JP2002195151A - プラズマガス推進装置 - Google Patents

プラズマガス推進装置

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JP2002195151A
JP2002195151A JP2000395280A JP2000395280A JP2002195151A JP 2002195151 A JP2002195151 A JP 2002195151A JP 2000395280 A JP2000395280 A JP 2000395280A JP 2000395280 A JP2000395280 A JP 2000395280A JP 2002195151 A JP2002195151 A JP 2002195151A
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propellant
laser beam
propulsion device
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JP2000395280A
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Hiroyuki Watanabe
裕之 渡辺
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部から供給されるレーザー光Zをノズル内
に取り入れるための窓部材およびノズルの冷却を効率的
に行うとともに、推進薬にレーザー光を効率的に投射可
能な軽量かつ簡易な構造のプラズマガス推進装置を提供
する。 【解決手段】 レーザー光導入部(25)に設けられた窓部
材(24)をフィルム冷却するとともにノズル(6)の再生冷
却を行う。また、ジンバル軸(5)と集光器(16)を一体化
してレーザー光の焦点をノズル内の一点Fに固定し、ま
た、ジンバル軸(5)を推進薬投入手段として使用するこ
とで、ノズル(6)のジンバリングに拘わらずレーザー光
の焦点Fに確実に推進薬を投入することができる。その
際、好ましくは推進薬、ノズル(6)及び窓部材(24)の冷
却液に水を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマガス推進
装置の構造、より詳細には、ノズル内に投入された推進
薬に外部からレーザー光を供給投射し、推進薬を効率的
に高温のプラズマガス状態としてノズルから噴射するこ
とで推力を得るプラズマガス推進装置に関する。
【0002】
【従来の技術】宇宙開発の進展に伴いペイロード輸送の
ための軌道間輸送機の開発が進められている。ここで商
用衛星たる軌道間輸送機には、より多くの推力性能を持
ちながら軽量かつ低コストの推進装置が求められてい
る。
【0003】現在、最も普通に用いられている推進装置
には、酸化剤と化学燃料とを混合燃焼させ推力を得る化
学式推進装置と、推進薬をイオン化して噴射することで
推力を得る電気式推進装置とがある。化学式推進装置
は、推力が大きいので、大きなペイロードを移動でき、
また、短時間に軌道間の移動を行うこともできるといっ
た利点を有するが、比推力が小さいため必要な推進薬
(酸化剤、燃料)の重量が大きくなるといった問題があ
った。一方、電気式推進装置では、比推力が大きいため
推進薬となる燃料の重量は少なくてすむが、推力が小さ
いため低高度の軌道から高高度の軌道にペイロードを移
動させるには時間がかかり、また、短い時間で移動させ
ようとすると小さなペイロードしか運搬できないといっ
た問題があった。
【0004】そこで、上記問題点を解決すべく外部から
照射されるレーザー光をエネルギー源として、機体に搭
載された燃料を該レーザー光により加熱し、高温高圧の
ガスとしてノズルから噴射し、化学式推進装置よりも高
い比推力を、電気式推進装置よりも大きな推力を得るこ
とができるレーザー熱式推進装置が提案されている。
【0005】本願の出願人は、特願平11−31894
2号(以下「先の出願」という。)において、レーザー
光を利用したエンジンシステムを開示している。図4に
先の出願のレーザー光を利用したエンジンシステムの概
要を説明する。該エンジンシステムは、外部から供給さ
れるレーザー光、集光光学系(31)、集光されたレー
ザー光により推進薬をプラズマ化して噴射するノズル
(32)とからなる。ここで、燃料(推進薬)には安価
