JP2002195989A - 構造物の非破壊検査方法 - Google Patents

構造物の非破壊検査方法

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JP2002195989A
JP2002195989A JP2000330958A JP2000330958A JP2002195989A JP 2002195989 A JP2002195989 A JP 2002195989A JP 2000330958 A JP2000330958 A JP 2000330958A JP 2000330958 A JP2000330958 A JP 2000330958A JP 2002195989 A JP2002195989 A JP 2002195989A
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Shogo Tanaka
正吾 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主に周波数領域の方法で、つまり周波数解析
を行うことにより、剥離面や接合面の数に拘わらず、構
造物中の剥離等の欠陥や内部状態の検出を超音波により
短時間に高精度に実施することができる構造物の非破壊
検査方法を提供する。 【解決手段】 受波信号は構造物11の内部に存在する
一つ以上の音響インピーダンスの変化する境界面14で
反射した反射波の音圧信号あるいはこのとき生じた定在
波信号であり、このときの反射波や定在波の音圧信号の
周波数解析より得られる周波数スペクトルのピーク周波
数から反射波の往復音波伝播時間を決定し、往復音波伝
播時間と構造物11中の音速を用いて構造物11の表面
と境界面14との距離を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物中に発生し
た剥離の検出や多層状構造物中の各層の厚みの計測を行
うことが可能な構造物の非破壊検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル、橋梁等のコンクリート構造物
におけるコンクリート片の落下事故は、コンクリート構
造物中に発生した剥離が主因となる場合が多い。従来、
コンクリート片落下事故が発生すると、事故の再発を防
止するため、コンクリート構造物中の剥離の検出が非破
壊検査の一種である打音検査によって行われてきた。打
音検査は、熟練者がハンマーでコンクリート構造物に衝
撃を与え、そのときの反力や発生音等から異常を検知し
て剥離の診断を行うもので、検査結果の信頼性が低い上
に、診断に主観的な要素が強く反映して個人差が大きい
という欠点がある。また、打音検査法は、あくまでも一
時的な検査方法であり、今後このような事故を防止し予
防するにはより正確にコンクリート構造物中の剥離を検
出する必要がある。このため、打音検査に代わる検査方
法として、X線法、電磁波法、赤外線法、超音波法等の
各種非破壊検査方法が開発され試みられてきた。
【0003】しかし、X線法は検査に使用する機器の取
り扱いが煩わしく、X線被曝のリスクが伴うため有資格
者しか機器の使用ができず検査が高コストとなる。か
つ、透過を利用するため、トンネルなど片側からの非破
壊検査には適用できない。電磁波法は鉄筋が内部に存在
する場合、剥離部位の探査が不可能になる場合が多い。
更に、赤外線法では、剥離部位の前方と後方の温度差に
より剥離の有無の判定を行なうため、トンネル内部等の
ように日照がなく検査対象物内に剥離が起因する温度差
が発生しにくい場合では、剥離の検出が困難となる。そ
こで、温度差を発生させるために、バーナー等で検査対
象物の表面を加熱することも考えられるが、加熱するこ
とが検査対象物に疲労損傷を与える結果となり、推奨さ
れる方法とは言えない。
【0004】超音波法は、超音波がコンクリート構造物
の表面と剥離部位の間を往復する際の伝播時間により剥
離の有無の判定や位置の計測を行なう手法であるが、剥
離部位と表面との間に多重反射が生じてこれらの反射波
が重畳し合うため、剥離部位からの第1反射波を用いて
表面から剥離部位までの往復音波伝播時間の計測を行な
うことは困難となる。実際には、この重畳反射波に更に
送波信号が重畳するため、事態はより深刻となり、表面
から剥離部位までの往復音波伝播時間の計測は事実上不
可能となる。しかし、超音波法は人体に無害で取り扱い
やすく、非破壊検査システムの媒体としては捨て難いも
のである。このため、検査対象物が小石や鉄筋等の骨材
を含まない一様な連続体と仮定でき、かつ、超音波セン
サの使用を前提とする場合では、超音波センサの物理特
性を考慮して、剥離部位等からの受波信号波形の予測波
形を作り、これと実際の受波信号波形とのパターンマッ
チングを行なうことにより表面から剥離部位までの往復
音波伝播時間を計測し、これにより剥離の有無の判定と
剥離位置の決定を行なう多重反射波モデル方法が申請者
により先に開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先に開
発した「多重反射波モデルに基づく計測法」は時間領域
ベーストな方法でもあり、使用に当っては超音波センサ
の特性を同定する必要があるなど操作が煩わしい。ま
た、本方式は剥離が1個の場合にしか適用できない。と
ころが、現実には剥離面が2つ以上深さ方向にあった
り、あるいは剥離面と裏面(底面)が接近しており、結
果的には剥離面が複数あるとみなせる場合も現実には多
い。一方、一面がコーティングされたタンクなどの超音
波センサを用いた従来の非破壊検査では、コーティング
をはがして他の層の厚み計測を行うなどの大変手間のか
かる検査が行われていた。本発明はかかる事情に鑑みて
なされたもので、主に周波数領域の方法で、つまり周波
数解析を行うことにより、剥離面や接合面の数に拘わら
ず、構造物中の剥離等の欠陥や内部状態の検出を超音波
により短時間に高精度に実施することができる構造物の
非破壊検査方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う第1の発
明に係る構造物の非破壊検査方法は、構造物の表面に超
音波センサの送波器を取付け、該送波器から超音波を該
構造物中に発信し、該構造物からの応答性を該構造物の
表面に取付けた超音波センサの受波器で受波信号として
検出し、該受波信号から該構造物の内部検査を行う構造
物の非破壊検査方法において、前記受波信号は前記構造
