写真フイルム製LP−850P2)で標準処理を行った。プレヒートの条件は版面到達温度が100℃、現像液温は30℃、現像液への浸漬時間は約15秒であった。
現像液1は下記組成よりなり、pHは25℃で11.5であった。
【0120】
(現像液1の組成)
水酸化カリウム 0.25g
ポリオキシエチレンフェニルエーテル(n=13) 5.0 g
キレスト400(キレート剤) 0.1 g
下記化合物1 1.75g
水 92.9 g
【0121】
(現像液2〜5)
実施例1の現像液を下記に示した現像液に変更し、それ以外は全て実施例1と同じ方法で平版印刷版を製版した。
【0122】
(現像液2の組成)
水酸化カリウム 0.15g
下記化合物2 15.0 g
下記化合物4 5.0 g
キレスト400(キレート剤) 0.1 g
水 79.75g
この現像液のpHは25℃で11.4であった。
【0123】
(現像液3の組成)
水酸化カリウム 0.15g
下記化合物1 1.5 g
下記化合物3 4.0 g
ポリオキシエチレンナフチルエーテル(n=13) 3.0 g
トリエタノールアミン 2.5 g
水 90.35g
この現像液のpHは25℃で10.9であった。
【0124】
(現像液4の組成)
1Kケイ酸カリウム 3.0 g
水酸化カリウム 1.5 g
下記化合物2 10.0 g
リポミンLA(20%水溶液、ライオン(株)製) 30.0 g
キレスト400(キレート剤) 0.1 g
水 55.4 g
この現像液のpHは25℃で11.9であった。
【0125】
(現像液5の組成)
1Kケイ酸カリウム 3.0 g
水酸化カリウム 1.5 g
下記化合物3 16.0 g
ポリオキシエチレンフェニルエーテル(n=9) 5.5 g
キレスト400(キレート剤) 0.1 g
ベンジルアルコール 2.0 g
水 71.9 g
この現像液のpHは25℃で12.7であった。
【0126】
【化17】
【0127】
〔比較現像液1〕
現像液1に対し、化合物1を除いた組成物を比較現像液1(pH11.5)とした。
〔比較現像液2〕
現像液4に対し、化合物2を除いた組成物を比較現像液2(pH11.9)とした。
〔比較現像液3〕
現像液1に対し、水酸化カリウム添加量を2.5gに変更し、現像液を調製した。この現像液のpHは13.2であった。これを比較現像液3とした。
【0128】
上記の実施例1〜14、比較例1〜3の製版方法で得られた平版印刷版について感光性、現像性、耐刷性、印刷汚れ、および現像カスについて評価した。現像性は現像処理後の版面を目視で観察し感光層残膜の有無および残膜の程度により判断した。耐刷性はマン・ローランド社製R201型印刷機で、大日本インキ社製GEOS G墨(N)を使用して印刷し、3%の網点が版飛びを起こした印刷枚数を評価した。印刷汚れ性は三菱重工(株)製ダイヤIF2型印刷機で、大日本インキ社製GEOS G紅(S)を使用して印刷し、非画像部のインキ汚れを目視で評価した。現像カスの評価は平版印刷版を現像液(1リットル)中で現像後1ヶ月放置し、沈殿した現像カスの有無を目視で観察した。
【0129】
(感光性の評価)
得られた感材上に、富士写真フイルム(株)製の富士ステップガイド(△D=0.15で不連続的に透過光学濃度が変化するグレースケール)を密着させ、光学フィルターを通したキセノンランプを用い、既知の露光エネルギーとなるように露光を行った。光学フィルターとしては、短波半導体レーザへの露光適性を見積もる目的で、532nmのモノクロミックな光で露光が可能なケンコーBP−53を用いた。その後、下記組成の現像液に25℃、10秒間浸漬し、現像を行い、画像部にインクをつけ、画像が完全に除去される最高の段数から感度(クリア感度)を算出した。ここで、クリア感度とは、画像の形成に最低限必要なエネルギーを表し、この値が低いほど高感度であることを示す。結果を下記表−8に示す。
【0130】
【表18】
【0131】
表−8から明らかなように、本発明に係る各実施例の平版印刷版は、それぞれ満足すべき結果を得たが、各比較例の平版印刷版は何らかの評価結果において不満足なものであった。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の平版印刷版の製版方法は、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、高分子結合剤、光重合開始剤および着色剤を含有する光重合型感光性組成物からなる感光層を有する感光性平版印刷版に対し、比較的pHが低く、金属に配位し得る化合物を含有させた現像液を使用することにより、現像カスを発生させることなく、印刷汚れ性、耐刷性に優れた平版印刷版の作製が可能である。また現像液のpHが比較的低いため、安全上好ましく、現像廃液の環境への影響も改善できる効果を奏する。
Claims (7)
- アルミニウム支持体上に、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、高分子結合剤、光重合開始剤および着色剤を含有する光重合型感光性組成物からなる感光層を有する感光性平版印刷版を、画像露光した後、水溶性でかつ金属と錯体を形成しうるポリマーを含有し、pH10.0〜12.8である現像液で現像することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
- 光重合開始剤がチタノセン系光重合開始剤であることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版の製版方法。
- 着色剤が金属フタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記ポリマーの分子量が2000〜1000000であることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記ポリマーが、親水性基を有する共重合成分と金属に配位しうる基を有する共重合成分とを有することを特徴とする請求項1記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記親水性基が、ヒドロキシル基、ポリオキシアルキレン基、アミノ基、アミド基、アンモニウム基、カルボキシル基若しくはその共役塩基基、スルホン酸基若しくはその共役塩基基、又は、ホスホン酸基若しくはその共役塩基基であることを特徴とする請求項5記載の平版印刷版の製版方法。
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