で取り扱いが容易な水を用い、これをペレット状の氷と
した上でノズル内に投入し、この氷に集光したレーザー
光を投射し直接高温のプラズマガス状態とし、これをノ
ズルから噴射することによってより大きな推力と高い比
推力を発揮させるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先の出願にかかるエン
ジンシステムによれば、燃料としては水のみを装備す
ればよく、酸化剤や可燃燃料のタンクを装備しなくて良
いため装置の軽量化を図ることができる。推進薬(燃
料)として長期保存性を有している水を使用しているた
め、エンジンへの搭載も可能であり、またこれを用いて
ノズルの冷却も同時に行うことができる。燃料である
水を氷または水と氷が混合した状態で投入することで、
レーザー光の焦点に確実に燃料を供給することができ
る。その結果、燃料は焦点位置で効率良くプラズマガス
化されるため、エネルギーの利用効率を高めることがで
きる。また、水をプラズマガス化することで推力を増大
させ、比推力も大きくとることができる。レーザー源
を航空機に搭載することによって天候等の影響を受けに
くい雲上からのレーザー照射をすることができ、レーザ
ー光源配置の自由度が増し効率的にレーザー光をエンジ
ンに供給することが可能となる。レーザー光を受ける
集光鏡を可変とすることにより、レーザー光源の位置に
よらず、常時、レーザー光を効率よく受けることができ
る、といった様々な利点がある。
【0007】ここで燃料である水をプラズマガス化する
にはノズルにレーザー光導入部を設け、外部から供給さ
れるレーザー光をノズル内に導きノズル内の特定の一点
で焦点を結ばせる必要がある。ここでレーザー光をノズ
ル内に導く方法としてはノズルの一部に穴を開ける方法
と透明性を有する窓部材を設けこれを通す方法とが考え
られる。穴を開ける方法ではプラズマガスの逆流を防ぐ
必要があり、そのための有力な手段として磁場による制
御があげられるが、これには大きな電力を必要とし、ま
た、強力な磁場により軌道間輸送機の他の機器に影響を
与えるおそれがあるためその実用化には困難を伴う。一
方、透明性を有する窓部材を用いる方法では、供給電力
や磁場の影響の問題はないがプラズマ化したガスは超高
温であるため窓部材の冷却が必要となる。そこで、本発
明は窓部材を用いてレーザーを導く方法を採用し、その
場合の窓部材の冷却を簡易かつ軽量な機構によって効率
的に行うことが可能なプラズマガス推進装置を提供する
ことを第一の目的とする。
【0008】また、ノズルのジンバリング(進行方向の
変更のための首振り)が行われた際、投入される推進薬
とレーザー光の焦点とのずれを防止すべく、ジンバリン
グに拘わらずノズル内のレーザー光の焦点位置を特定の
一点に固定し、該一点に推進薬を確実に投入することを
可能とする簡易かつ軽量な推進薬投入手段を有するプラ
ズマガス推進装置を提供することを第二の目的とする。
【0009】加えて、投入される推進薬の種類および量
とレーザー光により供給されるエネルギー、推進装置の
大きさ等との関係により、必要に応じてノズルの形状の
最適化することによりプラズマガスの流速を増加させ、
推進力および比推進力を向上させることを第三の目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るため本発明のプラズマガス推進装置は、ロケット搭載
用の推進装置であって、該推進装置はその一端に噴射口
(22)を有するノズル(6)と、該ノズル内に推進薬
を投入する推進薬投入手段と、外部から供給されるレー
ザー光をノズル内に集光するレーザー光集光手段と、を
備え、ノズルには透明性を有する窓部材(24)が嵌合
されたレーザー光導入部(25)が設けられ、該レーザ
ー光導入部の周囲には冷却液を供給する冷却液供給手段
が設けられており、該冷却液供給手段から窓部材のノズ
ル内の面に向けて冷却液を流し込むことでフィルム膜を
形成し窓部材の冷却を行う窓部材冷却機構を備えること
を特徴とする。
【0011】本発明のプラズマ推進装置では、まず外部
から供給されるレーザー光をレーザー光集光手段によっ
て集光し、前記ノズルに設けられた窓部材を通してノズ
ル内に導き入れたうえでノズル内の一点に焦点を結ばせ
る。次にこの焦点に向けて推進薬投入手段を用いて推進
薬を投入し、これにレーザー光を照射することで加熱し
プラズマガス化したうえでノズルの一端に設けられた噴