物の内部に存在する一つ以上の音響インピーダンスの変
化する境界面で反射した反射波の音圧信号であり、該反
射波の音圧信号の周波数解析より得られる周波数スペク
トルのピーク周波数から該反射波の往復音波伝播時間を
決定し、該往復音波伝播時間と前記構造物中の音速を用
いて前記構造物の表面と前記境界面との距離を求める。
受波信号に反射波の音圧信号を使用するため、任意の形
状を有する構造物に対しても受波信号が容易に得られ
る。また、周波数解析を採用することにより、先の多重
反射波モデル(時間領域)と異なり、実測受波信号波形
の最適パターンマッチング等の複雑な計算を行わずに構
造物中の往復音波伝播時間を求めることができ、構造物
中の境界面の位置を容易に決定することができる。
【0007】前記目的に沿う第2の発明に係る構造物の
非破壊検査方法は、構造物の表面に超音波センサの送波
器を取付け、該送波器から超音波を該構造物中に発信
し、該構造物からの応答性を該構造物の表面に取付けた
超音波センサの受波器で受波信号として検出し、該受波
信号から該構造物の内部検査を行う構造物の非破壊検査
方法において、前記受波信号は前記構造物の内部に存在
する一つ以上の音響インピーダンスの変化する境界面同
士及び該境界面と前記構造物の表面との間に発生した定
在波による音圧信号であり、該定在波による音圧信号の
周波数解析より得られる周波数スペクトルのピーク周波
数と前記構造物中の音速を用いて、前記構造物の表面と
前記境界面との距離を求める。受波信号として定在波の
音圧信号を利用するため、構造物内部の超音波散乱の影
響を除いて構造物の非破壊検査を実施することができ
る。また、周波数解析を採用することにより実測受波信
号波形の最適パターンマッチング等の複雑な計算を行わ
ずに定在波のパラメータを同定することができ構造物中
の境界面の位置を容易に決定することができる。
【0008】第1及び第2の発明に係る構造物の非破壊
検査方法において、前記周波数解析は、前記受波信号に
対し汎用の周波数解析法を適用して求めた周波数スペク
トルを理論的な受波信号の周波数スペクトルに一致させ
ることにより行うことが好ましい。これによって、短時
間に高精度で境界面の位置を決定することができる。
【0009】前記目的に沿う第3の発明に係る構造物の
非破壊検査方法は、構造物の表面に超音波センサの送波
器を取付け、該送波器から超音波を該構造物中に発信
し、該構造物からの応答性を該構造物の表面に取付けた
超音波センサの受波器で受波信号として検出し、該受波
信号から該構造物の内部検査を行う構造物の非破壊検査
方法において、前記受波信号は前記構造物の内部に存在
する音響インピーダンスの変化する境界面で反射した反
射波の音圧信号であり、該反射波の自己相関関数の極大
値を与える最小時間から該反射波の往復音波伝播時間を
決定し、該往復音波伝播時間と前記構造物中の音速を用
いて前記構造物の表面と前記境界面との距離を求める。
これによって、受波信号から雑音を除去して必要な信号
のみを取り出し信号処理することができ、高精度で反射
波の往復音波伝播時間を求めることができる。
【0010】第1〜第3の発明に係る構造物の非破壊検
査方法において、前記境界面が前記構造物中に発生した
剥離面であるとすることもできる。これによって、構造
物中に発生している剥離の位置を決定することができ
る。また、第1〜第3の発明に係る構造物の非破壊検査
方法において、前記境界面が前記構造物の裏面であると
することもできる。これによって、構造物の厚さを正確
に測定することができる。更に、第1及び第2の発明に
係る構造物の非破壊検査方法において、前記境界面が前
記構造物を構成している複数の層状材料の間の各接合面
とすることもできる。これによって、各層状材料の厚さ
を測定することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の第1〜第8
の実施の形態に係る構造物の非破壊検査方法に使用した
構造物非破壊検査装置を説明する概念構成図、図2は本
発明の第1の実施の形態に係る構造物の非破壊検査方法
における受波信号に対する周波数解析から求めた周波数
スペクトルのグラフ(但し、剥離面が1つの場合)、図
3は同構造物の非破壊検査方法における剥離部位が2つ
存在するコンクリートの壁内を伝播する超音波を受波器
で受信する際の受波信号の状態を示す説明図である。
【0012】図1に示すように、本発明の第1〜第8の
実施の形態に係る構造物の非破壊検査方法に使用した構
造物非破壊検査装置10は、構造物11の表面に取付け
られ超音波発振器12からの電気信号に基づいて超音波
を構造物11中に発信する超音波センサの送波器13
と、構造物11中に存在する音響インピーダンスが変化
する境界面14などで反射して来た超音波、又は構造物
11の表面と音響インピーダンスが変化する境界面14
との間などに発生した定在波による構造物11の弾性振
動を検出する超音波センサの受波器15と、受波器15
から出力された電気信号を増幅する増幅器16と、増幅
器16によって増幅された信号をAD変換して信号処理
をするデータ処理器17と、データ処理器17から出力
された処理結果を表示するデータ表示機18とを有して
いる。ここで、本発明の第1〜第8の実施の形態に係る
構造物の非破壊検査方法に使用する構造物非破壊検査装
置10の構成は全て同一で、データ処理器17における
データ処理の方法のみが異なる。以下、これらについて
詳細に説明する。
【0013】構造物11としては、例えば、スチールタ
ンク、コンクリートタンク等の単一の材料からなる構造
物、高分子樹脂が被覆されたコンクリートタンク等の複
数の材料を組み合わせて構成された多層材料からなる構
造物が考えられる。また、構造物11中に存在する音響
インピーダンスが変化する境界面14としては、例え
ば、単一の材料からなる構造物(以下、単一材という)
の場合では内部に発生した剥離(以下、剥離面とい
う)、多層材料からなる構造物(以下、多層材という)
の場合では異種材料間の接合面が考えられる。
【0014】超音波発振器12としては、超音波探傷や
材料内での音波の伝播速度測定等の非破壊検査において
使用する短時間に多数のパルス電圧を発信する(例えば
5〜30msの間隔で発信する)市販の超音波発振器が
利用できる。送波器13と受波器15は、例えば圧電素
子を使用した周知の構造を有するもので、送波器13は
電気信号を音圧信号に変換するものであり、受波器15
は音圧信号を電気信号に変換するものである。なお、送
波器13と受波器15の応答範囲は、原則的にはどのよ
うな周波数帯域でもよい。増幅器16は受波器15が出
力した微小電気信号を処理しやすい所定の大きさの電気
信号まで増幅するものである。データ処理器17は、例
えばパーソナルコンピュータからなって、入力された信
号をAD変換するAD変換器を備えたデータ収録部19
と、データ収録部19で収録されたデータを記憶するデ
ータ記録部20と、データ記録部20から出力されたデ
ータを演算処理する第1〜第8の演算手段を備えたデー
タ演算部21と、データ演算部21から出力されたデー
タをデータ表示機18に出力するデータ出力部22とを
備えている。
【0015】第1の演算手段は単一材中の一つ以上の剥
離面で反射した反射波の受波信号に対し汎用の周波数解
析法を適用して剥離の位置を演算するためのもの、第2
の演算手段は単一材中の裏面で反射した反射波の受波信
号に対し汎用の周波数解析法を適用して単一材の厚みを
演算するためのもの、第3の演算手段は多層材中の各接
合面で反射した反射波の受波信号に対し汎用の周波数解
析法を適用して接合面の位置から多層材を構成している
各層の厚みを演算するためのもの、第4の演算手段は単
一材中の一つの剥離面で反射した反射波の受波信号に対
し自己相関関数を求めて単一材中の剥離の位置を演算す
るためのもの、第5の演算手段は単一材中の裏面で反射
した反射波の受波信号に対し自己相関関数を求めて単一
材の厚みを演算するためのものである。
【0016】また、第6の演算手段は単一材表面と単一
材中の一つ以上の剥離面の間に形成される定在波の受波
信号に対し汎用の周波数解析法を適用して剥離の位置を
演算するためのもの、第7の演算手段は単一材表面と単
一材の裏面との間に形成される定在波の受波信号に対し
汎用の周波数解析法を適用して単一材の厚みを演算する
ためのもの、第8の演算手段は多層材表面と多層材中の
各接合面の間に形成される定在波の受波信号に対し汎用
の周波数解析法を適用して接合面の位置から多層材を構
成している各層の厚みを演算するためのものである。表
1に第1〜第8の各演算手段に適用される構造物の種
類、構造物中の検出対象、受波信号波の種類、及び受波
信号波の解析方法の関係をまとめて示す。なお、第1〜
第8の各演算手段は、実際には非破壊検査の対象毎に目
的に合わせて選定して使用すればよい。
【0017】
【表1】
【0018】次に、構造物非破壊検査装置10を用いた
本発明の第1〜第8の実施の形態に係る構造物の非破壊
検査方法について説明する。本発明の第1の実施の形態
に係る構造物の非破壊検査方法は、構造物11が単一材
である、例えばコンクリートタンクの壁の内部に発生し
ている剥離をコンクリートタンクの壁内に送信した超音
波が剥離面で反射したときの反射波の受波信号を検出
し、この受波信号に対し汎用の周波数解析法を適用して
剥離の位置を求める方法である。このため、データ演算
部21に設けられている前記第1〜第8の演算手段の中
から第1の演算手段が起動するようにデータ処理器17
の条件を選定する。剥離の検知を行うコンクリートタン
クの表面に送波器13及び受波器15を、例えば機械グ
リスを接触媒体として取付けて、送波器13に、超音波
発振器12を用いて、例えば5〜30msの間隔でパル
ス電圧を印加して超音波パルスを発生させコンクリート
タンク中に送信する。送信された超音波は剥離面(境界
面14)で反射してコンクリートタンク表面との間で多
重反射を繰り返し、これらの多重反射波の重畳されたも
のが受波信号としてコンクリートタンクの表面に取付け
られた受波器15で検出されて、電気信号に変換され増
幅器16に入力される。増幅器16で信号処理しやすい
大きさに増幅された電気信号は、データ処理器17に入
力される。データ処理器17に入力された電気信号はA
D変換器を備えたデータ収録部19を経由してデータ記
録部20に記録される。次いで、データ記録部20から
出力された信号、すなわち受波器15で検知された受波
信号は、データ演算部21中の第1の演算手段に入力さ
れる。
【0019】第1の演算手段では、剥離が一つ存在する
場合の受波信号の処理と、剥離が複数存在する場合の受
波信号の処理とが区別して行われる。先ず、剥離が一つ
存在する場合の受波信号の処理について説明する。コン
クリートタンクの表面より超音波を送信すると、表面と
剥離部位の間で多重反射が生じ、これらの反射波を加え
合わせたものが受波器15で検知される。従って、超音
波を送信後、外乱の余り含まれていない適切な幅のデー
タウインドウを考えれば、この中に剥離部位からの反射
波が何個か重畳して含まれている。従って、受波信号r
x (t)は(1)式の基本反射波形r(t)を用いて
(4)式のようにモデル化できる。なお、U(s)は送
波器13に入力する電気信号u(t)のラプラス変換を
表わし、u(t)はここではインパルス状入力とする。
また、(3)式のζi 、ωi は使用する超音波センサに
対し予め求められる特性パラメータである。
【0020】
【数1】
【0021】ここで、mはデータウインドウ内に含まれ
る反射波の数を、r0 (t)は(1)式において(2)
式のT0 を0とした基本反射波形を表す。また、kはこ
のデータウインドウに最初に含まれる反射波が第k番目
の反射波であることを意味している。なお、Tは剥離面
とコンクリートタンク表面との間の1往復音波伝播時間
を、pはp=αa ・γa1・γa2(0<p<1)を表す。
ここで、αa は1往復時の減衰率、γa1、γa2はそれぞ
れコンクリートタンク表面、及び剥離面での反射率を表
す。また、pは0<p<1であることから、pの高次の
項は微小となるため(4)式の総和範囲を(5)式のよ
うに近似し、引き続きフーリエ変換すれば(6)式とな
る。ここで、G1 (jω)、G2 (jω)は、(3)式
において、s=jωとしたものである。
【0022】
【数2】
【0023】周波数スペクトルを求めるため、(6)式
の絶対値をとれば(7)式となる。なお、(6)、
(7)両式に現れるjは虚数単位j=(−1)1/2 を表
す。
【0024】
【数3】
【0025】(7)式の分母は、ωT=2πn(n=
1、2・・・)のとき、つまり、f=n(1/T)(n
=1、2・・・)のときに最小値をとる。従って、受波
器15の周波数帯域が中心周波数を中心としてある程度
広いことを考慮すれば、周波数スペクトルは、fj =j
1 (f1 =1/T、j=1、2・・・)の箇所でピー