射口から噴射し推進力を得るものである。ここで、レー
ザー光導入部に嵌合される窓部材には耐熱ガラスを用い
るものが考えられるが、ノズル内はプラズマ化したガス
等の影響によって超高温(2000度以上)となるため
一般的な耐熱ガラス(耐熱温度は1700度程度)では
それをそのまま使用することができない。そのため、本
発明のプラズマ推進装置はフィルム冷却法を用いてレー
ザー光導入部の窓部材の冷却を行う。すなわち、かかる
窓部材冷却機構は冷却液供給手段により外部から導管を
通じてノズル内面に冷却液を導き入れ、これを窓部材の
方向へ向けて注入することで窓部材のノズル内面に水蒸
気のフィルム膜を形成してフィルム冷却を行うものであ
る。
【0012】また、窓部材と同様に、ノズル全体もプラ
ズマ化したガスの影響により超高温となるため冷却する
必要がある。本発明のプラズマガス推進装置では、前記
ノズルの筐体を形成するノズルジャケットに冷却液通路
を設けることによって形成する吸熱装置と、循環ポン
プ、放熱器及びこれらを結ぶ導管とから形成されるノズ
ル冷却装置を備えることによってノズル全体の冷却を行
うのが望ましい。その際、装置の軽量化等のためクーラ
ントには推進薬を用いることによりノズルの再生冷却
(推進薬を冷却液−クーラント−としても使用して行う
冷却)を行うことが好ましい。再生冷却を行うことでエ
ンジンの耐熱性を高め、超高温となるプラズマガスに対
しても使用可能なプラズマガス推進装置を提供すること
ができる。さらに、ここでノズル内の冷却液通路のう
ち、前記窓部材の周囲に位置する部分に前記冷却液供給
口となる小孔を設け、ここからノズル冷却用の冷却液の
一部を流出し窓部材方向へ注入することが好ましい。ノ
ズルジャケット内の冷却液通路から窓部材に冷却液を直
接注入することで、専ら窓部材の冷却に使用される導管
や冷却液用のタンクおよび冷却液を注入するためのポン
プ等の設備等を設ける必要をなくすことができる。
【0013】なお、推進薬、窓部材冷却用冷却液および
ノズル冷却用冷却液として、共通するタンクから供給さ
れる水を使用することが好ましい。先の出願に開示した
ように、水は安価で取り扱いがし易く、また、推進薬で
ある水を用いてノズルの再生冷却および窓部材のフィル
ム冷却を行うことでタンクの共有が可能となり、装置の
軽量化等が可能となる。
【0014】また、上記第二の目的を達成するため本発
明のプラズマガス推進装置に設けられる推進薬投入手段
は、一端が前記ノズルの側壁を貫通する中空管であって
ノズルの両側壁から外側に伸長しノズルを首振り自在に
軸支する相互に同一の軸線を有する一対のジンバル軸か
らなり、該ジンバル軸は外部から供給されるレーザー光
をノズル内部に集光する凹面鏡若しくは凸レンズより構
成される集光手段と一体となるよう固定され、該集光手
段によって集光されたレーザー光がノズル内のジンバル
軸の軸線上に焦点を結ぶようジンバル軸と集光手段が関
係づけられている。ジンバル軸が推進薬投入手段として
も機能し、また、ジンバル軸が集光器と一体となるよう
に固定され、さらに、集光されたレーザー光がノズル内
のジンバル軸軸線上に焦点を結ぶように関係づけること
で、ノズルのジンバリング(首振り)に拘わらずレーザ
ー光の焦点は常にジンバル軸軸線上の一点に固定するこ
とができる。これにより常にレーザー光の焦点に推進薬
を確実にレーザー光の焦点に投入することが可能とな
る。すなわち、ノズルのジンバリングが行われた場合で
も、ジンバル軸の軸線は影響を受けず移動することもな
いため、予め集光手段とジンバル軸とを一体となるよう
に固定し、レーザー光がジンバル軸軸線上に焦点を結ぶ
ように関係づけておけば、中空管であるジンバル軸中を
通ってノズル内に高速で投入されほぼ一直線状にノズル
内のジンバル軸軸線をたどる推進薬は必ず該軸線上に固
定されたレーザー光の焦点に向かい、この焦点でレーザ
ー光によって供給される熱によりプラズマガス化され
る。本機構によりレーザー光のエネルギーを効率的に利
用して推進薬をプラズマガス化することができる。
【0015】さらに上記第三の目的を達成するため本発
明のプラズマ推進装置のノズルには、その内周面に単一
のくびれ部が形成されており、該くびれ部の上部には前
記ジンバル軸によって軸支され、かつ、レーザー光導入
部を有するノズル上部が形成され、該くびれの下部には
噴射口に向けてプラズマガス流路断面が徐々に大きくな
るノズル下部が形成されている。
【0016】投入される推進薬の種類および量とレーザ