クをとることになる。なお、Tは剥離面までの往復音波
伝播時間であり、T=2L/Vで与えられる(ここに、
Lはコンクリートタンクの表面から剥離面までの距離、
Vはコンクリートタンク壁内の音速)。つまり、最初の
ピーク位置はf1 =V/(2L)で与えられ、残りのピ
ーク位置はこれの整数倍で与えられる。図2に中心周波
数が400kHzの超音波センサの受波器15で受信し
た受波信号に対して周波数解析を行った結果を示す。周
波数スペクトルを表す(7)式のピークを与える周波数
がMj (j=1、2、・・・、M)として求まったとす
れば、(8)式の最小化により剥離面までの距離Lが求
まる。(8)式の最小値を実現する周波数[f1 ]は
(9)式で表され、これに対する剥離面までの距離
[L]は(10)式として求まる。
【0026】
【数4】
【0027】次に、剥離が複数存在する場合の受波信号
の処理方法について説明する。なお、剥離のエアギャッ
プが比較的厚い場合、最初の剥離面と表面との間で多重
反射波が生じ、これが受波器15で受信されるので、最
初の剥離位置しか計測できず、この場合は、剥離が一つ
存在する場合の受波信号の処理の方法がそのまま適用で
きる。従って、ここでは、超音波の一部が剥離の裏側に
透過するぐらい剥離のエアギャップが小さい場合を考え
る。しかしながら、コンクリートタンクの、例えば壁の
部分において、壁の深さ方向に剥離面が多数存在するこ
とは通常余り考えられず、ここでは実際的な観点から、
深さ方向にある程度近接して剥離が2個ある場合を考え
る。なお、この剥離が2個ある場合の取り扱い方法は、
剥離は1個しか存在しないが、この剥離が裏面に近接し
て存在し裏面からの反射波が剥離からの反射波に強く重
畳して、剥離が一つ存在する場合の受波信号の処理方法
では対応できない場合についても適用できる。ただし、
この場合では検出される剥離位置の一方はコンクリート
タンクの裏面となるので、得られた結果を判断するに際
しては、コンクリートタンクの壁厚さを事前情報として
知っておく必要がある。
【0028】剥離が2個存在する場合は、最初の剥離面
を透過した超音波は1番目と2番目の剥離面との間で多
重反射を起こし、これらの多重反射波が再び1番目の剥
離面を透過し受波器15で検知されるなど、剥離が1個
の場合と比較して受波器15に検知される反射波の数は
急増する。いま、図3に示すように、コンクリートタン
ク表面23と1番目の剥離の間、及び1番目と2番目の
剥離の間のそれぞれを、音波が1往復するのに要する伝
播時間を、kとqを数値変数としてkΔT、qΔT(Δ
T:サンプリング周期)、そのときのそれぞれの1往復
に要する減衰率をαa 、αb とする。また、1番目の剥
離における反射率、透過率をそれぞれγa2、τab、2番
目の剥離における反射率をγb2、更に1番目の剥離の後
方側から前面側(つまり、表面側)への音波伝播に際し
て、反射率及び透過率をそれぞれγ b1、τbaとする。ま
た、コンクリートタンクの表面での反射率をγa1とす
る。
【0029】以上の条件の下に、まず1番目の剥離を振
幅が1の基本反射波が透過したとして、この分について
のみ、1番目の剥離の裏面側(コンクリートタンクの内
側)にて観測される反射波の受波状況を調べる。このと
き、反射波の受波状況をサンプリング周期ΔTに相当す
る遅延オペレータをz-1とし、反射波の受波時刻と振幅
(符号、つまり位相も含む)の情報を合わせ持った時系
列信号(以下、受波信号マップという)の形で書き表す
ことにする。1番目の剥離の裏面側にて観測される受波
信号マップをEB (z)とすれば、EB (z)は(1
1)式で表される再帰式を満たす。(11)式をEB
(z)についてまとめ、等比級数和で表せば、(12)
式となる。ただし、p=αb ・γb1・γb2(0<p<
1)である。これにより、反射波の振幅は、p倍ずつ減
衰し、かつ、これらはそれぞれ周期的に(T2 =qΔT
毎に)観測されることがわかる。
【0030】
【数5】
【0031】次に、コンクリートタンク表面23に大き
さ1の基本反射波が入射したとして、受波器15が取付
けられている箇所でのコンクリートタンク内側で観測さ
れる受波信号マップEA (z)を求めてみる。このと
き、1番目の剥離での多重反射波だけでなく、2番目の
剥離による多重反射波の影響も考える必要がある。この
A (z)の導出は(13)式に示す再帰式を解けばよ
い。詳細は略すが、このE A (z)をz-1のべき乗和で
展開、表示すれば、そのべき数とそのときの展開係数に
より、基本反射波がどのような時刻に、どのような大き
さで受信されるかが判る。
【0032】
【数6】
【0033】このようにして、剥離が2つの場合に対し
て受波信号のモデル化が行われるので、いまz-1がex
p(−sΔT)(ΔT:サンプリング周期)に対応する
ことを考えれば、受波信号のラプラス変換は(14)式
のように表される。ここで、G 1 (s)、G2 (s)は
(3)式で導入したものである。よって、s=jωとし
て(14)式の絶対値をとれば、受波信号の周波数スペ
クトルが得られる。
【0034】
【数7】
【0035】詳細は省略するが、受波信号の周波数スペ
クトルF(f)=|Y(jω)|(ここで、ω=2π
f)は、基本反射波の周波数スペクトル|G1 (jω)
・G2 (jω)|で除すれば、1/T1 (Hz)、1/
2 (Hz)、1/(T1 +T2)(Hz)などのT
1 、T2 を反映する周波数の整数倍の箇所で極大値(ピ
ーク)をとる。ここに、T1 、T2 は、T1 =kΔT、
2 =qΔTで、第1層目、第2層目の音波の1往復伝
播時間を表す。また、第1層目とは受波器15の取付け
面と1番目の剥離の間の層を、第2層目とは1番目と2
番目の剥離の間の層を表す。よって、これらのことを考
慮し受波信号の周波数スペクトルのピーク周波数からT
1 、T2 を求めれば、2つの層の厚みがそれぞれL1
(T1 /2)V、L2 =(T2 /2)V(ただし、Vは
コンクリートタンク壁内の音速)として計測でき、表面
から2つの剥離面までの距離がそれぞれL1 、L1 +L
2 として求まる。なお、反射波が1つの剥離と該剥離に
近接した裏面から生じる場合で、裏面の位置が判明して
いる場合には、受波器15と裏面との間の往復音波伝播
時間jΔTが既知となるので、q=j−kとおくことに
より、未知パラメータをk、qの2つからkだけの1つ
に減らすことができる。つまり、T1 (=kΔT)、T
2 (=qΔT)の2変数からT1 (=kΔT)、T2
(=(j−k)ΔT)とkだけの1変数に変数の数を減
じることが可能である。
【0036】データ演算部21の第1の演算手段から出
力された処理結果のデータは、データ出力部22に入力
されて所定の表示形式になるようにデータの加工が行わ
れ、データ表示機18の一例であるパーソナルコンピュ
ータ用の表示機器に入力されて、剥離の位置として表示
される。なお、非破壊検査を行う前では、コンクリート
タンク中に発生している剥離の個数は不明であるため、
第1の演算手段は剥離が一つ存在する場合と、複数の剥
離が存在する場合の両方に対応できるようになってい
る。すなわち、実際に非破壊検査を行う場合では、受波
器15で受信した受波信号の周波数解析から得られる周
波数スペクトルに対して、剥離が一つ存在する場合の処
理と、複数の剥離が存在する場合の処理がそれぞれ適用
される構成となっている。しかし、剥離が一つ存在する
場合と複数の剥離が存在する場合では周波数スペクトル
の形態が大きく異なるため、剥離が一つ存在する場合に
複数の剥離が存在する場合の処理方法を適用しても、逆
に複数の剥離が存在する場合に剥離が一つ存在する場合
の処理方法を適用しても、計算処理が途中で停止して解
が得られない。このため、周波数スペクトルに適合する
処理方法による解だけが出力されることになる。
【0037】本発明の第2の実施の形態に係る構造物の
非破壊検査方法は、構造物11が単一材である、例えば
コンクリートタンク中に送信した超音波が裏面で反射し
たときの反射波の受波信号に対し汎用の周波数解析法を
適用してコンクリートタンクの厚みを求める方法で、デ
ータ演算部21の第2の演算手段を使用することが特徴
となっている。従って、第2の演算手段について説明す
る。コンクリートタンクの表面に取付けた送波器13か
らコンクリートタンク中に超音波を送信すると、超音波
は、コンクリートタンクの表面と裏面の間で多重反射を
起こし、これらを加え合わせたものがコンクリートタン
クの表面に取付けられた受波器15で検知される。従っ
て、受波信号は、(4)式と同一の形で表現でき、
(4)式中のTがコンクリートタンクの表面と裏面との
間の1往復音波伝播時間に対応していることのみが異な
る。このため、剥離を裏面と置き換えることにより、第
1の演算手段に設けられている剥離が一つ存在する場合
の受波信号の処理方法と同一の取り扱いができる。表面
から裏面までの距離、すなわちコンクリートタンクの厚
みをLとすれば、Lを求める式は(10)式と同一とな
る。従って、(10)式で求まる第2の演算手段の処理
結果をデータ出力部22に入力して、所定の表示形式に
なるようにデータ加工を行い、データ表示機18の一例
であるパーソナルコンピュータ用の表示機器に入力する
ことにより、コンクリートタンクの厚みが表示される。
【0038】本発明の第3の実施の形態に係る構造物の
非破壊検査方法は、構造物11が多層材である、例えば
内面が高分子樹脂で被覆されたコンクリートタンク中に
コンクリートタンク表面から送信した超音波がコンクリ
ートと高分子樹脂との境界面及びタンク裏面(高分子樹
脂層の裏面)で反射したときの反射波の受波信号に対し
汎用の周波数解析法を適用して高分子樹脂被覆層の厚
み、コンクリート部分の厚みをそれぞれ求める方法で、
データ演算部21の第3の演算手段を使用することが特
徴となっている。従って、第3の演算手段について説明
する。内面が高分子樹脂で被覆されたコンクリートタン
クの外表面に取付けた送波器13からコンクリートタン
ク中に超音波を送信すると、コンクリート表面とコンク
リート層及び高分子樹脂層の境界面との間で生じる多重
反射波が受波器15で検知されるのに加えて、コンクリ
ート層及び高分子樹脂層の境界面を透過した超音波はコ
ンクリート層及び高分子樹脂層の境界面とタンク裏面と
の間で多重反射を起こし、これらの多重反射波が再びコ
ンクリート層及び高分子樹脂層の境界面を透過し受波器
15で検知される。
【0039】この状況は、剥離が2つ存在する場合に得
られる受波信号の状況と一致している。このため、1番
目の剥離をコンクリート層及び高分子樹脂層の境界面
に、2番目の剥離をタンク裏面に置き換えるだけで、検
知された受波信号に対して、第1の演算手段に設けられ
ている剥離が複数存在する場合の受波信号の処理と同一
の取り扱いが適用できる。なお、このときT1 、T2
は、それぞれコンクリート層部分の超音波の1往復伝播
時間、高分子樹脂層部分の超音波の1往復伝播時間とな
る。従って、コンクリート層部分の厚みをL1 、高分子
樹脂層の厚みをL2 とすると、コンクリート層部分の厚
みL1 はL1 =(T1 /2)V1 、高分子樹脂層の厚み
2 はL2 =(T2 /2)V2 として求まる。ここで、
1 、V2 はそれぞれコンクリート中の音波伝播速度、
高分子樹脂皮膜中の音波伝播速度を示す。L1 =(T1
/2)V1 、L2 =(T2 /2)V2 として求まる第3
の演算手段の処理結果をデータ出力部22に入力して、
所定の表示形式になるようにデータ加工を行い、データ
表示機18の一例であるパーソナルコンピュータ用の表
示機器に入力することにより、高分子樹脂層の厚み、コ
ンクリート層部分の厚みが表示される。
【0040】本発明の第4の実施の形態に係る構造物の
非破壊検査方法は、構造物11が単一材である、例えば
コンクリートタンクにおいて、タンク壁部に剥離が一つ
存在し、この剥離でタンク壁中に送信した超音波が反射
したときの反射波の受波信号に対し自己相関関数を求め
て剥離の位置を決定する方法で、データ演算部21の第
4の演算手段を使用することが特徴となっている。従っ
て、第4の演算手段について説明する。コンクリートタ
ンク中に剥離が1つ存在する場合、コンクリートタンク
の表面に取付けた送波器13からコンクリートタンク中
に超音波を送信すると、超音波は、コンクリートタンク
の表面と剥離面との間で多重反射を起こし、これらを加
え合わせたものがコンクリートタンクの表面に取付けら
れた受波器15で検知される。従って、受波信号y
(t)は、第1の演算手段で説明した(4)式と同一の
式で表せ、これは(5)式で近似できる。(5)式の形
の受波信号は、基本反射波の繰り返し構造を有している
ため、受波信号中に開始時刻をT0 としたある適当な時
間幅の波形を採り、これと開始時刻をT0 +τ(τ>
0)とした同一幅の波形、すなわち(15)式で示され
る受波信号の自己相関関数φy y を求めれば、コンクリ
ートタンク表面と剥離面の間の1往復音波伝播時間が求