ー光により供給されるエネルギー、推進装置の大きさ等
との関係によっては、必要に応じてノズルに単一のくび
れ部を形成し、ノズル上部でプラズマガス化された推進
薬をくびれ部において一旦圧縮し、その後これをノズル
下部に抜き膨張させ、加速状態で噴射口より噴射させる
ことで、同じレーザー光のエネルギーを利用する場合で
も、推力及び比推力を向上させることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略す
る。図1は、本発明にかかるプラズマガス推進装置を使
用した推進システムの第一の実施形態の構成を示す概念
図である。
【0018】この推進システムは、主に航空機等に搭載
されるレーザー光供給部(図示せず)、供給レーザーを
反射・集光する集光光学部、集光されたレーザー光を投
射することにより燃料をプラズマガス化して噴射するノ
ズル部とからなる。
【0019】まず、本発明のプラズマガス推進装置にお
いては、推進薬として、取り扱いが容易で安価な水を使
用する。タンク1に貯蔵された推進薬の水2は、加圧ガ
スタンク3、製氷器4、中空管であるジンバル軸5から
構成される推進薬投入手段によってノズル6内に投入さ
れる。具体的には、タンク1内の水は加圧ガス(例え
ば、窒素ガスGN2)の圧力により冷却装置である製氷
器4に送られ、細かい氷(例えば、ペレット状、粒状
等)の状態または水と氷がほぼ均一に混合された状態
(例えば、スラッシュ状、シャーベット状など)など発
散しにくい形にされた上で製氷器4からジンバル軸5の
一端に向け圧送される。圧送された氷状の推進薬はジン
バル軸5の軸中を高速に移動し、ノズル5を貫通するジ
ンバル軸5の他端からノズル6内のジンバル軸5の軸線
上の一点に向けて投入される。ノズル6内に投入された
氷粒等は、レーザー光Zの投射によって供給されるエネ
ルギーによりプラズマガス化し、ノズル6から噴射され
ることで推進力として利用される。なお、7はタンク1
への加圧ガスの供給を制御する制御バルブであり、8は
タンクから製氷器4に供給する水を制御する制御バルブ
である。
【0020】また、エンジン部では図1に示すように、
タンク1から送られる推進薬用の水2の一部は、ポンプ
9により矢印Aの方向からノズルの外套に設けられた冷
却液通路10に送られてノズル6の再生冷却を行い矢印
B方向に抜ける。再生冷却を行った後の高温の水蒸気
は、その一部がタービン11によるポンプ駆動用の動力
源として使用され、放熱器12において放熱を行った
後、タンク1へと還流して再利用されるようになってい
る。
【0021】ここで、本発明のプラズマガス推進装置の
第一の実施形態の主要部の構造を表す構成図である図2
を用いてノズル内におけるの上記再生冷却の機構を説明
する。ノズル6は図に示すようにノズルの内壁および外
壁を形成するジャケットと、この外壁と内壁の間に設け
られた中間壁からなる。ノズル内にはノズル内壁と中間
壁からなる第一空間層21aとノズル外壁と中間壁から
なる第二空間層21bが形成され、第一空間層21aと
第二空間層21bは下端に位置する噴射口22近くでつ
ながり冷却水用の通路を形成している。循環ポンプ(図
1参照)の圧力によってノズル上端に位置する冷却液供
給口23aから供給された冷却水は第一空間層21aに
広がりノズル内壁の冷却を行いながら噴射口22方向へ
進行し、噴射口22近くで折り返して第二空間層21b
へと進み同じくノズル上端に位置する冷却液排出口23
bへ向かうことでノズルの再生冷却を行う。
【0022】ノズル上端の一部には透明な耐熱ガラスか
らなる窓部材24が嵌合されたレーザー光導入部25が
設けられている。外部から供給されるレーザー光Zをレ
ーザー光導入部分25からノズル6内部に導き入れ、レ
ーザー光Zによって推進薬を加熱しプラズマガス化する
ことができる。ここで、窓部材24はノズル6内で発生
するプラズマガスにより加熱され超高温となるため、推
進薬である水を使用したフィルム冷却法によって冷却す
る。具体的には、窓部材24が嵌合された位置に程近い
冷却液通路(第一空間層21a)のノズル内壁の一部に
耐熱ガラスを取り囲むようにして多数の小孔を設け、冷
却液供給口23aから第一空間層へ広がる冷却水の一部
をこの小孔から矢印aに示すように窓部材24のノズル
内壁側の表面に流出する機構を有する冷却液供給手段に
より耐熱ガラスの冷却を行う。なお、冷却水2は循環ポ
ンプ9により圧が加えられており小孔から自然に流出す
るため、冷却水2を小孔から流出させるための別途特別
な装置を必要としない。流出した冷却水2の一部はプラ
ズマガスの熱によって水蒸気となり窓部材24表面上に
水蒸気のフィルム膜を形成するため、これを保護膜とし
て利用することで耐熱ガラスの冷却を行う。
【0023】図1に示すように、外部から矢印で示すよ
うに供給されるレーザー光Zは、推進装置の外部の宇宙
空間に備えられ、小型反射板が集合し全体として凹面を
形成する大径の集光鏡13により第一次的に集光・反射
され反射鏡14に向かう。このレーザー光は凹面を有す
る反射板からなる反射鏡14において第二次的に集光・
反射されノズル内の一点Fで焦点を結び、推進薬に高い
エネルギーを供給する。この高密度のエネルギーにより
推進薬である水をプラズマガス状態とすることにより、
より大きな推進力と高い比推力を得ることができる。
【0024】また、図2(B)に示すように、ノズル6
の両側壁には外側に伸長する同一軸線を有するジンバル
軸5が設けられ、ノズル6の上方に設けられたアクチュ
エーター15の動力によってジンバル軸5を回転軸とし
て首振り自在に軸支されている。
【0025】製氷器4で作られた推進薬である氷は加圧
ガスの圧力によりジンバル軸5に圧送される。ジンバル
軸5はノズル6の側壁を貫通してノズル6内部と連通す
る中空管であり、ジンバル軸中を通り推進薬である氷粒
がノズル6内に投入される。ここで、ジンバル軸5は外
部から供給されるレーザー光をノズル内部に集光する集
光器16と一体となるように留め具27により固定され
ており、集光器16には集光されたレーザー光がノズル
6内のジンバル軸軸線上に焦点15を結ぶような凹面を
有する反射鏡14が設けられている。かかる機構により
ノズルのジンバリングに拘わらず、推進薬である氷粒を
必ずレーザー光の焦点へ投入することができる。
【0026】また、第二の実施形態として、図3に示す
ように、ノズル6はその内周面に一のくびれ部26を有
し、くびれ部26の上部にはジンバル軸5によって軸支
され、かつ、レーザー光導入部25を有するノズル上部
6aが形成されており、くびれ部26の下部には噴射口
22に向けてプラズマガス流路断面が徐々に大きくなる
ノズル下部6bが形成されているものとすることもでき
る。ここでノズル6は上記第一の実施形態と同様に、ジ
ンバル軸5を中心として首振り自在に軸支されている。
ノズル上部6aのほぼ中央でプラズマガス化し膨張した
水は、全方向に拡散しようとするが、ノズルの上方は窓
部材24で塞がれ、側方はノズルジャケットが形成され
ているため唯一開口しているノズル下方へ抜けようとす
る。その際、ノズル上部6aとノズル下部6bとの間に
設けられたくびれ部26において一旦圧縮されその流速
を増し、その後ノズル下部6bに抜け膨張することで加
速された状態で噴射口より噴射される。その結果、投入
される推進薬の種類および量とレーザー光により供給さ
れるエネルギー、推進装置の大きさ等との関係によって
は、同じレーザー光のエネルギーを利用する場合でも、
推力及び比推力が向上させることが可能となる。
【0027】なお、第一の実施形態および第二の実施形
態ともにノズル6のうちプラズマガスと直接接触する部
分であるノズル内周面の材質はコロンビウムに対酸化皮
膜を施した材料などの耐熱・軽量材料を用い、ノズル外
周面等にはアルミ合金をベースとした複合材料を用い
る。これは、水のプラズマガス化に伴い発生する酸化性
の高い酸素原子からノズル内面を保護し、また、エンジ
ン全体の製造コストや耐熱性、軽量化、熱伝導性・熱放
射性等を考慮したものである。
【0028】
【発明の効果】上記のように、本発明のプラズマガス推
進装置では、先の出願に開示した推進薬に水を用いたレ
ーザー光を利用したエンジンシステムの実用化を図るべ
く、ノズル内にレーザー光を取り込む手段としてレーザ
ー光導入部に窓部材を設け、その際必要となる窓部材の
冷却をフィルム冷却法を用いることで簡易かつ効率的に
行うことを可能とする。
【0029】また、好ましくはノズル側壁の冷却を再生
冷却法を用いて行うことで別途特別な冷媒を用いること
なくプラズマガス推進装置の耐熱性を高めることができ
る。
【0030】さらに、推進薬、窓部材のフィルム冷却及
びノズルの再生冷却用のクーラントとして水を利用し、
そのタンクも共用することで全体として推進装置の軽量
化を図ることができる。
【0031】加えて、簡易な構造の氷粒投入手段によっ