められる。なお、(15)式のDは上記に考えた時間幅
を表わす。
【0041】
【数8】
【0042】自己相関関数φy y は、τ=T、2T、・
・・のようにTの整数倍の時間差τのときに極大値を取
るため、最初の極大値を与える時間差から、剥離面まで
の往復音波伝播時間Tが決定できる。往復音波伝播時間
Tが決定されると、コンクリートタンク表面から剥離ま
での距離Lは、コンクリートタンク壁内の音波の伝播速
度V1 を用いて、L=V1 T/2として計算できる。従
って、第4の演算手段の処理結果をデータ出力部22に
入力して、所定の表示形式になるようにデータ加工を行
い、データ表示機18の一例であるパーソナルコンピュ
ータ用の表示機器に入力することにより剥離位置が表示
される。
【0043】本発明の第5の実施の形態に係る構造物の
非破壊検査方法は、構造物11が単一材である、例えば
コンクリートタンク中に送信した超音波が裏面で反射し
たときの反射波の受波信号に対し自己相関関数を計算し
てコンクリートタンクの厚みを求める方法で、データ演
算部21の第5の演算手段を使用することが特徴となっ
ている。従って、第5の演算手段について説明する。コ
ンクリートタンクの表面に取付けた送波器13からコン
クリートタンク中に超音波を送信すると、超音波は、コ
ンクリートタンクの表面と裏面の間で多重反射を起こ
し、これらを加え合わせたものがコンクリートタンクの
表面に取付けられた受波器15で検知される。この状況
は、剥離が1つ存在する場合に得られる受波信号の状況
と一致している。このため、剥離を裏面と置き換えるこ
とにより、第4の演算手段に設けられている受波信号の
処理方法と同一の取り扱いができ、Tがコンクリートタ
ンクの表面と裏面との間の1往復音波伝播時間を表して
いることのみが異なる。従って、表面から裏面までの距
離、すなわちコンクリートタンクの厚みをLとすれば、
Lはコンクリートタンク中の音波の伝播速度V1 を用い
て、L=V1 T/2として求まる。従って、第5の演算
手段の処理結果をデータ出力部22に入力して、所定の
表示形式になるようにデータ加工を行い、データ表示機
18の一例であるパーソナルコンピュータ用の表示機器
に入力することによりコンクリートタンクの厚みが表示
される。
【0044】本発明の第6の実施の形態に係る構造物の
非破壊検査方法は、構造物11が単一材である、例えば
コンクリートタンク中に超音波を送信したときに、コン
クリートタンク表面とコンクリートタンクの内部に存在
している二つ以上の剥離面との間、及び各剥離面間にそ
れぞれ形成される定在波の受波信号に対し汎用の周波数
解析法を適用して剥離の位置を求める方法である。この
ため、データ演算部21に設けられている第1〜第8の
演算手段の中から第6の演算手段が起動するようにデー
タ処理器17の条件を選定する。剥離の検知を行うコン
クリートタンクの表面に送波器13及び受波器15を、
例えば機械グリスを接触媒体として取付けて、送波器1
3に、超音波発振器12を用いて、例えば5〜30ms
の間隔でパルス電圧を繰り返し印加して超音波パルスを
発生させコンクリートタンク中に送信する。この繰り返
しパルスが引き金となりコンクリートタンクの表面と各
剥離面との間に、及び各剥離面間には多くの定在波が発
生する。実際の非破壊検査では、コンクリートタンクの
表面に受波器15を取付け、定在波によるコンクリート
タンク表面の弾性振動を検出し、電気信号に変換して増
幅器16に入力する。増幅器16で信号処理しやすい大
きさに増幅された電気信号は、データ処理器17に入力
される。データ処理器17に入力された電気信号はAD
変換器を備えたデータ収録部19を経由してデータ記録
部20に記録される。データ処理を行うため、データ記
録部20から出力された信号、すなわち受波器15で検
知された受波信号は、データ演算部21中の第6の演算
手段に入力される。
【0045】例えば、剥離が音波の進行方向に対して2
つ存在する場合、定常状態では、表面と1番目の剥離と
の間、表面と2番目の剥離との間、及び2つの剥離の間
にそれぞれ3種類の定在波が生じる。このため、定常状
態では、受波器15で検知される受波信号は、3種類の
定在波によるコンクリートタンク内の弾性振動が重なり
合ったものとなっている。各定在波は、コンクリート中
の音波の伝播速度と剥離位置(表面から剥離までの距
離、すなわち深さ)により一義的に決まる基本モードの
定在波(周波数fj ;j=1、2、3)と、更に各基本
モードの定在波に対して基本モードの周波数の整数倍の
周波数を有する多数の高次モードの定在波とに限られ
る。
【0046】従って、受波信号の周波数解析を行うと、
周波数スペクトルのピーク周波数は定在波の周波数に相
当するので、ピーク周波数の配置から、上記3つのパタ
ーンの定在波、つまり、表面と1番目の剥離の間、表面
と2番目の剥離の間、及び2つの剥離の間の層に対し生
ずる3つのパターンの定在波に対し、それぞれ基本モー
ドの周波数fj (j=1、2、3)を求めることができ
る。これにより、1番目の剥離位置はL1 =V/(2f
1 )として求まる。また、2つの剥離の間の距離はL2
=V/(2f3 )として求まる。従って、2番目の剥離
位置はL1 +L2=V/(2f1 )+V/(2f3 )と
して求まる。一方、L1 +L2 は、表面と2番目の剥離
の間の距離であるから、L1 +L2 =V/(2f2 )と
しても求まり、L1 、L2 の計算に当っては互いの関係
式を用いて校正できる。従って、第6の演算手段の処理
結果をデータ出力部22に入力して、所定の表示形式に
なるようにデータ加工を行い、データ表示機18の一例
であるパーソナルコンピュータ用の表示機器に入力する
ことによりコンクリートタンク内での剥離位置が表示さ
れる。なお、剥離面が1つの場合は、定常状態を待たず
に、過渡状態の受波信号の周波数スペクトルを求めれ
ば、これのピーク周波数が定在波の周波数に引き込まれ
るため、エネルギーの大きい帯域でのピーク周波数が基
本モード周波数の整数倍になるようLを求めることによ
り、剥離面の位置を定めることができる。もし、このと
きの基本モードの周波数が一意に定まらない場合は、超
音波発振器12におけるパルス電圧の繰り返し周波数を
変えるか、超音波センサの共振周波数を変えるか、ある
いは共振周波数の異なる他の超音波センサを併用するか
などして計測を何回か行えばよい。これにより解が一意
に求まる。
【0047】本発明の第7の実施の形態に係る構造物の