てノズルのジンバリングに拘わらずノズル内のレーザー
光の焦点位置を固定し、該一点に部分に燃料(氷等)を
確実に投入可能とすることで、レーザーにより供給され
るエネルギーの効率的な利用を図ることができる。
【0032】また、投入される推進薬の種類および量と
レーザー光により供給されるエネルギー、推進装置の大
きさ等との関係によっては、ノズルの内周面に一のくび
れ部を形成することによって、プラズマガスの流速を増
し、推進装置の推力及び比推力をさらに向上させること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプラズマガス推進装置を利用した推
進システムの構成を示す概念図である。
【図2】 本発明のプラズマガス推進装置の第一の実施
形態を示す概略図であってA図は正断面図、B図は側断
面図を表す。
【図3】 本発明のプラズマガス推進装置の第二の実施
形態を示す概略図であってA図は正断面図、B図は側断
面図を表す。
【図4】 先の出願に開示したレーザー光を利用したエ
ンジンシステムの構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1 タンク 2 水 3 加圧ガスタンク 4 製氷器 5 ジンバル軸 6 ノズル 6a ノズル上部 6b ノズ
ル下部 7,8制御バルブ 9 ポンプ 10 冷却液通路 11 ター
ビン 12 放熱器 13 集光
鏡 14 反射鏡 15 アク
チュエーター 16 集光器(集光手段) 21a 第一空間層 21b 第
二空間層 22 噴射口 23a 冷却液供給口 23b 冷
却液排出口 24 窓部材 25 レー
ザー光導入部 26 くびれ部 27 留め
具 31 集光光学系 32 ノズ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロケット搭載用の推進装置であって、 該推進装置はその一端に噴射口(22)を有するノズル
    (6)と、 該ノズル内に推進薬を投入する推進薬投入手段と、 外部から供給されるレーザー光をノズル内に集光するレ
    ーザー光集光手段と、を備え、 ノズルには透明性を有する窓部材(24)が嵌合された
    レーザー光導入部(25)が設けられ、 該レーザー光導入部の周囲には冷却液を供給する冷却液
    供給手段が設けられており、該冷却液供給手段から窓部
    材のノズル内の面に向けて冷却液を流し込むことでフィ
    ルム膜を形成し窓部材の冷却を行う窓部材冷却機構を備
    えるプラズマガス推進装置。
  2. 【請求項2】 前記ノズルの筐体を形成するノズルジャ
    ケットにはその内部を冷却液が循環する冷却液通路(1
    0)が形成され、 該冷却液通路のうち前記窓部材の周囲に位置する部分に
    は前記冷却液供給手段となる小孔が設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載のプラズマガス推進装置。
  3. 【請求項3】 推進薬、窓部材冷却用冷却液およびノズ
    ル冷却用冷却液はともに共通するタンク(2)から供給
    される水を使用することを特徴とする請求項1又は2に
    記載のプラズマガス推進装置。
  4. 【請求項4】 前記推進薬投入手段は一端が前記ノズル
    の側壁を貫通する中空管であってノズルの両側壁から外
    側に伸長しノズルを首振り自在に軸支する相互に同一の
    軸線を有する一対のジンバル軸(5)からなり、 該ジンバル軸は外部から供給されるレーザー光をノズル
    内部に集光する凹面鏡若しくは凸レンズより構成される
    集光手段(16)と一体となるよう固定され、 該集光手段によって集光されたレーザー光がノズル内の
    ジンバル軸の軸線上に焦点を結ぶことを特徴とする請求
    項1乃至3に記載のプラズマガス推進装置。
  5. 【請求項5】 前記ノズルにはその内周面に単一のくび
    れ部(26)が形成され、 該くびれ部の上部には前記ジンバル軸によって軸支さ
    れ、かつ、レーザー光導入部を有するノズル上部(6
    a)が形成されており、 該くびれの下部には噴射口に向けてプラズマガス流路断
    面が徐々に大きくなるノズル下部(6b)が形成されて
    いることを特徴とする請求項4に記載のプラズマガス推
    進装置。
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