非破壊検査方法は、構造物11が単一材である、例えば
コンクリートタンクの壁中に超音波を送信したときに、
コンクリートタンク表面とコンクリートタンクの裏面と
の間に形成される定在波の受波信号に対し汎用の周波数
解析法を適用してコンクリートタンクの厚みを求める方
法で、データ演算部21の第7の演算手段を使用するこ
とが特徴となっている。従って、第7の演算手段につい
て説明する。コンクリートタンクの表面に取付けた送波
器13からコンクリートタンク中に超音波を送信する
と、超音波によりコンクリートタンクの表面と裏面との
間に定在波が形成され、これらの定在波によるコンクリ
ートタンクの弾性振動がコンクリートタンクの表面に取
付けられた受波器15で検知される。従って、受波信号
は、第6の実施の形態で剥離面が1つ存在する場合に得
られる受波信号と同一となる。このため、剥離面を裏面
と置き換えることにより、第6の演算手段に設けられて
いる受波信号の処理方法と同一の取り扱いができる。従
って、前記の方法を用い基本モードの周波数fが求まれ
ば、コンクリートタンクの厚みLは、L=V/(2f)
により求められる。その結果をデータ出力部22に入力
して、所定の表示形式になるようにデータ加工を行い、
データ表示機18の一例であるパーソナルコンピュータ
用の表示機器に入力することによりコンクリートタンク
厚みが表示される。
【0048】本発明の第8の実施の形態に係る構造物の
非破壊検査方法は、構造物11が多層材である、例えば
内面が高分子樹脂で被覆されたコンクリートタンク中に
コンクリートタンク表面から超音波を送信した場合に、
定常状態時にコンクリート層内に形成される定在波、高
分子樹脂層内に形成される定在波、及びコンクリート層
と高分子樹脂層の2層間に跨がる定在波からなる受波信
号に対し汎用の周波数解析法を適用して高分子樹脂層の
厚み、コンクリート層の厚みをそれぞれ求める方法で、
データ演算部21の第8の演算手段を使用することが特
徴となっている。従って、第8の演算手段について説明
する。コンクリート層内に形成される定在波、高分子樹
脂被覆層内に形成される定在波、及びコンクリート層と
高分子樹脂層の2層間に跨がる定在波と、3種類の異な
る定在波が存在するので、1番目の剥離位置をコンクリ
ート層と高分子樹脂層との接合面、2番目の剥離位置を
タンク裏面と置き換えることにより、第6の実施の形態
に係る構造物の非破壊検査方法において、剥離が2つ存
在する場合の取り扱いと同一となる。このため、受波信
号の周波数分析を行ない、周波数スペクトルのピーク周
波数の配置関係から3種類の定在波の各基本モードの定
在波の周波数を直接求め、これらのうちf1 、f2 がコ
ンクリート層内に形成される定在波の基本周波数、高分
子樹脂層内に形成される定在波の基本周波数としてそれ
ぞれ求まったとすると、コンクリート層の厚みL1 はL
1 =V1 /(2f1 )、高分子樹脂層の厚みL2 はL2
=V2 /(4f2 )として求まる。なお、V1 、V
2は、それぞれコンクリート層及び高分子樹脂層中の音
速である。第8の演算手段の処理結果をデータ出力部2
2に入力して、所定の表示形式になるようにデータ加工
を行い、データ表示機18の一例であるパーソナルコン
ピュータ用の表示機器に入力することにより、内面が高
分子樹脂で被覆されたコンクリートタンクにおける高分
子樹脂層の厚み、及びコンクリート層部分の厚みがそれ
ぞれ表示される。なお、ここでは、第1層目、第2層目
の音響インピーダンスの違いを考慮して、L1 、L2
計算方法を変えている。
【0049】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、
例えば、構造物の表面に取付けた超音波センサの送波器
の代わりに、繰り返しの機械的衝撃を構造物の表面に与
えることが可能なエアノッカー等を使用してもよい。こ
のため、構造物の非破壊検査方法としての利用可能性が
拡大する。また、構造物の表面に送波器と受波器をそれ
ぞれ取付けたが、送波器と受波器からなる一探触子型超
音波センサを使用することもできる。これによって、表
面が複雑な形状を有する構造物に対して非破壊検査を容
易に行なうことが可能となる。更に、構造物の表面で送
波器と受波器を適当な間隔で移動させながら検査を行な
うことにより2次元の非破壊検査を行うことができる。
剥離が一つ存在する場合の受波信号の処理からf1 を求
めるのに(9)式を使用したが、剥離が存在しても、外
乱のため余分なピークが現れたり、ピークが途中でシフ
トを起こしたり、あるいは所定のピークが現れなかった
りする場合がみられるので、各ピーク間隔のヒストグラ
ムから特に頻度の高い周波数間隔を求めて、これをf1
とし剥離深さLを求めることも可能である。更に、周波
数解析法として、データ数が少なくても分解能が高い最
大エントロピー法の他に、高速フーリエ変換法を使用す
ることも可能である。
【0050】
【発明の効果】請求項1及びこれに従属する3、5〜7
記載の構造物の非破壊検査方法においては、受波信号は
構造物の内部に存在する一つ以上の音響インピーダンス
の変化する境界面で反射した反射波の音圧信号であり、
反射波の音圧信号の周波数解析より得られる周波数スペ
クトルのピーク周波数から反射波の往復音波伝播時間を
決定し、往復音波伝播時間と構造物中の音速を用いて構
造物表面と境界面との距離を求めるので、多様な構造を
有する構造物の内部検査を行うことができ、非破壊検査
の対象とする構造物の形状的な適用範囲を拡大すること
ができる。
【0051】請求項2及びこれに従属する3、5〜7記
載の構造物の非破壊検査方法においては、受波信号は構
造物の内部に存在する一つ以上の音響インピーダンスの
変化する境界面同士及び境界面と構造物の表面との間に
発生した定在波による音圧信号であり、定在波による音
圧信号の周波数解析より得られる周波数スペクトルのピ
ーク周波数と構造物中の音速を用いて、構造物表面と境
界面との距離を求めるので、構造物内部の超音波散乱の
影響を除いた受波信号を利用でき、コンクリート構造物
のように内部に骨材等の超音波散乱源を有する構造物に
対しても高精度に非破壊検査を実施することができ、非
破壊検査の対象とする構造物の材質的な適用範囲を拡大
することができる。
【0052】特に、請求項3記載の構造物の非破壊検査
方法においては、周波数解析は、受波信号に対し汎用の
周波数解析法を適用して求めた周波数スペクトルを理論
的な受波信号の周波数スペクトルに一致させるので、短
時間に高精度で構造物の内部検査を行うことができる。
【0053】請求項4及びこれに従属する5、6記載の
構造物の非破壊検査方法においては、受波信号は構造物
の内部に存在する音響インピーダンスの変化する境界面
で反射した反射波の音圧信号であり、反射波の自己相関
関数の極大値を与える最小時間から反射波の往復音波伝
播時間を決定し、往復音波伝播時間と構造物中の音速を
用いて構造物表面と境界面との距離を求めるので、理論
的な受波信号波形と実測された受波信号波形との間の最
適パターンマッチングを行わずに短時間で構造物中の境
界面の位置を正確に求めることができる。
【0054】特に、請求項5記載の構造物の非破壊検査
方法においては、境界面が構造物中に発生した剥離面で
あるので、構造物中に発生した剥離の位置を正確に求め
て構造物からの剥落事故の予防を行うことができ、更
に、構造物の寿命診断を短時間に高精度で実施すること
ができる。請求項6記載の構造物の非破壊検査方法にお
いては、境界面が構造物の裏面であるので、構造物の厚
みが正確に測定でき、構造物の品質保証、使用中の構造
物の肉厚減少に伴う劣化診断等を短時間に高精度で実施
することができる。請求項7記載の構造物の非破壊検査
方法においては、境界面が構造物を構成している複数の
材料間の各接合面であるので、各材料層の厚さを測定す
ることができ、構造物の品質保証、使用中の構造物の肉
厚減少に伴う劣化診断等を短時間に高精度で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜第8の実施の形態に係る構造物
の非破壊検査方法に使用した構造物非破壊検査装置を説
明する概念構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る構造物の非破
壊検査方法における受波信号に対する周波数解析から求
めた周波数スペクトルを示すグラフである。
【図3】同構造物の非破壊検査方法における剥離が2つ
存在するコンクリートタンク中を伝播する超音波を受波
器で受信する際の受波信号の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10:構造物非破壊検査装置、11:構造物、12:超
音波発振器、13:送波器、14:境界面、15:受波
器、16:増幅器、17:データ処理器、18:データ
表示機、19:データ収録部、20:データ記録部、2
1:データ演算部、22:データ出力部、23:コンク
リートタンク表面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の表面に超音波センサの送波器を
    取付け、該送波器から超音波を該構造物中に発信し、該
    構造物からの応答性を該構造物の表面に取付けた超音波
    センサの受波器で受波信号として検出し、該受波信号か
    ら該構造物の内部検査を行う構造物の非破壊検査方法に
    おいて、前記受波信号は前記構造物の内部に存在する一
    つ以上の音響インピーダンスの変化する境界面で反射し
    た反射波の音圧信号であり、該反射波の音圧信号の周波
    数解析より得られる周波数スペクトルのピーク周波数か
    ら該反射波の往復音波伝播時間を決定し、該往復音波伝
    播時間と前記構造物中の音速を用いて前記構造物の表面
    と前記境界面との距離を求めることを特徴とする構造物
    の非破壊検査方法。
  2. 【請求項2】 構造物の表面に超音波センサの送波器を
    取付け、該送波器から超音波を該構造物中に発信し、該
    構造物からの応答性を該構造物の表面に取付けた超音波
    センサの受波器で受波信号として検出し、該受波信号か
    ら該構造物の内部検査を行う構造物の非破壊検査方法に
    おいて、前記受波信号は前記構造物の内部に存在する一
    つ以上の音響インピーダンスの変化する境界面同士及び
    該境界面と前記構造物の表面との間に発生した定在波に
    よる音圧信号であり、該定在波による音圧信号の周波数
    解析より得られる周波数スペクトルのピーク周波数と前
    記構造物中の音速を用いて、前記構造物の表面と前記境
    界面との距離を求めることを特徴とする構造物の非破壊
    検査方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の構造物の非破壊検
    査方法において、前記周波数解析は、前記受波信号に対
    し汎用の周波数解析法を適用して求めた周波数スペクト
    ルを理論的な受波信号の周波数スペクトルに一致させる
    ことにより行うことを特徴とする構造物の非破壊検査方
    法。
  4. 【請求項4】 構造物の表面に超音波センサの送波器を
    取付け、該送波器から超音波を該構造物中に発信し、該
    構造物からの応答性を該構造物の表面に取付けた超音波
    センサの受波器で受波信号として検出し、該受波信号か
    ら該構造物の内部検査を行う構造物の非破壊検査方法に
    おいて、前記受波信号は前記構造物の内部に存在する音
    響インピーダンスの変化する境界面で反射した反射波の
    音圧信号であり、該反射波の自己相関関数の極大値を与
    える最小時間から該反射波の往復音波伝播時間を決定
    し、該往復音波伝播時間と前記構造物中の音速を用いて
    前記構造物の表面と前記境界面との距離を求めることを
    特徴とする構造物の非破壊検査方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の構
    造物の非破壊検査方法において、前記境界面が前記構造
    物中に発生した剥離面であることを特徴とする構造物の
    非破壊検査方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の構
    造物の非破壊検査方法において、前記境界面が前記構造
    物の裏面であることを特徴とする構造物の非破壊検査方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の構
    造物の非破壊検査方法において、前記境界面が前記構造
    物を構成している複数の材料間の各接合面であることを
    特徴とする構造物の非破壊検査方法。
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